(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
<1.第1の実施形態>
(1−1.硬貨処理装置の構成)
図1及び
図2を参照しながら、第1の実施形態に係る硬貨処理装置100の構成について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る硬貨処理装置100を示す概略平面図である。
図2は、第1の実施形態に係る硬貨処理装置100を示す概略断面図である。
【0017】
硬貨処理装置100は、例えば店舗等に設置されたレジスターで取り扱われる硬貨を管理する。硬貨処理装置1は、硬貨を一括して受け入れた後、各硬貨の硬貨認識を行って金種を判別する。その後、硬貨処理装置100は、判別結果に応じて金種毎に硬貨を選別し、選別した硬貨を出金する。
【0018】
図1及び
図2に示す硬貨処理装置100は、硬貨繰り出しユニット200と、硬貨搬送ユニット300と、硬貨選別ユニット400等を有する。以下においては、ユニット毎に構成を説明する。
【0019】
(硬貨繰り出しユニット)
硬貨繰り出しユニット200は、投入された硬貨を次の工程へ繰り出す硬貨繰り出す。
図1、
図2に示すように、硬貨繰り出しユニット200は、硬貨受領部210と、硬貨収容部の一例である収容部220と、回転部材の一例である回転円盤230と、回転軸240と、円盤駆動部250と、支持部材の一例である回転支持ローラ260とを有する。
【0020】
硬貨受領部210は、投入される硬貨を受ける部分である。硬貨受領部210は、硬貨が投入される投入口212と、硬貨を落下させる落下口214とを有する。落下口214は、投入口212の鉛直方向に下方に位置する。投入口212から投入された硬貨は、自重により落下口214へ移動し、収容部220に落下する。投入口212は、大量の硬貨を一括して投入し易いように、広く開口している。落下口214の開口は、一括して投入された硬貨がそのまま収容部220へ落下することを防止するために、投入口212の開口よりも小さく形成されている。
【0021】
収容部220は、硬貨受領部210の落下口214から落下した硬貨Cを収容する部材である。収容部220内(収容空間)には回転円盤230が設けられており、収容部220の内周面は、回転円盤230が回転可能なように、回転円盤230の外周に沿った形状に形成されている。収容部220は、硬貨Cを所定量(例えば100枚)収容可能である。収容部220の側面には、硬貨搬送ユニット300へ硬貨Cを通過させる(放出させる)ための通過口の一例である放出口222が設けられている。放出口222の幅及び高さは、硬貨が一枚ずつ通過できるように、形成されている。
【0022】
回転円盤230は、収容部220内に設けられた円形状の部材であり、回転することにより硬貨Cを硬貨搬送ユニット300へ導く。回転円盤230は、硬貨受領部210の落下口214の真下に位置しており、硬貨受領部210の硬貨は回転円盤230上に落下する。回転円盤230は、円盤駆動部240の回転駆動力を受けて、所定の回転方向に回転する。回転円盤230の回転により生じる遠心力を受けて、回転円盤230上の硬貨は、収容部220の側面側(回転円盤230の外周側)へ移動し、放出口222を通過することで、1枚ずつ硬貨搬送ユニット300へ放出される。
【0023】
回転軸240は、回転円盤230と嵌合しており、回転円盤230を回転させるための軸である。すなわち、回転軸240は、円盤駆動部240から受けた回転駆動力を回転円盤230に伝達する。また、回転軸240は、回転円盤230の回転軸240の軸方向への移動を許容するように、回転円盤230に対して取り付けられている。なお、回転軸240の詳細構成については、後述する。
【0024】
円盤駆動部250は、回転円盤230を回転駆動させる駆動部である。円盤駆動部250は、円盤モータ252と、ギア列254とを有する。円盤モータ252は、ギア列254を介して回転駆動力を伝達し、回転軸240を回転させる。これにより、回転軸240が取付けられた回転円盤230も、回転軸240の回転方向と同一方向に回転する。
【0025】
回転支持ローラ260は、回転円盤230の下方に設けられ、回転円盤230に接触した状態で、回転中の回転円盤230を支持する。これにより、回転円盤230は、水平に回転する。回転支持ローラ260の詳細構成については、後述する。
【0026】
(硬貨搬送ユニット)
硬貨搬送ユニット300は、硬貨繰り出しユニット200と硬貨選別ユニット400とを連結し、硬貨繰り出しユニット200から硬貨選別ユニット400へ硬貨を搬送する。
図1、
図2に示すように、硬貨搬送ユニット300は、硬貨通路310と、搬送ローラ320とを有する。
【0027】
硬貨通路310は、収容部220の放出口222から放出された硬貨が硬貨選別ユニット400へ搬送される通路である。硬貨通路310は、放出口222と硬貨選別ユニット400の搬入口415(後述)とを連結する。
【0028】
搬送ローラ320は、硬貨通路310内に設けられ、回転することにより硬貨通路310内の硬貨を搬送する一対のローラである。搬送ローラ320は、搬送駆動部(不図示)の駆動力を受けて、硬貨通路310内の硬貨を一枚ずつ挟持しながら搬送する。
【0029】
(硬貨選別ユニット)
硬貨選別ユニット400は、硬貨繰り出しユニット200から搬送された硬貨を、選別する。
図1、
図2に示すように、硬貨選別ユニット400は、選別ハウジング410と、搬送ディスク420と、位置検出部材430と、識別部440と、リジェクト硬貨排出口450と、正常硬貨排出口460とを備える。
【0030】
選別ハウジング410は、円筒状の部材であり、ハウジング底面412と側壁414とにより構成されている。ハウジング底面412は、硬貨通路310の底面よりもわずかに低く設定されている。これにより、硬貨通路310を搬送された硬貨が、選別ハウジング410内に搬入されやすくなる。側壁414には、搬送ローラ320によって搬送された硬貨が搬入される搬入口415が形成されている。
【0031】
搬送ディスク420は、円板形状の部材である。搬送ディスク420は、選別ハウジング410内に設けられ、ハウジング底面412上で水平に回転する。搬送ディスク420は、ディスク駆動部(不図示)の回転駆動力を受けて、所定の回転方向に回転する。
【0032】
搬送ディスク420には、硬貨を一枚だけ受容可能な硬貨受容部424が等ピッチ角度で複数形成されている。硬貨受容部424は、搬送ディスク420の外周縁部に形成されたU字状の切り欠き部である。搬送ディスク420は、回転することにより、硬貨受容部424に受容された硬貨を搬送ディスク420の回転方向に沿って搬送する。硬貨は、選別ハウジング410の側壁414によってガイドされて搬送される。
【0033】
位置検出部材430は、搬送ディスク420上に同軸で設けられた円筒部材であり、硬貨受容部424の位置(搬送ディスク420の一の硬貨受容部424が搬入口415に対向する位置)を検出する。位置検出部材430には、硬貨受容部424のピッチ角度と同じピッチ角度でスリット432aが複数形成されている。スリット432aが不図示の検出センサにより検出されることで、硬貨受容部424の位置が検出される。
【0034】
識別部440は、搬送ディスク420により搬送される硬貨の真偽、金種等を識別する。識別部440は、例えば硬貨を識別可能な光学センサや磁気センサを有し、これらのセンサは搬送方向に沿って設けられている。
【0035】
リジェクト硬貨排出口450と正常硬貨排出口460は、選別ハウジング410の底面412に形成された排出口である。リジェクト硬貨排出口450には、偽硬貨や外国硬貨等と識別されたリジェクト硬貨が落下し、正常硬貨排出口460は、真性硬貨と識別された各金種の正常硬貨が落下する。
【0036】
なお、硬貨処理装置100は、硬貨処理装置100の全体動作を制御するための制御ユニット(不図示)を有する。制御ユニットは、上述したユニットの各構成要素の動作を制御する制御部(不図示)と、制御部が実行するプログラムや各種のデータを記憶する記憶部(不図示)と、を有する。
【0037】
(1−2.回転円盤に対する回転軸の取付構造)
次に、回転円盤230に対する回転軸246の取付構造について説明する。以下においては、まず、比較例を説明した後に、第一の実施形態に係る取付構造について説明する。
【0038】
(比較例)
図3は、比較例に係る回転円盤530に対する回転軸540の固定構造を示す図である。なお、
図3(b)は、
図3(a)に示す矢印D1方向から見た図である。
【0039】
比較例における回転軸540は、回転円盤530に対してカシメや溶接等によって固定されている。ところで、このような固定構造の場合には、回転円盤530に対する回転軸540の直角度を高精度なものにすることが困難である。特に、回転円盤530の大きさが大きい場合には、部品精度の影響を受けやすく、直角度を高精度に確保することが更に困難となる。
【0040】
そして、回転円盤530に対する回転軸540の直角度の精度が低い場合には、回転円盤530が、回転時に上下方向に振れる。このような振れが発生すると、放出口222からの硬貨の放出が円滑に行われない問題がある。
【0041】
図4は、比較例に係る回転円盤530の回転時の振れを説明するための図である。
図4(a)は、回転円盤530が右斜め下に振れている場合を示し、
図4(b)は、回転円盤530が左斜め下に振れている場合を示す。
図4(a)の場合には、放出口222の硬貨が通過する高さH2が、1枚の硬貨が通過するように設定された放出口222の高さH1よりも大きくなるため、複数の硬貨が放出口222から放出される恐れがある。また、
図4(b)の場合には、放出口222の硬貨が通過する高さH3が、1枚の硬貨が通過するように設定された放出口222の高さH1よりも小さくなるため、硬貨が放出口222を通過できない恐れがある。
【0042】
なお、上記では、回転軸540がカシメや溶接によって回転円盤530に固定されているとしたが、回転軸540がネジ等で回転円盤530に固定されている場合にも、同様な問題が発生しうる。
【0043】
(本実施形態に係る取付構造)
図5は、硬貨繰り出しユニット200を示す図である。
図6(a)は、
図5のA−A断面図である。
図6(b)は、
図5のB−B断面図である。
図7は、回転軸240を示す図である。なお、
図7(b)は、
図7(a)に示す矢印D2方向から見た図である。
【0044】
第1の実施形態に係る回転軸240は、比較例とは異なり回転円盤230に固定されておらず、回転円盤230の回転軸240の軸方向への移動を許容するように、
図6に示すように回転円盤230と嵌合している。回転軸240は、
図7に示すように、小径部242と、大径部244と、小径部242と大径部244の間に位置するカット部246とを有する。
【0045】
回転円盤230の中央には、
図6(b)に示すように、回転軸240と嵌合するための穴部232が設けられている。穴部232には、矩形状の角穴が形成されている。回転軸240は、穴部232の内側面232aに接触した状態で回転することで、回転円盤230も回転する。
【0046】
小径部242は回転円盤230の下方に位置し、大径部244は回転円盤230の上方に位置する。小径部242の外径は、穴部232の幅よりも小さい。このため、小径部242は、穴部232を通過可能である。小径部242には、ギア列254のギアが取付けられており、ギア列254の回転に連動して、小径部242(回転軸240)も回転する。
【0047】
大径部244は、硬貨受領部210から収容部220に落下した硬貨を攪拌する機能を有する。大径部244の外周面には、攪拌機能を促進させるために、例えば突起(不図示)が設けられている。また、大径部244の外径は、穴部232の幅よりも大きい。このため、大径部244は、回転円盤230の上方への移動を規制する。
【0048】
カット部246は、大径部244を例えばIカットした断面形状を有し、穴部232と嵌合している。具体的には、カット部246は、穴部232と隙間嵌めしており、例えば上下方向への移動を許容している。そして、カット部246が、穴部232の内側面232aと接触した状態で回転することで、回転円盤230も回転する。
【0049】
カット部246がIカットされていることで、カット部246が内周面232aに接触する接触面(接触点)を多く確保できる。このため、円盤駆動部250による回転駆動力を回転円盤230に効率的に伝達できる。
【0050】
ところで、回転円盤230の下方には、回転中の回転円盤230を支持する回転支持ローラ260が、少なくとも3つ以上設けられている。本実施形態では、4つの回転支持ローラ260が設けられており、4つの回転支持ローラ260は、上下方向において同じ位置に設けられている。回転支持ローラ260は、回転自在なローラであり、回転円盤230の回転時に回転円盤230に作用する抵抗を抑制している。なお、上記では、回転支持ローラ260が4つであることとしたが、これに限られず、例えば、回転支持ローラ260は、3つ又は5つ以上であっても良い。
【0051】
回転円盤230は、自重により下方に位置する回転支持ローラ260に接触した状態で、回転する。特に、硬貨が投入された場合には、回転円盤230上の硬貨の重みにより回転円盤230が回転支持ローラ260に接触しやすくなる。これにより、回転円盤230は水平な状態で、回転できる。
【0052】
また、上述した大径部244は、カット部246の幅よりも大きく形成されている。そして、大径部244は、軸方向において回転円盤230から見て回転支持ローラ260とは反対側(上下方向の上側)への回転円盤230の移動を規制して、カット部246と穴部232の嵌合状態を維持している。このように、回転支持ローラ260と大径部244により回転円盤230の軸方向への移動が制限されることで、回転円盤230が回転軸240に対して安定した姿勢で回転できる。
【0053】
ここで、4つの回転支持ローラ260の配置について説明する。
図6(b)では、4つの回転支持ローラ260が、回転円盤230の回転方向において90度間隔で、配置している。これにより、回転支持ローラ260の回転円盤230の支持状態がより安定する。なお、回転支持ローラ260の配置は、回転方向に等間隔で配置されていなくても良い。例えば、回転方向において放出口222の近傍に2つの回転支持ローラ260が配置するようにしても良い。かかる場合には、仮に2枚の硬貨が放出口222に入って回転円盤230を下方に押し下げる力が作用しても、放出口222の近傍に位置する2つの回転支持ローラ260によって回転円盤230が振れることを防止できる。
【0054】
上記のように、カット部246が穴部232と嵌合し、かつ支持ローラ260が回転中の回転円盤230を支持することにより、回転円盤230に対して回転軸240を高精度な直角度を保った状態で取り付けることが可能となる。また、回転円盤230は、回転支持ローラ260に支持されて水平に回転するので、比較例で説明した回転円盤230が回転時に上下方向に振れる現象の発生を抑制できる。この結果、1枚の硬貨が放出口222から適切に放出されることになる。
【0055】
なお、上記では、カット部246は、大径部244をIカットした断面形状を有することとしたが、これに限定されない。例えば、カット部246は、大径部244をDカットした断面形状を有することとしても良い。かかる場合には、穴部232に形成された穴も、カット部246の断面形状に沿った形状となる。
【0056】
また、上記では、回転円盤230を支持する支持部材として回転支持ローラ260を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、球体状の部材が回転円盤230を支持しても良く、また、突起状の部材が回転円盤230を支持しても良い。また、ローラに代えて、ベアリングであっても良い。さらに、支持部材は、回転中の回転円盤230を水平に維持できる平板状の部材であっても良い。
【0057】
(1−3.硬貨処理装置の動作)
次に、上述した構成を有する硬貨処理装置100の動作例について説明する。なお、硬貨処理装置100の動作は、制御ユニットの制御部によって実行される。すなわち、制御部は、記憶部に記憶されたプログラムを実行することで、下記に説明する動作を実行する。
【0058】
硬貨繰り出しユニット200の硬貨受領部210に硬貨が一括して投入されると、投入された硬貨は回転円盤230上に集積される。その後、回転円盤230が円盤モータ242によって回転すると、回転円盤230上の硬貨は、回転による遠心力を受けて収容部220の内周面に沿って移動し、放出口222より硬貨通路310へ一枚ずつ押し出される。
【0059】
ここで、回転円盤230は、上述したように回転軸240に固定されておらず、回転支持ローラ260に支持されている。このため、回転円盤230は、回転中に自重により回転支持ローラ260に接触するため、水平に回転する。特に、硬貨が回転円盤230に位置するので、硬貨の重さにより回転円盤230が回転支持ローラ260に確実に接触するため、回転円盤230が水平に安定した状態で回転する。このように回転円盤230が水平に回転することで、放出口222からの硬貨が放出されないことや、複数の硬貨が放出口222に入り込むことを防止できる。
【0060】
押し出された硬貨は、硬貨搬送ユニット300の搬送ローラ320が停止中は硬貨通路310上に滞留し、搬送ローラ320の回転中は挟持されて搬送される。一方で、硬貨選別ユニット400の搬送ディスク420は、回転中に位置検出部材430によって硬貨受容部424が搬入口415に対向すると検出されると、一旦停止する。そして、搬送ディスク420が一時停止した際に搬送ローラ320が回転することで、搬送ローラ320に挟持された硬貨が搬入口415を通過して硬貨受容部424に搬送される。
【0061】
搬送ディスク420は、硬貨が硬貨受容部424に搬送された後(所定時間停止した後)に、再度回転を行う。すなわち、搬送ディスク420は、間欠回転を行う。そして、上記の動作を連続的に行うことで、投入された硬貨が硬貨受容部424に順次搬送される。
【0062】
硬貨受容部424に受容された硬貨は、搬送ディスク420の間欠回転(間欠搬送)中に、識別部440を通過する際に、真偽、金種等が識別される。すなわち、リジェクト硬貨と、真性硬貨に選別される。
【0063】
その後、識別部440による判別結果に基づいて、リジェクト硬貨は、リジェクト硬貨排出口450から排出され、真性硬貨は、正常硬貨排出口460から排出される。投入された全ての硬貨が排出されると、本動作は終了する。
【0064】
(1−4.第1の実施形態に係る硬貨処理装置の有効性)
上述したように、回転支持ローラ260は、回転円盤230の下方にて回転円盤230に接触して、回転中の回転円盤230を支持する。また、回転軸240は、回転円盤230の回転軸240の軸方向への移動を許容するように、回転円盤230に対して取り付けられている。
【0065】
かかる場合には、回転軸240を回転円盤230に固定する場合に比べて、回転円盤230に対して回転軸240を高精度な直角度を保った状態で取り付けることが可能となる。また、回転円盤230は、回転支持ローラ260に支持されて水平に回転するので、回転円盤230の振れを抑制できる。この結果、回転円盤230の回転に伴い放出口222へ移動する硬貨の移動態様が安定し、硬貨が放出口222を適切に通過できる。
【0066】
<2.第2の実施形態>
図8を参照しながら、第2の実施形態に係る回転円盤630に対する回転軸640の取付け構造について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る回転円盤630に対する回転軸640の取付け構造を示す図である。
【0067】
第1の実施形態では、回転円盤230と回転軸240が嵌合している。これに対して、第2の実施形態では、回転円盤630に、ギアが取付けられた回転軸640とは異なる固定軸650が回転円盤630を貫通するように固定されている。回転軸640に向かって回転円盤230から突出した固定軸650の回転円盤630の端部には、固定軸650を貫通するピン660が取付けられている。
【0068】
一方で、回転軸640の回転円盤630側の端部642は、中空状の形状を成し、固定軸650が入り込む構成になっている。また、端部642の外周面には、ピン660と嵌合(隙間嵌め)する嵌合凹部の一例である切り欠き644が形成されている。このため、ピン660は、回転駆動力を回転円盤230に伝達する機能を有する。なお、ピン660は、切り欠き644と嵌合した状態で、上下方向(軸方向)への移動を許容されている。
【0069】
上記の構成により、回転軸640が回転する際に、切り欠き644と嵌合するピン660が取付けられた固定軸650も回転し、これに伴い、回転円盤630も回転する。この際、回転円盤630は、自重(硬貨の重さも含む)により、回転支持ローラに接触した状態で、水平に回転する。
【0070】
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、回転軸640を回転円盤630に固定する場合に比べて、回転円盤630に対して回転軸640を高精度な直角度を保った状態で取り付けることが可能となる。また、回転円盤630は、回転支持ローラ260に支持されて水平に回転するので、回転円盤630の振れを抑制できる。この結果、回転円盤630の回転に伴い放出口222へ移動する硬貨の移動態様が安定し、硬貨が放出口222を適切に通過できる。
【0071】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。