(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
半導体表面のフィーチャの位置を表し、視覚的に表示され、前記第1の画像の上に重ね合わされた理想化された幾何学的形状を、前記座標系オーバレイが含む、請求項1に記載の方法。
前記座標系オーバレイと前記第1の画像とを整列させることが、前記第1の画像と前記座標系オーバレイとを整合させるために、前記座標系オーバレイを移動させ、回転させ、または引き伸ばし、あるいは前記座標系オーバレイのサイズを変更することを含む、請求項7に記載の方法。
前記試料上の前記着目フィーチャの位置に近くに、1つまたは複数の適当な移転フィデューシャルを形成することが、フィデューシャルとして使用するトレンチを前記試料表面にミリングすることを含み、前記トレンチが、前記着目フィーチャの位置を完全に取り囲むフレームを形成する、請求項11に記載の方法。
前記1つまたは複数の所望の移転フィデューシャルが、イオン・ビーム・スパッタリングまたは表面ステイニング、ガス支援エッチングまたは付着、あるいは電子ビーム誘起ガス支援エッチングまたは付着によって形成される、請求項13に記載の方法。
前記座標系と前記第1の画像とを整列させることが、前記第1の画像と前記重ね合わされた座標系とを整合させるために、前記重ね合わされた座標系を移動させ、回転させ、または引き伸ばし、あるいは前記重ね合わされた座標系のサイズを変更することを含む、請求項20に記載の方法。
前記第1の画像内の複数のアライメント・フィーチャおよび前記重ね合わされた座標系内の対応する理想化されたフィーチャを使用して、前記座標系と前記第1の画像とを整列させた後に、前記着目フィーチャの近くの別のアライメント・フィーチャを含む1つまたは複数の追加の位置を再画像化し、それらの追加の画像が示すオフセット誤差を平均することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
前記試料上の前記着目フィーチャの位置に近くに、1つまたは複数の適当な移転フィデューシャルを形成することが、フィデューシャルとして使用するトレンチを前記試料表面にミリングすることを含み、前記トレンチが、前記着目フィーチャの位置を完全に取り囲むフレームを形成する、請求項26に記載の方法。
ステージの移動に依存せずに試料をナビゲートする方法であって、前記試料が、着目フィーチャと1つまたは複数のアライメント点とを含むターゲット領域を有し、前記方法が、
前記ターゲット領域の第1の画像を取得することと、
前記画像の上に、前記ターゲット領域内のアライメント点の理想化された座標系を重ねることと、
前記画像内の前記アライメント点のうちの前記着目フィーチャの近くの1つまたは複数のアライメント点の位置を特定することと、
前記理想化された座標系と前記画像とを整列させることと、
前記ターゲット領域内にはあるが、前記着目フィーチャからは離隔した、前記試料上の1つまたは複数の固有のフィーチャの位置を特定することと、
前記第1の画像内の前記着目フィーチャと前記1つまたは複数の固有のフィーチャのそれぞれとの間のオフセットを、前記第1の画像から、記録することと、
より小さな視野を用いて、前記着目フィーチャを含む前記試料の新たな画像を取得すること、および
前記第1の画像から記録された複数の前記オフセットのそれぞれを使用して、前記新たな画像内の前記着目フィーチャの位置を特定することと、
を含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
これらの添付図面は、尺度が一律になることを意図して描かれたものではない。これらの添付図面では、さまざまな図に示された同一のまたはほぼ同一の構成要素がそれぞれ、同様の符号によって示されている。分かりやすくするため、全ての図面の全ての構成要素に符号が付けられてはいないことがある。
【0018】
本発明の好ましい実施形態は、半導体チップ製造分野の局所領域ナビゲーション用の高精度ビーム配置法を対象としている。本発明は、ステージ/ナビゲーション・システムが通常は高精度ナビゲーションを実施する能力を持たない場合であっても、比較的に大きな局所領域(例えば200μm×200μmの領域)内の対象の位置へ高精度でナビゲートすることが可能な方法を示す。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、最初に、比較的に大きなターゲット領域(着目フィーチャの位置および1つまたは複数の適当なアライメント・マークを含むより大きな領域)の高解像度画像を取得する。例えば、適当な高解像度領域は250μmの幅を有し、幅について約4096画素の解像度を有する。好ましい一実施形態によれば、対象の領域の上にCADポリゴンを重ね、2点または3点CADポリゴン再位置合せ(re−registration)を実行する。次いで、ディジタル・ズームを利用して、着目フィーチャを含む領域の位置を精密に特定する。追加のCAD位置合せプロセスを実行して、精度をより高めることができる。次いで、着目フィーチャの近くの1つまたは複数の適当な移転フィデューシャル(transfer fiducial)の位置を特定し、あるいは着目フィーチャの近くに1つまたは複数の適当な移転フィデューシャルを形成し、この大視野画像内のフィデューシャルと着目フィーチャの間のオフセット(offset)を記録する。次いで、検査/調査を実行するのに適したより小さな視野の画像を取得する。この画像内で移転フィデューシャルを識別し、オフセットを使用して、着目フィーチャの位置を正確に特定する。
【0020】
この大領域高解像度走査と、ディジタル・ズームと、理想化された座標系への画像の位置合せとの組合せによって、ステージの移動に依存せずに局所領域をナビゲートすることができる。一旦画像を取得してしまえば、試料ドリフトまたはビーム・ドリフトはアライメントに一切影響を及ぼさない。したがって、好ましい実施形態は、高精度ステージ/ナビゲーション・システムなしで、100nm未満の精度で試料上の位置へ正確にナビゲートすることを可能にし、いくつかの好ましい実施形態は、30nm以内のナビゲーションを可能にする。言い換えると、本発明の好ましい実施形態によれば、試料ステージは、±500nm以上の位置決め精度または位置決め誤差を有することがあるが、±100nmまたはそれよりも良い(すなわち100nm以下の)位置決め精度で着目フィーチャの位置を特定し、試料に対して粒子ビームを位置決めすることができる。より好ましくは、±30nmまたはそれよりも良い精度で、着目フィーチャの位置を特定すること(すなわち、粒子ビーム・システムが、試料上の着目フィーチャの位置へナビゲートすること)ができる。試料ステージが、±100nm以上の位置決め精度または誤差を有する場合であっても、本発明の好ましい実施形態では、±300nmまたはそれよりも良い位置決め精度で、着目フィーチャの位置を特定し、試料に対して粒子ビームを位置決めすることができる。
【0021】
本発明の好ましい方法または装置は多くの新規の態様を有し、本発明は、目的の異なるさまざまな方法または装置として具体化することができるため、全ての実施形態に全ての態様が含まれる必要はない。また、記載された実施形態の多くの態様は、別々に特許を受けることができる。
【0022】
図1は、本発明の好ましい一実施形態に基づく局所領域ナビゲーション用の高精度ビーム配置の諸ステップを示す流れ図を示す。ステップ10で、(
図12に示した後述するFIB/SEMなどの)一般的な先行技術の荷電粒子ビーム・システムに試料を、システム・ステージ上に試料を装着することによって装填する。本発明の好ましい一実施形態に基づく荷電粒子ビーム・システムは、集束イオン・ビーム・システム、電子ビーム・システムまたはデュアル・ビームFIB/SEMシステムとすることができる。試料は手動で装填し、または例えば自動ハンドラ・システムによって自動的に装填することができる。
【0023】
本発明の好ましい実施形態は、レーザ・ステージなどの高精度ステージの使用を必要としない。分析または処理のために試料または加工物を荷電粒子ビーム・システムに装填するときに、着目フィーチャの精密な位置までステージを駆動するのは非常に難しい操作である。一般的な試料ステージの精度は約1〜2μmである。言い換えると、このような一般的なステージを特定の座標まで移動させたとき、位置の誤差は最大で±1〜2μmになりうる。(この方式で表現するときには、数値が大きいほど精度の低いステージであることを意味する。)100nm以下の精度でナビゲートすることができるレーザ干渉計ステージ(laser interferometer stage)(以後「レーザ・ステージ」)などの先進の高精度ステージは、非常に高価である。また、レーザ・ステージには、傾けることが一般にできない、現在使用されている大部分の荷電粒子ビーム・システムで使用することができないといったいくつかの重大な欠点がある。本発明は、高精度レーザ・ステージを必要とせずに100nm未満の精度でナビゲートする方法を提供する。好ましくは、本発明の実施形態は、精度(位置誤差)±500nmの試料ステージを使用した100nm未満ナビゲーション法またはビーム配置法を提供する。より好ましくは、本発明の実施形態は、精度(位置誤差)±1〜2μm以上の試料ステージを使用した100nm未満ナビゲーション法またはビーム配置法を提供する。
【0024】
試料を装填した後、ステップ12で、知られている方法を使用して、例えばダイのコーナでの一般的な3点ロックによって、試料のアライメントを実施する。このアライメントは、手動で、例えばオペレータが光学顕微鏡を使用することによって、または自動的に、例えば適正な向きを決定するために試料のノッチまたはフラット・エッジの位置を特定する自動ハンドラ・ロボットを使用することによって、実施することができる。
【0025】
ステップ14で、着目フィーチャが、荷電粒子ビームによって走査されるターゲット領域(視野)内に位置するように、ステージを位置決めする。(例えば着目フィーチャが埋め込まれているときなど、場合によっては、画像内で着目フィーチャを実際に見ることができないこともある。)この位置決めは、位置座標またはCAD(computer−aided design)データを記憶し、それらを使用することによって実施することができる。視野は、使用するステージ/システムの精度を考慮して、着目フィーチャが、好ましくは画像と試料表面のフィーチャの位置を表す座標系との位置合せで使用するのに適した1つまたは複数の適当なアライメント・フィーチャ(後により詳細に論じる)とともに、画像化される領域内に位置することが保証されるように、十分に大きくとるべきである。より好ましくは、視野が、アライメント・フィーチャとして使用するのに適した少なくとも3つのフィーチャを含む。適当なフィーチャは、試料画像内および座標系オーバレイ(overlay)内において容易に認識できなければならない。
【0026】
ステップ16で、荷電粒子ビームを用いて試料を高解像度で画像化する。画素サイズが必要な配置精度に匹敵するように、この画像は、十分な(十分に高い)解像度を有していなければならない。画像解像度は、画素サイズが、アライメント・マークを識別し、アライメント・マークの位置を高い精度で決定することを可能にする、十分に高いものであることが好ましい。解像度は、画素サイズが、アライメント・フィーチャのサイズに等しいか、またはアライメント・フィーチャのサイズよりも小さくなる、十分に高いものであることがより好ましい。例えば、本発明の好ましい一実施形態では、これが、幅250μmの画像に対して4096画素(またはそれ以上)の解像度を使用することができることを意味し、その場合、画素サイズは約50〜60nmになる。その結果、50〜60nmよりも大きなアライメント・フィーチャを容易に識別することができる。本発明の他の好ましい実施形態は、画素サイズが10〜100nm、より好ましくは30〜60nmになる画像解像度を使用する。
【0027】
好ましいいくつかの実施形態では、着目フィーチャのサイズよりも大きな画素サイズを与える解像度を使用することもできるが、このより大きな画素サイズは位置誤差の一因となると考えられる。例えば、上の段落で説明した実施形態の画素サイズ(50〜60nm)を、サイズが30nmのアライメント・フィーチャとともに使用した場合、そのアライメント・フィーチャが画素内のどこに位置するのかを決定する術はない。その結果、(画素サイズだけに起因する)アライメント・フィーチャの位置誤差は、20〜30nm(50〜60nm−30nm)にもなりうる。この精度は、一般的なレーザ・ステージによって達成できる精度よりも依然として高いため、多くの場合、この精度は許容される。
【0028】
ターゲット(着目フィーチャ)の位置および好ましくはアライメント・フィーチャの位置も、ある形の座標系において既知であるべきである。好ましい実施形態では、これらの位置を、CADオーバレイ(後により詳細に説明する)またはxy座標、または繰り返し配列の構造から決定することができる。
【0029】
この画像の解像度は、画素サイズが少なくとも必要な精度に匹敵する十分なものであるべきである。例えば、好ましい一実施形態では、幅250μmの画像の幅が画素約4096個分であり、その場合、画素サイズは約60ナノメートルになる。この解像度は、サイズが60ナノメートル以上あるアライメント点などのフィーチャを画像化し、処理するのに適当であろう。しかしながら、60nmよりも小さなフィーチャに対しては、より高い解像度(およびその結果としてのより小さな画素サイズ)が必要となるであろう。
【0030】
視野(水平フィールド幅(horizontal field width)またはHFWとも呼ばれる)画像解像度と画素間隔の間には正のバランス(direct balance)がある:HFW=(画素間隔)×(画素数)。250μm×250μmよりもはるかに大きな領域にわたってナビゲートするため、ここに示したものでは、パターン形成エンジンの解像度を幅8kまたは16kの画像に増大させない限り、より大きな画素間隔および起こりうる走査歪みによって得られる精度が低減しそうな結果になるであろう。場合によっては、走査歪み/非線形性を理解するためにマッピングが必要となることがある。
【0031】
図2は、着目フィーチャの座標および最初の画像/CADオーバレイ位置合せ(後述)で使用する3つのアライメント・フィーチャの座標までステージを駆動することにより、前述のようにして得た試料の画像を示す。
図2に示すように、(着目フィーチャを含む)ターゲット201および3つのアライメント・フィーチャ(202、203、204)は全て、表面層を貫通するミリング(milling)によって半導体表面に部分的に露出させたビア・フィールド(via field)である。視野は、使用するステージ/システムの精度を考慮して、着目フィーチャが、画像化される領域内に位置することが保証されるように、十分に大きくとるべきである。例えば、精度±2μmの試料ステージを備えた粒子ビーム・システムでは、着目フィーチャおよび約2000nm離れた3つのアライメント・フィーチャに対する視野は、着目フィーチャが画像化される視野内に位置することを保証するために少なくとも8μm×8μmであるべきである。しかしながら、本発明によれば、一般に、はるかに大きな約125μm×125μmの視野を使用することができる。
【0032】
再び
図1を参照する。ステップ17で、CADポリゴン330(試料または加工物上のフィーチャの位置を表す理想化された幾何学的形状)を示すオーバレイを、半導体試料上の要素/フィーチャに対するCAD(computer−aided design)データから構築し、試料の荷電粒子ビーム画像の上に重ねることができる。このような座標系オーバレイを
図3に示す。必要ならば、後述するように、CADオーバレイと画像の間の最初の位置合せを実行することができる。
図3では、CADポリゴンによって指示されたいくつかの半導体フィーチャが露出しておらず、依然として表面層の下に埋め込まれていることに留意されたい。
【0033】
一般に、
図3および4に示すように、画像に対するオーバレイの最初の位置決めは、おそらくいくぶんかは不正確である。任意選択のステップ18で、ディジタル拡大を使用して、ターゲットおよびアライメント点にズームイン(zoom in)することができる。一旦ターゲット領域を走査してしまえば、ユーザは、ディジタル・ズームを使用して、フィデューシャルまたは着目フィーチャの位置を特定するために、走査した画像を「ナビゲート」することができる。画像をナビゲートするのは、ステージを移動させ、試料を再画像化することによってナビゲートするよりもはるかに速く、容易である。ディジタル・ズーム(例えば
図4の8:1程度のズーム)によって、ユーザは、着目フィーチャを含むおおまかな領域の位置を迅速に特定し、次いで、ズームインして、着目フィーチャ、座標オーバレイとともに使用するアライメント・フィーチャ、および/または後述する移転フィデューシャルの位置をより正確に特定することができる。
図4では、拡大された画像によって、ビア340とCADポリゴン330とが正確には整列(align)していないことが明らかである。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、画像とオーバレイの間の座標系位置合せを実行して、画像とCADオーバレイとをより正確に整列させるため、オペレータが、ディジタル・ズームを使用して、画像(およびCADオーバレイ)上の着目フィーチャまたは着目フィーチャの付近にズームインすることができる。当業者なら理解するとおり、ディジタル・ズームの使用は、例えばコンピュータ・モニタ上で人間のオペレータに対して視覚的に表示することができる詳細さのレベルの固有の限界を克服するのに役立つ。しかしながら、本発明の好ましいいくつかの実施形態では、例えば画像認識/マシン・ビジョン(machine vision)を使用することによって、人間オペレータの代わりに、自動コンピュータ制御を使用することができる。自動実施形態に対してディジタル・ズームを使用する必要はないことは明白であろう。
【0035】
次いで、例えばマウス、画面上のカーソルなどのコンピュータ・ポインティング・デバイスを使用することによって、アライメント点および座標系オーバレイ上の対応する要素を識別することができる。
図5は、この再位置合せプロセスの最初のステップを示す。ユーザは、ディジタル拡大を使用して、画像およびCADオーバレイにズームインし、画像内のさまざまな領域に対する局所的なオフセットを指定することができる。ディジタル拡大されている領域は、サムネイル・ビュー551内に正方形550として示される。
図5に示すように、この画像は、アライメント点202のところにディジタル・ズームされている。再び
図1を参照する。ステップ20で、オペレータは、
図5に示すように、1つのCADポリゴン330の中心544を(マウスまたは他の適当なポインティング・デバイスで)クリックし、次いで試料画像内の対応するフィーチャ(ビア340)の中心542をクリックすることができる。次いで、このプロセスを、
図6に示すようにアライメント・フィーチャ204に対して繰り返し(ステップ22)、
図7に示すようにアライメント・フィーチャ203のところで繰り返す(ステップ24)ことができる。
【0036】
アライメント・フィーチャの位置および座標系オーバレイ内の対応する要素の位置を識別した後、ステップ26で、画像上の複数のアライメント点とCADオーバレイとの間のターゲット領域内におけるオフセットまたは重ね合せ誤差を測定することができる。
図4の誤差は、ターゲット領域内で約1.4umである。この誤差を補正するため、ステップ28で3点再位置合せを実行し、CADオーバレイを引き伸ばし、回転させ、かつ/または移動させて、画像と整合させる。
【0037】
当業者なら理解するとおり、CADオーバレイと画像の間のオフセット誤差は、最初のステージ・ロックにおけるオペレータの誤り、FIB画像の不精密な較正(拡大および/または回転)、局所的なダイの歪み、またはイオン・カラム偏向システムの非線形性など、多くの原因から生じうる。誤差の原因が何であれ、CADオーバレイと大視野FIB画像内の全ての点との間の完全な一致を達成することは通常不可能である。この問題を解決する1つの方法は、CADオーバレイを必要に応じて引き伸ばし、移動させ、かつ/または回転させる3点再位置合せを実行して、状況に応じた特定のFIB画像の整合を達成することである。このタイプの画像位置合せは、本発明の譲受人でもあるFEI Company社(米オレゴン州Hillsboro)に譲渡された、参照によって本明細書に組み込まれているLindquist他の「Image−to−Image Registration Focused Ion Beam System」という名称の米国特許第5,541,411号において詳細に論じられている。
【0038】
Lindquistによって記述され、
図5〜8によって示されているように、この位置合せ操作は、例えば粒子ビーム画像上の3点、および(本発明の好ましい実施形態によればCADオーバレイなどの)整列させるもう一方の画像上の対応する3点を選択することを含む。これらのアライメント点は、マウスを、ディスプレイからの視覚フィードバックとともに使用することによって対話方式で選択することができる。例えば、粒子ビーム画像内の視認可能なアライメント点としてアライメント点R1、R2およびR3を選択した場合には、位置合せを実行したい座標系オーバレイの対応する3点(C1、C2、C3)を選択する。画像内および座標系内の対応する点を選択した後、プロセスは、基準画像の点(R1、R2、R3)と前の画像(prior image)上の点(C1、C2、C3)との間で、T(C1)=R1、T(C2)=R2およびT(C3)=R3となるような変換Tを決定する。画面の特定の座標系内のこれらの点の座標位置は既知であるため、点間の変換は、線形代数法によって容易に決定される。
【0039】
変換演算Tを決定した後、新たな空の(empty)(すなわちブランク(blank))画像を作成し、次いでループに入り、この新たな画像内の第1の画素を選択する。画素を選択した後、全ての画素を処理したかどうかについての判定を実施する。全ての画素を処理した場合、位置合せは完了であり、このプロセスを出る。しかしながら、処理していない画素がある場合には、座標変換Tを使用してプロセスを継続し、前の画像から対応する画素を選択する。次いで、前の画像から選択した画素データを、前の画像から、新たな画像の選択された画素位置へ読み込む。変換が、新たな画像の選択された位置を、前の画像の境界の外側にマップしている場合には、その新たな画像位置に空白データ(null data)を配置する。この空白データは例えばブランク表現または黒の背景表現を含むことができる。次に、プロセスをループバックして、再び新たな画像内の次の画素を選択し、新たな画像内の全ての画素が処理されるときまでプロセスを繰り返し継続する。
【0040】
好ましい一実施形態では、オフセットの計算および画像とCADポリゴンの位置合せが、自動化されたコンピュータ・スクリプトを介して実行される。位置合せが完了した後、オーバレイとターゲット・ビアは、
図8に示すように正確に整列している。
【0041】
この変換演算は、画像間の平行移動、回転、尺度および傾斜角の差を調整するため、新たな画像は、最初の画像に比べて多少歪んでいることがある。上記のステップによれば、画像−画像位置合せは、荷電粒子画像内および座標系内の対応する3つのアライメント点を選択することによって実施することが好ましいが、これとは異なる数のアライメント点を使用することができ、点の数が多いほどアライメントの精度は高まる。対応するアライメント点間の変換を決定し、位置合せを実施する画像に適用して、適切に位置合せされた出力画像を生成する。代替として、精度を向上させる任意選択のステップは、ターゲット位置に近い、別のアライメント・フィーチャを含む追加の位置を画像化するステップである。次いで、これらの別個の画像によって指示された位置を平均することによって、ターゲット位置を決定する。このステップは特に、1画像につき1つのアライメント・フィーチャを使用するときに良好な精度を提供するために望ましい。これらのステップは、コンピュータ・プロセッサによって適切に実行されることが好ましく、これらのさまざまな画像は、画像バッファに記憶され、適当なディスプレイ上に表示されたビット・マップ画像(bit mapped image)である。
【0042】
画像と座標系とを正確に整列させた後、そのアライメントを試料に「移転する(transfer)」必要がある。本発明の好ましい実施形態によれば、これは、移転フィデューシャルを使用することによって実施することができる。システム・ドリフト、画像シフト、視野を変更したときの尺度の差などの因子は、荷電粒子ビームの位置決めをナノメートル・スケールでいくぶん可変にする。移転フィデューシャルの使用は、独立した基準点が、着目フィーチャの位置を迅速かつ精密に特定することを可能にする。移転フィデューシャルは、(画像内に見られる)試料上の容易に識別可能な既存のフィーチャ、またはアライメント・プロセスの一部としてのFIB/SEMによって形成されたフィーチャとすることができる。移転フィデューシャルとして使用するのに適した既存のフィーチャは、確実に識別することができる視野内の固有のフィーチャであるべきである。好ましいフィデューシャルはさらに、x方向とy方向の両方においてビーム位置を正確に示すことを可能にする。例えば、適当な1つのフィデューシャルが、2本の線の交点であることがある(十字形フィデューシャル)。また、適当なフィデューシャルが、試料内の凹凸、あるいは視野内に位置する一片のほこりまたは破片であることさえある。
【0043】
再び
図1を参照する。ステップ30で、画像内の着目フィーチャの位置へナビゲートした後に、画像内の1つまたは複数の適当な移転フィデューシャルを識別し、これらのフィデューシャル(1つまたは複数)と画像内の着目フィーチャの間のオフセットを記録する。この場合も、適当な移転フィデューシャルの位置を特定するのに役立つように、ディジタル・ズームを使用して、着目フィーチャの位置における領域の画像を拡大することができる。2つ以上の移転フィデューシャルを使用することが好ましい。一般に、移転フィデューシャルの数が多いほど、着目フィーチャの位置を特定する精度は高くなる。
【0044】
試料の表面に適当な構造が存在しない場合には、ステップ32で、視野内ではあるが着目フィーチャからは離隔したある位置、好ましくは対象の点に損傷を与えないある位置に、フィデューシャル・マークを形成することができる。例えば、ターゲット位置の近くでのFIBミリングまたはFIB/SEM付着によって、試料の上にフィデューシャル・マーカを形成することができる。フィデューシャルは、例えば集束イオン・ビーム・スパッタリング、イオン・ビームを用いた表面ステイニング(surface staining)、ガス支援(gas−assisted)エッチングまたは付着、あるいは電子ビーム誘起(electron beam induced)ガス支援エッチングまたは付着を含む適当な任意の方法を使用して形成することができる。多くの場合、付着によるフィデューシャル形成が好ましい。これは、付着によるフィデューシャル形成が、低侵襲性であり(試料表面に損傷を与えにくく)、より良好なコントラストを提供する(異なる材料が使用されるため)ためである。確実に識別し、その位置を特定することができるように、フィデューシャルは、容易に区別できる形状とすることができる。
【0045】
適当なフィデューシャルを形成する場合には、フィデューシャルを形成した後に、ステップ33で、試料表面を再画像化すべきである。この新たな画像を用いて、上記のアライメント・ステップ16〜28を繰り返すことができる。
【0046】
ステップ34で、適当な移転フィデューシャルを識別した後に、移転フィデューシャルと着目フィーチャの間のオフセットを決定し、(好ましくはコンピュータの記憶装置に)記録する。
図9は、上記の方法ならびにミリングされた2つのフィデューシャル104および106を使用して十字パターンのコーナ102の位置が特定された試料を示す。本明細書に記載の方法を使用することにより、実験では、コーナ102の位置が100nm未満で決定された。
【0047】
この場合も、形成し、使用するフィデューシャルの数が多いほど、着目フィーチャに対するビーム配置の精度は高くなる。好ましい一実施形態では、着目フィーチャの位置を完全に取り囲むフレーム(frame)またはボックス(box)を、例えばイオン・ミリングによって形成することができる(とは言うものの、
図9に示すように、フレーム・フィデューシャル104は、着目フィーチャ102の周りではなくアライメント・マーク106の周りにミリングされた)。ミリングされたこのようなフィデューシャル・フレームを
図10に示す。フィデューシャル・フレーム404内には、埋め込まれた着目フィーチャが位置する(表面層があるためまだ見えていない)。
図10には、(既に露出した)アライメント・フィーチャ402、403、404も見えている。
図10に示すようなフレーミング・フィデューシャルを使用することによって、フレーム内の着目フィーチャを(好ましくはフレーム内の表面層をミリング/エッチングすることによって)露出させた後に、オフセットを決定することができる無限個のフィデューシャル位置を本質的に提供するフレームに沿った任意の点で、フィーチャ・オフセットを決定することができる。これによって、フィデューシャルと着目フィーチャの間のオフセットをはるかに正確に決定することができる。
【0048】
再び
図1を参照する。適当なフィデューシャルを選択し、または形成した後、ステップ36で、着目フィーチャの位置で試料を再画像化する。この画像化ステップでは、ずっと小さな視野を使用することが好ましい。一般に、この視野は、着目フィーチャの所望の処理に対して一般的な視野、例えば10μm×10μmの視野である。前述の位置合せステップ後は、フィーチャの位置が、フィーチャがこのより小さな視野の中にあることを保証する十分な精度で分かっているため、このより小さな視野をより大きな信頼度で使用することができる。次いで、ステップ38で、新たな画像内の移転フィデューシャル(1つまたは複数)を容易に識別することができる。ステップ40で、記録されたオフセット(1つまたは複数)を使用して、着目フィーチャの位置を容易かつ正確に特定する。ビームを正確に位置決めした後、ステップ42で、その粒子ビームを使用して、例えば試料をミリングし、試料上に材料を付着させ、または試料を画像化し、試料上で計測(metrology)を実行することによって、試料を処理することができる。
【0049】
図11は、(CADポリゴンの視覚オーバレイを使用せずに)1つまたは複数の試料を形成する本発明の好ましい他の実施形態に基づく諸ステップを示す流れ図である。好ましくは、
図11に記載されたプロセスを完全にまたは部分的に自動化することができる。
【0050】
ステップ110で、粒子ビーム・システムに試料を装填する。適当な試料は例えば半導体ウェハであり、これを、精度が1〜2μmでしかない試料ステージを有するデュアル・ビームFIB/SEMに装填することができる。次いで、着目フィーチャの既知の座標を使用して、着目フィーチャが粒子ビームの視野に入るようにステージを位置決めする。一般的な試料ステージは精度が低いため、座標だけを使用して着目フィーチャの精密な位置を十分な精度で識別することはできない。
【0051】
ステップ111で、2つ以上のアライメント点(例えば200×200μmの正方形領域のコーナなどの識別可能なフィーチャ)を含むターゲット領域の高解像度画像(例えば幅4096画素)を取得する。ステップ112で、これらの適当なアライメント点の位置を特定する。前述のとおり、適当なアライメント・フィーチャは試料画像内で識別することができ、対応する要素は、試料上のフィーチャの位置を指定する(特定の半導体ウェハのCADデータなどの)座標系データ内で識別することができる。
【0052】
本発明の好ましい一実施形態によれば、画像認識ソフトウェアを使用して、適当なアライメント・フィーチャを自動的に選択することもできる。適当な画像認識ソフトウェアは例えばCognex Corporation社(米マサチューセッツ州Natick)から入手可能である。類似のフィーチャのサンプル画像を使用することによって、またはCADデータからの幾何学的情報を使用することによって、画像認識ソフトウェアを「訓練」して、適当なアライメント・フィーチャの位置を特定するようにすることができる。これは特に、いくつかの類似の試料(例えば同じ設計を有する多数の半導体ウェハ)を処理する場合に望ましいことがある。アライメント・フィーチャを識別し、またはアライメント・フィーチャを識別するのを容易にするために、自動化されたFIBまたはSEM計測を使用することもできる。計測は、画像ベースのパターン認識、エッジ・ファインディング(edge finding)、ADR、質量中心計算、ブロッブ(blob)などからなることができる。本発明の譲受人であるFEI Company社から入手可能なIC3D(商標)ソフトウェアなど、完全にまたは部分的に自動化された本発明に基づく画像処理、計測および機械制御を実現する適当なソフトウェアは、パターン認識およびエッジ検出ツール、ならびに「do while」ループ機能を提供することが好ましい。
【0053】
ステップ114で、上でより詳細に説明したオフセットの計算に基づいて、画像とアライメント点の座標系とを整列させる。ステップ116で、このアライメントを使用して、画像内の所望の着目フィーチャの位置を計算する。任意選択のステップ118で、着目フィーチャの近傍で再位置合せを実行することができる。
【0054】
ステップ120で、試料表面に適当な移転フィデューシャルが存在するかどうかを判定する。移転フィデューシャルも、画像認識ソフトウェアを使用して自動的に選択することができる。あるいは、最初はオペレータが適当な移転フィデューシャルを選択し、続いて、画像認識ソフトウェアを「訓練」して、後続の試料内の適当な移転フィデューシャルの位置を特定するようにすることもできる。
【0055】
適当な移転フィデューシャルが存在しない場合には、ターゲットの位置を特定することを可能にするために、ステップ122で、物理的なフィデューシャルを形成する。フィデューシャルは、例えばFIB、SEMまたは前述の知られている他の方法によって、ターゲット領域のそばに形成することができる。このマーカがターゲット位置に損傷を与えたり、またはターゲット位置を覆い隠したりしないことを保証するため、マーカに対するオフセットは十分に大きくすべきである。ステージの精度によっては、フィデューシャルを、着目フィーチャから数μm離して形成する必要があることがある。形成された移転フィデューシャルの位置は、例えばマウスを使用して所望のフィデューシャル位置の周囲に仮想のボックスをドラッグすることによって、オペレータが指定することができる。次いで、自動計測ソフトウェアが、サンプル位置(例えば特定のフィーチャの右のエッジから15nm)にある識別可能なフィーチャに対するフィデューシャルの位置を精密に測定することができる。後続の試料を処理するため、次いで、指定された精密な位置にフィデューシャルを自動的に形成することができる。ウェハ表面の特定の構造に対するフィデューシャルの位置を指定するため、CADデータを使用してフィデューシャル位置を指定することもできる。(ステージ・ナビゲーションの精度を考慮して)着目フィーチャから十分に離して移転フィデューシャルを形成する限り、このタイプの自動プロセスによって、適当な移転フィデューシャルを安全に形成することができる。
【0056】
移転フィデューシャルを形成する場合には、第2の高解像度画像を取得し、(移転フィデューシャルを示す)第2の画像と座標系とを正確に位置合せするため、プロセス・ステップ111〜118を繰り返すことができる。
【0057】
次いで、ステップ124で、適当な移転フィデューシャル(既存の移転フィデューシャルであるのか、または形成した移転フィデューシャルであるのかは問わない)を識別し、移転フィデューシャルと着目フィーチャの間のオフセット(1つまたは複数)を記録する。
【0058】
粒子ビームを精密に位置決めすることができるように、ステップ126で、記録したフィデューシャル・オフセットを使用して、着目フィーチャの位置を正確に特定する。最終的なアライメントを実行する1つの方法は、例えばパターン・ボックスを描くことによって、高解像度画像内のフィデューシャルの上にオーバレイを形成する方法であろう。ユーザがより高倍率で画像を取得する場合には、例えばビーム・シフトを使用してマーカとパターンを整列させることによって、ターゲット位置を見つけることができる。この新規のプロセスを使用することにより、着目フィーチャの位置を特定し、粒子ビームの配置を±30nm以内に制御することができる。これによって、試料ステージだけではこのように精密にナビゲートすることができない場合であっても、ステップ128で、ビームを非常に正確に配置して試料を処理することができる。ステップ130で、処理すべき試料が他にあるかどうかを判定する。処理すべき試料が他にある場合には、粒子ビーム・システムに次の試料を装填し、ステップ111〜130を(前述のとおり、好ましくは自動的に)繰り返す。処理すべき試料がない場合、プロセスは停止する。
【0059】
図13は、本発明の好ましい実施形態を実現するために使用することができる一般的なデュアル・ビームFIB/SEMシステム210を示す。本発明の一実施形態は、試料表面の平面に対して垂直か、または数度傾いたイオン・ビーム、およびイオン・ビームの軸から例えば52度傾いた軸を有する電子ビームを使用するデュアル・ビームFIB/SEMシステム210を利用する。いくつかの実施形態では、両方のビームの視野が数ミクロン以下の範囲で一致するように、イオン・ビームと電子ビームが整列することができる。イオン・ビームは一般に、加工物を画像化し、機械加工するのに使用され、電子ビームは主に画像化に使用されるが、加工物をいくらか改変する目的にも使用することができる。電子ビームは一般に、イオン・ビーム画像よりも高い解像度の画像を生成し、イオン・ビームとは違い、見ている表面を傷つけない。これらの2つのビームによって形成される画像は見た目が異なることがあり、したがって、これらの2つのビームは、単一のビームよりも多くの情報を提供することができる。
【0060】
このようなデュアル・ビーム・システムは、個別の構成部品から製作することができ、あるいは、FEI Company社(米オレゴン州Hillsboro)から販売されているAltura(商標)システム、Expida(商標)システムなどの従来の装置を基にすることもできる。本発明は、例えばFIBだけのシステム、SEMだけのシステムなどの単一ビーム・システム、または2つのFIBカラムを有するデュアル・ビーム・システムを含む、他の粒子ビーム・システムを使用して実現することもできる。
【0061】
集束イオン・ビーム・システム210は、上ネック部分212を有する排気されたエンベロープ(envelope)211を含み、上ネック部分212内にはイオン源214および集束カラム216が位置し、集束カラム216は引き出し電極および静電光学系を含む。イオン・ビーム218は、イオン源214から、カラム216内および概略的に220で示された静電偏向手段間を通り、試料222に向かって進む。試料222は、例えば下室226内の可動X−Y−Zステージ224上に配置された半導体デバイスを含む。イオン・ポンプまたは他のポンピング・システム(図示せず)を使用して、ネック部分212から排気することができる。室226は、真空コントローラ232の制御下にあるターボ分子・機械ポンピング・システム230によって排気される。この真空システムは、室226内において、約1×10
-7トルから5×10
-4トルの真空を提供する。エッチング支援ガス、エッチング遅延ガスまたは付着前駆体ガスが使用される場合、室のバックグラウンド圧力は、一般に約1×10
-5トルまで上昇することがある。
【0062】
イオン・ビーム218を形成し、それを下方へ誘導するため、高圧電源234は、イオン源214と集束カラム216内の適当な電極とに接続される。パターン発生器238によって提供される規定のパターンに従って動作する偏向コントローラ・増幅器236が、偏向板220に結合され、それによって試料222の上面で対応するパターンをトレースするように、ビーム218を制御することができる。当技術分野ではよく知られているように、いくつかのシステムでは、これらの偏向板が最後のレンズの前に置かれる。
【0063】
イオン源214は一般に、ガリウムの金属イオン・ビームを提供するが、マルチカスプ(multicusp)または他のプラズマ・イオン源などの他のイオン源を使用することもできる。イオン源214は一般に、イオン・ミリング、強化エッチングまたは材料付着によって試料222を改変するために、あるいは試料222を画像化する目的で、試料222において幅1/10ミクロン未満のビームに集束することができる。画像化するための2次イオンまたは2次電子の放出を検出するために使用される荷電粒子増倍管240が信号プロセッサ242に接続され、信号プロセッサ242では、荷電粒子増倍管240からの信号が増幅され、ディジタル信号に変換され、信号処理にかけられる。その結果得られるディジタル信号は、試料222の画像をモニタ244に表示するためのものである。
【0064】
走査型電子顕微鏡241および電源・制御ユニット245がさらに、FIB/SEMシステム210に備わっている。カソード252とアノード254の間に電圧を印加することによって、カソード252から電子ビーム243が放出される。電子ビーム243は、コンデンサ・レンズ256および対物レンズ258によって微細なスポットに集束する。電子ビーム243は、偏向コイル260によって、試験体を2次元走査する。コンデンサ・レンズ256、対物レンズ258および偏向コイル260の動作は、電源・制御ユニット245によって制御される。
【0065】
電子ビーム243を、下室226内の可動X−Y−Zステージ224上にある試料222上に集束させることができる。走査型電子顕微鏡241は、微細集束電子ビーム243を発生させ、このビームは、好ましくはラスタ・パターンで構造の表面にわたって走査する。電子ビーム243中の電子が、加工物222の表面に衝突すると、2次電子および後方散乱電子が放出される。これらの電子はそれぞれ、2次電子検出器240または後方散乱電子検出器262によって検出される。2次電子検出器240または後方散乱電子検出器262によって生成されたアナログ信号は、信号プロセッサ・ユニット242によって増幅され、ディジタル輝度値に変換される。その結果得られたディジタル信号を、試料222の画像としてモニタ244上に表示することができる。
【0066】
扉270は、加熱または冷却することができるステージ224上に試料222を挿入するため、さらには、内部ガス供給リザーバが使用される場合にそれを保守するために開かれる。システムが真空下にある場合に開けることができないように、この扉はインタロックされる。イオン・ビーム218にエネルギーを付与し、イオン・ビーム218を集束させるため、高圧電源が、イオン・ビーム・カラム216内の電極に適当な加速電圧をもたらす。
【0067】
ガス状の蒸気を導入し、試料222に向かって誘導するガス送達システム246が下室226内へ延びる。本発明の譲受人に譲渡されたCasella他の「Gas Delivery Systems for Particle Beam Processing」という名称の米国特許第5,851,413号は適当なガス送達システム246を記載している。別のガス送達システムが、やはり本発明の譲受人に譲渡されたRasmussenの「Gas Injection System」のいう名称の米国特許第5,435,850号に記載されている。例えば、ヨウ素を送達してエッチングを強化することができ、または金属有機化合物を送達して金属を付着させることができる。
【0068】
システム・コントローラ219は、デュアル・ビーム・システム20のさまざまな部分の動作を制御する。システム・コントローラ119を介して、ユーザは、従来のユーザ・インタフェース(図示せず)にコマンドを入力することにより、イオン・ビーム218または電子ビーム143を、希望通りに走査することができる。システム・コントローラ119はさらに、コンピュータ可読記憶装置221を備えることができ、記憶装置221に記憶されたデータまたはプログラムされた命令に従ってデュアル・ビーム・システム110を制御することができる。記憶装置221に記憶された試料/半導体に関するCADデータを使用して、着目フィーチャおよび前述のアライメント点または移転フィデューシャルの位置を特定するために使用するCADポリゴン・オーバレイまたは他の位置データを生成することができる。
【0069】
上記の本発明の説明は主に、局所領域ナビゲーション用の高精度ビーム配置法を対象としているが、この方法の操作を実行する装置も、本発明の範囲に含まれることを認識すべきである。さらに、本発明の実施形態を、コンピュータ・ハードウェアまたはソフトウェア、あるいはコンピュータ・ハードウェアとソフトウェアの組合せによって実現することができることも認識すべきである。これらの方法は、標準プログラミング技法を使用した、本明細書に記載された方法および図面に基づくコンピュータ・プログラムとして実現することができ、このようなコンピュータ・プログラムには、コンピュータ・プログラムを含むように構成されたコンピュータ可読記憶媒体が含まれ、そのように構成された記憶媒体により、コンピュータが、事前に決められた特定の方法で動作する。それぞれのプログラムは、コンピュータ・システムと通信する高水準手続き型言語またはオブジェクト指向プログラム言語で実現することができる。しかしながら、これらのプログラムは、希望する場合、アセンブリ言語または機械語で実現することもできる。いずれにせよ、その言語を、コンパイルされた言語または解釈された言語とすることができる。さらに、このプログラムは、その目的のためにプログラムされた専用集積回路上で動かすことができる。
【0070】
さらに、方法論は、荷電粒子ツールまたは他の画像化装置と一体の、またはこれらのツールまたは装置と通信する、パーソナル・コンピュータ、ミニ・コンピュータ、メイン・フレーム、ワークステーション、ネットワークまたは分散コンピューティング環境、複数の独立したコンピュータ・プラットホーム等を含むがこれらに限定はされない任意のタイプのコンピューティング・プラットホームにおいて実現することができる。本発明の諸態様は、本明細書に記載された手順を実行するために記憶媒体または記憶装置がコンピュータによって読まれたときに、コンピュータを構成し、動作させるために、プログラム可能なコンピュータが読むことができるように、コンピューティング・プラットホームから取外し可能な、またはコンピューティング・プラットホームと一体の、ハード・ディスク、光学読取りおよび/または書込み記憶媒体、RAM、ROMなどの記憶媒体または記憶装置上に記憶された機械可読コードとして実現することができる。さらに、機械可読コードまたはその部分を、有線または無線ネットワークを介して伝送することができる。このような記憶媒体が、マイクロプロセッサまたは他のデータ・プロセッサと協働して上記のステップを実現するための命令またはプログラムを含むとき、本明細書に記載された発明は、これらのタイプのコンピュータ可読記憶媒体およびその他のタイプのさまざまなコンピュータ可読記憶媒体を含む。本明細書に記載された方法および技法に従ってプログラムされているとき、本発明はさらに、そのようにプログラムされたコンピュータを含む。
【0071】
コンピュータ・プログラムを入力データに適用して、本明細書に記載された関数を実行し、それにより入力データを変換して出力データを生成することができる。出力された情報は、ディスプレイ・モニタなどの1つまたは複数の出力装置に適用される。本発明の好ましい実施形態では、変換されたデータが、物理的な有形の物体を表し、物理的な有形の物体の具体的な視覚的描写をディスプレイ上に生成することを含む。
【0072】
本発明の好ましい実施形態はさらに、粒子ビームを使用して試料を画像化するために、FIB、SEMなどの粒子ビーム装置を利用する。試料を画像化するために使用されるこのような粒子は、本来的に試料と相互作用し、ある程度の物理的な変形を生じさせる。また、本明細書の全体を通じて、「計算する」、「判定する」、「測定する」、「発生させる」、「検出する」、「形成する」などの用語を利用した議論は、コンピュータ・システム内の物理量として表現されたデータを操作し、そのコンピュータ・システム、あるいは他の情報記憶、伝送または表示装置内の物理量として同様に表現される他のデータに変換する、コンピュータ・システムまたは同種の電子デバイスの動作および処理にも当てはまる。
【0073】
したがって、本発明の好ましい実施形態は、試料表面の局所領域内の着目フィーチャへ高精度でビームを配置し、ナビゲートする方法であって、
・粒子ビーム
および可動試料ステージを使用する試料画像化システムに試料を装填すること、ならびに
・試料表面の局所領域の第1の画像を第1の視野
において試料画像化システムを使用して取得することであって、第1の視野は、
試料画像化システムの精度を考慮して、着目フィーチャの位置が画像に含まれることを保証する十分な大きさを有し、第1の画像は、着目フィーチャの位置および着目フィーチャの近くの1つまたは複数のアライメント
・フィーチャを含み、第1の画像はさらに、
第1の画像
の画素サイズが、アライメント
・フィーチャに等しいか、または
1つまたは複数のアライメント
・フィーチャよりも小さくなるような解像度を有し、
・第1の画像の上に、試料表面のフィーチャの理想化された座標を表す座標系オーバレイを重ね合わせること、
・第1の画像内の複数のアライメント
・フィーチャおよび座標系オーバレイ内の対応する理想化された要素を使用して、第1の画像と座標系の位置合せを実施すること、
・画像と座標系の位置合せを実施した後に、座標系からの既知の座標を使用して、取得した第1の画像内の着目フィーチャの位置へ
試料画像化システムをナビゲートすること、
・第1の画像内にあって、試料表面の容易に識別できる視認可能な固有のフィーチャを含む、1つまたは複数の移転フィデューシャルを識別すること、
・
1つまたは複数の移転フィデューシャル
のそれぞれと着目フィーチャの間のオフセットを
、第1の画像から、記録すること、
・試料表面の第2の画像を第2の視野
において試料画像化システムを使用して取得することであって、第2の視野は、第1の視野よりも小さく、着目フィーチャおよび1つまたは複数の移転フィデューシャルを含み、
・第2の画像内の1つまたは複数の移転フィデューシャルを識別すること、
・
1つまたは複数の移転フィデューシャル
のそれぞれと着目フィーチャの間の
、第1の画像から記録されたオフセットを使用して、
第2の画像内の着目フィーチャの位置へ精密に
試料画像化システムをナビゲートすること
を含む方法を提供する。
【0074】
この方法はさらに、1つまたは複数の所望の移転フィデューシャルを形成した後に、局所領域を再画像化
して追加の画像を形成すること、および以下のステップを繰り返すことを含む:
・
追加の画像の上に、試料表面のフィーチャの理想化された座標を表す座標系オーバレイを重ね合わせるステップ、
・
追加の画像内の複数のアライメント
・フィーチャおよび座標系オーバレイ内の対応する理想化されたフィーチャを使用して、
追加の画像と座標系の位置合せを実施するステップ、ならびに
・
追加の画像と座標系の位置合せを実施した後に、座標系からの既知の座標を使用して、取得した第1の画像内の着目フィーチャの位置へナビゲートするステップ。
【0075】
本発明の好ましい実施形態はさらに、粒子ビーム・システム内において試料上の着目フィーチャの位置を正確に特定する方法であって、
・試料のターゲット領域を粒子ビームを用いて画像化して、第1の画像を得ることであって、ターゲット領域は、着目フィーチャの位置および既知の座標を有する1つまたは複数の追加の視認可能なアライメント・フィーチャを含み、第1の画像は、第1の画像の画素サイズが、任意の
1つまたは複数のアライメント・フィーチャのサイズの2倍以下となるのに十分な高度を有し、
・第1の画像の上に座標系の図形表現を重ね合わせることであって、この座標系が、理想化された幾何学的形状を使用して、ターゲット領域内の視認可能なフィーチャの位置を表し、さらに、
・第1の画像内の既知の座標を有する1つまたは複数のアライメント・フィーチャの位置を特定すること、
・重ね合わされた座標系と第1の画像の間のオフセット誤差を決定すること、
・座標系と第1の画像とを整列させること、
・第1の画像内において、
複数の移転フィデューシャルの役目を果たす試料の表面の1つまたは複数の固有の視認可能な試料フィーチャの位置を特定すること、
・
複数の移転フィデューシャル
のそれぞれと着目フィーチャの位置との間の
複数のオフセットを
、第1の画像から、記録すること、
・着目フィーチャの位置において、第1の画像よりも小さな視野を有する試料の第2の画像を、粒子ビームを用いて取得すること、
・第2の画像内の
複数の移転フィデューシャルの位置を特定すること、
・
複数の移転フィデューシャルと着目フィーチャの間の
、第1の画像において記録された
複数のオフセット
のそれぞれを使用して、第2の画像内の着目フィーチャの位置を特定すること、
・着目フィーチャの位置を使用して、粒子ビームの配置を制御すること、ならびに
・粒子ビームを使用して試料を処理すること
を含む方法を提供する。
【0076】
本発明の好ましい実施形態はさらに、ステージの移動に依存せずに試料をナビゲートする方法であって、この試料が、着目フィーチャと1つまたは複数のアライメント点とを含むターゲット領域を有する方法を提供し、この方法は、
・ターゲット領域の第1の画像を取得すること、
・画像の上に、ターゲット領域内のアライメント点の理想化された座標系を重ねること、
・画像内のアライメント点のうちの着目フィーチャの近くの1つまたは複数のアライメント点の位置を特定すること、
・理想化された座標系と画像とを整列させること、
・ターゲット領域内にはあるが、
着目フィーチャからは離隔した、試料上の1つまたは複数の固有のフィーチャの位置を特定すること、
・第1の画像内の着目フィーチャと
1つまたは複数の固有のフィーチャ
のそれぞれとの間のオフセットを
、第1の画像から、記録すること、
・より小さな視野を用いて、着目フィーチャを含む試料の新たな画像を取得すること、および
・
第1の画像から記録された複数のオフセットのそれぞれを使用して、新たな画像内の着目フィーチャの位置を特定すること
を含む。
【0077】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1の画像の解像度が10〜60nmの範囲の画素サイズを与える。さらに、好ましくは、半導体表面のフィーチャの位置を表し、視覚的に表示され、第1の画像の上に重ね合わされた理想化された幾何学的形状を、座標系オーバレイが含む。好ましくは、
1つまたは複数のアライメント
・フィーチャが、第1の画像内にあって、座標系オーバレイ内の幾何学的形状に対応する1つまたは複数の視認可能なフィーチャを含み、第1の画像と座標系の位置合せを実施する
ことが、第1の画像内の
1つまたは複数のアライメント
・フィーチャと対応する幾何学的形状とが整列するように、第1の画像と座標系オーバレイとを整合させることを含む。好ましくは、第1の画像と座標系の位置合せを実施する
ことが、コンピュータ・ポインティング・デバイスを使用して、第1の画像内の
複数のアライメント
・フィーチャを指し示すことによってアライメント
・フィーチャを対話方式で選択し、さらに、コンピュータ・ポインティング・デバイスを使用して、座標系オーバレイ内の対応する位置を指し示すことを含む。
【0078】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1の画像と座標系の位置合せを実施することが、1つまたは複数のアライメント・フィーチャの位置を特定し、1つまたは複数のアライメント・フィーチャと座標オーバレイ内の対応するフィーチャとの間のオフセット誤差を決定することを含む。好ましくは、第1の画像と座標系の位置合せを実施することが、第1の画像内の
1つまたは複数のアライメント・フィーチャと座標系オーバレイ内の対応する要素とを整合させ、座標系オーバレイと第1の画像とを整列させることを含む。好ましくは、座標系オーバレイと第1の画像とを整列させることが、第1の画像と座標系オーバレイとを整合させるために、座標系オーバレイを移動させ、回転させ、または引き伸ばし、あるいは座標系オーバレイのサイズを変更することを含む。
【0079】
本発明の好ましい実施形態はさらに、第1の画像内の複数のアライメント・フィーチャおよび座標系オーバレイ内の対応する理想化されたフィーチャを使用して、第1の画像と座標系の位置合せを実施した後に、着目フィーチャの近くの別のアライメント・フィーチャを含む1つまたは複数の追加の位置を再画像化し、それらの異なる画像が示すオフセット誤差を平均することを含む。
【0080】
ターゲット領域の第1の画像を取得する
こと、画像の上に、ターゲット領域内のアライメント点の理想化された座標系を重ねる
こと、画像内のアライメント点のうちの着目フィーチャの近くの1つまたは複数のアライメント点の位置を特定する
こと、理想化された座標系と画像とを整列させる
こと、ターゲット領域内にはあるが、
着目フィーチャからは離隔した、試料上の1つまたは複数の固有のフィーチャの位置を特定する
こと、第1の画像内の着目フィーチャと
1つまたは複数の固有のフィーチャ
のそれぞれとの間のオフセットを記録する
こと、より小さな視野を用いて、着目フィーチャを含む試料の新たな画像を取得する
こと、および新たな画像内の着目フィーチャの位置を特定する
ことを、コンピュータ・マシン上で実行される自動化されたコンピュータ・スクリプトによって実行することができ、コンピュータ・マシンは、粒子ビーム・システムに動作可能に接続されている。さらに、本発明の好ましい一実施形態は、上述の
方法を実行するコンピュータ命令を記憶した記憶装置を含む荷電粒子システムを含むことができる。
【0081】
好ましくは、第1の画像内の1つまたは複数の移転フィデューシャルを識別する
ことが、試料上の着目フィーチャの位置に近くに、1つまたは複数の適当な移転フィデューシャルを形成することを含む。試料上の着目フィーチャの位置に近くに、1つまたは複数の適当な移転フィデューシャルを形成することは、フィデューシャルとして使用するトレンチを試料表面にミリングすることを含むことができ、トレンチは、着目フィーチャの位置を完全に取り囲むフレームを形成する。
第2の画像内の1つまたは複数の移転フィデューシャルを識別することは、局所領域内にはあるが、着目フィーチャからは離隔した1つまたは複数の所望の移転フィデューシャルを形成することを含むことができる。
【0082】
本発明の好ましい実施形態によれば、1つまたは複数の所望の移転フィデューシャルは、イオン・ビーム・スパッタリングまたは表面ステイニング、ガス支援エッチングまたは付着、あるいは電子ビーム誘起ガス支援エッチングまたは付着によって形成することができる。
【0083】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1の画像は、少なくとも100μm×100μmの視野を有し、かつ/または第2の画像は、第1の視野のサイズの10%以下の視野を有する。
【0084】
本発明の好ましい実施形態はさらに、上述の
方法を実行するコンピュータ命令を記憶した記憶装置を含む荷電粒子システムを含むことができる。
【0085】
さらに、本発明の好ましい実施形態は、試料上の着目フィーチャの位置を正確に特定する装置であって、
・試料を支持する可動試料ステージと、
・試料を画像化するための粒子ビームを発生させる粒子ビーム・カラムと、
・コンピュータ命令を記憶したコンピュータ可読記憶装置と
を備え、この装置を制御し、この装置に以下のステップを実行させるプログラムを、命令が含む装置を提供する:
(i)
試料上のターゲット領域の第1の画像を取得するステップ、
(ii)画像の上に、ターゲット領域内のアライメント点の理想化された座標系を重ねるステップ、
(iii)画像内のアライメント点のうちの着目フィーチャの近くの1つまたは複数のアライメント点の位置を精密に特定するステップ、
(iv)理想化された座標系と画像とを整列させるステップ、
(v)ターゲット領域内にはあるが、
着目フィーチャからは離隔した、試料上の1つまたは複数の固有のフィーチャの位置を特定するステップ、
(vi)第1の画像内の着目フィーチャと
1つまたは複数の固有のフィーチャ
のそれぞれとの間のオフセットを
、第1の画像から、記録するステップ、
(vii)より小さな視野を用いて、着目フィーチャを含む、試料の新たな画像を取得するステップ、
(viii)
第1の画像から記録されたオフセットのそれぞれを使用して、新たな画像内の着目フィーチャの位置を特定するステップ、および
(ix)
新たな画像および着目フィーチャの位置を使用して、試料に対する粒子ビームの配置を制御するステップ。
【0086】
本発明の好ましい実施形態によれば、
可動試料ステージは、±500nm以上の位置誤差を有することができ、同時に、着目フィーチャの位置を特定することができ、±100nmまたはそれよりも良い位置誤差で粒子ビームを試料に対して位置決めすることができる。より好ましくは、±30nmまたはそれよりも良い位置精度で粒子ビームを試料に対して位置決めすることができる。本発明の好ましい実施形態によれば、
可動試料ステージは、±100nm以上の位置誤差を有することができ、同時に、着目フィーチャの位置を特定することができ、±30nmまたはそれよりも良い位置精度で粒子ビームを試料に対して位置決めすることができる。
【0087】
本発明は幅広い適用可能性を有し、上記の例で説明し、示した多くの利点を提供することができる。それらの実施形態は用途によって大きく異なり、全ての実施形態が全ての利点を提供するというわけではなく、全ての実施形態が、本発明によって達成可能な全ての目的を達成するわけでもない。本発明を実施するのに適した荷電粒子ビーム・システムは例えば、本出願の譲受人であるFEI Company社から市販されている。しかしながら、上記の説明の多く部分が、FIBミリングおよび画像化の使用を対象とはしているが、所望の試料を処理するために使用されるビームは、例えば液体金属イオン源またはプラズマ・イオン源からの例えば電子ビーム、レーザ・ビームまたは集束もしくは成形イオン・ビーム、あるいは他の任意の荷電粒子ビームを含むことができる。また、上記の説明の多く部分が粒子ビーム・システムを対象としているが、可動試料ステージを使用して試料フィーチャの位置へナビゲートする適当な任意の試料画像化システムに、本発明を適用することができる。
【0088】
上記の説明の多く部分が半導体ウェハを対象としているが、適当な任意の基板または表面に本発明を適用することができる。また、本明細書において、用語「自動」、「自動化された」または類似の用語が使用されるとき、これらの用語は、自動プロセスまたは自動ステップあるいは自動化されたプロセスまたは自動化されたステップの手動による開始を含むものと理解される。以下の議論および特許請求の範囲では、用語「含む(including)」および「含む(comprising)」が、オープン・エンド(open−ended)型の用語として使用され、したがって、これらの用語は、「...を含むが、それらだけに限定されない」ことを意味すると解釈されるべきである。用語「集積回路」は、マイクロチップの表面にパターン形成された一組の電子構成部品およびそれらの相互接続(集合的に内部電気回路要素)を指す。用語「半導体デバイス」は総称的に集積回路(IC)を指し、集積回路(IC)は、半導体ウェハに集積され、単一片としてウェハから切り出され、または回路板上で使用するためにパッケージ化されていることがある。本明細書では、用語「FIB」ないし「集束イオン・ビーム」が、イオン光学系によって集束させたビームおよび成形イオン・ビームを含む任意の平行イオン・ビームを指すために使用される。
【0089】
本明細書において、システム・ステージの位置誤差または精度、あるいはビーム配置またはナビゲーションの位置誤差または精度について論じるとき、用語±100nm(または±30nmもしくは±Xnm)は、最大誤差100nm(または30nmもしくはXnm)で、試料上のある位置にビームを誘導することができることを意味する。用語「±Xnmの精度」または「Xnmまたはそれよりも良い位置決め精度」は、精度が少なくともXnmであり、Xnmよりも小さな全ての値を含むことを意味する。用語「Xnm以上の精度」は、精度が最良でXnmであり、Xnmよりも大きな全ての値を含むことを意味する。
【0090】
本明細書で特に定義されていない場合、その用語は、その通常の一般的な意味で使用されることが意図されている。添付図面は、本発明の理解を助けることが意図されており、特に明記しない限り、一律の尺度では描かれていない。
【0091】
本発明および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に、さまざまな変更、置換および改変を加えることができることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者なら本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。