特許第5808239号(P5808239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5808239
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】検索システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20151021BHJP
   G06F 3/0489 20130101ALI20151021BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20151021BHJP
【FI】
   G06F17/30 310A
   G06F17/30 340B
   G06F3/048 610
   G06F3/02 360G
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-273115(P2011-273115)
(22)【出願日】2011年12月14日
(65)【公開番号】特開2013-125376(P2013-125376A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2014年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】木下 廣亮
【審査官】 吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−295308(JP,A)
【文献】 特表2010−517133(JP,A)
【文献】 特開平04−238520(JP,A)
【文献】 特開2008−250523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06F 3/02
G06F 3/0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字列入力ボックスを表示し当該文字列入力ボックスにユーザの文字入力操作によって入力された文字列を検索キーとする検索を行う複数のアプリケーションを実行する検索システムであって、
前記各アプリケーションを、当該アプリケーションが属するアプリケーションの種類毎のグループに対応づけて登録したグループ管理テーブルと、
前記各グループについて、文字列をグループに対応づけて登録する文字列記憶手段と、
アプリケーションによって実行された検索に検索キーとして用いられた文字列で、当該検索を実行したアプリケーションが前記グループ管理テーブルにおいて対応づけて登録されているグループに対応づけて前記文字列記憶手段に登録されている文字列を更新する文字列更新手段と、
アプリケーションが表示した前記文字列入力ボックスに、当該文字列入力ボックスを表示したアプリケーションが前記グループ管理テーブルにおいて対応づけて登録されているグループに対応づけられて前記文字列記憶手段に登録されている文字列を入力する自動入力を行う自動入力手段とを有し、
前記グループは複数設けられていることを特徴とする検索システム。
【請求項2】
請求項1記載の検索システムであって、
前記自動入力手段は、前記アプリケーションが起動された後、もしくは、前記アプリケーションがユーザ操作受付可能な状態に遷移した後に最初に表示した前記文字列入力ボックスについてのみ、前記文字列入力ボックスに前記文字列記憶手段に登録されている文字列を入力する自動入力を行うことを特徴とする検索システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の検索システムであって、
前記自動入力手段は、前記文字列入力ボックスに前記文字列記憶手段に登録されている文字列を入力する自動入力を行った後に、ユーザの当該文字列入力ボックスへの文字入力操作が発生した場合に、前記自動入力によって当該文字列入力ボックスに入力した文字列を消去することを特徴とする検索システム。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の検索システムであって、
前記自動入力手段は、前記文字列入力ボックスの、前記ユーザによる選択操作が発生したときに、前記自動入力を行うことを特徴とする検索システム。
【請求項5】
請求項1記載の検索システムであって、
前記アプリケーションは、当該検索システムに接続された外部装置上のアプリケーションと連携して動作するアプリケーションであって、当該アプリケーションは、前記グループ管理テーブルに、当該アプリケーションが連携して動作する前記外部装置上のアプリケーションの種類と同じ種類のグループに対応づけて登録されていることを特徴とする検索システム。
【請求項6】
コンピュータに読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータを請求項1、2、3、4または5記載の検索システムとして機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索作業を支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
検索作業を支援する技術としては、検索のキーワードとする文字列の入力を、ユーザによって入力された文字列の前方部分に引き続く後方部分を、予め設けた文字列のデータベースを用いて推定して自動入力することにより支援する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-085222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、ユーザが、あるアプリケーションで検索のキーワードを入力して行った検索によって所望の結果が得られなかった場合に、他のアプリケーションで、同じキーワードによる検索を実行する場合がある。そして、このような場合には、他のアプリケーションにおいてキーワードを再入力する煩雑な作業を行う必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、異なる複数のアプリケーションにおいて行う同じキーワードによる検索作業を容易化することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、文字列入力ボックスを表示し当該文字列入力ボックスにユーザの文字入力操作によって入力された文字列を検索キーとする検索を行う複数のアプリケーションを実行する検索システムに、アプリケーションが実行した検索に検索キーとして用いられた文字列を登録する文字列記憶手段と、アプリケーションが表示した前記文字列入力ボックスに、前記文字列記憶手段に登録されている文字列を入力する自動入力を行う自動入力手段とを設けたものである。
【0007】
このような検索システムによれば、ユーザはあるアプリケーションに対して行った検索によって所望の結果が得られなかった場合に、他のアプリケーションに対して同じ検索キーで検索を行う場合に、自動入力された文字列をそのまま検索キーとして用いれば足りるので、文字列を再入力する煩雑な作業を行う必要がなくなる。
【0008】
ここで、このような検索システムに、前記各アプリケーションを、当該アプリケーションが属する前記アプリケーションの種類毎のグループに対応づけて登録したグループ管理テーブルを設け、前記文字列記憶手段において、アプリケーションが実行した検索に検索キーとして用いられた文字列を、当該検索を実行したアプリケーションが前記グループ管理テーブルにおいて対応づけて登録されているグループに対応づけて登録し、前記自動入力手段において、前記アプリケーションが表示した前記文字列入力ボックスに、当該文字列入力ボックスを表示したアプリケーションが前記グループ管理テーブルにおいて対応づけて登録されているグループに対応づけて前記文字列記憶手段に登録されている文字列を入力する自動入力を行うように構成してもよい。
【0009】
ここで、ユーザはあるアプリケーションに対して行った検索によって所望の結果が得られなかった場合に、同種類のアプリケーションに対して同じ検索キーで検索を行うことが期待できるので、このようにすることにより、検索キーとして再使用される蓋然性がより高い文字列を自動入力することができるようになる。
【0010】
また、この場合には、前記アプリケーションは、当該検索システムに接続された外部装置上のアプリケーションと連携して動作するアプリケーションであって、前記グループ管理テーブルにおいて当該外部装置上のアプリケーションの種類と同じ種類のグループに対応づけて登録されているものとしてもよい。
【0011】
また、以上の検索システムは、前記自動入力手段において、前記アプリケーションが起動された後、もしくは、前記アプリケーションがユーザ操作受付可能な状態に遷移した後に最初に表示した前記文字列入力ボックスについてのみ、前記文字列入力ボックスに前記文字列記憶手段に登録されている文字列を入力する自動入力を行うように構成してもよい。
【0012】
また、以上の検索システムは、前記自動入力手段において、前記文字列入力ボックスに前記文字列記憶手段に登録されている文字列を入力する自動入力を行った後に、ユーザの当該文字列入力ボックスへの文字入力操作が発生した場合に、前記自動入力によって当該文字列入力ボックスに入力した文字列を消去するように構成してもよい。このようにすることにより、自動入力した文字列と異なる検索キーを用いるためにユーザが文字列入力ボックスに新たな文字列を入力する際に、当該入力に先だって自動入力した文字列を削除するための特段の操作をユーザが行う必要がなくなる。
【0013】
また、以上の検索システムは、前記自動入力手段において、前記文字列入力ボックスの、前記ユーザによる選択操作が発生したときに、前記自動入力を行うように構成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、異なる複数のアプリケーションにおいて行う同じキーワードによる検索作業を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る車載装置とスマートフォンの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係るアプリケーショングループテーブルと最終入力文字列テーブルを示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る最終入力文字列更新処理と自動入力処理とを示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態に係る自動入力処理の処理例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る車載装置とスマートフォンの他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、スマートフォンが接続される車載装置への適用を例にとり説明する。
さて、図1に、このような車載装置とスマートフォンの構成を示す。
スマートフォン1は、図示するように、移動電話網にアクセスするための移動通信装置などの周辺デバイス10、操作部11、ディスプレイ12、マイクやスピーカなどを備えた音声入出力部13、車載装置2と接続するためのホストインタフェース14、スマートフォン1のOSであるところのSP-オペレーティングシステム15、SP-オペレーティングシステム15によって管理されSP-オペレーティングシステム15上で稼働するアプリケーションである複数のSP-AP16等を備えている。また、SP-オペレーティングシステム15は、操作部11、ディスプレイ12、音声入出力部13を用いた各SP-AP16のGUIを制御するためのSP-GUI制御部151を備えている。
【0017】
また、スマートフォン1は、スマートフォン1を移動通信装置や音声入出力部13や操作部11を用いた移動電話機として機能させる移動電話機アプリケーションを備えている。また、スマートフォン1は、SNSのクライアントアプリケーションや、ナビゲーションアプリケーションや、地図ブラウザアプリケーションや、ミュージック配信サービスのクライアントアプリケーションや、ニュース配信サービスのクライアントアプリケーションや、Webブラウザアプリケーションや、飲食店舗検索サービスのクライアントアプリケーションなどの各種類のアプリケーションを、各種類毎にそれぞれ一つまたは複数、SP-AP16として備えている。
【0018】
次に、車載装置2は、自動車に搭載される装置であり、図示するように、GPS受信機やTVチューナやDVDプレイヤなどの周辺装置20、入力装置21、表示装置22、マイクやスピーカなどを備えた音声入出力装置23、スマートフォン1と接続するためのデバイスインタフェース24、車載装置2のOSであるところのH-オペレーティングシステム25、H-オペレーティングシステム25によって管理されH-オペレーティングシステム25上で稼働するアプリケーションであるH-AP26、アプリケーショングループテーブル27、最終入力文字列テーブル28とを備えている。また、H-オペレーティングシステム25は、入力装置21、表示装置22、音声入出力装置23を用いた各H-AP26のGUIを制御するためのH-GUI制御部251を備えている。
【0019】
ここで、車載装置2が備えるH-AP26には、スマートフォン1の個々のSP-AP16に対応して設けられた、対応するSP-AP16と連携して動作し対応するSP-AP16の入力装置21と表示装置22を用いたGUIを、H-オペレーティングシステム25を介して提供するエージェントアプリケーションを含んでいる。
【0020】
次に、図2aに車載装置2が備えるアプリケーショングループテーブル27を示す。
図示するように、アプリケーショングループテーブル27は、アプリケーションの用途/機能の種類毎に対応して設けられたグループの各々に対して、当該グループに対応する種類に分類されるH-AP26が登録されている。
ここで、図2aでは、グループを設ける種類として、ミュージック配信サービスのクライアントアプリケーションが分類される種類である「ミュージック」、ナビゲーションアプリケーションや地図ブラウザアプリケーションが分類される種類である「ナビゲーション/地図」、ニュース配信サービスのクライアントアプリケーションが分類される種類である「ニュース」、SNSのクライアントアプリケーションが分類される種類である「SNS」、Webブラウザアプリケーションが分類される種類である「Web」、飲食店舗検索サービスのクライアントアプリケーションが分類される種類である「グルメ」などを設けている。
【0021】
なお、H-AP26のうちの、SP-AP16と連携して動作しSP-AP16のGUIを提供するエージェントアプリケーションであるH-AP26の用途/機能の種類は、当該H-AP26がSP-AP16のGUIを提供するものであるので、連携して動作するSP-AP16の種類と同一である。すなわち、たとえば、種類が「ミュージック」であるSP-AP16と連携して動作するエージェントアプリケーションであるH-AP26の種類は「ミュージック」であり、たとえば、種類が「ニュース」であるSP-AP16と連携して動作するエージェントアプリケーションであるH-AP26の種類は「ニュース」である。
【0022】
次に、図2bに、最終入力文字列テーブル28の内容を示す。
図示するように、最終入力文字列テーブル28は、上述した各グループ毎に対応して設けられたエントリ(図の各行)を有し、各エントリには、対応するグループと、文字列であるところの最終入力文字列と、最終入力文字列を登録した日時を表す登録日時が登録される。
【0023】
さて、このような構成において、H-GUI制御部251は、起動されているH-AP26のうちの一つをユーザ操作に応じてアクティブアプリケーションに設定し、アクティブアプリケーションのウインドウをアクティブウインドウとして表示装置22に表示し、アクティブアプリケーションからの要求に応じてアクティブウインドウの表示内容を制御すると共に、入力装置21を介したユーザのアクティブウインドウに対する入力操作を受け付け、入力内容をアクティブアプリケーションに通知するGUI制御処理を行う。ここで、このGUI制御処理には、たとえば図4a2に示すようにアクティブウインドウに、検索キー入力用の文字列入力ボックス401と検索ボタン402とがセットで設けられている場合に、ユーザの検索キー入力用の文字列入力ボックス401の選択操作を受け付けて文字列入力ボックス401をアクティブオブジェクトに設定して、図4a3に示すようにソフトウエアキーボード403を表示し、文字列入力ボックス401がアクティブオブジェクトに設定されている状態におけるユーザのソフトウエアキーボード403を用いた文字入力操作に応じて文字列入力ボックス401に文字を入力する処理や、ユーザの検索ボタン402の操作に応答して、その時点で文字列入力ボックス401に入力されている文字列を検索キーとして、検索ボタン操作発生の旨と共にアクティブアプリケーションに通知する処理が含まれる。なお、アクティブアプリケーションは、検索キーと検索ボタン操作発生の旨をH-GUI制御部251から通知されると、検索キーを用いた所定の検索を実行することとなる。
【0024】
また、車載装置2のH-GUI制御部251は、ユーザの検索作業を支援するために、最終入力文字列更新処理と、自動入力処理とを行う。
まず、最終入力文字列更新処理について説明する。
図3aに、この最終入力文字列更新処理の手順を示す。
図示するように、最終入力文字列更新処理において、H-GUI制御部251は、たとえば図4a3に示すようにアクティブウインドウに検索キー入力用の文字列入力ボックス401とセットで設けられた検索ボタン402に対するユーザ操作の発生を監視する(ステップ302)。なお、H-GUI制御部251は、アクティブウインドウ中の検索キー入力用の文字列入力ボックス401や検索ボタン402を、アクティブウインドウの表示内容や、表示オブジェクト構成や、アクティブウインドウ中の各文字列入力ボックス401や各ボタンに定義されているスクリプトなどを解析して認知するようにしてよい。または、H-AP26から当該H-AP26のウインドウの表示/表示更新要求時に、H-GUI制御部251に、当該ウインドウに含まれる検索キー入力用の文字列入力ボックス401や検索ボタン402を登録することにより、H-GUI制御部251において、アクティブウインドウ中の検索キー入力用の文字列入力ボックス401や検索ボタン402を認知するようにしてもよい。
【0025】
そして、検索ボタン402のユーザ操作が発生したならば、その時点で、検索キー文字列入力ボックスに入力されている文字列で、最終入力文字列テーブル28のアクティブアプリケーションが属するグループのエントリの最終入力文字列を更新すると共に、当該エントリの登録日時を現在の日時に更新する(ステップ304)。ここで、アクティブアプリケーションが属するグループは、アプリケーショングループテーブル27を参照して識別する。
【0026】
そして、ステップ302の監視に戻る。
以上、最終入力文字列更新処理について説明した。
次に、自動入力処理について説明する。
図3bに自動入力処理の手順を示す。
図示するように、自動入力処理においてH-GUI制御部251は、アクティブアプリケーションが切り替わるのを監視し(ステップ352)、アクティブアプリケーションが切り替わったならば、図4a2に示すようにアクティブウインドウに検索ボタン402とセットで設けられている検索キー入力用の文字列入力ボックス401に対するユーザによる選択操作の発生を監視する(ステップ354)。ただし、ステップ352では、新たに起動されたアプリケーションの、当該起動に伴うアクティブアプリケーションへの切り替わりのみを監視するようにしてもよい。
【0027】
そして、検索キー入力用の文字列入力ボックス401に対するユーザによる選択操作が発生したならば、最終入力文字列テーブル28のアクティブアプリケーションの属するグループのエントリに、登録日時として過去所定期間内(たとえば、20分)の日時と、最終入力文字列との双方が登録されているかどうかを調べ(ステップ356)、いずれかが登録されていなければステップ352に戻って、次のアクティブアプリケーションの切り替えの発生を監視する。
【0028】
一方、最終入力文字列テーブル28のアクティブアプリケーションの属するグループのエントリに、登録日時として過去所定期間内の日時と、最終入力文字列との双方が登録されていれば(ステップ356)、アクティブウインドウの検索キー入力用の文字列入力ボックス401に、登録されていた最終入力文字列と同じ文字列を自動入力する(ステップ358)。
【0029】
また、以降、検索キー入力用の文字列入力ボックス401に対するユーザの文字入力操作の発生と(ステップ360)、検索ボタン402に対するユーザ操作の発生と(ステップ362)を監視する。
そして、検索キー入力用の文字列入力ボックス401に対するユーザの文字入力操作が発生した場合には(ステップ360)、上述したGUI制御処理によるユーザの文字入力操作に応じた検索キー入力用の文字列入力ボックス401に対する文字入力に先だって、検索キー入力用の文字列入力ボックス401にステップ358で自動入力した文字列を消去し(ステップ364)、ステップ352に戻って、次のアクティブアプリケーションの切り替えの発生を監視する。一方、検索ボタン402に対するユーザ操作が発生した場合には(ステップ362)、そのままステップ352に戻って、次のアクティブアプリケーションの切り替えの発生を監視する。
【0030】
以上、自動入力処理について説明した。
ここで、以上のような最終入力文字列更新処理と自動入力処理の処理例を図4に示す。
いま、グループ「ミュージック」に属するアプリケーションAがアクティブアプリケーションに設定されて、アプリケーションAのウインドウが図4a1に示すようにアクティブウインドウとして表示されているものとする。
また、この時点において、最終入力文字列テーブル28のアプリケーションAが属するグループ「ミュージック」のエントリに登録日時として過去所定期間内の日時と、最終入力文字列とのいずれかが登録されていないものとする。
この場合、ユーザの検索メニュー451の操作に応じて、アクティブウインドウの表示内容が、図4a2に示すような、検索キー入力用の文字列入力ボックス401と検索ボタン402とがセットで設けられている表示内容に切り替えられる。また、その後、ユーザの検索キー入力用の文字列入力ボックス401の操作が発生すると、図4a3に示すように、さらにソフトウエアキーボード403が表示される。
【0031】
その後、ユーザが、キーボードソフトウエアを操作すると、検索キー入力用の文字列入力ボックス401に文字が順次入力される。また、文字列入力ボックス401に文字列「ABC」を入力完了した後に、ユーザが検索ボタン402を操作すると、文字列入力ボックス401に入力されている文字列「ABC」が、最終入力文字列テーブル28のアプリケーションAが属するグループ「ミュージック」のエントリの最終入力文字列に、現在日時が当該エントリの登録日時に登録される。
【0032】
また、検索ボタン402の操作に応答して、文字列「ABC」を検索キーとする検索が実行され、図4a4に示すように、アクティブウインドウの表示内容が検索結果の表示に切り替わる。
ここで、この検索結果がユーザの所望の検索結果でなく、ユーザは、グループ「ミュージック」に属する他のアプリケーションBで再度、文字列「ABC」を検索キーとする検索を実行しようと考えたものとする。
この場合、ユーザは、アプリケーションBを起動し、アプリケーションBをアクティブアプリケーションとする。
すると、アプリケーションBのウインドウが図4b1に示すようにアクティブウインドウとして表示される。そして、ユーザの検索メニュー452の操作に応じて、アクティブウインドウの表示内容が、図4b2に示すような、検索キー入力用の文字列入力ボックス401と検索ボタン402とがセットで設けられている表示内容に切り替えられる。
【0033】
また、その後、ユーザの検索キー入力用の文字列入力ボックス401の操作が発生すると、図4b3に示すように、さらにソフトウエアキーボード403が表示される。
また、この時点では、最終入力文字列テーブル28のアプリケーションBが属するグループ「ミュージック」のエントリに登録日時として最近の日時と、最終入力文字列「ABC」が登録されているので、図4b3に示すように、文字列入力ボックス401に文字列「ABC」が自動入力される。
【0034】
そして、図4b3の状態で、ユーザが検索ボタン402を操作すると、文字列入力ボックス401に自動入力された文字列「ABC」が、最終入力文字列テーブル28のアプリケーションBが属するグループ「ミュージック」のエントリの最終入力文字列に、現在日時が当該エントリの登録日時に登録される。また、検索ボタン402の操作に応答して、文字列「ABC」を検索キーとする検索が実行され、図4b4に示すように、アクティブウインドウの表示内容が検索結果の表示に切り替わる。
【0035】
この結果、ユーザは、アプリケーションBに対して文字列「ABC」を検索キーとして入力せずとも、以前にアプリケーションAに対して検索キーとして入力した文字列「ABC」を検索キーとする検索を、アプリケーションBを用いて行うことができる。よって、アプリケーションにおいてキーワードを入力して行った検索の結果が充分でなかった場合における、他のアプリケーションにおいて行う同じキーワードによる検索作業を容易化することができる。
【0036】
一方、図4b3の状態で、ユーザがソフトウエアキーボード403を操作すると、図4c1に示すように文字列入力ボックスに入力されている文字列「ABC」は消去され、図4c2、c3に示すように、ソフトウエアキーボード403で入力された文字が、順次、文字列入力ボックス401に入力される。そして、その後、ユーザが検索ボタン402を操作すると、その時点で文字列入力ボックス401にユーザによって入力されている文字列が、最終入力文字列テーブル28のアプリケーションBが属するグループ「ミュージック」のエントリの最終入力文字列に、現在日時が当該エントリの登録日時に登録される。また、検索ボタン402の操作に応答して、その時点で文字列入力ボックス401にユーザによって入力されている文字列を検索キーとする検索が実行されることとなる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態は、コンピュータなどの、複数のアプリケーションを実行する任意の装置において適用可能である。すなわち、当該装置に、アプリケーショングループテーブル27と最終入力文字列テーブル28とを設け、アプリケーションを種類毎にグループ分けして登録して、上述した最終入力文字列更新処理と自動入力処理を実行するようにすればよい。
【0038】
より具体的には、たとえば、スマートフォン1のSP-AP16と連携して動作するエージェントアプリケーションを備えていない車載装置2においても、アプリケーショングループテーブル27に、各H-AP26を種類毎にグループ分けして登録して、上述した最終入力文字列更新処理と自動入力処理を実行するようにしてもよい。または、スマートフォン1にアプリケーショングループテーブル27と最終入力文字列テーブル28とを設け、アプリケーショングループテーブル27に各SP-AP16を種類毎にグループ分けして登録して、SP-GUI制御部151において、上述した最終入力文字列更新処理と自動入力処理を実行するようにしてもよい。
【0039】
また、以上の実施形態は、SP-AP16と連携して動作するエージェントアプリケーションを備えず、単にスマートフォン1の入出力装置として機能する車載装置2に適用するようにしてもよい。
すなわち、この場合、車載装置2はたとえば図5に示すように構成され、車載装置2のH-オペレーティングシステム25は、スマートフォン1のSP-AP16からSP-オペレーティングシステム15を介して送信される表示内容を表示装置22に表示し、入力装置21で受け付けた操作内容をSP-オペレーティングシステム15を介してSP-AP16に送信する処理を行う。
【0040】
また、車載装置2は、最終入力文字列テーブル28に代えて最終入力座標列テーブル200を備えている。また、アプリケーショングループテーブル27には、スマートフォン1のSP-AP16を用途/機能の種類毎にグループ分けして登録する。またH-オペレーティングシステム25は、車載装置2が入出力を行っているSP-AP16を、スマートフォン1からの通知を受けて識別する。
【0041】
そして、H-オペレーティングシステム25は、表示装置22の表示内容を解析して、表示装置22に検索ボタン402とソフトウエアキーボード403が表示されている期間中に入力装置21から入力されたソフトウエアキーボード403の表示領域内の入力座標の列を保持し、検索ボタン402内の座標入力が発生したならば、最終入力座標列テーブル200の、その時点で車載装置2が入出力を行っているSP-AP16の属するグループに対して登録する。
【0042】
また、H-オペレーティングシステム25は、車載装置2が入出力を行っているSP-AP16が切り替わり、表示装置22に検索ボタン402とソフトウエアキーボード403が表示されたならば、最終入力座標列テーブル200の、その時点で車載装置2が入出力を行っているSP-AP16の属するグループに対して登録されている入力座標の列を、順次、入力装置21からの入力座標としてスマートフォン1に通知する。
【0043】
結果、各SP-AP16のウインドウに対して表示されるソフトウエアキーボードはSP-オペレーティングシステム15によって表示されるものであって共通であるので、以上の実施形態と同様に、SP-AP16への、当該SP-AP16と同グループ内の他SP-APに対して直前に入力された検索キーの自動入力が実現される。
また、以上の実施形態では、検索キー入力用の文字列入力ボックス401に対するユーザによる選択操作が発生したときに、文字列入力ボックス401に対する自動入力を行うようにしたが、これは、検索キー入力用の文字列入力ボックス401が表示されたときに、文字列入力ボックス401に対する自動入力を行うようにしてもよい。すなわち、この場合には、自動入力処理のステップ354で、検索キー入力用の文字列入力ボックス401の表示の発生を監視し、表示が発生したならばステップ356に進むようにすればよい。
【0044】
なお、以上の実施形態における携帯装置はスマートフォン1以外の、移動電話機やPDAやポータブルゲーム機やポータブルプレイヤなどの任意の携帯装置であってよい。
【符号の説明】
【0045】
1…スマートフォン、2…車載装置、10…周辺デバイス、11…操作部、12…ディスプレイ、13…音声入出力部、14…ホストインタフェース、15…SP-オペレーティングシステム、16…SP-AP、20…周辺装置、21…入力装置、22…表示装置、23…音声入出力装置、24…デバイスインタフェース、25…H-オペレーティングシステム、26…H-AP、27…アプリケーショングループテーブル、28…最終入力文字列テーブル、151…SP-GUI制御部、251…H-GUI制御部、401…文字列入力ボックス、402…検索ボタン、403…ソフトウエアキーボード。
図1
図2
図3
図4
図5