(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
消色性着色剤により画像が形成された記録媒体を加熱して、前記記録媒体に形成された画像を消去したときの消去処理結果をもとに、少なくとも再利用可と判断された記録媒体の消去ログを記憶する記憶部と、
前記消去ログをもとに、前記再利用可の記録媒体を廃棄処理した場合の廃棄費用の情報を環境負荷の低減情報として生成する廃棄情報生成部と、
前記環境負荷の低減情報を表示部に表示するための提示部と、
を備える環境貢献支援装置。
【背景技術】
【0002】
オフィス等での環境貢献の一例として、用紙の節約がある。用紙の節約としては印刷自体を減らすことのほかに、印刷した用紙の画像を消去(消色)して再利用(リユース)することが有効である。従来、MFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置を使用して、用紙に画像を形成するようにしているが、用紙を再利用するため、ロイコ染料を含有するインク等の消色性の色剤を用いて用紙に画像を印刷し、印刷した用紙が不要になったときに、消去装置を用いて用紙に形成した画像を消去してリユースできるようにしている。
【0003】
消色性の色剤は、高い温度を加えることにより消去されるため、用紙をリユースする際は、消去装置を用いて用紙を加熱し、用紙に形成した画像を消去する。消去装置は、用紙の搬送路を挟んでプラテンローラと熱源を対向して配置し、プラテンローラと熱源との間に用紙を搬送することにより用紙を加熱し、消色性の色剤を消去する。上述したように、用紙に形成した画像を消去することを、以下の説明では「消色」と呼ぶこともある。
【0004】
用紙をリユースすることで用紙の節約につながり、環境に貢献することができる。ところで、一般的に環境貢献を支援する方法としては、MFPを利用するユーザに、例えば、印刷に利用する用紙の購入費用や、用紙の保管費用を提示したり、用紙の再利用枚数等を提示して、ユーザのコスト意識や環境意識を高める方法がある(例えば特許文献1)。
【0005】
しかしながら、従来では、用紙の再利用に関する情報(再利用枚数や用紙の削減量)は提示されるものの、再利用できずに廃棄する用紙の情報(廃棄費用等の情報)が提示されないため、廃棄量を減らすことでどれだけ環境に貢献したかをユーザに提示することができないという不具合があった。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る環境貢献支援装置を含むネットワークシステムを示すシステム構成図である。
図1のネットワークシステムは、画像形成装置であるデジタル複合機10(以下MFP:Multi Function Peripheralと略称する)と、消去装置20及び管理サーバ40等を備える。MFP10、消去装置20、管理サーバ40等は、夫々データ通信する通信機能を備え、LAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワーク50を介して接続している。ネットワーク50は、無線通信により実現しても良い。
【0012】
MFP10は、スキャナ機能、プリンタ機能およびネットワーク通信機能などを備え、MFPの本体11の上部に、操作パネル12、ADF13(自動原稿送り装置)、スキャナ(画像読取部)14を有し、本体11の中央部にプリンタ(画像形成部)15を有し、本体11の下部に給紙カセット16を有している。
【0013】
操作パネル12は、各種のキーから成る操作部とタッチパネル式の表示部を含み、コピー枚数、印刷部数、用紙サイズ等を入力する。スキャナ部14は、ADF13によって送られる原稿または原稿台上に置かれた原稿を読み取って画像データを生成する。プリンタ部15は、感光体ドラムとレーザ等を含み、スキャナ部14で読み取った画像データや、PC(Personal Computer)などで作成された画像データを処理して記録媒体である用紙に画像を定着する。プリンタ部15によって画像が定着された用紙は、排紙部17に排出される。記録媒体としては、用紙やOHPシートなどがあるが、以下の説明では、用紙を例に説明する。
【0014】
MFP10は、所定の温度に加熱すると化学反応により色が消える消色性着色剤による画像形成処理と、上記所定の温度に加熱しても色が消えない非消色性着色剤による画像形成処理を行うことができ、用紙をリユースする際は、消色性着色剤で画像を形成する。尚、消色性着色剤である消色インクは、例えばロイコ染料などの染料を用いることができる。この消色インクは、加熱すると例えば180〜200℃程度で消色する。
【0015】
一方、消去装置20は、操作パネル21、給紙部22、読取部であるスキャナ23、及び消去部30を備える。また消去装置20は、第1の排紙トレイ25と、第2の排紙トレイ26(リジェクトボックス)を備えている。
【0016】
図2は、消去装置20の具体的な構成を示す構成図である。
図2において消去装置20は、操作ボタン及び表示部を含む操作パネル21と、給紙部22、スキャナ23及び消去部30を備える。さらに消去装置20は、第1〜第5の搬送路241〜245、第1の排紙トレイ25、第2の排紙トレイ26(リジェクトボックス)を備える。
【0017】
各搬送路241〜245は、用紙を搬送するため複数の搬送ローラ27を有し、複数の搬送ローラ27は、それぞれモータによって駆動する。また搬送路242と搬送路244に用紙の搬送を振り分けるため、ゲート28を設けている。
【0018】
第1の搬送路241は、給紙部22から用紙Sをスキャナ23に搬送する。第2の搬送路242は、用紙Sをスキャナ23から消去部30に向けて矢印A方向に搬送する。第3の搬送路243は、用紙Sを消去部30から再度スキャナ23に搬送する。第4の搬送路244は、用紙Sをスキャナ23から第1の排紙トレイ25に搬送する。第5の搬送路245は、用紙Sをスキャナ23からリジェクトボックス26に搬送する。第1の排紙トレイ25は、例えば画像を消去処理した後に再利用が可能な用紙を回収する。リジェクトボックス26は、再利用が難しく、通常、廃棄してリサイクルする用紙(再利用不可の用紙)を回収する。
【0019】
図2の消去装置20は、概ね以下の消去処理を行う。
【0020】
先ず、操作部21によって、用紙Sの消色及び読み取りのモードが選択された場合、給紙部22から用紙Sを給紙後、第1の搬送路241を介して読取部であるスキャナ23に用紙Sが搬送される。スキャナ23では画像をスキャンし、用紙Sの画像を消色する前に画像データを読み取る。また用紙Sの印字率を求める。スキャナ23は、第1のスキャナ231と第2のスキャナ232を含み、用紙Sの両面を読み取る。またスキャナ23は、用紙Sのプリント状況を読み取る。
【0021】
スキャナ23で読み取ったプリント状況から、用紙Sに破れやシワがある場合は、再利用不可と判断し、第5の搬送路245に用紙Sを導き、リジェクトボックス26に搬送する。また印字率が高い用紙は消色時にカールしやすいため、再利用不可と判断し、リジェクトボックス26に搬送する。破れやシワのない用紙Sは、第2の搬送路242により消去部30に搬送する。
【0022】
消去部30に搬送された用紙Sは、消去部30を通過する際に加熱され、用紙Sに形成された画像を熱によって消色する。消去部30は、例えば280〜300℃の比較的高い温度で用紙Sを加熱加圧して、用紙Sの画像を消色する。即ち、用紙Sの画像形成には消色可能な色剤が用いられ、色剤は所定の温度に達することで消色される。したがって、所定の温度で加熱する消去部30に予め設定した搬送速度で用紙Sを搬送させることにより消色することができる。
【0023】
消去部30を通過した用紙Sは第3の搬送路243により、再度スキャナ23に搬送する。スキャナ23は、消色性の色剤で形成された画像が確実に消色されたかを確認するため、再度プリント状況を読み取り、用紙Sを分別する。
【0024】
スキャナ23で読取った結果、画像が消去され再利用可能と判断した用紙Sはリユース用紙として、第4の搬送路244により第1の排紙トレイ25に搬送する。またスキャナ23で読み取ったプリント状況から、画像領域に非消色性色剤で形成した画像、或いは手書きした画像が残っている場合、更には破れやシワを生じた用紙Sは、再利用不可と判断して第5の搬送路245によりリジェクトボックス26に搬送する。
【0025】
尚、消去部30は、ヒートローラ31とプレスローラ32を含む第1の消去部と、プレスローラ33とヒートローラ34を含む第2の消去部を有し、ヒートローラ31とプレスローラ32の間、及びプレスローラ33とヒートローラ34の間に用紙Sを搬送して加熱する。ヒートローラ32、34は、内部に熱源を備え、外周に温度検知部を備えている。熱源としては、例えばランプを用いている。
【0026】
図3は、消去装置20の制御系を示すブロック図である。消去装置20は、各部を統括的に制御するシステム制御部200を備える。システム制御部200は、例えば、操作パネル21、給紙部22、スキャナ23、消去部30、第1〜第5の搬送部241〜245を制御する。また、再利用(リユース)可能な用紙を第1の排紙トレイ25に排出し、再利用できずに廃棄する用紙を第1の排紙トレイ26(リジェクトボックス)に排出する。
【0027】
システム制御部200は、例えばコントローラであるCPU201、RAM(ランダムアクセスメモリ)202、ROM(リードオンリーメモリ)203、HDD(ハードディスクドライブ)204、ネットワークインターフェース(I/F)205等を備え、各回路部はバスライン206を介して接続されている。
【0028】
CPU201は、ROM203に記憶されている制御プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。RAM202は、ワーキングメモリとして機能するメインメモリである。ROM203は、消去装置20の動作を制御し、かつ各種の処理機能を実現するための制御プログラムおよび制御データなどを記憶する。例えば、ROM203は、用紙をリユースするかリジェクトするかの判断レベル情報や、消去部30の設定温度情報を保持し、CPU201は、消去部30で画像を消去した結果をもとに、再利用可能な用紙と、再利用不可の用紙に区分する。
HDD204は、データ記憶用の大容量のメモリであり、各種の情報を記憶することができる。ネットワークインターフェース(I/F)205は、ローカルエリアネットワーク50を介してMFP10や管理サーバ40、或いは他の外部装置(PC等)と通信を行うインターフェースである。
【0029】
図4は、環境貢献支援装置を構成する管理サーバ40を示すブロック図である。管理サーバ40は、例えば、コントローラであるCPU41、RAM42、ROM43、ネットワークインターフェース(I/F)44、HDD45、データベース46及び表示I/F47を備え、各回路部はバスライン401を介して接続されている。
【0030】
CPU41は、サーバ40全体の制御を司る。CPU41は、ROM43に記憶されているプログラムを実行することにより様々な処理機能、例えば環境貢献支援に係る機能を実現する。RAM42は、ワーキングメモリである。ROM43は、サーバ40の基本的な動作を制御する制御プログラム及び制御データなどを記憶する。
【0031】
ネットワークインターフェース44は、ローカルエリアネットワーク50に接続した各装置(MFP10、消去装置20等)とのデータ通信を行うためのインターフェースであり、キーボードやマウス等の入力部を含み、各種データやコマンドを入力する。HDD45は、データ記憶用の記憶装置である。HDD45は、例えば、ユーザ認証用のデータを記憶する。
【0032】
管理サーバ40において、CPU41は、ユーザ認証機能を備える。ユーザ認証機能は、ユーザがMFP10の操作パネル12、或いは消去装置20の操作パネル21で入力したユーザIDあるいはパスワードなどのユーザ情報を取得する。またユーザが特定の部門に属する場合、部門ごとにユーザ認証を行う。
【0033】
ユーザ認証機能は、MFP10又は消去装置20から取得したユーザ情報とHDD45に記憶したユーザ認証用のデータとを照合することにより認証の成否を判定する。また、ユーザ認証に用いるユーザ情報は、ユーザが所持するICカードからMFP10や消去装置20等が読み取るようにしても良い。
【0034】
さらにHDD45は、消去装置20がリジェクトボックス26に排出した用紙の廃棄に要する費用を算出するための換算テーブルを保持する。またデータベース46は、
図5に示す消去ログ(後述)を保管する記憶部を構成する。CPU41は、ネットワークI/F44を介してMFP10及び消去装置20と通信し、例えば消去装置20から定期的に消去状況に関するデータを収集し、消去ログをデータベース46に蓄積する。表示I/F47は、ディスプレイとのインターフェースであり、ディスプレイに後述する用紙廃棄情報等の表示データを提示する。
【0035】
図5は、データベース46に記憶した消去ログデータを示すテーブルである。消去ログは、消去装置20から定期的に収集される消去に関するデータを集計したものである。複数の消去装置20がネットワーク50に接続される場合は、消去装置毎の消去ログが記憶される。
【0036】
図5は消去ログの一例を示す。消去ログは、消去装置の機体を示す「シリアル番号」、ユーザを識別する「ユーザID」、消去処理の実行時間を示す「開始日時」と「終了日時」、消去処理を実行した用紙の「サイズ」、消去装置にセットした用紙枚数を示す「投入枚数」、消去処理の結果、再利用可能な用紙の枚数を示す「リユース枚数」、消去できずに再利用不可と判断した用紙の枚数を示す「リジェクト枚数」を含む。ここでリジェクト枚数には、画像を十分に消去できない消し残りのある用紙や、折れや破れのある用紙などが含まれる。
例えば、
図5のNO.3の消去ログは、機体番号「XXX1001」の消去装置で、ユーザ「12349」が、「2013年1月27日の10時15分」から「2013年1月27日の10時19」までの間に、「A4」、「33枚」の用紙を消去装置にセットして消去処理を実行したことを表している。消去処理の結果、リユース枚数「32枚」が消去に成功し、「1枚」がリジェクトされたことを示している。
次に、実施形態における環境貢献支援のための動作について説明する。
【0037】
本実施形態では、サーバ40のデータベース46に記憶した消去ログをもとに、リジェクトする用紙の廃棄情報、例えば廃棄費用を算出してユーザに提示する。即ち、消去装置20によって用紙の画像を消去して再利用することで、環境に貢献できるが、再利用できずに廃棄する用紙がある場合、廃棄費用をユーザに提示することにより、さらに環境への貢献意識を高めることを意図したものである。リジェクトする用紙の廃棄情報は、CPU41によって作成する。
【0038】
例えば、再利用不可と判断され廃棄する用紙を、廃棄業者に引き取ってもらう場合は、運搬費等がかかる。また廃棄する用紙を焼却するにしても運搬費等がかかる。したがって、CPU41は、廃棄する用紙の枚数を判別して、1枚当たりの廃棄コストにリジェクト枚数を乗算することにより、トータルの廃棄費用を算出する。1枚当たりの廃棄コストは、通信費(引き取り業者への連絡に要する通信費)、リジェクト用紙の運搬費など、各種のデータをもとに算出する。
【0039】
サーバ40のHDD45には、リジェクト用紙1枚分の廃棄費用のデータ(換算テーブル)が保持されており、トータルのリジェクト枚数が分かれば、CPU41は、用紙の廃棄費用を算出することができる。換算テーブルは、例えばA4の用紙を1枚廃棄する場合のコスト(例えば1枚0.01円等)を記憶しておき、これを基準にして、A3サイズの用紙であれば2倍のコストを算出する。
【0040】
したがって、CPU41は、リジェクト用紙のサイズとリジェクト枚数をデータベース46の消去ログから読出すことで、廃棄費用を算出することができる。また1枚当たりの廃棄費用を記憶する以外に、1グラム当たりの廃棄費用を換算テーブルに記憶し、リユース枚数に応じたトータルの廃棄重量を算出し、トータル廃棄重量に1グラム当たりの廃棄費用を乗算してもよい。
【0041】
また、この廃棄コストを環境負荷の低減情報として扱ってもよい。すなわち、廃棄する際には輸送に係る環境負荷、焼却する際には二酸化炭素の発生による環境負荷などがある。これらの環境負荷は用紙を再利用することによって発生を抑制させることができる。したがって、CPU41により、再利用可能な用紙を廃棄した場合の廃棄費用や廃棄重量等を算出すれば、その算出結果を環境負荷の低減情報として提示することができる。この場合、CPU41は、データベース46の消去ログをもとに、再利用可の記録媒体を廃棄処理した場合の廃棄情報を環境負荷の低減情報として生成する廃棄情報生成部となる。
【0042】
算出した廃棄費用は、表示I/F47を介してディスプレイ48(
図1)に表示される。また収集された消去ログは、
図5に示すようにユーザ別に収集しているが、ユーザが属する部門別、或いはオフィス全体のデータとして収集することもできる。したがって、オフィス全体や、部門別、ユーザ別に廃棄情報を提示することができる。また、廃棄情報の提示は、消去処理の当日の情報として提示してもよいし、1週間単位、1か月単位等の予め設定した単位で提示するようにしても良い。
【0043】
提示された廃棄情報を見ることで、自部門又はユーザ別に、どれだけ廃棄費用が掛かったかを知ることができ、廃棄費用を低減するために消色インキでの印刷を促せば、再利用率を高めることができる。またリジェクトする用紙の廃棄情報としては、廃棄費用のほかに廃棄枚数、廃棄枚数の重量等を提示するようにしても良い。廃棄枚数や重量が低減するほど、環境貢献に寄与するため、ユーザはさらなる低減を目指すことができる。また、再利用可能な用紙を廃棄した場合の廃棄費用等を算出して表示すれば、環境負荷の低減情報として提示することができ、どれだけ環境負荷の低減に貢献できたかを知ることができる。
【0044】
図6は、管理サーバ40の処理を説明するフローチャートである。
図6において、CPU41は動作(Act)A1にて、消去装置20と通信し、消去ログを受け取る。次の動作A2でCPU41は、リジェクト用紙か否かを判別する。すなわち、CPU41は、リジェクト用紙とリユース用紙を判別する。収集される消去ログには、消去装置20で消去された用紙がリユース(再利用可能)か、リジェクト(再利用不可)かの判断結果の情報が含まれているため、動作A2で判別することができる。
【0045】
動作A2でリジェクト用紙と判別した場合、CPU41は、動作A3でリジェクト用紙については、廃棄用紙としてカウントする。また動作A2でリジェクト用紙でないと判別した場合、CPU41は動作A4で再利用可能用紙としてカウントする。
【0046】
動作A4のあとCPU41は、動作A5において、カウントした結果を集計し、デーベース46に消去ログを保管(記憶)する。ここで、CPU41は、動作A3でカウントしたものは「リジェクト枚数」として集計し、動作A4でカウントしたものは、「リユース枚数」として集計する。
【0047】
また動作A6で、CPU41は、HDD45に記憶した換算テーブルをもとに、1枚当たりの廃棄費用と、リジェクト用紙のトータルの枚数から廃棄費用を計算する。またCPU41は、廃棄費用を環境負荷の低減情報に置き換える動作を行う。
【0048】
次に動作A7でCPU41は、動作A6において算出した環境負荷の低減情報を表示I/F47を介してディスプレイ48に提示するように指示する。表示I/F47は、環境負荷の低減情報を表示部(ディスプレイ48)に表示させるための提示部でもある。
【0049】
リジェクト用紙の集計値は、再度使われることがなく廃棄処理される用紙の枚数と捉えることができる。したがって、リジェクト用紙の廃棄枚数を集計することにより、オフィスなどの環境において紙の廃棄にかかる費用などを提示することができる。またリユース用紙を集計して、リユース用紙を廃棄した場合の廃棄費用等を算出して表示すれば、環境負荷の低減情報として提示することができる。
【0050】
収集された消去装置毎の消去ログはサーバ40のデータベース46に保管され、集計されるので、オフィス全体や、部門別、ユーザ別に廃棄情報(廃棄費用など)や環境負荷の低減情報をユーザに提供することができる。
【0051】
以上述べた実施形態によれば、消去装置から消去ログを収集することにより、再利用できない(廃棄される予定の)用紙の廃棄情報を得ることができる。したがって、廃棄費用等を算出してユーザに提示することができ、廃棄費用が嵩む場合はリユースを促すことができる。
【0052】
尚、上記した実施形態では、環境貢献支援装置をサーバ40で構成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、管理サーバ40が備える機能の一部(例えば消去ログを記憶するデータベース46や表示I/F47)又は全部の機能を、消去装置20やMFP10に備えても良い。例えば消去装置20の操作パネル21に表示部211(
図3)を設け、管理サーバ40が備える機能を消去装置20内に備えれば、再利用できない用紙の廃棄情報を消去装置20自体に表示することができる。また消去装置20の機能をMFP10内に構成しても良い。
【0053】
また本実施の形態では装置(管理サーバ40等の環境貢献支援装置)内に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能をCD−ROM等の記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。CD−ROMに限らず、プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。また上述したようにインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0054】
尚、本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。