(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5806270
(24)【登録日】2015年9月11日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】タッチスイッチモジュール
(51)【国際特許分類】
H03M 11/10 20060101AFI20151021BHJP
G06F 3/023 20060101ALI20151021BHJP
H03M 11/12 20060101ALI20151021BHJP
H03M 11/04 20060101ALI20151021BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20151021BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20151021BHJP
【FI】
G06F3/023 310J
G06F3/023 310L
G06F3/041 500
B60R16/02 630L
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-196262(P2013-196262)
(22)【出願日】2013年9月21日
(65)【公開番号】特開2015-62092(P2015-62092A)
(43)【公開日】2015年4月2日
【審査請求日】2014年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】坂柳 徳之
(72)【発明者】
【氏名】有元 真人
(72)【発明者】
【氏名】正村 浩一
【審査官】
佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−152970(JP,A)
【文献】
特開2010−056981(JP,A)
【文献】
特開2007−267388(JP,A)
【文献】
特開2012−242924(JP,A)
【文献】
特開2009−053779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/023,3/041,3/048
B60R 16/02
H03M 11/04,11/10,11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の空調装置の操作を指示するための画像情報が表示されたパネルと、
前記パネルに形成され、前記画像情報への接触を検知するタッチセンサと、
前記タッチセンサに接続され、前記接触に基づいて前記空調装置を操作する操作信号を出力する制御手段とを備えたタッチスイッチモジュールにおいて、
前記制御手段は、前記接触が行われた接触時間を検出する接触時間検出部と、前記接触時間を予め定めた閾値と比較する比較部と、前記接触時間が前記閾値以上であれば前記操作信号を出力する出力部と、前記接触時間が前記閾値未満であれば前記操作信号の出力を禁止する出力禁止部とを有し、
前記接触は、短時間かつ連続して行われる連続接触と、一度で行われる単接触と、長時間かつ一度で行われる長接触とからなり、
前記画像情報は、前記連続接触が行われる連続接触用画像情報と、前記単接触が行われる単接触用画像情報と、前記長接触が行われる長接触用画像情報とからなり、
前記閾値は、前記連続接触用画像情報の前記接触時間と比較される連続接触用閾値と、前記単接触用画像情報の前記接触時間と比較される単接触用閾値と、前記長接触用画像情報の前記接触時間と比較される長接触用閾値とからなり、
前記連続接触用閾値と前記単接触用閾値と前記長接触用閾値とは互いに異なり、
前記制御手段は、前記連続接触用画像情報への前記接触である場合、前記比較部が前記接触時間と前記連続接触用閾値及び前記長接触用閾値とを順番に比較し、前記単接触用画像情報への前記接触である場合、前記比較部が前記接触時間と前記単接触用閾値及び前記長接触用閾値とを順番に比較することを特徴とするタッチスイッチモジュール。
【請求項2】
前記閾値は、前記連続接触用閾値の方が前記単接触用閾値よりも小さい請求項1記載のタッチスイッチモジュール。
【請求項3】
前記閾値は、前記連続接触用閾値<前記単接触用閾値<前記長接触用閾値の関係である請求項1又は2記載のタッチスイッチモジュール。
【請求項4】
前記連続接触用閾値、前記単接触用閾値及び前記長接触用閾値は変更可能である請求項1乃至3のいずれか1項記載のタッチスイッチモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチスイッチモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来のタッチスイッチモジュールが開示されている。このタッチスイッチモジュールは、パネルとタッチセンサと制御手段とを備えている。パネルには、
車両の空調装置の操作を指示するための画像情報が表示されている。タッチセンサは、パネルに形成された静電容量センサである。タッチセンサは、使用者の指が画像情報に接触した際に発生する電圧値から、その接触を検知する。制御手段は、タッチセンサに接続されている。制御手段は、その接触に基づいて
空調装置を操作する操作信号を出力する。制御手段では、接触を検知する所定の閾値が定められている。
【0003】
このタッチスイッチモジュールでは、接触による電圧値が閾値以上となった場合、制御手段が画像情報への接触と判定する。そして、制御手段は
空調装置に操作信号を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−118903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のタッチスイッチモジュールでは、電圧値が所定の閾値以上となれば、パネルへのいかなる接触も画像情報への接触とし、
空調装置に対して操作信号を出力する。このため、使用者が意図しない接触をしただけで、
空調装置が誤動作するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、意図しない接触による
空調装置の誤動作を防止することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタッチスイッチモジュールは、
車両の空調装置の操作を指示するための画像情報が表示されたパネルと、
前記パネルに形成され、前記画像情報への接触を検知するタッチセンサと、
前記タッチセンサに接続され、前記接触に基づいて前記
空調装置を操作する操作信号を出力する制御手段とを備えたタッチスイッチモジュールにおいて、
前記制御手段は、前記接触が行われた接触時間を検出する接触時間検出部と、前記接触時間を予め定めた閾値と比較する比較部と、前記接触時間が前記閾値以上であれば前記操作信号を出力する出力部と、前記接触時間が前記閾値未満であれば前記操作信号の出力を禁止する出力禁止部とを有し、
前記接触は、短時間かつ連続して行われる連続接触と、一度で行われる単接触と
、長時間かつ一度で行われる長接触とからなり、
前記画像情報は、前記連続接触が行われる連続接触用画像情報と、前記単接触が行われる単接触用画像情報と
、前記長接触が行われる長接触用画像情報とからなり、
前記閾値は、前記連続接触用画像情報の前記接触時間と比較される連続接触用閾値と、前記単接触用画像情報の前記接触時間と比較される単接触用閾値と
、前記長接触用画像情報の前記接触時間と比較される長接触用閾値とからなり、
前記連続接触用閾値と前記単接触用閾値と
前記長接触用閾値とは互いに異な
り、
前記制御手段は、前記連続接触用画像情報への前記接触である場合、前記比較部が前記接触時間と前記連続接触用閾値及び前記長接触用閾値とを順番に比較し、前記単接触用画像情報への前記接触である場合、前記比較部が前記接触時間と前記単接触用閾値及び前記長接触用閾値とを順番に比較することを特徴とす
る。
【0008】
本発明のタッチスイッチモジュールでは、制御手段の接触時間検出部は、画像情報への接触が行われた接触時間を検出する。また、制御手段の比較部は、接触時間を予め定めた閾値と比較する。そして、制御手段の出力部は、接触時間が閾値以上であれば、操作信号を出力する。しかし、制御手段の出力禁止部は、接触時間が閾値未満であれば、操作信号の出力を禁止する。このため、使用者が意図しない接触をするような場合、そのような時間に相当する閾値を予め定めておけば、その接触によっては、
空調装置を操作する操作信号が制御手段から出力されず、
空調装置は誤動作を生じない。
【0009】
この場合、使用者が接触する頻度等によって画像情報を区別し、それらに対する誤接触を区別することができる。このため、使用者がより好適に
空調装置を操作することが可能となる。
【0010】
したがって、本発明のタッチスイッチモジュールでは、意図しない接触による
空調装置の誤動作を防止することが可能である。
【0012】
タッチセンサとしては、静電容量方式のセンサの他、機械式のボタンであってもよいし、表面弾性波方式、赤外線方式、抵抗膜方式等のセンサであってもよい。また、本発明において、接触は、画像情報に触れた場合に限られず、信号が生成可能に近接する場合も含む。画像情報は、静電容量方式等のパネルに表示されたアイコン等であり得る。
【0013】
閾値は、連続接触用閾値の方が単接触用閾値よりも
小さいことが好まし
い。この場合、閾値を接触時間と整合させることが可能となり、使用者がより操作し易い。
【0014】
接触は、連続接触と、単接触と、長時間かつ一度で行われる長接触とから
なる。画像情報は、連続接触用画像情報と、単接触用画像情報と、長接触が行われる長接触用画像情報とから
なる。閾値は、連続接触用閾値と、単接触用閾値と、長接触用画像情報の接触時間と比較される長接触用閾値とから
なる。連続接触用閾値と単接触用閾値と長接触用閾値とは互いに異なってい
る。連続接触用閾値、単接触用閾値及び長接触用閾値は変更可能であ
る。
【0015】
この場合、使用者が接触する頻度等によって画像情報を区別し、それらに対する誤接触を区別することができる。このため、使用者がより好適に
空調装置を操作することが可能となる。
【0016】
また、この場合、このタッチスイッチモジュールでは、連続接触用閾値、単接触用閾値及び長接触用閾値は変更可能であるため、使用者の意思でカスタマイズできる。このため、使用者がより操作し易い。
【0017】
閾値は、連続接触用閾値<単接触用閾値<長接触用閾値の関係であることが好まし
い。この場合、連続接触用閾値、単接触用閾値、長接触用閾値の順番で閾値が高くなっているため、閾値を接触時間と整合させることが可能となり、使用者がより操作し易い。
【0018】
タッチスイッチモジュールを用いた車両の空調装置
によれば、走行中、使用者によって車室内の温度調節が好適に行われる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のタッチスイッチモジュールでは、意図しない接触による
空調装置の誤動作を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例のタッチスイッチモジュールを用いたインスツルメントパネルの正面図である。
【
図2】実施例のタッチスイッチモジュールのパネルの正面図である。
【
図3】実施例のタッチスイッチモジュールを示すブロック図である。
【
図4】実施例のタッチスイッチモジュールに係り、パネルを操作した場合のフローチャートである。
【
図5】実施例のタッチスイッチモジュールに係り、パネルを操作した場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のタッチスイッチモジュールを具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1及び
図3に示すように、実施例
のタッチスイッチモジュール1
は空調装置9を制御する。
図1に示すように、タッチスイッチモジュール1は、車室内で左右に延在しているインスツルメントパネル3の中央部の下方に搭載されている。なお、インスツルメントパネル3は、タッチスイッチモジュール1の他、カーナビゲーション5と、センターレジスタ7とを有している。
【0023】
タッチスイッチモジュール1は、
図3に示すように、パネル2を備えている。パネル2には、
図2に示すように、表示部2aが設けられているとともに、12個のタッチパッド2b及び左右のスライドバー2c、2dが表示されている。
【0024】
表示部2aは、パネル2の上方に位置し、車幅方向に延びている。表示部2aには、空調装置9の設定状態や現在の状態を表す種々の項目が表示されている。
【0025】
各タッチパッド2bが指で押圧して空調装置9を操作する画像情報3に相当する。各タッチパッド2bは、表示部2aに表示されている種々の項目に対応している。各タッチパッド2bは、パネル2の下方に2段に設けられている。上段のタッチパッド2bは、左側から右側に向って設けられたスイッチA、スイッチB、スイッチC、スイッチD、スイッチE及びスイッチFからなる。下段のタッチパッド2bは、左側から右側に向って設けられたスイッチG、スイッチH、スイッチI、スイッチJ、スイッチK及びスイッチLからなる。
【0026】
スイッチAにより、図示しない左側座席のシートヒータのONとOFFとを切り替えることが可能である。スイッチBにより、空調装置9を停止することが可能である。スイッチCにより、空調装置9を自動モードにすることが可能である。スイッチDにより、図示しないフロントガラスの曇り止めを防止することが可能である。スイッチEにより、空調装置9の風量を大きくすることが可能である。スイッチFにより、図示しない右側座席のシートヒータのONとOFFとを切り替えることが可能である。スイッチGにより、図示しない運転席に吹き出される風の温度と図示しない助手席に吹き出される風の温度とを別々に設定することが可能である。スイッチHにより、車室の内気循環を行うことが可能である。スイッチIにより、フロントガラスの曇り止めを防止し、かつ運転席並びに助手席に座っている人の下半身と上半身とに風を吹き出させることが可能である。スイッチJにより、空調装置9の風量を小さくすることが可能である。スイッチKにより、図示しないリアガラスの曇り止めを防止することが可能である。スイッチLにより、空調装置9の除湿及び冷房を起動又は停止させることが可能である。
【0027】
スライドバー2c、2dも画像情報3に相当する。スライドバー2c、2dは、
図2及び
図3に示すように、車両の運転者の他、助手席の搭乗者も使用者として指により操作できるように、各タッチパッド2bの左右に位置している。スライドバー2c、2dにより、空調装置9が車室内に吹き出す風の温度を上下させることが可能である。
【0028】
スライドバー2c、2d、スイッチA、スイッチE、スイッチF及びスイッチJは、連続接触を行うことが可能な連続接触用画像情報3bである。スライドバー2c、2d、スイッチA、スイッチE、スイッチF及びスイッチJは、使用者が車室内の環境を調節しようと連続した接触を高い頻度で行うため、連続接触用画像情報3bとしている。
【0029】
また、スイッチB〜D、スイッチG〜I、スイッチK及びスイッチLは、単接触を行うことが可能な単接触用画像情報3aである。スイッチB〜D、スイッチG〜I、スイッチK及びスイッチLは、ON又はOFF操作といった、使用者が単一の接触しか行わず、接触を行う頻度がそれほど高くないため、単接触用画像情報3aとしている。なお、スライドバー2c、2d及びスイッチA〜Lは、使用者がいずれか2か所以上に長接触を行った場合に、長接触を行うことが可能な長接触用画像情報3cとなる。
【0030】
ここで、接触は、連続接触と単接触と長接触とからなる。連続接触は短時間かつ連続して行われる。単接触は一度で行われる。長接触は、長時間かつ一度で行われる。
【0031】
タッチスイッチモジュール1は、
図3に示すように、上記パネル2の他、タッチセンサ13と制御手段としてのECU15とを備えている。
【0032】
タッチセンサ13は、パネル2の各画像情報3の裏面に設けられている。タッチセンサ13はパネル2への接触を検知する。タッチセンサ13としては、静電容量方式が採用されている。
【0033】
ECU15はタッチセンサ13と接続されている。ECU15には、
図4に示すフローチャートを実行するためのプログラム等が格納されている。ECU15は、
図3に示すように、接触時間検出部17と、比較部19と、出力部21と、出力禁止部23とを有している。
【0034】
接触時間検出部17は、接触が行われた接触時間Txを検出する。比較部19は、接触時間Txを予め定められた閾値と比較する。比較部19には、互いに異なる連続接触用閾値Tc、単接触用閾値Ts及び長接触用閾値Tlが格納されている。各閾値は、連続接触用閾値Tc、単接触用閾値Ts及び長接触用閾値Tlの順で長時間とされている。
【0035】
車室内の使用者は、車室内の温度に応じ、表示部2aに表示されている種々の項目を見ながら、パネル2を操作し、空調装置9を操作する。使用者がパネル2を操作した場合、ECU15が
図4に示すフローチャートをスタートする。
【0036】
使用者がスイッチA〜Lまたはスライドバー2c、2dを操作した場合、ステップS1において、タッチセンサ13が画像情報3への接触を検知する。
【0037】
続くステップS2において、連続接触用画像情報3bに接触されているか否かを判断する。連続接触用画像情報3bであるスライドバー2c、2d、スイッチA、スイッチE、スイッチF及びスイッチJに接触されている場合は、YESとなり、ステップS3に進む。ステップS3において、タッチセンサ13が連続接触用画像情報3bへの接触であると認定する。
【0038】
続くステップS4において、接触時間検出部17がパネル2に接触されていた接触時間Txを検出する。
【0039】
続くステップS5において、比較部19は、接触時間Txと連続接触用閾値Tcとを比較する。接触時間Txが連続接触用閾値Tc未満である場合は、NOとなり、ステップS9に進む。
【0040】
ステップS9において、出力禁止部23は、接触時間Txの操作信号の出力を禁止し、スタートに戻る。
【0041】
ステップS5において、接触時間Txが連続接触用閾値Tc以上である場合は、YESとなり、ステップS6に進む。
【0042】
ステップS6において、比較部19は、接触時間Txと長接触用閾値Tlとを比較する。接触時間Txが長接触用閾値Tl未満である場合は、連続接触と判断し、NOとなり、ステップS10に進む。
【0043】
ステップS10では、出力部21が連続接触用操作信号を生成する。続くステップS8において、出力部21は、連続接触用操作信号を空調装置9に出力し、スタートに戻る。
【0044】
ステップS6において、接触時間Txが長接触用閾値Tl以上である場合は、長接触と判断し、YESとなり、ステップS7に進む。
【0045】
ステップS7では、出力部21が長接触用操作信号を生成する。続くステップS8において、出力部21は、長接触用操作信号を空調装置9に出力し、スタートに戻る。
【0046】
一方、ステップS2において、単接触用画像情報3aであるスイッチB〜D、スイッチG〜I、スイッチK及びスイッチLに接触されている場合は、NOとなり、
図5に示すステップS11に進む。ステップS11において、タッチセンサ13が単接触用画像情報3aへの接触であると認定する。
【0047】
続くステップS12において、接触時間検出部17がパネル2に接触されていた接触時間Txを検出する。
【0048】
続くステップS13において、比較部19は、接触時間Txと単接触用閾値Tsとを比較する。接触時間Txが単接触用閾値Ts未満である場合は、NOとなり、ステップS17に進む。
【0049】
ステップS17において、出力禁止部23は、接触時間Txの操作信号の出力を禁止し、スタートに戻る。
【0050】
ステップS13において、接触時間Txが単接触用閾値Ts以上である場合は、YESとなり、ステップS14に進む。
【0051】
ステップS14において、比較部19は、接触時間Txと長接触用閾値Tlとを比較する。接触時間Txが長接触用閾値Tl未満である場合は、単接触と判断し、NOとなり、ステップS18に進む。
【0052】
ステップS18では、出力部21が単接触用操作信号を生成する。続くステップS16において、出力部21は、単接触用操作信号を空調装置9に出力し、スタートに戻る。
【0053】
ステップS14において、接触時間Txが長接触用閾値Tl以上である場合は、長接触と判断し、YESとなり、ステップS15に進む。
【0054】
ステップS15では、出力部21が長接触用操作信号を生成する。続くステップS16において、出力部21は、長接触用操作信号を空調装置9に出力し、スタートに戻る。
【0055】
このように、このタッチスイッチモジュール1では、連続接触用画像情報3bへの接触が行われた接触時間Txが連続接触用閾値Tc未満であれば、ECU15の出力禁止部23が操作信号の出力を禁止する。また、単接触用画像情報3aへの接触が行われた接触時間Txが単接触用閾値Ts未満であれば、ECU15の出力禁止部23が操作信号の出力を禁止する。このため、使用者が意図しない接触をするような場合、そのような時間に相当する連続接触用閾値Tc又は単接触用閾値Tsを予め定めておけば、その接触によっては、空調装置9を操作する操作信号がECU15から出力されず、空調装置9は誤動作を生じない。
【0056】
また、このタッチスイッチモジュール1では、使用者が接触する頻度等によって各画像情報3を区別し、それらに対する誤接触を区別することができる。このため、使用者がより好適に空調装置9を操作することが可能となる。
【0057】
また、このタッチスイッチモジュール1では、連続接触用画像情報3bへの接触である場合、ECU15が接触時間Txと連続接触用閾値Tc及び長接触用閾値Tlとを順番に比較していく。さらに、このタッチスイッチモジュール1では、単接触用画像情報3aへの接触である場合、ECU15が接触時間Txと単接触用閾値Ts及び長接触用閾値Tlとを順番に比較していく。このため、各閾値を接触時間Txと整合させることが可能となり、使用者がより操作し易くなる。
【0058】
また、このタッチスイッチモジュール1では、連続接触用閾値Tc、単接触用閾値Ts及び長接触用閾値Tlは変更可能である。例えば、使用者がタッチパッド2b上の所定の画像情報3に長接触すると、タッチスイッチモジュール1がカスタマイズモードに変更される。これにより、使用者の意思で各閾値をカスタマイズできるため、使用者がより操作し易くなる。
【0059】
したがって、このタッチスイッチモジュール1では、意図しない接触による空調装置9の誤動作を防止することが可能である。
【0060】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、車両の空調装置、オーディオ機器、ナビゲーションシステム、照明機器、携帯電話等に利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…タッチスイッチモジュール
2…パネル
3…画像情報(2b…タッチパッド、2c、2d…スライドバー)
3b…連続接触用画像情報
3a…単接触用画像情報
3c…長接触用画像情報
9
…空調装置
13…タッチセンサ
15…ECU(制御手段)
17…接触時間検出部
19…比較部
21…出力部
23…出力禁止部
Tc…連続接触用閾値
Ts…単接触用閾値
Tl…長接触用閾値
Tx…接触時間