(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5808179
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】システムバックガードおよびキッチン
(51)【国際特許分類】
A47B 77/00 20060101AFI20151021BHJP
A47B 77/02 20060101ALI20151021BHJP
【FI】
A47B77/00
A47B77/02
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-156739(P2011-156739)
(22)【出願日】2011年7月15日
(65)【公開番号】特開2013-22059(P2013-22059A)
(43)【公開日】2013年2月4日
【審査請求日】2014年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(73)【特許権者】
【識別番号】511053078
【氏名又は名称】関東産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 隆史
(72)【発明者】
【氏名】花岡 和紀
【審査官】
蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−065379(JP,A)
【文献】
特開平11−196950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00−77/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチンのワークトップの後端部の上方に設けられ、かつ構造材に固定されるシステムバックガードであって、
前記構造材に固定可能で、かつ前記構造材に固定された状態で前記構造材とは反対側に位置する表面に溝を有するバックガード本体部を備え、
前記溝は、電源コンセントを前記溝の内部に配置可能に構成されており、さらに
前記電源コンセントが配置された部分以外の前記溝の部分を覆うように前記バックガード本体部に取付け可能な溝カバーを備え、
前記電源コンセントにつながる電源ケーブルが前記溝内に挿通可能なように前記溝が構成されており、
前記電源ケーブルを前記バックガード本体部の内部に設けられた縦穴を通して前記溝内から前記ワークトップの下方側へ引き回すことができるように前記バックガード本体部が構成されている、システムバックガード。
【請求項2】
前記バックガード本体部を前記構造材に固定するための固定部材をさらに備え、
前記溝は前記固定部材を取り付けるための溝である、請求項1に記載のシステムバックガード。
【請求項3】
前記溝は、前記バックガード本体部の一方側端部から他方側端部へ連続的に延びるように形成されている、請求項1または2に記載のシステムバックガード。
【請求項4】
前記縦穴内に配置された、前記電源ケーブルを保護するための保護チューブをさらに備えた、請求項1〜3のいずれかに記載のシステムバックガード。
【請求項5】
前記電源コンセントを前記溝カバーと前記溝との双方に取り付けるための取付金具をさらに備え、
前記取付金具は断面視においてコの字型を有している、請求項1〜4のいずれかに記載のシステムバックガード。
【請求項6】
前記バックガード本体部は、前記バックガード本体部の一方側端部側から他方側端部側へ連続的に延びるサポート品取付溝を前記表面に有している、請求項1〜5のいずれかに記載のシステムバックガード。
【請求項7】
前記バックガード本体部の上端部は、前記構造材とは反対側に突き出した、カウンターを支持固定するための支持部を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のシステムバックガード。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のシステムバックガードを備えた、キッチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムバックガードおよびキッチンに関し、特に、キッチンのワークトップの後端部の上方に設けられかつ構造材に固定されるシステムバックガードおよびそれを有するキッチンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、システムキッチンの天板上部壁面に取付けられるシステムバックガードは、まな板立てなどの収納用アイテムが設置できるベースユニットの一部である。このシステムバックガードにより、壁面の有効活用を図ることができる。
【0003】
このようなシステムキッチンにおいて、ワークトップ上にて調理家電を使用したい場合がある。このような場合、従来のシステムバックガードには、以下の問題がある。
【0004】
まず壁付けキッチンの場合には、壁面にコンセントを埋め込むことが可能であるが、そのコンセントの位置がシステムバックガードより上側になる。このため、コードが障害となり、そのコードに物が引っかかって、置物が倒れるなどの可能性がある。
【0005】
また対面キッチンの場合には、電源をリビング側などの別の場所からもってくる必要があり、作業効率が良くない。また電源コードをシステムバックガード上部から跨らせた場合には、システムバックガード上にあるカウンター上の置物が落下する危険性がある。また対面キッチンの横方向から回りこんで電源コードをもってくる場合、シンクの奥またはベースキャビネットの引き出し手前に電源コード引き回す必要がある。このため、ユーザが水によって感電したり、または電源コードで躓くなどの危険性がある。
【0006】
このコンセントをキッチンカウンター周辺に設ける技術は、たとえば特開平11−276270号公報(特許文献1)、特開2008−267号公報(特許文献2)に開示されている。
【0007】
なおバックガードにサポート品を固定する構造は、たとえば実公昭62−22203号公報(特許文献3)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−276270号公報
【特許文献2】特開2008−267号公報
【特許文献3】実公昭62−22203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の特開平11−276270号公報および特開2008−267号公報に記載のコンセントを設ける技術では、コンセントの取付位置を設置現場で変更することが難しいという問題がある。
【0010】
本発明は、上記の解題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンセントの取付位置を設置現場で変更することが容易なシステムバックガードおよびキッチンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のシステムバックガードは、キッチンのワークトップの後端部の上方に設けられ、かつ構造材に固定されるシステムバックガードであって、バックガード本体部と、溝カバーとを備えている。バックガード本体部は、構造材に固定可能で、かつ構造材に固定された状態で構造材とは反対側に位置する表面に溝を有している。その溝は、電源コンセントを溝の内部に配置可能に構成されている。溝カバーは、電源コンセントが配置された部分以外の溝の部分を覆うようにバックガード本体部に取付け可能である。
電源コンセントにつながる電源ケーブルが溝内に挿通可能なように溝が構成されている。電源ケーブルをバックガード本体部の内部に設けられた縦穴を通して溝内からワークトップの下方側へ引き回すことができるようにバックガード本体部が構成されている。
【0012】
本発明のシステムバックガードによれば、バックガード本体に設けられた溝内に電源コンセントが配置される。このため、電源コンセントの設置現場において、溝の長さの範囲内で電源コンセントの配置位置を決めることができる。そして、電源コンセントが配置された部分以外の溝の部分の長さに応じて溝カバーの長さを切断などにより調整して、その溝を覆うように溝カバーを取付けることができる。これにより、電源コンセントの取付位置を設置現場で容易に変更することが可能となり、また溝が溝カバーで覆われるため意匠性も向上する。
【0013】
またバックガード本体に設けられた溝内に電源コンセントが配置されるため、ワークトップ上にて調理家電を使用したい場合に、バックガード本体の電源コンセントに調理家電の電源プラグを差し込んで使用することができる。このため、電源コードがシステムバックガードの上部の跨いだり、キッチンの横方向から回り込むことがなくなるため、電源コードによる置物の落下や、ユーザの感電、躓きなどを防止することができる。
また電源コンセントにつながる電源ケーブルが溝内に挿通可能なように溝が構成されている。これにより、電源ケーブルを溝内に挿通させた後に溝を溝カバーで覆うことにより、電源ケーブルをユーザーに見せずに隠すことができる。
また電源ケーブルをバックガード本体部の内部に設けられた縦穴を通して溝内からワークトップの下方側へ引き回すことができるようにバックガード本体部が構成されている。これにより、キッチンのベースキャビネットの下側に設けられた点検口付近まで電源ケーブルを引き回すことが可能となり、この点検口から電源ケーブルの配線などが可能となる。
【0014】
上記のシステムバックガードにおいては、バックガード本体部を構造材に固定するための固定部材がさらに備えられており、溝は固定部材を取付けるための溝である。このように固定部材が溝内に取付けられるため、溝内に固定部材を取付けた後に溝を溝カバーで覆うことにより固定部材をユーザーに見せずに隠すことができる。
【0015】
上記のシステムバックガードにおいては、溝は、バックガード本体部の一方側端部から他方側端部へ連続的に延びるように形成されている。これにより、電源コンセントをバックガード本体部の一方側端部と他方側端部との間の任意の箇所に配置することが可能となり、電源コンセントの配置の自由度が向上する。
【0018】
上記のシステムバックガードにおいては、縦穴内に配置された、電源ケーブルを保護するための保護チューブがさらに備えられている。この保護チューブ内に電源ケーブルを挿通させることにより、電源ケーブルを保護チューブで保護することが可能となる。つまり現場において、電源ケーブルを縦穴を通して引き回して施工する際に、縦穴の端面によって電源ケーブルの表面が傷つくといった不具合が適切に防止される。
【0019】
上記のシステムバックガードにおいては、電源コンセントを溝カバーと溝との双方に取付けるための取付金具がさらに備えられている。取付金具は断面視においてコの字型を有している。これにより、取付金具を溝に取付けることが可能になるとともに、電源コンセントおよび溝カバーを取付金具に取付けることが可能となる。
【0020】
上記のシステムバックガードにおいては、バックガード本体部は、バックガード本体部の一方側端部側から他方側端部側へ連続的に延びるサポート品取付溝を表面に有している。このサポート品取付溝によりサポート品をバックガード本体部に取付けることができ、そのサポート品にたとえばまな板、布巾などを載せることができる。このためまな板、布巾などをワークトップに直接置く必要がなく、ワークトップの作業場を広く確保することができる。
【0021】
上記のシステムバックガードにおいては、バックガード本体部の上端部は、構造材とは反対側に突き出した、カウンターを支持固定するための支持部を含んでいる。これにより支持部にカウンターを取付けることができ、カウンター上に小物を配置することができる。
【0022】
本発明のキッチンは、上記のいずれかに記載のシステムバックガードを備えている。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、コンセントの取付位置を設置現場で容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施の形態におけるキッチンの構成を正面側から示す概略斜視図である。
【
図2】
図1に示すキッチンの構成を背面側から示す概略斜視図である。
【
図3】
図1に示すキッチンの構成を側面側から示す概略断面図である。
【
図4】
図2に示すキッチンに用いられるシステムバックガード付近の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図5】
図4に示すシステムバックガード付近の構成を概略的に示す組立斜視図である。
【
図6】
図4に示すシステムバックガード内の電源コードの引き回しを説明するための正面図である。
【
図7】
図4に示すシステムバックガード内の保護チューブの様子およびサポート品取付けの様子を示すための概略断面図である。
【
図8】電源ケーブルを保護チューブ内を通して配線した場合と、壁面から配線した場合とを示す概略斜視図である。
【
図9】取付金具の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図10】バックガード本体部に取付金具を用いて電源コンセントおよび溝カバーを取付けた状態を示す概略上面図である。
【
図11】バックガード本体部に取付金具を用いて電源コンセントおよび溝カバーを取付けた状態を示す概略正面図である。
【
図12】バックガード本体部に取付金具を用いて電源コンセントおよび溝カバーを取付けた状態を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
まず本実施の形態のキッチンの構成について
図1〜
図3を用いて説明する。
【0026】
図1〜
図3を参照して、キッチン20は、システムバックガード10と、カウンター11と、化粧板12と、構造材13、15と、ワークトップ14と、キャビネット部16とを主に有している。
【0027】
キャビネット部16は、キッチン20の下部に配置されており、複数のキャビネットや食器洗い機などを有している。ワークトップ14は、このキャビネット部16の上に構造材15(
図3)を介在して配置されている。このワークトップ14には、シンク(流し台)21、ガス焜炉またはIH(Induction Heating)調理器22、水栓などが配置されている。
【0028】
システムバックガード10は、ワークトップ14の後端部の上方に設けられている。このシステムバックガード10は、システムバックガード10の後方に配置された構造材13(
図3)に固定されている。
【0029】
カウンター11は、システムバックガード10の上部に取付けられている。キッチン20の背面側には適宜、化粧板12が構造材13などに取付けられている。なおキッチン20の背面側には、棚17などが設けられていてもよく、また背面全体が棚からなっていてもよい。
【0030】
次に、上記キッチン20に用いられる本実施の形態のシステムバックガード10の構成について
図4および
図5を用いて説明する。
【0031】
図4を参照して、本実施の形態のシステムバックガード10は、バックガード本体部1と、固定部材2と、溝カバー3と、1対の取付金具4、4と、電源コンセント5と、コンセントカバー6と、保護チューブ7とを主に有している。
【0032】
バックガード本体部1は、構造材13に固定可能で、かつ構造材13に固定された状態で構造材13側とは反対側に位置する表面に溝1aを有している。バックガード本体部1は、上端部に支持部1bを有している。この支持部1bは、その上部にカウンター11を支持固定するためのものであり、構造材13側とは反対側へ突き出している。
【0033】
固定部材2は溝1a内でバックガード本体部1を構造材13に固定するためのものである。つまり溝1aは固定部材2を取付けるための溝である。この固定部材2は、たとえばネジ、釘、くさびなどの部材であり、バックガード本体部1を構造材13に固定できるものであればよい。また複数個の固定部材2によってバックガード本体部1が構造材13に固定されていてもよい。
【0034】
1対の取付金具4、4の各々は、溝1a内にてネジなどの固定部材2によりバックガード本体部1に取付けられている。電源コンセント5および溝カバー3の各々は、この取付金具4にネジなどにより取付可能であり、取付金具4を介在してバックガード本体部1に取付け可能である。この取付金具4による電源コンセント5と溝カバー3との取付構造については後述する。
【0035】
電源コンセント5は、取付金具4に取付けられた状態で、溝1a内に配置されている。具体的には、電源コンセント5はプラグ差込口5aを有しており、そのプラグ差込口5aが構造材13側とは反対側に向くように溝1a内に配置されている。コンセントカバー6は、電源コンセント5の表面を覆うように構成されており、電源コンセント5の表面を覆った状態でプラグ差込口5aを外部に露出するための開口を有している。
【0036】
溝カバー3は、電源コンセント5が配置された部分以外の溝1aの部分を覆うようにバックガード本体部1に取付け可能である。この溝カバー3は溝1aの幅よりも少し大きい幅を有している。上記のバックガード本体部1および溝カバー3は、たとえばアルミニウムなどの金属製または樹脂製の押出し材により形成されている。
【0037】
バックガード本体部1は内部に縦穴9を有している。この縦穴9は、バックガード本体部1の上下方向に延びて溝1aからバックガード本体部1の下端部まで貫通するように設けられている。保護チューブ7は、この縦穴9内に配置されており、電源コンセント5につながる電源ケーブル(図示せず)を内部に挿通することにより保護するためのものである。
【0038】
バックガード本体部1に、固定部材2、取付金具4、電源コンセント5、溝カバー3、コンセントカバー6などが組み付けられた状態は、
図5に示すようになる。
図5を参照して、本実施の形態では、溝1a内の任意の位置に電源コンセント5を配置することができる。そして、この電源コンセント5が配置された部分以外の溝1aの部分を溝カバー3により覆うことができる。
【0039】
なお電源コンセント5につながる電源ケーブル8は、
図5〜
図7に示すように、電源コンセント5から溝1a内に挿通され、この溝1a内から縦穴9を通してバックガード本体部1の下端部より下方側に引き回される。この際、電源ケーブル8は、縦穴9内に配置された保護チューブ7内に挿通されることにより、電源ケーブル8は保護チューブ7により保護される。つまり現場において、電源ケーブル8を縦穴9を通して引き回して施工する際に、縦穴9の端面によって電源ケーブル8の表面が傷つくといった不具合が適切に防止される。
【0040】
ここで縦穴9は、
図8に示すように縦穴9の延びる方向(上下方向)に複数の板が介在する場合には、その複数の板の各々に設けられた穴9a、9b、9cにより構成されている。これらの穴9a、9b、9cの各々は、上下方向に一直線上に並んで配置されていることが好ましい。また縦穴9を構成する穴9a、9b、9cは3つに限定されるものではない。
【0041】
上記においてこの溝1aは、システムバックガード10(またはバックガード本体部1)の一方側端部10a(
図1、
図2)から他方側端部10b(
図1)まで途切れることなく連続的に延びるように形成されていてもよい。また溝1aは、一方側端部10aから他方側端部10bへ向かう方向(横方向)に延びている場合、一方側端部10aおよび他方側端部10bに達していてもよいが、達していなくてもよい。溝1aは、ワークトップ14の少なくとも作業場(
図1に示すシンク21と焜炉など22との間)の後側に配置されていることがユーザの作業のしやすさの点から好ましい。
【0042】
また溝1aは、上記横方向ではなく、ワークトップ14からカウンター11へ向かう方向(上下方向)に延びていてもよい。つまり溝1aは、電源コンセント5を溝1a内で溝1aの延びる方向に沿って移動可能な所定長さを有していればよく、その溝1aの所定長さおよび延びる方向は特に限定されるものではない。
【0043】
またバックガード本体部1は、構造材13に固定された状態で構造材13側とは反対側に位置する表面にサポート品取付溝1cを有していることが好ましい。このサポート品取付溝1cは、上部に下垂体1dを有している。
図7に示すように、この下垂体1dにサポート品30の端部を引っ掛けて係合させることにより、サポート品30をサポート品取付溝1cに着脱自在に取付け可能である。このサポート品30には、まな板や布巾、その他の調理具31を載置することができる。
【0044】
このサポート品取付溝1cも、上記溝1aと同様、システムバックガード10(またはバックガード本体部1)の一方側端部10a(
図1、
図2)から他方側端部10b(
図1)まで途切れることなく連続的に延びるように形成されていてもよい。またサポート品取付溝1cは、一方側端部10aから他方側端部10bへ向かう方向(横方向)に延びている場合、一方側端部10aおよび他方側端部10bに達していてもよいが、達していなくてもよい。
【0045】
次に、上記の実施の形態における取付金具4による溝1aへの電源コンセント5と溝カバー3との取付けについて
図9〜
図12を用いて説明する。
【0046】
図9を参照して、取付金具4は、溝側取付部4aと、コンセント取付部4bと、接合部4cとを有している。溝側取付部4aとコンセント取付部4bとは互いに平行に延びており、接合部4cは溝側取付部4aとコンセント取付部4bとを繋いでいる。これにより、取付金具4は、図中破線で示すように断面視においてコの字型の形状を有している。溝側取付部4aおよびコンセント取付部4bの各々には、ネジなどを通すための穴4a
1、4b
1が設けられている。
【0047】
図10〜
図12を参照して、取付金具4は、溝側取付部4aの穴4a
1を通したネジなどをバックガード本体部1および構造材13にねじ込むなどすることにより溝1aに取付けられている。この溝1aに取付けられた取付金具4のコンセント取付部4bに溝カバー3の端部と電源コンセント5の取付部5bとが重ね合わされている。この重ね合わされた状態で、コンセント取付部4bの穴4b
1、溝カバー3の穴3b
1、および電源コンセント5の取付部5bの穴5b
1にネジなどがねじ込まれることにより、取付金具4に電源コンセント5と溝カバー3とが取付けられている。また溝カバー3は、溝1aに嵌め込み固定されることにより、バックガード本体部1に直接係合されていてもよい。なお
図10〜
図12では図示していないが、コンセント5の取付部5bなどは、コンセントカバー6で覆われるため意匠性も向上する。
【0048】
このようにして取付金具4を用いることによって、溝1aに電源コンセント5と溝カバー3とが取付けられている。
【0049】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態のシステムバックガード10によれば、
図4に示すように、バックガード本体部1に設けられた溝1a内に電源コンセント5が配置される。このため、電源コンセント5の設置現場において、溝1aの長さの範囲内で電源コンセント5の配置位置を決めることができる。そして、電源コンセント5の配置位置以外の溝1aの部分の長さに応じて溝カバー3の長さを切断などにより調整して、その溝1aを覆うように溝カバー3を取付けることができる。これにより、電源コンセント5の取付位置を設置現場で容易に変更することが可能となり、また溝1aが溝カバー3で覆われるため意匠性も向上する。
【0050】
またバックガード本体部1に設けられた溝1a内に電源コンセント5が配置されるため、ワークトップ14上にて調理家電を使用したい場合に、バックガード本体部1の電源コンセント5に調理家電の電源プラグを差し込んで使用することができる。このため、電源コードがシステムバックガード10の上部の跨いだり、キッチン20の横方向から回り込むことがなくなるため、電源コードによる置物の落下や、ユーザの感電、躓きなどを防止することができる。
【0051】
また
図4および
図5に示すように、固定部材2が溝1a内に取付けられた後に溝1aが溝カバー3で覆われることにより、固定部材2をユーザーに見せずに隠すことができる。これによりさらに意匠性を向上させることができる。
【0052】
また溝1aが、バックガード本体部1の一方側端部10a(
図1、
図2)から他方側端部10b(
図1)へ連続的に延びるように形成されている場合には、電源コンセント5をバックガード本体部1の一方側端部10aと他方側端部10bとの間の任意の箇所に配置することが可能となり、電源コンセント5の配置の自由度が向上する。
【0053】
また
図5および
図6に示すように、電源コンセント5につながる電源ケーブル8が溝1a内に挿通可能に溝1aが構成されている。これにより、電源ケーブル8が溝1a内に挿通された後に溝1aが溝カバー3で覆われることにより、電源ケーブル8をユーザーに見せずに隠すことができる。これにより電源ケーブル8がシステムバックガード10の外部に配置されることによる不都合を防止できると共に、さらに意匠性を向上させることができる。
【0054】
また
図8に示すように壁面から溝1a内に電源ケーブル8を配線した場合、電源ケーブルの長さが長くなるとともに、手の届かない部分に電源ケーブル8が配線されるため施工が困難となる。これに対して本実施の形態では、
図5〜
図8に示すように、電源ケーブル8をバックガード本体部1の内部に設けられた縦穴9(9a、9b、9c)を通して溝1a内からワークトップ14の下方側へ引き回すことができる。これにより、キッチン20のキャビネット部16の下側に設けられた点検口付近まで電源ケーブル8を引き回すことが可能となり、この点検口から電源ケーブル8の配線などが可能となる。これにより施工が容易になるとともに電源ケーブル8の長さを短くすることもできる。
【0055】
また縦穴9(9a、9b、9c)内に保護チューブ7が配置されている。この保護チューブ7内に電源ケーブル8を挿通させることにより、電源ケーブル8を保護チューブ7で保護することが可能となる。
【0056】
また
図9の破線で示すように取付金具4が断面視においてコの字型を有しているため、この取付金具4を溝1aに取付けることが可能になるとともに、取付金具4に電源コンセント5および溝カバー3を取付けることも可能となる。
【0057】
また
図7に示すように、バックガード本体部1がサポート品取付溝1cを表面に有しているため、このサポート品取付溝1cによりサポート品30をバックガード本体部1に着脱自在に取付けることができる。このサポート品30にたとえばまな板、布巾などを載せることができるため、まな板、布巾などをワークトップ14上に直接置く必要がなく、ワークトップ14の作業場を広く確保することができる。
【0058】
また
図4に示すように、バックガード本体部1の上端部が構造材13側とは反対側へ突き出した支持部1bを含んでいる。これにより、この支持部1bにカウンター11を取付けることができ、カウンター11上に小物を配置することができる。
【0059】
なお電源コンセント5の配置が不要な場合には、溝1aの全体を溝カバー3で覆うことも可能である。
【0060】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、システムキッチンなどのシステムバックガードおよびそれを用いたキッチンなどに有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0062】
1 バックガード本体部、1a 溝、1b 支持部、1c サポート品取付溝、1d 下垂体、2 固定部材、3 溝カバー、3b
1 穴、4 取付金具、4a 溝側取付部、4b コンセント取付部、4c 接合部、4a
1,4b
1,5b
1,9a 穴、5 電源コンセント、5a プラグ差込口、5b 取付部、6 コンセントカバー、7 保護チューブ、8 電源ケーブル、9 縦穴、10 システムバックガード、10a 一方側端部、10b 他方側端部、11 カウンター、12 化粧板、13,15 構造材、14 ワークトップ、16 キャビネット部、17 棚、20 キッチン、21 シンク、22 調理器、30 サポート品、31 調理具。