(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収納部内の景品群の集積方向に前記集積状態検知部が移動するように、前記収納部内の景品群と前記集積状態検知部とを相対的に移動させ、当該相対移動中の前記集積状態検知部の検知結果に基づいて、前記収納部内の景品数を取得する景品数取得手段を含み、
前記異常判定手段は、前記景品数取得手段によって景品数が取得されるときに、前記収納部内の景品群に集積異常が発生しているか否かを判定するように構成されている、請求項1に記載の景品払出機。
前記集積状態検知部は、前記収納部に集積状態で収納されている景品群の積層側面に光を照射し、前記積層側面からの反射光を受光して受光量に応じた信号を出力する光学式反射型センサであり、
前記異常判定手段は、前記収納部に集積状態で収納されている景品群の積層側面に沿って景品群の集積方向に前記光学式反射型センサが移動するように、前記収納部内の景品群と前記光学式反射型センサとを相対的に移動させ、当該相対的移動中の前記光学式反射型センサの出力信号に基づいて、前記収納部内の景品群に集積異常が発生しているか否かを判定するように構成されている、請求項1または2に記載の景品払出機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、景品管理システム1を示す図である。
図1を参照して、本発明の景品管理システム1は、パチンコ店等の遊技施設に設けられる。景品管理システム1は、景品を払い出すための景品払出機2と、景品払出機2を管理する景品管理機3と、景品管理機3に対する上位装置となるターミナルコンピュータ(略して「T/C」)4とで構成されている。景品管理機3とそれに接続された景品払出機2とによって、景品払出システムが構成されている。
【0019】
景品払出機2は、多数の景品を収納していて、遊技客が遊技台での遊技によって獲得した遊技媒体(パチンコ玉やメダル)の数に応じた種類および個数の景品を、この遊技客に払い出す。
景品管理機3は、「POS」とも呼ばれ、遊技施設における景品交換カウンター等に配置される。景品管理機3に対して、1台または複数台の景品払出機2が通信可能に接続されている。遊技客が獲得した遊技媒体が計数機によって計数されると、その獲得数(計数値)が記録された記録媒体(レシート、持玉カード等)が発行される。景品管理機3は、この記録媒体に記録された遊技媒体の獲得数を読み取り、獲得数に応じた種類・個数の景品を特定し、当該種類・個数の景品を払い出すように、景品払出機2に指示する。また、景品管理機3は、景品払出機2に収納された景品の個数を種類毎に管理している。なお、
図1では、複数の景品管理機3が図示されているが、そのうちの1台の景品管理機3が親機となり、残りの景品管理機3が子機となることで、親機が子機を管理するように構成されても構わない。
【0020】
T/C4は、遊技施設における事務所等に設置される。T/C4には、景品管理機3が通信可能に接続されている。T/C4は、景品を管理するだけでなく、遊技台での遊技媒体の出入りや遊技施設全体における金銭の流れ等も管理する。
図2は、景品払出機2の斜視図である。なお、以下では、
図2における景品払出機2の姿勢を基準として、景品払出機2の上下前後左右の方向を規定する。すなわち、
図2において、景品払出機2の長手方向(
図2の左上と右下とを結ぶ方向)を左右方向(幅方向)とし、
図2の紙面手前側を景品払出機2の前側とし、
図2の紙面奥側を景品払出機2の後側とする。
【0021】
景品払出機2は、遊技施設のフロアに直接据え置かれて使用される。景品の払い出しを受ける客は、景品払出機2の後側に位置し、係員は、景品払出機2の前側に位置して接客を行う。
景品払出機2で取り扱われる景品5は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる(後述する
図6参照)。
【0022】
景品払出機2は、その外郭をなす幅広で中空の略直方体形状のキャビネット6(装置本体)と、景品5をカセット7(収納部)に積み重ねた状態で収納することができる複数(たとえば7つ)の払出ユニット8とを備えている(後述する
図5および
図7も参照)。
キャビネット6の前側面は、開放されており、キャビネット6には、前側面の開放部分を開閉する扉18が設けられている。キャビネット6には、扉18の開閉を検知する扉開閉検知部230(
図13参照)が設けられている。
【0023】
複数の払出ユニット8は、幅方向に並んだ状態でキャビネット6に内蔵されている(
図2では、説明の便宜上、右端の払出ユニット8だけが手前に引き出されている)。
キャビネット6の上面には、表示部9が設けられている。表示部9は、客側から視認できる客用表示部9Aと、従業員側からのみ視認できる係員用表示部9Bとを含んでおり、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。また、たとえば、係員用表示部9Bの横には、景品払出機2の動作を制御するために係員によって操作される操作部10が設けられている。
【0024】
キャビネット6の上面において、各払出ユニット8の上方位置には、出口11が形成されている。出口11は、払出ユニット8の数に応じて複数(ここでは、7つ)形成されている。各出口11は、キャビネット6の内部に連通している。また、各出口11には、シャッタ12が設けられている。シャッタ12は、前後に個別にスライドすることによって、出口11を開閉する。
【0025】
また、景品払出機2には、
図7に示すように、収納された景品5を払い出すための機構として、カセット7(
図5参照)に収納された景品5を上方ヘ持ち上げるためのリフト機構13(搬送手段)と、リフト機構13によって持ち上げられた景品5を出口11側へ繰り出すための繰出機構14と、繰り出された景品5を出口11の下方で保留するための一時保留部15と、保留された景品5を出口11へ向けて持ち上げるためのエレベータ機構16と、出口11まで持ち上げられた景品5をキャビネット6の上面に押し出すための送出機構17とが備えられている。上述したシャッタ12と、シャッタ12をスライドさせる構成とが、上述した送出機構17に含まれる。これらの機構は、以下で払出ユニット8を説明する際に、個別に説明する。
【0026】
図3は、払出ユニット8の斜視図であって、引出部21が開位置にある状態を示している。
図3に示すように、各払出ユニット8は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。払出ユニット8は、その外郭をなすケーシング20(筐体)と、ケーシング20から引き出し可能な引出部21と、複数(ここでは4つ)のカセット7と、これらのカセット7を保持するキャリア22(保持手段)とを備えている。引出部21、カセット7およびキャリア22は、常態では、ケーシング20内に収納されている(
図2参照)。キャリア22は、4つのカセット7を前後方向に並んだ状態で一体的に保持する。前後方向に並んだ4つのカセット7を、前から順に、カセット7A、カセット7B、カセット7C、カセット7Dと区別することがある(
図7参照)。なお、
図3では、前から4つ目のカセット7Dだけが図示されている。
【0027】
ケーシング20の前壁には、上下方向に長手の開口23が形成されている。開口23は、ケーシング20内に連通している。
引出部21は、前板24と、側板25と、底板26とを一体的に備えている。前板24は、前側から見て上下方向に長手であり、ケーシング20の開口23をちょうど塞ぎ得る大きさを有している。側板25は、幅方向に薄く、前板24の左端縁から連続して後側へ延びている。底板26は、前板24の下端と側板25の下端とを繋いでいる。
【0028】
そして、側板25は、ケーシング20において内部を左側から区画する内壁面20Aに設けられたレール27によって、前後方向へスライド自在に支持されている。これにより、引出部21は、前後方向へスライド自在である。詳しくは、引出部21は、閉位置(
図2参照)と開位置(
図3参照)との間でスライドすることができる。
図2に示すように引出部21が閉位置にある場合には、前板24がケーシング20の開口23を前側から塞いでいる(右端の払出ユニット8を参照)。この状態にある引出部21を前側へ所定量だけ引き出すと、引出部21は、
図3に示す開位置に配置される。引出部21が開位置にある場合には、前板24が開口23の前方に位置して開口23を開き、かつ、側板25および底板26のほぼ全てが前側へ引き出されている。
【0029】
キャリア22は、複数の仕切り28とフレーム29とを一体的に備えている。これらの仕切り28は、前後に薄く上下方向に延びる板状であり、所定の間隔を隔てて、前後方向に沿って並んでいる。フレーム29は、側板25より一回り小さい大きさを有する略矩形板状であり、フレーム29に対して各仕切り28の左端部が接続されている。各カセット7は、前後に間隔を隔てて隣り合う2つの仕切り28に挟持されることによって、キャリア22に保持される。
【0030】
キャリア22は、フレーム29において、引出部21の側板25によって、前後方向へスライド自在に支持されている。ここで、側板25に対するキャリア22の相対位置に関し、最も前側に位置するときのキャリア22の位置を前位置といい(
図7(b)参照)、最も後側に位置するときのキャリア22の位置を後位置という(
図7(a)参照)。つまり、キャリア22は、前位置と後位置との間で移動可能である。なお、
図3では、前位置にあるキャリア22が示されている。
【0031】
また、キャリア22の下方には、キャリア22を前後にスライドさせるスライド機構30が設けられている。スライド機構30は、例えばモータ駆動のラックアンドピニオン機構等によって構成されており、引出部21の底板26に固定されている。
図4は、
図3において、ケーシング20の内部を露出させた状態を示している。
図4に示すように、ケーシング20内には、カセット7の並び方向(前後方向)に間隔を隔てて並ぶ2つのリフト31が設けられている。各リフト31は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング20に支持されており、ケーシング20内で上下方向に沿って昇降することができる。リフト31の待機位置は、
図4に示されたリフト31の位置であり、ケーシング20の底壁の近くである。リフト31と、リフト31を昇降させる構成とが、上述したリフト機構13に含まれる。
【0032】
図5(a)および
図5(b)は、それぞれ別の角度から見たカセット7の斜視図である。
図5に示すように、カセット7は、上下方向に長手であり、その平断面は、略コ字形状をなしている。カセット7の上面および底面は、開放されている。カセット7の一方側面(キャリア22に保持された状態における右側面)は、上述した略コ字形状をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って開放されており、このように開放された部分を開放部32という。開放部32は、カセット7において開放された上面および底面のいずれに対しても連続している。また、
図5(b)を参照して、カセット7において前記一方側面の反対側の他方側面の水平方向における両端(前後の端部)には、上下方向におけるほぼ全ての範囲に亘って切欠かれており、このように切欠かれた部分を、切欠き部33という。各切欠き部33は、上下に長手の帯状に区画されており、カセット7の内部を露出させている。
【0033】
カセット7は、所定の種類の複数枚の景品5を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で最大でたとえば100枚収納することができる。なお、カセット7の下端には、カセット7内で最下位にある景品5に対して下側から係合する爪34が設けられており、カセット7において開放された底面から景品5が抜け落ちることが防止されている。また、カセット7に景品5が充填された状態において、全ての景品5の端面が、開放部32および各切欠き部33からカセット7の外部に露出される(
図5(a)および
図5(b)参照)。
【0034】
また、カセット7の上端部には、略U字状のハンドル19が、略U字をなす2つの遊端部によってカセット7を挟むように取り付けられている。ハンドル19は、2つの遊端部を中心に回動可能である。
ここで、キャリア22に保持された4つのカセット7の並び方向は、前述したように前後方向であって、カセット7内における景品5の積層方向(上下方向)に対する交差方向(厳密には、直交方向)である(後述する
図7参照)。なお、カセット7の並び方向は、景品5の積層方向に対して交差していれば、必ずしも直交していなくても構わない。
【0035】
図6は、景品5の斜視図である。
図6に示すように、景品5は、一般的に、1mm〜数mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品5は、たとえば、平面視で略長方形状をなしており、その四隅は丸められている。景品5には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、200円(小景品)、1000円(中景品)、5000円(大景品)といった金銭価値に応じた3つの種類が存在する。また、景品5は、その種類を識別するためのRFIDタグ等が内蔵されていたり、偽造等の不正を防止するための処理が施されていたりすることもある。
【0036】
図7は、景品払出機2の縦断面を模式的に示した図である。
図7を参照して、各払出ユニット8のケーシング20内において、各リフト31の上方には、前述した繰出機構14が配置されている。つまり、繰出機構14は、リフト31の数に応じて2つ設けられている。繰出機構14は、ケーシング20の上壁に隣接するように配置され、ケーシング20に支持されている。
【0037】
各繰出機構14は、回転自在に支持された1つの繰出ローラ40と、左右に配置された景品検知センサ41と、上下に隙間を隔てて対向配置された1対のゲート42と、回転自在に支持され、左右に配置された上下1対のフィードローラ対43とを含んでいる。
前側(
図7では左側)の繰出機構14では、繰出ローラ40、景品検知センサ41、ゲート42およびフィードローラ対43が、前側からこの順番で並んで配置されている。後側(
図7では右側)の繰出機構14では、繰出ローラ40、景品検知センサ41、ゲート42およびフィードローラ対43が、後側からこの順番で並んで配置されている。
【0038】
図7を参照して、ケーシング20の上壁において、2つの繰出機構14の間に位置する部分には、繰出空間51が形成されている。払出ユニット8がキャビネット6に納められている状態では、ケーシング20の繰出空間51は、キャビネット6において対応する出口11に対して、下から連通している。
各繰出機構14では、前後方向において、フィードローラ43が、繰出空間51に最も近い位置に配置されている。
【0039】
そして、ケーシング20内において、繰出空間51の下方には、繰出空間51に対して下から連通する一時保留部15が区画され、一時保留部15には、上述したエレベータ機構16が設けられている。エレベータ機構16は、エレベータ53を含んでいる。エレベータ53は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング20に支持されており、ケーシング20内で上下方向に沿って昇降することができる。エレベータ53が待機位置にあるとき、エレベータ53の上面は、各繰出機構14のフィードローラ43よりも低い位置にある。エレベータ53を昇降させる機構は、エレベータ機構16に含まれる。
【0040】
次に、この景品払出機2による景品5の払い出し動作について、1つの払出ユニット8に着目して説明する。
まず、キャビネット6の扉18が開かれて(
図2参照)、
図3に示すように、払出ユニット8において引出部21が開位置まで引き出される。そして、この状態で、同じ種類の景品5を収納したカセット7(
図5参照)がキャリア22に対して上側から差し込まれ、キャリア22に保持される。なお、カセット7内の景品5の種類は同じであるが、カセット7毎に、収容される景品5の種類が異なっていてもよい。
【0041】
カセット7がキャリア22に保持された後、引出部21は、閉位置へ押し込まれ(
図2参照)、カセット7およびキャリア22とともに、ケーシング20内に収納(内蔵)される。このとき、キャリア22は後位置へ移動されるものとする(
図7(a)参照)。そして、扉18(
図2参照)が閉じられると、景品払出機2による景品5の払い出しが可能となる。
【0042】
このように引出部21が閉位置にあり、キャリア22が後位置にある場合、
図7(a)に示すように、上述した2つのリフト31は、待機位置にある(
図7(a)において点線で示したリフト31を参照)。詳しくは、これらのリフト31のうち、前側のリフト31の上方には、前から1番目のカセット7Aの底面が位置し、後側のリフト31の上方には、前から3番目のカセット7Cの底面が位置している。
【0043】
この状態からキャリア22が前位置へ移動すると、
図7(b)に示すように、4つのカセット7がリフト31に対して前側へ相対移動する。この場合、前側のリフト31の上方には、前から2番目のカセット7Bの底面が位置し、後側のリフト31の上方には、前から4番目のカセット7Dの底面が位置することになる(
図7(b)において点線で示したリフト31を参照)。
【0044】
キャリア22が後位置にある場合には、カセット7Aおよびカセット7Cのいずれか、または、両方から景品5が払い出すことができる(
図7(a)参照)。キャリア22が前位置にある場合には、カセット7Bおよびカセット7Dのいずれか、または、両方から景品5が払い出すことができる(
図7(b)参照)。どのカセット7から景品5を払い出すかは、任意に設定可能である。ここで、キャリア22は、カセット7Bおよびカセット7D内の景品5の払い出しが可能となる払出位置(前位置)までケーシング20内で移動可能であり、カセット7Aおよびカセット7C内の景品5の払い出しが可能となる払出位置(後位置)までケーシング20内で移動可能であるといえる。
【0045】
次に、カセット7Aを例にとって、カセット7から景品5を払い出す手順について具体的に説明する。
まず、
図7(a)に示すように、カセット7Aの下方に位置していた待機位置のリフト31(点線で示したリフト31を参照)が、実線で示すように、カセット7Aの開放された底面からカセット7A内を通って上昇する。これにより、カセット7A内の全ての景品5が、このリフト31によって押し上げられる。
【0046】
最上位にある景品5が繰出機構14まで押し上げられて繰出ローラ40の下側外周面および景品検知センサ41に接触すると、景品検知センサ41は、カセット7Aの景品5が繰り出し可能な繰出位置に到達したことを検知する。繰出位置とは、景品検知センサ41に接触したときの景品5の位置である。
そして、景品検知センサ41による検知に応じて、リフト31の上昇が停止し、繰出機構14が、最上位の景品5を繰り出す。具体的には、繰出ローラ40が、その下側周面が繰出空間51側へ接近する方向へ回転する。カセット7Aの場合、前側の繰出ローラ40が、
図7(a)における反時計回りの方向に回転する。このとき、繰出ローラ40の下側周面に最上位の景品5が接触しているので、繰出ローラ40は、回転に伴って、最上位の景品5を繰出空間51側へスライドさせ、1対のゲート42の隙間および1対のフィードローラ43の間を順に通過させる。この景品5は、回転する1対のフィードローラ43によって繰出空間51側へ放出され、一時保留部15において、待機位置にあるエレベータ53の上面に載置される。
【0047】
そして、リフト31の上昇と繰出機構14による景品5の繰り出しとが、景品5毎に繰り返され、カセット7A内の景品5が、上から順に、エレベータ53に積み重ねられて、一時保留部15に一時保留される。ここで、リフト31を有するリフト機構13が、繰出機構14によって景品5が1枚ずつ繰り出される繰出位置まで、カセット7A内の景品5を、上下方向に沿って上方に搬送していることが分かる。
【0048】
なお、繰出機構14によって景品5が繰り出される際、景品5がエレベータ53に良好に積み重ねられるように、エレベータ53は、待機位置から適宜下降する。具体的には、エレベータ53に景品5が1枚載置される毎に、エレベータ53が下降してもよいし、エレベータ53に所定枚数の景品5が積み重ねられてからエレベータ53が下降してもよい。
【0049】
また、カセット7Aの景品5だけでなく、カセット7Cの景品5も、カセット7Aの場合と同様の手順で、エレベータ53に積み重ねられてもよい。カセット7Aおよびカセット7Cに景品5が無い場合には、キャリア22が後位置から前位置へ移動し(
図7(b)参照)、カセット7Bおよびカセット7Dの景品5が、カセット7Aの場合と同様の手順で、エレベータ53に積み重ねられる。
【0050】
図7(a)に示すように、払い出しに必要な枚数の景品5がエレベータ53に積み重ねられると、キャビネット6の上面において、対応するシャッタ12が、前側へ移動し(点線で示したシャッタ12を参照)、このエレベータ53の上方にある出口11を開く。これに伴い、エレベータ53が、払出ユニット8の繰出空間51を介して、出口11まで上昇する。そして、エレベータ53の上面がキャビネット6の上面と面一になるまでエレベータ53が上昇すると、シャッタ12が、出口11を閉じようと後側へ移動し、そのときに、エレベータ53の上面に積み重ねられた景品5を、キャビネット6の上面に押し出す。これにより、景品5が客側(後側)へ払い出される。
【0051】
図8は、
図4の状態における払出ユニット8の側面図である。
払出ユニット8には、カセット7に積層状態で収納された景品5の枚数をカセット7毎に数えるための計数センサ60(計数手段)が備えられている。
図8に示すように、各払出ユニット8において、2つの計数センサ60が前後に隣接して1つの組をなしており、この組が前後方向に間隔を隔てて2組設けられている。つまり、各払出ユニット8には、4つの計数センサ60が前後に並んで設けられている。なお、
図8では、最も後側(
図8では右側)の計数センサ60がカセット7Dに隠れて見えなくなっている。
【0052】
図9(a)は、計数ユニット61の正面図であり、
図9(b)は、計数ユニット61の側面図である。
図9を参照して、前述した1組をなす2つの計数センサ60は、1つの計数ユニット61を構成している。
図9(a)に示すように、計数ユニット61は、2つの計数センサ60と、略矩形状の薄板状(
図9(b)参照)をなすホルダ62(支持部材)とを含んでいる。ホルダ62の正面(払出ユニット8に組み込まれた状態では右側から見た側面)の上端部の水平方向両端部に、計数センサ60が取り付けられている。つまり、1つの計数ユニット61には、2つの計数センサ60がある。そして、計数ユニット61が払出ユニット8に組み込まれた状態において、2つの計数センサ60は、前後方向に並んでいて、この状態でホルダ62によって支持されている(
図12参照)。また、ホルダ62の表面において2つの計数センサ60に挟まれた部分には、ガイド部材63が設けられている。ガイド部材63は、平断面が略コ字状をなして、後述するガイドレール64と連結可能な形状となっている(後述する
図10参照)。
【0053】
図10は、払出ユニット8の平断面図である。
図11は、
図10のA−A矢視断面図である。
図10を参照して、各払出ユニット8では、2つの計数ユニット61が、前後方向に間隔を隔てて、キャリア22のフレーム29(
図3参照)に取り付けられている。つまり、各計数ユニット61の計数センサ60は、キャリア22に設けられている。
【0054】
詳しくは、
図11を参照して、フレーム29において、カセット7A〜7Dがキャリア22に保持された場合(
図7参照)における、カセット7Aとカセット7Bとの間の位置、および、カセット7Cとカセット7Dとの間の位置には、上下に延びるガイドレール64が設けられている。つまり、2本のガイドレール64が、前後方向(
図11では左右方向)に所定の間隔を隔てた状態で、フレーム29に設けられている。
【0055】
そして、前側のガイドレール64には、前側の計数ユニット61におけるホルダ62のガイド部材63(
図9(a)参照)が連結されており、後側のガイドレール64には、後側の計数ユニット61におけるホルダ62のガイド部材63が連結されている。この状態で、各計数ユニット61全体は、対応するガイドレール64によって、上下方向にスライド可能に支持されている。そして、各計数ユニット61では、2つの計数センサ60が、右側(
図11では手前側であり、カセット7に臨む側)を臨んでいる。ここで、ガイドレール64の下端部に位置しているときの計数ユニット61(計数センサ60)の位置を、待機位置とする。
【0056】
図12は、計数ユニット61および駆動機構70を説明するための模式図である。なお、
図12では、左側が、景品払出機2の前側である。
計数ユニット61を上下に移動させるための構成として、各払出ユニット8のたとえばキャリア22には、駆動機構70(駆動手段)が設けられている。駆動機構70は、駆動モータ71と、伝達ギア72と、連結ギア73,74と、駆動ギア75と、ベルト76とを含んでいる。
【0057】
駆動モータ71は、たとえば、ステッピングモータであり、2本のガイドレール64のうちの一方(ここでは、前側のガイドレール64)の下端部に配置されている。駆動モータ71には、出力軸(図示せず)があり、この出力軸には、外周面にギア歯が形成された駆動ギア75が取り付けられている。
伝達ギア72は、2本のガイドレール64における前記一方でなく、他方(ここでは、後側のガイドレール64)の下端部に配置されている。伝達ギア72の外周面には、ギア歯が形成されている。
【0058】
連結ギア73は、前記一方(前側)のガイドレール64の下端部に配置されており、このガイドレール64に支持された計数ユニット61に対して、図示しない駆動伝達部材によって連結されている。連結ギア73の外周面には、ギア歯が形成されており、連結ギア73は、駆動ギア75と噛み合っている。
連結ギア74は、前記他方(後側)のガイドレール64の下端部に配置されており、このガイドレール64に支持された計数ユニット61に対して、図示しない駆動伝達部材によって連結されている。連結ギア74の外周面には、ギア歯が形成されており、連結ギア74は、伝達ギア72と噛み合っている。
【0059】
ベルト76は、内周面にギア歯が形成されたエンドレスベルトであり、駆動ギア75と伝達ギア72との間に掛け回されている。
このような駆動機構70において、駆動モータ71が駆動されると、駆動ギア75が所定方向に回転する。これにより、駆動ギア75に噛み合っている連結ギア73が回転し、駆動モータ71の駆動力が、前述した駆動伝達部材によって前側の計数ユニット61に伝達され、前側の計数ユニット61は、上下方向のどちらかにスライドする。また、この駆動力は、ベルト76および伝達ギア72を介して連結ギア74にも伝達される。これによって、連結ギア74が回転し、駆動モータ71の駆動力が、前述した駆動伝達部材によって後側の計数ユニット61に伝達され、後側の計数ユニット61は、前側の計数ユニット61と同じ方向にスライドする。
【0060】
逆に、駆動ギア75が前記所定方向とは逆方向に回転するように駆動モータ71が駆動されると、前後の計数ユニット61は、ともに、先程とは逆向きにスライドする。
つまり、駆動機構70は、2つの計数ユニット61のそれぞれを上下方向に移動させる。
なお、計数ユニット61とリフト31とは水平方向に互いにずれた位置にあるので(
図10参照)、計数ユニット61とリフト31とが動作中に互いに干渉することはない。
【0061】
そして、計数センサ60は、ケーシング20に収容されたカセット7に対して左側から隣接配置される。詳しくは、計数センサ60は、対応するカセット7の切欠き部33(
図5参照)に対して左側から対向することができる。前述したように、各払出ユニット8には、2つの計数ユニット61があって、各計数ユニット61には、2つの計数センサ60がある。そのため、前側(
図12では左側)の計数ユニット61において、前側の計数センサ60は、最も前側のカセット7Aにおける後側の切欠き部33に対して左側(
図12の紙面奥側)から対向可能であり、後側の計数センサ60は、前から2番目のカセット7Bにおける前側の切欠き部33に対して左側から対向可能である。そして、後側の計数ユニット61において、前側の計数センサ60は、前から3番目のカセット7Cにおける後側の切欠き部33に対して左側から対向可能であり、後側の計数センサ60は、前から4番目のカセット7Dにおける前側の切欠き部33に対して左側から対向可能である。
【0062】
駆動モータ71が駆動されると、各計数センサ60は、対応するカセット7の切欠き部33(
図5参照)に対して左側から対向しつつ、上下にスライドする。この際、計数センサ60は、カセット7内において切欠き部33から露出されている景品5の枚数を数える。つまり、計数センサ60は、上下方向(カセット7内における景品5の積層方向)に移動することによってカセット7内の景品5を計数する。
【0063】
計数センサ60による計数を具体的に説明すると、計数センサ60は、いわゆる光学式の反射型センサであり、発光素子(図示せず)と、発光素子(図示せず)に発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子(図示せず)とを備えている。
このような計数センサ60がカセット7の景品5の枚数を数える場合、計数センサ60が待機位置から上方へ移動される。
図9(b)を参照して、計数センサ60が上昇している最中において、計数センサ60では、発光素子(図示せず)が、下側の景品5から順に、景品5の左側面5Aに向けて投光し、この景品5の左側面5Aで反射される反射光が受光素子(図示せず)に受光される。ここで、上下に隣り合う景品5の左側面5Aの境界Yに発光素子(図示せず)からの光が当てられた場合、景品5の左側面5Aに光が当てられる場合と比べて、受光素子(図示せず)が受光する反射光の量(受光量)が変化する。そのため、計数センサ60において、受光素子(図示せず)での受光量が変化する毎に、計数センサ60は、景品5が1枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、計数センサ60は、上側の景品5から順に1枚ずつ景品5をカウントして景品5の枚数を数え、ガイドレール64(
図11参照)の上端(上限位置)に到達するまでに、全ての景品5の計数を完了する。その後、計数センサ60は待機位置に戻る。
【0064】
以上のように、計数センサ60は、受光素子(図示せず)の受光信号(受光量)の変化に応じて、非接触で景品5の枚数を数える。
ここで、
図7を参照して、計数センサ60は、キャリア22に設けられているので(
図3参照)、キャリア22が前位置(
図7(b)参照)と後位置(
図7(a)参照)との間で移動しても、カセット7内の景品5と計数センサ60とが一体で移動可能となる。そのため、カセット7内の景品5と計数センサ60との相対位置(換言すれば、
図9(b)における計数センサ60と景品5の左側面5Aとの間隔)が精度良く安定する。特に、計数センサ60は、光学式であることから、景品5と計数センサ60との相対位置が計数センサ60の精度に大きく影響する。この相対位置を精度良く安定させることができるので、カセット7に収納された景品5の、計数センサ60による計数精度の向上を図ることができる。
【0065】
また、各計数ユニット61を景品5の積層方向(上下方向)に移動させると、計数ユニット61のホルダ62に支持された複数(2つ)の計数センサ60によって、前後方向に並んだ複数(カセット7Aおよびカセット7Bの2つ、または、カセット7Cおよびカセット7Dの2つ)のカセット7内の景品5を一度に計数することができる。これにより、カセット7に収納された景品5の計数時間の短縮を図ることができる。
【0066】
さらに、駆動機構70(
図12参照)によって複数のホルダ62(つまり、複数の計数ユニット61)を移動させることによって、さらに多く(ここでは、4つ)のカセット7内の景品5を一度に計数できる。これにより、カセット7に収納された景品5の計数時間の更なる短縮を図ることができる。また、計数ユニット61毎に駆動機構70(駆動モータ71)を設けずに済むので、部品点数の低減を図ることができる。
【0067】
そして、計数センサ60が数えた各カセット7の景品5の枚数のデータ(計数データ)は、上述した係員用表示部9B(
図2参照)や、景品払出機2に接続された景品管理機3(
図1参照)の係員用表示部306に表示され、これにより、景品払出機2の各カセット7内に収納された景品5の枚数が一括管理される。もちろん、このデータが、印刷機器(図示せず)に出力されて紙に印字されてもよいし、T/C4(
図1参照)に保存されてもよい。
【0068】
図13は、景品払出機2の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図13を参照して、景品払出機2は、制御部200を備えている。制御部200は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムにしたがって所定の処理を実行する。制御部200は、景品払出制御、景品計数制御、景品の積層異常(集積異常)の判定、景品在庫数の管理、景品管理機3との通信等を行う。
【0069】
制御部200には、払出ユニット8毎に、リフト機構13、繰出機構14、エレベータ機構16、送出機構17、スライド機構30、計数センサ60および計数センサ60(計数ユニット61)を移動させるための駆動機構70が接続されている。計数センサ60および駆動機構70によって、景品数を計数するための景品カウント部201が構成されている。
【0070】
また、制御部200には、操作部10、客用表示部9A、係員用表示部9B、通信部202、扉開閉検知部203、ブザー204、記憶部205等が接続されている。制御部200は、通信部202を介して、景品管理機3(
図1参照)と通信する。
記憶部205には、景品払出機2内の景品の在庫管理を行なうための在庫管理テーブルが設けられている。在庫管理テーブルには、
図14に示すように、”カセット別景品種類テーブルTA1”と、”カセット別在庫管理テーブルTA2”と、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”とがある。
【0071】
”カセット別景品種類テーブルTA1”(
図14(a)参照)は、カセット毎にそれに収納される景品の種類が記憶されたテーブルである。”カセット別在庫管理テーブルTA2”(
図14(b)参照)は、カセット毎の”景品在庫数”を記憶するテーブルである。”景品種類別在庫管理テーブルTA3”(
図14(c)参照)は、景品種類毎の”景品在庫数”を記憶するテーブルである。記憶部205の内容は、電源がオフになっても消去されずに保持される。
【0072】
図15は、各カセットに割り当てられたカセット番号(カセットNo.)と、各カセットに収納される景品の種類の具体例とを示している。7列あるカセットの各列を、景品払出機2の前側(
図2の手前側)から見て最も左側の列から順に、第1列、第2列、第3列、…、第7列ということにする。カセット番号は、景品払出機2の前側(
図2の手前側)から見て、左側にある列ほど数字が小さくなり、かつ同じ列にあるカセット間においては前側のものほど数字が小さくなるように、各カセットに割り当てられている。この実施形態では、各カセットに、1〜28のカセット番号がそれぞれ割り当てられている。
【0073】
また、この実施形態では、第1列〜第3列のカセットに大景品(5000円相当)が収納され、第4列および第5列のカセットに中景品(1000円相当))が収納され、第6列および第7列のカセットに小景品(200円相当)が収納される。
各景品払出機2の係員用表示部9B(この例ではタッチパネル付き表示部)には、待機中においては、例えば、
図16(a)または
図16(b)に示すような画面が表示され
図16(a)の画面501aは、カセット毎の景品在庫数を表示する画面である。この画面501aには、「カセット別在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される対応するカセット内の景品在庫数を表す数字と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。なお、景品種類を表す色は、各景品の外面の色と同一もしくは類似する色が予め設定されている。
【0074】
各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の画面501aを、
図16(b)に示す画面501bに切替えるためのボタンである。メニューボタンは、メニュー画面を表示させるためのボタンである。前回取引ボタンは、前回(直前に)行なわれた景品払出処理において払い出された景品の種類および景品数を表示するためのボタンである。在庫計数ボタンは、在庫確認指令(
図18のステップS5参照)を入力するためのボタンである。
【0075】
図16(b)の画面501bは、景品種類毎の景品在庫数を表示する画面である。この画面501bには、「景品在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、景品種類毎の景品在庫数と、各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の画面501bを、
図16(a)に示す画面501aに切替えるためのボタンである。
【0076】
図17は、景品管理機3の電気的構成を示している。
景品管理機3は、制御部300を備えている。制御部300は、制御部100は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムにしたがって所定の処理を実行する。制御部300は、景品払出機2に対する景品払出制御、景品払出機2に対する計数制御、景品払出機2およびT/C4との通信等を行う。制御部300には、通信部301、バーコード・リーダ302、印字部303、操作部304、客用表示部305、係員用表示部306、記憶部307等が接続されている。
【0077】
景品管理機3の操作部304には、在庫確認ボタン、テンキー等が設けられている。景品管理機100の操作部304の在庫確認ボタンが操作されると、景品管理機100は、景品払出機2に在庫確認コマンドを送信する。
図18は、景品払出機2によって実行される処理の手順を示している。
電源がオンされると(ステップS1:YES)、景品払出機2の制御部200は、在庫確認処理を行う(ステップS2)。この在庫確認処理は、景品カウント部201を利用して、景品払出機2内の実際の景品在庫数を計数し、在庫管理データを更新させる処理である。この在庫確認処理の詳細については、後述する。
【0078】
ステップS2の在庫確認処理が終了すると、制御部200は、景品管理機3からの景品払出コマンドを受信したか否か(ステップS3)、景品払出機2の扉18が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否か(ステップS4)、在庫確認指令が入力されたか否か(ステップS5)、景品管理機3からの在庫確認コマンドを受信したか否か(ステップS6)を監視する。このような監視は、電源が遮断されるまで(ステップS9でYESとなるまで)、繰り返し行なわれる。
【0079】
前記ステップS3の景品払出コマンドは、景品管理機3によって、記録媒体に記録されている遊技媒体数(持玉データ)が読み取られたことに起因して、景品管理機3から送信されるコマンドである。この景品払出コマンドには、払い出すべき景品の種類と枚数に関する情報が含まれる。前記ステップS4の扉18が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否かは、扉開閉検知器203の出力に基づいて判別される。
【0080】
前記ステップS5における在庫確認指令は、景品払出機2の待機中に、係員用表示部9Bに表示される画面(例えば
図16に示す画面)内の在庫計数ボタンが操作されることにより入力される。前記ステップS6における在庫確認コマンドは、景品管理機3の操作部304上の在庫確認ボタンが操作されることに起因して、景品管理機3から送信されるコマンドである。
【0081】
景品管理機2からの景品払出コマンドを受信したときには(ステップS3:YES)、制御部200は、景品払出処理を行う(ステップS7)。具体的には、制御部200は、景品管理機3から送られてきた景品種類毎の払出し枚数に基づいて、景品を払出すべき1または複数のカセットと、それらの各カセットからの払出し枚数を決定し、決定内容にしたがって景品を払い出す。そして、制御部200は、在庫管理データを更新する。
【0082】
具体的には、記憶部205内の”カセット別在庫管理テーブルTA2”(
図14(b)参照)および”景品種類別在庫管理テーブルTA3”の内容を更新する。より具体的には、”カセット別在庫管理テーブルTA2”内のカセット毎のデータ(景品在庫数)のうち、景品の払出があったカセットのデータを、そのカセットから払出された枚数を減算することにより更新する。また、制御部200は、更新後の”カセット別在庫管理テーブルTA2”内のカセット毎の景品在庫数と、”カセット別景品種類テーブルTA1”の内容とに基づいて、景品種類別の景品在庫数を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”内の景品在庫数を更新する。在庫管理データの更新が行なわれると、
図18のステップS4に移行する。
【0083】
景品払出機2の扉18が開放状態から閉鎖されたことを検出したとき(ステップS4:YES)、在庫確認指令が入力されたとき(ステップS5:YES)または景品管理機3からの在庫確認コマンドを受信したとき(ステップS6:YES)には、制御部200は、在庫確認処理を行う(ステップS8)。この在庫確認処理は、ステップS2の在庫確認処理と同じ処理である。この処理の詳細については後述する。ステップS8の在庫確認処理が終了すると、制御部200は、ステップS9に移行する。ステップS9において、景品払出機2の電源がオフでなければ、ステップS3に戻る。
【0084】
図19は、
図18のステップS2,S8の在庫確認処理の詳細な手順を示している。
この在庫確認処理においては、制御部200は、まず、景品計数処理を行う(ステップS21)。具体的には、景品カウント部201を利用してカセット毎の景品在庫数を計数する。この景品計数処理が行われる際に、景品積層状態(集積状態)の異常を判定する積層異常判定処理が行われる。言い換えれば、景品計数処理は、積層異常判定処理を含んでいる。景品計数処理の詳細については、後述する。
【0085】
景品計数処理が終了すると、制御部200は、在庫管理データを更新する(ステップS22)。具体的には、制御部200は、”カセット別在庫管理テーブルTA2”(
図14(b)参照)内のカセット毎のデータを、そのカセットに対する計数処理によって得られた計数値(景品在庫数)に更新する。また、制御部200は、更新後の”カセット別在庫管理テーブルTA2”内のカセット毎の景品在庫数と、”カセット別景品種類テーブルTA1”の内容とに基づいて、景品種類別の景品在庫数を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”内の景品在庫数を更新する。
【0086】
景品積層状態(集積状態)の異常の種類と、その判定方法の概要について説明する。
図20は、計数動作中の計数センサ60の出力信号を示している。
計数センサ60(計数ユニット61)は、
図20の矢印Zで示す方向(上昇方向)に移動する。この実施形態では、計数センサ60の出力信号(センサ出力)は、計数センサ60の出射光が積層側面5B(積層された景品5の左側面全体)によって反射されていないときには(景品を検知していない時)、所定値A以上の一定値(出力上限値)となる。計数センサ60の出射光が積層側面5Bによって反射されているとき(景品を検知しているとき)には、計数センサ60の出力信号は、所定値Aより小さい値(出力下限値)となる。また、計数センサ60の出射光が積層側面5Bにおける、隣り合う景品5の隙間を含む領域によって反射されているとき(景品間の隙間を検知しているとき)には、計数センサ60の出力信号は所定値Aより小さくかつ出力下限値より大きな値(出力中間値)となる。
【0087】
したがって、
図20に示すように、計数センサ60が下方の待機位置から上昇し、最下位置(
図20では左側)の景品5に接近すると、計数センサ60の出力信号値が出力上限値から低下し、所定値Aより小さくなる。そして、計数センサ60が最下位置の景品5の左側面に対向する位置まで移動すると、計数センサ60の出力信号値が下限値に近い値となる。計数センサ60が積層側面5Bにおける隣り合う景品5の隙間付近に対向する位置まで移動すると、計数センサ60の出力信号値が立ち上がる。そして、計数センサ60が景品5の隙間付近を通過し終わると、計数センサ60の出力信号値が立ち下がる。以後、作計数センサ60が隣り合う景品5の隙間付近を通過する毎に、計数センサ60の出力信号値が変化する。
【0088】
つまり、計数センサ60が隣り合う景品5の隙間付近を通過する毎に、出力信号にピーク(ピーク)が現われる。隣り合うピークの間隔をピッチ間隔ということにする。そして、計数センサ60が最上位置の景品5を通過すると、計数センサ60の出力信号値が大きくなって所定値Aを超え、計数センサ60の出力信号値は出力上限値となる。
図21は、異常の種類を示している。
【0089】
異常の種類には、「隙間無し異常」、「景品間隔小異常」、「景品間隔大異常」、「詰めすぎ異常」、「異物混入異常」、「景品立ち異常(景品姿勢異常)」等がある。
「隙間無し異常」は、景品間の隙間が検出(特定)されないことを示す異常である。「隙間無し異常」は、たとえば、
図21に示すように、積層側面5Bに景品間の隙間を覆うようにテープ401が張られた場合に生ずる異常である。「隙間無し異常」が発生したときには、所定時間内にピークが現れないか、表れてもピークが小さくなる。したがって、ピークの出現の監視またはピークの大きさに基づいて「隙間無し異常」を検出できる。
【0090】
「景品間隔小異常」は、
図21に示すように、適正な景品より厚さが薄い景品5cが混入されている場合または全ての景品が適正な景品より厚さが薄い景品であることを示す異常である。「景品間隔小異常」が発生したときには、計数センサ60の出力信号のピッチ間隔が短くなる。したがって、ピッチ間隔に基づいて、「景品間隔小異常」を検出できる。
【0091】
「景品間隔大異常」は、
図21に示すように、適正な景品より厚さが厚い景品5dが混入されている場合または全ての景品が適正な景品より厚さが厚い景品であることを示す異常である。「景品間隔大異常」が発生したときには、計数センサ60の出力信号のピッチ間隔が長くなる。したがって、ピッチ間隔に基づいて、「景品間隔大異常」を検出できる。「景品間隔小異常」および「景品間隔大異常」を総称して、「景品間隔異常」という場合がある。
【0092】
「詰めすぎ異常」は、カセット7に最大規定数以上の景品5が詰め込まれていることを示す異常である。カセット7内に最大規定数の景品5が収納されており、リフト31によって景品5が持ち上げられていない場合に、最上位置の景品の上面に対応する高さ位置を「景品上限ライン」ということにする。計数処理時には、計数センサ60は、ガイドレール64の下端部の待機位置から、景品上限ラインより上方の上限位置まで移動される。「詰めすぎ異常」が発生している場合には、
図21に示すように、景品上限ラインより上方にも景品5が存在することになる。したがって、「詰めすぎ異常」が発生した場合には、計数センサ60が景品上限ラインを超えても、景品5を検知した状態となる。したがって、計数センサ60が景品上限ラインを超えても(待機位置に達しても)、計数センサ60の出力信号が所定値A以上とならない場合(景品が検知されている場合)に、「詰めすぎ異常」が発生していると判別することができる。
【0093】
「異物混入異常」は、
図21に示すように、景品5間に異物402が混入されていることを示す異常である。「景品立ち異常」は、
図21に示すように、カセット7内に立った景品5eが存在していることを示す異常である。「景品立ち異常」は、景品の厚さ方向が景品積層方向(景品集積方向)と一致しない姿勢の景品が存在していることを示す異常であるということができる。そこで、「景品立ち異常」を「景品姿勢異常」という場合がある。「異物混入異常」または「景品立ち異常」が発生したときには、計数動作中に計数センサ60の出力信号が所定値A(
図20参照)を超えた後に、再度所定値A以下となる現象が現れる。したがって、計数動作中に計数センサ60の出力信号が所定値Aが超えてから所定時間内に出力信号が所定値A以下となるか否かを監視することによって、「異物混入異常」または「景品立ち異常」を検知できる。
【0094】
図22〜
図24は、
図19のステップS21の景品計数処理の詳細な手順を示している。
ここでは、1つのカセット7内の景品数を計数する場合の景品計数処理について説明する。景品計数処理が開始されると、まず、制御部200は、図示しない事前処理を行なう。すなわち、
図7を参照して、対象カセットの下方の待機位置にあるリフト31を上昇させる。これにより、カセット7内の全ての景品5が、このリフト31に押し上げられる。そして、最上位にある景品5が景品検知センサ41によって検知されると、制御部200は、リフト31の上昇を停止させる。制御部200は、リフト31の待機位置からの上昇量(リフト上昇量)を測定して、リフト移動量として記憶する。なお、このリフト移動量は、カセット7内に収納されている景品の数に応じた値となる。この後、制御部200は、リフト31を待機位置まで下降させる。
【0095】
事前処理が終了すると、制御部200は、計数センサ60を待機位置から上昇させる。そして、制御部200は、計数センサ60の出力信号(以下、「センサ信号P」という)が所定値A(
図20参照)より小さくなるのを待つ(ステップS31)。センサ信号Pが所定値Aより小さくなると(ステップS31:YES)、制御部200は、計数値を記憶するための変数Kに1を設定する(ステップS32)。なお、変数Kの値は、集積異常が検知された場合には、集積異常が発生した位置を示す情報(異常景品位置情報:異常発生位置が下から何枚目の景品位置であるかを示す情報)としても用いられる。
【0096】
また、制御部200は、最初のピーク検出範囲(ピーク検出期間)を決定する(ステップS33)。具体的には、制御部200は、現在時刻tを計数動作開始時刻tsとして記憶する。また、制御部200は、ピーク検出範囲を規定するための第1の変数t
nを、t
n=ts+αに設定する。ここで、αは予め定められた時間であり、たとえば、景品5の厚みの1/2に相当する距離を計数センサ60が移動する時間より少し長い時間に設定されている。さらに、制御部200は、ピーク検出範囲を規定するための第2の変数t
n+1を、t
n+1=t
n+βに設定する。ここで、βは予め定められた時間であり、たとえば、景品5の厚みに相当する距離を計数センサ60が移動する時間とほぼ等しい時間に設定されている。ピーク検出範囲は、t
n〜t
n+1となる。
【0097】
制御部200は、ピーク検出範囲内t
n〜t
n+1で、センサ信号Pの最小値Pminと、最大値(ピーク)Pmaxとを検出する。また、制御部200は、ピーク検出範囲内t
n〜t
n+1で、センサ信号Pが所定値A以上になったか否かを監視する。そして、センサ信号Pが所定値A以上とならなかったときには、制御部200は、センサ信号Pが最大値Pmaxとなった時刻を、第1最大値検出時刻T
nとして記憶する。一方、センサ信号Pが所定値A以上となった場合には、制御部200は、センサ信号Pが所定値Aに達した時刻を計数動作終了時刻teとして記憶する(ステップS34)。この後、制御部200は、前記ピーク検出範囲内t
n〜t
n+1で計数動作終了時刻teが検出されたか否かを判別する(ステップS35)。
【0098】
計数動作終了時刻teが検出されていない場合には(ステップS35:NO)、制御部200は、最大値Pmaxと最小値Pminとの差ΔP(ΔP=Pmax−Pmin)が所定値B以上であるか否かを判別する(ステップS36)。差ΔPが所定値B未満である場合には(ステップS36:NO)、制御部200は、「隙間無し異常」が発生したと判別し、計数動作を終了して、異常報知処理を行なう(ステップS37)。異常報知処理では、制御部200は、たとえば、積層異常が発生していることなどを表す異常情報を係員用表示部9Bに表示する。異常情報は、たとえば、異常の種類を示す情報(異常種類情報)、異常が発生したカセットを示す情報(異常カセット位置情報)、異常が発生した景品位置を示す情報(異常景品位置情報)等を含んでいてもよい。なお、ステップS37では、異常種類情報は、「隙間無し異常」を表す情報である。また、異常景品位置情報は、異常発生位置が下からK枚目の景品位置であることを示す情報となる。また、異常報知処理では、制御部200は、ブザー204を駆動させてもよい。
【0099】
前記ステップS36において、差ΔPが所定値B以上であると判別された場合には(ステップS36:YES)、制御部200は、変数Kを1だけインクリメントする(ステップS38)。
次に、制御部200は、次回のピーク検出範囲を決定する(ステップS39)。具体的には、制御部200は、第1最大値検出時刻T
nを用いて、t
nをt
n=T
n+β/2に設定し、t
n+1をt
n+1=t
n+βに設定する。ここで、T
nは、前回のピーク検出範囲において、最大値Pmaxが検出された時刻である。制御部200は、ピーク検出範囲内t
n〜t
n+1で、センサ信号Pの最小値Pminと、最大値Pmaxとを検出する。また、制御部200は、ピーク検出範囲内t
n〜t
n+1で、センサ信号Pが所定値A以上になったか否かを監視する。そして、センサ信号Pが所定値A以上とならなかったときには、制御部200は、センサ信号Pが最大値Pmaxとなった時刻を、第2最大値検出時刻T
n+1として記憶する。一方、センサ信号Pが所定値A以上となった場合には、制御部200は、センサ信号Pが所定値Aに達した時刻を計数動作終了時刻teとして記憶する(ステップS40)。この後、制御部200は、前記ピーク検出範囲内t
n〜t
n+1で計数動作終了時刻teが検出されたか否かを判別する(ステップS41)。
【0100】
計数動作終了時刻teが検出されていない場合には(ステップS41:NO)、制御部200は、最大値Pmaxと最小値Pminとの差ΔP(ΔP=Pmax−Pmin)が所定値B以上であるか否かを判別する(ステップS42)。差ΔPが所定値B未満である場合には(ステップS42:NO)、制御部200は、「隙間無し異常」が発生したと判別し、計数動作を終了して、異常報知処理を行なう(ステップS37)。
【0101】
前記ステップS42において、差ΔPが所定値B以上であると判別された場合には(ステップS42:YES)、制御部200は、変数Kを1だけインクリメントする(ステップS43)。
次に、制御部200は、次回のピーク検出範囲を決定する(ステップS44)。具体的には、制御部200は、第2最大値検出時刻T
n+1を用いて、t
nをt
n=T
n+1+β/2に設定し、t
n+1をt
n+1=t
n+βに設定する。ここで、T
n+1は、前回のピーク検出範囲において、最大値Pmaxが検出された時刻である。ピーク検出範囲は、t
n〜t
n+1となる。
【0102】
制御部200は、ピーク検出範囲内t
n〜t
n+1で、センサ信号Pの最小値Pminと、最大値Pmaxとを検出する。また、制御部200は、ピーク検出範囲内t
n〜t
n+1で、センサ信号Pが所定値A以上になったか否かを監視する。そして、センサ信号Pが所定値A以上とならなかったときには、センサ信号Pが最大値Pmaxとなった時刻を、第3最大値検出時刻T
n+2として記憶する。一方、センサ信号Pが所定値A以上となった場合には、制御部200は、センサ信号Pが所定値Aに達した時刻を計数動作終了時刻teとして記憶する(ステップS45)。この後、制御部200は、前記ピーク検出範囲内t
n〜t
n+1で計数動作終了時刻teが検出されたか否かを判別する(ステップS46)。
【0103】
計数動作終了時刻teが検出されていない場合には(ステップS46:NO)、制御部200は、最大値Pmaxと最小値Pminとの差ΔP(ΔP=Pmax−Pmin)が所定値B以上であるか否かを判別する(ステップS47)。差ΔPが所定値B未満である場合には(ステップS47:NO)、制御部200は、「隙間無し異常」が発生したと判別し、計数動作を終了して、異常報知処理を行なう(ステップS37)。
【0104】
前記ステップS47において、差ΔPが所定値B以上であると判別された場合には(ステップS47:YES)、制御部200は、変数Kを1だけインクリメントする(ステップS48)。
次に、制御部200は、第2最大値検出時刻T
n+1と第1最大値検出時刻T
nとの差Ta(Ta=T
n+1−T
n)と、第3最大値検出時刻T
n+2と第2最大値検出時刻T
n+1との差Tb(Tb=T
n+2−T
n+1)との和(Ta+Tb)が、所定値C(C>0)以上でかつ所定値D(D>C)以内の値であるか否かを判別する(ステップS49)。Tbは、今回の最大値Pmaxの検出時刻と前回の最大値Pmaxの検出時刻との差(ピッチ間隔に相当する)である。Taは、前回の最大値Pmaxの検出時刻と前々回の最大値Pmaxの検出時刻との差(ピッチ間隔に相当する)である。したがって、制御部200は、直近の2つのピッチ間隔の和(Ta+Tb)が、所定範囲(C以上かつD以下の範囲)内にあるか否かを判別する。
【0105】
直近の2つのピッチ間隔の和(Ta+Tb)が所定範囲(C以上かつD以下の範囲)内にあれば(ステップS49:NO)、制御部200は、第2最大値検出時刻T
n+1を、第1最大値検出時刻T
nに設定するとともに、第3最大値検出時刻T
n+2を、第2最大値検出時刻T
n+1に設定する(ステップS50)。そして、ステップS44に戻る。したがって、ステップS44以降の処理が再度、実行される。
【0106】
前記ステップS49において、直近の2つのピッチ間隔の和(Ta+Tb)が所定範囲(C以上かつD以下の範囲)内にないと判別された場合には(ステップS49:NO)、制御部200はステップS51(
図24参照)に移行する。ステップS51では、制御部200は、直近の2つのピッチ間隔の和(Ta+Tb)が、前記所定値C未満であるか否かを判別する。直近の2つのピッチ間隔の和(Ta+Tb)が、前記所定値C未満である場合には(ステップS51:YES)、制御部200は、「景品間隔小異常」が発生していると判別し、計数動作を停止させるとともに、異常報知処理を行なう(ステップS52)。一方、直近の2つのピッチ間隔の和(Ta+Tb)が、前記所定値C未満ではない場合、つまり、前記和(Ta+Tb)が前記所定値Dより大きい場合には(ステップS51:NO)、制御部200は、「景品間隔大異常」が発生していると判別し、計数動作を停止させるとともに、異常報知処理を行なう(ステップS53)。ステップS52,S53の異常報知処理は、前記ステップS37で説明した異常報知処理と同様である。ただし、異常種類情報は、ステップS52では「景品間隔小異常」を表す情報であり、ステップS53では「景品間隔大異常」を表す情報である。
【0107】
前記ステップS35、前記ステップS41または前記ステップS46において、計数動作終了時刻teが検出されていると判別された場合(ステップS35、ステップS41またはステップS46:YES)、制御部200はステップS54に移行する。ステップS54では、制御部200は、当該計数動作終了時刻teから所定時間γが経過するまで、センサ出力Pが所定値A以上であるか否かを判別する(ステップS54)。所定時間γは、平面視において景品5の最も長い辺よりも大きく、かつ計数センサ60が景品上限ラインから計数センサ60の上限位置まで移動する時間よも短い時間に設定されている。
【0108】
計数動作終了時刻teから所定時間γが経過するまでに、センサ出力Pが所定値A未満になった場合には(ステップS54:NO)、制御部200は、「異物混入異常」または「景品立ち異常」が発生したと判別し、計数動作を停止させるとともに、異常報知処理を行なう(ステップS55)。この異常報知処理は、前記ステップS37で説明した異常報知処理と同様である。ただし、異常種類情報は、「異物混入異常」および「景品立ち異常」を表す情報である。
【0109】
一方、計数動作終了時刻teから所定時間γが経過するまで、センサ出力Pが所定値A以上であると判別された場合には(ステップS54:YES)、制御部200は、計数値Kと、事前処理で測定したリフト上昇量とに基づいて、カセット7内の最上位置の景品が立っている「最上位置の景品立ち異常」が発生しているか否かを判別する(ステップS56)。カセット7内の最上位置の景品が立っている場合には、計数値Kを距離に換算した値は、事前処理で測定したリフト上昇量より短くなる。したがって、制御部は、計数値Kを距離に換算した値と事前処理で測定したリフト上昇量との差に基づいて、「最上位置の景品立ち異常」が発生しているか否かを判別することができる。
【0110】
「最上位置の景品立ち異常」が発生していると判別した場合には(ステップS56:YES)、制御部200は、「景品立ち異常」(「最上位置の景品立ち異常」)が発生していると判別し、計数動作を停止させるとともに、異常報知処理を行なう(ステップS57)。この異常報知処理は、前記ステップS37で説明した異常報知処理と同様である。ただし、異常種類情報は、「景品立ち異常」または「最上位置の景品立ち異常」を表す情報である。
【0111】
「最上位置の景品立ち異常」が発生していないと判別された場合には(ステップS56NO)、制御部200は、計数動作が正常に終了したと判別する(ステップ58)。この場合、計数センサ60が上限位置まで上昇して停止された後、計数処理は終了する。この後、計数センサ60は待機位置に戻される。
なお、前記ステップS1でYESとなった後、「隙間無し異常」、「景品間隔小異常」、「景品間隔大異常」、「異物混入異常」および「景品立ち異常」のいずれも検出されることなく、計数センサ60が上限位置まで上昇したが、計数動作が正常完了(ステップS58参照)していない場合(ステップS35,S41,S46でYESとならなかった場合)には、制御部200は、「詰めすぎ異常」が発生したと判別し、計数動作を停止させるとともに、異常報知処理を行なう。この異常報知処理は、前記ステップS37で説明した異常報知処理と同様である。ただし、異常種類情報は、「詰めすぎ異常」を表す情報である。
【0112】
図25を参照して、計数処理時の制御部200の動作例を説明する。
図25は、カセット7内に4枚の景品が収納されており、計数動作が正常に終了する場合の例を示している。
計数センサ60が待機位置から上昇を開始した後、センサ出力Pが所定値A未満になると(時刻ts)、K=1とされる(
図22のステップS31,S32参照)。この後、ts+αに相当する時刻t1からt1+βに相当する時刻t2までの第1ピーク検出範囲内でセンサ出力Pが監視され、その最小値Pmin1と最大値Pmax1とが検出される。Pmax1の検出時刻がT1とされる(
図22のステップS33,34参照)。そして、Pmax1とPmin1との差ΔP1が所定値B以上であるか否かが判別される(
図22のステップS35,S36参照)。
【0113】
差ΔP1が所定値B以上であれば、Kが1だけインクリメントされる(
図22のステップS36,S38参照)。つまり、K=2となる。この後、T1+β/2に相当する時刻t2(
図25では、図示を簡略化するために前記第1ピーク検出範囲におけるt2と同じ時刻としている。以下においても同じ。)と同じ時刻からt2+βに相当する時刻t3までの第2ピーク検出範囲内でセンサ出力Pが監視され、その最小値Pmin2と最大値Pmax2とが検出される。Pmax2の検出時刻がT2とされる(
図22のステップS39,S40参照)。そして、Pmax2とPmin2との差ΔP2が所定値B以上であるか否かが判別される(
図22のステップS41,
図23のステップS42参照)。
【0114】
差ΔP2が所定値B以上であれば、Kが1だけインクリメントされる(
図23のステップS42,S43参照)。つまり、K=3となる。この後、T2+β/2に相当する時刻t3からt3+βに相当する時刻t4までの第3ピーク検出範囲内でセンサ出力Pが監視され、その最小値Pmin3と最大値Pmax3とが検出される。Pmax3の検出時刻がT3とされる(
図23のステップS44,S45参照)。そして、Pmax3とPmin3との差ΔP3が所定値B以上であるか否かが判別される(
図23のステップS46,S47参照)。
【0115】
差ΔP3が所定値B以上であれば、Kが1だけインクリメントされる(
図23のステップS47,S48参照)。つまり、K=4となる。次に、T2とT1との差Taと、T3とT2との差Tbと和(Ta+Tb)が所定範囲(C以上でかつD以下の範囲)内であるか否かが判別される(
図23のステップS49参照)。前記和(Ta+Tb)が所定範囲内であれば、T3+β/2に相当する時刻t4からt4+βに相当する時刻t5までの第4ピーク検出範囲内で、センサ出力Pが監視される。第4ピーク検出範囲内において、計数センサ60が下から4枚目の景品(最上位置の景品)を通過し終わるので、センサ出力Pは所定値A以上となる。したがって、センサ出力Pか所定値Aに達した時刻が計数動作終了時刻teとして記憶される(
図23のステップS49,S50,S44,S45参照)。
【0116】
計数動作終了時刻teから所定時間γが経過するまで、センサ出力Pが所定値A以上となると、「最上位置の景品立ち異常」が発生しているか否かが判別される(
図23のステップS46,
図24のステップS54,S56参照)。「最上位置の景品立ち異常」が発生していなければ、最計数動作が正常に終了したと判別される。この後、計数センサ60が上限位置まで移動して停止すると(時刻tmax)、景品計数処理は終了する。
【0117】
図26は、計数動作が正常終了した場合に、景品払出機2の係員用表示部9Bに表示される計数結果画面の一例を示している。
この計数結果画面502は、カセット毎の計数結果(景品在庫数)を表示する画面である。この計数結果画面502は、
図16(a)に示される待機画面501aとほぼ同様である。ただし、この計数結果画面502では、「カセット別在庫数」というタイトルの横に、計数結果であることを表す「計数結果」の文字列が表示される。
【0118】
図27は、計数処理中に積層異常が検出された場合に、景品払出機2の係員用表示部9Bに表示される計数結果画面の一例を示している。
この計数結果画面503は、
図26の計数結果画面502とほぼ同様である。ただし、積層異常が検出されたカセット(この例では、1列目の払出ユニットの前から1番目のカセット)に対応するボックスに、積層異常が発生したことを表す情報(異常発生情報)と、積層異常が発生した景品位置を表す情報(異常景品位置情報)とが表示されている。異常発生情報は、積層異常が検出されたカセットに対応するボックスに表示されることから、異常が発生したカセットを示す情報(異常カセット位置情報)を兼ねている。異常発生情報は、この例では、「!景品異常」という文字列からなる。異常景品位置情報は、この例では、最下位置の景品から何番目の景品において積層異常が発生したかを示す情報からなる。この例では、「6個目」という文字列からなる。なお、異常発生情報が表示されたボックスが押下された場合に、積層異常の種類を表す情報(異常種類情報)を表示するようにしてもよい。
【0119】
図28は、計数処理中に積層異常が検出された場合に、景品払出機2の係員用表示部9Bに表示される計数結果画面の他の例を示している。
この計数結果画面504は、
図26の計数結果画面502とほぼ同様である。ただし、積層異常が検出されたカセット(この例では、1列目の払出ユニットの前から1番目のカセット)に対応するボックスに、積層異常の種類を表す情報(異常種類情報)が表示されている。異常種類情報は、積層異常が検出されたカセットに対応するボックスに表示されることから、異常が発生したカセットを示す情報(異常カセット位置情報)を兼ねている。この例では、異常種類情報は、「詰めすぎ異常」であることを示す「!詰めすぎ」の文字列が表示されている。なお、異常種類情報が表示されたボックスが押下された場合に、積層異常が発生した景品位置を表す情報(異常景品位置情報)を表示するようにしてもよい。
【0120】
図27または
図28に示される画面により、係員は積層異常が発生していることを認識できる。積層異常の発生を認識した係員は、異常が発生しているカセットを景品払出機2から取り出して景品の状態を確認し、異常景品や異物を取り出したり、景品の姿勢を修正したりすることによって、積層異常を解消した後、カセットを景品払出機2内に戻す。その後、再度、計数処理が行なわれて、異常がなければ、取引に備える。積層異常が解消されていなかった場合や、別の積層異常等が発生している場合には、改めて異常の発生を知らせる画面が表示される。
【0121】
なお、積層異常が発生した場合には、積層異常が発生した状態のまま、当該カセットを在庫管理から切り離して、他の正常なカセットのみで運用(切離し運用)するような機能を持たせてもよい。景品交換を希望する遊技客が並んでいる場合には、前記のような切離し運用を行うことによって、景品交換を継続させ、時間が空いたときに異常を解消すればよい。
【0122】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、積層異常が検出されたときには、景品払出機2の制御部200は、景品払出機2の係員用表示部9Bに異常情報を表示しているが、それに代えてまたはそれに加えて、制御部200は、異常情報を景品管理機3に送信するようにしてもよい。この場合、景品管理機3の制御部300は、景品払出機2から送られてきた異常情報に基づいて、積層異常が発生したことを示す異常表示画面を係員用表示部306に表示してもよい。
【0123】
図29は、景品管理機3の係員用表示部306に表示される異常表示画面の一例を示している。この異常表示画面601は、異常内容を示すメッセージを含んでいる。具体的には、異常内容を示すメッセージは、積層異常が発生した景品払出機2を示す情報(号機番号等)と、積層異常が発生したカセットを示す情報(異常カセット位置情報)と積層異常が発生した景品位置を表す情報(異常景品位置情報)とを含んでいる。
【0124】
図30は、景品管理機3の係員用表示部306に表示される異常表示画面の他の例を示している。この異常表示画面602は、
図27で説明した計数結果画面503と同様な模式図と、
図29で説明したと同様な異常内容を示すメッセージを含んでいる。
積層異常が検出されたときには、景品払出機2の制御部200は、T/C4にその旨を通知するようにしてもよい。
【0125】
前述の実施形態では、計数センサ60の出力信号に基づく計数処理(異常判定処理を含む)を景品払出機2が行なっているが、計数センサ60の出力信号に基づく計数処理を景品管理機3側で行なうようにしてもよい。つまり、景品払出機2は、景品計数処理時には、計数センサ60を移動させるとともに、計数センサ60の出力信号を景品管理機3に送信する。景品管理機3は、景品払出機2から送られてきた計数センサ60の出力信号に基づいて、計数処理を行なう。
【0126】
計数センサ60としては、青色光を出力する発光素子を含む光学式センサであってもよいし、他の色の可視光や赤外線等を出力する発光素子を含む光学式センサであってもよい。また、接触式(機械式)のセンサ等の光学式以外の方式のセンサであってもよい。
本願発明は、さらに、特開2008−73169号公報に開示されているような卓上タイプの景品払出機にも適用することができる。
【0127】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。