(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、遊技機の一例としてのパチンコ機10の全体正面図である。同図を用いてパチンコ機10の概略について説明する。なお、本明細書において上下左右方向とは、
図1における矢印で表される方向をいうものとする。
パチンコ機10は、球が打ち出される遊技領域11Aを有し、内枠12に対して着脱自在に取り付けられる遊技盤11と、内枠12を前後方向に開閉自在に軸支する外枠13とを備える。遊技盤11の前方には、内枠12の前後方向に開閉自在に軸支される窓12Aが設けられ、遊技盤11の前方が閉鎖される。また、パチンコ機10の下方には、発射ハンドル14が回転自在に取着され、発射ハンドル14が遊技者によって回動操作されることにより、図外の打ち出し機構が駆動する。打ち出し機構が駆動すると、上皿構造体16内に貯留された球が上方に打ち出され、外ガイドレール18と内ガイドレール17とで囲繞された遊技領域11A内に進入する。
【0010】
遊技盤11の中央部には、前後方向に開口する取付け開口19を介して例えば、LCD、CRT、或いは、回転ドラム式の図外の図柄表示装置が装着される。取付け開口19の周囲には、取付け開口19を取り囲むように前方に突出する盤面飾り20が遊技盤11に対して複数の固定手段により固着される。盤面飾り20における一方の傾斜部20Aは、左側に向かって下方に傾斜する部分であって、窓12Aが閉鎖された状態において当該傾斜部20Aよりも前方を球が通過することはなく、球は傾斜部20Aに沿って遊技盤11の左側に誘導される。
【0011】
傾斜部20Aと連接して延長する垂直部20Bには、球が通過可能なワープ通路21が開設され、当該ワープ通路21に取り込まれた球は、取付け開口19の下方において左右方向に延在するステージ22上に導出される。ステージ22上に導出された球は、ステージ22上を左右方向に転動する過程において下方に落下するか、或いは、ステージ22の中央部に開設された導出口22Aに取り込まれて下方に落下する。
傾斜部20Aと連接して傾斜する他方の傾斜部20Cは、右側に向かって下方に傾斜する部分であって、窓12Aが閉鎖された状態において当該傾斜部20Cよりも前方を球が通過することはなく、球は傾斜部20Cに沿って遊技盤11の右側に誘導される。傾斜部20Cと連接して延長する障壁部20Dは、円弧状に窪む壁部と当該壁部と連接し、遊技盤11の右側に延在するスロープとを有する障壁であって、傾斜部20Cから落下した球は、当該障壁部20Dに沿って落下するか、障壁部20Dに接触することなく落下する。
【0012】
障壁部20Dよりも下方には、後述の役物構造体60を構成する通路本体部61及び羽根部材62が配設され、上方から落下した球は、遊技盤11の裏側に配設されるソレノイドにより駆動される羽根部材62が開放状態中において通路本体部61内に取り込まれるか、閉鎖状態中において取り込まれずに下方に落下する。
【0013】
以下、
図1を用いて上記役物構造体60以外の遊技部品及び球の経路について説明する。
遊技盤11の遊技領域11Aに進入した球は、打ち出しの強さによって傾斜部20A又は傾斜部20Cにより誘導され、遊技領域11Aの左側又は右側を流下する。遊技領域11Aの左側を流下する球は、流下する過程において、遊技領域11A内に植設された図外の多数の遊技釘や風車に衝突しながら誘導され、遊技盤11の略中央に設けられた中央始動入賞部品26又は遊技盤11の下部側方に設けられた複数の一般入賞部品27,29に取り込まれ得る。また、中央始動入賞部品26又は一般入賞部品27,29に取り込まれなかった球は、遊技盤11の中央最下部に開設されたアウト口28に取り込まれて回収される。ここで、中央始動入賞部品26又は一般入賞部品27,29は、球の受け入れ口の大きさが変化せず、入賞の可能性が一定の固定入賞部品として構成される。
中央始動入賞部品26、一般入賞部品27,29及びアウト口28により取り込まれた球は、遊技盤11を前後方向に貫通する導出孔54により遊技盤11の裏側に誘導され、遊技盤11の裏面に装着された後述のセット板50によって機外に排出される(
図2参照)。
【0014】
図2は、遊技盤11に装着されたセット板50の背面図である。
入賞球誘導室としてのいわゆるセット板50は、例えばアクリル樹脂により成型された浅い箱状体であって、遊技盤11の背面を覆うように付設されることにより、遊技盤11に配設された各入賞部品全体をカバーできるようにしている。
セット板50は、各入賞部品からの入賞球を後述の各検出センサーが設けられた入賞球通路(球通路)に誘導し、系外に送り出すことができる。
図2において、セット板50は、遊技盤11の取付け開口19と対応し、図外の図柄表示装置が突出する開口部50Aを有し、当該開口部50Aの周囲を囲むように、複数の内部通路が形成される。
内部通路の内、開口部の一側方に形成された球通路には、遊技盤11の上部に設けられる図外の球タンク及び賞球払出装置から排出される賞球や貸し球を上皿構造体16へ導出する賞球払出流路や、球タンク、賞球払出装置の内部に滞留する球をパチンコ機10の機外へ排出する球抜き流路が形成される。また、開口部50Aより下方には、遊技盤11に配設された複数の入賞部品に取り込まれた球を誘導するための複数の内部通路が形成される。
【0015】
球が中央始動入賞部品26の上方に開口する図外の取り込み口から取り込まれた場合、導出孔54を通過して球通路52により誘導される。球通路52は、導出孔54と対応する取り込み口から球を下方に流下させる通路であって、通路の途中に検出センサー52Aが内挿される。そして、中央始動入賞部品26に取り込まれた球は、検出センサー52Aにより検出された後に下流側に配設された図外の球通路に集められ、機外に排出される。
【0016】
また、球が複数の一般入賞部品27の上方に開口する図外の取り込み口から取り込まれた場合、各導出孔54を通過して球通路53により誘導される。
球通路53は、遊技盤11上に設けられた複数の一般入賞部品27と対応する位置に設けられる通路であって、複数の一般入賞部品27から導出された球を垂直方向に流下させる複数の縦流路部53Aと、当該縦流路部53Aと連通し、縦流路部53Aを流下した球を一括して下流側に誘導する横流路部53Bと、横流路部53Bよりも下流側に設けられた迂回流路部32とにより構成される。
迂回流路部32は、横流路部53Bを経て垂直方向に落下する球を左右方向に迂回させながら誘導する流路であって、当該流路の側部に内挿された検出ユニット40とともに、不正遊技検出機構30を構成する。
また、迂回流路部32の最下流部には、検出センサー55が内挿され、複数の一般入賞部品27に取り込まれた球は、迂回流路部32を経て下流側の検出センサー55により一括して検出された後に機外に排出される。
【0017】
また、球が一般入賞部品27と反対側に設けられた一般入賞部品29の上方に開口する図外の取り込み口から取り込まれた場合、導出孔54を通過して球通路56により誘導される。球通路56は、導出孔54と対応する取り込み口から球を下方に流下させる通路であって、通路の途中に検出センサー56Aが内挿される。そして、一般入賞部品29に取り込まれた球は、検出センサー56Aにより検出された後に下流側に配設された図外の球通路に集められ、機外に排出される。
【0018】
以下、上記構成からなるパチンコ機10の遊技の概要について説明する。
球が中央始動入賞部品26(第一の始動入賞部品)に対応する上述の検出センサー52Aにより検出されると、遊技全般の進行を司る主制御装置は、当該検出信号に基づいて、例えば賞球を3個払出す賞球払出処理を実行するとともに、所定の確率による大当り抽選処理を実行する。大当り抽選処理の結果「大当り」となる確率は、例えば360分の1として予め設定される。主制御装置は、大当り抽選処理の結果に基づいて取付け開口19に装着される図外の図柄表示装置に表示される演出用図柄の変動を開始させるとともに、所定時間経過後に大当り抽選処理の結果を報知する態様で演出用図柄を停止させる図柄変動処理を実行する。
停止後の演出用図柄は、大当り抽選処理の結果が「大当り」である場合には、例えば「7・7・7」のように同一数字や特定のキャラクターを模した図柄が直線状に配列された形態であり、大当り抽選処理の結果が「大当り」以外の「外れ」である場合には、「1・3・5」のような互いに異なる数字やキャラクターを模した図柄が配列された形態である。
【0019】
主制御装置による大当り抽選の結果が「大当り」であり、かつ、停止後の演出用図柄の態様が「大当り」であることを示す態様で停止した後、大当り遊技開始処理が実行される。
本実施形態において、大当り遊技は遊技盤11の右側に設けられた大入賞部品25の開閉扉25Aが、遊技盤11の裏側に配設されたソレノイドにより開放動作されることによって実行される。詳細は後述するが、大入賞部品25は、開閉扉25Aの開閉動作により、球の進入を容易又は困難なものとすることが可能な可変入賞部品である。
【0020】
大当り遊技終了後には、大当り遊技後の特典である「時短遊技」の有無についての判定が行われ、「時短遊技」有りと判定された場合、以後の遊技は、特典が付与されていない「通常遊技」の場合と比べ、球を遊技盤11の右側に向かって打ち出す方が大当りを獲得し易くなる。また、「通常遊技」中において獲得した大当り遊技後に遊技状態が「通常遊技」から「時短遊技」となる確率は、例えば2分の1や3分の1程度に設定される。なお、遊技状態の切替は、主制御装置のワークエリアとしてのRAM内に記憶される時短フラグをON又はOFFすることにより行われる。
また、球が複数の一般入賞部品27;29とそれぞれ対応する検出センサー55;56Aにより検出されると、主制御装置は、当該検出信号に基づいて例えば賞球を3個払出す賞球払出処理を実行する。
【0021】
以下、
図3(a),(b)を参照して球通路53内に形成された不正遊技検出機構30について説明する。
図3(a)は、迂回流路部32を示す断面図、(b)は迂回流路部32を形成する内周側の壁部32Aを示す斜視図である。本発明に係る不正遊技検出機構30は、迂回流路部32と糸の圧力を検出する検出ユニット40とから構成される。
【0022】
迂回流路部32は、横流路部53Bと連通する連絡流路部31と連続して延長し、連絡流路部31を垂直方向に流下した球が、迂回流路部32内に進入する。つまり、連絡流路部31を経て垂直方向に流下する球が、迂回流路部32を通過することにより垂直方向と異なる方向に誘導される。
迂回流路部32は、第1傾斜部33、第2傾斜部34及び垂直部35により形成され、直線的に屈曲した流路である。第1傾斜部33は、垂直な連絡流路部31に対して左下方に向かって漸次傾斜する流路であって、下流側の垂直部35と連通する。垂直部35は、第1傾斜部33及び第2傾斜部34を接続する通路であって、垂直方向に延長する。
第2傾斜部34は、垂直部35に対して右下方に向かって漸次傾斜する流路であって、下流側の流路と連通する。つまり、第1傾斜部33と第2傾斜部34とは、下流側に向かって互いに反対方向に延長する流路である。また、第1傾斜部33、第2傾斜部34、垂直部35及びセンサー受容プレート46により囲まれる内周側の検出空間Rには、後述の検出ユニット40が配設される。
【0023】
図3に示すように、第1傾斜部33、第2傾斜部34及び垂直部35からなる迂回流路部32の内周側の壁部32Aには、内外に通じるスリット36が形成される。スリット36は、第1傾斜部33、垂直部35及び第2傾斜部34における内周側の壁部32Aに連続して形成される隙間である。スリット36の幅(前後方向の距離)は、糸付き球の糸径よりも大きく、少なくとも迂回流路部32内を流下する球が飛び出さない程度のものであればよい。
また、スリット36は、迂回流路部32の前後方向中央に形成される。
図4(a),(b)に示すように、スリット36の存在により、糸付き球Pの球は、迂回流路部32に沿って迂回しながら流下するが、球に接続された糸Qは、スリット36を経て迂回流路部32の内周側の検出空間R内おいて球の自重によって吊下げられた状態となり、検出空間R内に設けられた検出ユニット40により検出される。
なお、本例において、スリット36が形成される第1傾斜部33の内周側の壁部32Aは、平坦であってもよいが、
図3(b)の斜視図に示すようにスリット36を中心にV字状に傾斜する斜面とすれば糸付き球Pの糸Qを確実に検出空間R内に導くことができる。
【0024】
次に、検出空間R内に設けられた検出ユニット40について説明する。
本例に係る検出ユニット40は、糸受け部材41及びフォトセンサー45から構成される。糸受け部材41は、センサー受容プレート46に対して弾性支持される。
センサー受容プレート46は、セット板50と同様に例えばアクリル樹脂から形成される板材であって、第1傾斜部33、及び、第2傾斜部34同士を接続するように垂直方向に延長し、第1傾斜部33,第2傾斜部34及び垂直部35の内周側の壁部32Aとの間に検出空間Rを形成する。
また、センサー受容プレート46の略中央には迂回流路部32と離れる方向に窪む後述のフォトセンサー45を受容するためのセンサー受容部46Aが形成される。また、センサー受容部46Aの上方には、後述の受容部43のガイド部42が貫通する貫通孔46Bが形成される。
【0025】
糸受け部材41は、センサー受容プレート46の貫通孔46Bに挿通されるガイド部42と、検出空間R内に進入した糸Qが当接する受容部43、及び、受容部43に加わる糸の圧力によりフォトセンサー45を動作させる遮光板44とから構成される。
ガイド部42は、受容部43の一側面からセンサー受容プレート46方向に延長する。また、ガイド部42の他端部は、センサー受容プレート46に開設された貫通孔46Bに挿通される。貫通孔46Bを貫通するガイド部42の他端部には抜け止め部材48が嵌入され、ガイド部42の脱落が防止される。
また、ガイド部42には周囲を取り巻くように、センサー受容プレート46の表面及び受容部43の表面の間に渡ってバネ42Aが介挿される。つまり、糸受け部材41は、ガイド部42及びバネ42Aによりセンサー受容プレート46に対して弾性支持され、受容部43が糸の圧力を受けた場合に迂回流路部32から離れる方向に直動する。
一方、受容部43が糸の圧力から開放された場合には、糸受け部材41が常に糸を受けられる位置となるように元の状態に復帰する。
【0026】
受容部43は、糸を受け易いように例えば断面かまぼこ状に形成され、前後方向に延長する。受容部43のスリット36と対向する受容面43Aは、検出空間R内に進入した糸と当接する面であって、受容面43Aに対して所定以上の圧力が加わることにより、バネ42Aが収縮し、遮光板44がフォトセンサー45を動作させる。なお、受容部43は、断面かまぼこ状に形成されるとしたが、糸Qを受けることができればよく、平坦な板状もしくは迂回流路部32側に湾曲したものであってもよい。
【0027】
遮光板44は、ガイド部42と同様に受容部43の一側面からセンサー受容プレート46方向に延長する板材である。遮光板44は、フォトセンサー45の受光部45A及び発光部45Bの間を通過可能な厚さであって、受容部43が迂回流路部32から離れる方向に退避した状態において、発光部45Bから受光部45Aに向けて照射される光を遮る。
【0028】
フォトセンサー45は、センサー受容プレート46に形成されたセンサー受容部46A内に収容される検出器であって、受光素子からなる受光部45Aと発光素子からなる発光部45Bとが対向して配置され、その間を物体が通過し光を遮ることで物体の検出を行うフォトインタラプタを用いている。また、フォトセンサー45は、図外の主制御装置に電気的に接続されており、遮光板44が発光部45Bから照射される光を遮ることにより、不正検出信号を主制御装置に出力する。なお、本例では、フォトセンサー45を検出ユニットに用いたが、遮光板44の押圧力を直接検知する圧力センサー等を用いてもよい。
【0029】
以下、
図4(a),(b)を用いて、本発明に係る不正遊技検出機構30の作用について説明する。
不正な糸付き球Pが、複数の一般入賞部品27のいずれかから取り込まれると、糸付き球Pは、横流路部53B及び連絡流路部31を経て迂回流路部32内に進入する。そして、迂回流路部32に進入した糸付き球Pが、第1傾斜部33から垂直部35へ到達すると、糸付き球Pに接続され後続に続く糸Qは、第1傾斜部33及び垂直部35の角部よりスリット36内に進入し、糸付き球Pが第2傾斜部34を経ることにより検出空間R内において吊下げられた状態となる。また、検出空間R内において吊下げられた状態の糸Qは一様な張力を有し、検出空間R内の糸受け部材41の受容部43に迂回流路部32と離れる方向の力を加える。そして、受容部43に力が加わることで、遮光板44がフォトセンサー45の発光部45Bから照射される光を遮り、フォトセンサー45は不正遊技を検出して、主制御装置に不正検出信号を出力する。
即ち、本実施形態に係る不正遊技検出機構30によれば、迂回流路部32の内周側の壁部32Aにスリット36を形成し、スリット36を介して検出空間R内に進入した糸付き球Pのみを検出ユニット40によって確実に検出する構成であるため、糸付き球Pを用いた不正な遊技を確実に防止することが可能となる。
【0030】
図5は、不正遊技検出機構30を役物構造体60内に適用した形態を示す概略正面図である。
以下、役物構造体60について概説する。役物構造体60は、内部空間内に大当り遊技獲得の契機となる特定領域60A及び非特定領域60Bを有し、羽根部材62が開放動作中に進入した球が特定領域60Aに誘導されることにより大当りを獲得することができる。
特定領域60Aは、例えば前後方向に進退動作する誘導部材64により閉鎖又は開放されており、誘導部材64の動作タイミングによって球が特定領域60Aに誘導されるか否かが決まる。特定領域60A又は非特定領域60Bに取り込まれた球は、導出孔54を経てセット板50に誘導され、それぞれ検出センサー68,69によって検出される(
図2参照)。
同図における役物構造体60内には、下方の特定領域60A及び非特定領域60Bに向かって延長する内部流路63の途中に球を左右に迂回させる迂回流路部32が形成され、迂回流路部32の内周側に検出ユニット40が配設されている。よって、例えば不正な遊技者が役物構造体60内に糸付き球Pを進入させることにより、不正な大当りの獲得や賞球の払出を実行しようとした場合であっても、糸付き球Pの存在を確実に検出することが可能となる。
【0031】
図6は、不正遊技検出機構30の他の実施形態を示す断面図である。
同図に示すように、本実施形態に係る不正遊技検出機構30は、連絡流路部31と連通する迂回流路部32が、垂直方向に流下する球を左方に誘導した後に右方に誘導する湾曲した流路である点で上記実施形態と異なる。当該実施形態によっても湾曲した迂回流路部32の内周側の壁部32Aに形成されたスリット36に上述の糸Qが進入するため、検出空間R内に配設された検出ユニット40により不正な遊技を確実に検出することができる。
即ち、不正遊技検出機構30を構成する迂回流路部32の形状は如何なる形状であってもよく、内周側に検出空間Rを確保し得る形状であればよい。また、上記実施形態においては、球の迂回方向を垂直に落下する球が遊技盤11の左右方向に迂回する形状としたが、迂回方向を遊技盤11の前後方向としてもよい。
【0032】
図7は、不正遊技検出機構30の他の実施形態を示す断面図である。
同図に示すように本実施形態に係る不正遊技検出機構30は、連絡流路部31と連通する迂回流路部32が、第1傾斜部70、垂直部71、第2傾斜部72に加えて水平部73から構成される点で上述の実施形態と異なる。なお、第1傾斜部70、垂直部71及び第2傾斜部72の構成については、前述の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
水平部73は、第2傾斜部72と連通する流路であって、第2傾斜部72に沿って流下してくる球を水平方向に誘導する。また、水平部73の下流側には、図外の検出センサーが設けられており、迂回流路部32を経由した球が検出される。水平部73は、迂回流路部32を構成する内周側の壁部73Aと外周側の壁部73Bとにより形成され、壁部73A;73Bはともに水平方向に延長する。
【0033】
上記構成からなる迂回流路部32によれば、糸付き球Pが水平部73に到達し、後続に続く糸Qが迂回流路部32の内周側に形成された検出空間Rに進入したことにより検出ユニット40に検出された状態において、不正な遊技者が糸Qを上方に引張ることにより糸付き球Pを回収しようとしても、上方に引き上げられる糸付き球Pは、水平な壁部73Aによって堰き止められる。即ち、壁部73Aが水平方向に延長することにより、略垂直方向に引き上げられた糸付き球Pに左右方向への力が加わることがないため、糸付き球Pが迂回流路部32に沿って引き抜かれることを防止でき、不正な遊技の証拠としての糸付き球Pが隠滅されることを確実に防止することができる。
【0034】
以上、本発明を複数の実施形態を通じて説明したが、セット板50の構成、特に迂回流路部32の構成はこれに限られるものではなく、セット板50の構成に応じてその形態を変更或いは改良し得ることが明らかである。また、そのような多様な変更或いは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。さらに、本発明は添付した特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にあるような修正及び変更を有することが意図されている。