(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の画像形成装置1を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態の画像形成装置1の全体を示す斜視図であり、
図2は
図1における画像形成装置1の正面図であり、
図3は、
図1における画像形成装置1の右側面図であり、
図4は自動原稿給送部19を省略した
図2の画像形成装置1におけるx−z断面図である。なお、画像形成装置1の幅方向をx軸、奥行き方向をy軸、高さ方向をz軸とする。
【0008】
図1乃至4に示すように、実施形態の画像形成装置1である複合機(MFP:Multi Function Peripheral)は、画像形成装置本体10の内底部に位置する給紙部13内に収容されたシートを一枚ずつ搬送路141に送り出し、搬送ローラ142によってシートを上側へ搬送し、排紙ローラ151から画像形成装置本体10の中段部に設けられた排紙受部15に排出する。なお、画像形成装置1が手差しのシートを用いる場合には、手差しシート載置部16に載置されたシートを搬送ローラ142は搬送して、上記同様に排紙受部15へ排出される。
【0009】
搬送路141の途中には画像形成部11(
図4の一点鎖線で示す部分)が配置されている。この画像形成部11は、
図4に示すように、表面に感光層を設け、図中矢印で示す方向に回転する感光体121を備え、この感光体121の周囲に、この感光体121の表面を均一に帯電する帯電器111、この帯電器111で均一に帯電した感光層を露光して静電潜像を形成する露光部112、この露光部112による露光により形成された静電潜像をトナーにより現像し顕像化する現像部122、この現像部122にて顕像化したトナー像をシートに転写する転写部113、この転写部113によりシートに帯電したトナーを回収するクリーニング部123を有する。また、画像形成部11は、転写部113によりシートに転写されたトナー像を加熱定着する熱定着器114も有する。
【0010】
さらに、画像形成装置本体10の上部には、
図1および4に示すように、各種操作キーと液晶ディスプレイを備え、画像形成装置1の正面に面する方向(以下、第1の方向と言う)に設けられた操作パネル17と、シートに印字された画像を読み取る画像読取部18と、画像読取部18へシートを自動的に搬送する自動原稿給送部19(ADF:Auto Document Feeder)とを備える。なお、自動原稿給送部19には、後述する拡張シート積載部191を有する。
【0011】
画像形成部11は、トナーを収容し、現像部122へトナーを供給するトナーカートリッジ115を有する。このトナーカートリッジ115は、操作パネル17が設けられた画像形成装置1の壁面の方向(第1の方向)から挿脱自在に画像形成装置本体10に取り付けられている。
【0012】
図1および2に示すように、画像形成装置本体10の正面側の壁面(第1の方向の壁面)には、トナーカートリッジ115を出し入れする出し入れ口101およびこの出し入れ口101を覆う出し入れ口カバー102が設けられている。この出し入れ口カバー102は、出し入れ口101に対して着脱自在に取付けられている。ここで、出し入れ口カバー102は、使用者の任意に応じて様々な色やロゴを入れたカバーとしても良い。この構成により、使用者独自の出し入れ口カバー102を画像形成装置本体10に用いることで、使用者に独自の画像形成装置1としての愛着感を持たせることができる。
【0013】
図5は
図1の画像形成装置1におけるプロセスユニット12の概略図である。感光体121、現像部122およびクリーニング部123はプロセスユニット12を構成し、このプロセスユニット12は、画像形成装置本体10における第1の方向と直交する第2の方向(例えば、画像形成装置本体10の右側壁面の方向)から一体的に着脱自在にできる構成となっている。
【0014】
図1および3に示すように、画像形成装置本体10の右側壁面(第1の方向と直交する第2の方向の壁面)には、搬送ローラ142および搬送路141(以下、これらをまとめて搬送部14と言う)を露出させる開口位置と、搬送部14を覆う閉止位置とで回動する搬送路カバー部103が設けられている。この搬送路カバー部103を開口位置まで回動させて、プロセスユニット12を第2の方向に引き出して、画像形成装置本体10から脱離する。
【0015】
搬送路カバー部103は、プロセスユニット12を取り出す際に用いる他、搬送路141内に詰まったシートを取り除くジャム処理やプロセスユニット12以外の部品を取り出す際においても、開口位置まで回動させる構成としても良い。この構成により、搬送路カバー部103の役割として、プロセスユニット12およびその他の部品を取り出す際の取り出し口並びにジャム処理をする際における画像形成装置1内部にアクセスするアクセス口とすることができる。
【0016】
図6は自動原稿給送部19を省略した
図1の画像形成装置1の上面図である。画像読取部18は、シートに印字された画像を読み取る読取部181と、原稿載置台の上面に配設されたプラテンガラス182(透明部材)とを有する。このプラテンガラス182が設けられた領域は、読取部181をフラッドヘッドスキャナとして用いる際に、シートが載置されて画像読取りされる静止原稿読取領域183と、自動原稿給送部19を用いて画像読み取りを行う際に、原稿が通過される移動原稿読取領域184とを有する。ここで、
図6に示すように、静止原稿読取領域183は、平面視が長方形で、最大A4レターサイズが載置可能な大きさであり、移動原稿読取領域184は、静止原稿読取領域183の長手方向に沿って細長いものである。
【0017】
次に、画像形成装置本体10に挿着されたトナーカートリッジ115を交換する方法について説明する。
図7(A)は
図1の画像形成装置1における出し入れ口カバー102を外した際の動作説明図であり、
図7(B)は
図7(A)の画像形成装置1におけるトナーカートリッジ115を外す際の動作説明図である。
【0018】
使用者は、
図7(A)に示すように、出し入れ口101から出し入れ口カバー102を取り外す。
図7(B)に示すように、使用者は、使用済みのトナーカートリッジ115を第1の方向に引き出し、画像形成装置本体10から使用済みのトナーカートリッジ115を脱離する。このトナーカートリッジ115を脱離する際には、
図7(B)に示すように、出し入れ口101の周囲に設けた脱離ボタン104を押して脱離しても良い。トナーカートリッジ115が画像形成装置本体10から脱離した後は、使用者は、未使用のトナーカートリッジ115を出し入れ口101に合わせて挿入する。トナーカートリッジ115が画像形成装置1内の所定の位置に挿着されると、使用者は、出し入れ口カバー102を出し入れ口101に取付けて、トナーカートリッジ115の交換作業を終える。
【0019】
次に、画像形成装置本体10に装着されたプロセスユニット12を交換する方法について説明する。
図8(A)は
図1における搬送路カバー部103を開口位置に回動する際の動作説明図であり、
図8(B)は
図1における搬送路カバー部103を露出させた状態の概略図であり、
図9(A)は
図8(B)の状態におけるトナーカートリッジ115および帯電器111周辺を示すx−z断面図であり、
図9(B)は
図8(B)の状態からプロセスユニット12を外した際のトナーカートリッジ115および帯電器111周辺を示すx−z断面図であり、
図10は
図1における画像形成装置1のx−y断面図である。
【0020】
使用者は、
図8(A)に示すように、搬送路カバー部103を開口位置まで回動する。
図8(B)に示すように、搬送部14が露出されると、使用者は、
図5に示すプロセスユニット12を第2の方向に引き出して、使用済みのプロセスユニット12を画像形成装置本体10から取り出す。
【0021】
ここで、プロセスユニット12には、帯電器111が含まれないため、プロセスユニット12を画像形成装置本体10から取り出しても帯電器111は画像形成装置本体10に取り付けられたままとなっている。具体的には、プロセスユニット12を取り出す前は、
図9(A)に示すように、感光体121、現像部122、クリーニング部123および帯電器111は画像形成装置本体10にそれぞれ装着された状態であるが、プロセスユニット12を取り出した後は、
図9(B)に示すように、画像形成装置1に装着されているのは帯電器111のみとなる。
【0022】
このようにプロセスユニット12と帯電器111を別々の構成にすることで、例えば、プロセスユニット12における感光体121が故障した場合には、プロセスユニット12を新しいものに交換するのみで済む。すなわち、この場合において、本実施形態の画像形成装置1は、画像形成装置本体10に取り付けられている帯電器111を取り外す必要もなく、新しい帯電器111に交換する必要もない。これにより、感光体121等に比べて使用期間が長い帯電器111については、プロセスユニット12を交換した後も継続して使用することができる。また、逆に帯電器111のみが故障した場合には、帯電器111のみを新しい帯電器111に交換すれば良く、画像形成装置本体10に装着されているプロセスユニット12に関しては交換する必要がないため、プロセスユニット12を交換しない分の費用を削減することができる。
【0023】
使用済みのプロセスユニット12を画像形成装置本体10から取り出した後は、使用者は、新しいプロセスユニット12を画像形成装置本体10の所定の位置に装着して、搬送路カバー部103を閉止位置に設定し、プロセスユニット12の交換作業を終える。
【0024】
上記のように、本実施形態の画像形成装置1は、トナーカートリッジ115をプロセスユニット12と別々の構成とすることで、トナーカートリッジ115のみを交換する場合には、プロセスユニット12を画像形成装置本体10から取り出さずに済む。すなわち、本実施形態の画像形成装置1は、トナーカートリッジ115を交換する際には、トナーカートリッジ115のみを交換すれば良く、プロセスユニット12を交換する際には、プロセスユニット12のみを交換すれば良い。
【0025】
また、本実施形態の画像形成装置1は、トナーカートリッジ115を交換する際には、使用者が作業しやすい画像形成装置本体10の正面側の壁面(画像形成装置本体10における第1の方向の壁面)に形成された出し入れ口101を用いて、使用者は作業することができるため、トナーカートリッジ115の交換作業を行い易い。
【0026】
また、本実施形態の画像形成装置1は、トナーカートリッジ115よりも交換頻度が少ないプロセスユニット12の交換作業に関しては、画像形成装置1における右側壁面(画像形成装置本体10における第2の方向の壁面)に設けた搬送路カバー部103を用いることで、画像形成装置本体10の前側壁面における開口面積を少なくすることができる。すなわち、交換頻度の高いトナーカートリッジ115のみを画像形成装置本体10の正面側の壁面から取り出す構成により、使用者の交換作業効率を高めるとともに、画像形成装置本体10の正面側の壁面(画像形成装置1の第1の方向の壁面)の強度を高めることができる。
【0027】
この構成により、本実施形態の画像形成装置1は、画像形成装置本体10の正面側の壁面における強度を高めることができるため、画像形成装置本体10の幅方向の長さ(y軸方向の長さ)を短くすることができる。
【0028】
また、本実施形態の画像形成装置1は、画像形成装置本体10の正面側の壁面の開口面積を小さくすることで、正面側の壁面近傍において各種装置を設置するスペースを設けることができる。このスペースに各種装置を設置することで、さらに画像形成装置本体10を小型化することができる。
【0029】
具体的には、従来技術の画像形成装置1で背面側の壁面に配置していたトナーカートリッジ115、感光体121、現像部122、クリーニング部123および帯電器111等のそれぞれに電気を給電する給電部105を、正面側の壁面近傍に設けられたスペースに配置することができる。
【0030】
すなわち、
図10に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、画像形成装置本体10の正面側の壁面近傍において給電部105を配置し、画像形成装置本体10の背面側の壁面近傍に、トナーカートリッジ115、感光体121、現像部122、クリーニング部123および帯電器111等のそれぞれを駆動する駆動部106を配置することができる。この構成により、本実施形態の画像形成装置1は、背面側の壁面近傍に給電部105および駆動部106を配置する従来の画像形成装置1に比べて、奥行き方向(x軸方向)の長さを小さくすることができる。
【0031】
次に、A3サイズのシート(静止原稿読取領域183より大きいサイズのシート)に印字された画像を読み取る読取方法およびA3サイズのシート(給紙部13内に収容することができるシートサイズより大きいサイズのシート)に画像形成する際の画像形成方法について説明する。ここで、給紙部13内に収容することができるシートのサイズとしてA4レターサイズとする。
図11は実施形態の画像形成装置1における拡張シート積載部191および手差しシート載置部16を引き出した状態を示す斜視図であり、
図12は
図11の状態における画像形成装置1の正面図である。
【0032】
A3サイズのシートに印字された画像を読み取る場合には、
図11および12に示すように、使用者は拡張シート積載部191を引き出す。そして、この拡張シート積載部191に載置されたシートを自動原稿給送部19により移動原稿読取領域184へ搬送して、読取部181でシートに印字された画像を読み取る。画像を読み取られたシートは排紙受部15に排出される。
【0033】
この構成により、本実施形態の画像形成装置1は、静止原稿読取領域183がA4レターサイズであっても、自動原稿給送部19を用いることで、静止原稿読取領域183よりも大きいサイズのシート(例えば、A3サイズのシート)に印字された画像を読取部181にて読取ることができる。
【0034】
A3サイズのシートに画像形成する場合には、
図11および12に示すように、使用者は手差しシート載置部16を引き出し、シートを載置する。画像形成装置1が画像形成動作を開始すると、手差しシート載置部16に載置されたシートが搬送ローラ142により搬送され、転写部113で感光体121に顕像化したトナー像をシートに転写して、熱定着器114および排紙ローラ151を通り、排紙受部15に排出される。
【0035】
この構成により、本実施形態の画像形成装置1は、手差しシート載置部16を用いることで、給紙部13内に収容することができない大きさのシートに関しても画像形成処理を行うことができる。
【0036】
上記実施形態において、画像形成装置1における正面側の壁面方向を第1の方向として説明したが、特にこれに限られるものではなく、画像形成装置1の設置状況に応じて使用者が作業しやすい方向に面する壁面方向を第1の方向としても良い。
【0037】
また、上記実施形態において、第1の方向に直交する第2の方向として、画像形成装置1の右側の壁面方向として説明したが、特にこれに限られるものではなく、画像形成装置1の左側の壁面方向であっても良い。
【0038】
以上、本実施形態の画像形成装置は、トナーカートリッジの挿脱方向とプロセスユニットの着脱方向を異ならせる構成により、従来技術に比べて画像形成装置の大きさを小型化することができる。
【0039】
上記実施形態は一例を示すもので、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。特許請求の範囲によって示す技術的事項の解釈は明細書本文になんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。