特許第5808434号(P5808434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5808434固化樹脂粒子の対向側部と接触する対面表面を含む可塑化システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5808434
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】固化樹脂粒子の対向側部と接触する対面表面を含む可塑化システム
(51)【国際特許分類】
   B29B 13/02 20060101AFI20151021BHJP
【FI】
   B29B13/02
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-552009(P2013-552009)
(86)(22)【出願日】2012年1月18日
(65)【公表番号】特表2014-503399(P2014-503399A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】US2012021684
(87)【国際公開番号】WO2012102921
(87)【国際公開日】20120802
【審査請求日】2013年9月26日
(31)【優先権主張番号】61/437,038
(32)【優先日】2011年1月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595155303
【氏名又は名称】ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HUSKY INJECTION MOLDING SYSTEMS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】ベルジル,マノン,ダニエル
【審査官】 大塚 徹
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−133316(JP,U)
【文献】 特開平11−198164(JP,A)
【文献】 特開2009−113360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 13/02
B29C 45/18 − 45/20
B29C 47/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーパー部を有する溶融物溝の少なくとも一部を画定して前記溶融物溝に樹脂が流される内表面を有するハウジングアセンブリと、
前記溶融物溝内に位置決めされ、テーパー状の外表面を有する部材アセンブリ(412)であって、前記溶融物溝の前記テーパー部と前記テーパー状の外表面とは前記樹脂に可塑化誘発効果を付与するように先細溝(105)を画定するよう協働する部材アセンブリと、
前記樹脂に力を与えるように移動可能であり、前記溶融物溝内で前記樹脂を移動させるプランジャーアセンブリ(124)と、
を備える樹脂の可塑化のための可塑化システム(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の可塑化システム(100)であって、
前記プランジャーアセンブリの移動の一部の間、前記プランジャーアセンブリは、少なくとも部分的に、前記部材アセンブリを取り囲むように構成される可塑化システム。
【請求項3】
請求項1に記載の可塑化システム(100)であって、
前記プランジャーアセンブリは前記溶融物溝の長手方向軸の周りを回転するように構成される可塑化システム。
【請求項4】
請求項1に記載の可塑化システム(100)であって、
前記プランジャーアセンブリは円筒形状、環状形状、キュービット形状のいずれか一つの形状である可塑化システム。
【請求項5】
請求項1に記載の可塑化システム(100)であって、
前記プランジャーアセンブリ(124)は、
(i)所定の速度プロファイルに従って直線状に移動することと、
(ii)使用時において、直線状に付加された力(123)を前記樹脂に与えることと
行うように構成される可塑化システム。
【請求項6】
請求項1に記載の可塑化システム(100)であって、
前記ハウジングアセンブリはさらに、
前記溶融物溝に流体連通し、樹脂を受けるハウジング注入口と、
前記溶融物溝に流体連通し、溶融された樹脂を放出する流路を設けるハウジング排出口と、
を画定し、前記ハウジング注入口と前記ハウジング排出口とは同軸に位置合わせされる可塑化システム。
【請求項7】
請求項1に記載の可塑化システム(100)であって、
前記部材アセンブリは固定の部材アセンブリを備える可塑化システム。
【請求項8】
請求項に記載の可塑化システム(100)であって、
前記固定部材アセンブリは、
前記溶融物溝内に配置された第1の固定部材と、
その第1の固定部材の下流の前記溶融物溝に配置された第2の固定部材と、
を備える可塑化システム。
【請求項9】
請求項1に記載の可塑化システム(100)であって、
前記テーパー状の外表面は前記溶融物溝の前記テーパー部との一部と対面する可塑化システム。
【請求項10】
請求項1に記載の可塑化システム(100)であって、
前記部材アセンブリは前記溶融物溝内を移動可能である可塑化システム。
【請求項11】
請求項10に記載の可塑化システム(100)であって、
前記部材アセンブリは、前記先細溝の長手方向軸に対して位置合わせされた軸の周りに回転するように構成される可塑化システム。
【請求項12】
請求項10に記載の可塑化システム(100)であって、
前記部材アセンブリは前記溶融物溝の長手方向軸に沿って直線状に移動するように構成される可塑化システム。
【請求項13】
請求項1に記載の可塑化システム(100)であって、
前記溶融物溝に流体連通されて溶融された樹脂を放出する通路を設ける、外方にテーパー状のハウジング排出口を前記ハウジングアセンブリはさらに画定する可塑化システム。
【請求項14】
溶融物溝を画定して前記溶融物溝に樹脂が流される内表面を有するハウジングアセンブリの、前記溶融物溝に流体連通するハウジング注入口で前記樹脂を受けることと、
前記溶融物溝に沿って下流方向にプランジャーアセンブリを動かし、前記溶融物溝内の固定の部材アセンブリのテーパー状の外表面と、前記ハウジングアセンブリの前記内表面のテーパー部との間で前記樹脂を溶融するように画定された先細溝を通じて前記樹脂を押すことにより前記樹脂を溶融することと、
前記溶融物溝に流体連通するハウジング排出口に向けて、前記部材アセンブリの一部を取り囲む前記プランジャーアセンブリを動かすことにより、溶融された樹脂を放出することと、
を含む樹脂を可塑化する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記プランジャーアセンブリが前記溶融物溝に沿って動く間、前記溶融物溝の長手方向軸の周りに前記プランジャーアセンブリを回転させることをさらに含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一態様は、概して、(例えであり、これに限定されないが)固化樹脂粒子の対向側部と接触するための対面表面を含む可塑化システムに関する。
【発明の概要】
【0002】
低品質の成型物や成型部分を不注意に製造する公知の成型システムに関連する問題について調査がされている。多くの研究及び実験の後、この問題についての理解及び解決法が後述のように特定されており、この理解は広くは知られていないと考えられる。押出機及び射出成型スクリューは、溶融樹脂を溶融、搬送及び加圧するように設計されている。しかし、溶融物の品質はショット毎に変動するため、溶融物の熱均質性の達成は困難である。プラスチックの完全溶融を達成するためには、未溶融回避のために滞留時間を長くすることが必要であるが、その場合、樹脂劣化が発生する。なぜならば、ペレットの塊がスクリューのねじ山に多様な溶融状態で堆積し、その結果、伝導、抵抗及び圧力から大きな熱変動が発生するからである。このような状態になる理由として、当該ペレットが溶融物に対して均等に分配されていないからである。本発明の目的は、エネルギー及び滞留時間を最小化することにより最高品質でありかつ熱的に均質な溶融物を得るために、3つの主な溶融機構を制御及び最適化することである。本発明において、ペレット及び溶融物が均等に分配され、伝導、圧力及び抵抗が常時制御される。
【0003】
一態様によれば、固化樹脂粒子を可塑化させるための可塑化システムが提供される。可塑化システム(100)は、(A)対面表面(104)を(これには限定はされないが)含むことができ、対面表面(104)は相互に離間され、先細溝(105)を少なくとも部分的に画定する。先細溝(105)は、固化樹脂粒子(202)を受けるように構成される。また、可塑化システム(100)は、(B)プランジャーアセンブリ(124)を(これには限定はされないが)含むことができ、プランジャーアセンブリ(124)は、対面する表面(104)に相対して少なくとも部分的に移動可能である。プランジャーアセンブリ(124)は、先細溝(105)に少なくとも部分的に沿って、固化樹脂粒子(202)を対面表面(104)に相対して少なくとも部分的に移動させるように構成され得る。
【0004】
非限定的な実施形態の他の態様及び特徴は、当業者がこれらの非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を添付図面と共に参照することで明らかになる。
【0005】
以下の非限定的な実施形態の詳細な説明を添付図面と共に参照すれば、非限定的な実施形態がより深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】可塑化システム(100)の模式図である。
図1B】固化樹脂粒子(202)の模式図である。
図2】固化樹脂粒子(202)の模式図である。
図2B】可塑化システム(100)の模式図である。
図2C】可塑化システム(100)の模式図である。
図2D】可塑化システム(100)の模式図である。
図2E】可塑化システム(100)の模式図である。
図2F】可塑化システム(100)の模式図である。
図2G】可塑化システム(100)の模式図である。
図2H】可塑化システム(100)の模式図である。
図3】可塑化システム(100)の模式図である。
図4】可塑化システム(100)の模式図である。
図5】可塑化システム(100)の模式図である。
図6】可塑化システム(100)の模式図である。
図7】可塑化システム(100)の模式図である。
図8A】可塑化システム(100)の模式図である。
図8B】可塑化システム(100)の模式図である。
図9】可塑化システム(100)の模式図である。
図10】可塑化システム(100)の模式図である。
図11】可塑化システム(100)の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は必ずしも縮尺通りではなく、極細線、図形及び部分図によって示され得る。ある場合において、実施形態(及び/又は他の詳細の理解を困難にする他の詳細)の理解に必要でない詳細は省略している場合がある。
【0008】
図1は、可塑化システム(100)の模式図である。可塑化システム(100)は、当業者に公知の構成要素を含むことができ、これらの公知の構成要素についてはここでは説明しない。これらの公知の構成要素については、少なくとも以下の参照文献において記載がある:(i)OSSWALD/TURNG/GRAMANN著“Injection Molding Handbook”(ISBN: 3−446−21669−2), (ii)ROSATO AND ROSATO著“Injection Molding Handbook”(ISBN: 0−412−99381−3), (iii)JOHANNABER著“Injection Molding Systems”第三版(ISBN 3−446−17733−7)及び/又は(iv)BEAUMONT著“Runner and Gating Design Handbook”(ISBN 1−446−22672−9)。溶融機構は、Tadmor/Gogos著“Principles of Polymer Processing”(ISBN:0−471−38770−3)において詳細に説明されている。本文献の目的のため、「含む(include)(これには限定されないが)」という用語は、「備える(comprising)」という用語に相当することが理解される。「備える」という用語は、特許請求項のプリアンブルから請求項に記載の発明の内容を規定する特定要素へと繋がる移行句又は用語である。このような移行句は、請求項の制限として機能し、類似のデバイス、方法又は組成が例えば起訴されたデバイスが特許中の請求項よりも多数又は少数の要素を含む場合に類似のデバイス、方法又は組成が当該特許を侵害するか否かを示す。「備える」という用語は、開放移行として取り扱われるべきである。開放移行は最も広範な形態の移行であり、請求項中に記載の任意の要素へのプリアンブルを限定しない。
【0009】
図1Aを参照して、固化樹脂粒子(202)の可塑化のための可塑化システム(100)の一例が図示されている。可塑化システム(100)は、(i)対面表面(104)と、(ii)プランジャーアセンブリ(124)とを(これらに限定されず、例として)含む。対面表面(104)は、相互に離間されている。これらの対面表面(104)は、先細溝(105)を少なくとも部分的に画定する。先細溝(105)は、固化樹脂粒子(202)を受けるように構成される。プランジャーアセンブリ(124)は、対面表面(104)に相対して少なくとも部分的に移動可能である。プランジャーアセンブリ(124)は、先細溝(105)に少なくとも部分的に沿って固化樹脂粒子(202)を対面表面(104)に相対して少なくとも部分的に移動させるように構成される。固化樹脂粒子(202)は、粒子、ペレット、粉末粒子、薄片及び/又は繊維を(これらに限定されず、例として)含むこともできる。固化樹脂粒子(202)の厚さは、固化樹脂粒子(202)を支持する平面の上方の固化樹脂粒子(202)の高さ又は幅として規定されることもできる。
【0010】
一例として、先細溝(105)は、先細溝(105)を画定するハウジングアセンブリによって画定される溶融物溝の内部に配置又は位置決めされるピンとハウジングアッセンブリとの間に画定されることもできる。この場合、先細溝(105)の対面表面(104)は、ピンによって設けられ又は画定される。ピン(又は相当する部材又は構成要素)は、固定されていてもよい、あるいは移動可能又は断続的に移動可能であってもよい。溶融物溝(すなわち、ハウジングアセンブリの先細溝(105))は直線状であってもよく、ピンは例示的に円錐に形作られている。あるいは、ハウジングアセンブリの溶融物溝及びピンアセンブリは、円錐形状を有することもできる。ハウジングアセンブリの溶融物溝及びピンの可能な構成は他にも多数有り、そのうちいくつかを図2Bから図2Hに示す。
【0011】
対面表面(104)は、固化樹脂粒子(202)の幅よりも大きな幅から固化樹脂粒子(202)の幅よりも小さな幅まで変化する幅により分離されることもできる。対面表面(104)は、使用時において、固化樹脂粒子(202)の対向側部(200A;200B)と接触するように構成されることもできる。固化樹脂粒子(202)の対向側部(200A;200B)を図1Bに示す。より詳細には、対面表面(104)は、(i)第1の表面(106)と、(ii)第1の表面(106)から離間されて第1の表面(106)に対面する第2の表面(108)とを(これらに限定されず、例として)含み得る。第1の表面(106)及び第2の表面(108)は、使用時において、固化樹脂粒子(202)と接触するように構成されることもできる。固化樹脂粒子(202)は、対面表面(104)に相対して移動する前に予め加熱させることができる。固化樹脂粒子(202)は、対面表面(104)に相対して移動する前に乾燥させることができる。
【0012】
一例として、対面表面(104)は、(i)第1の表面(106)と、(ii)第1の表面(106)から離間して第1の表面(106)に対面する第2の表面(108)とを(これらに限定されず、例として)含み得る。対面表面(104)のうち少なくとも1つは、使用時において、固化樹脂粒子(202)の対向側部(200A;200B)と少なくとも部分的に接触するように構成される。
【0013】
先細溝(105)は、固化樹脂粒子(202)の幅よりも大きな幅から固化樹脂粒子(202)の幅よりも小さな幅まで変化することもできる。プランジャーアセンブリ(124)は、(i)所定の速度プロファイルに従って直線的に移動することと、(ii)使用時において、直線的に付加された力(123)を固化樹脂粒子(202)へと送ることと、(iii)固化樹脂粒子(202)を対面表面(104)に相対して移動させることとを行うように構成されることもできる。方向(121)は、プランジャーアセンブリ(125)が移動する方向を示す。
【0014】
図2Aを参照して、固化樹脂粒子(202)と対面表面(104)との間の相対移動に応答して、固化樹脂粒子(202)は、使用時において、対面表面(104)からの可塑化誘発効果(300)を受けることもできる。可塑化誘発効果(300)は、固化樹脂粒子(202)を可塑化させて流動可能な溶融物(504)とするように構成されることもできる。可塑化誘発効果(300)は、(i)熱エネルギー(302)、(ii)抗力(304)、及び(iii)圧縮力(306)の協働的な組み合わせを(これらに限定されず)含むこともできる:。先細溝(105)の角度により、使用時において固化樹脂粒子(202)へと付加されている圧縮力(306)と抗力(304)との間の比が決定さることもできる。
【0015】
図2Bから図2Hを参照して、可塑化システム(100)のいくつかの例が図示されている。
【0016】
ここで図2Bを参照して、可塑化システム(100)は、第1の表面(106)及び第2の表面(108)を与えるハウジングアセンブリ(404)を(これに限定されず)に含むよう構成される。第1の表面(106)と第2の表面(108)との間の先細溝(105)内においては、構成要素は配置又は位置決めされていない。ハウジングアセンブリ(404)によって画定された傾斜側部を(これに限定されず)先細溝(105)が有する様子が図示されている。ハウジングアセンブリ(404)は好適には固定されているが、必ずしも固定しなくてもよい。
【0017】
ここで図2Cを参照して、可塑化システム(100)は、第1の表面(106)及び第2の表面(108)を与えるハウジングアセンブリ(404)を(これに限定されず)含むように構成される。加えて、別の第2の表面(108)が部材アセンブリ(412)によって与えられることもできる。例えば図2Bに示すように、構成要素又はアセンブリ(例えば、部材アセンブリ(412))をハウジングアセンブリ(404)の第1の表面(106)と第2の表面(108)との間の先細溝(105)内に配置又は位置決めしてもよい。部材アセンブリ(412)は、「ピン」と呼ばれ、又は同等物にすることもできる。部材アセンブリ(412)は、直線状の表面側部(ただし、この形状に限定されない)を設ける。ここでも、ハウジングアセンブリ(404)によって画定された傾斜側部を(これに限定されず)先細溝(105)が有する様子が図示されており、ハウジングアセンブリ(404)は好適に固定されているが、必ずしも固定しなくてもよい。
【0018】
ここで図2Dを参照して、可塑化システム(100)は、第1の表面(106)及び第2の表面(108)を与えるハウジングアセンブリ(404))を(これに限定されず)含むように構成される。構成要素又はアセンブリ(例えば、部材アセンブリ(412))をハウジングアセンブリ(404)によって与えられる第1の表面(106)と第2の表面(108)との間の先細溝(105)内に配置又は位置決めしてもよい。別の第2の表面(108)は、部材アセンブリ(412)によって与えられることもできる。例えば図2Dに示すように、固化樹脂粒子(202)が先細溝(105)に沿って移動している間、部材アセンブリ(412)は移動することもできる。部材アセンブリ(412)は、先細溝(105)の長手方向軸に沿って直線的に並進できる。ここでも、ハウジングアセンブリ(404)によって画定された傾斜側部を(これに限定されず)先細溝(105)が有する様子が図示されているが、ハウジングアセンブリ(404)は好適には固定されているが、必ずしも固定しなくてもよい。
【0019】
ここで図2Eを参照して、可塑化システム(100)は、第1の表面(106)及び第2の表面(108)を与えるハウジングアセンブリ(404)を(これに限定されず)含むように構成される。構成要素又はアセンブリ(例えば、部材アセンブリ(412))は、ハウジングアセンブリ(404)によって与えられる第1の表面(106)と第2の表面(108)との間の先細溝(105)内に配置又は位置決めされ得る。加えて、別の第2の表面(108)は、部材アセンブリ(412)によって与えられることもできる。例えば図2Eに示すように、固化樹脂粒子(202)が先細溝(105)に沿って移動している間、部材アセンブリ(412)は移動することもできる。詳細には、部材アセンブリ(412)は、先細溝(105)の長手方向軸に沿って位置合わせされ得る軸に沿って回転することもできる。ここでも、ハウジングアセンブリ(404)によって画定された傾斜側部を(これに限定されず)先細溝(105)が有する様子が図示されており、ハウジングアセンブリ(404)は好適には固定されているが、必ずしも固定しなくてもよい。
【0020】
ここで図2Fを参照して、可塑化システム(100)は、第1の表面(106)及び第2の表面(108)を与えるハウジングアセンブリ(404)を(これに限定されず)含むように構成される。この例において、構成要素又はアセンブリ(例えば、部材アセンブリ(412))が、ハウジングアセンブリ(404)によって提供される第1の表面(106)と第2の表面(108)との間の先細溝(105)内に配置又は位置決めされ得る。加えて、別の第2の表面(108)が部材アセンブリ(412)によって与えられることもできる。図2Fに示す例において、部材アセンブリ(412)は、傾斜表面側部を(ただし、この形状に限定されない)与える。ハウジングアセンブリ(404)は、先細溝(105)のための直線的な側壁を設け、部材アセンブリ(412)は円錐に形作られていてもよい。
【0021】
ここで図2Gを参照して、可塑化システム(100)は、第1の表面(106)及び第2の表面(108)を提供するハウジングアセンブリ(404)を(これに限定されず)含むように構成される。この例において、構成要素又はアセンブリ(例えば、部材アセンブリ(412)は、ハウジングアセンブリ(404)によって与えられる第1の表面(106)と第2の表面(108)との間の先細溝(105)内に位置決め又は配置され得る。加えて、別の第2の表面(108)が部材アセンブリ(412)によって与えられることもできる。部材アセンブリ(412)は、傾斜表面側部を(ただし、この形状に限定されない)与える。ハウジングアセンブリ(404)は先細溝(105)のための直線的な側壁を設け、更に部材アセンブリ(412)は円錐に形作られていてもよい。部材アセンブリ(412)は、先細溝(105)の長手方向軸に沿って直線的に並進することもできる。ここでも、ハウジングアセンブリ(404)によって画定された傾斜側部を(これに限定されず)先細溝(105)が有する様子が図示されており、ハウジングアセンブリ(404)は好適には固定されているが、必ずしも固定しなくてもよい。
【0022】
ここで図2Hを参照して、可塑化システム(100)は、第1の表面(106)及び第2の表面(108)を与えるハウジングアセンブリ(404)を(これに限定されず)含むように構成される。この例において、構成要素又はアセンブリ(例えば、部材アセンブリ(412))は、先細溝(105)内に位置決め又は配置され得る。先細溝(105)は、ハウジングアセンブリ(404)によって提供される第1の表面(106)と第2の表面(108)との間に設けられる。加えて、別の第2の表面(108)が部材アセンブリ(412)によって与えられることもできる。部材アセンブリ(412)は、傾斜表面側部を提供する(ただし、このジオメトリに限定されない)。ハウジングアセンブリ(404)は、先細溝(105)のための直線状の側壁を与え、更に部材アセンブリ(412)は円錐に形作られていてもよい。詳細には、部材アセンブリ(412)は、先細溝(105)の長手方向軸に沿って位置合わせされ得る軸に沿って回転することもできる。ここでも、ハウジングアセンブリ(404)によって画定された傾斜側部を(これに限定されず)先細溝(105)が有する様子が図示されており、ハウジングアセンブリ(404)は好適には固定されているが、必ずしも固定しなくてもよい。
【0023】
図1Aのプランジャーアセンブリ(124)は、多様な形態をとり得る(例えば、円筒形状、環状形状、キュービット形状)。図1Aのプランジャーアセンブリ(124)は、並進してもよいし又は回転してもよい、あるいは並進及び回転してもよい。
【0024】
図3を参照して、図1の可塑化システム(100)は、可塑化システム(100)が、ホッパーアセンブリ(400)、プランジャーアクチュエータ(402)、ハウジングアセンブリ(404)、ヒーターアセンブリ(406)、ハウジング注入口(408)、ハウジング排出口(410)、部材アセンブリ(412)、樹脂溝(414)、スロート部(416)、供給部(418)及び溶融部(420)を(これらに限定されず、例として)含むように、適用又はさらに再配置されることもできる。プランジャーアクチュエータ(402)は、プランジャーアセンブリ(124)と接続されるように構成してもよいし、あるいは、プランジャーアセンブリ(125)を作動可能に移動させるように構成してもよい。部材アセンブリ(412)は例えばピンでもよく、ピンは固定してもよいし、あるいは移動可能であってもよい、あるいは断続的に移動可能であってもよい。ホッパーアセンブリ(400)は、固化樹脂粒子(202)又は固化樹脂粒子(202)の集合を受けることもできる。ハウジングアセンブリ(404)は、第1の表面(106)及び第2の表面(108)を設ける。ヒーターアセンブリ(406)は、ハウジングアセンブリ(404)に接続してもよいし、あるいは、ハウジングアセンブリ(404)に熱エネルギーを供給するように構成してもよい。ハウジングアセンブリ(404)は、ハウジング注入口(408)及びハウジング排出口(410)を画定し又は設ける。ハウジング排出口(410)は、ハウジング注入口(408)から離間されて設置される。ハウジング注入口(408)は、ホッパーアセンブリ(400)と流体接続されることもできる。ハウジングアセンブリ(404)はまた、樹脂溝(414)を画定する。樹脂溝(414)は、ハウジング注入口(408)からハウジング排出口(410)へ延在することもできる。部材アセンブリ(412)は、樹脂溝(414)内に少なくとも部分的に受けられることもできる。ハウジングアセンブリはまた、先細溝(105)から離隔方向に延在するスロート部(416)を画定する。ハウジングアセンブリは、供給部(418)と、供給部(418)から離間されて設置される溶融部(420)とを設けることもできる。部材アセンブリ(412)は、内的に加熱(すなわち、抵抗カートリッジヒーターを用いて加熱)してもよいし、あるいは外的に加熱(すなわち、誘導加熱装置を用いて加熱)してもよい。
【0025】
ここで図4を参照して、図3の可塑化システム(100)の使用時における様子が図示されている。プランジャーアセンブリ(124)は、射出位置に配置又は位置決めされている。成型アセンブリ(500)がハウジング排出口(410)に接続されることで、流動可能な溶融物(504)を成型アセンブリ(500)内へと流動させることができる。成型アセンブリ(500)は、ランナーアセンブリ(公知であるため図示せず)を含むこともできる。成型アセンブリ(500)は、成型物(502)の製造のために用いられる。
【0026】
図5を参照して、可塑化システム(100)の先細溝(105)の拡大図が図示されている図3の可塑化システム(100)が図示されている。ハウジングアセンブリ(404)は、先細溝(105)を画定することもできる。ハウジングアセンブリ(404)は、第1の表面(106)及び第2の表面(108)を設けることもできる。部材アセンブリ(412)は、先細溝(105)内に少なくとも部分的に受けられる。部材アセンブリ(412)は第2の表面(108)を設けることができ、更にハウジングアセンブリ(404)は第1の表面(106)を設けることができる。固定表面(413)が、部材アセンブリ(412)によって設けられることもできる。直線的に付加された力(123)が、プランジャーアセンブリ(125)によって与えられることもできる。プランジャーアセンブリ(125)は、固化樹脂粒子(202)に作用する。図6は、AーAを通じた断面図を示す。
【0027】
図6を参照して、図5の可塑化システム(100)のA−Aに沿った断面図が図示されている。
【0028】
図7を参照して、図1の可塑化システム(100)は、可塑化システム(100)がさらなる構造を含むことができるように、適用されるか又はさらに再配置されることもできる。図7は、可塑化システム(100)の分解図である。可塑化システム(100)において、ハウジングアセンブリ(404)は、(i)供給部とも呼ばれる第1のハウジングアセンブリ(702)及び(ii)溶融部(420)とも呼ばれる第2のハウジングアセンブリ(704)を(これらに限定されず、例として)含むこともできる。第2のハウジングアセンブリ(704)を分割図中に示す。第1のハウジングアセンブリ(702)と第2のハウジングアセンブリ(704)とは、相互に隣接することもできる。プランジャーアセンブリ(124)は、第1のハウジングアセンブリ(702)内に受けられる。第1のハウジングアセンブリ(702)及び第2のハウジングアセンブリ(704)により、樹脂溝(414)が画定される。第1のハウジングアセンブリ(702)は、温度センサーが受けられることもできる温度センサー溝部(722)を画定することもできる。コネクタ穴部(724)が第1のハウジングアセンブリ(702)によって画定され、これにより、コネクタを用いて第1のハウジングアセンブリ(702)の半分を組み立てることが可能になる。部材アセンブリ(412)は、第1の固定部材(706)、第2の固定部材(708)、第1のホルダ(710)、第2のホルダ(712)、及びホルダアライメントダボ(714)を(これらに限定されず)含むこともできる。第1の固定部材(706)は、第1のハウジングアセンブリ(702)によって画定された樹脂溝(414)内に受けられる。第2の固定部材(708)は、第2のハウジングアセンブリ(704)によって画定された樹脂溝(414)内に受けられる。第1のホルダ(710)は、第1の固定部材(706)の端部と接続する。第2のホルダ(712)は、第2の固定部材(708)の端部と接続する。第1のホルダ(710)及び第2のホルダ(712)はそれぞれ、アライメント穴部(716)を画定する。アライメント穴部(716)内においてホルダアライメントダボ(714)が受けられることで、第1の固定部材(706)及び第2の固定部材(708)の回転を避けられる。コネクタ(720)を用いて、第2のハウジングアセンブリ(704)の半分を、第2のハウジングアセンブリ(704)の半分において画定されるコネクタ穴部(721)を介して接続することができる。
【0029】
図8Aを参照して、図7の可塑化システム(100)の断面図が図示されており、可塑化システム(100)において、樹脂路(414)の幅は、1つの固化樹脂粒子(202)に等しい。図3のヒーターアセンブリ(406)は、第1のヒーター(802)、第2のヒーター(804)、第3のヒーター(806)及び第4のヒーター(808)を(これらに限定されず)含むこともできる。第1のヒーター(802)は、第1の固定部材(706)へと取り付けられることもできる。第2のヒーター(804)は、第2の固定部材(708)に取り付けられることもできる。第3のヒーター(806)は、第1のハウジングアセンブリ(702)に取り付けられることもできる。第4のヒーター(808)は、第2のハウジングアセンブリ(704)に取り付けられることもできる。温度センサー(810)は、第1のハウジングアセンブリ(702)に取り付けられることもできる。
【0030】
図8Bを参照して、図8Aの可塑化システム(100)の変形例が図示されており、可塑化システム(100)において、ヒーターアセンブリは、第1の固定部材(706)及び第2の固定部材(708)に取り付けられていない。
【0031】
図9を参照して、図7の可塑化システム(100)の断面図が図示されており、可塑化システム(100)において、樹脂溝(414)の幅は、2つの固化樹脂粒子(202)に等しい。
【0032】
図10を参照して、図1の可塑化システム(100)は、(斜視図に示す)可塑化システム(100)がフレームアセンブリ(902)及びフレームアセンブリ(902)の端部に取り付けられる出口ハウジング(904)を(これらに限定されず)含むよう適合されるか、又はさらに再配置されることもできる。樹脂溝(414)は、フレームアセンブリ(902)によって画定される。部材アセンブリ(412)は、フレームアセンブリ(902)によって支持される楔アセンブリ(906)を含み得るか又は含む。この場合、プランジャーは、矩形に形作られていてもよい。
【0033】
図11を参照して、図10の可塑化システム(100)の部分分解図を示し、フレームアセンブリ(902)によって少なくとも部分的に画定された先細溝(105)をより詳細に示す。
【0034】
これらの実施形態(例)全てにおいて、通気及び脱気は、移動部と固定部との間の適切なクリアランスにより達成することができる。あるいは、固定通気孔を、非限定的な例として供給部及び溶融部の位置に配置することにより達成することもできる。
【0035】
図3図4図5図6図7図8及び図9は、可塑化システム(100)の環状の例の模式図である。
【0036】
図10及び図11は、可塑化システム(100)の直線状の例の模式図である。
【0037】
図3及び図4を参照して、注入口(150)及び排出口(152)は円筒状の形状であり、注入口(150)及び排出口(152)は相互に同軸に位置合わせされる。
【0038】
図3から図9を参照して、注入口(150)及び排出口(152)は環状の形状であり、注入口(150)及び排出口(152)は相互に同軸に位置合わせされる。
【0039】
図10及び図11を参照して、注入口(150)及び排出口(152)は直線状の形状であり、注入口(150)及び排出口(152)は相互に同軸に位置合わせされる。
【0040】
前述のアセンブリ及びモジュールを必要に応じて相互に接続して、当業者の範囲内の所望の機能及びタスクを行わせることができ、このような組み合わせ及び置換を明示的に説明する必要無く行うことができることが理解される。本発明の範囲は、独立請求項(単数又は複数)によって提供される範囲に限定されないことが理解され、また、本発明の範囲は、(i)従属請求項、(ii)非限定的な実施形態の詳細な説明、(iii)要旨、(iv)要約及び/又は(v)本文書外に記載された記載(すなわち、出願、請求及び/又は付与時における本出願外の記載)を含むことが理解される。本文書の目的のため、「含む(include)」という用語は、「備える(comprising)」という用語に非限定的に相当することが理解されることが理解される。前述の記載は、非限定的な実施形態(例)の概要を述べた点に留意されたい。前述の記載は、特定の非限定的な実施形態(例)のために記載される。これらの非限定的な実施形態は、ひとえに例示的なものであることが理解される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4
図5
図6
図8A
図8B
図9
図10
図11
図7