(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2のローラは、前記第1のローラよりもシート搬送方向上流に設けられ、前記制御部が前記第1のローラの搬送速度を第2の搬送速度から第1の搬送速度へ減速するときに、前記シートをニップしない位置に配置される
請求項1に記載の消色装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、消色装置の構成を説明する概略図である。消色装置100は、消色可能トナーや消色可能インク等の「消色可能色材」により画像を形成されたシートに対して、消色性可能色材(以下、単に記録材料と呼ぶ)による画像の色を消す「消色処理」を施す。消色装置100は、給紙トレイ102、給紙部材104、読取部106、消色部108、第1トレイ110、第2トレイ112、排出部材114、116、第1搬送路118、第2搬送路120、第3搬送路122、第1分岐部材124、第2分岐部材126および操作部128を備える。
【0010】
給紙トレイ102は、再利用するための用紙を積載する。給紙トレイ102は、A4、A3、B5等、様々なサイズのシートを積載する。給紙トレイ102が積載するシートは、例えば、所定温度以上に加熱することにより消色する記録材料で画像形成されたシートである。給紙部材104は、ピックアップローラ、シート供給ローラ、およびシート供給ローラに対抗配置される分離ローラ等を有し、給紙トレイ102上のシートを1枚ずつ消色装置100内部の第1搬送路118に供給する。また、給紙トレイ102は、給紙トレイ102上のシートの有無を検知する検知センサ103を有する。検知センサ103は、例えば、マイクロセンサやマイクロアクチュエータであって良い。第1搬送路118は、給紙トレイ102から第1トレイ110へ向かう搬送路を形成する。第1搬送路118は、給紙されたシートを読取部106または第1トレイ110へ搬送する。
【0011】
読取部106は、給紙トレイ102に対し、シート搬送方向下流において第1搬送路118に沿って配置される。読取部106は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)スキャナあるいはCMOSセンサ等の読取ユニットを有する。本実施の形態では、読取部106は、搬送されるシートの第1面および第2面のそれぞれの画像を読み取る。すなわち、読取部106は、第1搬送路118に沿ってかつ搬送路を挟んで配置される2つの読み取りユニットからなり、搬送されるシートの画像の両面読取を可能とする。読取部106の読取ユニットがシートの画像を読み取る位置を読取位置と呼ぶ。読取部106が読み取った画像は、後述する記憶部210(
図2参照)へ保存される。例えば、消色処理する前に読取部106が読み取ったシート上の画像を電子化して記憶部へ保存することにより、後で消色された画像のデータが必要となった場合に、画像データを取得することができる。また、後述する制御部200は、読取部106が読み取った画像に基づいて、消色可能なシートか否か、あるいは、再利用可能なシートか否かを判断する。
【0012】
読取部106の下流には、切り替え部としての第1分岐部材124がある。第1分岐部材124は、搬送されるシートの搬送方向を切り替える。第1分岐部材124は、第1搬送路118を搬送されるシートを第2搬送路120または第1トレイ110へ搬送する。第2搬送路120は、第1分岐部材124が配置される分岐点において第1搬送路118より分岐する。分岐点より分岐した第2搬送路120は、シートを消色部108へ搬送する。また、第2搬送路120は、読取部106よりもシート搬送方向上流における合流点121において、第1搬送路118に合流する。すなわち、第2搬送路120は、給紙トレイ102と読取部106の間における合流点121で第1搬送路118に合流する。したがって、第2搬送路120は、読取部106から搬送されてきたシートを、消色部108を経由して、再び、読取部106へ搬送することを可能とする。言い換えれば、消色装置100は、給紙部材104から供給されたシートを、第1分岐部材124を制御して、読取部106、消色部108、読取部106の順に搬送することができる。
【0013】
第1搬送路118は、第1分岐部材124の下流に第2分岐部材126を有する。第2分岐部材126は、第1分岐部材124から搬送されたシートを第1トレイ110または第3搬送路122へ案内する。第3搬送路122は、シートを第2トレイ112へ搬送する。
【0014】
消色部108は、搬送されるシートの画像の色を消す。例えば、消色部108は、搬送されるシートへ接触した状態で、シートを所定の消色温度まで加熱することにより、記録材料によりシート上に形成された画像の色を消色する。例えば、本実施の形態の消色装置100の消色部108は、シートの第1面消色用および第2面消色用の2つの消色ユニット108a、108bを有する。消色ユニット108aおよび108bは、第2搬送路120を挟んで対向配置される。消色ユニット108aは、シートの一方の面側からシートへ当接して加熱する。消色ユニット108bは、シートの他方の面側からシートへ当接して加熱する。すなわち、消色部108は、搬送されるシート両面の画像を一度の搬送で消色する。消色ユニット108aおよび108bがシートを加熱する位置、すなわち、消色ユニット108aおよび108bが有する加熱部(不図示)が、搬送されるシートに対して熱を与えて画像の色を消す位置を消色位置と呼ぶ。消色部108は、消色ユニット108aおよび108bの加熱部の温度を検知する温度センサ109a、109bをそれぞれ有する。温度センサ109a、109bは、接触式であっても非接触式であっても良い。
【0015】
消色装置100本体の上部に配置された操作部128は、タッチパネル式の表示部と各種の操作キーとを有する。操作キーは、例えば、テンキー、ストップキー、スタートキー等を有する。ユーザは、操作部128を介して、消色の開始あるいは消色するシートの画像の読み込み等の消色装置100の機能動作を指示する。操作部128は、消色装置100の設定情報や動作ステータス、ログ情報、あるいは、後述するユーザへのメッセージを表示する。なお、操作部128は、消色装置100の本体に配置されるものに限定されない。例えば、ネットワークを介して外部装置の操作装置と接続され、外部の操作装置から操作できる構成であっても良い。すなわち、本実施の形態の操作部128は、消色装置100に対して処理の指示や情報の閲覧等ができるものであれば良い。
【0016】
排出部材114、116は、シートを、本体の下部に上下に配置された第1トレイ110、第2トレイ112へ排出する。たとえば、第1トレイ110は、シート上の画像が消色され、再利用可能となったシートを積載する。第2トレイ112は、再利用不可と判断されたシートを積載する。以下、第1トレイ110をリユーストレイ、第2トレイ112をリジェクトトレイと呼ぶ。なお、リユーストレイ110とリジェクトトレイ112は、受け入れる対象とするシートを入れ替えることも可能である。それぞれのトレイがどのようなシートを積載するかの設定、すなわち、シートの搬送先の設定は、例えば、操作部128から設定すればよい。この設定により、第2分岐部材126は、搬送路を切り替えて、搬送されたシートを第1トレイ110または第3搬送路122へ案内する。
【0017】
シートの搬送経路は、消色装置100が実行する処理モードに基づいて適宜変更される。消色装置100は、複数の処理モードを有する。消色装置100は、例えば、(1)画像読取を行わず、消色処理のみを行う第1消色モード、(2)画像の読み取り後、消色処理を行う第2消色モード、(3)消色前の読取処理を行わず、消色処理後、用紙Pの再利用可否の分別(分別処理)を実施する第3消色モード、(4)画像の読み取り後、消色処理を実施し、さらに分別処理を実施する第4消色モード、(5)画像消色を行わず、画像の読取処理を実施する読取モードを有する。上述の各モードは、消色装置100の操作部128で選択できる。また、各処理モードの選択は、消色装置100の操作部128に限らず、外部の端末から設定しても良い。第1乃至第4の消色モードでは、シートは必ず消色部108へ搬送される。一方、読取モードでは、消色装置100は、第1分岐部材124を制御して、シートを消色部108へ搬送することなく、読取部106を経由して排出する。
【0018】
消色装置100は、第1乃至第3搬送路118、120、122を搬送されるシートを検知する複数のシート検知センサ130、131、132、133および134を有する。シート検知センサは、例えば、マイクロセンサやマイクロアクチュエータであって良い。シート検知センサは、搬送路の適切な位置に配置される。
【0019】
図2は、消色装置のハードウェア構成を説明するブロック図である。消色装置100は、制御部200と、記憶部210と、検知部212と、通信インターフェース(通信I/F)214と、搬送部216と、読取部106と、消色部108と、操作部128と、を有する。
【0020】
制御部(コントローラ)200は、CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)からなるプロセッサ202、メモリ204を有する。制御部200は、読取部106、消色部108、操作部128を制御する。メモリ204は、例えば、半導体メモリであり、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)206と、プロセッサ202に一時的な作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)208とを有する。例えば、ROM206は、再利用可否の閾値とする用紙の印字率、画像が消色されたか否かを判断するための濃度閾値等を格納する。RAM208は、読取部106で読み取った画像を一時的に保存しても良い。消色装置100の各コンポーネントは、バス218を介して接続される。
【0021】
制御部200は、例えば、操作部128で設定された上記処理モード(1)〜(5)に応じて、読取部106、消去部108、およびその他の構成を制御する。例えば、第1乃至第4の消色モードが選択された場合には、制御部200は、消色部108にシートの画像を消色させる。消色部108へシートが搬送される前に、読取部106がシートを読み取る場合には(第2消色モード、第4消色モード)、制御部200は、読取部106で読み取った画像を記憶部210へ保存する(以下、読取処理)。ここで、制御部200は、読取部106が読み取ったシート画像のデータ中に機密データ等の消色を禁止すべき禁止データが含まれているか否かを判定してもよい。また、制御部200は、消色部108がシートの画像を消色した後に、この消色されたシートの画像を読取部106が読み取る場合には(第3消色モード、第4消色モード)、読取部106が読み取った画像のデータに基づいて、シートの消色残りの状態から、シートが再利用可能か否かを判定する。制御部200は、上記判定結果に基づいて、シートの搬送先を決定する(以下、分別処理)。画像消色を行わずに、画像を読み取る読取モードが設定された場合には、制御部200は、分岐部材124を制御して、読取部106がシート上の画像を読み取った後、シートを消色部108へ案内せず、読取部106で読み取った画像を記憶部210へ保存する。
【0022】
制御部200は、検知部212からの信号に基づいて、装置内部の各構成を制御する。検知部212は、
図1に示す検知センサ103、温度センサ109a、109b、および
シート検知センサ130、131、132、133、134等がある。制御部200は、検知センサ103からの信号に基づいて給紙トレイ102上のシートの有無を判断する。また、制御部200は、温度センサ109a、109bを用いて消色ユニット108aおよび108bの加熱部の温度を検知するとともに、消色ユニット108aおよび108bの加熱部の温度を制御する。また、制御部200は、シート検知センサ130、131、132、133、134を用いて、第1乃至第3搬送路118、120、122内のシートの位置を把握する。例えば、制御部200は、読取部106下流近傍のシート検知センサ130を用いて、読取部106を通過したシートを検知する。
【0023】
記憶部210は、アプリケーションプログラムおよびOSを記憶する。アプリケーションプログラムは、読取部106による読取機能、消色部の消色機能といった消色装置が有する機能を実行するプログラムを含む。アプリケーションプログラムは、更には、Webクライアント用のアプリケーション(Webブラウザ)やその他のアプリケーションを有する。記憶部210は、読取部106で読み取った画像を保存する。また、記憶部210は、消色装置100で処理したシートの処理枚数を記憶する。記憶部210としては、例えば、ハードディスクドライブやその他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリ等の半導体記憶装置またはこれらの任意の組合せであってよい。
【0024】
通信I/F214は、外部の機器と接続するインターフェースである。通信I/F214は、例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線接続、光接続といったIEEE802.15、IEEE802.11、IEEE802.3、IEEE3304等の適切な無線または有線を介してネットワーク上の外部装置と通信する。通信I/F214は、更に、USB規格の接続端子が接続されるUSB接続部やパラレルインタフェース等を含んでも良い。制御部200は、通信I/F214を介して複合機、その他外部機器と通信する。例えば、読取部106が読み取った画像は、消色装置100の記憶部210が記憶するとしたが、これに限定されなくともよい。例えば、外部機器であるユーザ端末(Personal Computer)や複合機、あるいはサーバと通信I/F214を介して通信し、これら外部機器の記憶部へ保存するようにしても良い。外部機器へ保存された画像データは、複合機の操作部やユーザ端末から読みだすようにすればよい。また、消色装置100が、使用者を個人認証するため、ログイン、ログアウト機能を備える場合には、消色装置100のログアウト時に、消色装置100のRAM208あるいは記憶部210に保存された画像のデータを外部装置に送信し、保存するようにしても良い。
【0025】
搬送部216は、第1搬送路118、第2搬送路120および第3搬送路122に配置される複数の搬送ローラと、搬送ローラを駆動する搬送モータとを有する。制御部200は、搬送部216の搬送モータの駆動を制御することによって、シートの搬送速度を制御する。ここで、シートの画像を読み取るために読取部106を搬送されるシートの速度を読取速度、シートの画像の色を消すために消色部108を搬送されるシートの速度を消色速度とする。搬送部216の搬送ローラおよび搬送モータについては後述する。
【0026】
次に、読取部106を通過するシートを読取速度で搬送し、且つ、消色部108を通過するシートを読取速度よりも遅い消色速度で搬送することを可能とした消色装置100の駆動部216について説明する。
【0027】
図3乃至
図5は、消色装置100の搬送部216として各搬送路に配置される複数の搬送ローラおよび、搬送ローラを駆動する搬送モータについて説明する概略図である。なお、図面の簡略化のため、
図1と重複する構成のうち一部の記号を省略する。
【0028】
図3に示すように、消色装置100は、第1搬送路118上に、複数の搬送ローラ対300、302、304および318を有する。搬送ローラ対300は、給紙部材104と、第1搬送路118へ第2搬送路120が合流する合流点121の間に配置される。搬送ローラ対300は、給紙部材104によって給紙されたシートを読取部106の方向へ搬送する。搬送ローラ対302は、合流点121と読取部106の間に配置される。搬送ローラ対302は、シートを読取部106へ搬送する。搬送ローラ対304は、読取部106のシート搬送方向下流に配置され、読取部106から搬送されてきたシートを第1分岐部材124へ搬送する。搬送ローラ対318は、第1分岐部材124のシート搬送方向下流に配置され、シートをリユーストレイ110へ搬送する。複数の搬送ローラ対のうち、少なくとも搬送ローラ対302および304は、読取部106に対し、シートを読取速度で搬送する。すなわち、読取部106がシートの画像を読み取り中に搬送速度を変化させることは好ましくないため、少なくとも読取部106の読取位置をシートが通過する間、シートの搬送速度は読取速度に維持される。読取速度は、読取部106がシートの画像を十分に読み取ることができる搬送速度である。
【0029】
消色装置100は、第2搬送路120上に、複数の搬送ローラ対306、308、310、312、314、および316を有する。搬送ローラ対306、308、および310は、第1分岐部材124と消色部108との間に配置される。搬送ローラ対306、308、および310は、読取速度より遅い消色速度で、シートを消色部108へ搬送する。搬送ローラ対312、314、および316は、消色部106と合流点121の間に配置される。搬送ローラ対312、314、および316は、消色部108からシートを消色速度で搬出する。すなわち、消色処理中に搬送速度を変化させることは好ましくないため、少なくとも消色部108の消色位置を通過する間のシートの搬送速度は、消色速度で維持される。消色速度は、読取速度よりも遅く、シートの画像の色を十分に消すことができる搬送速度である。さらに、消色部106の下流に配置される搬送ローラ対312、314、および316は、駆動軸にワンウェイクラッチを有する。
【0030】
消色装置100は、第3搬送路122上に、複数の搬送ローラ対320を有する。搬送ローラ対320は、シートをリジェクトトレイ112へ搬送する。
【0031】
消色装置100は、読取部106と消色部108との間で搬送速度を変化させるために、上記複数の搬送ローラ対を駆動する駆動部として、複数の搬送モータM1、M2、およびM3を有する。
【0032】
搬送モータM1は、第1搬送路118上の搬送ローラ対302および304を駆動する。搬送モータM1は、搬送ローラ対302および304によって、読取部106を通過するシートを一定の読取速度で搬送する。
【0033】
搬送モータM2は、第2搬送路120上の搬送ローラ対306および308を駆動する。搬送モータM2は、搬送ローラ対306および308によって、読取速度で搬送されてきたシートを消色速度に減速する。
【0034】
搬送モータM3は、第2搬送路120上の搬送ローラ対310、312、314および316を駆動する。搬送モータM3は、搬送ローラ対310、312、314および316によって、消色部106を通過するシートを一定の消色速度で搬送する。搬送ローラ対300および318の搬送モータについては説明を省略する。
【0035】
図4および
図5は、読取部106から消色部108へシートを搬送する際に、シートの搬送速度を読取速度から消色速度へと減速する機構を説明するための図である。読取部106がシートの画像を読み取った後、消色部108へシートを搬送する場合には、消色装置100は、シートの搬送速度をシートが消色部108へ到達する前に、消色速度へ減速する。
【0036】
図4に示すように、搬送ローラ対306、308のうち、少なくとも搬送ローラ対306は、読取部106からシートP1を搬出する搬送ローラ対304とともに、搬送されるシートP1を同時にニップする位置に配置される。本実施の形態では、搬送ローラ対304は、第1分岐部材124と読取部106の間に配置され、搬送ローラ対306は、第1分岐部材124と消色部108の間に配置される。一方、消色部108の搬送方向上流に位置する搬送ローラ対310は、搬送ローラ対304とともに搬送されるシートP1を同時にニップすることはない。
【0037】
図4に示す各搬送ローラと関連する搬送モータの動作について、
図5のフローを参照して説明する。消色装置100の制御部200は、搬送モータM1を介して、
図5に示すように、第1搬送路118に位置する搬送ローラ対302、304を読取速度で駆動する(501)。すなわち、読取部106のシート搬送方向上流に配置される搬送ローラ対302は、シートを読取部106に向かって読取速度で搬送する。同様に、読取部106のシート搬送方向下流近傍に配置される搬送ローラ対304は、シートを読取速度で読取部106の下流へ搬送する。
【0038】
搬送ローラ対304からシートが搬送されてくる場合、制御部200は、搬送モータM2を介して、まず第2搬送路120に配置される搬送ローラ対306および308を読取速度で駆動する(502)。搬送ローラ対306は、搬送されてくるシートを上流の搬送ローラ対304とともに同時に接触して消色部108へ向かって搬送する。
【0039】
制御部200は、シート検知センサ130を介して、搬送されるシートの後端を検知したか否かを判断する。すなわち、制御部200は、第1搬送路118に位置する搬送ローラ対304および第2搬送路120に位置する搬送ローラ対306によって読取速度で搬送されるシートの後端が、読取部106の読取位置を通過したかを判断する(503)。シート検知センサ130が、シートの後端を検知した場合(503のYes)、制御部200は、搬送モータM2を介して、第2搬送路120に位置する搬送ローラ対306および308を消色速度で駆動する(504)。例えば、制御部200は、シート検知センサ130がシートの後端を検知した後、所定のパルス数、搬送モータM1およびM2を駆動し、シート後端が搬送ローラ対304を通過するまで、読取速度で搬送する。制御部200は、読取速度で搬送されるシート後端が搬送ローラ対304を通過したタイミングで、搬送モータM2による搬送ローラ対306および308の搬送速度を消色速度へ減速する。搬送モータM1によって、搬送ローラ対304は、駆動が読取速度に維持されるが、既にシートをニップしないため、搬送ローラ対306および308によって減速することができる。搬送モータM3を介して消色速度で駆動される、搬送ローラ対308の下流に位置する搬送ローラ対310は、搬送ローラ対306および308によって消色速度へ減速されたシートを消色部108へ搬送する(505)。
【0040】
図6および
図7は、消色部108から再度読取部106へシートを搬送する際に、シートの搬送速度を消色速度から読取速度へと加速する機構を説明するための図である。消色部108で消色処理を行った後、読取部106へシートを搬送する場合には、消色装置100は、シートの搬送速度をシートが読取部106へ到達する前に、読取速度へ加速する。
【0041】
図6は、消色部108から搬送されるシートが消色速度から読取速度へと加速されるまでの流れを説明するための概略図である。
図6(a)に示すように、消色装置100は、搬送モータM3を介して、搬送ローラ対312、314および316を消色速度で駆動する。すなわち、消色部108を通過するシートは消色速度で読取部106へ向かって搬送される。前述したように、搬送モータM3が駆動する搬送ローラ対312、314および316は、駆動軸にワンウェイクラッチを有する。
【0042】
図6(b)は、消色部108の下流に位置する搬送ローラ対312、314および316によって、消色速度で搬送されるシートの後端が消色部108を通過した状態を示す。消色部108から読取部106へと形成させる搬送路の長さは、装置の小型化のために短いことが好ましい。しかしながら、消色部108を通過中のシートの搬送速度を変化させることは好ましくない。したがって、搬送モータM1によって、読取速度で駆動される、第1搬送路118に配置される搬送ローラ対302は、少なくとも、搬送ローラ対312、314および316によって搬送されるシートの後端が、消色部108の消色位置を通過した後に、シートと接触する位置に配置される。また、搬送ローラ対302は、消色部108のシート搬送方向下流に配置された、複数の搬送ローラ対312、314および316のうち、少なくとも搬送ローラ対316とともにシートをニップする位置にある。前述のごとく、搬送ローラ対302とともにシートにニップする位置にある消色速度で駆動する搬送ローラ対は、駆動軸にワンウェイクラッチを有する。本実施の形態の消色装置100では、搬送ローラ対302は、消色部108の搬送方向下流に配置された全ての搬送ローラ対312、314および316とともに、シートをニップする。
【0043】
図6(c)に示すように、シートが搬送ローラ対302へ到達すると、搬送ローラ対302は、シートを消色速度よりも速い読取速度で搬送する。ここで、搬送ローラ対312、314および316は駆動軸にワンウェイクラッチを有するため、搬送ローラ対302は、強制的に、読取速度でシートを搬送ローラ対312、314および316から引き抜く。すなわち、シートは、搬送ローラ対302に到達した後、搬送ローラ対312、314および316にニップされていても読取速度で搬送される。搬送ローラ対302は、シートを読取速度で読取部106へ搬送する。このように、消色部108から読取部106へシートを搬送する場合には、言い換えれば、消色速度からこれよりも早い読取速度にシートの搬送速度が変化する場合には、制御部200が、搬送速度を変化させる必要が無い。したがって、速度を変化させる搬送モータM2のようなモータを別途使用することが無いため、装置を小型にすることができる。
【0044】
また、搬送ローラ対302は、装置の小型化のために、読取部106の近傍に配置されれば良い。例えば、シートを消色速度から読取速度へと変化させる場合に、読取部106の読取位置へシートが到達する前に、読取速度へ十分加速できるだけ離れていれば良い。
【0045】
図7は、複数枚のシートを連続処理する場合について説明するための図である。最初のシートP1は、読取処理および消色処理を終え、第2搬送路120から第1搬送絽118へ、即ち、消色速度から読取速度へと加速されて分別処理のために読取部106へ搬送される状態を示す。後続のシートP2は、読取部106がシートの画像を読み取った後(読取処理)、第1搬送路118から第2搬送路120へ、即ち、読取速度から消色速度へと減速されて消色部108へ搬送される状態を示す。また、シートP3は、給紙トレイ102から給紙され、第1搬送路118と第2搬送路120との合流点121の手前で待機した状態を示す。このシートP3はシートP1が読取部106へ搬送された後、且つ、シートP2が読取部106へ搬送される前に、読取処理のために読取部106へ搬送される。すなわち、消色装置100は、読取部106において、以下の順序で画像を読み取る。消色装置100は、1枚目のシートP1の読取処理、2枚目のシートP2の読取処理、1枚目のシートP1の分別処理、3枚目のシートP3の読取処理、2枚目のシートの分別処理、4枚目のシートの読取処理を行い、最終的に、(N−2)枚目のシートP(N−2)の分別処理、(N−1)枚目のシートP(N−1)の分別処理、N枚目のシートPNの分別処理を行う。ここで、Nは整数である。消色処理は、各シートの読取処理と分別処理との間で行われる。
【0046】
このように、本実施の形態の消色装置100は、給紙トレイ102からリユーストレイ110へ向かう搬送路を形成し、且つ、給紙トレイ102に対して、シート搬送方向下流において読取部106および第1分岐部材124が配置される第1搬送路118と、消色部108が配置され、且つ、第1分岐部材124が配置される位置において、第1搬送路118から分岐し、給紙トレイ102と読取部106の間における合流点121において第1搬送路118へ合流する第2搬送路120と、からなる循環経路を有する。これにより、消色装置100は、1枚のシートに対して、読取部106で読取処理と分別処理の2回の読み取りを行うとともに、シートの読取処理あるいは分別処理を行う間に、別のシートの消色処理を同時に行うことができる。
【0047】
そして、本実施の形態の消色装置100は、消色部108のシート搬送方向下流に配置される、駆動軸にワンウェイクラッチを有する搬送ローラ対312、314および316と、この搬送ローラ対を駆動する搬送モータM3と、を有し、消色部108を通過するシートを消色速度(第1速度)で搬送する第1搬送部と、消色速度より速い読取速度(第2速度)で搬送されるシート表面の画像を読み取る読取部106と、読取部106のシート搬送方向上流、且つ、搬送されるシートを第2搬送路120に位置する搬送ローラ対312、314および316のうち、少なくとも第1の搬送路に最も近い搬送ローラ対316とともに同時にニップする位置に配置される搬送ローラ対302と、搬送ローラ対302を駆動する搬送モータM1と、を有し、読取部106へシートを読取速度で搬送する第2搬送部と、を備える。すなわち、上記実施の形態によれば、消色装置100は、読取部106による高速搬送の読取処理あるいは分別処理と、消色部108による低速搬送の消色処理とを同時に行うことを可能とすることにより、消色装置の処理パフォーマンスを向上することができるとともに、装置の小型化を図ることを可能とする。
【0048】
また、上記のように、消色部108において行われるシートの消色処理と並行して、読取部106において、別のシートの読取処理と分別処理の2枚分の処理を行う場合には、読取速度は消色速度の2倍以上の速度があることが望ましい。
【0049】
なお、上記実施の形態の各動作を実行する主体は例えば、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの複合体、ソフトウェア、及び実行中のソフトウェアなどといった、コンピュータに係る主体である。動作を実行する主体は例えば、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、スレッド、プログラムおよびコンピュータであるがこれらに限るものではない。また、プロセスやスレッドに、動作を実行する主体を複数演じさせてもよい。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。