(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ステップAにおいて、前記最大誘導信号値を備えるピークループアンテナは、全域の走査を実施する時に決められることを特徴とする請求項1に記載の電子ペンの傾斜角の検出方法。
ステップFにおいて、前記傾斜角対照リストは傾斜角と位置百分比がIndex1とIndex2に対応する対照リストであることを特徴とする請求項1に記載の電子ペンの傾斜角の検出方法。
Index1とIndex2の大きさに基づいて、前記電子ペンの座標が前記ピークループアンテナの範囲内に位置するか否かを判断することを特徴とする請求項7に記載の電子ペンの傾斜角の検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施例に係る電磁誘導入力システムを示す。前記電磁誘導入力システム10は、ディジタイザー12と電子ペン14を含む。ディジタイザー12はアンテナ区16(アンテナ領域16、アンテナ有効エリア16)と制御回路基板(図に示せず)とを含み、アンテナ区16はX方向とY方向によって配列された複数の導体または誘導コイルから構成(第2図参照)され、制御回路基板はメモリーコントロールユニット(マイクロコントローラーユニット、micro−controller unit, MCU)及び信号処理回路を含み、信号処理回路は、例えば、ループアンテナスイッチ(switch)、信号フィルタリング(filter)、信号増幅(amplifier)、A/Dコンバータ(A/D converter)等の回路である。電子ペン14には共振回路が設けられ、電子ペン14の座標は電子ペン14の共振回路とディジタイザー12のループアンテナとの間の電磁気波伝送によって得られる。
【0012】
図2は、
図1にけるアンテナ区がX軸での部分ループアンテナ配置の概略図である。
図2に示したように、ループアンテナX1からループアンテナX9までは別れて(別々の)始端を備え、そのそれぞれの終端も同様に接地端に接続され、各ループアンテナの始端から終端までが囲んでいる面積はほとんど同じである。この他、例えて言えば、ループアンテナX1が覆う区域には他の二つのループアンテナX2、X3を含み、言い換えれば、1つのループアンテナが覆う区域には次の二つのループアンテナの始端を含む。即ち、隣接するループアンテナの誘導範囲はお互いに重なられる。アンテナ区16がY軸でのアンテナ配置とX軸でのアンテナ配置とは類似であるが、Y軸アンテナとX軸アンテナとは直交になる。
【0013】
電子ペン14のディジタイザー12の表面での位置がPであると、電子ペン14がP点で放出する磁場は近傍のループアンテナ(周囲のループアンテナ、例えば、X1〜X5)によって誘導されることができ、それぞれの近づくループアンテナ(近傍のループアンテナ)は誘導電流を産生(発生)させることができ、この誘導信号の検出値によって更にP点の位置座標を計算することができる。
【0014】
ループアンテナに誘導された信号値を得る過程において、全域走査(global scan)を実施する時、どのループアンテナ(例えば、X3)が電子ペン14に近いかを一応判断することができ、続いて区域走査(local scan)を行い、即ちループアンテナX3に近づく幾つかのループアンテナ(例えば、X1〜X5)のみを走査することによって、これらの幾つかのループアンテナの誘導信号の電圧値を得て計算を実施する。
【0015】
図3は、ループアンテナに誘導された信号値の可能である分布図である。一般的に、ループアンテナに誘導された信号の分布は(1)電子ペン14の傾斜角度と;(2)電子ペン14とディジタイザー12の誘導高さと;(3)電子ペン14が1つのループアンテナでの位置との影響を受ける。
【0016】
電子ペン14が垂直されて(垂直に)ディジタイザー12のアンテナ区16の表面に位置し、あるループアンテナの真々中に位置する時、信号の分布は基本的に左右対称を呈し、左側信号ピークは大体右側信号ピークと同じ、
図3に示したようである。しかし、電子ペン14が右側に傾斜する時、右側信号ピークは増加して右側信号ピークが左側信号ピークより大きいようになり;電子ペン14が左側に傾斜する時、左側信号ピークは増加して左側信号ピークが右側信号ピークより大きいようになる。電子ペン14の右傾を例とすると、傾斜角度が増加する(例えば、傾斜角が20°から40°に増加)時、右側信号ピークは従って増加し、信号の分布も従って変わられ、この時の中央の信号ピークも次のループアンテナに移動する可能性がある。
【0017】
電子ペン14が1つのループアンテナでの相対的位置も信号の分布に影響を与える。
図4を参照すると、電子ペン14が一つのループアンテナの真々中に位置する時の位置を50%と定義し、電子ペン14がこのループアンテナでの最左側に位置する時の位置を0%と定義し、電子ペン14がこのループアンテナでの最右側に位置する時の位置を100%と定義する。電子ペン14が垂直されて50%の位置に位置する時、信号の分布は基本的に左右対称であり;電子ペン14が0%の位置に位置する時、信号の分布は少し左側に偏倚する可能性があり;電子ペン14が100%の位置に位置する時、信号の分布は少し右側に偏倚する可能性がある。
【0018】
電子ペン14の座標は様々な方式を利用して推算でき、例えば下の公式によって推算することができる。
【数1】
その中、AD
Maxは最大の信号ピークであり、AD
Leftは信号ピークの左側に現れる1つのループアンテナに誘導された信号値であり、AD
Rightは信号ピークの右側に現れる1つのループアンテナに誘導された信号値である。例を挙げて言えば、
図3で信号ピークがループアンテナX9で現れたと仮設すると、ループアンテナX8とX10の信号値を一緒に使用して座標推算をし、即ち下のようになる:
(AD9−AD8)/[(AD9−AD8)+(AD9−AD10)]。
【0019】
電子ペン14が傾斜する時AD
RightとAD
Left値の大きさに顕著な影響を与え、傾斜角度とAD
RightとAD
Left値とには一定の関係がある。一般的に、電子ペン14の傾斜角の計算はAD
RightとAD
Left値を補償するためであり、更に推算された座標値を補償して、最後に決まれた電子ペン14座標が一層精確になるようにし、この部分は従来の補償方式を採用して達することができるので、ここでは詳細に述べない。この他、電子ペン14がX軸方向での傾斜角とY軸方向での傾斜角を別れて(別々に)求めた後、従来の方式を利用して座標の補償を実施することができる。
【0020】
以下、本発明における電子ペン傾斜角の検出方法の原理及び概念に対して紹介する。
【0021】
図3に示されたあらゆる曲線は全部1つの十一次方程式を利用して説明することができ、即ちax11+bx10+….=yである。実際に色々な位置百分比と色々な傾斜角での各ループアンテナの信号値を測量し、曲線毎に対してそのパラメーター組(即ちa、 b、...)を求めて、位置百分比と、傾斜角と、パラメーター組の対照リストを作成する。電子ペンの精確な座標を決定する過程で、測量された信号値から信号の分布曲線のパラメーター組を推算し、またこのパラメーター組と前記対照リストに記録されたパラメーター組とを対照すると、電子ペンの位置百分比と傾斜角を得ることができる。しかし、この方式に必要になる計算量はかなり大きすぎ、従来のマイクロプロセッサの計算能力には限度があって、実行できない。
【0022】
電子ペンの傾斜角が0°である時、信号の分布曲線は左右対称を呈し;傾斜角が大きいほど、曲線の不対称性も高くなり、曲線の変化率も大きくなる。従って、曲線の変化率によって電子ペンの傾斜角を推算することができる。
【0023】
一つの一元三次方程式で信号の分布曲線を説明すると仮設すると、即ちax
3+bx
2+cx+d=y、四個の点からそのパラメーター組(即ち、a,b,c,d)を求める必要があり、言い換えれば、四個のループアンテナの誘導信号値(AD)を必要とする。
図5を参照すると、在信号(存在する信号)の分布図からある1つのループアンテナ(AD値が最大なループ又はその近くのループが好ましい)を取って中心とし、その信号値はAD
0である。例えて言えば、この中心点から左に一つの点(その値はAD
−1である)を取り、右に二つの点(その値は別個のAD
1、AD
2である)を取り、この四個の点を使用して曲線を説明する。この四個の点の座標値を前述した三次方程式に別れて(別々に)代入して、以下のように、−a+b−c+d= AD
−1,d= AD
0,a+b+c+d= AD
1,8a+4b+2c+d= AD
2を獲得する。従って、以下のように、そのパラメーターの解を求めることができる:
【数2】
【0024】
電子ペンの傾斜角が0°であり、且つちょうど第9個のループアンテナの中心に位置すると仮定すると、第9のループとその左に二個と右に二個のループによって測量されたAD値は以下のようである:
【表1】
【0025】
第8のループを中心点として、シミュレーションされた信号曲線は
図6Aに示したようであり、前述のした公式(2)を通して
図6Aの曲線のパラメーター組を得ることができ;第9のループを中心点として、シミュレーションされた信号曲線は
図6Bに示したようであり、前述のした公式(2)を通して
図6B曲線のパラメーター組を得ることができる。比較を便利に観察するために、あらゆるパラメーター値を全部dで割りて又1000を掛けて、以下の表を得る:
【表2】
【0026】
最高次のパラメーター値(即ち、パラメーターA)が信号曲線の変化に対する影響が一番大きいため、二つの曲線を比較する時、パラメーターAを比較対象とする。電子ペンの傾斜角が0°である時、信号の分布は左右対称であり、表2に示したように、第8点によって得られた曲線のパラメーターAと第9点によって得られた曲線のパラメーターAとが同じ、二つの曲線の間の変化率がゼロであることを示す。
【0027】
電磁誘導のアナログ信号がとても微弱なため、信号に対して先ずアンプ処理を通し、又フィルタリングと整流を行い、そしてA/Dコンバータを実施する。アンプのゲイン値は信号の強弱に従って動態変化をして、AD値も異なるようになる。前述でシミュレーションされた曲線のパラメーター値を全部dで割り(即ち、AD
0)、即ち曲線規格化(曲線の正規化(normalization))と類似する動作を実施する。
【0028】
今、電子ペンの傾斜角が0°であるが、第10個のループアンテナの中心には位置しないと仮定して、それが5%〜95%の位置に位置する時、曲線変化率に対する影響を観察する。第8点によって得られた曲線と第9点によって得られた曲線との二つのパラメーターAの差異を、下の表のように比較する:
【表3】
【0029】
上から分かるように、電子ペンが1つのループアンテナでの異なる位置で平行移動する時、パラメーターAの階差(勾配、差分)の変化は大きくなく、言い換えれば、シミュレーションされた二つの信号曲線の間の変化が大きくない。
【0030】
今、毎四つの隣接する点を一元三次方程式によって1つの信号曲線をシミュレーションして、四個の信号曲線を得て、獲得された四個の信号曲線の中の最高次のパラメーター値を左から右まで別れてA−2、A−1、A0、A1である(四個の信号曲線の中の最高次のパラメーター値を左から右まで別個に、A−2、A−1、A0、A1とする)。且つ、Index1、DeltaL、DeltaR、Index2等の数値を定義すると、下のようになる。
【数3】
【0031】
これらの数値が電子ペンの傾斜角の変化において、位置百分比(位置の割合,位置の百分率)の変化と電子ペンの誘導高さの変化においての数値の変化を観察する。
【0032】
今、電子ペンが第10個のループアンテナに位置し、電子ペンとディジタイザーの誘導距離が6mmであり、位置百分比が60%であると仮定して、それが異なる傾斜角0°〜50°にある時、曲線変化率に対する影響を観察する。電子ペンの右傾を例として、Index1とIndex2の変化の場合を観察すると、下の表のようである:
【表4】
【0033】
電子ペンが左傾の時の計算結果は下の表のようである:
【表5】
【0034】
上から分かるように、電子ペンが1つのループアンテナの中心で異なる角度で傾斜する時、傾斜角が大きいほど、Index1も原則的に大きくなる(左傾10°から20°までの場合を除く)。しかし、最大AD値が第10個のループアンテナにある時、Index2は右への傾斜角度が大きいほど値が小さくなり、左への傾斜角度が大きいほど値が大きくなる。実際に、傾斜角が40°と50°に右傾する時、最大AD値は第10個のループアンテナに位置しないと、第11個のループアンテナに位置する。Index1が予定値(例えば、9)より大きい時、電子ペンの位置に対して1つのピッチ(pitch)または1つのループ単位の修正を必要とする。例えば、電子ペンが右へ40°と50°右傾する時、AD最大値は第11個のループアンテナにあるが、実際に電子ペンは第10個のループアンテナに位置して、電子ペンの位置を第10個のループアンテナに調整する。
【0035】
前述の統計結果から見いだせるように、電子ペンの傾斜角が大きくない場合、及び電子ペンが異なる位置百分比に位置する場合、Index1の値は大きくて範囲が近づく(範囲が近い)ため、Index1が大きくない場合、これは傾斜角が小さい場合であるか、或いは異なる位置百分比に位置する場合であるか、どちらの場合によって引き起こされたかを更に判定しなければならない。
【0036】
今、電子ペンとディジタイザーとの誘導距離が6mmで、電子ペンが垂直されて第10のループアンテナ30%の位置に位置し、及び第10のループアンテナ40%的位置に位置するが傾斜角が10°左傾する二種類の場合を仮定して、第7〜13のループがこの二種類の場合にセンシングされたAD値を下のように列出する:
【表6】
【0037】
続いて、Index1とIndex2を比較し、前述した公式(1)を利用して電子ペンの偏倚比例(偏移比例、オフセットの割合、offset proportion、bias proportion)を推算すると、下のような表が得られる:
【表7】
【0038】
上から分かるように、前述した二種類の場合は、偏倚比例が近づいて、且つIndex1も近づく(Index1の値が類似する)。しかし、Index2には顕著な差異がある。従って、Index1が予定値(例えば、10)より小さい時、Index2を利用して、電子ペンが傾斜するか或いは位置偏倚(location offset, location bias)するかの場合を判定することができる。
【0039】
更に、電子ペンが異なる位置百分比にある時、Index1とIndex2の変化(この時ペンは垂直)を観察すると、以下のようである:
【表8】
【0040】
且つ、右傾を例とすると、電子ペンが異なる傾斜角にある時、 Index1、Index2と偏倚比例の変化(電子ペンが第10のループアンテナの30%の位置に位置する場合を例とする)を観察すると、以下のようである:
【表9】
【0041】
上から分かるように、電子ペンが異なる位置百分比にある時、Index1の変化は大きくなく、Index2は位置百分比の増加によって逓減する。傾斜角度が変化する時、Index1の変化も大きくないが、Index2は角度の増加によって逓減し、その逓減変化率ももっと大きい。電子ペンが垂直されて70%の位置に位置する場合と40°右傾して30%の位置に位置する場合を比較すると、その示された偏倚比例は近づく(70% vs.73.6%)が、Index2は別れて(別々の)0.768と−13.876となる。従って、Index2の大きさを判断することを通して、電子ペンが傾斜するか或いは位置偏倚(位置のずれ、偏り)しているかの情況を判定することができる。位置偏倚の場合だと判定される時、この時は傾斜角度が大きくないため、電子ペンが傾斜する時に信号の分布に対する影響が小さくて、公式(1)を用して電子ペンが落られる位置百分比を計算することができる。
【0042】
前述の実験結果から下のような結論を得ることができる:Index1が予定値より小さい場合、この時の電子ペンの位置座標とAD最大値は同じループアンテナに位置する、Index2を使用して電子ペンが傾斜であるか或いは位置偏倚であるかを判定し、更にIndex2の計算を通して電子ペンの傾斜角を得出することができる。Index1が予定値より大きい場合は、この時の電子ペンの位置とAD最大値は異なるループアンテナに位置され、この時はIndex1を使用して電子ペンの傾斜角を估計することができる。
【0043】
最後に、電子ペンとディジタイザーの誘導距離も曲線変化率に影響を与えるため、電子ペンが同じ位置と同じ角度である条件においても、位置の補償に差異が産生するようになり、実験データを通して説明する。電子ペンが垂直されて第10のループアンテナの50%の位置に位置され、電子ペンとディジタイザーの誘導距離が別れて2mmと6mmである二種類の場合を仮定して、第7〜13のループがこの二種類の場合にセンシングされたAD値は以下のようである:
【表10】
【0044】
続いて、各パラメーターであるIndex1,DeltaL,DeltaR,Index2(前述のように定義)を比較し、前述の公式(1)を利用して電子ペンの偏倚の比例を推算して、以下のような表が得られる:
【表11】
【0045】
上から分かるように、前述の二種類の場合、偏倚比例の値が近づいて、且つIndex1とIndex2の値も近づく。しかし、DeltaLとDeltaRには顕著な差異がある。誘導高さが固定された時、各種類の傾斜角のDeltaLとDeltaRも固定な範囲がある。従って、DeltaLとDeltaRを利用して、電子ペンとディジタイザーの誘導距離を判定することができる。
【0046】
位置補償の差異は傾斜の角度が大きい時にとても顕著になり、以下で電子ペンが50°左傾する時であって、誘導高さがそれぞれ(別れて)2mmと6mmである二種類の場合、異なる顕現偏倚比例(顕示偏移比例、Microscopy shows offset proportion )(非実際偏倚比例、non-actual bias proportion)の時の位置補償量を示す。表12の誘導高さは2mmであり、表13の誘導高さは6mmである。
【表12】
【0048】
理論的には、前述のように定義された様々なパラメーターには全部その作用があり、Index1は最大のAD値と電子ペンとが同じループアンテナ(ある時はIndex2とマッチして補助的に判別)に位置するかを判別することができ;Index2は傾斜角度の大きさを判別することができ;DeltaLとDeltaRは電子ペンとディジタイザーの誘導距離を判別することができる。以下、第7図に示した傾斜角の検出方法のプロセスとマッチングして、区域走査の時の七つのループアンテナの走査を例として説明する。
【0049】
ステップS10において、全域走査を行って、どのループアンテナが相対的に電子ペンに一番近づいているかを一応判断し、電子ペンに近いループアンテナは一般的に最大の誘導信号値を備え、このループアンテナをここでピークループアンテナと呼ばれる。
【0050】
ステップS12において、区域走査を行い、即ち前記ピークループアンテナに隣接する複数のループアンテナを走査して、前記ピークループアンテナと前記らの隣接するループアンテナの誘導信号値を獲得して、信号の分布が得られる。この例において、前記ピークループアンテナと前記らのそれに隣接するループアンテナの中の総数は合わせて七つのループアンテナを取り、言い換えれば、合わせて獲得された信号値は七つのループアンテナの誘導信号値である。
【0051】
ステップS14において、前記ピークループアンテナと前記らの隣接するループアンテナによって誘導された信号値を利用して、信号曲線をシミュレーションする。三次方程式に対して言えば、前述の方式によって点を取り、七つの信号値は四つの信号曲線をシミュレーションすることができる。この例において、この七つのループアンテナの信号値の中で、毎四つの隣接する点は三次方程式によって一つの信号曲線をシミュレーションし、獲得された四つの信号曲線で最高次のパラメーター値は左から右まで別れてA
−2、A
−1、A
0、A
1である。この四つのパラメーター値はまた前述された規格化動作をさらに行って、アンプのゲイン値の変化によってAD値が変えられる場合に適用することができる。
【0052】
ステップS16において、信号曲線の間の変化率を計算する。この例において、即ち、前述の公式(3)のように、Index1、DeltaL、DeltaR、Index2等の数値を定義する。
【0053】
ステップS18において、DeltaLとDeltaRに従って電子ペンとディジタイザーの誘導距離を判別する。誘導高さが異なるため、各種類の異なる角度においてのIndex1とIndex2の変化を起こすようになる。従って、特定な誘導高さに従って、相応の傾斜角対照リストを採用する。前記傾斜角対照リストは特定な誘導高さでの傾斜角と位置百分比がIndex1とIndex2に対応する対照リストであり、言い換えれば、この対照リストは 従業員が様々な位置百分比で、異なる角度の傾斜と様々な異なる誘導高さで実際に測量して得たものである。
【0054】
ステップS20において、Index1とIndex2を使用して前記傾斜角対照リストを検索して、相応の傾斜角を引き出す。先ず、電子ペンの座標が前記ピークループアンテナの範囲内に位置するか否かを判断する。一般的に、Index1が予定値より小さい時、傾斜角が大きくないことを示し、電子ペンの座標が前記ピークループアンテナの範囲内に位置すると判定することができる。しかし、ある時はIndex1が角度に従う変化が顕著でないため、やはりIndex2とマッチングして電子ペンの座標が前記ピークループアンテナの範囲内に位置するか否かを判断しなければならない。従って、Index1を使用し、Index2とマッチングして電子ペン座標とAD最大値とが同じループアンテナにあるかを判断する。二つが同じループアンテナにあると判定される時、この時Index2は顕著な差異があって、この時にIndex2を使用して前記傾斜角対照リストを検索して、電子ペンの傾斜角を引き出し、且つ線形内挿的方式を使用して、電子ペンの位置百分比を計算することができる。二つが同じループアンテナにないと判定される時、傾斜角が大きいことを示し、この場合にIndex2の値は影響を受け、Index1は顕著な差異があるし、この時Index1を使用して前記傾斜角対照リストを検索して、電子ペンの傾斜角を引き出す。
【0055】
実施例において、Index1が予定値(例えば、9)より小さい時、電子ペンの座標が前記ピークループアンテナの範囲内に位置すると判定することができる。Index1が前記予定値より大きい時、Index2の値が−12より小さいと、電子ペンの座標が前記ピークループアンテナの範囲の外に位置すると判定され、それでなければ、やはり前記ピークループアンテナの範囲に位置すると判定される。
【0056】
以下、二つの例を挙げて説明する。例1において、AD値の最大値が第10のループアンテナの範囲に現れ、ある1つの未知角度に傾斜されたと仮設すると、下のように第7〜13個(合わせて7個)のループアンテナの誘導信号値が獲得される:
【表14】
【0057】
続いて、表14のAD値に基いて偏倚比例、Index1、Index2、DeltaL、DeltaRを計算し、それは別れて51.26%、7.85、−7.81、11.98、11.79である。先ず、DeltaLとDeltaRからその誘導高さが6mmであることを判断し、Index1が予定値(例えば、8)より小さいため、傾斜角が大きくないと判定することができ(Index1の値が大きくないため、Index2を補助とすることが好ましく、本例において、−15<Index2<21から判定する)、電子ペンとAD値の最大値は同じループアンテナに現れ、先ず偏倚比例51.26%によって対照リストを検索することができる。下の表のように一部分を示す。
【表15】
【0058】
続いて、表14からIndex2(即、−7.81)に一番近づいてるものを見つけ、右傾30°と、位置百分比10%とが引き出される。最後に、再用線形内挿方式によって、電子ペンの傾斜角が右傾30.3°で、座標が位置百分比9%に位置することが引き出される(導かれる)。
【0059】
例2において、AD値の最大値が第11のループアンテナの範囲に現れ、ある1つの未知の角度に傾斜されると仮設(仮定)すると、下のように第8〜14個(合わせて7個)のループアンテナの誘導信号値が獲得される:
【表16】
【0060】
続いて、表16のAD値に基づいて偏倚比例、Index1、Index2、DeltaL、DeltaRを計算する。それは分かれて(それぞれの値は)40.14%、8.78、−15.29、18.35、33.64である。先ず、DeltaLとDeltaRからその誘導高さが2mmであることが判断され、すなわち誘導高さが2mmで、顕現偏倚比例が40%である対照リストからその実際の偏倚比例を見出し、Index1からはAD最大値と電子ペンが同じループにあるかが判定できなくて、我達はIndex2から判別し、Index2が−12より小さいため、AD最大値が位置されるループと電子ペンが置かれたループが異なることが判定され、電子ペンは第10のループアンテナに置かなければならない。この時傾斜角はとても大きくて、以下の表から電子ペンの実際位置を見い出す。
【表17】
【0061】
AD最大値が位置されるループと電子ペンが置かれたループが異なるため、Index1(即ち、8.78)を使用して表17から一番近づくもの(最も近い値)を見つけて、電子ペンの傾斜角が右傾41.81°で、座標が第10ループアンテナの位置百分比90.38%に位置することが得られる。
【0062】
本発明において、ループアンテナの誘導信号値を利用して少なくとも二つの信号曲線をシミュレーションし、毎二つの信号曲線の間の曲線変化率に基づいて電子ペンの傾斜角を推算し、この方式は5〜7のみのループアンテナを走査するによって、傾斜角が検出されて獲得される。走査するループが少ない時、フィルタリング演算と歴史軌跡の参照とにマッチングして精確な傾斜角度を獲得することができる。且つ、従来の技術においてかなり多くのループアンテナ(例えば、13個)を走査して傾斜角を検出するに比べ、本発明は走査のループアンテナの数を低まることができて、傾斜角の検出的効率を効果的に高め、従ってディジタイザーの周縁に位置する無効区を縮小し、有効区の範囲を効果的に拡大することができる。
【0063】
上記のように、好ましい実施例を利用して本発明に対して説明したが、本発明はこれに限られない。本発明が属する技術分野の通常の知識を持った技術者は本発明の構想と範囲を離脱しない範囲でさまざまな修正と潤色の可能性がある。従って、本発明の保護の範囲は以下の特許請求の範囲に確定された範囲を基準とする。