【文献】
Alcatel-Lucent,Inter-frequency RRM and time domain ICIC enhancement,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #75bis R2-115349,2011年10月14日
【文献】
Samsung,Inter-frequency eICIC enhancement Issues,3GPP TSG-RAN2 #75bis Meeting R2-115425,2011年10月14日
【文献】
Huawei,Small Cell Discovery in HetNet,3GPP TSG RAN WG2 Meeting #75bis R2-115169,2011年10月14日
【文献】
ZTE,SCell Measurement Restriction,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #76 R2-115765,2011年11月18日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
異なる周波数キャリアによって運用されているプライマリセル及びセカンダリセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動通信システムであって、
マクロセル間の異周波数ハンドオーバ制御に用いる異周波数測定処理と、該マクロセルのカバレッジエリア内でセカンダリセルとして設定されていないセルに対する測定処理に対して要求する性能とを別々に規定するように構成されていることを特徴とする移動通信システム。
異なる周波数キャリアによって運用されているプライマリセル及びセカンダリセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動通信システムであって、
アクティブ化された状態のセカンダリセルに対する測定処理に対して要求する第1性能と、設定されているがアクティブ化されていない状態のセカンダリセルに対する測定処理に対して要求する第2性能と、セカンダリセルとして設定されていないセルに対する測定処理に対して要求する第3性能とを別々に規定するように構成されており、
前記第1性能、前記第2性能及び前記第3性能は、それぞれ測定精度及び測定周期を含むことを特徴とする移動通信システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、セル#11A/セル#11Bのカバーエリアは、セル#11のカバーエリアと比べて、かなり狭いため、移動局UEのセル#11内の位置によっては、かかる移動局UEに対して、セル#11A/セル#11BをScellとして設定しないケースや、セル#11A/セル#11BをScellとして設定した後にアクティブ化しないケースが考えられる。
【0006】
しかしながら、現在のLTE方式では、このようなケースを想定していないため、「Inter-Frequency Measurement」に対して要求する性能について1種類しか規定していない。
【0007】
そのため、現在のLTE方式では、カバレッジバンドのマクロセル間の異周波数ハンドオーバ制御に用いる「Inter-Frequency Measurement」及びScellとして設定されていないセルに対する「Inter-Frequency Measurement」に対して等しい性能を要求している。
【0008】
ここで、これらの「Measurement」に対して要求される性能は、測定精度や、測定周期や、上位層への測定結果の報告周期や、測定セル数や、測定周波数の最大数(異なる周波数測定の場合のみ)等を含む。
【0009】
すなわち、移動局UEは、カバレッジバンドのマクロセル間の異周波数ハンドオーバ制御に用いる「Inter-Frequency Measurement」と等しいレベルで、Scellとして設定されていないセルに対する「Inter-Frequency Measurement」を行う必要があり、移動局UEの消費電力が大きくなってしまうという問題点があった。
【0010】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、「Inter-Frequency Measurement」としての測定対象セルの状況に応じて、「Inter-Frequency Measurement」に対して適切な性能を要求することができる移動通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の特徴は、異なる周波数キャリアによって運用されているプライマリセル及びセカンダリセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動通信システムであって、マクロセル間の異周波数ハンドオーバ制御に用いる異周波数測定処理と、該マクロセルのカバレッジエリア内でセカンダリセルとして設定されていないセルに対する測定処理に対して要求する性能とを別々に規定するように構成されていることを要旨とする。
【0012】
本発明の第2の特徴は、異なる周波数キャリアによって運用されているプライマリセル及びセカンダリセルを用いてキャリアアグリゲーションを行うことができるように構成されている移動通信システムであって、アクティブ化された状態のセカンダリセルに対する測定処理に対して要求する第1性能と、設定されているがアクティブ化されていない状態のセカンダリセルに対する測定処理に対して要求する第2性能と、セカンダリセルとして設定されていないセルに対する測定処理に対して要求する第3性能とを別々に規定するように構成されており、 前記第1性能、前記第2性能及び前記第3性能は、それぞれ測定精度及び測定周期を含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、「Inter-Frequency Measurement」としての測定対象セルの状況に応じて、「Inter-Frequency Measurement」に対して適切な性能を要求することができる移動通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1及び
図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、LTE-Advanced方式をサポートするものであって、異なる周波数キャリアによって運用されているPcell及びScellを用いて「CA」を行うことができるように構成されている。
【0017】
なお、本実施形態に係る移動通信システムは、異なる周波数帯域内のキャリアによって運用されているPcell及びScellを用いて「Inter-band CA」を行うことができるように構成されていてもよいし、同一の周波数帯域内のキャリアによって運用されているPcell及びScellを用いて「Intra-band CA」を行うことができるように構成されていてもよい。
【0018】
なお、本実施形態に係る移動通信システムは、同一の周波数帯域内のキャリアによって運用されているPcell及びScellを用いて「Intra-band CA」を行うことができるように構成されていてもよい。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、無線基地局eNB#1〜eNB#3によって、セル#11〜セル#33及びセル#11A〜セル#33Bを管理している。
【0020】
ここで、セル#11〜セル#33は、広いエリアをサポートするカバレッジバンド、例えば、周波数f1のキャリア(PCC:Primary Component Carrier)によって運用されているセル(例えば、マクロセル)である。
【0021】
一方、セル#11A〜セル#33Bは、セル#11〜セル#33のカバーエリア内に配置されており、ホットスポットにおいてスループットを改善させるためのキャパシティバンド、例えば、周波数f2/f3のキャリア(SCC:Secondary Component Carrier)によって運用されているセル(例えば、ピコセル)である。
【0022】
図2の例では、周波数f1のキャリアによって運用されているセル#11は、移動局UEに対してPcellとして設定されており、周波数f2のキャリアによって運用されているセル#11Aは、移動局UEに対してScellとして設定され且つアクティブ化されているものとする。
【0023】
なお、セル#11Bは、周波数f3のキャリアによって運用されており、無線基地局eNBが、移動局UEのセル#11内の位置によって、移動局UEに対して、セル#11Bを、Scellとして追加して設定するか否かについて、及び、Scellとしてアクティブ化するか否かについて決定するものとする。
【0024】
また、
図2の例では、移動局UEは、セル#11内で、地点A→地点B→地点C→地点Dというように移動しているものとする。
【0025】
さらに、
図2の例では、移動局UEが、セル#11内において、地点Bに到達するまでは、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、セル#11BをScellとして追加して設定しないものとする。
【0026】
その後、移動局UEが、セル#11内において、地点Bに到達した際に、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、セル#11BをScellとして追加して設定するものとする。
【0027】
そして、移動局UEが、セル#11内において、地点Cに到達した際に、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、セル#11BをScellとしてアクティブ化するものとする。
【0028】
また、移動局UEは、セル#11/#12における「Measurement」を行うと共に、セル#11のカバーエリア内に配置されているセル#11A/セル#11Bにおける「Measurement」を行うものとする。
【0029】
すなわち、移動局UEは、セル#11内において、地点Aから地点Bまでのエリアでは、Scellとして設定されていないセル#11Bに対して「Inter-Frequency Measurement」を行う(ケース1)。
【0030】
また、移動局UEは、セル#11内において、地点Bから地点Cまでのエリアでは、Scellとして設定されているがアクティブ化されていないセル#11Bに対して「Intra-Frequency Measurement」を行う(ケース2)。
【0031】
さらに、移動局UEは、セル#11内において、地点Cから地点Dまでのエリアでは、Scellとしてアクティブ化されているセル#11Bに対して「Intra-Frequency Measurement」を行う(ケース3)。
【0032】
ここで、LTE(Release-10)方式では、カバレッジバンドのマクロセル#11/#12間の「Inter-Frequency Handover」制御に用いる「Inter-Frequency Measurement」及びScellとして設定されていないセルに対する「Inter-Frequency Measurement(ケース1)」に対して等しい性能(性能規定B)を要求するように規定されていた。
【0033】
なお、本明細書において、これらの「Measurement」に対して要求される性能は、測定精度や、測定周期や、上位層への測定結果の報告周期や、測定セル数や、測定周波数の最大数(異なる周波数測定の場合のみ)等を含む。
【0034】
これに対して、本実施形態に係る移動通信システムは、カバレッジバンドのマクロセル#11/#12間の「Inter-Frequency Handover」制御に用いる「Inter-Frequency Measurement」に対して要求する性能(性能規定A)と、Scellとして設定されていないセルに対する「Inter-Frequency Measurement(ケース1)」に対して要求する性能(性能規定B)とを別々に規定するように構成されている。
【0035】
例えば、
図2に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Aは、測定周期を「3200ms」とし、RSRP(Reference Signal Received Power)/RSRQ(Reference Signal Received Quality)の測定精度を「±3dB(Es/lot≧0dB)」と規定してもよい。
【0036】
また、
図2に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Bは、測定周期を「1600ms」とし、RSRP/RSRQの測定精度を「±3dB(Es/lot≧6dB)」と規定してもよい。
【0037】
すなわち、
図2に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Bによって規定されている測定周期は、性能規定Aによって規定されている測定周期よりも短くなるように構成されていてもよい。
【0038】
また、
図2に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Bによって規定されている測定精度は、性能規定Aによって規定されている測定精度よりも高精度になるように構成されていてもよい。
【0039】
なお、現在のLTE方式では、「Measurement Configuration」内の「MeasObjectEUTRA」内に設定されている「measCycleScell-r10」に対しては、Scellとして設定されているがアクティブ化されていないセルにおける「Deactivated Scell Measurement(ケース2)」の測定周期を設定することができるとされている。
【0040】
ここで、「Deactivated Scell Measurement」は、設定されているがアクティブ化されていないScellにおける「Intra-Frequency Measurement」を示す。
【0041】
これに対して、本実施形態に係る移動通信システムでは、かかる「measCycleScell-r10」に対して、Scellとして設定されているがアクティブ化されていないセルにおける「Deactivated Scell Measurement(ケース2)」の測定周期だけでなく、Scellとして設定されていないセルにおける「Inter-Frequency Measurement(ケース1)」の測定周期についても設定することができるように拡張してもよい。
【0042】
本実施形態に係る発明によれば、測定対象セルの状況に応じて、「Inter-Frequency Measurement」に対して適切な性能を要求することができる。
【0043】
(変更例1)
図3を参照して、本発明の変更例1に係る移動通信システムについて説明する。以下、本変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0044】
図3に示すように、移動局UEは、セル#11における「Measurement」を行うと共に、セル#11のカバーエリア内に配置されているセル#11A/セル#11Bにおける「Measurement」を行うものとする。
【0045】
すなわち、移動局UEは、セル#11内において、地点Aから地点Bまでのエリアでは、Scellとして設定されていないセル#11Bに対して「Inter-Frequency Measurement」を行う(ケース1)。
【0046】
また、移動局UEは、セル#11内において、地点Bから地点Cまでのエリアでは、Scellとして設定されているがアクティブ化されていないセル#11Bに対して「Deactivated Scell Measurement」を行う(ケース2)。
【0047】
さらに、移動局UEは、セル#11内において、地点Cから地点Dまでのエリアでは、Scellとしてアクティブ化されているセル#11Bに対して「Intra-Frequency Measurement」を行う(ケース3)。
【0048】
これに対して、本実施形態に係る移動通信システムは、アクティブ化された状態のScellに対する「Intra-Frequency Measurement(ケース3)」に対して要求する性能(性能規定C)と、設定されているがアクティブ化されていない状態のScellに対する「Deactivated Scell Measurement(ケース2)」に対して要求する性能(性能規定B)と、Scellとして設定されていないセルに対する「Inter-Frequency Measurement(ケース1)」に対して要求する性能(性能規定A)とを別々に規定するように構成されている。
【0049】
例えば、
図3に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Aは、測定周期を「3200ms」とし、RSRP(Reference Signal Received Power)/RSRQ(Reference Signal Received Quality)の測定精度を「±3dB(Es/lot≧0dB)」と規定してもよい。
【0050】
また、
図3に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Bは、測定周期を「1600ms」とし、RSRP/RSRQの測定精度を「±3dB(Es/lot≧6dB)」と規定してもよい。
【0051】
また、
図3に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Cは、測定周期を「200ms」とし、RSRP/RSRQの測定精度を「±3dB(Es/lot≧6dB)」と規定してもよい。
【0052】
図3に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Bによって規定されているRSRP/RSRQの測定精度と性能規定Cによって規定されているRSRP/RSRQの測定精度とが等しくなるように構成されていてもよい。
【0053】
また、
図3に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Cによって規定されている測定周期は、性能規定Bによって規定されている測定周期よりも短くなるように構成されていてもよい。
【0054】
さらに、
図3に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、性能規定Bによって規定されている測定周期は、性能規定Aによって規定されている測定周期よりも短くなるように構成されていてもよい。
【0055】
なお、現在のLTE方式では、「Measurement Configuration」内の「MeasObjectEUTRA」内に設定されている「measCycleScell-r10」に対しては、Scellとして設定されているがアクティブ化されていないセルにおける「Deactivated Scell Measurement(ケース2)」の測定周期を設定することができるとされている。
【0056】
これに対して、本実施形態に係る移動通信システムでは、かかる「measCycleScell-r10」に対して、Scellとして設定されているがアクティブ化されていないセルにおける「Deactivated Scell Measurement(ケース2)」の測定周期だけでなく、Scellとして設定されていないセルにおける「Inter-Frequency Measurement(ケース1)」の測定周期についても設定することができるように拡張してもよい。
【0057】
本実施形態に係る発明によれば、
図2に示すケース1〜3に対して、別々の性能規定A〜Cを規定することができるため、測定対象セルの状況に応じて、「Measurement」に対して適切な性能を要求することができる。
【0058】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0059】
本実施形態の第1の特徴は、異なる周波数キャリアによって運用されているPcell(プライマリセル)及びScell(セカンダリセル)を用いてCA(キャリアアグリゲーション)を行うことができるように構成されている移動通信システムであって、マクロセル#11/#12間の「Inter-frequency Handover(異周波数ハンドオーバ)」制御に用いる「Inter-Frequency Measurement」と、マクロセル#11のカバレッジエリア内でScellとして設定されていないセル#11Bに対する「Inter-frequency Handover」に対して要求する性能とを別々に規定するように構成されている。
【0060】
本実施形態の第2の特徴は、異なる周波数キャリアによって運用されているPcell及びScellを用いてCAを行うことができるように構成されている移動通信システムであって、アクティブ化された状態のScellに対する「Measurement」に対して要求する第1性能と、設定されているがアクティブ化されていない状態のScellに対する「Measurement」に対して要求する第2性能と、Scellとして設定されていないセルに対する「Measurement」に対して要求する第3性能とを別々に規定するように構成されており、第1性能、第2性能及び第3性能は、それぞれ測定精度及び測定周期によって構成されていることを要旨とする。
【0061】
本実施形態の第2の特徴において、第1性能に含まれる測定精度及び第2性能に含まれる測定精度が等しくなるように規定してもよい。
【0062】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNBの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0063】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0064】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNB内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNB内に設けられていてもよい。
【0065】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。