(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のマウスピースであり、前記調節可能部材が所定の間隔で前記本体に関して動くように、前記調節可能部材と前記本体の間に複数のストップ表面が位置される、マウスピース。
請求項4に記載のマウスピースであり、前記ストップ表面が、少なくとも1つの突出部及び少なくとも1つの溝を含み、前記少なくとも1つの突出部が前記本体又は前記調節可能部材の1つに形成され、及び、前記少なくとも1つの溝が前記本体又は前記調節可能部材の他の1つに形成される、マウスピース。
請求項10に記載の装置であり、前記マウスピースの底部から延び、かつ舌が前記マウスピースを通じるエアロゾルの流れを邪魔することを防止するように構成される舌押し下げ装置をさらに含む、装置。
請求項10に記載の装置であり、さらに、前記容器内の医薬からエアロゾルの流れを起こす駆動装置を含み、かつ前記駆動装置が前記エアロゾルの流れを送達するために前記マウスピースと流通する、装置。
請求項10に記載の装置であり、前記装置が、定量噴霧式吸入器(MDI)、乾燥粉末吸入器(DPI)、ソフトミスト吸入器又は噴霧器を含む群から選択される、装置。
調節可能マウスピースを用いてユーザにエアロゾルを送達するように構成される装置のための固定マウスピースを選択するための方法であり、前記調節可能マウスピースが、
本体、
前記本体を通じて延びる孔、
前記マウスピースの上部の第1のステップ、
前記マウスピースの底部の第2のステップ、
前記ユーザのために前記第1のステップと前記第2のステップとの間の適切なオフセットを決めるための前記第1のステップと前記第2のステップとの間の長手方向距離を調節するように前記本体に関して長手方向に動くように構成される調節可能部材、
を含み、
前記第1のステップが前記本体に形成され、かつ前記第2のステップが前記調節可能部材に形成されるか、又は、前記第1のステップが前記調節可能部材に形成され、かつ前記第2のステップが前記本体に形成され、
前記方法が、
前記調節可能部材を患者の口に挿入し、
前記ユーザのために適切なオフセット量を決めるために前記本体に沿って長手方向に前記調節可能部材をスライドさせ、及び
前記決定されたオフセット量に基づき前記装置のために固定マウスピースを選択し、
前記オフセットが前記ユーザに選択された下顎の移動量を伝える、方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1つの実施態様では、本発明の装置はマウスピースを含み、前記マウスピースは、患者が前記装置を正しく使用する際に、前記マウスピースが患者の下顎をある位置に強いることで、患者の肺に吸入薬エアロゾルの堆積を増加させ、一方で前記マウスピースを通じるエアロゾルの流れを塞ぐことがないように患者の舌を押し付けるように構成される。前記装置は患者の肺の吸入薬エアロゾルの堆積を、患者の口内キャビティの立体形状を改善して空気/吸入薬エアロゾル混合物の層流を生じさせることで増加させる。さらに、顎をオフセットするための調節構成を有するマウスピースは、それぞれの患者に合わせて舌の後ろの気道の調節を可能となる。それぞれの患者の顎及び関連する解剖学的構造を適切に位置合わせすることが、吸入薬エアロゾル粒子が上部気道中に堆積することを妨げ、肺での堆積を増加させる。
【0015】
図面を参照して、
図1には本発明の1つの実施態様による装置10の例示的実施態様が示される。装置10は、中空本体11を含み、これは前部端12、中心区分20及び後部端30を含み、中空本体11を通じて仮想軸50を持つ。装置10はスタンドアロンマウスピース31であって、エアロゾル生成装置(例えば吸入装置又は噴霧器)に接続され得るものであり、又はマウスピース31が以下説明するように部品となる一体型のエアロゾル生成装置(例えば吸入装置又は噴霧器)であり得る。前記マウスピースは前部端12に入口ポート13を持つ。装置10はまた、前部端12から後部端30へ前記装置を通じる孔60を持つ。孔60は前部端12で入口開口部16で終端し、及び後部端30で出口開口部36で終端する。さらに、装置10は、前記マウスピース31の底部で後部端30に隣接して舌押さえ装置40を含む。
【0016】
筒状本体11は適切な材料で成形され得る。適切な材料には、全ての生物学的適合性材料であり、患者又は医学専門家による安全でかつ効果的な使用に受け入れられるものであり得る。吸入薬エアロゾル輸送の技術分野において普通に使用される材料が使用され得る。前記材料はまた、前記マウスピースに、患者がその使用の際に変形しないように構造を付されている。適切な材料には、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスルホン、ポリフタルアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリビニルクロリド、スチレンアクリロニトリル樹脂又はこれらのコポリマーが挙げられる。1つの実施態様では、適切な材料はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン又はポリカーボネートである。他の実施態様では、適切な材料はポリエチレン又はポリプロピレンである。他の材料、例えばシリコーン又はTPEがまた使用され得る。
【0017】
前記装置は一般的に、装置10が装置10の使用の際に実質的に変形しないように成形されるべきである。特に、患者がマウスピース31を噛む際に、前記マウスピースは中心区分20の内部断面を収縮させてはならない。さらに、マウスピース31が、吸入器又はスペーサーと接続されるように別のユニットである実施態様では、入口ポート13はまた、前記吸入器又はスペーサーから排気出口を容易に受け入れるように形成されるべきである。
【0018】
装置10は、医学装置のマウスピースを形成するために使用される技術において全ての方法で形成され得る。1つの実施態様では、マウスピースは反応射出成形で成形され得る。
【0019】
図示された実施態様では、
図2に詳細に示されるように装置10は複数の構造要素から組立てられる。個々の要素は成形により形成されるか、又はお互いに独立して成形され得る。より具体的に、図示されたマウスピース31は2つの部品で製造され得るものであり、主マウスピース体24と調節可能部材26である。調節可能部材26は、例えば
図1の矢印Aで示されるように、主体24に相対して平行又は長手方向に軸50に沿ってスライドするように構成される。
図3から6の説明においてさらに明らかとなるが、主マウスピース体24に対して調節可能部材26の位置づけは、使用者又は患者の上及び下顎の間の相対的なオフセットを設定する。
【0020】
主マウスピース体24は、一体として形成された前記中空本体11、前部端12、中心区分20及び後部端30を含む。入口ポート13は、吸入薬エアロゾル又は医薬ガスを入口開口部16を通じて受け入れる入口として作用する。入口開口部16は、マウスピース31が前記排気部又は前記噴霧器、吸入装置又はその他のエアロゾル生成装置に除去可能に接続され得るように適合される形状及び構造を持つ。他の実施態様では、入口16はエアロゾル生成装置と組み合わされた部品である。1つの実施態様では入口ポート13は、内部容積を定める円筒状輪郭壁により定められる。前記入口ポートの内部は、前記本体11の中心区分20の内側に流体的に接続されている。
【0021】
前記内部容積を囲む輪郭壁は、複数の形状を含み、限定されるものではないが、直円筒形状、わずかに内側に傾けられた壁を持つ円錐形状、わずかに外側に傾けられた壁を持つ円錐形状、又は一般的直円筒状(例えば楕円円筒形状)が挙げられる。1つの実施態様では、入口ポート13は、吸入装置の出口ポートと容易に組み合わせることができる全ての形状を持つ。
【0022】
輪郭壁14は、前部端12で周辺端15(隠れ線で示される)で終端する。1つの実施態様では、周辺端15は一般的にはわずかに丸められた角を持ち滑らかであり、吸入器の出口ポートを前記入口ポートと組み合わせることを補助する。他の実施態様では、前記周辺端部は鋭い角を持つ。前記のように他の実施態様では周辺端部15は装置などに一体化され得る。例えば端部15はエアロゾル生成装置の一部として別に定められることなく一体化成形され得る。
【0023】
前記装置の使用の際に、マウスピース31はエアロゾルを吸入薬エアロゾル輸送装置(
図1から6には図示されていない)から輸送する。吸入薬エアロゾル輸送装置とは、貯蔵された吸入薬エアロゾルが駆動されて出口ポートから吸入薬エアロゾルを輸送するための生成する装置、又は吸入薬エアロゾルが出口ポートを通じて流れる装置である。吸入薬エアロゾル輸送装置の例には、吸入器(通常パッファと参照される)及びスペーサーを含む。吸入器の例には、定量投与吸入器(MDI)、乾燥粉末吸入器(DPI)、ソフトミスト吸入器又は噴霧器が含まれる。噴霧器の例には、空気圧噴霧器、超音波噴霧器及びメッシュ噴霧器が挙げられる。
図7から8Bは、マウスピース31を持つかかる装置が示される。これらの装置は通常、薬含有容器を含み、及びいくつかは駆動装置を含み得る。ここで使用される用語「容器」は、加圧キャニスター又は粉末の非加圧DPI容器及び/又は他の薬又は薬物をその中に含むための加圧又は非加圧貯蔵装置を意味する。吸入薬エアロゾル輸送装置はまた、濃縮エアロゾル及び電気流体力学的エアロゾルを輸送する装置を含む。
【0024】
装置10は、1つの実施態様で、定量投与吸入器と協働して使用されるよいに設計される。共通の定量投与吸入器には、限定されるものではないが、次の商標名で市販されているものを含む。即ち、Airomir(TM)、Ventolin(R)、Atrovent(R)、Becloforte(R)、Benclovent(R)、Berotec(R)、Combivent(R)、Flovent(R)、Tilade(R)、Serevent(R)、Intal(R)、Vanceril(R)及びQVAR(R)である。
【0025】
ここで開示されるマウスピース31は、吸入薬エアロゾルを輸送する全ての装置と共に使用され得る。用語「吸入薬エアロゾル」とは、患者の肺にエアロゾル化剤形で患者に輸送されるように処方される全てのタイプの医薬を意味する。例えば、この開示の目的のために、DPIへの粉末粒子が1つのエアロゾルと考えられる(即ち、エアロゾルは液体粒子には限定されるものではない)。ここで使用される「エアロゾル」とは、ガス中の固体、溶液又は液体粒子の分散物を意味する。用語「エアロゾル」はまた、固体及び液体粒子の混合物のガス中の分散物をも意味する。用語「エアロゾル」はまた、ガス中の液体粒子であって、前記液体が少なくとも2つの液体の混合物であるものを意味する。かかる混合物は、均一な液体(溶液のような)であるか、又は不均一な液体(懸濁物のような)であり得る。
【0026】
また、装置10は、全ての通常の粒子サイズのエアロゾルと作用するように設計される。1つの実施態様では、前記平均エアロゾル粒子サイズは、0.1から10ミクロンである。他の実施態様では、前記平均エアロゾル粒子サイズは、0.5から5ミクロンである。他の実施態様では、エアロゾル粒子サイズは、サブミクロンサイズである。サブミクロンサイズの粒子の例は、ナノ粒子である。
【0027】
別々に成形されるマウスピース31については、入口ポート13と吸入薬エアロゾル輸送装置の出口ポートと一致させることはいくつかの方法で達成され得る。1つの実施態様では、吸入薬エアロゾル輸送装置の出口ポートは、入口開口部16を通じて摩擦的に装置10の入口ポート13内に適合される。この実施態様では、出口ポートの外側表面が、前記チューブ状体の内部表面17と接触することとなる。他の実施態様では、マウスピース31は、スペーサーに付けられるか、又は吸入薬エアロゾル輸送装置に付されるバルブ付き保持チャンバに付けられる。例えば、スペーサー及びチャンバはMDIアプリケーションと共に使用され得る。従って理解されるべきことは、装置10は、輸送装置にいくつかの方法で、直接又は間接的に付けられる、ということである。
【0028】
図に示される実施態様では、内部表面17は滑らかである。かかる滑らかさは、摩擦による適合メカニズムを補助する。他の実施態様で、内部表面17は、吸入薬エアロゾル輸送装置の出口ポートでの対応する構造とマッチさせる吸入薬エアロゾル輸送装置の出口ポートを保持することを助ける立体構造を持つ。かかる立体構造には、リッジ及び尾根構造と他の凸部構造、及び谷構造とその他の凹部構造を含む。かかる実施態様での内部表面17上のかかる立体構造は、吸入薬エアロゾル輸送装置の外側ポートの外側表面上の適合構造に適合調節される。
【0029】
他の実施態様では、吸入薬エアロゾル輸送装置の前記出口ポートは入口ポート13の上に適合する;すなわち、輪郭壁14の外部表面18が吸入薬エアロゾル輸送装置の出口ポートの壁の内部表面と接触する。他の実施態様では、外側表面18は、吸入薬エアロゾル輸送装置の入口ポートを吸入薬エアロゾル輸送装置の出口ポート上の対応する構造に適合させることで保持することを助ける立体構造を持つ。かかる立海構造には、山部と他の凸部構造、及び谷部と他の凹部構造が含まれる。かかる実施態様での外部表面18のかかる立体構造は、吸入薬エアロゾル輸送装置に出口ポートの内部表面上の適合構造に合わせられる。
【0030】
前記チューブ状本体11の中心区分20が入口ポートの1つの端部に付けられマウスピース31の他の端部に付けられる。中心区分20は中空であり、入口ポート13と流体的に流通している。前記中間区分の断面は、前記吸入薬エアロゾルが輸送されるために患者の口に適合させるマウスピースのために充分なサイズであれば全ての2次元形状であり得る。図で示される実施態様では、中心区分20は、楕円断面を有する。この実施態様では、前記中心区分の断面を定める楕円の短軸は垂直方向であり、前記中心区分の断面を定める楕円の長軸は水平方向である。他の実施態様では、中心区分20の断面には、円形、楕円、オーバル、正方形、角が丸められた正方形、2つの曲線を持つ長方形、又は4つの曲線を持つ長方形状が挙げられる。孔60の最も狭い点での孔60の断面の領域は前記断面積として定められる。かかる断面はmm
2で測定される。本開示の装置の断面積のサイズは、50と500mm
2の間であり、1つの実施態様では100と300mm
2との間である。
【0031】
図2で示されるように、チューブ状体11の中心区分20は上部側21と底部側22を持つ。上部側21も底部側22も共に、中心区分20と入口ポート13の間の境界からマウスピース31の前部ポートへ伸びている。
【0032】
装置10を適切に使用するためには、装置10は患者の上及び下の歯の間に適切に位置される必要がある。ひとつの実施態様では、患者は、装置10の上部側21を自分の上歯に接触させ、装置10の底部側39を自分の下歯に接触させるように配置する。ひとつの実施態様では、患者の下歯に適合される前記装置の底部側39は、前記チューブ状本体11に相対して移動可能である調節部材26上に設けられる。ひとつの実施態様では、上部側21は
図1及び2で示されるように、装置のユーザに装置10の軸方向を提示するためにマークが付されている。かかるマークは、文字記載、シンボル又は子供用描写の形であり得るが、他の全ての印が採用され得る。
【0033】
中心区分20はマウスピース31の後端部30で終端する。マウスピース31は、出口開口部36を有し、これを通じて吸入薬エアロゾルが患者の口内キャビティへ導入される。
【0034】
図示される実施態様では、マウスピース31は第1の(又は上部)ステップ32を含む。図示された実施態様では、ステップ32及び34が階段の1つの段に関係付けられるステップのように見えるように示されているが、本開示の目的においては用語「ステップ」とは少なくとも歯の一部分を受ける表面として定められる、ものである。従って、本開示を通じて、理解されるべきことは、「ステップ」は、上昇表面、異なる厚みを持つ表面、開口部、溝、クレバス、又はギャップなどのユーザの歯と合わせるように位置され又は構成される表面を含む。
図1から6に示されるように、第1の(又は上部)ステップ32は上昇表面を有し、中心区分20の上部側21上にステップを形成する。ステップ32は第2の上昇部33及び端部41を持つ。図示された実施態様では、ステップ32はライザー部33を持ち、前記後端部30に面する。
【0035】
マウスピース31はさらに、患者の上歯が置かれる領域38を含む。上前歯は、患者の上前歯が全戸上部側21と接触するように配置され、前記装置は、前記上前歯が第1の(又は上部)ライザー部33に対して押し付けられるように調節される。1つの実施態様では、上顎中切歯の切歯表面が領域38と係合(又は接触)し、一方同時に上顎中切歯の顔側表面(また頬面として参照される)がライザー部33と係合する。他の実施態様では、少なくとも1つの上顎側切歯の少なくとも1つの切歯表面が領域38と係合する。他の実施態様では、少なくとも1つの上顎側切歯の少なくとも1つの切歯表面がライザー部33と係合する。他の実施態様では、少なくとも1つの上顎側切歯の少なくとも1つの切歯表面が領域38と係合し、一方同時に少なくとも1つの上顎側切歯の少なくとも1つの切歯表面がライザー部33と係合する。
【0036】
マウスピース31の前記チューブ状本体11の底部に隣接して、調節部材26が設けられる。前記のように、調節部材26は、軸50(
図1で矢印Aで示される)に関して平行又は長手方向に前記主体24に相対して可動又はスライドするように構成され得る。調節部材26は、主体11に付けられるアタッチメント部44を含む。調節部材26のアタッチメント部44は、1つの実施態様では、少なくとも部分的に本体11を囲むか含むものである。アタッチメント部44は、1つの実施態様では、中心区分20の少なくとも底部22に対応する形状を持つ。1つの実施態様では、アタッチメント部44は、前記本体11の外側表面に対応する楕円形状を含む。アタッチメント部44は、側部46aと46bを含み、これらは前記本体11の反対側にある。他の実施態様では、調節部材26はスリーブを含み、これは主体24の本体11を実質的に囲む。
【0037】
1つの実施態様では、アタッチメント部44は本体11に接続される。アタッチメント部44は、例えば装置10の底部側22へスナップフィットされ得る。図示された実施態様では、体11は溝又はチャンネル28を、アタッチメント部44の一部を受けるための側の1つ又は両方の側に含む。
図2に示されるように、例えば、側部46a及び46bの内側表面は少なくとも接続部54(例えば突出部の形で)をアタッチメント部44を本体11に接続するために含み得る。接続部54は、例えば前記体のチャンネル28内に挿入されるようにサイズが決められ得る。他の実施態様では、1以上の突出部が本体11上に形成され、前記隣接する調節部材26内に溝が形成され得る。理解されるべきことは、本体11と調節部材26との間の全ての適切なスライド可能な接続が使用される、ということである。また、アタッチメント部44は除去可能な接続を持つように組立てられ得るものであり、例えば調節部材26をクリーニングするために外され得る。例えば、アタッチメント部44は、チャンネル28から前記接続部54を取り外すためにわずかに曲げることができるように十分フレキシブルであり得る。
【0038】
1つの実施態様で、主マウスピース本体11に相対して調節部材26の位置は、それらの間に相対的オフセットを設定するように設計され、それにより、装置10が使用される際にはユーザ又は患者の上顎及び下顎をオフセットする。従って、調節部材26には、下顎の前後の選択された動きを与えるようにステップ付き構造が設けられる。図示される実施態様では、調節部材26は第2(又は下部)のステップ34を含む。第2(又は下部)のステップ34は、アタッチメント部44の底部側45上にステップを形成する表面である。図示された実施態様では、ステップ34は前に面し(前端部12の方向)、このことは、装置の底部側22に沿って端部12から後端部30の方向を見ると、第2(又は下部)ライザー部35が見えるということを意味する。第2のライザー部35はまた、第2のステップ34の端部42を含む(
図3及び5に示される)。
【0039】
調節部材26はさらに、患者の下歯が置かれる領域39を含む。患者の下前歯は、前記下前歯が底部側45に接触するように置かれ、前記装置が、前記下前歯の後ろが第2の(又は下部)ライザー部35に対して押し付けられるように調節される。本開示の1つの実施態様では、下顎中切歯又は下顎側切歯の少なくとも1つの切歯表面が領域39に係合し、一方で同時に下顎中切歯又は下顎側切歯の少なくとも1つの舌側表面がライザー部35に係合する。下顎切歯の切歯表面と領域39との同時の係合又は接触及び下顎切歯の舌側表面とライザー部35との同時の係合又は接触の全ての組み合わせが好ましい。
【0040】
装置10の表面と歯表面との用語「接触」及び「係合」とは、歯表面と装置表面の一部分との全部又は完全な一致を必要とするものではない。歯表面の例えば一点でも装置10の表面の小さな部分と接触するだけでも十分である。従って、1つの実施態様では、上顎切歯の顔側表面が、第1の(上部)ステップ32のエッジ41上で第1の(上部の)ライザー部33と係合/接触することができる。他の実施態様では、下顎切歯の舌側表面が、第2の(下部)ステップ34のエッジ42上で第2の(下部)のライザー部35と係合/接触できる。
【0041】
また、理解されるべきことは、第1(又は上部)及び第2(又は下部)のステップ32、34は図示される態様には限定されるべきではなく、切り替えられ得る、ということである。例えば、調節部材(舌押し付け装置なしで)は、前記本体11の上部表面に位置され、上部ステップ32が前記本体11に相対して可動であり、前記下部ステップ34がチューブ状本体11の下部に固定され得る。1つの選択的実施態様では、前記本体11には固定舌押し付け装置が含まれる。
【0042】
装置の第1の(又は上部の)ステップ32の第1の(又は下部の)ステップ34との相対的な位置及び距離は実施態様に従って設定され得るものである。前記ステップオフセットはミリメートルで測定され、軸50に沿った距離であり、前記第1の(又は上部)ステップ32と第2の(又は下部)ステップ34との間の相対的距離である。マウスピースのステップオフセットの異なる値が可能である。ステップオフセット0mm(ゼロ)とは、第1の(又は上部)ステップ32が第2の(又は下部)ステップ34と長手方向に配列されていることを意味する。
図5および6での正のオフセット値は、第1の(又は上部)ステップ32が、さらに軸50に沿って第2の(又は下部)ステップ34よりも後ろにあることを意味する(即ち、マウスピース31の後端部により近い)。1つの実施態様では、調節部材26の移動は、患者へ選択された量の下顎の移動(例えば前又は後ろに)を調節する又は行わせるように構成される。1つの実施態様では、調節部材26の移動は、前記第1の(又は上部)ステップ32及び第2の(又は下部)ステップ34の間を調節する。
【0043】
用語「さらに後ろ」又は「さらに前に」とは、装置10の中心を通る軸50に関してお互いに相対的ステップの位置を示す。装置10の軸50から1つのステップの中心への仮想直角投影線の交差位置が、装置10の軸50から他のステップへの中心への仮想直角投影線の交差位置と比較される。前記投影線の交差が前記装置の軸に沿ってさらに後ろであるステップが、さらに後ろである、又は装置10の端部(例えば後端部30又は前端部12)に近いと考えられる。
【0044】
1つの実施態様では、少なくとも1つの突出部52が、アタッチメント44の側46a及び46b上に設けられる。図示される実施態様では、複数の突出部52が等間隔の歯の形状で設けられる。また、溝又はチャンネル28には、複数の協働的な等間隔の歯又はツメが含まれる。調節部材26の少なくとも1つの突出部52は、本体11のチャンネル28の前記歯又はツメの間の等間隔の凹部で受けられる。他の実施態様では、少なくとも1つの突出部が、前記本体11上に設けられ、調節部材26での等間隔の凹部内に受けられる。それぞれの歯、突出部又は凹部は、オフセットを決めるための所定の設定に対応する。従って、調節部材26が、前記長手方向(軸50に平行)に動かされると、少なくとも1つの突出部52が前記歯又はツメ56の1つと協同的合するように移動するように構成される。
【0045】
前記所定の設定は、上歯(又は上顎)に関して下歯(又は下顎)の位置についての第1の(又は上部)ステップ32と第2の(又は下部)ステップ34のオフセット値を示す所定の間隔に対応する。例えば上前歯が領域38上に置かれて第1の(又は上部)ライザー部33に対抗し、一方で同時に下前歯が領域39に置かれて第2の(又は下部)ライザー部35に対抗すると、前記下顎は不自然に前に押される(例えば
図5のライザーの位置を参照)。0mm(ゼロミリメートル)のオフセット値でも、下歯は上歯に比べて前に進む。というのはほとんどの患者にとって歯の自然の位置は、上前歯は下前歯のやや上で適合するからである。従って、調節部材26を動かすことで、前記オフセットがそれぞれの患者の適するように調節され得る。かかる移動は、少なくとも1つの前記突出部(又は歯)と、前記体と調節部材との間の少なくとも1つの凹部(又は等間隔の歯)との間の係合により防止される。しかし、前記体及び前記調節部材との間の相対移動を手動で強いることで、前記相互係合部品の僅かな曲がりの結果としてこの防止力に勝つことができる。オフセット間の移動を効果的にする力の程度は望む程度に設けられ得る。
【0046】
図1に示されるように、他のマーク134が場合により前記本体11に前記ステップ間の相対的オフセットを示すために設けられる。例えば、ステップ32と34のオフセット値に対応する整列マーク134で配列するためにアタッチメント部44の側46a及び/又は46bの1つ又は両方に、インジケータ62が含まれ得る。数字の指示136はまた、前記体11に、それぞれの整列マーク134の測定オフセット値を示すために設けられ得る。他の実施態様(図示されない)では、前記指示62は前記本体11上に設けられ及び前記マーク134及び/又は指示は、調節部材26の上に設けられ得る。非限定的である範囲として、+2から−4のオフセットが設けられ得る。1つの実施態様では、マーク134及び/又は指示136は装置上に、患者が読み取り可能なように、又は患者の方に方向付けられており、これにより自分でエアロゾル薬を投与する場合に患者が適切な方向を向けることができるようになる。突出部52と凹部56は、前記第1の(又は上部)ステップ32と第2の(又は下部)ステップ34を正又は負のオフセット値に設定するために使用され得るが、これらの図示された態様に限定されるものではない。
【0047】
調節部材26の動きは、前記本体11に設けられる突出部又は凹部56の程度により限定され得る。例えば、
図3及び4は、調節部材26が最も後部位置(即ち、調節部材26が押されて後端部30へ動かされる)にある装置10の正面図及び断面図をそれぞれ示す。この場合、前記第1の(又は上部)ステップ32及び第2の(又は下部)ステップ34は、前記ライザー部がエアロゾル輸送中に患者の歯と係合する際に、負のオフセット値(例えば−2)を持つ。
図5及び6は、調節部材26が最も前部位置(即ち、調節部材26が押されて前端部12へ動かされる)にある装置10の正面図及び断面図をそれぞれ示す。この場合には、前記第1の(又は上部)ステップ32及び第2の(又は下部)ステップ34は、前記ライザー部がエアロゾル輸送中に患者の歯と係合する際に、最大又は正のオフセット値(例えば+4)を持つ。
【0048】
また、前記本体11は、入口ポート13と中心区分20の表面69が会う点(
図5に示される)で限定端部58を含み、これは前記スリーブ部26が前記体11に沿ってさらに前端部12の方向に押され又はそこから除去されることを防止する。
【0049】
さらに加えて、アタッチメント部44の側部46aと46bはそれぞれ上端部48aと48bを有し、これらは前記装置10のガイド端部52a及び52bに沿って配列されガイドされる。アタッチメント部44の上端部48a及び48bは、アタッチメント部44の長さに沿って設けられ、アタッチメント部44の前端部64で終るようにされ得る。組み立てられると、前記上端部48a及び48bは端部52aおよび52bと同じ高さとなって、隣接して(チャンネル28を介しての移動と共に)動くようにガイドされる。
【0050】
図3で示されるように最も後に位置である場合には、例えばアタッチメント部44の前端部64が後端部30の出口開口部36の前端部37と整列され、端部64と端部37の表面は実質的に同じ高さとなる。
図5で示される最も前位置では、例えばアタッチメント部44の後端部は前記限定端部58と整列され得る。
【0051】
図示される実施態様では、装置10は場合により舌押し下げ装置40を含む。舌押し下げ装置40は主マウスピース体24の底部側から伸びている。1つの実施態様では、調節部材26は舌押し下げ装置40を含む。例えば、
図1から6に図示される実施態様では、舌押し下げ装置40はスリーブ部44から伸びるように一体的に成形されている。他の実施態様では、舌押し下げ装置40は、マウスピース31と一体的に形成されるように構成され、例えば
図9と10に示されるように、後端部30から伸びる。下押し下げ装置40は前記マウスピース上に設けられて、(i)吸入気道通路に沿った空気又はエアロゾルの流れを邪魔せず、(ii)患者の舌先を前記した押し下げ装置40の下に適合させて、舌がマウスピース31(又は装置10)を通じるエアロゾルの流れを阻害しないようにする。
【0052】
特に舌押し下げ装置40は、アタッチメント部44から伸びる舌接触部68を含む。舌接触部68は上部70、下部72及び側部74を含む。1つの実施態様では、患者の口内に心地よく適合させるために、前記上部又は表面70は凹状に曲げられ、前記下部又は表面72は凸状に曲げられる。前記舌接触部68の側部74及び端部は一般には滑らかでありわずかに丸められた角を持つ。舌接触初68の少なくとも下部72は、口内に挿入され、かつ顎が領域38と39上に挟まれると患者の舌と接触する。舌接触部68は舌を下方向に押し付け、舌の自然なアーク形状を最小化させ、それによりエアロゾルの流れの邪魔を最小化させる。
【0053】
前記のように1つの実施態様では、舌押し下げ装置は、
図9及び10で示される(調節可能と言うよりはむしろ)固定オフセットを持つ装置10で使用され得る。装置10は、
図1から6の実施で表され説明されたコンポーネントと類似するコンポーネントを含み得る。従って、
図9と10には、上で説明されたコンポーネントに対応する同じ参照符号の多くが含まれる。
図10で詳細な図に示されるように、マウスピース31は、上部側に面する後端部30上に上部ステップ32を含み、底部側に面する前端部12に下部ステップ34を含む。選択的な実施態様では、上部ステップ32はさらに、下部ステップ34よりも後端部30の方に設けられる。この実施態様では、両方のステップ32と34が、固定された所定の関係で前記体11上に設けられる。これは、患者の顎をオフセットするための距離が既定されており、調節できないものである。例えば1つの実施態様では、両方のステップは1つの構造として一体化形成され得る。舌押し下げ装置40は底部側22から伸び、使用の際にマウスピース31を通じてエアロゾルの流れを邪魔しない。装置10aは、前記の吸入薬エアロゾル輸送装置のいずれかのような、既存の製品又は装置に置く及び/又は配置される追加キットとして使用され得るように構成される。装置10aはまた、それらの上で説明されたような適切な材料で形成され得る。具体的な実施態様では、装置10aは、シリコーン材料からなる。シリコーン材料は、例えば患者の歯からの圧力を受ける際にはわずかにフレキシブルである。他の実施態様では、これまでの全ての実施態様(及びその一部分)で、前記材料はまずプラスチックから形成され、その後その上にシリコーン、ゴム又はその他の弾性材料などのよりフレキシブルな材料で形成され得る。
【0054】
装置10のし用の方法は以下
図1から6を参照して説明される。使用の間に、前記装置は、患者の上歯及び下歯の間に位置される。患者は前記装置を自分の口に入れ、吸入薬エアロゾルを前記入口ポートに導入して吸入薬エアロゾルを前記装置を通じて患者の口内キャビティへ、かつ最終的には肺へ流す。患者が装置10を用いる際に、患者は前記上前歯を前記装置10の第1の(又は上部)ステップ32に押し付け、次に下歯を前記装置10の第2の(又は下部)ステップ34に対して引き付ける。患者の舌は、前記舌押し下げ装置40の下に位置されその底部72で接触されるべきである。一般的に、これにより上気道を、吸入薬エアロゾルを患者の肺に輸送するために開くこととなる。しかし、最初患者の口内に挿入される際に第1の(又は上部)ステップ32及び第2の(又は下部)ステップ34により設けられるオフセットは、軸50に平行な長手方向に前記中空本体11に関して前記調節部材26のアタッチメント部44をスライドさせることで、さらに患者の口を開く(又は閉じる)ことで調節され得る。
【0055】
患者は、吸入薬エアロゾルが輸送されることが望まれる人であり、用語「患者」とは病人と同様に健康人含む。装置10は、患者の下顎切歯および上顎切歯を用いて前記体11と調節部材26を挟むことで患者60により保持され得る。下顎切歯の切歯表面と領域38が係合し、下顎切歯が第1の(又は上部)ライザー部33と接続され、上顎切歯の切歯表面が領域39と係合し、かつ舌側表面が端部42と係合する。
【0056】
ステップ付きマウスピースと舌押し下げ装置(前記ステップが可動又は固定のいずれか)により、顎の開放及び進行が組み合わされて舌が邪魔をしないようになる。これは気道を広げるだけでなく、また患者の舌を適切な位置に置く。さらに、前記調節可能な実施態様では、ここで記載された装置10は、前記歯のオフセットと歯の間の開口を、個々の患者に適するように舌の裏側の気道を開くように調節することが可能となる。
【0057】
理解されるべきことは、ここで記載された図示された調節可能部材の実施態様はなんら限定されるものではない、ということである。例えば、調節可能部材26は、前記のように下部又は底部部品として示されるが、本開示は、部材26と前記本体11が、調節なしの開口部を持つ調節不可の一体を含むものである。又は調節可能部材26は調節可能な上部部品を含み得る。また、前記ステップ(32と34)の調節可能性と舌押し下げ装置40に関連して説明された構成は、お互いに依存するものではなく、別々に使用できるものである。
【0058】
上で説明された装置の調節可能という面は、個々の患者の正しいオフセット設定値を見出すために医者又は看護師により使用され、それを用いて示されたオフセット参照値/指示数を用いて、個々の患者に適する固定オフセットマウスピースを注文するために使用され得る。かかるタイプのマウスピースは、2008年12月23日出願の米国特許出願第61/140、138号明細書に記載されているものであり、この内容は参照されて本明細書に援用される。さらに、顎のオフセット、顎間の開口及び舌押し下げ装置のサイズの最適位置を決定するためにここで開示された調節可能なマウスピースを用いて気道の領域の測定方法(音響鼻腔計測法など)を用いて、固定マウスピースの選択又は注文するために必要とされるオフセット値を決定することができる。
【0059】
顎の開口の程度を変更するために、顎の間の開口を増加又は減少させるために異なる厚さ(又は高さ)を持つ調節可能部材26を使用することができる。
【0060】
開示された調節可能部材26及び舌押し下げ装置40は、装置10の使用又はタイプに関して限定されるべきではない。例えば、装置10はエアロゾル輸送で使用されるために別々のマウスピースであってよく、又は患者にエアロゾル輸送を補助するための一体装置であってエアロゾルの流れを生成するためのエアロゾル生成装置を含むものであってよい。
【0061】
いくつかの実施態様では、装置は主マウスピース体24と調節可能部材26を吸入薬エアロゾル輸送装置の構造に組み込むことができる。例えば1つの実施態様では、吸入薬エアロゾル輸送装置は、開示された調節可能なオフセット及び/又は舌押し下げ装置を持つ。一般的には、定量的投与吸入器は少なくとも2つのコンポーネント:キャニスタと駆動装置を含む。前記キャニスタはまた、エアロゾル生成装置を意味する。キャニスタは、患者の肺に輸送されるべき医薬、液化ガス放出物及び安定化材などのその他の賦形剤を含む。キャニスタはまた、駆動用部品を持つ定量投与バルブを含む。駆動装置は、前記駆動用部品と適合する放出ノズルを含む。吸入器を使用する患者は、駆動装置の下部分を支えてキャニスタの上部を押し下げる。駆動装置は、マウスピースを含むか、又はマウスピースと流体流通する。装置の駆動は医薬を含む一回分の定量投与の液体放出物を放出する。揮発性放出物が液滴になり、続いて前記液滴の急激な蒸発により前記医薬を含むミクロサイズの粒子が生成される。
【0062】
以下の説明では当業者に理解され得るように、類似の部品を示すために、いくつかの部品はこれまでの実施態様と同じ符号が付されている。
【0063】
本開示のマウスピースの周縁エッジは前記出口開口部を定めるための適した全ての形状を持ち得る。これまでの実施態様では、出口開口部は円形、楕円形、オーバル、正方形、角の丸い正方形、4つの曲線エッジを持つ正方形、長方形、角の丸い長方形、2つの曲線エッジを持つ長方形、4つの曲線を持つ長方形又はその他の適切な形状を持つ。
【0064】
開示された調節可能部材26と舌押し下げ装置40を持つ定量投与吸入器の1つの実施態様は
図7に示される。定量投与吸入器80は、キャニスタ型の容器(又はエアロゾル生成装置)81、及び駆動装置82を含む。吸入装置は後端部84にマウスピース31を含み、周辺エッジ86で定められる出口開口部36を含む。
図7の例示的実施態様は、前記周辺エッジ86で定められた開口部の形状が4つの曲線エッジを持つ正方形として示される。マウスピースはさらに、前記のように、第1の(又は上部)ステップ32をマウスピース31の上側に、及び第2の(又は下部)ステップ34をマウスピース31の下部側に含む。より具体的には、図示された実施態様では、第2のステップ34は調節可能部材26の底部側に設けられる。吸入装置80はまた、マウスピース31の底部側から伸びる舌押し下げ装置40を含む。
【0065】
本発明の他の実施態様では、調節可能部材26及び舌押し下げ装置40は、乾燥粉末吸入装置の構造に一体化されている。患者が乾燥粉末吸入装置を患者の歯の間に置く、全ての乾燥粉末吸入装置は、ステップ付きマウスピースを組み込むように適合され得る。乾燥粉末吸入装置は一回投与装置又は多数回投与装置であってよい。乾燥粉末吸入装置の例には、Aerolizer(R)、HandiHaler(TM)、Flexhaler(R)、Diskus(R)及びTwisthaler(R)が含まれる。
【0066】
乾燥粉末吸入装置の1つの実施態様は、
図8Aに示されるように調節可能部材26と舌押し下げ装置40を含む。乾燥粉末吸入装置100は容器101及びマウスピース31を含む。後端部102でマウスピース31は出口開口部36を含み、周辺エッジ104で定められる。
図8Aでの例示的実施態様は、周辺エッジ104で定められる開口部36が円形として示される。前記装置はさらに、上で説明したように、第1の(又は上部)ステップ32をマウスピース31の上側に含み、第2の(又は下部)ステップ34をマウスピース31の下側に含む。さらに具体的には、図示された実施態様では、第2のステップ34は、調節可能部材26の底部側に設けられる。吸入装置100はまた、マウスピース31の底部側から伸びる舌押し下げ装置40を持つ。
【0067】
さらに本発明の他の実施態様では、前記調節可能部材26と舌押し下げ装置40が噴霧器の構造に組み込まれる。患者が噴霧器のマウスピースを患者の歯の間に置く全ての噴霧器が、ステップ付きマウスピースを組み込むことができる。ここで記載された調節可能部材26と舌押し下げ装置40を含む噴霧器の例には、空気圧噴霧器、超音波噴霧器及びメッシュ噴霧器が含まれる。ステップ付きマウスピースと調節可能部材26及び舌押し下げ装置40を含む本開示の噴霧器はまた、濃縮エアロゾル及び電気流体力学的エアロゾルを輸送する装置を含む。
【0068】
調節可能部材26及び舌押し下げ装置40を含む噴霧器の実施態様は
図8Bに部分的に示される。噴霧器出口チューブ110はマウスピース31を含み、後端部112で出口開口部36を含む。前記装置はさらに、第1の(又は上部)ステップ32をマウスピース31の上側に含み、第2の(又は下部)ステップ34をマウスピース31の下側に含む。より詳しくは、図示された実施態様では、第2のステップ34は、調節可能部材26の底部側に設けられる。噴霧器出口チューブ110はまた、マウスピース31の底部側から伸びる舌押し下げ装置40を持つ。噴霧出口チューブ110は、チューブ119により、前記噴霧器の他の部分(医薬含有容器を含む)に接続される。
【0069】
本発明は、現在最も実用的であり好ましい実施態様であると考えられることに基づいて詳細に説明することを目的として記載されてきたが、理解されるべきことは、かかる詳細は前記の目的のためだけであり、本発明は開示された実施態様には限定されるものではないこと、及びむしろ本発明は、添付の特許請求の範囲の本質及び範囲に入る全ての変更や修正及び均等な構成を含むものである、ということである。
【0070】
例えば理解されるべきことは、本発明は、可能な限り、全ての実施態様の1以上の構成が、他の全ての実施態様の1以上の構成と組み合わせることができる、ということである。