【実施例】
【0059】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0060】
実施例、比較例において用いた材料の詳細は以下の通りである。
<液状シリコーンゴム>
・ビニル基含有ジメチルポリシロキサン<1>(Gelest社製、「DMS−V41」)
・ビニル基含有ジメチルポリシロキサン<2>(Gelest社製、「DMS−V51」)
・ビニル基含有ジメチルポリシロキサン<3>(Gelest社製、「DMS−V31」)
<ミラブルシリコーンゴム>
・ビニル基含有ジメチルポリシロキサン<4>(KCC社製、「SF3901C」)
【0061】
<架橋剤>
・ヒドロシリル基含有ジメチルポリシロキサン<1>(Gelest社製、「HMS−151」)
・ヒドロシリル基含有ジメチルポリシロキサン<2>(Gelest社製、「HMS−301」)
・ヒドロシリル基含有ジメチルポリシロキサン<3>(Gelest社製、「HMS−501」)
<電子導電剤>
・カーボンブラック(電気化学工業社製「デンカブラック」)
<充填剤>
・ヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、「アエロジルR972」)
・結晶性シリカ(龍森社製、「クリスタライトVX−S」)
<遅延剤>
・1−エチニル−1−シクロヘキサノール(東京化成社製、試薬)
<触媒>
・白金触媒(Gelest社製、「SIP6830.3」)
【0062】
<アルコキシシリル基を有さないイオン液体>
・イオン液体<9>
オクチルトリメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東京化成社製、試薬)
【0063】
<アルコキシシリル基を有するイオン液体>
・イオン液体<1>
N
2雰囲気下、3−メチルピリジン(東京化成社製試薬)を60mmolと3−クロロプロピルトリメトキシシラン(東京化成社製試薬)を55mmol混合し、90℃で72時間反応させた。冷却して析出した固体を酢酸エチルで2回洗浄した後、酢酸エチルを減圧で除去し、3−メチル−1−トリメトキシシリルプロピルピリジニウムクロリドの化合物を53mmol得た。これをアセトンで溶解し、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成社製試薬)53mmolを加えた後、24時間室温で攪拌した。溶剤を減圧除去し、析出したリチウムクロリドをろ過することで3−メチル−1−トリメトキシシリルプロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(イオン液体<1>)の化合物を40mmol得た。
・イオン液体<2>
上記イオン液体<1>の合成において、3−メチルピリジンを1−メチルピペリジン(東京化成社製試薬)に換えて合成した。
・イオン液体<3>
上記イオン液体<1>の合成において、3−メチルピリジンを4−メチルモルホリン(東京化成社製試薬)に換えて合成した。
・イオン液体<4>
N
2雰囲気下、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(東京化成社製試薬)を60mmolと3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(東京化成社製試薬)を59mmol混合し、75℃で48時間反応させた。冷却して析出した固体を酢酸エチルで2回洗浄した後、酢酸エチルを減圧で除去し、イオン液体<4>のアニオンがクロリドの化合物を55mmol得た。これをアセトンで溶解し、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成社製試薬)55mmolを加えた後、24時間室温で攪拌した。溶剤を減圧除去し、析出したリチウムクロリドをろ過することでイオン液体<4>の化合物を45mmol得た。
・イオン液体<5>
上記イオン液体<4>の合成において、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムクロリドを1−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムクロリド(CHEMICALLAND21社製)に換えて合成した。
・イオン液体<6>
N
2雰囲気下、[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(SIGMA−ALDRICH社製)を60mmolと(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン(東京化成社製試薬)を59mmol混合し、100℃で72時間反応させた。冷却して析出した固体を酢酸エチルで2回洗浄した後、酢酸エチルを減圧で除去し、イオン液体<6>のアニオンがクロリドの化合物を53mmol得た。これをアセトンで溶解し、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成社製試薬)53mmolを加えた後、24時間室温で攪拌した。溶剤を減圧除去し、析出したリチウムクロライドをろ過することでイオン液体<6>の化合物を42mmol得た。
・イオン液体<7>
上記イオン液体<6>の合成において、(3−アミノプロピル)トリメトキシシランを(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(東京化成社製試薬)に換えて合成した。
・イオン液体<8>
上記イオン液体<6>の合成において、(3−アミノプロピル)トリメトキシシランを(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(東京化成社製試薬)に、また[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドを[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(東京化成社製試薬)に換えて合成した。
【0064】
イオン液体<1>〜<8>の構造式を以下の式(3)〜(10)に示す。
【0065】
【化3】
【0066】
【化4】
【0067】
【化5】
【0068】
【化6】
【0069】
【化7】
【0070】
【化8】
【0071】
【化9】
【0072】
【化10】
【0073】
<液状シリコーンゴムを用いた例>
(実施例1〜11)
表1に示す配合となるように、液状シリコーンゴム(ビニル基含有ジメチルポリシロキサン)、カーボンブラック、ヒュームドシリカ、結晶性シリカをプラネタリーミキサーに入れ、30分混合した後、3本ロールを1passした。これをプラネタリーミキサーに戻し、白金触媒、アルコキシシリル基を有するイオン液体を配合後、プラネタリーミキサーにて30分混合し、次いで、架橋剤(ヒドロシリル基含有ジメチルポリシロキサン)、1−エチニル−1−シクロヘキサノールを配合後、さらに30分混合し、減圧脱泡して、液状シリコーンゴム組成物を調製した。
【0074】
(比較例1、3、4)
アルコキシシリル基を有するイオン液体を配合しなかった以外は実施例1〜11と同様にして、液状シリコーンゴム組成物を調製した。
【0075】
(比較例2、5)
アルコキシシリル基を有するイオン液体に代えて、アルコキシシリル基を有さないイオン液体を用いた以外は実施例1〜11と同様にして、液状シリコーンゴム組成物を調製した。
【0076】
(シート成形)
実施例1〜11、比較例1〜5の各液状シリコーンゴム組成物を170℃×10分の条件でプレス成形し、その後、200℃×4時間の条件にて2次キュアを実施し、2mm厚のシートを作製した。
【0077】
(ゴム弾性層の作製)
実施例1〜11、比較例1〜6の各液状シリコーンゴム組成物を、軸体となる導電性シャフト(SUS304製)をセットした金型内に充填した後、170℃×10分の条件で加熱架橋を行った。その後、脱型して、200℃×4時間の条件にて2次キュアを実施し、軸体の外周面に沿ってゴム弾性層が形成されたベースロールを作製した。なお、実施例1〜4、9〜11、比較例1〜2、4〜5については、直径6mmの導電性シャフトを用い、外径12mm、厚さ3mmのゴム弾性層を形成した。実施例5〜8、比較例3については、直径18mmの導電性シャフトを用い、外径30mm、6mmのゴム弾性層を形成した。
【0078】
作製した各シートを用いて、シート物性を測定した。また、作製したベースロールを用いて、ベースロール特性を測定・評価した。
【0079】
(タイプA硬度)
実施例1〜4、9〜11、12〜13、比較例1〜2、4〜5、6で作製した各シートを用い、JISK6253に準拠し、タイプAデュロメータを用い、デュロメータ硬さを測定した。
【0080】
(アスカーC硬度)
実施例5〜8、比較例3で作製した各シートを用い、JIS K7312に準拠し、スプリング式硬さ試験機(高分子計器社製、「ゴム・プラスチック硬度計・アスカーC型」)を用い、アスカーC硬度を測定した。
【0081】
(体積抵抗率)
上記成形シートについて、JISK6271に準拠し、二重リング電極法にて、1V印加の条件にて体積抵抗率を測定した。
【0082】
(ブリード、ブルーム)
シートを50℃95%RHに2週間放置後のシート表面に、イオン液体あるいはイオン導電剤のブリード、ブルームの有無を目視にて観察した。ブリード、ブルームが認められないものを「○」とし、ブリード、ブルームが認められるものを「×」とした。
【0083】
(抵抗バラツキ)
金属ドラム上に各ベースロールを線接触させ、軸体の両端に各々500gの荷重をかけた状態で金属ドラムを回転駆動し、60rpmで各ベースロールをつれ周り回転させ、DC10V印加した状態での軸体と金属ドラム間の電気抵抗を測定し、その周方向のバラツキを求めた。
【0084】
(電荷減衰率)
図3の模式図に示すように、23℃×53%RHの環境下、回転数60rpmでベースロール1を矢印方向に回転させながら、コロナ放電線2を用いて、100μAのコロナ電流を印加してベースロール1の表面を帯電した。そして、コロナ放電線2から1/4周期分後方の位置に配した表面電位計3によりベースロール1の表面電位を測定し、印加をオフしてから1秒間の表面電位変位量から電荷減衰率を求めた。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
表2から、比較例1、3,4では、導電剤としてカーボンブラックのみを用い、イオン液体を用いていないため、ベースロール特性での抵抗バラツキが大きく、電気的応答性(電荷減衰性)にも劣っている。比較例2,5では、導電剤としてカーボンブラックとともにイオン液体を用いているが、アルコキシシリル基を有するイオン液体ではない。比較例2では、シート物性評価でイオン液体のブリード、ブルームが生じた。比較例5では、実施例9〜11よりも抵抗バラツキが大きく、電気的応答性(電荷減衰性)にも劣っている。
【0088】
これに対し、表1から、実施例1〜11では、シート物性評価でイオン液体のブリード、ブルームが生じることもなく、ベースロール特性での抵抗バラツキが小さく、電気的応答性(電荷減衰性)にも優れていることが確認された。
【0089】
次いで、各用途に応じて、ベースロール特性および製品特性の評価を行った。
【0090】
(帯電ロールの作製)
実施例1〜4、比較例1〜2で作製した各ベースロールの表面に、ロールコート機を用いて下記の帯電ロールの表層形成材料を塗工し、これを120℃×50分の条件にてオーブン架橋することにより、ゴム弾性層の外周に厚さ10μmの表層を形成し、帯電ロールを作製した。
【0091】
(帯電ロールの表層形成材料)
N−メトキシメチル化ナイロン(ナガセケムテックス社製「トレジンEF30T」)100質量部と、導電性SnO
260質量部と、クエン酸1質量部と、メタノール300質量部を混合して、帯電ロールの表層形成材料を調製した。
【0092】
(汚染性)
各ベースロールを感光ドラムに当接した状態で40℃95%RH環境下で1ヶ月放置後、その感光ドラムを用いて画像評価を行った。画像評価は、市販のカラーレーザープリンタ(リコー社製IPSIO SP C220)に上記感光ドラムをセットし、ハーフトーン画像出しを行い、上記ベースロール当接部に対応する位置にスジが確認されないものを「○」、スジが確認されるものを「×」とした。
【0093】
(画像ムラ)
各帯電ロールを市販のカラーレーザープリンタ(リコー社製IPSIO SP C220)のカートリッジに組み込み、LL環境(15℃×10%RH)で24h養生後、ハーフトーン画像出しを行い、画像ムラの有無を確認した。画像ムラが確認されないものを「○」、画像ムラが確認されたものを「×」とした。
【0094】
(付着性)
各帯電ロールを市販のカラーレーザープリンタ(リコー社製IPSIO SP C220)のカートリッジに組み込み、文字チャートを一万枚印刷して、印刷後の帯電ロール表面を目視にて観察した。表面にトナー、外添剤の付着が確認されないものを「○」、付着が確認されたものを「×」とした。
【0095】
【表3】
【0096】
表3から、比較例1では、抵抗バラツキが大きいため、画像ムラ(画像濃度ムラ)が生じた。また、電荷減衰性に劣っているため、トナーや外添剤の付着が確認された。比較例2では、感光ドラムの汚染が確認された。これに対し、実施例1〜4では、抵抗バラツキが小さいため、画像ムラは確認されなかった。また、電荷減衰性に優れているため、トナーや外添剤の付着は確認されなかった。さらに、感光ドラムの汚染も確認されなかった。
【0097】
(転写ロールの作製)
実施例5〜8、比較例3で作製した各ベースロールの表面に、ロールコート機を用いて下記の転写ロールの表層形成材料を塗工し、これを120℃×30分の条件にてオーブン架橋することにより、ゴム弾性層の外周に厚さ15μmの表層を形成し、転写ロールを作製した。
【0098】
(転写ロールの表層形成材料)
フッ素変性アクリル樹脂(DIC社製「ディフェンサTR230K」)50重量部と、フッ素化オレフィン樹脂(アルケマ社製「カイナー7201」)50重量部と、カーボンブラック(電気化学工業社製「デンカブラック」)20重量部と、MEK100重量部を混合して、転写ロールの表層形成材料を調製した。
【0099】
(画像ムラ)
各転写ロールを市販の複写機(リコー社製Imagio Color 2800)に組み込み、ベタ画像出しをLL環境(15℃×10%RH)で実施し、画像ムラの有無を確認した。画像ムラが確認されないものを「○」、画像ムラが確認されたものを「×」とした。
【0100】
(付着性)
各転写ロールを市販の複写機(リコー社製Imagio Color 2800)に組み込み、写真・文字混合チャートにて一万枚画出し耐久試験を実施後、ロール表面を目視にて観察した。ロール表面にトナー、紙粉の付着が確認されないものを「○」、付着が確認されたものを「×」とした。
【0101】
【表4】
【0102】
表4から、比較例3では、抵抗バラツキが大きいため、画像濃度ムラが生じた。また、電荷減衰性に劣っているため、トナーや紙粉の付着が確認された。これに対し、実施例5〜8では、抵抗バラツキが小さいため、画像ムラ(画像濃度ムラ)は確認されなかった。また、電荷減衰性に優れているため、トナーや紙粉の付着は確認されなかった。
【0103】
(現像ロールの作製)
実施例9〜11、比較例4〜5で作製した各ベースロールの表面に、ロールコート機を用いて下記の現像ロールの表層形成材料を塗工し、これを180℃×60分の条件にてオーブン架橋することにより、ゴム弾性層の外周に厚さ10μmの表層を形成し、現像ロールを作製した。なお、現像ロールの表層の表面には、表層に添加された粗さ形成粒子に起因して表面凹凸が形成されている。
【0104】
(現像ロールの表層形成材料)
ウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業社製、「ニッポラン5196」)100質量部と、カーボンブラック(電気化学工業社製、「デンカブラックHS100」)40質量部とをメチルエチルケトンに混合、分散させた混合液を調製した。この混合液に粗さ形成用粒子としてのウレタン樹脂粒子(根上工業社製、「アートパールU−600T」)20質量部とメチルエチルケトンをさらに加えて混合した後、イソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、「コロネートL」)45質量部を加えることにより、現像ロールの表層形成材料を調製した。
【0105】
(残留電荷)
電荷減衰率の測定と同様の装置を用い、コロナ電流を印加した状態で各ベースロール1を回転させたまま、表面電位計3を各ベースロール1の一方端から他方端まで5mm/sで移動させて各ベースロール1の表面電位を測定し、その最大値を残留電荷とした。
【0106】
(濃度ムラ)
各現像ロールを市販のカラーレーザープリンタ(HP社製、Color Laser jet 3800)のカートリッジに組み込み、ベタ画像出しをLL環境(15℃×10%RH)で行い、縦5×横3の15点の画像濃度をマクベス濃度計で測定し、そのバラツキから濃度ムラを求めた。
【0107】
(フィルミング評価)
各現像ロールを市販のカラーレーザープリンタ(HP社製、Color Laser jet 3800)のカートリッジに組み込み、32.5℃×85%RHの環境下で、画像出しを通紙6000枚行ない、その後のロール外観を顕微鏡((株)キーエンス製、VK−9510)で拡大し観察した。この際、ロール表面にトナーの付着が無かった場合を「◎」、ロール表面にトナーが付着しているが、軽微で搬送量の変化や画像に影響が出なかった場合を「○」、ロール表面にトナーが付着し、搬送量の変化や画像にムラが発生した場合を「×」とした。
【0108】
【表5】
【0109】
表5から、比較例4では、抵抗バラツキが大きいため、濃度ムラ(画像濃度ムラ)が大きい。また、残留電荷が大きく、電荷減衰性に劣っているため、トナーフィルミングが確認された。比較例5では、残留電荷の低下や電荷減衰性が不十分であるため、フィルミングが確認された。これに対し、実施例9〜11では、抵抗バラツキが小さいため、濃度ムラが小さい。また、電荷減衰性に優れているため、トナーフィルミングは確認されなかった。
【0110】
<ミラブルシリコーンゴムを用いた例>
(実施例12〜13)
表6に示す配合となるように、ミラブルシリコーンゴム(ビニル基含有ジメチルポリシロキサン<4>)、カーボンブラック、ヒュームドシリカ、アルコキシシリル基を有するイオン液体、白金触媒をニーダーで15分間混練した後、2本ロールで1−エチニル−1−シクロヘキサノール、架橋剤(ヒドロシリル基含有ジメチルポリシロキサン)を練り込んで、ミラブルシリコーンゴム組成物を調製した。
【0111】
(比較例6)
アルコキシシリル基を有するイオン液体を配合しなかった以外は実施例12と同様にして、ミラブルシリコーンゴム組成物を調製した。
【0112】
(シート成形)
実施例1の液状シリコーンゴム組成物と同様にして、2mm厚のシートを作製した。
【0113】
(ゴム弾性層の作製)
実施例12〜13、比較例6の各ミラブルシリコーンゴム組成物を、クロスヘッド押出装置により、軸体(直径6mm、SUS304製)の外周面上に直接押出成形することにより、軸体の外周面にミラブルシリコーンゴム組成物よりなる円筒状の未架橋のゴム弾性層を形成した。その後、170℃×10分の条件にてオーブン架橋後、200℃×4時間の条件にて2次架橋を実施し、軸体の外周面に沿ってゴム弾性層(外径12mm、層厚さ3mm)が形成されたベースロールを作製した。
【0114】
(現像ロールの作製)
液状シリコーンゴムの場合と同様、上記の現像ロールの表層形成材料を各ベースロールの表面に塗工することにより、現像ロールを作製した。
【0115】
作製した各シートを用いて、シート物性を測定した。また、作製したベースロールを用いて、ベースロール特性を測定・評価した。さらに、作製した現像ロールを用いて、製品特性の評価を行った。測定方法および評価方法は、液状シリコーンゴムの場合と同様である。
【0116】
【表6】
【0117】
表6から、比較例6では、抵抗バラツキが大きい。また、電荷減衰性にも劣っている。このため、濃度ムラ(画像濃度ムラ)が大きい。これに対し、実施例12〜13では、抵抗バラツキが小さい。また、電荷減衰性にも優れている。このため、濃度ムラが小さい。
【0118】
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能なものである。