特許第5806706号(P5806706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5806706
(24)【登録日】2015年9月11日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】画像読み取り装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20151021BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
【請求項の数】9
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-130682(P2013-130682)
(22)【出願日】2013年6月21日
(65)【公開番号】特開2014-99838(P2014-99838A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2014年8月27日
(31)【優先権主張番号】特願2012-227910(P2012-227910)
(32)【優先日】2012年10月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100086807
【弁理士】
【氏名又は名称】柿本 恭成
(74)【代理人】
【識別番号】100076222
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 啓介
【審査官】 松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−123091(JP,A)
【文献】 特開2001−156968(JP,A)
【文献】 特開2011−138188(JP,A)
【文献】 特開2010−282429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現ページ及び次ページの読み取りパラメータと現ページ及び次ページの画像処理パラメータとを記憶する記憶部と、
第1データ保持手段を有し、前記記憶部に記憶された前記現ページの読み取りパラメータに基づき、画像読み取り処理によって、複数の原稿から画像を読み取って第1画像データを生成し、前記第1画像データを前記第1データ保持手段に保持する画像読み取り手段と、
第2データ保持手段を有し、前記記憶部に記憶された前記現ページの画像処理パラメータに基づき、画像処理によって、前記第1データ保持手段に保持された前記第1画像データを処理して第2画像データを生成し、前記第2画像データを前記第2データ保持手段に保持する画像処理部と、
前記現ページの前記画像読み取り処理の終了後に、前記記憶部に記憶された前記次ページの読み取りパラメータを読み出して、前記画像読み取り手段へ与えると共に、前記現ページの前記画像処理の終了後に、前記記憶部に記憶された前記次ページの画像処理パラメータを読み出して、前記画像処理部へ与えるパラメータ制御部と、
前記記憶部、前記画像読み取り手段、前記画像処理部、及び前記パラメータ制御部を制御する制御手段と、
を備え、
前記読み取りパラメータを前記画像読み取り手段へ与えると共に、前記画像処理パラメータを前記画像処理部へ与えるためのパラメータ設定処理は、
前記画像読み取り手段及び前記画像処理部の複数の動作状態によって開始する画像読み取り装置であって、
複数の前記ページの前記読み取りパラメータに代えて、複数のパターンの前記読み取りパラメータを使用すると共に、複数の前記ページの前記画像処理パラメータに代えて、複数のパターンの前記画像処理パラメータを使用し、
前記記憶部は、
前記複数のパターンの前記読み取りパラメータと、前記複数のパターンの前記画像処理パラメータと、を記憶し、
前記複数の動作状態によって、前記画像読み取り手段及び前記画像処理部へ設定する前記パラメータを選択することを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記動作状態は、フラグ情報で表され、
前記フラグ情報を処理するフラグ処理部を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
現ページ及び次ページの読み取りパラメータと現ページ及び次ページの画像処理パラメータとを記憶する記憶部と、
第1データ保持手段を有し、前記記憶部に記憶された前記現ページの読み取りパラメータに基づき、画像読み取り処理によって、複数の原稿から画像を読み取って第1画像データを生成し、前記第1画像データを前記第1データ保持手段に保持する画像読み取り手段と、
第2データ保持手段を有し、前記記憶部に記憶された前記現ページの画像処理パラメータに基づき、画像処理によって、前記第1データ保持手段に保持された前記第1画像データを処理して第2画像データを生成し、前記第2画像データを前記第2データ保持手段に保持する画像処理部と、
前記現ページの前記画像読み取り処理の終了後に、前記記憶部に記憶された前記次ページの読み取りパラメータを読み出して、前記画像読み取り手段へ与えると共に、前記現ページの前記画像処理の終了後に、前記記憶部に記憶された前記次ページの画像処理パラメータを読み出して、前記画像処理部へ与えるパラメータ制御部と、
前記記憶部、前記画像読み取り手段、前記画像処理部、及び前記パラメータ制御部を制御する制御手段と、
を備え、
前記読み取りパラメータを前記画像読み取り手段へ与えると共に、前記画像処理パラメータを前記画像処理部へ与えるためのパラメータ設定処理は、
前記画像読み取り手段及び前記画像処理部の複数の動作状態によって開始する画像読み取り装置であって、
前記動作状態は、フラグ情報で表され、
前記フラグ情報を処理するフラグ処理部を設けたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項4】
前記第1データ保持手段では、
前記現ページの前記画像処理の終了後に、前記次ページの読み取りパラメータが書き込まれ、前記次ページの前記原稿の前記画像読み取り処理時に、前記次ページの読み取りパラメータが読み出され、
第2データ保持手段では
前記現ページの前記画像読み取り処理の終了後に、前記次ページの画像処理パラメータが書き込まれ、前記次ページの前記原稿における前記画像処理時に、前記次ページの画像処理パラメータが読み出される、
ことを特徴とする請求項3記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
前記画像読み取り処理及び前記画像処理は、
複数のパイプライン処理により実行され、
前記記憶部は、
前記複数のパイプライン処理において使用する前記読み取りパラメータ及び前記画像処理パラメータを記憶することを特徴とする請求項3又は4記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
前記画像読み取り処理及び前記画像処理を実行する前記パイプライン処理にそれぞれ用いる前記読み取りパラメータ及び前記画像処理パラメータを与えるタイミングは、
前記画像読み取り処理及び前記画像処理の前記パイプライン処理の完了時であることを特徴とする請求項5記載の画像読み取り装置。
【請求項7】
前記画像処理により実行される前記パイプライン処理は、シェーディング補正処理と、データ圧縮処理と、ガンマ補正処理と、を含むことを特徴とする請求項5又は6記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
前記記憶部は、
複数ページの前記画像読み取り処理に使用する複数の前記読み取りパラメータ及び複数ページの前記画像処理に使用する複数の前記画像処理パラメータを記憶し、
前記パラメータ制御部は、
前記現ページの前記画像読み取り処理の終了後に、前記記憶部に記憶された前記複数の読み取りパラメータを読み出して、前記画像読み取り手段へ与えると共に、前記現ページの前記画像処理の終了後に、前記記憶部に記憶された前記複数の画像処理パラメータを読み出して、前記画像処理部へ与えることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項記載の画像読み取り装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の画像読み取り装置と、
前記画像読み取り装置により読み取られて、前記画像読み取り処理及び前記画像処理が行われた前記第2画像データに基づき、記録媒体上に画像を形成する画像形成部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を画像データとして読み取る画像読み取り装置と、画像読み取り装置を内蔵し、画像読み取り装置が読み取った画像データに基づき紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動原稿搬送機能(Auto Document Feeder、以下「ADF」という。)を有する画像読み取り装置で連続して原稿を読み取る場合、1枚目の原稿の読み取り終了後に、2枚目の画像処理のパラメータを設定レジスタに設定してから記憶して、2枚目の原稿の読み取りを行っていた。このため、1枚目の原稿の読み取り終了から2枚目の原稿の読み取り開始までの切り替え時間がかかってしまうという問題があった。
【0003】
この問題を解決する方法として、下記特許文献1には、複数の設定レジスタを備え、1枚目の原稿の画像処理中に2枚目の原稿の画像処理パラメータを他方の設定レジスタへ記憶することにより、1枚目の原稿と2枚目の原稿との切り替え時間を短縮する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−11080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の画像読み取り装置では、複数の設定レジスタを備えるため、論理回路規模が増大すると共に、各ページの画像処理を行う論理回路やファームウェアの流用性が低くなる等の課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像読み取り装置は、現ページ及び次ページの読み取りパラメータと現ページ及び次ページの画像処理パラメータとを記憶する記憶部と、第1データ保持手段を有し、前記記憶部に記憶された前記現ページの読み取りパラメータに基づき、画像読み取り処理によって、複数の原稿から画像を読み取って第1画像データを生成し、前記第1画像データを前記第1データ保持手段に保持する画像読み取り手段と、第2データ保持手段を有し、前記記憶部に記憶された前記現ページの画像処理パラメータに基づき、画像処理によって、前記第1データ保持手段に保持された前記第1画像データを処理して第2画像データを生成し、前記第2画像データを前記第2データ保持手段に保持する画像処理部と、前記現ページの前記画像読み取り処理の終了後に、前記記憶部に記憶された前記次ページの読み取りパラメータを読み出して、前記画像読み取り手段へ与えると共に、前記現ページの前記画像処理の終了後に、前記記憶部に記憶された前記次ページの画像処理パラメータを読み出して、前記画像処理部へ与えるパラメータ制御部と、前記記憶部、前記画像読み取り手段、前記画像処理部、及び前記パラメータ制御部を制御する制御手段と、を備え、前記読み取りパラメータを前記画像読み取り手段へ与えると共に、前記画像処理パラメータを前記画像処理部へ与えるためのパラメータ設定処理は、前記画像読み取り手段及び前記画像処理部の複数の動作状態によって開始する装置である。
そして、ページの前記読み取りパラメータに代えて、複数のパターンの前記読み取りパラメータを使用すると共に、複数の前記ページの前記画像処理パラメータに代えて、複数のパターンの前記画像処理パラメータを使用し、前記記憶部は、前記複数のパターンの前記読み取りパラメータと、前記複数のパターンの前記画像処理パラメータと、を記憶し、前記複数の動作状態によって、前記画像読み取り手段及び前記画像処理部へ設定する前記パラメータを選択することを特徴とする。
【0007】
本発明の画像形成装置は、前記画像読み取り装置と、前記画像読み取り装置により読み取られて、前記画像読み取り処理及び前記画像処理が行われた前記第2画像データに基づき、記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像読み取り装置及び画像形成装置によれば、画像読み取り手段と、画像処理部と、記憶部と、パラメータ制御部と、制御手段と、を有し、パラメータ制御部が、現ページの画像読み取り処理の終了後に、記憶部に記憶された次ページの読み取りパラメータを読み出して、制御手段を介さずに画像読み取り手段へ与えると共に、現ページの画像処理の終了後に、記憶部に記憶された次ページの画像処理パラメータを読み出して、制御手段を介さずに画像処理部へ与えるようにしている。これにより、画像読み取り装置の論理回路の規模の増大化を抑制すると共に、原稿毎に画像処理を行う論理回路やファームウェアの流用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1図4中の画像読み取り装置2の主要部の構成の概略を示すブロック図である。
図2図2は本発明の実施例1における画像形成装置1の概略を示す外観図である。
図3図3図2の画像読み取り装置2のADFを説明する図である。
図4図4図2の画像形成装置1の概略の回路構成を示すブロック図である。
図5図5図1中のパラメータ制御部16におけるパラメータ設定の処理を示すフローチャートである。
図6図6図1中の読み取り機構部13の処理を示すフローチャートである。
図7図7図1中の画像処理部14の処理を示すフローチャートである。
図8-1】図8−1は図1中のCPU10、パラメータ制御部16、読み取り機構部13及び画像処理部14における画像読み取り処理の遷移を説明するシーケンス図である。
図8-2】図8−2は図1中のCPU10、パラメータ設定部16、読み取り機構部13及び画像処理部14における画像読み取り処理の遷移を説明するシーケンス図である。
図9図9は本発明の実施例2における画像読み取り装置2Aの構成の概略を示すブロック図である。
図10図10図9中のパラメータ制御部16Aにおけるパラメータ設定の処理を示すフローチャートである。
図11図11は本発明の実施例3における画像読み取り装置2Bの主要部の構成の概略を示すブロック図である。
図12図12図11中のCPU10におけるパラメータ設定処理を示すフローチャートである。
図13図13図12における設定パラメータ選択の一例を示す図である。
図14図14図11中の読み取りパラメータ設定処理を示すフローチャートである。
図15図15図11中の読み取り機構部13Bの処理を示すフローチャートである。
図16図16は本発明の実施例4における画像読み取り装置2Cの主要部の構成の概略を示すブロック図である。
図17図17図16中のCPU10におけるパラメータ設定処理を示すフローチャートである。
図18図18図17における処理パラメータ設定パターンの一例を示す図である。
図19図19図16中の読み取りパラメータ設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0011】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像形成装置1の概略を示す外観図である。
画像形成装置1は、画像読み取り装置2と、この画像読み取り装置2を搭載した画像形成部3と、を備えている。画像読み取り装置2は、例えば、スキャナであり、読み取りパラメータ15aに基づいて、紙等の原稿媒体上に画像が形成された原稿Gを光学的に読み取って第1画像データを出力すると共に、画像処理パラメータ15bに基づいて、第1画像データを画像処理して第2画像データを出力する装置である。画像形成部3は、例えば、プリンタであり、画像読み取り装置2で生成された第2画像データを用紙等の記録媒体上に画像を形成する装置である。
【0012】
画像読み取り装置2は、原稿Gを載置する載置台5を有し、この載置台5には、光を透過するガラス等により形成された透光板6が嵌め込まれている。載置台5の内部には、原稿Gに光を照射して画像を読み取る画像読み取り手段としての読み取り機構部13が設けられている。更に、載置台5の前面には、操作表示部としてのオペレーションパネル12が配設されている。
【0013】
載置台5の上部には、ADF部が開閉自在に設けられている。このADF部は、例えば、複数枚の原稿Gを積載する原稿積載部7と、自動原稿送り部8と、原稿排出部9と、により構成されている。自動原稿送り部8は、載置台5と原稿排出部9が閉じた状態において、原稿積載部7に積載された複数枚の原稿Gを1枚ずつ原稿読み取り部分へ送り、原稿排出部9へ出力するものである。
【0014】
画像形成部3の下部には、用紙等の記録媒体を収納するカセット3aが着脱自在に装着されている。カセット3aに収納された記録媒体は、図示しない紙送り機構により搬送され、画像読み取り装置2から出力される第2画像データに基づいて、画像形成され、画像読み取り装置2と画像形成部3の間の凹部に設けられた記録媒体排出部3bへ排出されるようになっている。
【0015】
図3は、図2の画像読み取り装置2のADFを説明する図である。
図3において、原稿積載部7に積載された原稿Gは、自動原稿送り部8により、矢印で示された経路を通り、読み取り機構部13の上を通過して、原稿排出部9へ排出される。読み取り機構部13は、発光部13aから、読み取り機構部13の真上を通過する原稿Gの部分に光を照射して、反射光を受光部13bで受光し、図示しない内部の光電変換素子により、第1画像データを得るものである。
【0016】
読み取り機構部13が原稿Gから画像を読み取って第1画像データを得る際、画像読み取り装置2の周辺の明るさや、原稿Gの媒体色等により、第1画像データの品質に影響が出るので、読み取り機構部13には、ユーザによりオペレーションパネル12によって読み取りパラメータが設定される。
【0017】
図4は、図2の画像形成装置1における概略の回路構成を示すブロック図である。
画像形成装置1を構成する画像読み取り装置2は、データ通信バス4を介して、画像形成部3と接続されている。データ通信バス4は、例えば、ユーエスビー(Universal Serial Bus、以下「USB」という。)インタフェースで構成されている。データ通信バス4は、制御手段としての中央処理装置(以下「CPU」という。)10が出力する命令や、画像処理部14が出力した第2画像データS14を送受信するための通信路である。
【0018】
画像読み取り装置2は、CPU10と、CPU10の制御プログラムを格納する読み出し専用記憶装置(Read only memory、以下「ROM」という。)11と、操作表示手段としてのオペレーションパネル12と、画像読み取り手段としての読み取り機構部13と、画像処理部14と、記憶部としてのメモリ15と、パラメータ制御部16と、インタフェース(以下「I/F」という。)制御部17と、が内部バス18を介して相互に接続されている。CPU10は、ROM11に格納された制御プログラムに基づいて、画像読み取り装置2の全体を制御するものである。
【0019】
読み取り機構部13は、原稿Gから画像を読み取り、第1画像データS13を出力するものである。画像処理部14は、読み取り機構部13が出力した第1画像データS13に対して、シェーディング補正処理、圧縮処理、ガンマ補正等の画像処理パラメータに基づく画像処理を行い、第2画像データS14を出力するものである。
【0020】
ここで、シェーディング補正処理とは、光学系や撮像系の特性による輝度むらに対して、一様な明るさの画像になるように補正する処理のことをいう。圧縮処理とは、一定の手順に従って、データの意味を保ったまま、容量を削減する処理のことをいう。更に、ガンマ補正とは、画像を読み取った赤(R)、緑(G)、青(B)の色の強さをそのまま印刷すると変化してしまうRGBの明るさの比を変化しないように、RGBの色の強さを調整する補正のことをいう。
【0021】
メモリ15は、読み取りパラメータ15a及び画像処理パラメータ15bの一時格納に使われる記憶部である。パラメータ制御部16は、読み取り機構部13の画像読み取り処理に用いる読み取りパラメータ15aや、画像処理部14の画像処理に用いる画像処理パラメータ15bの設定制御を行うものである。I/F制御部17は、データ通信バス4とのデータ送受信を制御するものである。
【0022】
図1は、図4中の画像読み取り装置2の主要部の構成の概略を示すブロック図である。
CPU10は、読み取り機構部13の制御に用いる読み取りパラメータ15aや、画像処理部14で使用する画像処理パラメータ15bを、メモリ15上に一時的に格納する機能を有している。
【0023】
パラメータ制御部16内の読み取りパラメータ制御部16aは、CPU10からの読み取りパラメータ設定命令と、読み取り機構部13の動作状態から、メモリ15上に格納された読み取りパラメータ15aを、読み取り機構部13へ受け渡す制御を行うものである。読み取り機構部13は、第1データ保持手段としてのレジスタ13aを有し、このレジスタ13aに設定された読み取りパラメータ15aに基づいて原稿Gから画像を読み取り、第1画像データS13を出力するものである。
【0024】
パラメータ制御部16内の画像処理パラメータ制御部16bは、CPU10からの画像処理パラメータ設定命令と、画像処理部14の動作状態から、メモリ15上に格納された画像処理パラメータ15bを画像処理部14へ受け渡す制御を行うものである。画像処理部14は、第2データ保持手段としてのレジスタ14aを有し、このレジスタ14aに設定された画像処理パラメータ15bに基づき、第1画像データS13の画像処理を行って第2画像データS14を出力するものである。
【0025】
又、読み取り機構部13及び画像処理部14は、CPU10やパラメータ制御部16に対して、各々の動作状態を通知する機能を有している。
【0026】
(実施例1の動作)
図1の画像読み取り装置2が原稿Gから画像を読み取って、第2画像データS14を出力する処理は、いわゆるパイプライン処理により実行される。即ち、CPU10が、パラメータ制御部16、読み取り機構部13及び画像処理部14に指示し、各部が連続的に繰り返し実行する処理を同時並行して実行する。
【0027】
先ず、パラメータ制御部16、読み取り機構部13及び画像処理部14の各部の処理について説明し、その後、画像読み取り装置2の全体の処理の遷移について説明する。
【0028】
図5は、図1中のパラメータ制御部16におけるパラメータ設定の処理を示すフローチャートである。
【0029】
先ず、図1を参照しつつ図5に沿って、本実施例1のパラメータ制御部16における読み取りパラメータ設定の処理について説明する。尚、説明の便宜上、本実施例1に関する動作のみを記載している。図5のフローチャート上の「パラメータ」は、読み取りパラメータ15a又は画像処理パラメータ15bを表している。
【0030】
ユーザが、オペレーションパネル12によって原稿Gの読み取り開始命令を行うと、パラメータ制御部16の処理が開始され、ステップST1へ進む。ステップST1において、パラメータ制御部16内の読み取りパラメータ制御部16aは、CPU10に対して、メモリ15上へ1ページ目の原稿Gの読み取りパラメータ15aの格納を要求して、ステップST2へ進む。
【0031】
ステップST2において、CPU10は、メモリ15上へ読み取りパラメータ15aの格納を行い、ステップST3へ進む。ステップST3において、CPU10は、読み取りパラメータ制御部16aに対して、読み取りパラメータ15aを読み取り機構部13に設定を開始させる命令を行うと(Y)、ステップST4へ進む。
【0032】
ステップST4において、読み取りパラメータ制御部16aは、メモリ15上に格納された読み取りパラメータ15aを読み取り機構部13に設定し、ステップST5へ進む。ステップST5において、設定完了後、読み取りパラメータ制御部16aは、CPU10に対して、パラメータの設定完了の通知を行うと共に、メモリ15上へ次ページの読み取りパラメータ15aの格納を要求し、ステップST6へ進む。
【0033】
ステップST6において、次ページの読み取りが有るか否かが判定され、次のページの読み取りが有る場合(Y)、ステップST7へ進む。ステップST7において、CPU10は、メモリ15上へ次ページの読み取りパラメータ15aの格納を行い、読み取りパラメータ制御部16aに次ページの読み取りパラメータ15aの格納完了を通知し、ステップST8へ進む。ステップST8において、読み取り機構部13による第1画像データS13の出力の完了を待ち(N)、第1画像データS13の出力の完了後(Y)、読み取りパラメータ制御部16aは、次ページの読み取りパラメータ15aを読み取り機構部13のレジスタ13aに設定する。以降、ステップST6において、次のページの読み取りが無くなるまで(N)、ステップST4〜ST8の処理を繰り返し、ステップST6において、次のページの読み取りが無くなると(N)、ステップST9へ進む。
【0034】
ステップST9において、CPU10は、読み取り機構部13による第1画像データS13の出力の完了を待ち(N)、第1画像データS13の出力の完了後、(Y)読み取りパラメータ制御の処理は終了する。
【0035】
次に、本実施例1のパラメータ制御部16における画像処理パラメータ設定処理について説明する。
【0036】
ユーザが、オペレーションパネル12によって原稿の読み取り開始命令を行うと、パラメータ制御部16の処理が開始され、ステップST1へ進む。ステップST1において、パラメータ制御部16内の画像処理パラメータ制御部16bは、CPU10に対して、メモリ15上へ1ページ目の原稿Gの画像処理パラメータ15bの格納を要求して、ステップST2へ進む。
【0037】
ステップST2において、CPU10は、メモリ15上へ画像処理パラメータ15bの格納を行い、ステップST3へ進む。ステップST3において、CPU10は、画像処理パラメータ制御部16bに対して、画像処理パラメータ15bを画像処理部14に設定を開始させる命令を行うと(Y)、ステップST4へ進む。
【0038】
ステップST4において、画像処理パラメータ制御部16bは、メモリ15上に格納された画像処理パラメータ15bを画像処理部14に設定し、ステップST5へ進む。ステップST5において、設定完了後、画像処理パラメータ制御部16bは、CPU10に対して、パラメータの設定完了の通知を行うと共に、メモリ15上へ次ページの画像処理パラメータ15bの格納を要求し、ステップST6へ進む。
【0039】
ステップST6において、次ページの読み取りが有るか否かが判定され、次のページの読み取りが有る場合(Y)、ステップST7へ進む。ステップST7において、CPU10は、メモリ15上へ次ページの画像処理パラメータ15bの格納を行い、画像処理パラメータ制御部16bに次ページの画像処理パラメータ15bの格納完了を通知し、ステップST8へ進む。ステップST8において、画像処理部14による第2画像データS14の出力の完了を待ち(N)、第2画像データS14の出力の完了後(Y)、画像処理パラメータ制御部16bは、次ページの画像処理パラメータ15bを画像処理部14のレジスタ14aに設定する。以降、ステップST6において、次のページの読み取りが無くなるまで(N)、ステップST4〜ST8の処理を繰り返し、ステップST6において、次のページの読み取りが無くなると(N)、ステップST9へ進む。
【0040】
ステップST9において、CPU10は、画像処理部14による第2画像データS14の出力の完了を待ち(N)、第2画像データS14の出力の完了後(Y)、画像処理パラメータ制御部16bの処理は終了する。
【0041】
図6は、図1中の読み取り機構部13の処理を示すフローチャートである。
図1を参照しつつ図6に沿って、実施例1における読み取り機構部13の処理を説明する。
【0042】
ユーザが、オペレーションパネル12によって原稿Gの読み取り開始命令を行うと、読み取り機構部13の処理が開始され、ステップST21へ進む。ステップST21において、図5に基づき説明した読み取りパラメータ制御フローによって、読み取り機構部13のレジスタ13aに1ページ目の原稿Gの読み取りパラメータ15aが設定されると、ステップST22へ進む。
【0043】
ステップST22において、1ページ目の原稿Gの読み取りパラメータ15aを設定後、CPU10が、読み取り機構部13に対し読み取り開始命令を行うと(Y)、ステップST23へ進む。ステップST23において、読み取り機構部13は、1ページ目の原稿Gの読み取りを開始し、ステップST24へ進む。ステップST24において、原稿Gの読み取り完了後(Y)、ステップST25へ進む。
【0044】
ステップST25において、次のページの読み取りが有るか否かが判定され、次のページの読み取りが有る場合は(Y)、ステップST26へ進む。ステップST26において、図5に基づき説明した読み取りパラメータ制御フローによって、読み取り機構部13のレジスタ13aに次ページの読み取りパラメータ15aが設定され、ステップST27へ進む。ステップST27において、読み取りパラメータ15aの設定完了後(Y)、ステップST22へ戻る。
【0045】
ステップST22において、CPU10は、読み取り機構部13に対し読み取り開始命令を行い(Y)、ステップST23へ進む。ステップST23において、読み取り機構部13は、次ページの原稿Gからの画像の読み取りを開始する。以後、ステップST25において、次のページの読み取りが無くなるまで(N)、ステップST22〜ST27の処理を繰り返し、ステップST25において、次ページの原稿Gの読み取りが無くなると(N)、読み取り機構部13の処理を終了する。
【0046】
図7は、図1中の画像処理部14の処理を示すフローチャートである。
図1を参照しつつ図7に沿って、図1中の画像処理部14の処理を説明する。
【0047】
ユーザがオペレーションパネル12によって原稿Gの読み取り開始命令を行うと、画像処理部14の処理が開始され、ステップST41へ進む。ステップST41において、画像処理パラメータ制御部16bによって、画像処理部14に1ページ目の原稿Gの画像処理パラメータ15bが設定され、ステップST42へ進む。ステップST42において、画像処理パラメータ制御部16bは、1ページ目の原稿Gの画像処理パラメータ15bの設定後、CPU10が画像処理部14に対して画像処理開始命令を行うと(Y)、ステップST43へ進む。
【0048】
ステップST43において、画像処理部14は、読み取り機構部13から出力された1ページ目の原稿Gの第1画像データS13に対して、レジスタ14aに設定された画像処理パラメータ15bに基づき、画像処理を行って第2画像データS14を出力し、ステップST44へ進む。ステップST44において、画像処理部14は、画像処理の完了後(Y)、ステップST45へ進む。ステップST45において、次ページの読み取りが有るか否かが判断され、有る場合(Y)、ステップST46へ進む。ステップST46において、画像処理パラメータ制御部16bによって、画像処理部14に次ページの画像処理パラメータ15bが設定され、ステップST47へ進む。ステップST47において、画像処理パラメータ15bの設定完了後(Y)、ステップST42へ戻る。
【0049】
ステップST42において、CPU10が、画像処理部14に対して画像処理開始命令を行い(Y)、ステップST43へ進む。ステップST43において、画像処理部14は、次ページの画像処理を開始する。以後、ステップST45において、次ページの画像処理が無くなるまで(N)、ステップST42〜ST47の処理を繰り返す。ステップST45において、次ページの画像処理が無くなると(N)、画像処理部14の処理は終了する。
【0050】
図8−1及び図8−2は、図1中のCPU10、パラメータ制御部16、読み取り機構部13及び画像処理部14における画像読み取り処理の遷移を説明するシーケンス図である。
【0051】
図1及び図5図7を参照しつつ、図8−1及び図8−2に沿って、画像読み取り装置2の処理の遷移を説明する。
【0052】
図8−1のステップST51において、CPU10は、1ページ目の原稿Gに対応する読み取りパラメータ15aをメモリ15に格納し、ステップST52へ進む。ステップST52において、CPU10は、パラメータ制御部16に読み取りパラメータ15aの設定を指示し、ステップST53,ST54へ進む。
【0053】
ステップST53において、パラメータ制御部16は、1ページ目の原稿Gに対応する読み取りパラメータ15aを読み取り機構部13に設定する。ステップST54において、読み取り機構部13は、レジスタ13aに読み取りパラメータ15aを格納し、ステップST55へ進む。ステップST55において、パラメータ制御部16は、CPU10へ読み取りパラメータ15aの設定完了を通知する。
【0054】
ステップST52において、CPU10は、パラメータ制御部16に読み取りパラメータ15aの設定を指示した後、ステップST56へ進む。ステップST56において、1ページ目の原稿Gに対応する画像処理パラメータ15bをメモリ15に格納し、ステップST57へ進む。
【0055】
ステップST57において、CPU10は、パラメータ制御部16に画像処理パラメータ15bの設定を指示し、ステップST58,ST59へ進む。ステップST58において、パラメータ制御部16は、1ページ目の原稿Gに対応する画像処理パラメータ15bを画像処理部14に設定する。ステップST59において、画像処理部14は、レジスタ14aに画像処理パラメータ15bを格納し、ステップST60へ進む。ステップST60において、パラメータ制御部16は、CPU10へ画像処理パラメータ15bの設定完了を通知し、ステップST61へ進む。
【0056】
ステップST61において、CPU10は、読み取り機構部13に対して1ページ目の原稿Gの読み取り開始を指示し、ステップST62へ進む。ステップST62において、CPU10は、2ページ目の原稿Gの読み取りパラメータ15aをメモリ15に格納する。ステップST63において、CPU10は、2ページ目の原稿Gの画像処理パラメータ15bをメモリ15に格納する。
【0057】
ステップST64において、読み取り機構部13は、CPU10におけるステップST62,ST63の処理が行われ、所定ライン数(例えば、100ライン)の読み取り後に、ステップST65へ進む。ステップST65において、読み取り機構部13は、CPU10へ所定ラインを読み取ったことを通知し、ステップST66へ進む。ステップST66において、CPU10は、画像処理部14へ画像処理の開始を指示し、ステップST67へ進む。ステップST67において、画像処理部14は、1ページ目の画像処理を開始する。
【0058】
ステップST64において、読み取り機構部13による1ページ目の読み取り処理が完了すると、ステップST68,ST69へ進む。ステップST68,ST69において、読み取り機構部13は、パラメータ制御部16及びCPU10へ1ページ目の読み取り完了を通知し、図8−2に示されたステップST70,ST71へ進む。
【0059】
図8−2のステップST70,ST71において、パラメータ制御部16は、2ページ目の原稿Gに対応する読み取り機構部13のレジスタ13aに2ページ目の読み取りパラメータの設定を行い、ステップST72へ進む。ステップST72において、パラメータ制御部16は、CPU10へ読み取りパラメータ15aの設定完了を通知し、ステップST73へ進む。
【0060】
ステップST73において、CPU10は、読み取り機構部13に2ページ目の原稿Gの読み取りを指示し、ステップST74へ進む。ステップST74において、CPU10から2ページ目の原稿Gの読み取り指示を受け、読み取り機構部13は、2ページ目の原稿Gから画像を読み取る処理を実行する。ステップST74において、読み取り機構部13が2ページ目の原稿Gから画像を読み取っている間に、画像処理部14における1ページ目の原稿Gに対応する画像処理が終了すると、ステップST75,ST76へ進む。ステップST75において、画像処理部14は、パラメータ制御部16に1ページ目の原稿Gに対する画像処理の終了を通知する。ステップST76において、画像処理部14は、CPU10に1ページ目の原稿Gに対する画像処理の終了を通知し、ステップST77,ST78へ進む。
【0061】
読み取り機構部13が2ページ目の原稿Gから画像を読み取っている間に(ステップST74)、ステップST77において、パラメータ制御部16は、2ページ目の原稿Gに対応する画像処理パラメータ15bを画像処理部14のレジスタ14aに設定する。ステップST78において、画像処理部14は、レジスタ14aに2ページ目の原稿Gに対応する画像処理パラメータ15bを格納し、ステップST79へ進む。ステップST79において、パラメータ制御部16は、CPU10に2ページ目の原稿Gに対する画像処理パラメータ15bの設定完了を通知し、ステップST80へ進む。
【0062】
ステップST80において、読み取り機構部13は、CPU10へ所定ライン読み取った旨を通知し、ステップST81へ進む。ステップST81において、CPU10は、画像処理部14に画像処理の開始を指示し、ステップST82へ進む。ステップST82において、画像処理部14は、2ページ目の画像処理を開始し、ステップST83,ST84へ進む。
【0063】
ステップST83において、読み取り機構部13は、パラメータ制御部16に2ページ目の原稿Gの読み取りの完了を通知する。ステップST84において、読み取り機構部13は、CPU10に2ページ目の原稿Gの読み取りの完了を通知する。
【0064】
ステップST82における画像処理部14の2ページ目の原稿Gに対する画像処理が完了すると、ステップST85,ST86へ進む。
【0065】
ステップST85において、画像処理部14は、パラメータ制御部16に2ページ目の原稿Gに対する画像処理の完了を通知する。ステップST86において、画像処理部14は、CPU10に2ページ目の原稿Gに対する画像処理の完了を通知し、処理を終了する。
【0066】
(実施例1の効果)
本実施例1の画像読み取り装置2及び画像形成装置1によれば、1ページ目の原稿Gの画像処理中に2ページ目の原稿Gの画像処理パラメータ15bをメモリ15に格納し、CPU10を介さずに読み取り機構部13及び画像処理部14の設定レジスタ13a,14aに設定する制御を行っている。これにより、1ページ目の原稿Gと2ページ目の原稿Gとの間でのCPU10の処理負担が低減し、読み取り機構部13及び画像処理部14の回路規模を増大化させることなく、且つ各画像処理を行う読み取り機構部13及び画像処理部14やファームウェアの変更を最小限に留めながら、1ページ目の原稿Gと2ページ目の原稿Gとの間での読み取りパラメータ15a及び画像処理パラメータ15bの切り替え時間を短縮することが可能である。
【実施例2】
【0067】
(実施例2の構成)
図9は、本発明の実施例2における画像読み取り装置2Aの主要部の構成の概略を示すブロック図であり、実施例1を示す図1と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0068】
本実施例2の画像読み取り装置2Aは、実施例1と同様のCPU10、読み取り機構部13及び画像処理部14と、実施例1とは構成及び機能が異なるメモリ15A及びパラメータ制御部16Aと、を有している。
【0069】
メモリ15Aは、読み取り機構部13の制御に使用する複数ページの読み取りパラメータ15ak(=1ページ目の読み取りパラメータ15a1、2ページ目の読み取りパラメータ15a2、・・・)及び、画像処理部14の制御で使用する複数ページの画像処理パラメータ15bk(=1ページ目の画像処理パラメータ15b1、2ページ目の画像処理パラメータ15b2、・・・)を一時的に格納するものである。
【0070】
パラメータ制御部16A内の読み取りパラメータ制御部16Aaは、CPU10から通知される次ページ以降の読み取りパラメータ15ak(k=1,2,・・・)の格納情報、即ち、何ページ目の読み取りパラメータ15aを格納したか、何ページ目の読み取りパラメータ15akがメモリ15Aのどのアドレスに格納されているか等と、読み取り機構部13の動作状態とから、メモリ15A上に格納された読み取りパラメータ15akを読み出して読み取り機構部13へ出力する制御を行うものである。読み取り機構部13は、設定された読み取りパラメータ15akに基づいて原稿Gを読み取り、第1画像データS13を出力する機能を有している。
【0071】
パラメータ制御部16A内の画像処理パラメータ制御部16Abは、CPU10から通知される次ベージ以降の画像処理パラメータ15bk(k=1,2,・・・)の格納情報、即ち、何ページ目の画像処理パラメータ15bkを格納したか、何ページ目の画像処理パラメータ15bkがメモリ15Aのどのアドレスに格納されているか等と、画像処理部14の動作状態とから、メモリ15A上に格納された画像処理パラメータ15bkを読み出して画像処理部14へ出力する制御を行う機能を有している。画像処理部14は、設定された画像処理パラメータ15bkに基づいて、第1画像データS13の画像処理を行って、第2画像データS14を出力するものである。
【0072】
又、読み取り機構部13及び画像処理部14は、実施例1と同様に、CPU10やパラメータ制御部16Aに対して各々の動作状態を通知する機能を有している。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0073】
(実施例2の動作)
図10は、図9中のパラメータ制御部16Aにおけるパラメータ設定の処理を示すフローチャートであり、実施例1を示す図5と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0074】
図10のフローチャート上の「パラメータ」は、読み取りパラメータ15ak(k=1,2,・・)又は画像処理パラメータ15bk(k=1,2,・・)を表している。尚、図10は、説明の便宜上、本実施例2に関する動作のみを記載している。
【0075】
先ず、図9を参照しつつ、図10に沿って、パラメータ制御部16Aにおける読み取りパラメータ15akの設定の処理について説明する。
【0076】
ユーザがオペレーションパネル12によって原稿Gの読み取り開始命令を行うと、パラメータ制御部16Aの処理が開始され、ステップST1へ進む。ステップST1において、パラメータ制御部16A内の読み取りパラメータ制御部16Aaは、CPU10に対して、メモリ15A上へ1ページ目を含む単数もしくは複数の原稿Gの読み取りパラメータ15ak(k=1,2,・・)の格納を要求し、ステップST2へ進む。ステップST2において、CPU10は、メモリ15A上へ1ページ目を含む単数もしくは複数の読み取りパラメータ15akの格納を行い、読み取りパラメータ制御部16Aaに対して読み取りパラメータ15akの格納情報、即ち、何ページ目の読み取りパラメータ15akを格納したか、何ページ目の読み取りパラメータ15akがメモリ15Aのどのアドレスに格納されているか等を通知し、ステップST91へ進む。
【0077】
ステップST91において、読み取りパラメータ制御部16Aaは、1ページ目の読み取りパラメータ15a1が読み取り機構部13のレジスタ13aに格納されたかを監視し、格納されているのを確認すると(Y)、ステップST4へ進む。ステップST4において、読み取りパラメータ制御部16Aaは、CPU10からの読み取りパラメータ情報、即ち、1ページ目の読み取りパラメータ15a1がメモリ15Aのどのアドレスに格納されているかに基づき、メモリ15A上に格納された1ページ目の読み取りパラメータ15a1を読み取り機構部13に設定し、設定完了後、読み取りパラメータ制御部16AaはCPU10に対して、パラメータの設定完了を通知し、ステップST6へ進む。
【0078】
ステップST6において、次ページ読み取り原稿Gの有無が判断され、読み取り原稿Gが有る場合は(Y)、ステップST92へ進む。ステップST92において、次ページの読み取りパラメータ15a2が設定されているか否かが判断され、設定されてない場合は(N)、ステップST93へ進み、設定されている場合は(Y)、ステップST8へ進む。ステップST93において、読み取りパラメータ制御部16Aaは、CPU10に対して、メモリ15A上へ次ページを含む単数もしくは複数の読み取りパラメータ15akの格納を要求し、ステップST94へ進む。ステップST94において、CPU10は、メモリ15A上へ次ページを含む単数もしくは複数の読み取りパラメータ15akの格納を行い、読み取りパラメータ制御部16Aaに対して読み取りパラメータ15akの格納情報、即ち、何ページ目の読み取りパラメータ15akを格納したか、何ページ目の読み取りパラメータ15akがメモリ15Aのどのアドレスに格納されているか等を通知し、ステップST8へ進む。
【0079】
ステップST8において、読み取りパラメータ制御部16Aaは、読み取り機構部13による第1画像データS13の出力完了を待ち(N)、第1画像データS13の出力の完了後(Y)、ステップST4へ戻る。以降、ステップST4→ST6→ST92〜94→ST8の処理を、ステップST6において、次ページ読み取り原稿Gが無い(N)と判断されるまで繰り返す。ステップST6において、読み取り原稿Gが無い(N)と判定されると、ステップST9へ進み、CPU10は、読み取り機構部13による第1画像データS13の出力の完了を待ち(N)、第1画像データS13の出力の完了後(Y)、パラメータ制御部16Aの処理を終了する。
【0080】
次に、本実施例2のパラメータ制御部16Aにおける画像処理パラメータ15bkの設定の処理について説明する。
【0081】
ユーザがオペレーションパネル12によって原稿Gの読み取り開始命令を行うと、パラメータ制御部16Aの処理が開始され、ステップST1へ進む。ステップST1において、パラメータ制御部16A内の画像処理パラメータ制御部16Abは、CPU10に対して、メモリ15A上へ1ページ目を含む単数もしくは複数の原稿Gの画像処理パラメータ15bk(k=1,2,・・)の格納を要求し、ステップST2へ進む。ステップST2において、CPU10は、メモリ15A上へ1ページ目を含む単数もしくは複数の画像処理パラメータ15bkの格納を行い、画像処理パラメータ制御部16Abに対して画像処理パラメータ15bkの格納情報、即ち、何ページ目の画像処理パラメータ15bkを格納したか、何ページ目の画像処理パラメータ15bkがメモリ15Aのどのアドレスに格納されているか等を通知し、ステップST91へ進む。
【0082】
ステップST91において、画像処理パラメータ制御部16Abは、1ページ目の画像処理パラメータ15b1が画像処理部14のレジスタ14aに格納されたかを監視し、格納されているのを確認すると(Y)、ステップST4へ進む。ステップST4において、画像処理パラメータ制御部16Abは、CPU10からの画像処理パラメータ情報、即ち、1ページ目の画像処理パラメータ15b1がメモリ15Aのどのアドレスに格納されているかに基づき、メモリ15A上に格納された1ページ目の画像処理パラメータ15b1を画像処理部14に設定し、設定完了後、画像処理パラメータ制御部16AbはCPU10に対して、パラメータの設定完了を通知し、ステップST6へ進む。
【0083】
ステップST6において、次ページ読み取り原稿Gの有無が判断され、読み取り原稿Gが有る場合は(Y)、ステップST92へ進む。
【0084】
ステップST92において、次ページの画像処理パラメータ15b2が設定されているか否かが判断され、設定されてない場合は(N)、ステップST93へ進み、設定されている場合は(Y)、ステップST8へ進む。ステップST93において、画像処理パラメータ制御部16Abは、CPU10に対して、メモリ15A上へ次ページを含む単数もしくは複数の画像処理パラメータ15bkの格納を要求し、ステップST94へ進む。ステップST94において、CPU10は、メモリ15A上へ次ページを含む単数もしくは複数の画像処理パラメータ15bkの格納を行い、画像処理パラメータ制御部16Abに対して画像処理パラメータ15bkの格納情報、即ち、何ページ目の画像処理パラメータ15bkを格納したか、何ページ目の画像処理パラメータ15bkがメモリ15Aのどのアドレスに格納されているか等を通知し、ステップST8へ進む。
【0085】
ステップST8において、画像処理パラメータ制御部16Abは、画像処理部14による第2画像データS14の出力完了を待ち(N)、第2画像データS14の出力の完了後(Y)、ステップST4へ戻る。以降、ステップST4→ST6→ST92〜94→ST8の処理を、ステップST6において、次ページ読み取り原稿Gが無い(N)と判断されるまで繰り返す。ステップST6において、読み取り原稿Gが無い(N)と判定されると、ステップST9へ進み、CPU10は、画像処理部14による第2画像データS14の出力の完了を待ち(N)、第2画像データS14の出力の完了後(Y)、画像処理パラメータ制御部16Abの処理を終了する。
【0086】
実施例2の場合は、図8−1及び図8−2において、読み取り原稿Gが2枚の場合の画像読み取り処理が示されている。原稿Gが3枚以上の場合には、ステップST74において、読み取り機構部13が2ページ目の原稿Gから画像を読み取っている間に、CPU10が3ページ目の読み取りパラメータ15a及び3ページ目の原稿Gに対応する画像処理パラメータ15bをメモリ15へ格納する処理が行われる。
【0087】
実施例2における読み取り機構部13の処理フローは、実施例1の図6と同様なため、説明を省略する。更に、実施例2における画像処理部14の処理フローは、実施例1の図7と同様なため、説明を省略する。
【0088】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、複数ページの原稿Gの読み取りパラメータ15ak(k=1,2,・・)と画像処理パラメータ15bk(k=1,2,・・)とをメモリ15A上に格納し、CPU10を介さずに読み取り機構部13及び画像処理部14のレジスタ13a,14aに設定する制御を行っている。これにより、1ページ目の原稿Gの画像処理中に3ページ目の画像処理パラメータ15b3を設定すること等、ファームウェアの設計の自由度を高めることができる。
【実施例3】
【0089】
(実施例3の構成)
図11は、本発明の実施例3における画像読み取り装置2Bの主要部の構成の概略を示すブロック図であり、実施例1を示す図1と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0090】
本実施例3の画像読み取り装置2Bは、実施例1と同様のCPU10及びメモリ15と、実施例1とは構成及び機能が異なる読み取り機構部13B、画像処理部14B及びパラメータ制御部16Bと、を有している。
【0091】
CPU10は、実施例1と同様に、読み取り機構部13Bの制御に使用する読み取りパラメータ15aや、画像処理部14Bで使用する画像処理パラメータ15bを、メモリ15上に一時的に格納する機能を有している。読み取り機構部13Bは、第1データ保持手段としてのレジスタ13Baを有し、このレジスタ13Baに設定された読み取りパラメータ15aに基づいて原稿Gを読み取り、第1画像データS13を生成して画像処理部14Bへ出力すると共に、動作完了等の状態になった時に、この状態を通知するフラグ情報をパラメータ制御部16BやCPU10へ出力する機能を有している。画像処理部14Bは、第2データ保持手段としてのレジスタ14Baを有し、このレジスタ14Baに設定された画像処理パラメータ15bに基づき、入力される第1画像データS13の画像処理を行って第2画像データS14をメモリ15へ出力すると共に、動作完了等の状態になった時に、この状態を通知するフラグ情報をパラメータ制御部16BやCPU10へ出力する機能を有している。
【0092】
パラメータ制御部16Bは、実施例1とほぼ同様の読み取りパラメータ制御部16Ba及び画像処理パラメータ制御部16Bbと、新たに追加されたフラグ処理部16Bcと、を有している。
【0093】
読み取りパラメータ制御部16Baは、メモリ15上に格納された読み取りパラメータ15aを読み取り機構部13Bへ受け渡す制御を行う機能を有している。画像処理パラメータ制御部16Bbは、CPU10からの画像処理パラメータ設定命令と、画像処理部14Bからの動作状態を通知するフラグ情報とから、メモリ15上に格納された画像処理パラメータ15bをその画像処理部14Bへ受け渡す制御を行う機能を有している。
【0094】
フラグ処理部16Bcは、読み取り機構部13Bから出力される状態を示すフラグ情報と、CPU10からの読み取りパラメータ設定完了通知と、を受け取り、読み取りパラメータ制御部16Baに対して制御開始を通知すると共に、画像処理部14Bから出力される状態を示すフラグ情報と、CPU10からの画像処理パラメータ設定完了通知と、を受け取り、画像処理パラメータ制御部16Bbに対して制御開始を通知する機能を有している。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0095】
(実施例3の動作)
図12は、図11中のCPU10におけるパラメータ設定処理を示すフローチャートである。図13は、図12における設定パラメータ選択の一例を示す図である。
【0096】
図12に沿って、CPU10の動作を説明する。
ステップST101において、ユーザが図4中のオペレーションパネル12によって原稿Gの読み取り開始命令を行うと、ステップST102へ進む。ステップST102において、CPU10は、パラメータ制御部16Bに起動命令を出し、次のステップST103において、パラメータ制御部16Bからのパラメータ格納要求信号を待つ(N)。ステップST103において、CPU10は、パラメータ格納要求信号を受信すると(Y)、次のステップST104において、メモリ15上へ1ページ目の原稿Gの読み取りパラメータ15aの格納を行い、ステップST105へ進む。ステップST105において、CPU10は、パラメータ制御部16Bに対して、読み取りパラメータ15aをメモリ15上へ格納したことを通知し、ステップST106へ進む。
【0097】
ステップST106において、CPU10は、読み取りパラメータ制御部16Baに対して、パラメータ設定を開始するように命令を行い、次のステップST107において、読み取りパラメータ制御部16Baからのパラメータ設定完了通知を待つ(N)。ステップST107において、CPU10は、パラメータ設定完了通知を受けると(Y)、ステップST108へ進む。ステップST108において、CPU10は、フラグ処理部16Bcに対して、パラメータ設定フラグオン条件を設定し、ステップST109へ進む。
【0098】
パラメータ設定フラグオン条件は、読み取り機構部13Bが出力する複数の状態フラグ情報から、その読み取り機構部13Bへの処理パラメータを設定可能とする条件を表したものである。一例として、図13に示すように、flag0(処理0終了)&flag2(処理2終了)となった時に、処理パラメータを設定可能(f1ag_オン)とする。
【0099】
ステップST109において、CPU10は、次ページの読み取りが有るか否かを判定し、読み取りが有る場合は(Y)、ステップST110へ進み、無い場合は(N)、処理を終了する。ステップST110において、CPU10は、パラメータ格納要求信号が有るか否かを判定し、パラメータ格納要求信号を受信すると(Y)、次のステップST111において、メモリ15上へ次ページ目の原稿Gの読み取りパラメータ15aの格納を行い、ステップST112へ進む。ステップST112において、CPU10は、読み取りパラメータ制御部16Baに対して、読み取りパラメータ15aをメモリ15上へ格納したことを通知する。以後、ステップST109〜ST112の処理を繰り返す。
【0100】
図14は、図11中の読み取りパラメータ制御部16Ba及びフラグ処理部16Bcによる読み取りパラメータ設定処理を示すフローチャートである。
【0101】
図14に沿って、読み取りパラメータ制御部16Baとフラグ処理部16Bcの処理を説明する。
【0102】
図14の処理が開始されて、ステップST201(即ち、図12中のステップST102)において、CPU10は、動作開始指示を受けると、ステップST202へ進む。ステップST202において、フラグ処理部16Bcは、CPU10に対してパラメータ格納要求フラグをオンし(上げ)、ステップST203へ進む。ステップST203において、パラメータ制御部16Bは、CPU10からのパラメータ格納通知信号を受けると(Y)、ステップST204へ進む。ステップST204において、フラグ処理部16Bcは、CPU10に対するパラメータ格納要求フラグをオフし(下げ)、次のステップST205において、CPU10からのパラメータ設定命令を待つ(N)。ステップST205において、フラグ処理部16Bcは、CPU10からのパラメータ設定命令を受信すると(Y)、ステップST206へ進む。
【0103】
ステップST206において、フラグ処理部16Bcが、読み取りパラメータ制御部16Baに対して起動を通知すると、読み取りパラメータ制御部16Baは、メモリ15上に格納された読み取りパラメータ15aを、読み取り機構部13Bのレジスタ13Baに設定し、ステップST207へ進む。ステップST207において、フラグ処理部13Bcは、CPU10に対してパラメータ設定完了を通知し、次のステップST208において、パラメータ格納要求フラグをオンし(上げ)、ステップST209へ進む。ステップST209において、図12中のステップ108の通り、パラメータ設定フラグオン条件が設定され、次のステップST210において、CPU10によってメモリ15に、次ページの読み取りパラメータ15aが格納されるのを待つ(N)。ステップST210において、読み取りパラメータ15aが格納されると(Y)、ステップST211へ進む。ステップST211において、フラグ処理部16Bcは、CPU10に対してパラメータ格納要求フラグをオフし(下げ)、ステップST212へ進む。
【0104】
ステップST212において、読み取り機構部13Bが出力するフラグ情報の状態が、CPU10によって設定されたフラグ条件に一致するのを待つ(N)。ステップST212において、フラグ情報の状態が、設定されたフラグ条件に一致した時(Y)、ステップST213へ進む。ステップST213において、フラグ処理部16Bcが、読み取りパラメータ制御部16Baに対して起動を通知すると、読み取りパラメータ制御部16Baは、メモリ15上に格納された読み取りパラメータ15aを、読み取り機構部13Bのレジスタ13Baに設定する。この設定完了後、読み取りパラメータ制御部16Baは、フラグ処理部16Bcに対して完了通知を出し、ステップST214へ進む。
【0105】
ステップST214において、CPU10は、次ページの読み取りが有るか否かを判定し、無い場合には(N)、処理を終了し、有る場合には(Y)、ステップST215へ進む。ステップST215において、フラグ処理部16Bcは、再度、CPU10に対してパラメータ格納要求フラグをオンする(上げる)。以後、ステップST210〜ST215の処理を繰り返す。
【0106】
なお、本実施例3の画像処理パラメータ制御部16Bb及びフラグ処理部16Bcによる画像処理パラメータの設定処理は、図14の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0107】
図15は、図11中の読み取り機構部13Bの処理を示すフローチャートである。
図15に沿って、読み取り機構部13Bの処理を説明する。
【0108】
処理が開始され、ステップST301において、ユーザが図4中のオペレーションパネル12によって原稿Gの読み取り開始命令を行うと、ステップST302へ進む。ステップST302において、図14の読み取りパラメータ設定処理により、読み取り機構部13Bのレジスタ13Baに、1ページ目の原稿Gの読み取りパラメータ15aが設定され、ステップST303へ進む。ステップST303において、CPU10が、読み取り機構部13Bに対して読み取り開始命令を行うと(Y)、ステップST304へ進む。ステップST304において、読み取り機構部13Bは、1ページ目の原稿Gの読み取りを開始し、ステップST305へ進む。ステップST305において、読み取り機構部13Bは、原稿Gの読み取りを完了すると(Y)、次のステップST306において、読み取り動作完了等の状態をフラグ情報として、CPU10やフラグ処理部16Bcに対して出力し、ステップST307へ進む。
【0109】
ステップST307において、CPU10は、次ページの読み取りが有るか否かを判定し、次ページの読み取りが無い場合には(N)、処理を終了し、次ページの読み取りがある場合には(Y)、ステップST308へ進む。ステップST308において、図14中のステップST213の処理により、読み取り機構部13Bのレジスタ13Baに、次ページ読み取りパラメータ15aの設定が行われ、ステップST309へ進む。ステップST309において、次ページ読み取りパラメータ15aの設定が完了すると(Y)、ステップST310へ進む。ステップST310において、CPU10が、読み取り機構部13Bに対して読み取り開始命令を行うと、読み取り機構部13Bは、次ページの読み取りを開始する。以後、ステップST307〜ST310を繰り返す。
【0110】
なお、本実施例3における画像処理部14Bの処理は、図15の読み取り機構部13Bの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、パラメータ制御部16B内のフラグ処理部16Bcにより、読み取り機構部13B及び画像処理部14Bからフラグ情報を受け取り、フラグ情報の検出パターンを基に、読み取りパラメー15a及び画像処理パラメータ15bを、それぞれ読み取り機構部13B及び画像処理部14Bへ、自動的に設定を行うようにしている。そのため、適切なタイミングでの読み取りパラメータ15a及び画像処理パラメータ15bの設定が可能となり、原稿G間での切り替え時間を短縮することができる。
【実施例4】
【0112】
(実施例4の構成)
図16は、本発明の実施例4における画像読み取り装置2Cの主要部の構成の概略を示すブロック図であり、実施例3を示す図11と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0113】
本実施例4の画像読み取り装置2Cは、実施例3と同様のCPU10と、実施例3とは構成及び機能が異なる読み取り機構部13C、画像処理部14C、メモリ15C及びパラメータ制御部16Cと、を有している。
【0114】
CPU10は、読み取り機構部13Cの制御に使用する複数パターンの読み取りパラメータ15ck(=第1パターンの読み取りパラメータ15c1、第2パターンの読み取りパラメータ15c2、・・・)や、画像処理部14Cで使用する複数パターンの画像処理パラメータ15dk(=第1パターンの画像処理パラメータ15d1、第2パターンの画像処理パラメータ15d2、・・・)を、メモリ15C上に一時的に格納する機能を有している。
【0115】
読み取り機構部13Cは、第1データ保持手段としてのレジスタ13Caを有し、このレジスタ13Caに設定された読み取りパラメータ15ck(k=1,2,・・・)に基づいて原稿Gを読み取り、第1画像データS13を生成して画像処理部14Cへ出力すると共に、動作完了等の状態になった時に、この状態を通知するフラグ情報をパラメータ制御部16CやCPU10へ出力する機能を有している。画像処理部14Cは、第2データ保持手段としてのレジスタ14Caを有し、このレジスタ14Caに設定された画像処理パラメータ15dk(k=1,2,・・・)に基づき、入力される第1画像データS13の画像処理を行って第2画像データS14をメモリ15Cへ出力すると共に、動作完了等の状態になった時に、この状態を通知するフラグ情報をパラメータ制御部16CやCPU10へ出力する機能を有している。
【0116】
パラメータ制御部16Cは、実施例3と同様に、読み取りパラメータ制御部16Caと、画像処理パラメータ制御部16Cbと、フラグ処理部16Ccと、を有している。
【0117】
読み取りパラメータ制御部16Caは、CPU10から出力されるフラグ情報パターン毎の読み取りパラメータ15ckの格納情報(どの読み取りパラメータ15ckがメモリ15Cのどのアドレスに格納されているか等)と、読み取り機構部13Cの動作状態とから、メモリ15C上に格納された読み取りパラメータ15ckを読み取り機構部13Cへ受け渡す制御を行う機能を有している。画像処理パラメータ制御部16Cbは、CPU10から通知されるフラグ情報パターン毎の画像処理パラメータ15dkの格納情報(どの画像処理パラメータ15dkがメモリ15Cのどのアドレスに格納されているか等)と、画像処理部14Cの動作状態とから、メモリ15C上に格納された画像処理パラメータ15dkを画像処理部14Cへ受け渡す制御を行う機能を有している。
【0118】
フラグ処理部16Ccは、読み取り機構部13Cから出力される状態を示すフラグ情報と、CPU10からの読み取りパラメータ設定完了通知と、を受け取り、読み取りパラメータ制御部16Caに対して制御開始を通知すると共に、画像処理部14Cから出力される状態を示すフラグ情報と、CPU10からの画像処理パラメータ設定完了通知と、を受け取り、画像処理パラメータ制御部16Cbに対して制御開始を通知する機能を有している。その他の構成は、実施例3と同様である。
【0119】
(実施例4の動作)
図17は、図16中のCPU10におけるパラメータ設定処理を示すフローチャートであり、実施例3を示す図12と共通の要素には共通の符号が付されている。図18は、図17における処理パラメータ設定パターンの一例を示す図である。
【0120】
図17に沿って、CPU10の動作を説明する。
CPU10の処理が開始されると、図12と同様のステップST101〜ST107の処理が行われ、ステップST408へ進む。
【0121】
ステップST408において、CPU10は、読み取りパラメータ制御部16Caからのパラメータ設定完了通知を受けると、フラグ処理部16Ccに対して、パターン別のパラメータ設定フラグオン条件を設定し、ステップST409へ進む。パターン別のパラメータ設定フラグオン条件は、読み取り機構部13Cが出力する複数の状態フラグ情報から、その読み取り機構部13Cへ設定する処理パラメータ毎の設定可能条件を表したものである。図18に示すように、例えば、フラグとして、flag0−オン&flag1−オン&flag2−オフ&flag3−オフの時には、選択パターンの内のパターンAが設定可能、flag0−オン&flag1―オン&flag2−オン&flag3−オフの時には、パターンBが設定可能とする等の条件である。
【0122】
ステップST409において、CPU10は、次のパターンの読み取りが有るか否かを判定し、次のパターンが無い場合は(N)、処理を終了し、次のパターンが有る場合は(Y)、ステップST410へ進む。ステップST410において、CPU10は、パラメータ格納要求信号の受信の有無を判定し、パラメータ格納要求信号を受信したならば(Y)、ステップST411へ進む。ステップST411において、CPU10は、格納パラメータ(即ち、読み取りパラメータ15ckや、画像処理パラメータ15dk)の変更が必要か否かを判定し、例えば、起動後初めての動作等、このCPU10がメモリ15C上へ格納パラメータを一度も設定していなかつたり、或いは、メモリ15C上への格納パラメータを変更する必要があると判定した場合は(Y)、ステップST412へ進み、その必要がないと判定した場合は(N)、ステップST413へ進む。
【0123】
ステップST412において、CPU10は、メモリ15C上へ、パターン別のパラメータ毎の原稿Gの読み取りパラメータ15ckの格納を行い、ステップST413へ進む。ステップST413において、CPU10は、読み取りパラメータ15ckの格納情報(例えば、どのパターンの読み取りパラメータ15ckがメモリ15Cのどのアドレスに格納されているか等)を、読み取りパラメータ制御部16Caへ通知する。以後、ステップST409〜ST413の処理を繰り返す。
【0124】
図19は、図16中の読み取りパラメータ制御部16Ca及びフラグ処理部16Ccによる読み取りパラメータ設定処理を示すフローチャートであり、実施例3を示す図14と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0125】
図19に沿って、読み取りパラメータ制御部16Caとフラグ処理部16Ccの処理を説明する。
【0126】
処理が開始されると、図14と同様のステップST201〜ST208の処理が行われる。ステップST208において、パラメータ制御部16Cが、CPU10に対してパラメータ格納要求フラグをオンすると(上げると)、次のステップST509へ進む。
【0127】
ステップST509において、図17中のステップST408の通り、CPU10は、パターン別のパラメータ設定フラグオン条件を設定し、ステップST510へ進む。ステップST510において、次のパターンの読み取りパラメータ15ckが格納されるのを待ち(N)、読み取りパラメータ15ckが格納されると(Y)、ステップST511へ進む。ステップST511において、フラグ処理部16Ccは、CPU10に対して、パラメータ格納要求フラグをオフし(下げ)、ステップST512へ進む。ステップST512において、読み取り機構部13Cが出力するフラグ情報の状態が、CPU10によって設定されたフラグ条件のいずれかに一致するのを待つ(N)。ステップST512において、フラグ情報の状態が、設定されたフラグ条件のいずれかに一致した時(Y)、ステップST513へ進む。
【0128】
ステップST513において、フラグ処理部16Ccは、パラメータを選択し、読み取りパラメータ制御部16Caに対して、一致したフラグ条件を基に設定する読み取りパラメータ15ckと設定開始を通知し、ステップST514へ進む。ステップST514において、読み取りパラメータ制御部16Caは、メモリ15C上に格納された読み取りパラメータ15ckを、読み取り機構部13Cのレジスタ13Caに設定し、この設定完了後、フラグ処理部16Ccに対して完了通知を出し、ステップST515へ進む。
【0129】
ステップST515において、CPU10は、次のパターンの読み取りが有るか否かを判定し、無い場合には(N)、処理を終了し、有る場合には(Y)、ステップST516へ進む。ステップST516において、フラグ処理部16Ccは、再度、CPU10に対して、パラメータ格納要求フラグをオンする(上げる)。以後、ステップST510〜ST516の処理を繰り返す。
【0130】
なお、本実施例4における画像処理パラメータ15dkの設定処理は、前述した読み取りパラメータ15ckの設定処理と同様であるため、その説明を省略する。本実施例4における読み取り機構部13Cの処理は、実施例3の図15の処理と同様であるため、その説明を省略する。又、本実施例4における画像処理部14Cの処理は、読み取り機構部13Cの処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0131】
(実施例4の効果)
本実施例4によれば、フラグ処理部16Ccを設け、複数パターンの原稿Gの読み取りパラメータ15ckと、原稿Gの画像処理パラメータ15dkと、をメモリ15C上に格納し、フラグ情報の検出パターンを基に、設定する読み取りパラメータ15ck及び画像処理パラメータ15dkを選択するようにしている。そのため、読み取りパラメータ15ck及び画像処理パラメータ15dkをメモリ15C上に設定するタイミングを、早めたりすることが可能となり、ファームウェアの設定の自由度を高めることができる。
【0132】
(変形例)
本発明は、上記実施例1〜4に限定されず、種々の利用形態や変形例が可能である。この利用形態や変形例として、例えば、次の(1)〜(4)のようなものがある。
【0133】
(1) 実施例1〜4では、画像読み取り装置2,2A,2B,2Cとしてスキャナに適用した例を説明したが、ファクシミリ、複写機、スキャナとプリンタを組み合わせた複合印刷装置といった、画像読み取り機能を具備する電子機器に適用が可能である。
【0134】
(2) 実施例1、2において、読み取りパラメータ15a,15ak及び画像処理パラメータ15b,15bkは、一度に設定しているが、複数のパイプライン画像処理に対して、パイプライン毎にパラメータ制御を行うことにより、パイプライン毎に読み取りパラメータ15a,15ak及び画像処理パラメータ15b,15bkを設定することも可能である。
【0135】
(3) 実施例1、2では、読み取りパラメータ15a,15akと画像処理パラメータ15b,15bkとの関係については言及しなかったが、読み取りパラメータ15a,15akに応じた画像処理パラメータ15b,15bkを設定するようにしても良い。読み取りパラメータ15a,15akに応じて、画像処理パラメータ15b,15bkを設定することにより、原稿Gから読み取られ画像処理されて出力される第2画像データS14の品質を高めることができる。
【0136】
(4) 実施例3、4において、読み取りパラメータ15a,15ck及び画像処理パラメータ15b,15dkは、一度に設定しているが、複数のパイプライン画像処理に対して、パイプライン毎にパラメータ制御を行うことにより、パイフライン毎に読み取りパラメータ15a,15ck及び画像処理パラメータ15b,15dkを設定することも可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 画像形成装置
2,2A,2B,2C 画像読み取り装置
3 画像形成部
4 データ通信バス
5 載置台
7 原稿積載部
8 自動原稿送り部
9 原稿排出部
10 CPU
11 ROM
12 オペレーションパネル
13,13B,13C 読み取り機構部
13a,13Ba,13Ca,14a,14Ba,14Ca レジスタ
14,14B,14C 画像処理部
15,15A,15C メモリ
15a,15ak,15ck 読み取りパラメータ
15b,15bk,15dk 画像処理パラメータ
16,16A,16B,16C パラメータ制御部
16a,16Aa,16Ba,16Ca 読み取りパラメータ制御部
16b,16Ab,16Bb,16Cb 画像処理パラメータ制御部
16Bc,16Cc プラグ処理部
17 I/F制御部
18 内部バス
G 原稿
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19