(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路において、該第1参考電圧と該第2参考電圧は実質的に等しく、該第3参考電圧は零電圧とされることを特徴とする、温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲に使用されているいくつかの語句は特定の素子を指示するのに用いられる。本願発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者は理解できるはずであり、ハードウエアメーカーは異なる名詞で同一の素子を呼称することはない。
【0012】
本明細書及び特許請求の範囲は名称の差異により素子を区分せず、素子の機能上の差異により区分する規則に準じる。本明細書及び特許請求の範囲において、「包含」とは、開放式の用語であり、ゆえに、「包含するが限定しない」と解釈される。このほか「接続」は、直接及び間接的な電気接続手段を包含する。これにより、もし文中に第1装置が第2装置に接続されるよう記述されていれば、該第1装置が直接に該第2装置に電気的に接続されるか、或いはその他の装置或いは接続手段を介して間接的に該第2装置に電気的に接続される。
【0013】
本発明の技術内容、構造特徴、達成する目的を詳細に説明するため、以下に実施例を挙げ並びに図面を組み合わせて説明する。
【0014】
図1を参照されたい。それは本発明の第1実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路の回路図である。図示されるように、本発明の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路1は、インピーダンス素子10とアナログデジタル変換ユニット20を包含する。インピーダンス素子10は第1端と第2端を具え、インピーダンス素子10の第1端は参考電圧V
ref1を受け取り、インピーダンス素子10の第2端は、アナログデジタル変換ユニット20に接続され、インピーダンス素子10は温度により電流I
1(t)を発生する。アナログデジタル変換ユニット20はインピーダンス素子10に接続され、並びに電流I
1(t)によりデジタル出力信号を発生し、これにより温度情報を知ることができる。
【0015】
以上を受け、アナログデジタル変換ユニット20は、演算増幅ユニット200、インピーダンス素子202、コンデンサ204、量子化回路206、処理ユニット208及びクロック発生回路210を包含する。演算増幅ユニット200は逆相入力端、出力端、及び正相入力端を具え、演算増幅ユニット200の逆相入力端と正相入力端はそれぞれインピーダンス素子10とコモン電圧V
cmに接続される。インピーダンス素子202は第1端と第2端を具え、インピーダンス素子202の第1端は演算増幅ユニット200の逆相入力端に接続され、インピーダンス素子202の第2端は参考電圧V
ref2或いは参考電圧V
ref3を受け取り、そのうち、参考電圧V
ref3は零電圧とされ得て、参考電圧V
ref1と参考電圧V
ref2は実質的に等しくされ得る。コンデンサ204は第1端と第2端を具え、コンデンサ204の第1端と第2端はそれぞれ演算増幅ユニット200の逆相入力端と出力端に接続される。
【0016】
量子化回路206は演算増幅ユニット200の出力端に接続されて、演算増幅ユニット200の出力する出力信号を量子化して量子化信号を発生する。処理ユニット208は量子化回路206に接続され、並びに量子化信号に基づきデジタル出力信号を発生する。クロック発生回路210は量子化回路206に接続され、並びに量子化信号に基づきクロック信号を発生することで、インピーダンス素子202に参考電圧V
ref2或いは参考電圧V
ref3を受け取らせる制御を行う。
【0017】
以上に基づき、インピーダンス素子(たとえば抵抗、トランジスタ変化の)は、通常、温度係数を有し、すなわち、温度が変化する時、インピーダンス素子はそれに伴い変化し、ゆえに、インピーダンス素子10の第1端は、もとの入力電圧入力から参考電圧V
ref1入力に変化し、インピーダンス素子10に温度変化に対応して異なる電流I
1(t)を発生させて、アナログデジタル変換ユニット20に、電流I
1(t)に基づき温度情報をえさせる。そのうち、参考電圧V
ref1は、固定の電圧とされ得て、インピーダンス素子10及びアナログデジタル変換ユニット20の演算増幅ユニット200、インピーダンス素子202及びコンデンサ204は前ステージ検出回路とされ、その検出原理は以下のように説明される。
【0018】
一般にインピーダンス素子の抵抗値R
x(t)と温度の関係式は、
【数1】
とされ、そのうち、xは抵抗形態(resistor type)とされ、tとtyは温度、tc
xは抵抗形態がxの時の温度係数とされ、R
x(ty)は抵抗形態がxの抵抗の温度tyの時の抵抗値とされる。以下に温度tyが0度の基準温度を例として採用する。参考電圧V
ref1とV
ref2の電圧はいずれもV
refとされ、且つインピーダンス素子202の第2端が参考電圧V
ref2を受け取る時、抵抗形態xが1とされるインピーダンス素子10の発生する電流I
1(t)は、
【数2】
同様に、抵抗形態xが2とされるインピーダンス素子202の発生する電流I
2(t)は、
【数3】
以上からわかるように、インピーダンス素子10とインピーダンス素子202が正の温度係数を有すると仮定すると、またすなわち、温度係数tc
1とtc
2が零より大きければ、温度の上昇に伴い、インピーダンス素子10と202の個別の抵抗値R
1(t)と抵抗値R
2(t)はいずれも大きくなり得て、流入する電流I
1(t)と電流I
2(t)は減少し得る。ゆえに、演算増幅ユニット200の入力端に流入する電流I
1(t)と電流I
2(t)が減少することで、アナログデジタル変換ユニット20が解析できるデジタル出力信号は自然に小さくなる。反対に、温度が下がる時、抵抗値R
1(t)と抵抗値R
2(t)はいずれも小さくなり得て、流入する電流I
1(t)と電流I
2(t)は増加し得る。ゆえに、演算増幅ユニット200の入力端に流入する電流I
1(t)と電流I
2(t)が増加することで、アナログデジタル変換ユニット20が解析できるデジタル出力信号は自然に大きくなる。こうして、本発明はインピーダンス素子10が温度変化に対応して抵抗値を変化させることにより、現在の温度状態を知ることができる。
【0019】
このほか、本発明のアナログデジタル変換ユニット20は連続時間三角積分変調器(Continuous−Time Delta−Sigma Modulator,CTDSM)とされ、本発明はインピーダンス素子10がアナログデジタル変換ユニット20に整合されることで、温度状態を検出でき、ゆえに、本発明はインピーダンス素子10がアナログデジタル変換回路1に整合されることにより、回路面積を減らしてパワー消耗を減らし、さらには製造コストを減らせる。
【0020】
図2も併せて参照されたい。それは本発明の第2実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路の回路図である。図示されるように、第2実施例の第1実施例と異なるところは、第2実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路1は、一つのインピーダンス素子30を包含することにある。該インピーダンス素子30は第1端と第2端を具え、インピーダンス素子30の第1端は演算増幅ユニット200の逆相入力端に接続され、インピーダンス素子30の第2端は参考電圧V
ref4を受け取り、そのうち、該参考電圧V
ref4は零電圧とされ得る。
【0021】
第1実施例中、一般温度係数tc
1とtc
2は通常1よりも非常に小さく、ゆえに、温度が変わる時、抵抗値R
1(t)と R
2(t)の変化量は並びにあまり大きくはない。これにより、第2実施例は、温度検出前端(すなわちインピーダンス素子10と202)の温度に対する変化をより敏感にするため、インピーダンス素子30を増加する。そのうち、インピーダンス素子30の温度係数tc
3の大きさ或いは特性は温度係数tc
1と異なり、たとえば、温度係数tc
1が正の温度係数である時、温度係数tc
3は負の温度係数とされ、或いは、温度係数tc
1が負の温度係数である時、温度係数tc
3は正の温度係数とされる。第2実施例では、温度係数tc
1は正の温度係数とされ、温度係数tc
3は負の温度係数とされ、温度上昇に伴い、抵抗値R
1(t)は上昇し、インピーダンス素子30の抵抗値R
3(t)はそれに伴い下降する。
【0022】
以上に続き、
図2を参照されたい。温度tyが0度の基準温度とされ、参考電圧V
ref1とV
ref2の電圧がいずれもV
refとされ、インピーダンス素子202の第2端が受け取る参考電圧V
ref2、及びV
ref4が零電圧とされる時、抵抗値R
3(t)で電流I
3(t)が流出し、電流I
3(t)は以下のとおりである。
【数4】
【0023】
温度が上昇する時、抵抗値R
1(t)とR
2(t)は増加し得て、これにより電流I
1(t)とI
2(t)は小さくなり、抵抗値R
3(t)はすなわち減少し、出力電流I
3(t)は大きくなり、こうして、行き帰りして電流差値が大きくされ、これにより、第2実施例はインピーダンス素子30が、温度が変化する時に、アナログデジタル変換ユニット20の入力電流変化幅を大きくすることで、温度に対する敏感度が増加する。
【0024】
このほか、第2実施例は、正負の電流を利用する観念を利用して敏感度をアップするほか、第2実施例はまた、インピーダンス素子10、202と30の抵抗値の大きさを変更することを利用し、アナログデジタル変換ユニット20の電流I
1(t)、I
2(t)、I
3(t)の拡大或いは縮小の機能を達成できる。すなわち、
図2に示されるように、これらインピーダンス素子の拡縮は、抵抗値R
1(t)、R
2(t)、R
3(t)に一つの倍数αを乗じることと等価であり、すなわち、インピーダンス素子10、202と30の抵抗値を、それぞれαR
1(t)、αR
2(t)、αR
3(t)となす。こうして、第2実施例は倍数αで拡縮して、電流I
1(t)、I
2(t)、I
3(t)の拡大或いは縮小の機能を達成でき、余分のハードウエア回路を必要とせず、さらには回路面積とコストの節約を達成する。
【0025】
このほか、もし本発明のアナログデジタル変換ユニット20をICチップ内に設置するなら、本発明のインピーダンス素子10と30も、ICチップ内に設置(on chip)するか、或いはICチップ外に設置(off chip)できる。さらに述べると、
図1と
図2を参照されたいが、その他の実施例では、インピーダンス素子10と202は抵抗、コンデンサ、或いはインダクタのそのうちの一つ或いは組合せにより構成され得る。たとえば、インピーダンス素子10と202はそれぞれ一つのコンデンサと一つのインダクタで構成されるか、或いはインピーダンス素子10が一つのコンデンサと一つの抵抗を並列接続して構成され、インピーダンス素子202が一つのコンデンサと一つのインダクタを直列接続して構成される。
【0026】
図3を参照されたい。それは本発明の第3実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路の回路図である。図示されるように、第3実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路1はさらに校正回路40を包含する。校正回路40はインピーダンス素子10に接続されて、インピーダンス素子10の抵抗値を校正し、すなわち、校正回路40はインピーダンス素子10に直列接続されて、インピーダンス素子10の抵抗値を校正する。ICチップ製造過程中に、異なる性質のインピーダンス素子(たとえばインピーダンス素子10と30の性質が異なる)は工程の偏りのために、製作されたものの抵抗値が掌握しにくく、すなわち、抵抗値が理想と異なったものとなり得る。これにより、校正回路40による微調整が必要となる。
図3に示されるように、もし、インピーダンス素子10の抵抗値が工程因子により誤差を有するときは、すなわち、校正回路40によりインピーダンス素子10の抵抗値を校正し、その抵抗値を理想的な抵抗値となす。
【0027】
図4を併せて参照されたい。それは本発明のある実施例の校正回路の回路図である。図示されるように、本発明の第1校正回路40は、少なくとも一つの校正素子400と少なくとも一つの切換えスイッチ402を包含する。少なくとも一つの校正素子400は、インピーダンス素子10に接続されて、インピーダンス素子10の抵抗値を校正し、少なくとも一つの切換えスイッチ402は校正素子400に並列に接続され、これにより校正素子400を導通又は切断する。本実施例中、校正回路40は複数の校正素子400と複数の切換えスイッチ402を使用し、これら切換えスイッチはそれぞれこれら校正素子400に並列に接続され、校正素子400を導通又は切断してこれら校正素子400がインピーダンス素子10を校正するのに必要な抵抗値を決定する。
【0028】
さらに、
図3と
図4を参照されたい。その他の実施例中、インピーダンス素子30及び校正素子400は、抵抗、コンデンサ、或いはインダクタのいずれか或いは組合せにより構成される。たとえば、インピーダンス素子30と校正素子400はそれぞれ一つのコンデンサと一つのインダクタで構成されるか、インピーダンス素子30が一つのコンデンサと一つの抵抗が並列接続されて構成されて、校正素子400が一つのコンデンサと一つのインダクタが直列接続されて構成される。
【0029】
図5も併せて参照されたい。それは本発明の第4実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路の回路図である。図示されるように、校正回路40により工程偏移の形成する抵抗値の偏差変化の効果を調整しても、調整過程中に、これら切換えスイッチ402が余分の抵抗値に貢献し得て、並びにこれら切換えスイッチ402の貢献する余分の抵抗も温度と関係する。ゆえに、これら切換えスイッチ402が余分の抵抗値に貢献して正確度に影響を与えるのを防止するため、本発明の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路1はさらに、補償回路42と44を包含する。補償回路42はインピーダンス素子202に接続され、並びに校正回路40に対応し、インピーダンス素子202の抵抗値を補償し、補償回路44はインピーダンス素子30に接続され、並びに校正回路40と補償回路42に対応してインピーダンス素子30の抵抗値を補償する。すなわち、校正回路40中のこれら切換えスイッチ402は、余分の抵抗値を提供して検出温度の正確度に影響を与え得るため、第4実施例の補償回路42と44は、それぞれインピーダンス素子202とインピーダンス素子30の抵抗値を補償し、校正回路40中のこれら切換えスイッチ402が発生する余分の抵抗値を補償して、これにより検出温度の正確度を増加する。
【0030】
図6を併せて参照されたい。それは本発明のある実施例の補償回路の回路図である。図示されるように、本実施例の補償回路42は、複数のデコードスイッチ4200〜4207、複数のエンコードスイッチ4220〜4228、一つのデコードユニット424、一つのエンコードユニット426を包含する。デコードスイッチ4200〜4207はインピーダンス素子202に接続され、並びに校正回路40により導通又は切断される。これらデコードスイッチ4200〜4207の最後のステージのデコードスイッチ4207は、補償回路42の出力端OUTに接続され、これらエンコードスイッチ4220〜4228の第1端は、いずれも補償回路42の入力端INに接続され、これらエンコードスイッチ4220〜4228の第2端は、それぞれこれらデコードスイッチ4200〜4207に接続され、これによりこれらデコードスイッチ4200〜4207がそれぞれこれらエンコードスイッチ4220〜4228の第2端の間に配置され、デコードユニット424は制御信号ctrlを受け取り、並びに制御信号ctrlに基づきデコード信号を発生し、且つデコード信号を、これらデコードスイッチ4200〜4207に伝送し、これらデコードスイッチ4200〜4207の導通或いは切断を制御する。エンコードユニット426はこれらエンコードスイッチ4220〜4228に接続され、エンコードユニット426は制御信号ctrlを受け取り、並びに制御信号ctrlに基づきエンコード信号を発生し、且つエンコード信号をこれらエンコードスイッチ4220〜4228に伝送し、これらエンコードスイッチ4220〜4228の導通或いは切断を制御する。
【0031】
以上に基づき、デコードユニット424とエンコードユニット426は、制御信号ctrlによりいくつのデコードスイッチ422を導通させて、校正回路40中のこれら切換えスイッチ402の抵抗値に対応し補償するかを知ることができる。たとえば、制御信号が01000001であるとき、すなわち、校正回路40中に導通している二つの切換えスイッチ402があり、ゆえに、補償回路42のデコードユニット424はデコード信号00000011を発生し、出力端OUT前面の二つのデコードスイッチ4200〜4201を導通させ、同時に、エンコードユニット426が発生するエンコード信号は、00000100とされ、並びにこのエンコード信号を、これらエンコードスイッチ422の制御端に伝送し、エンコードスイッチ4222を導通させ、電流を入力端IN、エンコードスイッチ4222とデコードスイッチ4201、4200を介して出力端OUTに至らせる。ゆえに、補償回路42は、デコードスイッチ4201、4200を導通させることにより、校正回路中の導通する二つの切換えスイッチ402の抵抗値を補償する。
【0032】
このほか、これらエンコードスイッチ4220〜4228は、これらデコードスイッチ4200〜4207中のいくつのデコードスイッチが導通しようと、これらエンコードスイッチ4220〜4228のうち、一つのエンコードスイッチは導通し得て、たとえば、デコードユニット424が発生したデコード信号が00000000の時(すなわち、これらデコードスイッチ4200〜4207がいずれも切断の状態とされる)、すなわちエンコードユニット426の発生するエンコード信号は000000001とされて、エンコードスイッチ4220を導通するよう制御し、これにより、電流は、入力端INよりエンコードスイッチ4220をとおり出力端OUTに至る。デコードユニット424の発生するデコード信号が、11111111のとき(すなわち、これらデコードスイッチ4200〜4207がいずれも導通した状態のとき)、すなわち、エンコードユニット426の発生するエンコード信号は、100000000とされ、エンコードスイッチ4228を制御し、電流を、エンコードスイッチ4228とこれらデコードスイッチ4207〜4200を通し出力端OUTに至らせる。ゆえに、これらデコードスイッチ4200〜4207のいくつのスイッチが導通するかに関わらず、これらエンコードスイッチ4220〜4228は、補償回路42が導通させるスイッチが校正回路40が導通するスイッチより永遠に一つ多いため、誤差を発生する問題に対して、本発明は校正回路40中に一つの永久に導通するスイッチを設置することにより、上述の問題を解決する。
【0033】
同様に、
図7も併せて参照されたい。それは本発明のある実施例の別の補償回路の回路図である。図示されるように、本実施例の補償回路44は、デコードユニット444、エンコードユニット446、複数のデコードスイッチ4400〜4407、及び複数のエンコードスイッチ4420〜4428を包含する。本実施例の補償回路44の包含するデコードユニット444、エンコードユニット446、これらデコードスイッチ4400〜4407及びこれらエンコードスイッチ4420〜4428の回路素子はいずれも
図6の補償回路42と同じであり、並びに本実施例の補償回路44の動作原理は
図6の補償回路42と同じであるため、これ以上詳しく説明しない。
【0034】
図8を併せて参照されたい。それは本発明の第5実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路の回路図である。図示されるように、本実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路1はさらにインピーダンス素子212、演算増幅ユニット214、インピーダンス素子216及びコンデンサ218を包含する。インピーダンス素子212は第1演算増幅ユニット200の出力端に接続され、演算増幅ユニット214は逆相入力端、出力端及び正相入力端を具え、演算増幅ユニット214の逆相入力端と正相入力端はそれぞれインピーダンス素子212とコモン電圧V
cmに接続される。インピーダンス素子216は第1端と第2端を具え、インピーダンス素子216の第1端は演算増幅ユニット214の逆相入力端とインピーダンス素子212に接続され、インピーダンス素子216の第2端は参考電圧V
ref5或いは参考電圧V
ref6を受け取る。そのうち、参考電圧V
ref5は参考電圧V
ref1及び参考電圧V
ref2と実質的に同じ電圧V
refを採用でき、参考電圧V
ref6は零電圧とされ得る。
図1について述べたように、クロック発生回路210が発生するクロック信号により、インピーダンス素子216を制御して参考電圧V
ref5或いは参考電圧V
ref6を受け取らせる。コンデンサ218は第1端と第2端を具え、コンデンサ218の第1端は演算増幅ユニット214の逆相入力端、インピーダンス素子212及びインピーダンス素子216に接続され、コンデンサ218の第2端は、演算増幅ユニット214の出力端に接続される。以上に基づき、本実施例のアナログデジタル変換ユニット20は一つの2ステップの連続時間三角積分変調器とされ、それはアナログデジタル変換の機能をアップしている。
【0035】
図9を参照されたい。それは本発明のある実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路を電子装置に応用した回路図である。図示されるように、本実施例の上述の実施例と異なるところは、本実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路は、任意の、温度情報を知る必要がある電子装置に応用できることである。本実施例の電子装置5は、インピーダンス素子10、アナログデジタル変換ユニット20と処理回路50を包含する。インピーダンス素子10は参考電圧V
ref1を受け取り、並びに温度に基づき電流I
1(t)を発生し、アナログデジタル変換ユニット20はインピーダンス素子10に接続され、並びに入力電流I
1(t)に基づきデジタル出力信号を発生し、処理回路50はアナログデジタル変換ユニット20に接続され、並びにデジタル出力信号に基づき処理信号を発生して処理信号を出力して後続回路の使用に供する。そのうち、処理回路50はガスセンサ、光センサ、圧力センサ或いは重力センサとされる。
【0036】
さらに述べると、
図8と
図9に示されるように、その他の実施例において、インピーダンス素子212と216は、抵抗、コンデンサ、或いはインダクタ中のいずれか或いはその組合せにより構成され得る。たとえば、インピーダンス素子212とインピーダンス素子216は、それぞれコンデンサとインダクタで構成されるか、或いはインピーダンス素子212がコンデンサと抵抗を並列接続して構成されて、インピーダンス素子216がコンデンサとインダクタが直列接続されて構成される。
【0037】
図10は本発明の第5実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換ユニットの回路図である。本実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路6と第2実施例との違いは、本実施例の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路6は電流源60を包含することにある。電流源60は温度に基づき電流I
1(t)を発生し、電流源60の電流I
1(t)はアナログデジタル変換ユニット70に流入し、アナログデジタル変換ユニット70に、電流I
1(t)に基づきデジタル出力信号を発生させる。
【0038】
さらに、本実施例のアナログデジタル変換ユニット70は演算増幅ユニット700、電流源702、コンデンサ704、量子化回路706、処理回路708及びクロック発生回路710を包含する。演算増幅ユニット700は逆相入力端、出力端及び正相入力端を具え、演算増幅ユニット700の逆相入力端と正相入力端はそれぞれ電流源60とコモン電圧V
cmに接続される。電流源702の第1端は演算増幅ユニット700の逆相入力端に接続され、電流源702の第2端は参考電圧V
ref2或いは参考電圧V
ref3を受け取る。そのうち、参考電圧V
ref3は零電圧とされ得て、参考電圧V
ref1と参考電圧V
ref2は実質的に等しくされ得る。電流源702は電流I
2(t)を発生し、並びに電流I
2(t)は演算増幅ユニット700に流入する。コンデンサ704は第1端と第2端を具え、コンデンサ704の第1端と第2端はそれぞれ演算増幅ユニット700の逆相入力端と出力端に接続される。こうして、本実施例のアナログデジタル変換ユニット70は電流源60の発生する電流I
1(t)と電流I
2(t)により、デジタル出力信号を発生する。そのうち、本実施例のアナログデジタル変換ユニット70がどのようにデジタル出力信号を発生するかの原理は、第2実施例で記載したものと同じであるため、ここでは詳しく説明しない。
【0039】
このほか、本実施例のアナログデジタル変換ユニット70は、さらに電流源80を包含する。電流源80は第1端と第2端を具え、電流源80の第1端は演算増幅ユニット700の逆相入力端に接続され、電流源80の第2端は参考端に接続されて、参考電圧V
ref4を受け取り、電流源80は参考電流I
3(t)を発生する。そのうち、電流源60は正の温度係数を有し、電流源80は負の温度係数を有するか、或いは電流源60は負の温度係数を有し、電流源80は正の温度係数を有する。本実施例では、電流源60が発生する電流I
1(t)はアナログデジタル変換ユニット70に流入し、電流源80が発生する電流I
3(t)はアナログデジタル変換ユニット70より流出し、アナログデジタル変換ユニット70がどのように電流I
1(t)と電流I
3(t)に基づいてデジタル出力信号を発生するかの原理は、第2実施例で記述したものと同じであるため、ここでは詳しく説明しない。
【0040】
総合すると、本発明の温度検出機能を具えたアナログデジタル変換回路及びその電子装置は、第1インピーダンス素子が参考電圧を受け取ることで、並びに温度に基づいて入力電流を発生し、アナログデジタル変換ユニットが第1インピーダンス素子に接続され、並びに入力電流に基づきデジタル出力信号を発生し、これにより、回路面積を減らし、パワー消耗を減らし、さらには製造コストを削減する。
【0041】
本発明は新規性、進歩性、及び産業上の利用価値を有し、特許の要件を満たしていることに疑いはなく、ここに特許出願を行う次第です。
【0042】
ただし、以上述べたことは、本発明の実施例にすぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲に基づきなし得る同等の変化と修飾は、いずれも本発明の権利のカバーする範囲内に属するものとする。