(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技システムについて説明し、その後、遊技機の構成および処理について説明する。
【0016】
(遊技システム1の概念的な構成)
図1は、遊技システム1の概略的な構成を示した説明図である。遊技システム1は、遊技機100と、情報端末200と、通信基地局300が含まれた通信網301と、サーバ400とを含んで構成され、遊技機100における遊技結果とサーバ400のWebサイトとを連動させる、所謂、サイト連動型のサービスを提供する。
【0017】
遊技機100では、遊技者が操作ハンドルを回転させることにより遊技盤内の遊技領域に向かって遊技球が発射され、遊技領域を流下した遊技球が始動口に入賞したことを契機に実行される大当たりの抽選において大当たりに当選すると、特別遊技(大当たり遊技)が実行され、多くの賞球を獲得することができる。このとき、遊技機100に備えられた演出装置(演出表示装置、音声出力装置、演出役物装置、演出照明装置)においては、遊技の進行に合わせた演出が実行される。
【0018】
情報端末200は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等、Webブラウザを利用可能な電子機器等であり、通信基地局300および通信網301を介してサーバ400との通信を確立することができる。また、情報端末200は、遊技機100から演出装置における演出に関する演出情報や遊技履歴情報を取得することが可能である。
【0019】
ここで、「演出装置における演出に関する演出情報」とは、リーチ演出、予告演出、大当たりの演出、図柄の変動回数、大当たりの種別、達成したミッション、各種演出等により生成されたポイント等を意味するものである。また、「遊技履歴情報」とは、大当たりの抽選回数、大当たり回数、獲得賞球数、連荘回数(所定期間内に連続して大当たりに当選した回数)等を意味するものである。
【0020】
通信基地局300は、通信網301と接続され、情報端末200と無線によりデータの送受信を行うものである。また、通信基地局300は、情報端末200から無線により送信されたデータが入力され、入力されたデータを、通信網301を介してサーバ400に送信する。なお、サーバ400から情報端末200にデータを送信する場合も、通信経路は逆であるものの同様である。
【0021】
通信網301は、携帯電話網、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線等で構成され、通信基地局300を介して情報端末200とサーバ400とを通信接続する。
【0022】
サーバ400は、Webサイトを管理し、情報端末200が取得した情報を蓄積する等、様々なサービスを提供する。ここで、Webサイト(ポータルサイト)は、サーバ400により特定されるドメイン下にあるWebページ群を言う。
【0023】
当該遊技システム1において、遊技者は、例えば、任意の遊技機100で遊技開始から遊技終了までに、演出装置で実行された演出に関する演出情報を、遊技者自身の情報端末200に取り込み、サーバ400に送信して蓄積させる。また、遊技者は、このようにサーバ400に蓄積された演出情報を、情報端末200において確認することができる。さらに、特定のポイントを貯めると、遊技者は所定の特典(情報端末200上で利用できる特典や遊技に用いられる特典)を得ることができる。このような遊技システム1で実行される一連の機能を本実施形態では「打-WIN機能」と称する。
【0024】
(遊技システム1のブロック図)
図2は、遊技システムの構成を示すブロック図である。なお、遊技機100のブロック図については、
図11で詳しく説明するので、打-WIN機能を有する遊技システムを説明するにあたり、遊技機100については説明を簡略化する。
【0025】
遊技機100は、遊技制御部101と、払出装置121と、発射装置131と、演出表示装置151と、音声出力装置161と、演出役物装置162と、演出照明装置163と、演出操作装置164と、入賞装置170と、駆動装置180と、表示器190と、を含んで構成される。
【0026】
遊技制御部101は、少なくとも、主制御基板110と、払出制御基板120と、発射制御基板130と、副制御基板140と、画像制御基板150と、電飾制御基板160と、を含んで構成され、遊技機100の制御を行う機能を有する制御部である。
【0027】
ここで、主制御基板110は、遊技の基本動作を制御する制御部であり、払出制御基板120は、主制御基板110からの指示により払出装置121を制御する制御部である。また、発射制御基板130は、払出制御基板120との接続確認により発射装置131を制御する制御部であり、副制御基板140は、主制御基板110からの指示により演出を統括して制御する制御部である。また、画像制御基板150は、副制御基板140からの指示により演出表示装置151の制御を行う制御部であり、電飾制御基板160は、副制御基板140からの指示により、音声出力装置161、演出役物装置162および演出照明装置163の制御を行う制御部である。
【0028】
払出装置121は、遊技球を払い出す払出モータ、払い出された遊技球を計数するスイッチ等で構成され、遊技球を払い出す機能を有する装置である。
【0029】
発射装置131は、遊技球を打ち出す発射用ソレノイド、遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ、操作ハンドルの操作角度を検出する操作ボリューム等で構成され、遊技者の操作に応じて遊技球を発射する機能を有する装置である。
【0030】
演出表示装置151は、液晶表示装置、有機ELディスプレイ等で構成され、画像を表示する機能を有する表示装置である。特に、本実施形態では、演出表示装置151は、遊技の進行に合わせた演出画像を表示するだけではなく、遊技者の操作に応じて、所定の情報が含まれた二次元コードも表示する。
【0031】
ここで、「二次元コード」とは、例えば、QRコード(登録商標)やバーコード、さらには文字や数字データからなるパスワードを意味するものである。本実施形態では、後述するように、二次元コードとして、QRコードについて説明しているが、QRコードに置き換え、バーコード、文字や数字列等を用いてもよい。
【0032】
音声出力装置161は、スピーカ等から構成され、BGM(Background music)、SE(Sound Effect)等の音声を出力する機能を有する装置である。
【0033】
演出役物装置162は、遊技の演出に用いる構造物、その構造物を駆動させるモータ等から構成され、かかる構造物を駆動する機能を有する装置である。
【0034】
演出照明装置163は、白熱電球、LED(Light Emitting Diode)、蛍光灯、冷陰極管等から構成され、光を発光する機能を有する装置である。
【0035】
本実施形態では、上記演出表示装置151、音声出力装置161、演出役物装置162、演出照明装置163の全部または一部が、演出装置を構成している。
【0036】
演出操作装置164は、押しボタンスイッチ、ロータリースイッチ(ジョグダイヤル)等から構成され、遊技者の操作を検出する機能を有する装置である。特に、本実施形態では、演出操作装置164は、特定の操作を検出すると、演出表示装置151に二次元コードを表示させたり、情報端末200を介してサーバ400から取得したパスワードを入力させたりする。
【0037】
入賞装置170は、磁気センサ等で構成され、遊技機100の遊技領域に設けられた各種の入賞口(一般入賞口、始動口、大入賞口)またはゲートを遊技球が通過したことを検出する機能を有する装置である。
【0038】
駆動装置180は、ソレノイド、モータ等で構成され、始動口の可動片や大入賞口の開閉扉を駆動する機能を有する装置である。
【0039】
表示器190は、LED(例えば、7セグメント表示器)等で構成され、遊技の結果を示す各種図柄や、各種図柄の変動が保留されている保留個数を表示する機能を有する表示器である。
【0040】
次に、情報端末200の構成について説明する。
【0041】
情報端末200は、端末操作部201と、端末表示装置202と、撮像装置203と、端末通信装置204と、端末制御部205とを含んで構成される。
【0042】
端末操作部201は、キーボード、十字キー、タッチパネル等で構成され、遊技者の操作入力を受け付ける機能を有する装置である。
【0043】
端末表示装置202は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等で構成され、任意の画像を表示する機能を有する表示装置である。特に、本実施形態では、端末表示装置202は、サーバ400から取得したパスワードの画像を表示したり、サーバ400に蓄積されている遊技機100の演出情報に対応する画像を表示したりする。
【0044】
撮像装置203は、撮像レンズや、撮像レンズを通じて入射した光を光電変換し画像データにA/D変換してデータ化する撮像素子等で構成され、遊技機100の演出表示装置151に表示された二次元コードを撮像し、二次元コードに含まれた情報を抽出する機能を有する装置である。また、このような撮像装置203による二次元コードの撮像に代え、赤外線通信、近距離通信、Bluetooth(登録商標)等を利用して、遊技機100から情報を取得してもよい。
【0045】
端末通信装置204は、通信網301を介してサーバ400と通信を確立する機能を有する通信装置である。
【0046】
端末制御部205は、中央処理装置(CPU)、端末制御部205を動作するためのプログラム等を格納したROM、一時的なデータ保存およびワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路により構成され、情報端末200全体を管理および制御する機能を有する制御部である。
【0047】
次に、サーバ400の構成について説明する。
【0048】
サーバ400は、蓄積装置401と、サーバ通信装置402と、サーバ制御部403とを含んで構成される。
【0049】
蓄積装置401は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成され、主として、複数の遊技者固有情報を管理し、それぞれの遊技者固有情報に関連付けて遊技機100からの演出情報を蓄積する機能を有する装置である。
【0050】
サーバ通信装置402は、通信網301を介して情報端末200と通信を確立する機能を有する通信装置である。
【0051】
サーバ制御部403は、中央処理装置(CPU)、サーバ制御部403を動作するためのプログラム等を格納したROM、一時的なデータ保存およびワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路により構成され、サーバ400全体を管理および制御する機能を有する制御部である。
【0052】
(遊技システム1のシーケンス図)
図3、
図4は、本実施形態による遊技システム1のシーケンス図である。なお、ここでは、遊技機100に関する処理について簡単に説明することとし、遊技機100に関する処理の詳細については後述する。
【0053】
(打-WIN機能の事前登録)
遊技者は、打-WIN機能を利用する場合には、遊技者自身の情報端末200を介してサーバ400にアクセスして、サーバ400に遊技者を特定する遊技者固有情報を事前に登録しておかなければならない。以下、具体的な処理について説明する。
【0054】
(ステップS1)
遊技機100は、遊技者から演出操作装置164に対して第1の操作が行われると、情報端末200からサーバ400にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を含む第1の二次元コードを生成する。
【0055】
(ステップS2)
そして、遊技機100は、上記ステップS1で生成した第1の二次元コードを演出表示装置151に表示する。すなわち、遊技者は、遊技機100の演出操作装置164に対して第1の操作を行い、遊技機100の演出表示装置151に第1の二次元コードを表示させる。
【0056】
(ステップS3)
情報端末200の撮像装置203は、端末操作部201からの操作に応じて、演出表示装置151に表示された第1の二次元コードを撮像し、第1の二次元コードに含まれた第1のコード情報(URL)を生成する。そして、情報端末200の端末制御部205は、その第1のコード情報(URL)を用い、端末通信装置204を介して登録要求コマンドをサーバ400に送信する。すなわち、遊技者は、情報端末200の端末操作部201を操作して、情報端末200の撮像装置203により、演出表示装置151に表示された第1の二次元コードを読み取り、読み取った第1の二次元コードに基づいてサーバ400にアクセスする。
【0057】
(ステップS4)
サーバ400のサーバ制御部403は、登録要求コマンドを受信すると、遊技者を特定するために、アクセスしている情報端末200のICCID(Integrated Circuit Card ID)、IPアドレス、携帯電話番号等の遊技者固有情報を取得する。そして、サーバ制御部403は、取得した遊技者固有情報が登録されていないと、取得した遊技者固有情報を登録し、蓄積装置401内に、登録した遊技者固有情報に関連付けて情報を蓄積する領域を確保する。こうして、打-WIN機能を利用する準備が整う。
【0058】
なお、本実施形態では、遊技機100の演出表示装置151に表示された第1の二次元コードを介して、サーバ400にアクセスし遊技者固有情報を登録するように構成したが、第1の二次元コードを介さずに、URLを直接的にサーバ400にアクセスして遊技者固有情報を登録してもよい。
【0059】
(打-WIN機能の遊技の開始)
遊技者は、打-WIN機能を利用して遊技を開始する場合には、遊技者自身の情報端末200を介してサーバ400にアクセスし、サーバ400からパスワードを取得し、取得したパスワードを遊技機100に入力する。以下、具体的な処理について説明する。
【0060】
(ステップS5)
情報端末200の端末制御部205は、端末操作部201からの操作に応じて、パスワード要求コマンドを、端末通信装置204を通じてサーバ400に送信する。
【0061】
(ステップS6)
サーバ400のサーバ制御部403は、パスワード要求コマンドを受信すると、パスワード生成処理を行う。このパスワード生成処理では、まずアクセスしている情報端末200から遊技者固有情報を取得する。そして、取得した遊技者固有情報に関連付けられ、蓄積装置401に蓄積されている演出情報、後述するキャラクタ情報を取得する。さらには、現在時刻等の所定条件に基づいて、遊技機100における特定の演出態様の出現率を変更するための変更情報を生成する。そして、取得した遊技者固有情報、演出情報およびキャラクタ情報、生成した変更情報が含まれたパスワードを生成する。
【0062】
これにより、どのような変更情報を生成するかをサーバ400側で管理できるので、サーバ400を管理する管理者(遊技機の製造メーカ)によって、特定の演出を出現させるキャンペーン等を行い、遊技機の稼働向上を図ることができる。
【0063】
また、「変更情報」は、期限情報も有している。後述するように、この期限情報により、遊技機100側で特定の時刻が計時されると、遊技機100に記憶された変更情報がクリアされる。これにより、所定の期間に限って、特定の演出態様の出現率を変更することができる。
【0064】
(ステップS7)
サーバ400のサーバ制御部403は、上記ステップS6で生成されたパスワードを、サーバ通信装置402を通じて情報端末200に送信する。
【0065】
(ステップS8)
情報端末200の端末制御部205は、端末通信装置204を通じて、サーバ400から受信したパスワードを端末表示装置202に表示させる。
【0066】
(ステップS9)
遊技機100は、端末表示装置202に表示されたパスワードが演出操作装置164を介して入力されると、打-WIN機能を開始するための打-WIN情報設定処理を行う。この打-WIN情報設定処理は、以後の遊技機100の演出装置で実行された演出に関する演出情報を蓄積させていく蓄積開始処理と、遊技機100の演出装置における演出のキャラクタ設定や演出態様の出現率の変更等を行う演出設定処理が行われる。
【0067】
これにより、遊技者による遊技の興趣が高められ、遊技者は、蓄積される演出情報のさらなる進展を望むこととなり、ひいては、当該機能を搭載した遊技機100の再遊技を促すことが可能となる。
【0068】
(ステップS10)
遊技機100では、遊技者によって遊技が行われると、大当たりの抽選、特別遊技の処理、演出装置における演出の処理等の様々な遊技処理が行われる。
【0069】
(ステップS11)
そして、上記ステップS10での遊技処理が行われる毎に、演出情報および遊技履歴情報が蓄積されて行く。
【0070】
(打-WIN機能の遊技の終了)
遊技者は、打-WIN機能を利用する遊技を終了する場合には、遊技機100の演出表示装置151に、演出情報が含まれた第2の二次元コードを表示させ、情報端末200により演出表示装置151に表示された第2の二次元コードを読み取り、読み取った第2の二次元コードからサーバ400にアクセスして、演出情報をサーバ400に蓄積する。以下、具体的な処理について説明する。
【0071】
(ステップS12)
遊技機100は、遊技者から演出操作装置164に対して第2の操作が行われると、少なくとも、遊技機100に蓄積された演出情報および遊技履歴情報と、サーバ400のURLと、を含む第2の二次元コードを生成する。
【0072】
(ステップS13)
そして、遊技機100は、上記ステップS12で生成した第2の二次元コードを演出表示装置151に表示する。
【0073】
(ステップS14)
情報端末200の撮像装置203は、端末操作部201からの操作に応じて、演出表示装置151に表示された第2の二次元コードを撮像し、第2の二次元コードに含まれた第2のコード情報(演出情報、遊技履歴情報、URL)を抽出する。
【0074】
(ステップS15)
そして、情報端末200の端末制御部205は、その第2のコード情報(演出情報、遊技履歴情報、URL)を用い、端末通信装置204を介して演出情報をサーバ400に送信する。
【0075】
(ステップS16)
サーバ400のサーバ制御部403は、演出情報(キャラクタ情報、ポイント数情報等)を受信すると、アクセスしている情報端末200の遊技者固有情報も併せて取得する。そして、サーバ制御部403は、受信した演出情報を、取得した遊技者固有情報に関連付けて蓄積装置401に蓄積させる。
【0076】
これにより、当該遊技機100において、パスワードを入力した時点(打-WIN機能の遊技の開始)から第2の二次元コードの演出表示装置151への表示を指示した時点(打-WIN機能の遊技の開始)までの演出情報および遊技履歴情報をサーバ400に蓄積させることができる。
【0077】
(打-WIN機能のメニュー表示)
遊技者は、打-WIN機能で用意された各種のメニューを使用する場合には、情報端末200によりサーバ400にアクセスして、情報端末200の端末操作部201を操作して、各種のメニューを選択していく(各種コマンドをサーバ400に送信していく)。以下、具体的な処理について説明する。
【0078】
(ステップS17)
サーバ400のサーバ制御部403は、情報端末200によりアクセスがあると、アクセスしている情報端末200から遊技者固有情報を取得し、取得した遊技者固有情報に関連付けられているキャラクタ情報、予め設定されたメニュー情報等から、打-WIN機能のトップメニュー情報(トップメニューの画像データ)を生成する。
【0079】
(ステップS18)
サーバ400のサーバ制御部403は、上記ステップS17で生成されたトップメニュー情報を、サーバ通信装置402を通じて情報端末200に送信する。
【0080】
(ステップS19)
情報端末200の端末制御部205は、端末通信装置204を通じて、サーバ400から受信したトップメニュー情報を端末表示装置202に表示させる。
【0081】
これ以降、遊技者は、端末表示装置202に表示されたトップメニューの画像データから、各種のメニューを選択していくことができる。
【0082】
(打-WIN機能の閲覧表示)
遊技者は、打-WIN機能を利用して、サーバ400に蓄積された演出情報や遊技履歴情報を閲覧する場合には、情報端末200によりサーバ400にアクセスして、サーバ400に蓄積された演出情報や遊技履歴情報に対応する閲覧情報(画像データ)を端末表示装置202に表示させる。以下、具体的な処理について説明する。
【0083】
(ステップS20)
情報端末200の端末制御部205は、端末操作部201からの操作に応じて、閲覧要求コマンドを、端末通信装置204を通じてサーバ400に送信する。
【0084】
(ステップS21)
サーバ400のサーバ制御部403は、閲覧要求コマンドを受信すると、アクセスしている情報端末200から遊技者固有情報を取得し、取得した遊技者固有情報に関連付けられ、蓄積装置401に蓄積されている演出情報や遊技履歴情報に基づいて閲覧情報を生成する。
【0085】
(ステップS22)
サーバ400のサーバ制御部403は、上記ステップS21で生成された閲覧情報を、サーバ通信装置402を通じて情報端末200に送信する。
【0086】
(ステップS23)
情報端末200の端末制御部205は、端末通信装置204を通じて、サーバ400から受信した閲覧情報を端末表示装置202に表示させる。
【0087】
これにより、遊技者は、これまでに遊技機100で実行された演出を、情報端末200において確認することができる。
【0088】
(打-WIN機能のキャラクタ設定)
また、サーバ400の蓄積装置401に蓄積されたそれぞれの遊技者固有情報には、上記の演出情報や遊技履歴情報だけではなく、遊技者が設定可能なキャラクタ情報(所謂アバター)も関連付けられて記憶されている。遊技者は、このキャラクタ情報を設定する場合には、情報端末200によりサーバ400にアクセスして、サーバ400に設定するキャラクタ情報を送信する。以下、具体的な処理について説明する。
【0089】
(ステップS24)
情報端末200の端末制御部205は、端末操作部201からの操作に応じて、複数種類のキャラ設定コマンドの中から、遊技者の希望に応じて選択されたキャラクタに関連付けられたキャラ設定コマンドを、端末通信装置204を通じてサーバ400に送信する。
【0090】
(ステップS25)
サーバ400のサーバ制御部403は、キャラ設定コマンドを受信すると、アクセスしている情報端末200から遊技者固有情報を取得し、受信したキャラ設定コマンドの種類に基づいてキャラクタ情報を決定する。そして、サーバ制御部403は、決定したキャラクタ情報を、取得した遊技者固有情報に関連付けて蓄積装置401に記憶する。
【0091】
(ステップS26)
サーバ400のサーバ制御部403は、上記ステップS25で設定されたキャラクタ情報を、サーバ通信装置402を通じて情報端末200に送信する。
【0092】
(ステップS27)
情報端末200の端末制御部205は、端末通信装置204を通じて、サーバ400から受信したキャラクタ情報を端末表示装置202に表示させる。
【0093】
これにより、遊技者の遊技者固有情報とキャラクタ情報とを関連付けて記憶し、遊技者の分身ともいえるキャラクタに愛着を持たせ、キャラクタを育てる楽しみも付与させることができ、より打-WIN機能の遊技性を向上させることができる。特に、本実施形態では、サーバ400で設定されたキャラクタ情報をパスワードに含めることにより、遊技機100側でも、サーバ400で設定されたキャラクタと同じキャラクタを表示させることができる。これにより、遊技者がサーバ400で設定したキャラクタを、遊技機100に移動させたかのように見せることができ、かかるキャラクタを用いて遊技機100の演出を実行することで、より遊技の興趣を向上させることができる。
【0094】
(その他の打-WIN機能)
その他、遊技者は、情報端末200によりサーバ400にアクセスして、様々な特典を得ることができる。例えば、サーバ400から、遊技機100の攻略情報、未公開情報、遊技機100の基本仕様、遊技機100に関するメロディーや音声等の着信音、着信画像、楽曲、待ち受け画面、アイコン等の情報といった特典を得ることができる。
【0095】
(打-WIN機能により情報端末200に表示される表示画像)
次に、
図5、
図6を用いて、上記遊技システム1のシーケンス図で説明した情報端末200に表示される表示画像の一例について説明する。
【0096】
遊技者は、打-WIN機能の事前登録を行った後、情報端末200を用いてサーバ400にアクセスすると、情報端末200の端末表示装置202では、
図5に示すように、打-WIN機能で用意された各種のメニューが表示される。なお、
図5(a)は、打-WIN機能のトップメニュー画面の1ページ目を示し、
図5(b)は、打-WIN機能のトップメニュー画面の2ページ目を示しており、情報端末200の端末操作部201によりスクロール表示される。
【0097】
具体的には、サーバ400は、アクセスした情報端末200から遊技者固有情報を取得し、取得した遊技者固有情報に関連付けられているキャラクタ情報、予め設定されたメニュー情報等からトップメニュー情報(画像データ)を生成して、生成したトップメニュー情報を、情報端末200に送信する(ステップS17〜S19参照)。
【0098】
これにより、情報端末200の端末表示装置202では、
図5(a)に示すように、「ステータス」として、遊技者のキャラクタ情報に対応する画像が表示され、
図5(b)に示すように、「メニュー」として、「パスワード発行」、「遊技履歴」、「ミッション確認」、「キャラクタ設定」、「特典ダウンロード」の項目が表示される。
【0099】
そして、遊技者が、情報端末200の端末操作部201を操作して、「メニュー」から「パスワード発行」を選択すると、打-WIN機能の遊技を行うためのパスワードを取得できる。
【0100】
具体的には、情報端末200の端末操作部201を操作して、打-WIN機能のトップメニューから「パスワード発行」を選択することで、パスワード要求コマンドが、サーバ400に送信される(ステップS5参照)。サーバ400は、パスワード要求コマンドを受信すると、パスワードを生成するとともに、当該生成したパスワードを、情報端末200に送信する(ステップS5〜ステップS7参照)。
【0101】
これにより、情報端末200の端末表示装置202では、
図6(a)に示すように、パスワードが表示される。
【0102】
次に、遊技者が、情報端末200の端末操作部201を操作して、「メニュー」から「遊技履歴」を選択すると、サーバ400に蓄積された遊技履歴情報の閲覧をできる。
【0103】
具体的には、情報端末200の端末操作部201を操作して、打-WIN機能のトップメニューから「遊技履歴」を選択することで、閲覧要求コマンドが、サーバ400に送信される(ステップS20参照)。サーバ400は、閲覧要求コマンドを受信すると、閲覧情報を生成して、生成した閲覧情報を、情報端末200に送信する(ステップS21、ステップS22参照)。
【0104】
これにより、情報端末200の端末表示装置202では、
図6(b)に示すように、遊技履歴の閲覧画像が表示される。
【0105】
次に、遊技者が、情報端末200の端末操作部201を操作して、「メニュー」から「キャラクタ設定」を選択すると、遊技者固有情報に関連付けられたキャラクタ情報(所謂アバター)を設定(変更)できる。
【0106】
具体的には、情報端末200の端末操作部201を操作して、打-WIN機能のトップメニューから「キャラクタ設定」を選択することで、キャラ設定コマンドが、サーバ400に送信される(ステップS24参照)。サーバ400は、キャラ設定コマンドを受信すると、キャラクタ情報を決定して、決定したキャラクタ情報を、情報端末200に送信する(ステップS25、ステップS26参照)。
【0107】
これにより、情報端末200の端末表示装置202では、
図6(c)に示すように、キャラクタ情報の画像が表示される。
【0108】
(打-WIN機能により遊技機100に表示される表示画像)
次に、
図7、
図8を用いて、上記遊技システム1のシーケンス図で説明した遊技機100に表示される表示画像の一例について説明する。
【0109】
詳しい制御処理については後述するが、遊技者が、遊技機100においてデモ表示が行われているときに、演出操作装置164の操作を行うと、
図7(a)に示すように、演出表示装置151に「打-WINメニュー」の画面が表示される。この「打-WINメニュー」には、少なくとも「新規登録」、「パスワード入力」、「遊技終了」、「戻る」のメニュー項目が表示されている。
【0110】
「打-WINメニュー」において、演出操作装置164の操作によって「新規登録」を選択すると、遊技機100では、サーバ400のURLを含む第1の二次元コードが生成される。そして、
図7(b)に示すように、遊技機100では、生成された第1の二次元コードが演出表示装置151に表示される(ステップS1、ステップS2参照)。
【0111】
この第1の二次元コードを情報端末200で読み取ってサーバ400にアクセスすることで、打-WIN機能の事前登録(新規登録)を行うことができる(ステップS3、ステップS4参照)。
【0112】
また、「打-WINメニュー」において、演出操作装置164の操作によって「パスワード入力」を選択すると、
図8(a)に示すように、パスワードを入力する入力画面が表示される(ステップS9参照)。
【0113】
この入力画面で、演出操作装置164を操作することにより、サーバ400から発行されたパスワードを入力することができる。
【0114】
また、「打-WINメニュー」において、演出操作装置164の操作によって「遊技終了」を選択すると、遊技機100では、遊技機100に蓄積された演出情報および遊技履歴情報と、サーバ400のURLと、を含む第2の二次元コードが生成される。そして、
図8(b)に示すように、遊技機100では、生成された第2の二次元コードが演出表示装置151に表示される(ステップS12、ステップS13参照)。
【0115】
この第2の二次元コードを情報端末200で読み取り、その第2の二次元コードに含まれた演出情報および遊技履歴情報をサーバ400に送信することで、遊技機100の演出に関する演出情報および遊技履歴情報をサーバ400に蓄積させることができる。
【0116】
なお、「打-WINメニュー」において、演出操作装置164の操作によって「戻る」を選択すると、演出表示装置151から「打-WINメニュー」の画面が消去される。
【0117】
次に、本実施形態の遊技機100について詳細に説明する。
【0118】
図9は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0119】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤8が保持されている。また、前枠6には、ガラス製または樹脂製の透過板10が保持されている。そして、これら中枠4および前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤8と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板10を介して遊技盤8が視認可能となる。
【0120】
図10は、遊技機100の正面図である。この
図10に示すように、前枠6の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。
【0121】
遊技領域16は、遊技盤8と透過板10との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤8には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域16に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0122】
また、遊技領域16には、遊技球が入球可能な一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22が設けられており、これら一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0123】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0124】
また、第2始動口22は、遊技盤8の裏面側から正面側に向けて出没可能な可動片22bを有しており、この可動片22bの状態に応じて、第2始動口22への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片22bが遊技盤8の裏面側に没入して、遊技領域16から退避した状態、すなわち、閉状態にある場合には、可動片22bの正面を遊技球が流下する構成となっており、第2始動口22への遊技球の入球が不可能もしくは困難となっている。
【0125】
これに対して、遊技領域16に設けられたゲート24を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片22bが所定時間、遊技領域16に向けて突出した開状態に制御される。このように、可動片22bが開状態になると、当該可動片22bが遊技球を第2始動口22に導く受け皿として機能し、第2始動口22への遊技球の入球が容易となる。
【0126】
さらに、第1始動口20および第2始動口22よりも下方にはアタッカー装置26が設けられている。このアタッカー装置26は、遊技球が入球可能な大入賞口28と、この大入賞口28を開閉する開閉扉28bと、を備えており、通常、開閉扉28bが閉扉して、大入賞口28への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の特別遊技が実行されると、開閉扉28bが所定の態様で開放されるとともに、この開閉扉28bが遊技球を大入賞口28内に導く受け皿として機能する。そして、大入賞口28に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0127】
なお、遊技領域16の最下部には、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域16から遊技盤8の背面側に排出する排出口30が設けられている。
【0128】
そして、遊技盤8には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置151と、可動装置からなる演出役物装置162とが設けられている。演出表示装置151は、画像を表示する演出表示部50aを備えており、この演出表示部50aを、遊技盤8の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。
【0129】
また、遊技盤8の裏面側であって、かつ、演出表示部50aよりも遊技機100の正面側には、演出役物装置162が設けられている。この演出役物装置162は、図示のように剣を模した形状に構成されており、演出表示部50aの前面から退避して遊技機100に正対する遊技者から視認できない初期位置から、図示のように演出表示部50aの前面に臨む変位位置へと変位可能に設けられている。
【0130】
また、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置には、遊技者の押下操作を受け付ける押しボタンおよび遊技者の回転操作を受け付けるジョグダイヤルからなる演出操作装置164が設けられている。さらに、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置には、遊技機100の正面側に向けられたスピーカからなる音声出力装置161が設けられている。そして、前枠6には、点灯態様や発光色をさまざまに制御して演出を行うためのランプからなる演出照明装置163が複数設けられている。
【0131】
なお、図中符号70は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿70が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿72に導かれることとなる。また、この下皿72の底面には、当該下皿72から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ72aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ72aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿72の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0132】
また、遊技盤8には、遊技領域16の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が設けられている。これら各表示器80〜90は、遊技に係る種々の状況を表示するための表示器であるが、その詳細については後述する。
【0133】
(制御手段の内部構成)
図11は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0134】
主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110b、メインRAM110cを備えている。メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0135】
上記主制御基板110には、一般入賞口18に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口20に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口22に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ22a、ゲート24を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ24a、大入賞口28に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ28aから構成される入賞装置170が接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板110に検出信号が入力されるようになっている。
【0136】
また、主制御基板110には、第2始動口22の可動片22bを作動する始動口開閉ソレノイド22cと、大入賞口28を開閉する開閉扉28bを作動する大入賞口開閉ソレノイド28cとから構成される駆動装置180が接続されており、主制御基板110によって、第2始動口22および大入賞口28の開閉制御がなされるようになっている。
【0137】
さらに、主制御基板110には、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90から構成される表示器190が接続されており、主制御基板110によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
【0138】
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球によって開始される特別図柄遊技と、ゲート24を遊技球が通過することによって開始される普通図柄遊技とに大別される。そして、主制御基板110のメインROM110bには、特別図柄遊技および普通図柄遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0139】
また、主制御基板110には、払出制御基板120および副制御基板140が接続されている。
【0140】
払出制御基板120は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板120も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板110に対して双方向に通信可能に接続されている。
【0141】
また、払出制御基板120には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ122と、払い出された遊技球を計数する払出球計数スイッチ123とから構成される払出装置121と、が接続されている。払出制御基板120は、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ122を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ123によって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
【0142】
また、払出制御基板120には、下皿72の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ124が接続されている。この皿満タン検出スイッチ124は、賞球として払い出される遊技球を下皿72に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板120に入力されるようになっている。
【0143】
そして、下皿72に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿72に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ124から払出制御基板120に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板120は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿72が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板110に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板110に送信する。
【0144】
発射制御基板130は、払出制御基板120と双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板130は、払出制御基板120から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板130には、操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ132と、操作ハンドル12の操作角度を検出する操作ボリューム133と、遊技球を打ち出す発射用ソレノイド134とから構成される発射装置131が接続されている。そして、タッチセンサ132および操作ボリューム133から信号が入力されると、発射制御基板130において、発射用ソレノイド134を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
【0145】
副制御基板140は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板140は、サブCPU140a、サブROM140b、サブRAM140c、RTC(Real Time Clock)140dを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から副制御基板140への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU140aは、主制御基板110から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM140bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板150または電飾制御基板160に送信する。このとき、サブRAM140cは、サブCPU140aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0146】
RTC140dは、時刻を計時する計時手段であり、RTC140dの内部に備えられた電池によって動作し、遊技機の電源が切られているときであっても、時刻の計時を行うことができる。そして、サブCPU140aは、RTC140dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。
【0147】
画像制御基板150は、演出表示装置151の演出表示部50aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備え、演出表示装置151と接続されている。この画像制御基板150のROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板140から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示装置151の演出表示部50aの画像表示を制御する。
【0148】
電飾制御基板160は、副制御基板140から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置161から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、電飾制御基板160は、副制御基板140から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置162を可動したり演出照明装置163を点灯制御したりする。さらには、演出操作装置164が押下操作されたことを検出する演出操作検出スイッチ56aから操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドを副制御基板140に送信する。
【0149】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されている。この電源基板は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力するようになっている。
【0150】
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM110bに記憶されている各種テーブルを参照しながら説明する。
【0151】
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別図柄遊技と普通図柄遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
【0152】
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口28が開放される特別遊技を実行する権利獲得の確率が低く(本実施形態では1/399)設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、特別遊技を実行する権利獲得の確率が高く(本実施形態では1/39.9)設定された遊技状態である。
【0153】
また、非時短遊技状態というのは、可動片22bが開状態になりにくく、第2始動口22に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片22bが開状態になりやすく、第2始動口22に遊技球が入球しやすい遊技状態である。
【0154】
遊技者が操作ハンドル12を操作して遊技領域16に遊技球を発射させるとともに、遊技領域16を流下する遊技球が第1始動口20または第2始動口22に入球すると、遊技者に付与される遊技利益が対応付けられた特別図柄の決定処理(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。この大当たりの抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口28が開放されるとともに当該大入賞口28への遊技球の入球が可能となる特別遊技が実行され、また、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大当たりの抽選方法について説明する。
【0155】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、大当たりの抽選に係る種々の乱数値(特別図柄乱数、大当たり乱数、第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM110cの保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口20に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第1保留とよび、第2始動口22に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第2保留とよぶ。
【0156】
この保留記憶領域は、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域の2つの記憶領域を備えており、また、両保留記憶領域はそれぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口20に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第1保留記憶領域の第1〜4記憶部に第1保留として記憶され、第2始動口22に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第2保留記憶領域の第1〜4記憶部に第2保留として記憶される。
【0157】
したがって、第1保留記憶領域に4つの第1保留が記憶された状態で、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはなく、また、第2保留記憶領域に4つの第2保留が記憶された状態で、第2始動口22に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはない。
【0158】
図12は、特別図柄判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜797の範囲内から1つの特別図柄乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、大当たりの抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態と、に応じて特別図柄判定テーブルが選択され、当該選択された特別図柄判定テーブルと取得された特別図柄乱数とによって大当たりの判定が行われる。
【0159】
低確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図12(a)に示す特別図柄判定テーブル1が参照される。この特別図柄判定テーブル1によれば、特別図柄乱数が0または1であった場合に大当たりと判定し、その他の特別図柄乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/399となる。
【0160】
また、高確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図12(b)に示す特別図柄判定テーブル2が参照される。この特別図柄判定テーブル2によれば、特別図柄乱数が0〜19であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/39.9となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。
【0161】
また、低確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図12(c)に示す特別図柄判定テーブル3が参照される。この特別図柄判定テーブル3も、特別図柄判定テーブル1と同様に、特別図柄乱数が0または1であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/399となる。
【0162】
また、高確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図12(d)に示す特別図柄判定テーブル4が参照される。この特別図柄判定テーブル4も、特別図柄判定テーブル2と同様に、特別図柄乱数が0〜19であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/39.9となる。このように、第2保留の大当たり判定においても、第1保留の大当たり判定と同様に、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。
【0163】
図13は、特別図柄の種別を決定するための図柄種別判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜299の範囲内から1つの大当たり乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、上記の大当たりまたはハズレの判定結果と、に応じて図柄種別判定テーブルが選択され、当該選択された図柄種別判定テーブルと取得された大当たり乱数とによって特別図柄の種別が決定される。
【0164】
上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル1が参照される。この図柄種別判定テーブル1によれば、図示のとおり、0〜299の各大当たり乱数に特別図柄A、B、C、D、E、F、G、H、I、J(以下「A〜J」と記す)の10種類の特別図柄が対応付けられており、例えば、大当たり乱数が「0」であった場合には、特別図柄Aが決定されることとなる。
【0165】
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第2保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル2が参照される。この図柄種別判定テーブル2によっても、上記図柄種別判定テーブル1と同様の確率で各特別図柄が決定される。
【0166】
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留または第2保留を判定した結果、ハズレの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル3が参照される。この図柄種別判定テーブル3によれば、大当たり乱数とは無関係に特別図柄の種別が決定される。ここでは、第1保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として特別図柄Xが決定され、第2保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として特別図柄Yが決定される。以下では、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
【0167】
図14は、大当たりの抽選結果を遊技者に報知する際の演出の態様(変動パターン)を決定する変動パターンコマンド決定テーブルのうち、前半の演出の態様を決定する第1変動パターンコマンド決定テーブルの一例を説明する図である。
図14(a)は、非時短遊技状態において参照される第1変動パターンコマンド決定テーブルを示し、
図14(b)は、時短遊技状態において参照される第1変動パターンコマンド決定テーブルを示している。
【0168】
第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの第1変動パターン乱数が取得されるとともに、0〜99の範囲内から1つの第2変動パターン乱数が取得される。なお、本実施形態においては、演出の態様が前半部分と後半部分とに分かれており、第1変動パターン乱数に基づいて前半の演出態様が決定され、第2変動パターン乱数に基づいて後半の演出態様が決定される。以下では、第1変動パターン乱数と第2変動パターン乱数とを総称して変動パターン乱数とよぶ。
【0169】
そして、遊技球が入球した始動口、上記の大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別、および、遊技状態に応じて、第1変動パターンコマンド決定テーブルが決定される。各第1変動パターンコマンド決定テーブルには、変動演出の態様のうち前半部分の演出態様と、第1変動パターン乱数とが対応付けられており、選択された第1変動パターンコマンド決定テーブルと、第1変動パターン乱数とによって、第1変動パターンが1つ決定されることとなる。なお、
図14において、第1変動パターンのうち「なし(0秒)」は、変動演出のうち前半部分の演出が行われないことを示すものである。
【0170】
図15および
図16は、後半の演出の態様を決定する第2変動パターンコマンド決定テーブルを説明する図である。
図15に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルは、第1変動パターンとして「なし(0秒)」が決定された場合に選択されるテーブルの一例であり、
図16に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルは、「なし(0秒)」以外の第1変動パターンが決定された場合に選択されるテーブルの一例である。
【0171】
図15に示すように、第1変動パターンとして「なし(0秒)」が決定された場合に選択される第2変動パターンコマンド決定テーブルは、テーブルA1、A2、テーブルB1、B2の4種類設けられており、これらの各テーブルが、遊技状態および始動口種別に応じて図示のとおりに選択されることとなる。
【0172】
なお、第2変動パターンコマンド決定テーブルとしてテーブルA1、A2が選択された場合には、保留の数に応じて「通常ハズレ1(12秒)」、「短縮ハズレ1(8秒)」、「短縮ハズレ2(4秒)」の中からいずれか1の第2変動パターンが決定される。また、第2変動パターンコマンド決定テーブルとしてテーブルB1、B2が選択された場合には、保留の数に応じて「通常ハズレ2(10秒)」または「短縮ハズレ3(3秒)」が決定される。
【0173】
ただし、
図15において示す保留数は、変動を開始する保留と同一種別の保留のみを対象としている。つまり、第1保留に基づいて特別図柄の変動を開始する場合には、第1保留数(X1)に応じて第2変動パターンが決定され、第2保留に基づいて特別図柄の変動を開始する場合には、第2保留数(X2)に応じて第2変動パターンが決定されることとなる。
【0174】
一方、「なし(0秒)」以外の第1変動パターンが決定された場合には、
図16に示すように第2変動パターンコマンド決定テーブルが選択される。
図16(a)は、非時短遊技状態において参照される第2変動パターンコマンド決定テーブルを示し、
図16(b)は、時短遊技状態において参照される第2変動パターンコマンド決定テーブルを示している。この図からも明らかなように、「なし(0秒)」以外の第1変動パターンが決定された場合には、変動を開始する保留の種別(第1保留であるか第2保留であるか)、決定された特別図柄の種別、および遊技状態(非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるか)に応じて、それぞれ第2変動パターンコマンド決定テーブルが選択される。各テーブルには第2変動パターン乱数と、後半の変動演出の態様を決定する第2変動パターンとが対応付けられており、第2変動パターン乱数に基づいて、いずれかの第2変動パターンが決定されることとなる。
【0175】
図17は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブルを説明する図である。特別電動役物作動テーブルは、特別遊技の実行中に大入賞口開閉ソレノイド28cを通電制御するために参照されるものであり、本実施形態においては、特別電動役物作動テーブルとして、作動TBL1が設けられている。そして、特別図柄A〜Jのいずれかが決定されると、この作動TBL1を参照して特別遊技が実行される。この作動TBL1によれば、大入賞口28が29秒開放すること、または、大入賞口28に9個の遊技球が入球する(カウントC=9)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が15回実行される。なお、各特別遊技において、ラウンド遊技間に設定される大入賞口28の閉鎖時間すなわちインターバル時間は、それぞれ2.0秒に設定されている。
【0176】
図18は、上記のようにして特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。特別遊技の終了後の遊技状態は、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別によって決定される。
【0177】
図示のとおり、特別図柄A、B、Cが決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率遊技状態に設定され、特別図柄D、E、F、G、H、I、Jが決定された場合には、特別遊技の終了後に高確率遊技状態に設定される。なお、高確率遊技状態は、大当たりの抽選結果が10000回確定するまで継続する。高確率遊技状態においては、大当たりの当選確率が1/39.9に設定されていることから、実質的には、大当たりに再度当選するまで高確率遊技状態が継続することとなる。
【0178】
また、特別遊技の終了後の遊技状態としては、高確率遊技状態または低確率遊技状態に加えて、時短遊技状態に設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の種別に応じて次のようにして決定される。
【0179】
すなわち、大当たり図柄(特別図柄A〜J)が決定されて特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後の遊技状態として必ず時短遊技状態に設定される。ただし、時短遊技状態の継続回数(時短回数)は、特別遊技の実行契機となった大当たり図柄の種別によって異なっている。具体的には、特別図柄A、Dが決定されて特別遊技が実行された場合には、大当たりの抽選結果が10回確定するまで時短遊技状態が継続し、特別図柄B、Eが決定されて特別遊技が実行された場合には、大当たりの抽選結果が20回確定するまで時短遊技状態が継続し、特別図柄C、Fが決定されて特別遊技が実行された場合には、大当たりの抽選結果が30回確定するまで時短遊技状態が継続する。また、特別図柄G、H、I、Jが決定されて特別遊技が実行された場合には、大当たりの抽選結果が10000回確定するまで時短遊技状態が継続する。ただし、上記した時短遊技状態の継続回数(時短回数)は最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、継続回数が設定されることとなる。
【0180】
図19は、普通図柄判定テーブルを説明する図である。遊技領域16を流下する遊技球がゲート24を通過すると、第2始動口22の可動片22bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の決定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
【0181】
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート24を通過すると、0〜19の範囲内から1つの普通図柄乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM110cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。したがって、普図保留記憶領域に4つの乱数値が記憶された状態で、遊技球がゲート24を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて乱数値が記憶されることはない。以下では、ゲート24を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された乱数値(普通図柄乱数)を普図保留とよぶ。
【0182】
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図19(a)に示す普通図柄判定テーブル1が参照される。この普通図柄判定テーブル1によれば、普通図柄乱数が0であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が1〜19あった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は1/20となる。
【0183】
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図19(b)に示す普通図柄判定テーブル2が参照される。この普通図柄判定テーブル2によれば、普通図柄乱数が0〜18であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が19であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は19/20となる。なお、普図抽選によって当選の判定結果が得られた場合には当たり図柄が決定され、ハズレの判定結果が得られた場合にはハズレ図柄が決定される。
【0184】
図20(a)は、普通図柄変動パターン決定テーブルを説明する図であり、
図20(b)は、第2始動口開放制御テーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動パターンが決定される。ここでは、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が20秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器88が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が消灯する。
【0185】
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器88が点灯した場合には、第2始動口22の可動片22bが、普図抽選が行われたときの遊技状態に応じて
図20(b)に示すように通電制御される。
【0186】
すなわち、非時短遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが0.1秒×1回=0.1秒のみ通電され、第2始動口22の可動片22bが0.1秒のみ開放する。また、時短遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが2.9秒×2回=5.8秒通電され、第2始動口22の可動片22bが合計で5.8秒開放する。
【0187】
このように、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口22に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート24を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口22が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の消費を低減しながら、大当たりの抽選を行うことが可能となる。
【0188】
次に、遊技機100における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
【0189】
(主制御基板のメイン処理)
図21を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
【0190】
電源基板より電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
【0191】
(ステップS91)
メインCPU110aは、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグ等を初期化したり、副制御基板140に送信する各種のコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。
【0192】
(ステップS92)
次に、メインCPU110aは、第1変動パターン乱数および第2変動パターン乱数を更新する変動パターン乱数更新処理を行う。
【0193】
(ステップS93)
次に、メインCPU110aは、特別図柄乱数および大当たり乱数を更新する際に参照される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS92とステップS93との処理を繰り返し行う。
【0194】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図22を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
【0195】
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒、以下「2ms」という)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
【0196】
(ステップS100)
まず、メインCPU110aは、各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
【0197】
(ステップS200)
次に、メインCPU110aは、特別図柄乱数、大当たり乱数、普通図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
【0198】
(ステップS300)
次に、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口検出スイッチ22a、ゲート検出スイッチ24a、大入賞口検出スイッチ28aに入力があったか否か判定する入力制御処理を行う。
【0199】
(ステップS400)
次に、メインCPU110aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電処理を行う。
【0200】
(ステップS500)
次に、メインCPU110aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電処理を行う。
【0201】
(ステップS600)
次に、メインCPU110aは、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28に遊技球が入球したか否かを確認するとともに、遊技球の入球があった場合には、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板120に送信する。
【0202】
(ステップS700)
次に、メインCPU110aは、外部情報データ、駆動装置180の駆動データ(第2始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ)、表示器190の表示データを作成する処理を行う。
【0203】
(ステップS800)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS700で作成した各データの信号を出力させるポート出力処理、および、上記各ステップでメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされたコマンドを送信するコマンド送信処理を行う。
【0204】
以下に、上記したタイマ割込処理のうち、ステップS300の入力制御処理、ステップS400の特図特電処理、ステップS500の普図普電処理について、詳細に説明する。
【0205】
図23は、上記ステップS300の入力制御処理を説明するフローチャートである。
【0206】
(ステップS310)
まず、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が一般入賞口18に入球したか否かを判定する。メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
【0207】
(ステップS320)
次に、メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が大入賞口28に入球したか否かを判定する。メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口28に入球した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタを加算して更新する。
【0208】
(ステップS330)
次に、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第1始動口20に入球したか否かを判定して、大当たりの抽選を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、
図24を用いて後述する。
【0209】
(ステップS340)
次に、メインCPU110aは、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第2始動口22に入球したか否かを判定する。なお、この第2始動口検出スイッチ入力処理は、各種データの記憶領域を異にする点を除いて、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理と同じである。
【0210】
(ステップS350)
次に、メインCPU110aは、ゲート検出スイッチ24aから信号が入力されたか、すなわち、遊技球がゲート24を通過したか否かを判定する。このゲート検出スイッチ入力処理については、
図26を用いて後述する。
【0211】
図24は、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0212】
(ステップS330−1)
まず、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか否かを判定する。第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS330−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0213】
(ステップS330−2)
上記ステップS330−1において、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU110aは、賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
【0214】
(ステップS330−3)
次に、メインCPU110aは、保留記憶領域に記憶されている第1保留数(X1)が4未満であるか否かを判定する。その結果、第1保留数(X1)<4と判定した場合にはステップS330−4に処理を移し、第1保留数(X1)≧4と判定した場合には第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0215】
(ステップS330−4)
上記ステップS330−3において、第1保留数(X1)<4と判定した場合には、メインCPU110aは、第1保留数(X1)に「1」加算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
【0216】
(ステップS330−5)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS200で更新された特別図柄乱数を取得して、第1保留記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索し、空いている記憶部に取得した特別図柄乱数を記憶する。
【0217】
(ステップS330−6)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS200で更新された大当たり乱数を取得するとともに、当該取得した大当たり乱数を、上記ステップS330−5で特別図柄乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
【0218】
(ステップS330−7)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS92で更新された第1変動パターン乱数および第2変動パターン乱数を取得するとともに、上記ステップS330−5およびステップS330−6で各乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
【0219】
(ステップS331)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS330−5〜ステップS330−7で記憶部に記憶された各乱数を判定する事前判定処理を実行し、当該第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0220】
図25は、上記ステップS331の事前判定処理を説明するフローチャートである。
【0221】
(ステップS331−1)
まず、メインCPU110aは、上記ステップS330−5で記憶部に記憶された特別図柄乱数を、上記した特別図柄判定テーブル1または特別図柄判定テーブル2に基づいて判定する。具体的には、現在の遊技状態に応じて、
図12に示す特別図柄判定テーブル1または特別図柄判定テーブル2を選択するとともに、選択したテーブルを参照して特別図柄乱数を判定し、当該事前判定結果をメインRAM110cの所定の処理領域に記憶する。なお、各乱数の判定は、大当たりの抽選を行うとき、すなわち、特別図柄の変動表示を開始するとき、および、当該特別図柄の変動表示よりも前、より具体的には、第1保留または第2保留が留保されたときの2回行われる。以下では、第1保留または第2保留が留保されたときになされる上記の判定処理を事前判定とよび、特別図柄の変動表示を開始するときになされる判定と区別することとする。
【0222】
(ステップS331−2)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS330−6で記憶部に記憶された大当たり乱数を事前判定する。具体的には、上記ステップS331−1の事前判定によって「大当たり」の結果が導出された場合には、
図13に示す図柄種別判定テーブル1を選択するとともに、当該選択したテーブルを参照して大当たり乱数を事前判定する。そして、当該事前判定によって導出された特別図柄の種別を、メインRAM110cの所定の処理領域に記憶する。一方、上記ステップS331−1の事前判定によって「大当たり」の結果が導出されなかった場合には、特別図柄Xに係るデータを、メインRAM110cの所定の処理領域に記憶する。
【0223】
(ステップS331−3)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS330−7で記憶部に記憶された第1変動パターン乱数を事前判定する。具体的には、上記ステップS331−2の事前判定結果によって導出された特別図柄の種別に応じて、
図14に示す第1変動パターンコマンド決定テーブルを選択するとともに、当該選択したテーブルを参照して第1変動パターン乱数を事前判定する。そして、当該事前判定によって導出された第1変動パターンの種別に係る情報(以下、「第1変動パターン情報」という)を、メインRAM110cの所定の処理領域に記憶する。
【0224】
(ステップS331−4)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS330−7で記憶部に記憶された第2変動パターン乱数を事前判定する。具体的には、上記ステップS331−3の事前判定結果によって導出された第1変動パターン情報、現在の遊技状態、テーブル切換回数、上記ステップS331−2の事前判定結果によって導出された特別図柄の種別に応じて、
図15または
図16に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルを選択するとともに、選択したテーブルを参照して第2変動パターン乱数を事前判定する。そして、当該事前判定によって導出された第2変動パターンの種別に係る情報(以下、「第2変動パターン情報」という)を、メインRAM110cの所定の処理領域に記憶する。
【0225】
(ステップS331−5)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS331−3および上記ステップS331−4においてメインRAM110cに記憶された第1変動パターン情報および第2変動パターン情報に基づいて始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットし、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。これにより、第1保留が留保された時点における第1変動パターン情報と第2変動パターン情報とが副制御基板140に送信されることとなる。
【0226】
なお、始動入賞コマンドは、第1保留が留保されたのか、それとも第2保留が留保されたのかを識別可能に構成されている。また、第1変動パターン情報と第2変動パターン情報とを1つのコマンドにもたせてもよいし、それぞれの情報を別個のコマンドにもたせて複数コマンドを送信することとしてもよい。この事前判定処理は第2始動口22に遊技球が入球した場合にも同様に行われる。
【0227】
図26は、上記ステップS350のゲート検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0228】
(ステップS350−1)
まず、メインCPU110aは、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS350−2に処理を移し、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0229】
(ステップS350−2)
上記ステップS350−1において、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU110aは、普図保留数(Y)が4未満であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)<4と判定した場合にはステップS350−3に処理を移し、普図保留数(Y)≧4と判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0230】
(ステップS350−3)
上記ステップS350−2において、普図保留数(Y)<4と判定した場合には、メインCPU110aは、普図保留数(Y)に「1」加算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
【0231】
(ステップS350−4)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS200で更新された普通図柄乱数を取得して普通図柄保留記憶領域に記憶して、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。なお、普通図柄保留記憶領域は、第1記憶部〜第4記憶部の4つの記憶部を有しており、普通図柄乱数が取得されると、第1記憶部から順に普通図柄乱数が記憶されていない空きの記憶部が検索され、空いている記憶部のうちもっとも番号(序数)の小さい記憶部に、取得した普通図柄乱数が記憶される。以下では、普通図柄保留記憶領域の記憶部に記憶された普通図柄乱数を普図保留とよぶ。
【0232】
次に、
図27〜
図33を用いて、主制御基板110において実行される上記の特別図柄遊技に係る処理について説明する。
【0233】
図27は、上記ステップS400の特図特電処理を説明するフローチャートである。
【0234】
(ステップS410)
まず、メインCPU110aは、特図特電データの値をロードする。この特図特電データとしては、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、停止後処理の実行を示すデータ「02」と、特別電動役物制御処理の実行を示すデータ「03」と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、が設けられている。
【0235】
次に、メインCPU110aは、特別図柄変動開始処理(ステップS420)、特別図柄変動停止処理(ステップS430)、停止後処理(ステップS440)、特別電動役物制御処理(ステップS450)、特別遊技終了処理を実行するが、これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0236】
図28は、上記ステップS420の特別図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。
【0237】
(ステップS420−1)
まず、メインCPU110aは、特図特電データが、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=00と判定した場合にはステップS420−2に処理を移し、特図特電データ=00ではないと判定した場合には当該特別図柄変動開始処理を終了する。
【0238】
(ステップS420−2)
上記ステップS420−1において、特図特電データ=00であると判定した場合には、メインCPU110aは、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されているかを判定する。その結果、第2保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−3に処理を移し、第2保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−4に処理を移す。
【0239】
(ステップS420−3)
上記ステップS420−2において、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU110aは、第2保留記憶領域に記憶されている第2保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第2保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当たりの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第2保留数(X2)から「1」減算した値を新たな第2保留数(X2)として記憶する。
【0240】
(ステップS420−4)
また、上記ステップS420−2において、第2保留記憶領域に第2保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU110aは、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されているかを判定する。その結果、第1保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−5に処理を移し、第1保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−10に処理を移す。
【0241】
(ステップS420−5)
上記ステップS420−4において、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU110aは、第1保留記憶領域に記憶されている第1保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第1保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当たりの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第1保留数(X1)から「1」減算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
【0242】
(ステップS420−6)
次に、メインCPU110aは、特別図柄判定テーブル(
図12参照)および図柄種別判定テーブル(
図13参照)のうち、現在の遊技状態に対応するテーブルを選択する。そして、上記ステップS420−3または上記ステップS420−5において処理領域に複写された特別図柄乱数および大当たり乱数を、それぞれ選択したテーブルに基づいて判定して、いずれかの特別図柄を決定するとともに、当該決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM110cの所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現在の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定したときの遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
【0243】
このように、この特別図柄変動開始処理によれば、第1保留および第2保留の双方が記憶されている場合には、第2保留に基づいて特別図柄決定処理がなされる。つまり、ここでは、第2保留が第1保留に優先して処理されることとなる。
【0244】
(ステップS421)
次に、メインCPU110aは、
図14に示す第1変動パターンコマンド決定テーブル、および、
図15または
図16に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルのうち、現在の遊技状態等に基づいて、対応するテーブルを選択する。そして、上記ステップS420−3または上記ステップS420−5において処理領域に上書きされた変動パターン乱数を、選択したテーブルに基づいて判定することにより変動パターンを決定する。この変動パターン決定処理については、
図29を用いて後述する。
【0245】
(ステップS420−7)
次に、メインCPU110aは、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82において、特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示器80が点滅表示を開始するとともに、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示器82が点滅表示を開始する。なお、ここで制御される点滅表示とは、各表示器82、84において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。また、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留が1つ減ることを示すように、第1特別図柄保留表示器84が表示制御され、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留が1つ減ることを示すように、第2特別図柄保留表示器86が表示制御される。
【0246】
(ステップS420−8)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS421で決定した変動時間を変動時間カウンタにセットする。
【0247】
(ステップS420−9)
次に、メインCPU110aは、特図特電処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、特図特電データに「01」をセットし、当該特別図柄変動開始処理を終了する。
【0248】
(ステップS420−10)
また、上記ステップS420−4において、第1保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU110aは、デモ判定処理を実行する。このデモ判定処理において、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間にわたって特別図柄の変動表示が行われない場合には、演出表示部50aにデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
【0249】
図29は、上記ステップS421の変動パターン決定処理を説明するフローチャートである。
【0250】
(ステップS421−1)
まず、メインCPU110aは、始動口種別(第1始動口または第2始動口)、現在の遊技状態、および特別図柄決定処理によって決定された特別図柄の種別を判定し、
図14に示す複数種類の第1変動パターンコマンド決定テーブルから1のテーブルを決定する。
【0251】
(ステップS421−2)
次に、メインCPU110aは、処理領域に記憶された第1変動パターン乱数を、上記ステップS421−1で選択した第1変動パターン決定テーブルに基づいて判定することにより第1変動パターンを決定する。
【0252】
(ステップS421−3)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS421−2で決定された第1変動パターンに対応する第1変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0253】
(ステップS421−4)
次に、メインCPU110aは、始動口種別(第1保留または第2保留)、現在の遊技状態、特別図柄決定処理によって決定された特別図柄の種別、上記ステップS421−3で決定された第1変動パターン情報(なし(0秒)であるか否か)を判定し、
図15および
図16に示す複数種類の第2変動パターンコマンド決定テーブルから1のテーブルを決定する。
【0254】
(ステップS421−5)
次に、メインCPU110aは、処理領域に記憶された第2変動パターン乱数を、上記ステップS421−4で選択した第2変動パターンコマンド決定テーブルに基づいて判定することにより第2変動パターンを決定する。
【0255】
(ステップS421−6)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS421−5で決定された第2変動パターンに対応する第2変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0256】
(ステップS421−7)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS421−2で決定された第1変動パターンの変動時間と、上記ステップS421−5で決定された第2変動パターンの変動時間と、を合算した変動時間を記憶し、当該変動パターン決定処理を終了する。
【0257】
図30は、上記ステップS430の特別図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。
【0258】
(ステップS430−1)
まず、メインCPU110aは、特図特電データが、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=01と判定した場合にはステップS430−2に処理を移し、特図特電データ=01ではないと判定した場合には当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0259】
(ステップS430−2)
上記ステップS430−1において、特図特電データ=01と判定した場合には、メインCPU110aは、変動時間(ステップS420−8でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、変動時間が経過したと判定した場合にはステップS430−3に処理を移し、変動時間は経過していないと判定した場合には当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0260】
(ステップS430−3)
上記ステップS430−2において、変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU110aは、上記ステップS420−6で決定、記憶された特別図柄を、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に停止表示するための停止表示データをセットする。
【0261】
(ステップS430−4)
次に、メインCPU110aは、図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0262】
(ステップS430−5)
次に、メインCPU110aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
【0263】
(ステップS430−6)
次に、メインCPU110aは、特図特電処理において停止後処理が実行されるように、特図特電データに「02」をセットし、当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0264】
図31は、上記ステップS440の停止後処理を説明するフローチャートである。
【0265】
(ステップS440−1)
まず、メインCPU110aは、特図特電データが、停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=02と判定した場合にはステップS440−2に処理を移し、特図特電データ=02ではないと判定した場合には当該停止後処理を終了する。
【0266】
(ステップS440−2)
上記ステップS440−1において、特図特電データ=02と判定した場合には、メインCPU110aは、停止表示時間(ステップS430−5でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS440−3に処理を移す。
【0267】
(ステップS440−3)
上記ステップS440−2において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU110aは、時短遊技状態設定処理を行う。ここでは、メインCPU110aは、現在の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンしているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンしている場合には、メインRAM110cに設けられた特定変動回数記憶領域を更新する。この特定変動回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残り変動回数(継続回数)が記憶されており、ここでは、現在、記憶されている残り変動回数から「1」減算した値を新たな残り変動回数として記憶することとなる。なお、残り変動回数を更新した結果、残り変動回数=0となった場合には、同時に時短遊技フラグをオフする処理が行われることとなる。また、時短遊技フラグはオンしていないと判定した場合には、そのまま次のステップS440−4に処理を移す。
【0268】
(ステップS440−4)
次に、メインCPU110aは、高確率遊技状態設定処理を行う。ここでは、メインCPU110aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンしているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンしている場合には、メインRAM110cに設けられた高確変動回数記憶領域を更新する。この高確変動回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残り変動回数(継続回数)が記憶されており、ここでは、現在、記憶されている残り変動回数から「1」減算した値を新たな残り変動回数として記憶することとなる。なお、残り変動回数を更新した結果、残り変動回数=0となった場合には、同時に高確遊技フラグをオフする処理が行われることとなる。また、高確遊技フラグはオンしていないと判定した場合には、そのまま次のステップS440−5に処理を移す。
【0269】
(ステップS440−5)
次に、メインCPU110aは、停止表示されている図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS440−6に処理を移し、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合にはステップS440−7に処理を移す。
【0270】
(ステップS440−6)
上記ステップS440−5において、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合には、メインCPU110aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該停止後処理を終了する。これにより、次の特別図柄の変動表示が開始可能となる。
【0271】
(ステップS440−7)
一方、上記ステップS440−5において、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU110aは、現在の遊技状態を遊技状態バッファに記憶した後、遊技状態(高確遊技フラグ、高確残り変動回数、時短遊技フラグ、時短残り変動回数)をリセットする処理を行う。
【0272】
(ステップS440−8)
次に、メインCPU110aは、特図特電処理において特別電動役物制御処理が実行されるように、特図特電データに「03」をセットする。これにより、大当たり図柄が停止表示した後に特別遊技が開始されることとなる。
【0273】
(ステップS440−9)
次に、メインCPU110aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして当該停止後処理を終了する。
【0274】
図32は、上記ステップS450の特別電動役物制御処理を説明するフローチャートである。
【0275】
(ステップS450−1)
まず、メインCPU110aは、特図特電データが、特別電動役物制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=03と判定した場合にはステップS450−2に処理を移し、特図特電データ=03ではないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0276】
(ステップS450−2)
上記ステップS450−1において、特図特電データ=03と判定した場合には、メインCPU110aは、オープニング開始処理を行う。特別遊技においては、
図17に示す作動TBL1を参照して大入賞口28が開放されるラウンド遊技が複数回実行されるが、1回目のラウンド遊技を開始する前には、専用のオープニング演出を実行するための時間を確保すべく、オープニング開始処理によって所定時間、待機状態が維持される。ここでは、メインCPU110aが、オープニング時間として予め設定された時間をタイマカウンタにセットすることとなる。なお、すでにオープニング中である場合や、オープニングが終了した場合には、当該処理を実行することなく次のステップに処理が移される。
【0277】
(ステップS450−3)
次に、メインCPU110aは、オープニング中であるかを判定する。その結果、オープニング中であると判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了し、オープニング中ではないと判定した場合にはステップS450−4に処理を移す。
【0278】
(ステップS450−4)
上記ステップS450−3において、現在、オープニング中ではないと判定した場合には、メインCPU110aは、
図17に示す作動TBL1を参照して、所定回数のラウンド遊技が実行されるラウンド遊技実行処理を行う。
【0279】
(ステップS450−5)
次に、メインCPU110aは、全てのラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、全てのラウンド遊技が終了したと判定した場合にはステップS450−6に処理を移し、全てのラウンド遊技は終了していないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0280】
(ステップS450−6)
上記ステップS450−5において、全てのラウンド遊技が終了したと判定した場合には、メインCPU110aは、エンディング開始処理を行う。ここでは、専用のエンディング演出を実行するための時間を確保すべく、メインCPU110aは、エンディング時間として予め設定された時間をタイマカウンタにセットする。これにより、セットした時間が経過するまで待機状態に維持されることとなる。また、メインCPU110aは、エンディングの開始を副制御基板140に伝達すべく、エンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。なお、すでにエンディング中である場合には、当該処理を実行することなく次のステップに処理が移される。
【0281】
(ステップS450−7)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS450−6でセットされたタイマカウンタによって、予め設定されたエンディング時間が経過したかを判定する。その結果、エンディング時間が経過したと判定した場合にはステップS450−8に処理を移し、エンディング時間は経過していないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0282】
(ステップS450−8)
上記ステップS450−7において、エンディング時間が経過したと判定した場合には、メインCPU110aは、特図特電処理において特別遊技終了処理が実行されるように、特図特電データに「04」をセットし、当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0283】
図33は、上記ステップS460の特別遊技終了処理を説明するフローチャートである。
【0284】
(ステップS460−1)
まず、メインCPU110aは、メインRAM110cに記憶された特別図柄データおよび遊技状態バッファにある遊技状態データをロードする。そして、
図18に示す遊技状態設定テーブルを参照し、これら特別図柄データに基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、高確遊技フラグ、高確継続回数(残り変動回数)、時短遊技フラグ、時短継続回数(残り変動回数)を設定する。
【0285】
(ステップS460−2)
次に、メインCPU110aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドは、上記ステップS460−1で設定された高確遊技フラグ、高確継続回数(残り変動回数)、時短遊技フラグ、時短継続回数(残り変動回数)に係る情報に加え、特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別に係る情報を有している。
【0286】
(ステップS460−3)
次に、メインCPU110aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該特別遊技終了処理を終了する。
【0287】
次に、
図34〜
図38を用いて、主制御基板110において実行される上記の普通図柄遊技に係る処理について説明する。
【0288】
図34は、上記ステップS500の普図普電処理を説明するフローチャートである。
【0289】
(ステップS510)
まず、メインCPU110aは、普図普電データの値をロードする。この普図普電データは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ「13」と、が設けられている。
【0290】
次に、メインCPU110aは、普通図柄変動開始処理(ステップS520)、普通図柄変動停止処理(ステップS530)、普通図柄停止後処理(ステップS540)、普通電動役物制御処理(ステップS550)を実行する。これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0291】
図35は、上記ステップS520の普通図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。
【0292】
(ステップS520−1)
まず、メインCPU110aは、普図普電データが、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=10と判定した場合にはステップS520−2に処理を移し、普図普電データ=10ではないと判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0293】
(ステップS520−2)
上記ステップS520−1において、普図普電データ=10と判定した場合には、メインCPU110aは、普図保留数(Y)が1以上であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)≧1と判定した場合にはステップS520−3に処理を移し、普図保留数(Y)<1と判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0294】
(ステップS520−3)
上記ステップS520−2において、普図保留数(Y)≧1と判定した場合には、メインCPU110aは、普図保留数(Y)から「1」減算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
【0295】
(ステップS520−4)
次に、メインCPU110aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されている普図保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている普通図柄乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に普通図柄乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を1つ番号(序数)の小さい記憶部にシフトさせる。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第3記憶部および第4記憶部に乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号(序数)の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普通図柄保留記憶領域に記憶された普図保留は、記憶された順に処理領域に書き込まれることとなる。つまり、普通図柄保留記憶領域に記憶された乱数は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、当選判定処理に用いられることとなる。
【0296】
(ステップS520−5)
次に、メインCPU110aは、処理領域に複写された普通図柄乱数の当選判定処理を行う。具体的には、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、
図19(a)に示す普通図柄判定テーブル1を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、
図19(b)に示す普通図柄判定テーブル2を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。
【0297】
(ステップS520−6)
次に、メインCPU110aは、上記ステップS520−5の当選判定処理の結果が当選であるか否かを判定する。その結果、当選の判定結果が得られた場合にはステップS520−7に処理を移し、当選ではなくハズレの判定結果が得られた場合にはステップS520−8に処理を移す。
【0298】
(ステップS520−7)
上記ステップS520−6において、判定結果が当選であると判定した場合には、メインCPU110aは、当たり図柄データをメインRAM110cの所定の領域に記憶する。
【0299】
(ステップS520−8)
一方、上記ステップS520−6において、判定結果がハズレであると判定した場合には、メインCPU110aは、ハズレ図柄データをメインRAM110cの所定の領域に記憶する。
【0300】
(ステップS520−9)
次に、メインCPU110aは、現在の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、現在の遊技状態に応じて普図変動時間をセットする。具体的には、
図20(a)に示すように、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに20秒をセットし、時短遊技状態である場合には普図変動時間カウンタに1秒をセットする。
【0301】
(ステップS520−10)
次に、メインCPU110aは、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示器88が点滅表示を開始する。また、普通図柄の変動表示が開始するのと同時に、普図保留が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示器90が表示制御される。
【0302】
(ステップS520−11)
次に、メインCPU110aは、現在の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。
【0303】
(ステップS520−12)
次に、メインCPU110aは、普図普電処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図普電データに「11」をセットし、当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0304】
図36は、上記ステップS530の普通図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。
【0305】
(ステップS530−1)
まず、メインCPU110aは、普図普電データが、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=11と判定した場合にはステップS530−2に処理を移し、普図普電データ=11ではないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0306】
(ステップS530−2)
上記ステップS530−1において、普図普電データ=11と判定した場合には、メインCPU110aは、普図変動時間(ステップS520−9でセット)が経過したかを判定する。その結果、普図変動時間が経過したと判定した場合にはステップS530−3に処理を移し、普図変動時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0307】
(ステップS530−3)
上記ステップS530−2において、普図変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU110aは、普通図柄表示器88に普通図柄を停止表示するための停止表示データをセットする。
【0308】
(ステップS530−4)
次に、メインCPU110aは、上記のようにして普通図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
【0309】
(ステップS530−5)
次に、メインCPU110aは、普図普電処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図普電データに「12」をセットし、当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0310】
図37は、上記ステップS540の普通図柄停止後処理を説明するフローチャートである。
【0311】
(ステップS540−1)
まず、メインCPU110aは、普図普電データが、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=12と判定した場合にはステップS540−2に処理を移し、普図普電データ=12ではないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0312】
(ステップS540−2)
上記ステップS540−1において、普図普電データ=12と判定した場合には、メインCPU110aは、停止表示時間(ステップS530−4でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS540−3に処理を移す。
【0313】
(ステップS540−3)
上記ステップS540−2において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU110aは、停止表示されている図柄が当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合にはステップS540−4に処理を移す。
【0314】
(ステップS540−4)
上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU110aは、普図普電処理において普通電動役物制御処理が実行されるように、普図普電データに「13」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0315】
(ステップS540−5)
一方、上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄ではない(ハズレ図柄である)と判定した場合には、メインCPU110aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0316】
図38は、上記ステップS550の普通電動役物制御処理を説明するフローチャートである。
【0317】
(ステップS550−1)
まず、メインCPU110aは、普図普電データが、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=13と判定した場合にはステップS550−2に処理を移し、普図普電データ=13ではないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0318】
(ステップS550−2)
上記ステップS550−1において、普図普電データ=13と判定した場合には、メインCPU110aは、普通電動役物が制御中であるか、すなわち、すでに始動口開閉ソレノイド22cが通電制御中であるかを判定する。その結果、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、ステップS550−5に処理を移し、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合にはステップS550−3に処理を移す。
【0319】
(ステップS550−3)
上記ステップS550−2において、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合には、メインCPU110aは、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれであったかを判定する。
【0320】
(ステップS550−4)
次に、メインCPU110aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電制御を開始すべく、上記ステップS550−3において確認した遊技状態に応じて通電制御データをセットする。具体的には、普通図柄の変動開始時の遊技状態が非時短遊技状態であった場合には始動口開閉ソレノイド22cの通電制御データとして、開放回数=1回、1回の開放時間=0.1秒となる通電制御データをセットする。また、普通図柄の変動開始時の遊技状態が時短遊技状態であった場合には、開放回数=2回、1回の開放時間=2.9秒となる通電制御データをセットする。
【0321】
(ステップS550−5)
また、上記ステップS550−2において、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、メインCPU110aは、上記ステップS550−4でセットされた通電時間を経過したかを判定する。その結果、通電時間を経過したと判定した場合にはステップS550−6に処理を移し、通電時間は経過していないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0322】
(ステップS550−6)
上記ステップS550−5において、通電時間が経過したと判定した場合には、メインCPU110aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電を停止する処理を行う。
【0323】
(ステップS550−7)
次に、メインCPU110aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0324】
以上のように、主制御基板110において各種の処理が実行されることにより、特別図柄遊技および普通図柄遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板110から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板140において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、副制御基板140において制御される演出等の内容と、その処理について具体的に説明する。
【0325】
本実施形態においては、
図39(a)に示すように、演出表示部50aに表示される3つの演出図柄40a、40b、40cの組み合わせによって、大当たりの抽選結果を遊技者に報知するようにしている。
【0326】
演出図柄40a、40b、40cのそれぞれは、1〜9の数字が記された9種類の図柄から構成されている。そして、特別図柄の変動表示が開始するのとほぼ同時に、
図39(b)に示すように、演出図柄40a、40b、40cのそれぞれが、9種類の図柄を縦方向にスクロール表示させる変動演出を開始する。なお、
図39(b)における矢印は、演出図柄40a、40b、40cが変動表示中(縦方向のスクロール表示中)であることを示している。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、演出表示部50aに、全ての演出図柄40a、40b、40cが停止表示される。
【0327】
このように、特別図柄の変動表示中には、演出図柄40a、40b、40cが演出表示部50aに変動表示される変動演出が行われる。本実施形態においては、変動演出の態様が、「リーチなし演出」、「リーチ演出」、「擬似連続リーチ演出」に分類され、これらのいずれかの態様の変動演出が行われることとなる。
【0328】
図40は、「リーチなし演出」の一例を示す図である。「リーチなし演出」においては、
図40(a)に示すように、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから所定時間経過後に、
図40(b)に示すように、まず、演出図柄40aが停止表示する。その後、さらに所定時間経過後に、
図40(c)に示すように、演出図柄40cが演出図柄40aと異なる図柄で停止表示し、その後、さらに所定時間が経過したところで、
図40(d)に示すように、最後に演出図柄40bが停止表示する。このとき、演出図柄40a、40b、40cの全てが同一の図柄で停止表示することはなく、これによって大当たりの抽選結果がハズレであったことが遊技者に報知される。
【0329】
なお、この「リーチなし演出」は、
図14に示すように、「なし(0秒)」の第1変動パターンコマンドを受信した場合に実行される。この「なし(0秒)」の第1変動パターンコマンドは、大当たりの抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ決定されるので、大当たり当選時に「リーチなし演出」が実行されることはない。また、「なし(0秒)」の第1変動パターンが決定された場合には、
図15に示すように、「通常ハズレ1(12秒)」、「通常ハズレ2(10秒)」、「短縮ハズレ1(8秒)」、「短縮ハズレ2(4秒)」、「短縮ハズレ3(3秒)」のいずれかの第2変動パターンが決定される。したがって、「リーチなし演出」中の画像や音声、あるいは変動演出の時間は、これらのいずれかの第2変動パターンに基づいて決定されることとなる。
【0330】
図41は、「リーチ演出」の一例を示す図である。「リーチ演出」においては、
図41(a)に示すように、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから所定時間経過後に、
図41(b)に示すように、まず、演出図柄40aが停止表示する。その後、さらに所定時間経過後に、
図41(c)に示すように、演出図柄40cが演出図柄40aと同じ図柄で停止表示する。
【0331】
このとき、
図41(d)に示すように、演出図柄40bが変動表示を継続したままの状態で、演出表示部50aにおいて、「リーチ」という文字が、演出図柄40a、40b、40cに重畳表示される。その後、
図41(e)に示すように、演出役物装置162が初期位置から変位位置へと変位するとともに、所定時間、演出役物装置162が演出表示部50aの前面に臨んだ状態に保持される。
【0332】
そして、
図41(f)に示すように、演出役物装置162が初期位置へと復帰するとともに、演出図柄40a、40b、40cの表示面積が小さくなって、演出表示部50aの右上の表示領域に表示された後、演出表示部50aにおいて、ストーリー画像等のさまざまな演出画像が表示される。その後、
図41(g)に示すように、演出図柄40a、40b、40cの表示面積が元の大きさとなったところで、演出図柄40bが停止表示し、このときの演出図柄40a、40b、40cの停止表示態様によって大当たりの抽選結果が報知されることとなる。
【0333】
なお、この「リーチ演出」は、
図14に示すように、「リーチ(20秒)」の第1変動パターンコマンドを受信した場合に実行される。この「リーチ(20秒)」の第1変動パターンコマンドは、大当たりの抽選結果が「大当たり」であった場合と、「ハズレ」であった場合との双方の場合に決定され得る。そして、大当たりの抽選結果が「大当たり」であった場合には、
図41(g)に示すように、最終的に全ての演出図柄40a、40b、40cが同一の図柄で停止表示する。これに対して、大当たりの抽選結果が「ハズレ」であった場合には、演出図柄40a、40cは同一の図柄で停止表示するものの、演出図柄40bは、最終的に演出図柄40a、40cと異なる図柄で停止表示することとなる。
【0334】
また、「リーチ(20秒)」の第1変動パターンが決定された場合には、
図16に示すように、「スーパー1(30秒)」、「スーパー2(40秒)」、「スーパー3(50秒)」、「スーパー4(60秒)」、「プレミア大当たり(60秒)」のいずれかの第2変動パターンが決定される。したがって、「リーチ演出」中の画像や音声、あるいは変動演出の時間は、これらのいずれかの第2変動パターンに基づいて決定されることとなる。
【0335】
なお、詳しい説明は省略するが、「疑似連続リーチ演出」は、上記した「リーチ演出」の前半に、演出図柄40a、40b、40cの変動表示が、所定の停止表示態様で仮停止表示した後、変動表示を再開するといった態様の演出が所定回数行われ、その後、上記した「リーチ演出」と同様の変動演出が実行されるものである。
【0336】
なお、「擬似連続リーチ演出」は、
図14に示すように、「疑似1リーチ(25秒)」、「疑似2リーチ(30秒)」、「疑似3リーチ(35秒)」、「疑似4リーチ(40秒)」の第1変動パターンコマンドを受信した場合に実行される。これら各第1変動パターンコマンドは、大当たりの抽選結果が「大当たり」であった場合と、「ハズレ」であった場合との双方の場合に決定され得る。
【0337】
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、サブROM140bに記憶されている各種テーブルを参照しながら説明する。
【0338】
図42は、第2変動パターンコマンド受信時に参照する演出振分テーブルを決定するためのテーブルを示す図である。
【0339】
図42に示すテーブルでは、大当たりの種別等により、複数の第2変動パターンコマンドがグループ化され、グループ化された第2変動パターンコマンドと演出振分テーブルとを対応付けて記憶している。具体的には、受信した第2変動パターンコマンドが、「通常ハズレ1(12秒)」、「通常ハズレ2(10秒)」、「短縮ハズレ1(8秒)」、「短縮ハズレ2(4秒)」、「短縮ハズレ3(3秒)」のいずれかのコマンドであると、演出振分テーブル1を決定する。
【0340】
また、受信した第2変動パターンコマンドが、「プレミア大当たり(60秒)」のコマンドであると、演出振分テーブル2を決定し、「チャンス1(10秒)」または「チャンス2(10秒)」のコマンドであると、演出振分テーブル3を決定する。また、受信した第2変動パターンコマンドが、「スーパー1大当たり(30秒)」、「スーパー2大当たり(40秒)」、「スーパー3大当たり(50秒)」、「スーパー4大当たり(60秒)」のいずれかのコマンドであると、演出振分テーブル4を決定する。また、受信した第2変動パターンコマンドが、「スーパー1ハズレ(30秒)」、「スーパー2ハズレ(40秒)」、「スーパー3ハズレ(50秒)」、「スーパー4ハズレ(60秒)」のいずれかのコマンドであると、演出振分テーブル5を決定する。
【0341】
図43、
図44は、第2変動パターンコマンド受信時に演出態様を決定するための演出振分テーブルを示す図である。
図43(a)は、演出振分テーブル1を示しており、
図43(b)は、演出振分テーブル2を示しており、
図43(c)は、演出振分テーブル3を示している。また、
図44(a)は、演出振分テーブル4を示し、
図44(b)は、選択演出が決定されたときに演出態様を決定するための選択演出決定テーブルを示し、
図44(c)は、演出振分テーブル5を示している。
【0342】
図43に示すように、演出振分テーブル1〜3では、受信した第2変動パターンコマンドに対して、演出態様を対応付けて記憶している。なお、本実施形態では、演出振分テーブル1〜3では、第2変動パターンコマンドと演出態様とを、乱数値やその他の条件を介さずに、直接的に対応付けて記憶しているが、
図44(a)、(c)で示すように、乱数値等にも対応付けて記憶してもよい。
【0343】
図44(a)に示すように、演出振分テーブル4では、複数の選択領域に第2演出乱数を記憶し、受信した第2変動パターンコマンドに対して、演出態様と選択領域とを対応付けて記憶している。
【0344】
具体的には、受信した第2変動パターンコマンドに対して、0〜99の第2演出乱数値が記憶された選択領域(固定選択領域)と「演出A―1」、「演出A―2」、「演出A―3」または「演出A―4」とを対応付け、100〜199の第2演出乱数値が記憶された選択領域(固定選択領域)と「演出B―1」、「演出B―2」、「演出B―3」または「演出B―4」とを対応付け、200〜299の第2演出乱数値が記憶された選択領域(固定選択領域)と「演出C―1」、「演出C―2」、「演出C―3」または「演出C―4」とを対応付けている。さらに、300〜399の第2演出乱数値が記憶された選択領域(可変選択領域)と「選択演出X1」とを対応付け、400〜499の第2演出乱数値が記憶された選択領域(可変選択領域)と「選択演出X2」とを対応付け、500〜599の第2演出乱数値が記憶された選択領域(可変選択領域)と「選択演出X3」とを対応付けている。
【0345】
ここで、「演出A―1」、「演出A―2」、「演出A―3」、「演出A―4」は、変動時間(演出時間)が相違するものの、同じキャラクタの演出態様を意味している。例えば、「演出A―1」は、キャラクタAによる30秒で終えるスーパーリーチを意味し、「演出A―2」は、キャラクタAによる40秒で終えるスーパーリーチを意味し、「演出A―3」は、キャラクタAによる50秒で終えるスーパーリーチを意味し、「演出A―4」は、キャラクタAによる60秒で終えるスーパーリーチを意味している。これについては、「演出B―1」、「演出B―2」、「演出B―3」、「演出B―4」、「演出C―1」、「演出C―2」、「演出C―3」、「演出C―4」についても同様である。
【0346】
また、「選択演出」とは、後述するように、打-WIN機能によるパスワードの情報に含まれている変更情報に基づいて、演出内容が選択される演出を意味する。すなわち、遊技機100にパスワードを入力すると、遊技機100では変更情報を取得し、取得した変更情報に基づいて、
図44(b)に示す選択演出決定テーブルにしたがって演出内容が選択される。
【0347】
具体的には、
図44(b)に示すように、選択演出決定テーブルでは、受信した第2変動パターンコマンドに対して、選択演出と変更情報と演出態様とを対応付けて記憶している。例えば、受信した第2変動パターンコマンドが「スーパー1大当たり(30秒)」であり、「変更情報なし」であったとする。このとき、
図43(a)に示す演出振分テーブル4に基づいて「選択演出X1」が決定された場合には、当該「選択演出X1」=「演出A―1」という決定がなされる。同様に、「選択演出X2」が決定された場合には、当該「選択演出X2」=「演出B―1」という決定がなされ、「選択演出X3」が決定された場合には、当該「選択演出X3」=「演出C―1」という決定がなされる。
【0348】
また、受信した第2変動パターンコマンドが「スーパー1大当たり(30秒)」であり、「変更情報A」であった場合には、全ての選択演出を「演出A―1」と決定し、「変更情報B」であった場合には、全ての選択演出を「演出B―1」と決定し、「変更情報C」であった場合には、全ての選択演出で「演出C―1」が決定される。なお、
図44(b)において、打-WIN機能によるパスワードの入力がないときには、「変更情報なし」が参照される。
【0349】
これにより、打-WIN機能によりパスワードを入力することで(変更情報を入力することで)、変更情報に基づいて、特定の演出態様の出現率を高めることができる。
【0350】
図44(c)に示すように、演出振分テーブル5では、受信した第2変動パターンコマンドに対して、第2演出乱数と演出態様とを対応付けて記憶している。
【0351】
ここで、
図44(a)に示す演出振分テーブル4と、
図44(c)に示す演出振分テーブル5とを比較すると、同じ系統の演出態様を決定するものの、
図44(c)に示す演出振分テーブル5では、選択演出が存在しない。これにより、選択演出により特定の演出態様の出現率を高めながら、出現率を高めた特定の演出態様での大当たりの信頼度も向上させることもできる。
【0352】
なお、本実施形態では、
図44(c)に示すように、ハズレのときの演出振分テーブル5では、選択演出を設けないように構成したが、ハズレのときの演出振分テーブル5でも選択演出を設けて、変更情報に基づいて、演出態様を決定してもよい。
【0353】
図45は、始動入賞コマンド受信時に参照する保留表示態様テーブルを決定するためのテーブルを示す図である。このテーブルでは、キャラクタ情報と保留表示態様テーブルとを対応付けて記憶している。
【0354】
ここで、「キャラクタ情報」とは、「キャラクタ番号」と「レベル情報」から構成されている。この「キャラクタ情報」は、後述するように、打-WIN機能によるパスワードの情報に含まれている情報である。そして、遊技機100にパスワードを入力すると、遊技機100では「キャラクタ情報」を取得できる。この「キャラクタ番号」は、打-WIN機能のキャラクタ設定において、サーバ400に記憶された遊技者固有情報に関連付けられ、遊技者が設定したキャラクタ情報(所謂アバター)に対応する情報である。また、「レベル」は、そのキャラクタ情報の成長度合いを示す情報であり、遊技機100での稼働に応じて、レベルが向上していく情報である。なお、
図45において、打-WIN機能によるパスワードの入力がないときには、キャラクタ番号として「キャラクタ番号0」が設定されている。
【0355】
図46は、始動入賞コマンド受信時に保留表示態様を決定するための保留表示態様テーブルを示す図である。
図46(a)は、保留表示態様テーブル1を示しており、
図46(b)は、保留表示態様テーブル2を示しており、
図46(c)は、保留表示態様テーブル3を示しており、
図46(d)は、保留表示態様テーブル4を示している。
【0356】
図46に示すように、各保留表示態様テーブルでは、受信した始動入賞コマンドが大当たり情報とハズレ情報とに分類され、分類された始動入賞コマンドに対して、0〜99の第3演出乱数と保留表示態様とを対応付けて記憶している。
【0357】
すでに説明したように、始動入賞コマンドは、当該保留の保留種別(第1保留であるのか第2保留であるのか)と、留保された時点における各乱数の事前判定結果に係る情報、具体的には、第1変動パターン情報および第2変動パターン情報を有している。そして、直接的には、大当たりやハズレといった大当たりの抽選結果の情報は有していないものの、第1変動パターン情報または第2変動パターン情報から、「大当たり」であるのか「ハズレ」であるのかを識別して、受信した始動入賞コマンドを大当たり情報とハズレ情報とに分類している。なお、始動入賞コマンドに、大当たりやハズレといった大当たりの抽選結果の抽選情報を付加してもよく、かかる抽選情報に基づいて、受信した始動入賞コマンドを大当たり情報とハズレ情報とに分類してもよい。
【0358】
さらには、受信した始動入賞コマンドを大当たり情報とハズレ情報とに分類せずに、始動入賞コマンドを第1変動パターン情報または第2変動パターン情報の種類から分類して、変動パターンで分類した始動入賞コマンドに対して、0〜99の第3演出乱数と保留表示態様とを対応付けて保留表示態様テーブルを構成してもよい。このようにした場合には、演出態様が実行される前に、事前にその演出態様を予告することができる。
【0359】
図46(a)に示すように、キャラクタ番号0のときには、保留表示態様として「通常保留0」、「特殊保留0」、「プレミア保留」が決定される。また、
図46(b)〜(d)に示すように、キャラクタ番号1のときには、保留表示態様として「通常保留1」、「特殊保留1」、「プレミア保留」が決定される。そして、キャラクタ番号1のときに表示される保留表示態様のうちの少なくとも一部を、キャラクタ番号0のときに表示される保留表示態様と異ならせている。これにより、遊技者が設定したキャラクタ情報に応じて、保留表示態様を異ならせることができる。
【0360】
図46(b)〜(d)は、同じキャラクタ番号1のときに決定される保留表示態様テーブルであり、レベル情報に応じて、保留表示態様の決定確率(出現率)を異ならせている。具体的には、高いレベル情報に対応する保留表示態様テーブルほど、ハズレ情報の始動入賞コマンドに対し、保留表示態様における「特殊保留1」の決定確率を低く構成している。さらに、高いレベル情報に対応する保留表示態様テーブルほど、大当たり情報の始動入賞コマンドに対し、保留表示態様における「特殊保留1」または「プレミア保留」の決定確率を高く構成している。すなわち、キャラクタ情報が設定された保留表示態様テーブルでは、レベル情報が高くなるほど、ハズレ情報に対応する「特殊保留1」(所謂ガセの特殊保留)の出現率が低くなるとともに、大当たり情報に対応する「特殊保留1」の出現率が高くなるように構成している。
【0361】
これにより、打-WIN機能によるパスワードの入力を行い、キャラクタ情報のレベル情報を高めていくほど、「特殊保留1」の大当たりの信頼度を向上させていくことができ、打-WIN機能を用いる遊技性をより向上させることができる。
【0362】
これに対し、打-WIN機能によるパスワードの入力がないときには、キャラクタ番号として「キャラクタ番号0」が設定され、
図46(a)に示すように、「特殊保留」の大当たりの信頼度が向上することはないように構成されている。これにより、打-WIN機能を利用した遊技性を相対的に高めている。
【0363】
なお、キャラクタ番号2に対応する保留表示態様テーブル5〜7、キャラクタ番号3に対応する保留表示態様テーブル8〜10に関しては、図示は省略するものの、保留表示態様が異なるだけで、
図46(b)〜(d)に示すキャラクタ番号1に対応する保留表示態様テーブル2〜4と同様に構成されている。
【0364】
次に、上記
図45および
図46で説明した保留表示態様について、演出表示装置151の演出表示部50aに表示される表示画像の一例について説明する。
図47は、保留表示態様としての表示画像の一例を説明する図である。
【0365】
図47(a)に示すように、演出表示装置151の演出表示部50aには、左下にキャラクタ番号1に対応するキャラクタ画像51aおよびレベル情報等に対応するキャラクタステータス画像52aが表示され、下方に通常保留1に対応する通常保留画像53aが3個並べられて表示されている。これは、第1保留数(X1)または第2保留数(X2)が「3」である状態を示し、また、キャラクタ番号1が設定され、そのキャラクタのレベル情報が「12」であることを示している。
【0366】
この状態から、
図47(b)に示すように、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、第1保留数(X1)または第2保留数(X2)が4個の保留数を有する状態となる。このとき、4個目の通常保留画像53aを新たに表示させ、新たに表示された通常保留画像53aを、キャラクタ画像51aがライフルで狙い撃つ演出を行う。
【0367】
図47(c)に示すように、キャラクタ画像51aがライフルで4個目の通常保留画像53aを狙い撃った結果、4個目の通常保留画像53aが特殊保留1に対応する特殊保留画像54aに差し替わって表示される。なお、特殊保留1が決定されると、キャラクタ画像がライフルで通常保留画像を狙い撃ち、通常保留画像から特殊保留画像に差し替えるという一連の演出が、特殊保留に予め対応付けられて記憶されている。
【0368】
また、
図47(d)に示すように、キャラクタ番号としてキャラクタ番号0が設定されていると、
図47(a)とは異なるキャラクタ画像、そのキャラクタ番号に対応する保留画像が表示される。演出表示装置151の演出表示部50aには、左下にキャラクタ番号0に対応するキャラクタ画像51bおよびレベル情報等に対応するキャラクタステータス画像52bが表示され、下方に通常保留0に対応する通常保留画像53bが3個並べられて表示されている。
【0369】
このようにして、設定されているキャラクタ画像、そのキャラクタ番号に対応する保留画像が表示される。ここでは、キャラクタ番号としてキャラクタ番号1が設定されていると、通常保留1に対応する通常保留画像53aの一例として「樽画像」が表示され、特殊保留1に対応する特殊保留画像54aの一例として「星の水晶画像」が表示される。また、キャラクタ番号としてキャラクタ番号0が設定されていると、通常保留0に対応する通常保留画像53bの一例として「ツリー画像」が表示され、図示は省略するが、特殊保留0に対応する特殊保留画像の一例として「炎の画像」が表示される。すなわち、設定されるキャラクタ情報に応じて、表示される保留表示態様を異ならせている。
【0370】
図48は、特別遊技の実行中に行われる大当たり演出を決定するための大当たり演出決定テーブルを示す図である。
【0371】
図48に示す大当たり演出決定テーブルでは、連荘回数と大当たり演出とを対応付けて記憶している。ここで、「連荘回数」とは、後述するように、所定の遊技期間(例えば、時短遊技状態)に特別遊技が実行される毎に計数される回数であり、大当たりの連荘回数を意味するものである。そして、大当たりの連荘回数が高くなると、異なる大当たり演出が決定されるように構成されている。これにより、遊技者に大当たりの連荘回数を高めさせる意識を与え、より遊技意欲を高めることができる。
【0372】
図49は、特別遊技の実行開始時に行われる大当たりのオープニングの表示態様の一例を説明する図である。大当たりのオープニングの表示態様は、後述するように、打-WIN機能によるパスワードに含まれたポイント数に応じて、その表示態様を異ならせている。
【0373】
図49(a)は、打-WIN機能によるパスワードの入力がないとき、または打-WIN機能によるパスワードの入力を行ったが、第1のポイント数以上でないときの大当たりのオープニングの表示態様である。演出表示装置151の演出表示部50aの中央部には「大当たり!」の文字画像が表示され、下部のコメント領域56には、「やったね!」という文字画像が表示されている。
【0374】
図49(b)は、打-WIN機能によるパスワードの入力を行い、第1のポイント数以上であって、第2のポイント数以上でないときの大当たりのオープニングの表示態様である。この表示態様では、下部のコメント領域56には、「大入賞口が開放するまでに、PUSH1回、ジョグダイヤルを右に回すと、大当たり演出Bが実行されます」という文字画像が表示されている。
【0375】
本実施形態では、後述するように、演出に関する所謂隠しコマンドの機能が搭載され、「所定の期間」に演出操作装置164に関して「所定の操作」を行うと、上記
図48に示す大当たり演出決定テーブルによらず(連荘回数によらず)、特定の大当たり演出が決定される。そして、
図49(b)に示すように、第1のポイント数以上であると、下部のコメント領域56に隠しコマンドに関する「所定の期間」および「所定の操作」の内容を報知するように構成されている。
【0376】
図49(c)は、打-WIN機能によるパスワードの入力を行い、第2のポイント数以上であるときの大当たりのオープニングの表示態様である。この表示態様では、下部のコメント領域56には、「大入賞口が開放するまでに、PUSH1回、ジョグダイヤルを右に回すと、大当たり演出Bが実行されます」という文字画像と、「大入賞口が開放するまでに、PUSH3回、ジョグダイヤルを左に回すと、大当たり演出Cが実行されます」という文字画像とが表示されている。
【0377】
図49(c)に示すように、ポイント数が高くなるほど、下部のコメント領域56に表示される複数の隠しコマンドに関する「所定の期間」および「所定の操作」の内容が多くなるように構成されている。これにより、ポイント数を高めれば高めるほど、複数の隠しコマンドの内容が報知されるので、打-WIN機能を用いる遊技性をより向上させることができる。
【0378】
なお、本実施形態では、隠しコマンドの内容を報知する際に、「所定の期間」と「所定の操作」の両方を報知するように構成したが、いずれか一方のみ報知してもよく、ポイント数に応じて、最初に「所定の期間」を報知して、さらにポイント数が高まると、「所定の期間」と「所定の操作」の両方を報知するように構成してもよい。
【0379】
以下に、上記の演出を実行するための副制御基板140における制御処理について説明する。
【0380】
(副制御基板140のメイン処理)
図50は、副制御基板140のメイン処理を説明するフローチャートである。
【0381】
(ステップS1000)
サブCPU140aは、電源投入に応じて、サブROM140bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM140cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
【0382】
(ステップS1001)
次に、サブCPU140aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1001の処理を繰り返し行う。
【0383】
(副制御基板140のタイマ割込処理)
図51は、副制御基板140のタイマ割込処理を説明するフローチャートである。副制御基板140には、所定の周期(2ms)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU140aはタイマ割込処理プログラムを読み込んで当該タイマ割込処理を開始する。
【0384】
(ステップS1100)
まず、サブCPU140aは、副制御基板140で用いられる各種タイマカウンタの更新をしたり、RTC140dから時刻情報を入力したりするタイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理については、詳しくは、
図60において後述する。
【0385】
(ステップS1200)
次に、サブCPU140aは、サブRAM140cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板140においては、主制御基板110からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板110から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
【0386】
(ステップS1300)
次に、サブCPU140aは、実行中の演出進行状況に応じて、演出操作装置164の操作の受け付け可否を判定するとともに、演出操作検出スイッチ56aの信号のチェックを行う。そして、演出操作検出スイッチ56aから操作信号が入力されたときに、演出操作装置164の操作受け付け中であった場合には、演出操作装置164が操作されたことを画像制御基板150に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。
【0387】
(ステップS1400)
次に、サブCPU140aは、サブRAM140cの送信バッファにセットされているコマンドを画像制御基板150や電飾制御基板160へ送信し、タイマ割込処理を終了する。
【0388】
図52は、上記コマンド解析処理のうち、デモコマンドを受信した場合に実行されるデモコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、このデモコマンドは、主制御基板110において、特別図柄変動開始処理のステップS420−10(
図28参照)で演出用伝送データ格納領域に記憶された後、ステップS800の出力制御処理(
図22参照)によって副制御基板140に送信される。
【0389】
(ステップS1210)
デモコマンドを受信したと判定した場合には、まず、サブCPU140aは、演出操作装置164の操作があったか否かを判定する。すなわち、電飾制御基板160を介して演出操作装置164が操作されたことを示す操作コマンドを受信したかを判定する。その結果、演出操作装置164の操作があったと判定した場合にはステップS1211に処理を移し、演出操作装置164の操作がないと判定した場合にはデモコマンド受信処理を終了する。
【0390】
(ステップS1211)
演出操作装置164の操作があったと判定した場合には、サブCPU140aは、後述するステップS1212の打-WINメニュー処理を行うための打-WIN起動処理を行う。この打-WIN起動処理については、次の
図53において後述する。
【0391】
(ステップS1212)
次に、サブCPU140aは、遊技機100における打-WIN機能を作動させるための打-WINメニュー処理を行う。この打-WINメニュー処理については、
図54において後述する。
【0392】
図53は、上記ステップS1211における打-WIN起動処理を説明するフローチャートである。
【0393】
(ステップS1211−1)
サブCPU140aは、起動フラグがオンされているか否かを判定する。ここで、「起動フラグ」とは、後述する打-WINメニュー処理を実行させることを許可するためのフラグである。その結果、起動フラグがオンされていないと判定した場合にはステップS1211−2に処理を移し、起動フラグがオンされていると判定した場合には打-WIN起動処理を終了する。
【0394】
(ステップS1211−2)
上記ステップS1211−1において、起動フラグがオンされていないと判定した場合には、サブCPU140aは、起動フラグをオンにする。これにより、打-WINメニュー処理を実行させる準備が整う。
【0395】
(ステップS1211−3)
次に、サブCPU140aは、演出表示装置151の演出表示部50aに「打-WINメニュー」の画像を表示させるため、打-WINメニュー表示コマンドを画像制御基板150に送信する打-WINメニュー表示処理を行う。これにより、
図7(a)に示すように、演出表示装置151の演出表示部50aには、「打-WINメニュー」の画像が表示される。
【0396】
図54は、上記ステップS1212における打-WINメニュー処理を説明するフローチャートである。
【0397】
(ステップS1212−1)
サブCPU140aは、起動フラグがオンされているか否かを判定する。その結果、起動フラグがオンされていると判定した場合にはステップS1212−2に処理を移し、起動フラグがオンされていないと判定した場合には打-WINメニュー処理を終了する。
【0398】
(ステップS1212−2)
上記ステップS1212−1において、起動フラグがオンになっていると判定した場合には、サブCPU140aは、演出操作装置164に対しての決定操作があったか否かを判定する。すなわち、電飾制御基板160から演出操作装置164に対して決定操作がされたことを示す決定操作コマンドを受信したかを判定する。その結果、演出操作装置164に対しての決定操作がないと判定した場合にはステップS1212−3に処理を移し、演出操作装置164に対しての決定操作があると判定した場合にはステップS1212−7に処理を移す。
【0399】
(ステップS1212−3)
上記ステップS1212−2において、演出操作装置164に対しての決定操作がないと判定した場合には、サブCPU140aは、演出操作装置164に対しての選択操作があったか否かを判定する。すなわち、電飾制御基板160から演出操作装置164に対して選択操作がなされたことを示す選択操作コマンドを受信したかを判定する。その結果、演出操作装置164に対しての選択操作があると判定した場合にはステップS1212−4に処理を移し、演出操作装置164に対しての選択操作がないと判定した場合には打-WINメニュー処理を終了する。
【0400】
ここで、本実施形態では、「演出操作装置164に対しての決定操作」とは、演出操作装置164の押しボタンに対する押下操作を意味し、「演出操作装置164に対しての選択操作」とは、演出操作装置164のジョグダイヤルに対する回転操作を意味している。ただし、本実施形態のように演出操作装置164を押しボタンおよびジョグダイヤルで構成することに限定されず、複数のボタン(所謂、決定ボタン、選択ボタン)を用いて演出操作装置164を構成し、ボタンの種別によって決定操作と選択操作を識別するように構成してもよい。
【0401】
(ステップS1212−4)
上記ステップS1212−3において、演出操作装置164に対しての選択操作があると判定した場合には、サブCPU140aは、PAS入力フラグがオンであるか否かを判定する。この「PAS入力フラグ」は、パスワード入力状態であることを示す情報であり、後述するステップS1212−13でオンになる情報である。その結果、PAS入力フラグがオンされていないと判定した場合にはステップS1212−5に処理を移し、PAS入力フラグがオンされていると判定した場合にはステップS1212−6に処理を移す。
【0402】
(ステップS1212−5)
上記ステップS1212−4において、PAS入力フラグがオンされていないと判定した場合には、サブCPU140aは、打-WINメニューの「選択情報」を更新する選択情報更新処理を行う。ここで、「選択情報」は、
図7(a)に示すように、「新規登録」、「パスワード入力」、「遊技終了」、「戻る」のそれぞれのメニュー項目に対応付けられた複数の選択情報を有している。そして、選択された選択情報に対応するメニュー項目の画像を演出表示部50aの手前側に大きく表示させる打-WINメニュー表示コマンドを画像制御基板150に送信する。これにより、演出操作装置164に対して選択操作することで、打-WIN機能によるメニュー項目を選択することができる。なお、打-WINメニュー処理の開始時には、選択情報として「新規登録」に対応する選択情報が設定されている。
【0403】
(ステップS1212−6)
上記ステップS1212−4において、PAS入力フラグがオンされていると判定した場合には、サブCPU140aは、パスワードの文字情報を更新するパスワード文字更新処理を行う。ここで、文字情報には、「A〜Z」の26個のアルファベットと、「0〜9」の10個の数字が対応付けられている。これにより、演出操作装置164に対して選択操作することで、パスワードの文字を選択することができる。
【0404】
(ステップS1212−7)
また、上記ステップS1212−2において、演出操作装置164に対しての決定操作があると判定した場合には、サブCPU140aは、「新規登録」に対応する選択情報が設定されているか否かを判定する。その結果、「新規登録」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合にはステップS1212−8に処理を移し、「新規登録」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合にはステップS1212−11に処理を移す。
【0405】
(ステップS1212−8)
上記ステップS1212−7において、「新規登録」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合には、サブCPU140aは、サブROM140bからサーバ400にアクセスするためのURLを取得する第1コード情報取得処理を行う。
【0406】
(ステップS1212−9)
次に、サーバ400にアクセスするためのURLを取得すると、サブCPU140aは、上記ステップS1212−8で取得したURLの情報が含まれた第1の二次元コードを生成する第1二次元コード生成処理を行う。
【0407】
(ステップS1212−10)
次に、第1の二次元コードを生成すると、サブCPU140aは、生成した第1の二次元コードを演出表示装置151の演出表示部50aに表示させる第1二次元コード表示処理を行う。具体的には、上記ステップS1212−9で生成した第1の二次元コードを演出表示部50aに表示させる二次元コード表示コマンドを生成し、生成した二次元コード表示コマンドを画像制御基板150に送信する処理を行う。これにより、
図7(b)に示すように、演出表示装置151の演出表示部50aには、第1の二次元コードとしての第1のQRコードが表示される。
【0408】
(ステップS1212−11)
また、上記ステップS1212−7において、「新規登録」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合には、サブCPU140aは、「パスワード入力」に対応する選択情報が設定されているか否かを判定する。その結果、「パスワード入力」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合にはステップS1212−12に処理を移し、「パスワード入力」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合にはステップS1212−20に処理を移す。
【0409】
(ステップS1212−12)
上記ステップS1212−11において、「パスワード入力」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合には、サブCPU140aは、PAS入力フラグがオンされているか否かを判定する。その結果、PAS入力フラグがオンされていないと判定した場合にはステップS1212−13に処理を移し、PAS入力フラグがオンされていると判定した場合にはステップS1212−15に処理を移す。
【0410】
(ステップS1212−13)
上記ステップS1212−12において、PAS入力フラグがオンされていないと判定した場合には、サブCPU140aは、PAS入力フラグをオンにする。これにより、パスワード入力状態であることが示され、これ以降に演出操作装置164に対して選択操作をすることで、パスワードの入力を行うことができる。
【0411】
(ステップS1212−14)
次に、サブCPU140aは、演出表示装置151の演出表示部50aに「パスワード入力」の画像を表示させるためのパスワード入力表示処理を行う。具体的には、パスワード入力表示処理では、「パスワード入力」の画像を表示させるための「パスワード入力表示コマンド」を画像制御基板150に送信する。これにより、
図8(a)に示すように、演出表示装置151の演出表示部50aには、「パスワード入力」の画像が表示される。
【0412】
(ステップS1212−15)
一方、上記ステップS1212−12において、PAS入力フラグがオンされていると判定した場合には、サブCPU140aは、上記ステップS1212−6で選択されている文字情報を決定するパスワード文字決定処理を行う。
【0413】
(ステップS1212−16)
次に、パスワードの文字が決定されると、サブCPU140aは、全てのパスワードの入力が完了したか否かを判定する。その結果、全てのパスワードの入力が完了したと判定した場合にはステップS1212−17に処理を移し、全てのパスワードの入力が完了していないと判定した場合には打-WINメニュー処理を終了する。
【0414】
(ステップS1212−17)
上記ステップS1212−16において、全てのパスワードの入力が完了したと判定した場合には、サブCPU140aは、入力されたパスワードの認証処理を行う。この認証処理では、入力されたパスワードが所定のアルゴリズムから構成されたパスワードであるか否かの判定を行う。
【0415】
(ステップS1212−18)
次に、サブCPU140aは、入力されたパスワードの認証が成功したか否かの判定を行う。その結果、パスワードの認証が成功したと判定した場合にはステップS1212−19に処理を移し、パスワードの認証が成功してないと判定した場合には打-WINメニュー処理を終了する。
【0416】
(ステップS1212−19)
上記ステップS1212−18において、パスワードの認証が成功したと判定した場合には、サブCPU140aは、遊技機100における打-WIN機能を作動させるため、打-WIN情報設定処理を行う。この打-WIN情報設定処理では、後述するように、遊技機100のサブRAM140cに、演出に関する演出情報および遊技履歴情報が蓄積させることを許可する打-WINフラグをオンにする。さらに、入力されたパスワードから、上記選択演出X1〜X3の演出態様を決定するための変更情報、遊技者の遊技者固有情報に対応付けられたキャラクタ情報(キャラクタ番号およびレベル情報)、ポイント数情報を取得して、サブRAM140cの所定の記憶領域に記憶する。
【0417】
(ステップS1212−20)
また、上記ステップS1212−11において、「パスワード入力」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合には、サブCPU140aは、「遊技終了」に対応する選択情報が設定されているか否かを判定する。その結果、「遊技終了」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合にはステップS1212−21に処理を移し、「遊技終了」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合にはステップS1212−25に処理を移す。
【0418】
(ステップS1212−21)
上記ステップS1212−20において、「遊技終了」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合には、サブCPU140aは、サブROM140bからサーバ400にアクセスするためのURLを取得するとともに、サブRAM140cに記憶されている演出情報、遊技履歴情報およびポイント数情報を取得する第2コード情報取得処理を行う。
【0419】
(ステップS1212−22)
次に、サブCPU140aは、上記ステップS1212−21で取得したURL、演出情報、遊技履歴情報およびポイント数情報が含まれた第2の二次元コードを生成する第2二次元コード生成処理を行う。
【0420】
(ステップS1212−23)
次に、サブCPU140aは、生成した第2の二次元コードを演出表示装置151の演出表示部50aに表示させる第2二次元コード表示処理を行う。具体的には、上記ステップS1212−22で生成した第2の二次元コードを演出表示部50aに表示させる二次元コード表示コマンドを生成し、生成した二次元コード表示コマンドを画像制御基板150に送信する処理を行う。これにより、
図8(b)に示すように、演出表示装置151の演出表示部50aには、第2の二次元コードとしての第2のQRコードが表示される。
【0421】
(ステップS1212−24)
次に、サブCPU140aは、次の遊技者に演出情報等が引き継がれないようにするために、打-WIN情報消去処理を行う。この打-WIN情報消去処理では、サブRAM140cに記憶されている演出情報、遊技履歴情報、ポイント数情報、変更情報、キャラクタ情報、後述する特別図柄の変動回数をクリアする。
【0422】
(ステップS1212−25)
上記ステップS1212−20において、「遊技終了」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合には、サブCPU140aは、「戻る」に対応する選択情報が設定されているか否かを判定する。その結果、「戻る」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合にはステップS1212−26に処理を移し、「戻る」に対応する選択情報が設定されていないと判定した場合には打-WINメニュー処理を終了する。
【0423】
(ステップS1212−26)
上記ステップS1212−25において、「戻る」に対応する選択情報が設定されていると判定した場合には、サブCPU140aは、打-WINメニュー処理の実行を終了させるため、起動フラグをオフにする。
【0424】
(ステップS1212−27)
次に、サブCPU140aは、演出表示装置151の演出表示部50aに「打-WINメニュー」の画像を消去させるための打-WINメニュー消去処理を行う。具体的には、打-WINメニュー消去処理では、「打-WINメニュー」の画像を消去させるための「打-WINメニュー消去コマンド」を画像制御基板150に送信する。
【0425】
図55は、上記コマンド解析処理のうち、始動入賞コマンドを受信した場合に実行される始動入賞コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、この始動入賞コマンドは、主制御基板110において、事前判定処理のステップS331−5(
図25参照)でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(
図22参照)によって副制御基板140に送信される。
【0426】
(ステップS1220)
始動入賞コマンドを受信したと判定した場合には、まず、サブCPU140aは、保留表示態様テーブル決定処理を行う。この保留表示態様テーブル決定処理では、最初に、サブRAM140cからキャラクタ情報(キャラクタ番号およびレベル情報)を取得する。そして、
図45に示す保留表示態様テーブルを決定するためのテーブルを参照し、取得したキャラクタ情報(キャラクタ番号およびレベル情報)に基づいて、保留表示態様テーブルを決定する。
【0427】
(ステップS1221)
次に、サブCPU140aは、上記ステップS1001で更新されている第3演出乱数から1つの乱数値を取得する。
【0428】
(ステップS1222)
次に、サブCPU140aは、保留表示態様決定処理を行う。この保留表示態様決定処理は、上記ステップS1220で決定した保留表示態様テーブル(
図46参照)を参照し、受信した始動入賞コマンドの種別と取得した第3演出乱数に基づいて、保留表示態様を決定する。そして、決定した保留表示態様を演出表示装置151の演出表示部50aに表示させるため、決定した保留表示態様に対応する「保留表示コマンド」を画像制御基板150に送信する。これにより、
図47に示すように、演出表示部50aにキャラクタ情報に対応する態様の保留表示がなされることとなる。
【0429】
図56は、上記コマンド解析処理のうち、第2変動パターンコマンドを受信した場合に実行される第2変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、この第2変動パターンコマンドは、主制御基板110において、変動パターン決定処理(
図29参照)のうち、ステップS421−6でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(
図22参照)によって副制御基板140に送信される。
【0430】
(ステップS1230)
第2変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、まず、サブCPU140aは、演出態様を決定するための演出振分テーブルを決定する演出振分テーブル決定処理を行う。この演出振分テーブル決定処理では、
図42に示す演出振分テーブルを決定するためのテーブルを参照し、受信した第2変動パターンコマンドに基づいて、演出振分テーブルを決定する。
【0431】
(ステップS1231)
演出振分テーブルを決定すると、サブCPU140aは、上記ステップS1001で更新されている第2乱数から1つの第2乱数値を取得する。
【0432】
(ステップS1232)
第2乱数値を取得すると、サブCPU140aは、演出態様決定処理を行う。この演出態様決定処理では、上記ステップS1230で決定した
図43、
図44に示す演出振分テーブルを参照し、受信した第2変動パターンコマンドの種別と取得した第2乱数値に基づいて、演出態様を決定する。そして、決定した演出態様を演出表示装置151の演出表示部50aに表示させるため、決定した演出態様に対応する「演出表示コマンド」を画像制御基板150に送信する。
【0433】
(ステップS1233)
サブCPU140aは、上記ステップS1232において選択演出が決定されたか否かを判定する。その結果、選択演出が決定されたと判定した場合にはステップS1234に処理を移し、選択演出が決定されていないと判定した場合にはステップS1236に処理を移す。
【0434】
(ステップS1234)
上記ステップS1233において、選択演出が決定されたと判定した場合には、サブCPU140aは、サブRAM140cから変更情報を取得する変更情報取得処理を行う。
【0435】
(ステップS1235)
次に、変更情報を取得すると、サブCPU140aは、選択演出に対して再び演出態様を決定する演出態様再決定処理を行う。この演出態様再決定処理では、
図44(b)に示す選択演出決定テーブルを参照し、受信した第2変動パターンコマンドの種別と取得した変更情報とに基づいて、演出態様を再び決定する。そして、決定した演出態様を演出表示装置151の演出表示部50aに表示させるため、決定した演出態様に対応する「演出表示コマンド」を画像制御基板150に送信する。
【0436】
(ステップS1236)
次に、サブCPU140aは、打-WINフラグがオンされているか否かを判定する。その結果、打-WINフラグがオンされていると判定した場合にはステップS1237に処理を移し、打-WINフラグはオンされていないと判定した場合には第2変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0437】
(ステップS1237)
上記ステップS1236において、打-WINフラグがオンされていると判定した場合には、サブCPU140aは、上記ステップS1232または上記ステップS1235で決定した演出態様を、第1演出情報としてサブRAM140cの所定の記憶領域に記憶する第1演出情報記憶処理を行う。これにより、決定された演出態様に係る演出情報が遊技機100に蓄積されていく。
【0438】
図57は、上記コマンド解析処理のうち、図柄確定コマンドを受信した場合に実行される図柄確定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、この図柄確定コマンドは、主制御基板110において、特別図柄変動停止処理(
図30参照)のうち、ステップS430−4でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(
図22参照)によって副制御基板140に送信される。
【0439】
(ステップS1240)
図柄確定コマンドを受信したと判定した場合には、まず、サブCPU140aは、演出表示部50aに、演出図柄40a、40b、40cを停止表示するための図柄停止表示処理を行う。この図柄停止表示処理では、演出図柄40a、40b、40cを停止表示させるための停止表示コマンドを画像制御基板150に送信する。
【0440】
(ステップS1241)
次に、サブCPU140aは、打-WINフラグがオンされているか否かを判定する。その結果、打-WINフラグがオンされていると判定した場合にはステップS1242に処理を移し、打-WINフラグがオンされていないと判定した場合には図柄確定コマンド受信処理を終了する。
【0441】
(ステップS1242)
上記ステップS1241において、打-WINフラグがオンされていると判定した場合には、サブCPU140aは、特別図柄の変動回数を計数するために、サブRAM140cの変動回数カウンタに1を加算して更新する変動回数計数処理を行う。これにより、打-WIN機能を利用する遊技を行っているときには、変動回数が計数されていくことになる。
【0442】
(ステップS1243)
次に、サブCPU140aは、サブRAM140cの変動回数カウンタを参照し、所定の変動回数(例えば1000回)以上であるか否かを判定する。その結果、所定の変動回数以上ではないと判定した場合にはステップS1244に処理を移し、所定の変動回数以上であると判定した場合にはステップS1245に処理を移す。
【0443】
(ステップS1244)
上記ステップS1243において、所定の変動回数以上ではないと判定した場合には、サブCPU140aは、サブRAM140cのポイントカウンタに、通常のポイントとして1ポイントを加算して更新する通常ポイント付与処理を行う。
【0444】
(ステップS1245)
一方、上記ステップS1243において、所定の変動回数以上であると判定した場合には、サブCPU140aは、サブRAM140cのポイントカウンタに、倍増のポイントとして5ポイントを加算して更新する倍増ポイント付与処理を行う。
【0445】
これにより、打-WIN機能を利用する遊技を行っているときには、特別図柄の変動回数が所定回数以上になれば、遊技者に付与されるポイントが倍増するので、より遊技機100の稼働の向上を図ることができる。
【0446】
(ステップS1246)
次に、サブCPU140aは、上記ステップS1242で計数されている変動回数を、第2の演出情報としてサブRAM140cの所定の記憶領域に記憶する第2演出情報記憶処理を行う。これにより、変動回数に係る演出情報が遊技機100に蓄積されていく。
【0447】
(ステップS1247)
次に、サブCPU140aは、上記ステップS1244または上記ステップS1245で付与されたポイント数に基づいて、キャラクタ情報のレベルを決定するレベル決定処理を行う。ここで、決定されたキャラクタ情報のレベルは、サブRAM140cのレベルカウンタに更新されていくことになる。
【0448】
図58は、上記コマンド解析処理のうち、オープニングコマンドを受信した場合に実行されるオープニングコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、このオープニングコマンドは、主制御基板110において、特別電動役物制御処理(
図32参照)のうち、ステップS450−2でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(
図22参照)によって副制御基板140に送信される。
【0449】
(ステップS1250)
オープニングコマンドを受信したと判定した場合には、まず、サブCPU140aは、オープニング演出を決定するオープニング演出決定処理を行う。このオープニング演出決定処理では、大当たりを報知する報知画像を演出表示部50aに表示させるためのオープニング表示コマンドを画像制御基板150に送信する。この報知画像の一例として、
図49に示すように、「大当たり!」の文字画像が対応している。
【0450】
(ステップS1251)
次に、サブCPU140aは、大当たりの連荘回数を計数するため、サブRAM140cの連荘カウンタに1を加算して更新する連荘回数計数処理を行う。なお、この連荘カウンタに記憶されている情報は、図示しない遊技状態コマンド受信処理において、時短遊技状態から非時短遊技状態になったときにリセットされる情報である。
【0451】
(ステップS1252)
次に、サブCPU140aは、打-WINフラグがオンされているか否かを判定する。その結果、打-WINフラグがオンされていると判定した場合にはステップS1253に処理を移し、打-WINフラグはオンされていないと判定した場合にはステップS1254に処理を移す。
【0452】
(ステップS1253)
上記ステップS1252において、打-WINフラグがオンされていると判定した場合には、サブCPU140aは、サブRAM140cのポイントカウンタを参照し、第1ポイント数(例えば500ポイント)以上であるか否かを判定する。その結果、第1ポイント数以上ではないと判定した場合にはステップS1254に処理を移し、第1ポイント数以上であると判定した場合にはステップS1255に処理を移す。
【0453】
(ステップS1254)
上記ステップS1252において、打-WINフラグがオンされていないと判定した場合、または上記ステップS1253において、第1ポイント数以上ではないと判定した場合には、サブCPU140aは、通常の祝福を示すコメント表示を行うための通常コメント表示決定処理を行う。この通常コメント表示決定処理では、大当たりを祝福する通常コメント画像を演出表示部50aに表示させるための通常コメント表示コマンドを画像制御基板150に送信する。この通常コメント画像とは、一例として、
図49(a)に示すように、下部のコメント領域56における「やったね!」という文字画像が対応している。
【0454】
(ステップS1255)
上記ステップS1253において、第1ポイント数以上であると判定した場合には、サブCPU140aは、サブRAM140cのポイントカウンタを参照し、第1ポイント数よりも大きい第2ポイント(例えば1000ポイント)数以上であるか否かを判定する。その結果、第2ポイント数以上でないと判定した場合にはステップS1256に処理を移し、第2ポイント数以上であると判定した場合にはステップS1257に処理を移す。
【0455】
(ステップS1256)
上記ステップS1255において、第2ポイント数以上でないと判定した場合には、サブCPU140aは、隠しコマンドの内容を報知する第1コメント表示決定処理を行う。この第1コメント表示決定処理では、隠しコマンドの内容を報知する第1コメント画像を演出表示部50aに表示させるための第1コメント表示コマンドを画像制御基板150に送信する。この第1コメント画像の一例として、
図49(b)に示すように、下部のコメント領域56における「大入賞口が開放するまでに、PUSH1回、ジョグダイヤルを右に回すと、大当たり演出Bが実行されます」という文字画像が対応している。
【0456】
(ステップS1257)
一方、上記ステップS1255において、第2ポイント数以上であると判定した場合には、サブCPU140aは、隠しコマンドの内容を報知する第2コメント表示決定処理を行う。この第2コメント表示決定処理では、複数の隠しコマンドの内容を報知する第2コメント画像を演出表示部50aに表示させるための第2コメント表示コマンドを画像制御基板150に送信する。この第2コメント画像の一例として、
図49(c)に示すように、下部のコメント領域56における「大入賞口が開放するまでに、PUSH1回、ジョグダイヤルを右に回すと、大当たり演出Bが実行されます」、「大入賞口が開放するまでに、PUSH3回、ジョグダイヤルを左に回すと、大当たり演出Cが実行されます」という文字画像が対応している。
【0457】
これにより、上述したように、ポイント数を高めれば高めるほど、複数の隠しコマンドの内容が報知されるので、打-WIN機能を用いる遊技性をより向上させることができる。
【0458】
図59は、上記コマンド解析処理のうち、ラウンド開始コマンドを受信した場合に実行されるラウンド開始コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、このラウンド開始コマンドは、主制御基板110において、特別電動役物制御処理(
図32参照)のうち、ステップS450−4でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(
図22参照)によって副制御基板140に送信される。
【0459】
(ステップS1260)
サブCPU140aは、大当たりのラウンド数を計数するため、サブRAM140cのラウンドカウンタに1を加算して更新するラウンド数計数処理を行う。なお、このラウンドカウンタに記憶されている情報は、図示しないエンディングコマンド受信処理においてリセットされる情報である。
【0460】
(ステップS1261)
サブCPU140aは、大当たりのラウンド数を計数するため、サブRAM140cのラウンドカウンタを参照し、1ラウンドであるか否かを判定する。その結果、1ラウンドであると判定した場合にはステップS1262に処理を移し、1ラウンドでないと判定した場合にはステップS1267に処理を移す。
【0461】
(ステップS1262)
上記ステップS1261において、1ラウンドであると判定した場合には、サブCPU140aは、強制フラグ=00であるか否かを判定する。その結果、強制フラグ=00であると判定した場合にはステップS1263に処理を移し、強制フラグ=00でないと判定した場合にはステップS1264に処理を移す。
【0462】
ここで、「強制フラグ」とは、上記
図48に示す大当たり演出決定テーブルによらず、強制的に大当たり演出を決定するためのフラグである。そして、強制フラグ=00(強制フラグオフ)が通常時の設定を示しており、大当たりの連荘回数に基づいて大当たり演出を決めるフラグであり、強制フラグ=01が強制的に大当たり演出Bを決定するためのフラグであり、強制フラグ=02が強制的に大当たり演出Cを決定するためのフラグである。
【0463】
この強制フラグは、打-WINフラグがオンされている場合にのみ、強制フラグ=01、02がセットされ、上記ステップS1300の演出操作装置制御処理において、所定の期間内に演出操作装置164に対して所定の操作が行われることによって、強制フラグ=01または02がセットされる情報である。具体的には、強制フラグ=01は、上記ステップS1300の演出操作装置制御処理において、大当たりのオープニング期間中に、演出操作装置164の押しボタンを1回押下操作し、ジョグダイヤルを右に回転操作をするとセットされるフラグである。また、強制フラグ=02は、上記ステップS1300の演出操作装置制御処理において、大当たりのオープニング期間中に、演出操作装置164の押しボタンを3回押下操作し、ジョグダイヤルを左に回転操作をするとセットされるフラグである。
【0464】
なお、本実施形態では、打-WINフラグがオンになっている場合にのみ、強制フラグ=01、02がセットされる構成としたが、打-WINフラグがオフになっている場合にも、所定の期間内に演出操作装置164に対して所定の操作を行うことにより、強制フラグ=01または02をセットするように構成してもよい。
【0465】
(ステップS1263)
強制フラグ=00であると判定した場合には、サブCPU140aは、通常大当たり演出決定処理を行う。この通常大当たり演出決定処理では、
図48に示す大当たり演出決定テーブルを参照し、サブRAM140cの連荘カウンタに記憶されている連荘回数に基づいて、大当たり演出を決定する。そして、決定した大当たり演出を実行させるため、決定した大当たり演出に対応する大当たり演出コマンドを画像制御基板150および電飾制御基板160に送信する。
【0466】
(ステップS1264)
上記ステップS1262において、強制フラグ=00ではないと判定した場合には、サブCPU140aは、強制フラグ=01であるか否かを判定する。その結果、強制フラグ=01であると判定した場合にはステップS1265に処理を移し、強制フラグ=01でないと判定した場合にはステップS1266に処理を移す。
【0467】
(ステップS1265)
上記ステップS1264において、強制フラグ=01であると判定した場合には、サブCPU140aは、連荘回数に関わらず、大当たり演出Bを決定し、決定した大当たり演出Bに対応する大当たり演出コマンドを画像制御基板150および電飾制御基板160に送信する大当たり演出B強制決定処理を行う。
【0468】
(ステップS1266)
一方、上記ステップS1264において、強制フラグ=00、01ではないと判定した場合(すなわち、強制フラグ=02であると判定した場合)には、サブCPU140aは、連荘回数に関わらず、大当たり演出Cを決定し、決定した大当たり演出Cに対応する大当たり演出コマンドを画像制御基板150および電飾制御基板160に送信する大当たり演出C強制決定処理を行う。
【0469】
これにより、所謂隠しコマンドによって、大当たりの連荘回数に関係なく、大当たり演出を選択することができる。上述した通り、この隠しコマンドの内容は、打-WIN機能を利用する遊技を行って、所定数以上のポイント数を溜めれば、隠しコマンドの内容が報知されるので、打-WIN機能を用いる遊技性をより向上させることができるのである。
【0470】
(ステップS1267)
また、上記ステップS1261において、1ラウンドでないと判定した場合には、サブCPU140aは、上記ステップS1263、ステップS1265、ステップS1266で決定した大当たり演出を継続して実行する大当たり演出継続処理を行う。
【0471】
図60は、上記ステップS1100におけるタイマ更新処理を説明するフローチャートである。
【0472】
(ステップS1101)
まず、サブCPU140aは、副制御基板140で用いられる各種タイマカウンタから1を減算して更新する各種タイマカウンタ更新処理を行う。
【0473】
(ステップS1102)
次に、サブCPU140aは、打-WINフラグがオンされているか否かを判定する。その結果、打-WINフラグがオンされていると判定した場合にはステップS1103に処理を移し、打-WINフラグがオンされていないと判定した場合にはタイマ更新処理を終了する。
【0474】
(ステップS1103)
上記ステップS1102において、打-WINフラグがオンされていると判定した場合には、サブCPU140aは、サブRAM140cに記憶された変更情報から期限情報を取得する。
【0475】
(ステップS1104)
次に、サブCPU140aは、RTC140dから現在の時刻を示す時刻情報を取得する。
【0476】
(ステップS1105)
次に、RTC140dから現在の時刻を示す時刻情報を取得すると、サブCPU140aは、取得した時刻情報に対応する現在の時刻が、上記ステップS1103で取得した期限情報に対応する時刻を越えているか否かを判定する。その結果、現在の時刻が期限情報に対応する時刻を越えていると判定した場合にはステップS1106に処理を移し、現在の時刻が期限情報に対応する時刻を越えていないと判定した場合にはタイマ更新処理を終了する。
【0477】
(ステップS1106)
上記ステップS1105において、現在の時刻が期限情報に対応する時刻を越えていると判定した場合には、サブCPU140aは、サブRAM140cに記憶された変更情報をクリアする。これにより、所定の期間に限って、特定の演出態様の出現率を変更するための変更情報が保持される。なお、サブRAM140cに記憶された変更情報は、上記ステップS1212−24で上述したとおり、打-WIN機能による遊技を終了したときにも、クリアされるものである。
【0478】
なお、本実施形態においては、サブCPU140aがデモコマンドを受信し、演出操作装置164に対して所定の操作が行われると、打-WINメニュー処理が実行され、パスワードの入力ができるように構成したが、これに限定されることなく、演出操作装置164の操作を行うと、いつでも打-WINメニュー処理が実行され、パスワードの入力ができるように構成してもよい。また、サブCPU140aがデモコマンド以外の他のコマンドを受信し、演出操作装置164に対して所定の操作が行われると、打-WINメニュー処理が実行され、パスワードの入力ができるように構成してもよい。
【0479】
また、本実施形態においては、打-WINメニュー処理が実行され、遊技終了を選択すると、打-WIN機能による遊技を終了させるように構成したが、デモコマンドを受信すると、自動的に打-WIN機能による遊技を終了させるように構成してもよい。この場合、単にデモコマンドを受信するだけでなく、複数回のデモコマンドを受信したり、デモコマンドを受信した後に所定時間が経過したりすると、自動的に打-WIN機能による遊技を終了させるように構成してもよい。
【0480】
また、本実施形態においては、図柄確定コマンド受信処理において、特別図柄の変動回数に基づいて、ポイントを付与するように構成したが、ポイントを付与する事象は特別図柄の変動回数に限らず、所定の演出の実行、大当たり回数、単にサーバ400への接続時に付与するなど、どのようなものでもよい。
【0481】
また、本実施形態においては、打-WIN機能によるパスワードの入力を行い、パスワードに含まれたキャラクタ情報を取得すると、取得したキャラクタ情報(キャラクタ番号、レベル情報)に基づいて、保留表示態様を決定するように構成したが、保留表示態様に限られず、大当たりの当選結果を予告する予告演出態様、特別図柄の変動中に行われる変動演出態様(リーチ演出態様)、大当たりの演出態様、デモ表示態様を決定するように構成してもよい。
【0482】
また、本実施形態においては、打-WIN機能によるパスワードの入力を行い、パスワードに含まれた変更情報を取得すると、取得した変更情報に基づいて、特別図柄の変動中に行われる変動演出態様を決定するように構成したが、変動演出態様に限られず、保留表示態様、予告演出態様、大当たりの演出態様、デモ表示態様を決定するように構成してもよい。
【0483】
また、本実施形態においては、打-WIN機能によるパスワードの入力を行い、パスワードに含まれたポイントを取得すると、取得したポイントに基づいて、大当たりの演出態様を強制的に決定させる隠しコマンドの内容を報知させることにしたが、大当たりの演出態様に限られず、保留表示態様、予告演出態様、変動演出態様、デモ表示態様に関する隠しコマンドの内容を報知させるように構成してもよい。
【0484】
また、本実施形態においては、遊技機100として弾球遊技機について説明を行ったが、遊技機として回胴式遊技機(所謂スロットマシン)に用いることもできる。
【0485】
なお、上記実施形態において、連荘回数が所定回数以上になると実行される大当たり演出B、Cが、本発明の特別演出に相当する。また、上記実施形態において、パスワードが本発明の識別情報に相当し、パスワードを入力する演出操作装置164(演出操作検出スイッチ56a)が、本発明の識別情報入力手段に相当する。また、演出操作を行う演出操作装置164(演出操作検出スイッチ56a)が、本発明の操作情報入力手段に相当する。また、上記実施形態において、大当たりの演出を決定する
図59のラウンド開始コマンド受信処理を行うサブCPU140aが、本発明の演出決定手段に相当する。また、上記実施形態において、演出表示装置151が本発明の演出実行手段に相当する。
【0486】
また、上記実施形態において、第1コメント画像または第2コメント画像を表示する演出表示装置151が本発明の操作態様報知手段に相当する。
【0487】
また、上記実施形態において、
図32に示す特別電動役物制御処理を行うメインCPU110aが、本発明の特別遊技制御手段に相当する。また、上記実施形態において、ステップS1251で連荘回数計数処理を行うサブCPU140aが、本発明の連荘回数計数手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図48に示す大当たり演出決定テーブルが、本発明の演出記憶手段に相当する。
【0488】
また、上記実施形態において、上記ステップS1253、ステップS1255でポイント数を判定するサブCPU140aが、が、本発明のポイント数判定手段に相当する。
【0489】
また、上記実施形態において、ステップS16で情報端末200から遊技者固有情報を取得する処理を行うサーバ制御部403が、本発明の固有情報取得手段に相当する。また、上記実施形態において、遊技者固有情報に関連付けてポイント数を記憶する蓄積装置401が本発明のポイント数記憶手段に相当する。また、上記実施形態において、ステップS6のパスワード生成処理およびステップS7のパスワード送信処理を行うサーバ制御部403が、本発明の識別情報送信手段に相当する。
【0490】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。