特許第5808032号(P5808032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5808032
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】紙折装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/16 20060101AFI20151021BHJP
【FI】
   B65H45/16
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-512245(P2014-512245)
(86)(22)【出願日】2012年4月27日
(86)【国際出願番号】JP2012061333
(87)【国際公開番号】WO2013161048
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2015年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113403
【氏名又は名称】ホリゾン・インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井田 辰章
(72)【発明者】
【氏名】山本 宏生
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 晋哉
(72)【発明者】
【氏名】ファイファー,フリードエルム
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−201610(JP,A)
【文献】 特開2012−66884(JP,A)
【文献】 特開2001−88227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H45/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を、給紙方向に直角に交互に山折りおよび谷折りし、均等に蛇腹状に折り畳む紙折装置であって、
用紙スタックから用紙を順次供給する給紙部と、前記給紙部から供給された用紙を給紙方向に直角に折り畳む紙折部とを備え、
前記給紙部は、
前記用紙スタックを備えた棚と、
前記棚および前記紙折部間にのびる搬送ベルトと、
前記棚の前記用紙スタックから用紙を順次用紙を前記搬送ベルト上に送り込む用紙フィーダーと、を有し、
前記紙折部は、
前記搬送ベルトから供給された用紙が順次導入される複数のバックルと、
前記複数のバックルのそれぞれに、用紙の導入方向に沿ってスライド可能に配置されたストッパと、を有し、前記バックルに導入された用紙の先端が前記ストッパに当接することで当該用紙が予め決定された折位置に位置決めされるようになっており、
前記紙折部は、さらに、
前記複数のバックルのそれぞれに設けられ、前記ストッパをスライドさせるストッパ駆動機構と、
前記複数のバックルのそれぞれの入口近傍に対向配置され、用紙を前記バックルに取り込むための一対の回転駆動される取込みローラと、
前記複数のバックルのそれぞれの入口近傍に対向配置され、前記バックルに導入された用紙のうち当該バックルの外にはみ出した部分を折り畳むための一対の回転駆動される排出ローラと、を有し、前の前記バックルに関する前記排出ローラが同時に次の前記バックルに関する前記取込みローラとして機能し、用紙が、前記複数のバックルに順次導入されて、前記バックルの個数に対応する回数折り畳まれる紙折装置において、
前記紙折部の前記ストッパ駆動機構のそれぞれを統括制御する制御部を備え、
前記制御部は、折り畳みエラーが生じた蛇腹状の用紙の最後の折片と残りの折片との長さの差の値の入力を受け、前記長さの差の値を前記バックルの個数によって除算し、前記最後の折片の方が前記残りの折片よりも長いときは、前記ストッパ駆動機構のそれぞれに対し、前記長さの差をゼロにすべく、関係する前記ストッパを前記除算によって得られた長さの値だけ関係する前記バックルの入口から遠ざかる向きにスライドさせる制御命令を送る一方、前記最後の折片が前記残りの折片よりも短いときは、前記ストッパ駆動機構のそれぞれに対し、前記長さの差をゼロにすべく、関係する前記ストッパを前記除算によって得られた長さの値だけ関係するバックルの入口に近づく向きにスライドさせる制御命令を送るものであることを特徴とする紙折装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙折装置、特に、用紙を、給紙方向に直角に交互に山折りおよび谷折りして、蛇腹状に折り畳む紙折装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、一対の折りローラの間に用紙を挟むことにより、用紙を給紙方向に直角に交互に山折りおよび谷折りして、蛇腹状に折り畳む紙折装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
図7は、この種の紙折装置の概略構成を示した図である。図7において、Aは給紙部、Bは搬送部、Cは紙折部である。給紙部Aは、その上に用紙束が置かれる昇降可能な用紙載置台1と、用紙載置台1上に置かれた用紙束の最上位の用紙Pを送り出すローラ2とを有していて、最上位の用紙Pを一枚ずつ搬送部Bに送り出す。搬送部Bは、給紙部Aから供給された用紙Pを紙折部Cに搬送する搬送ベルト3と、搬送ベルト3からの用紙Pの浮き上がりを抑えるローラ群4を有している。
【0003】
紙折部Cは、複数のバックルb1〜b4を有し、各バックルb1〜b4には、位置調整可能なストッパS1〜S4が備えられている。そして、各バックルb1〜b4の入口近傍には、用紙Pをバックルb1〜b4に取り込むための一対の回転駆動される取り込みローラW、W1;W、W2;W2、W3;W3、W4が対向配置され、さらに、バックルb1〜b4に導入された用紙Pのうち当該バックルb1〜b4の外にはみ出した部分を折り畳むための一対の回転駆動される排出ローラW、W2;W2、W3;W3、W4;W4、W5が対向配置されている。
【0004】
そして、前のバックルに関する排出ローラが同時に次のバックルに関する取込みローラとして機能し、用紙Pが、複数のバックルに順次導入されて、給紙方向に直角に、バックスの個数に対応する回数だけ交互に山折りおよび谷折りされ、蛇腹状に折り畳まれる。
【0005】
すなわち、紙折動作がなされるとき、各ストッパS1〜S4が、用紙の折位置に対応する位置に固定される。そして、搬送部Bから送られてくる用紙Pが一対のローラWおよびW1間に引き込まれ、当該用紙Pの先端がバックルb1内に導入される。用紙Pの先端がバックルb1のストッパS1に当接すると、用紙Pはバックルb1の入口近傍で撓み、その撓み部分が一対のローラW2およびW間に引き込まれ、用紙Pは一方の側に折り畳まれる。
【0006】
次いで、折り畳まれた用紙Pは、その折り目を先端としてバックルb2内に導入される。バックルb2内に導入された用紙Pの先端がストッパS2に当接すると、用紙Pはバックルb2の入口で撓み、その撓み部分が一対のローラW2およびW3の間に引き込まれ、用紙Pは前と反対側に折り畳まれる。こうして、用紙Pは2箇所で折り畳まれる。以下、同様にして、一対のローラW2およびW3、一対のローラW3およびW4、並びにバックルb3によって、また、可動ローラW3、可動ローラW4および可動ローラW5、並びにバックルb4によって順次用紙Pが折り畳まれる。
こうして、給紙方向に直角に交互に山折りおよび谷折りされ、蛇腹状に折り畳まれた用紙が装置から排出される。
【0007】
この装置によれば、各バックルb1〜b4に備えられたストッパS1〜S4の位置を調節することによって、蛇腹状の用紙の各折片の長さを自由に設定することができる。そして、均等に折り畳まれた(各折片の長さが等しい)蛇腹状の用紙を得るためには、すべてのストッパS1〜S4について、ストッパS1〜S4から関係するバックルb1〜b4の入口までの距離が同じになるように、ストッパS1〜S4の位置が設定される。
【0008】
しかしながら、用紙PがストッパS1〜S4に当接する際の速度はストッパS1〜S4毎に少しずつ異なり、また、用紙Pの堅さや撓み加減は用紙毎に少しずつ異なる。そのため、得られた蛇腹状の用紙の最後の折片が、残りの折片よりも長くまたは短くなる、折り畳みエラーが発生することがあった。
【0009】
このような場合、従来技術においては、最後の折片の長さと残りの折片の長さとの差が測定され、測定結果に基づき、バックルb1〜b4毎に、実際に折り畳まれるべき長さに対する過不足を考慮しつつ、ストッパS1〜S4の位置が再度設定されていた。しかしながら、このストッパの位置の再設定作業には、熟練とかなりの時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−88227号公報
【特許文献2】特許第3253669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の課題は、用紙を均等に蛇腹状に折り畳む工程で折り畳みエラーが発生した場合に、ストッパの位置の再設定を容易かつ短時間で行える紙折装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明によれば、用紙を、給紙方向に直角に交互に山折りおよび谷折りし、均等に蛇腹状に折り畳む紙折装置であって、用紙スタックから用紙を順次供給する給紙部と、前記給紙部から供給された用紙を給紙方向に直角に折り畳む紙折部とを備え、前記給紙部は、前記用紙スタックを備えた棚と、前記棚および前記紙折部間にのびる搬送ベルトと、前記棚の前記用紙スタックから用紙を順次用紙を前記搬送ベルト上に送り込む用紙フィーダーと、を有し、前記紙折部は、前記搬送ベルトから供給された用紙が順次導入される複数のバックルと、前記複数のバックルのそれぞれに、用紙の導入方向に沿ってスライド可能に配置されたストッパと、を有し、前記バックルに導入された用紙の先端が前記ストッパに当接することで当該用紙が予め決定された折位置に位置決めされるようになっており、前記紙折部は、さらに、前記複数のバックルのそれぞれに設けられ、前記ストッパをスライドさせるストッパ駆動機構と、前記複数のバックルのそれぞれの入口近傍に対向配置され、用紙を前記バックルに取り込むための一対の回転駆動される取込みローラと、前記複数のバックルのそれぞれの入口近傍に対向配置され、前記バックルに導入された用紙のうち当該バックルの外にはみ出した部分を折り畳むための一対の回転駆動される排出ローラと、を有し、前の前記バックルに関する前記排出ローラが同時に次の前記バックルに関する前記取込みローラとして機能し、用紙が、前記複数のバックルに順次導入されて、前記バックルの個数に対応する回数折り畳まれる紙折装置において、前記紙折部の前記ストッパ駆動機構のそれぞれを統括制御する制御部を備え、前記制御部は、折り畳みエラーが生じた蛇腹状の用紙の最後の折片と残りの折片との長さの差の値の入力を受け、前記長さの差の値を前記バックルの個数によって除算し、前記最後の折片の方が前記残りの折片よりも長いときは、前記ストッパ駆動機構のそれぞれに対し、前記長さの差をゼロにすべく、関係する前記ストッパを前記除算によって得られた長さの値だけ関係する前記バックルの入口から遠ざかる向きにスライドさせる制御命令を送る一方、前記最後の折片が前記残りの折片よりも短いときは、前記ストッパ駆動機構のそれぞれに対し、前記長さの差をゼロにすべく、関係する前記ストッパを前記除算によって得られた長さの値だけ関係するバックルの入口に近づく向きにスライドさせる制御命令を送るものであることを特徴とする紙折装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、紙折装置の各バックルのストッパ駆動機構を統括制御する制御部を備え、用紙を均等に蛇腹状に折り畳む工程において折り畳みエラーが生じたとき、蛇腹状の用紙の最後の折片と残りの折り片との長さの差の値を制御部に入力するだけで、当該折り畳みエラーを補償すべく、各バックルのストッパの位置が自動的に再設定するようにしたので、折り畳みエラーが発生した場合のストッパの位置の再設定を容易かつ短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の1実施例による紙折装置の概略構成を示す図である。
図2図1に示された紙折装置の紙折部の構成を示す拡大図である。
図3図1に示された紙折装置によって蛇腹状に折り畳まれた用紙を例示する斜視図である。
図4図1に示された紙折装置のタッチパネル・ディスプレイの表示画面の1つを示す図である。
図5図1に示された紙折装置のタッチパネル・ディスプレイの表示画面の1つを示す図である。
図6図1に示された紙折装置のタッチパネル・ディスプレイの表示画面の1つを示す図である。
図7】従来の紙折装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。図1は、本発明の1実施例による紙折装置の概略構成を示す図であり、図2は、図1に示された紙折装置の紙折部の構成を示す拡大図である。
図1を参照して、本発明による紙折装置は、用紙スタックMから用紙Pを順次供給する給紙部Aと、給紙部Aから供給された用紙Pを給紙方向に直角に折り畳む紙折部Bを備えている。
【0016】
給紙部Aは、その上に用紙スタックMが置かれる昇降可能な棚1と、棚1および紙折部B間にのびる搬送ベルト2と、棚1上に置かれた用紙スタックMの最上位の用紙Pを順次搬送ベルト2上に送り込む用紙フィーダー3とを有している。この実施例では、用紙フィーダー3は、棚1の前端上方に配置された回転駆動されるローラからなっている。なお、図中、4は、搬送ベルト2からの用紙Pの浮き上がりを抑えるアイドルローラ群である。
【0017】
紙折部Bは、搬送ベルト2から供給された用紙Pが順次導入される複数のバックル、この実施例では4つのバックルb1〜b4と、4つのバックルb1〜b4のそれぞれに、用紙Pの導入方向に沿ってスライド可能に配置されたストッパS1〜S4を有している。この場合、各バックルb1〜b4には、これに平行にのびる(図示されない)ガイドレールが設けられ、ストッパS1〜S4は、このガイドレールにスライド可能に取り付けられている。そして、バックルb1〜b4に導入された用紙Pの先端がストッパS1〜S4に当接することによって、当該用紙P予め決定された折位置に位置決めされる。
【0018】
紙折部Bは、さらに、バックルb1〜b4のそれぞれに設けられ、ストッパS1〜S4をスライドさせるストッパ駆動機構d1〜d4を有している。
図2を参照して、ストッパ駆動機構d1〜d4は、この実施例では、バックルb1〜b4に平行にのび、これに軸まわりに回転可能に支持されたボールねじのねじ軸5と、バックルb1〜b4に取り付けられ、ねじ軸5を回転させるモータ6と、ストッパS1〜S4に備えられ、ボールねじのねじ軸5と対をなすナット(図示されない)とから構成され、ストッパS1〜S4がナットを通じてねじ軸5に螺合している。
そして、モータ6が正逆方向に回転することによって、ストッパS1〜S4が、関係するバックルb1〜b4の入口eに近づきまたは遠ざかる向きに変位する。
【0019】
なお、ストッパ駆動機構d1〜d4の構成はこの実施例に限定されものではなく、ボールねじおよびモータの組み合わせの代わりに、例えば、一対のプーリ間に張設されてバックルb1〜b4に平行にのびるエンドレスベルトと、プーリの一方を回転させるモータとの組み合わせを用い、エンドレスベルトにストッパS1〜S4を固定してもよい。
ストッパ駆動機構d1〜d4は、制御部Cによって統括制御される。
【0020】
各バックルb1〜b4の入口eの近傍には、用紙Pをバックルb1〜b4に取り込むための一対の回転駆動される取込みローラW、W1;W、W2;W2、W3;W3、W4が対向配置され、また、バックルb1〜b4に導入された用紙Pのうち当該バックルb1〜b4の外にはみ出した部分を折り畳むための一対の回転駆動される排出ローラW、W2;W2、W3;W3、W4;W4、W5が対向配置される。
【0021】
そして、前のバックルに関する排出ローラが同時に次のバックルに関する取込みローラとして機能し、用紙Pが、複数のバックルに順次導入されて、給紙方向に直角に、バックスの個数に対応する回数だけ交互に山折りおよび谷折りされ、蛇腹状に折り畳まれる。
【0022】
すなわち、給紙部Aの搬送ベルト2上を送られてきた用紙Pが一対のローラWおよびW1との間に引き込まれ、用紙Pの先端がバックルb1内に導入される。用紙Pの先端がバックルb1のストッパS1に当接すると、用紙Pはバックルb1の入口近傍で撓み、その撓み部分が一対のローラW2およびWの間に引き込まれ、用紙Pは一方の側に折り畳まれる(第1の折り)。
【0023】
折り畳まれた用紙Pは、次いで、その折り目を先端としてバックルb2内に導入される。バックルb2内に導入された用紙Pの先端がストッパS2に当接すると、用紙Pはバックルb2の入口で撓み、その撓み部分が一対のローラW2およびW3の間に引き込まれ、用紙Pは、前と反対側に折り畳まれる(第2の折り)。
【0024】
以下、同様にして、一対のローラW2およびW3と、一対のローラW3およびW4と、バックルb3によって、用紙Pは、前と反対側に折り畳まれ(第3の折り)、次いで、一対のローラW3およびW4と、一対のローラW4およびW5と、バックルb4によって、用紙Pは、前と反対側に折り畳まれる(第4の折り)。こうして、蛇腹状に折り畳まれた用紙Pが紙折装置から排出される。
【0025】
本発明の紙折装置においては、図3Aに示されるように、均等に蛇腹状に折り畳まれた(各折片P1〜P5が等しい長さを有する)用紙Pを得るべく、制御部Cによって、各バックルb1〜b4のストッパS1〜S4の位置が予め設定される(通常は、すべてのバックルb1〜b4について、バックル入口からストッパS1〜S4までの距離が等しくなるように設定される)。
【0026】
しかしながら、用紙PがストッパS1〜S4に当接する際の速度はストッパS1〜S4毎に少しずつ異なり、また、用紙Pの堅さや撓み加減は用紙毎に少しずつ異なる。そのため、図3Bに示されるように、得られた蛇腹状の用紙Pの最後の折片P5が残りの折片P1〜P4よりも長くなり(L1)、あるいは、図3Cに示されるように、得られた蛇腹状の用紙Pの最後の折片P5が残りの折片P1〜P4よりも短くなる(L2)ことがある。
【0027】
本発明によれば、このような折り畳みエラーが発生した場合、まず、操作者によって、折り畳みエラーが生じた蛇腹状の用紙Pの最後の折片P5と残りの折片P1〜P4との長さの差が測定される。
【0028】
そして、制御部Cは、前記長さの差の測定値の入力を受け、前記長さの差の値をバックルb1〜b4の個数(この実施例では4)によって除算し、最後の折片P5の方が残りの折片P1〜P4よりも長いとき(図3B参照)は、ストッパ駆動機構d1〜d4のそれぞれに対し、前記長さの差をゼロにすべく、関係するストッパS1〜S4を除算によって得られた長さの値(L1/4)だけ、関係するバックルb1〜b4の入口から遠ざかる向きにスライドさせる制御命令を送る。一方、最後の折片P5が残りの折片P1〜P4よりも短いとき(図3C参照)は、制御部Cは、ストッパ駆動機構d1〜d4のそれぞれに対し、前記長さの差をゼロにすべく、関係するストッパS1〜S4を除算によって得られた長さの値(L2/4)だけ、関係するバックルb1〜b4の入口に近づく向きにスライドさせる制御命令を送る。
【0029】
なお、制御部Cは、入力された長さの差の測定値をバックルの個数で除算したとき、割り切れなかった場合には、除算の結果を、四捨五入しまたは切り上げまたは切り捨てることによって得られた値に基づいて、ストッパ駆動機構d1〜d4を制御する。
【0030】
制御部Cは、この実施例では、入力部としてタッチパネル・ディスプレイ(図示されない)を有しており、図4には、このタッチパネル・ディスプレイに表示される、ストッパS1〜S4の位置の設定値を入力するため画面を示した。
図4において、7aは、第1のバックルb1のストッパS1の位置の設定値を入力する領域であり、7bは、第2のバックルb2のストッパS2の位置の設定値を入力する領域であり、7cは、第3のバックルb3のストッパS3の位置の設定値を入力する領域であり、7dは、第4のバックルb4のストッパS4の位置の設定値を入力する領域である。そして、ストッパS1〜S4の位置として、バックルb1〜b4の入口から当該ストッパS1〜S4までの距離が設定される。
【0031】
図4では、すべてのバックルb1〜b4について、同じ設定値(165.0mm)が入力されている。なお、数値の入力は、(図示されない)テンキーと、各領域7a〜7dの右側に設けられた「+」ボタンおよび「−」ボタンを用いてなされる。
【0032】
設定値の入力完了後、紙折装置の動作が開始される。そして、紙折動作において、折り畳みエラーが発生した場合、操作者によって、蛇腹状の用紙の最後の折片と残りの折片との長さの差が測定される。
【0033】
次いで、タッチパネル・ディスプレイの画面が切り替えられて、図5に示されるような、測定値の入力画面が表示される。図5において、8は、測定値を入力する領域であり、蛇腹状の用紙の最後の折片が残りの折片よりも長いときには、この領域8に、測定値(長さの差)がプラスの数値として入力され、最後の折片が残りの折片よりも短いときには、この領域8に、測定値(長さの差)がマイナスの数値として入力される。
【0034】
図5では、折り畳みエラーによって、最後の折片が残りの折片よりも8mm長くなっており、よって、領域8に+8.0mmの数値が入力されている。
こうして、操作者により、タッチパネル・ディスプレイを通じて、+8mmの測定値が制御部Cに入力される。
【0035】
測定値の入力後、タッチパネル・ディスプレイの画面が、再び、ストッパの位置の設定値の入力画面に切り替えられる。このとき、制御部Cによる除算の結果は8mm/4=2mmとなるから、制御部Cは、すべてのストッパS1〜S4をバックル入口から遠ざかる向きに2mm変位させるべく、図6に示すように、タッチパネル・ディスプレイの画面中の領域7a〜7dに予め入力されていた設定値165.0mmを一律に167.0mmに補正する。それと同時に、制御部Cから各ストッパ駆動機構に対し、この補正値に基づいてストッパをスライドさせるための制御命令が送られる。それによって、折り畳みエラーが解消される。
【0036】
こうして、本発明によれば、用紙を均等に蛇腹状に折り畳む工程において折り畳みエラーが生じたとき、蛇腹状の用紙の最後の折片と残りの折り片との長さの差の値を制御部に入力するだけで、当該折り畳みエラーを解消すべく、各バックルのストッパの位置が自動的に再設定されるので、折り畳みエラーが発生した場合のストッパの位置の再設定を容易かつ短時間で行うことができる。
【符号の説明】
【0037】
1 棚
2 搬送ベルト
3 用紙フィーダー
4 アイドルローラ群
5 ねじ軸
6 モータ
7a〜7d 各バックルのストッパの位置の設定値の入力領域
A 給紙部
B 紙折部
C 制御部
M 用紙スタック
S1〜S4 ストッパ
P 用紙
P1〜P5 折片
W、W1;W、W2;W2、W3;W3、W4 取込みローラ
W、W2;W2、W3;W3、W4;W4、W5 排出ローラ
b1〜b4 バックル
d1〜d4 ストッパ駆動機構
e バックル入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7