(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記憶部は、前記操作アイコンに対応するユーザの接触操作に応じて変更した前記照明部の前記明滅状態を、前記明滅状態の設定値として記憶する請求項2に記載の撮像システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る撮像システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る撮像システムの概略構成を示す斜視図である。
図2は、
図1に示す撮像システムの側面図である。
図1、
図2に示す撮像システム1は、媒体載置面5上に載置された読取対象の媒体6に対して、所定の撮像手段により上方から撮像して、媒体6の画像データを生成するスキャン動作を行うスキャナシステムである。本実施形態では、撮像手段としては、カメラ機能を有する携帯端末である携帯型撮像装置2が使用される。この携帯型撮像装置2は、例えば、カメラ機能を有するスマートフォンが用いられる。
【0011】
本実施形態に係る撮像システム1は、携帯型撮像装置2と、携帯型撮像装置2で撮像することによってスキャンを行う際に、この携帯型撮像装置2を載置することができる照明装置3とを備える。撮像システム1は、携帯型撮像装置2を照明装置3の所定位置(後述する撮像装置載置部30上)に載置した状態で、携帯型撮像装置2によって所定の撮影領域7のスキャン画像を取得することができる。なお、以下の説明では、
図1の上下方向を撮像システム1及び照明装置3の上下方向、
図1の手前側を撮像システム1及び照明装置3の前方向、
図1の奥側を撮像システム1及び照明装置3の後方向とする。
【0012】
携帯型撮像装置2は、略長方形の板状の形状で形成されており、その背面にカメラ機能に係る撮像部10が設けられている。撮像部10は、携帯型撮像装置2の制御部18(
図5参照)からの操作指令に応じて、スキャン動作を実行することができる。撮像部10は、携帯型撮像装置2が照明装置3の撮像装置載置部30に載置された状態では、所定の撮影領域7の全体を撮像することができ、撮影領域7の全体を含むスキャン画像を生成することができる。
【0013】
また、携帯型撮像装置2には、撮像部10が設けられている側の面の反対側の面に、各種情報を表示するタッチパネル表示部11が設けられている。このタッチパネル表示部11は、携帯型撮像装置2の操作時における各種情報や、撮像部10で撮影を行う際の画像情報等を表示する。また、タッチパネル表示部11は、これらのように任意の情報を表示すると共に、ユーザによる接触操作に応じた操作信号を出力することが可能になっている。
【0014】
照明装置3は、ベース部21、アーム部22及びトップ部23の3つの部材を備えている。このうちベース部21は、媒体載置面5上に配置される。アーム部22は、ベース部21の上面に接続され、ベース部21から上方に延在する。なお、アーム部22の延在方向は、
図1、
図2に示すように鉛直上方から前方向(媒体6が設置される側)へ傾斜する方向でもよいし、後方向(媒体6が設置される側の反対側)へ傾斜する方向でもよく、または鉛直上方でもよい。
【0015】
トップ部23は、アーム部22に接続され、アーム部22から媒体載置面5に対向して延在する。本実施形態では、
図2に示すように、トップ部23は、アーム部22の上端部に接続され、アーム部22と接続する高さ位置から前方に延在し、且つ、水平より斜め上方に向かって延在している。
【0016】
照明装置3のベース部21、アーム部22及びトップ部23は、相互に一体的に固定されている。言い換えると、ベース部21とアーム部22との接続部分と、アーム部22とトップ部23との接続部分は、回転、脱着、移動などの変形ができないよう固設されている。
【0017】
図3は、
図2のA−A矢視図である。照明装置3のトップ部23の媒体載置面5と対向する下面には、媒体載置面5を照射する照明部26が設けられている。この照明部26は、媒体載置面5に光を照射することにより媒体載置面5を明るく照らす光源として、白色LED(Light Emitting Diode)27と暖色LED28とを有している。このうち、白色LED27は、発光時に白色光を照射する光源になっており、暖色LED28は、発光時にオレンジ色の光等の暖色光を照射する光源になっている。これらの白色LED27と暖色LED28とは、発光時の照射範囲8が、携帯型撮像装置2の撮影領域7と概ね等しく、撮影領域7を満遍なく明るくできるように、共にトップ部23の下面に配設されている。
【0018】
図4は、
図1に示す照明装置の斜視図である。照明装置3のトップ部23の上面24には、媒体載置面5に載置された媒体6を撮像可能な位置に携帯型撮像装置2を載置するための端末載置面である撮像装置載置部30が設けられている。撮像装置載置部30は、前方から後方に向かうに従って下方に向かう方向の後ろ下がりに傾斜する平面によって形成されている。この撮像装置載置部30は、撮像部10が媒体載置面5を撮像可能に携帯型撮像装置2を載置することができるように形成されている。
【0019】
また、トップ部23における撮像装置載置部30の後端側、即ち、撮像装置載置部30の前後方向におけるアーム部22が位置している側の端部側には、撮像装置載置部30に載置した携帯型撮像装置2の移動を規制する移動規制部25が設けられている。移動規制部25は、厚さ方向が略前後方向になり、左右方向に向かって延在する板状の形状で、トップ部23の左右両端間にかけて上面24に設けられている。この移動規制部25の高さは、携帯型撮像装置2を撮像装置載置部30に載置した場合における携帯型撮像装置2の高さよりも高い高さで形成されている。
【0020】
撮像システム1は、携帯型撮像装置2を撮像装置載置部30に載置したときに、携帯型撮像装置2の撮像部10が、下方の所定の撮影領域7の全体を撮影できる程度に媒体載置面5との間に距離がとれるように、撮像装置載置部30の設置位置が設定されている。詳しくは、撮像部10が位置する側の端部が移動規制部25に当接する状態で撮像装置載置部30に載置された携帯型撮像装置2の撮影領域7が、照明装置3のベース部21の前方向に隣接する媒体6を配置する領域と、ベース部21における前方上面部分とを含むように構成されている。
【0021】
また、照明装置3のベース部21の上面には、スキャンスイッチ40と照明スイッチ41が設けられている。また、アーム部22の前面には、電源スイッチ42が設けられている。これらのスキャンスイッチ40、照明スイッチ41、電源スイッチ42や、照明部26は、照明装置3の内部に備えられている制御部45(
図5参照)に電気的に接続されている。
【0022】
なお、スキャンスイッチ40や照明スイッチ41は、ベース部21以外の位置に設けてもよく、電源スイッチ42も、アーム部22以外の部分に設けてもよい。また、照明装置3には電源スイッチ42を設けず、照明装置3が有する差込プラグをコンセントに抜き差しすることにより、照明装置3に通電させるように構成してもよい。
【0023】
スキャンスイッチ40は、携帯型撮像装置2にスキャン動作を実行させるスキャン操作の指示をユーザから受け付ける入力手段であり、即ち、撮像部10の撮像開始を指示する撮像指示部として設けられている。また、照明スイッチ41は、照明部26の点灯と消灯とを切り替える際の入力手段になっている。また、電源スイッチ42は、外部電源48(
図5参照)と照明装置3との間の通電と遮断とを切り替えるスイッチになっている。
【0024】
図5は、
図1に示す撮像システムの機能ブロック図である。照明装置3と共に撮像システム1を構成する携帯型撮像装置2は、撮像部10と、タッチパネル表示部11と、通信部15と、記憶部17と、制御部18とを備える。撮像部10と、タッチパネル表示部11と、通信部15と、記憶部17は、制御部18に電気的に接続されている。
【0025】
通信部15は、照明装置3との間で通信を行うことが可能になっており、例えば、Bluetooth(登録商標)によって無線通信を行う。照明装置3との間の通信は、Bluetooth以外の手法によって行ってもよく、NFC(Near Field Communication)や赤外線通信等、撮像装置載置部30に載置された携帯型撮像装置2と照明装置3との間で、無線で通信を行うことができる手法であれば、その手法は問わない。
【0026】
記憶部17は、撮像部10により撮像された画像等を記憶する記憶装置である。制御部18は、通信部15での照明装置3との通信時や、撮像部10での撮像時等に、各種の演算処理を行うことにより、携帯型撮像装置2の各部を制御する。制御部18は、例えば、傾斜しているトップ部23の撮像装置載置部30に載置された携帯型撮像装置2の撮像部10によって、媒体載置面5の媒体6を斜め上方から撮像した媒体6の画像を、垂直方向上方から媒体6を撮像した画像になるように、画像処理を行う。
【0027】
一方、照明装置3は、照明部26と、スキャンスイッチ40と、照明スイッチ41と、電源スイッチ42と、通信部44と、制御部45とを備えている。照明部26と、スキャンスイッチ40と、照明スイッチ41と、電源スイッチ42と、通信部44は、制御部45に電気的に接続されている。
【0028】
照明部26は、照明部26が有する白色LED27と暖色LED28との点灯時における光量を、それぞれ独立して変更することが可能になっている。このため、これにより、照明部26は、当該照明部26から照射する照射光の光量や色等の明滅状態を変更することが可能になっている。具体的には、照明部26が有する白色LED27と暖色LED28は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって光量を調節することが可能になっており、PWM制御のデューティ比を変更することにより、それぞれ光量を調節することが可能になっている。なお、照明部26は、PWM制御以外によって光量を調節することができるように構成されていてもよい。
【0029】
通信部44は、携帯型撮像装置2の通信部15との間で、Bluetooth等によって通信を行うことが可能になっている。携帯型撮像装置2と照明装置3は、双方の通信部15、44により、無線通信で通信を行うことが可能になっている。
【0030】
制御部45は、スキャンスイッチ40や照明スイッチ41への入力操作に応じて照明部26の駆動制御を行ったり、通信部44に制御信号を送信したりすることにより、照明部26が有する白色LED27及び暖色LED28の発光制御や、照明装置3と携帯型撮像装置2との間での通信制御を行うことができるように設けられている。
【0031】
また、電源スイッチ42は、外部電源48と制御部45との間に介在しており、入力操作によって制御部45と外部電源48との間の通電(ON)と遮断(OFF)とを切り替えることにより、照明装置3の作動と停止を切り替えることができるようになっている。
【0032】
本実施形態に係る撮像システム1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。撮像システム1を構成する照明装置3は、通常は照明スタンドとして利用される。照明装置3を照明スタンドとして利用する際には、電源スイッチ42をONの状態で、照明スイッチ41に対して押圧操作を行う等の入力操作を行う。この照明スイッチ41に対する入力は、明確に押すこと以外でもよく、照明スイッチ41の形態に応じて、照明スイッチ41をタップしたり、照明スイッチ41に触れたり(タッチしたり)するようにしてもよい。
【0033】
照明スイッチ41が押されたことを認識した制御部45は、照明部26を点灯させる。これにより、照明部26は、白色LED27や暖色LED28によって照射範囲8に対して照射を行い、照明装置3は、照明部26からの照射光によって、トップ部23の下方を明るくすることができる。点灯状態の照明部26を消灯する際には、照明部26が点灯している状態で、照明スイッチ41に対して押圧操作を行う等の入力操作を行う。これにより、制御部45は照明部26を消灯させる。
【0034】
また、本実施形態に係る撮像システム1は、照明装置3を照明スタンドとして使用するのみでなく、照明装置3に携帯型撮像装置2をセットすることにより、媒体載置面5に載置された媒体6を携帯型撮像装置2で読み取り、媒体6のスキャンを行うことが可能になっている。撮像システム1での媒体6のスキャンについて説明すると、媒体6のスキャンを行う際には、携帯型撮像装置2の撮像部10が下面側になり、且つ、撮像部10がトップ部23から露出し、タッチパネル表示部11が上面側になる向きで、携帯型撮像装置2をトップ部23の撮像装置載置部30に載置する。
【0035】
携帯型撮像装置2と照明装置3とは、携帯型撮像装置2の通信部15と照明装置3の通信部44とで通信を行うことにより、互いに情報の送受信を行うことが可能になっている。また、携帯型撮像装置2は、照明装置3から送信される制御信号を受信することにより、撮像動作を行うことが可能になっている。また、撮像システム1は、スキャンスイッチ40の押下が、スキャンの開始トリガになっている。即ち、スキャンスイッチ40のONが、撮像システム1によるスキャンの開始トリガになっている。このため、照明装置3のトップ部23に載置された携帯型撮像装置2は、照明装置3からのスキャン開始トリガを、通信部15で受信するまで、待機を続ける。
【0036】
この状態で、ユーザによって照明装置3のスキャンスイッチ40が押下されると、照明装置3から携帯型撮像装置2に対してスキャン開始トリガが発信される。このスキャン開始トリガは、照明装置3の通信部44から発信し、携帯型撮像装置2の通信部15で受信する。スキャン開始トリガを受信した携帯型撮像装置2は、照明装置3が有する照明部26の点灯指示を行う。携帯型撮像装置2からの点灯指示を受けた照明装置3は、点灯指示の受信時に照明部26が点灯状態であった場合には、照明部26の点灯を維持し、照明部26が消灯状態であった場合には、照明部26を点灯させる。
【0037】
携帯型撮像装置2は、このように照明部26が点灯している状態で、媒体載置面5における撮影領域7の画像を撮像部10で撮像することにより、撮影領域7内の媒体6を撮像して、画像データを携帯型撮像装置2の記憶部17に保存する。これにより、撮像システム1は、自らの照明である照明部26によって作り出した最適な環境下で、媒体6を撮像して保存し、媒体6のスキャンを行う。このスキャンによって得られた画像データを記憶部17に保存する際には、携帯型撮像装置2の制御部18で画像処理を行い、適切な画質に調整された後、記憶部17で記憶することによって保存する。
【0038】
なお、これらのように照明装置3の照明部26の点灯時における照射光を用いて、撮影領域7の画像を撮像部10で撮像する際には、撮影領域7の照度をフィードバックして照明部26の制御を行うのが好ましい。
図6は、明るさのフィードバックを行う際の説明図である。撮像装置載置部30に載置された状態での携帯型撮像装置2の撮影領域7は、照明装置3のベース部21における前方上面部分を含んでいるので、撮像時には、この部分の照度をフィードバックすることにより、撮像時における照明部26の制御に用いるのが好ましい。
【0039】
つまり、撮影領域7の実際の照度は、照明部26から照射される光の光量のみでなく、環境光によっても変化する。このため、撮像部10で撮像する際には、撮影領域7中のベース部21の前方上面部分であるフィードバック領域35の照度を検出し、フィードバック領域35の照度が所定の範囲内になるように、携帯型撮像装置2の通信部15から照明装置3の通信部44に対して、制御信号を送信する。
【0040】
これにより、照明装置3の制御部45は、携帯型撮像装置2から送られてきた信号に基づいて、フィードバック領域35の照度が所定の範囲内になるように、照明部26の光量を調節する。撮像部10は、環境光と、このように光量が調節された照明部26から照射された光とによって照らされることにより、照度が所定の範囲内になった撮影領域7を撮像し、媒体載置面5に載置された媒体6を適切な照度で撮像することができる。
【0041】
また、撮像システム1は、携帯型撮像装置2を照明装置3の撮像装置載置部30に載置していない状態であっても、双方で通信を行うことが可能になっている。これにより、ユーザは、撮像装置載置部30に載置していない状態の携帯型撮像装置2を用いて、照明装置3の制御を行うことが可能になっている。
【0042】
図7は、携帯型撮像装置を撮像装置載置部に載置せずに照明装置の制御を行う際の説明図である。撮像装置載置部30に載置していない状態の携帯型撮像装置2を用いて、照明装置3の制御を行う際には、携帯型撮像装置2の記憶部17に記憶され、撮像システム1の使用時に用いるアプリケーションを起動する。ユーザは、このように撮像システム1用のアプリケーションを起動させた状態で、携帯型撮像装置2を照明装置3に近付ける。具体的には、携帯型撮像装置2の通信部15と照明装置3の通信部44との間で通信が可能な距離まで、携帯型撮像装置2を照明装置3に近付ける。これにより、携帯型撮像装置2は、照明装置3との間で通信が可能になる。
【0043】
図8は、携帯型撮像装置で照明装置の制御を行う際のタッチパネル表示部の表示状態を示す説明図である。撮像システム1用のアプリケーションは、携帯型撮像装置2のタッチパネル表示部11に操作アイコン50を表示させ、ユーザがタッチパネル表示部11に表示された操作アイコン50に対応する接触操作をタッチパネル表示部11に対して行うことにより、撮像システム1を作動させることが可能になっている。例えば、アプリケーションのメイン画面では、操作アイコン50として、各種設定を行う設定アイコン51と、照明部26から照射される光の調節を行うライト調節アイコン52と、媒体6のスキャンを行う際の機能を作動させるスキャンアイコン53が表示される。ユーザは、タッチパネル表示部11に対して、これらの操作アイコン50に対応する接触操作を行うことにより、各機能を作動させる。
【0044】
図9は、
図8に示す設定アイコンが選択された場合の説明図である。メイン画面で設定アイコン51が選択された場合、撮像システム1の使用時の各種設定を行うことが可能になる。例えば、ユーザが操作をしている携帯型撮像装置2との間で通信を行うことができる距離に、複数の照明装置3が存在する場合に、携帯型撮像装置2との間で通信を行う照明装置3を選択することができる。この選択は、タッチパネル表示部11に、通信可能な各照明装置3に対応した操作アイコン50である照明選択アイコン55が表示され、操作を行おうとしている照明装置3に対応する照明選択アイコン55に対して接触操作をすることにより、携帯型撮像装置2は、接触操作が行われた照明選択アイコン55に対応する照明装置3との間で通信を行う。
【0045】
図10は、
図8に示すライト調節アイコンが選択された場合の説明図である。メイン画面でライト調節アイコン52が選択された場合、照明装置3が有する照明部26の明滅状態を設定し、照明部26を制御することが可能になる。つまり、携帯型撮像装置2の制御部18は、照明装置3の制御を行うことが可能な状態になると、タッチパネル表示部11に、明滅状態を変更するための操作アイコン50を表示させ、操作アイコン50に対応するユーザの接触操作に応じて、照明部26の明滅状態を変更することが可能になる。
【0046】
照明部26の明滅状態を変更するための操作アイコン50としては、例えば、入切アイコン61と、照明色アイコン62と、明るさアイコン63とを表示させる。このうち、入切アイコン61は、照明部26の点灯と消灯、即ち、照明部26の入切が可能になっている。また、照明色アイコン62は、照明部26が有する白色LED27と暖色LED28とのうち、白色LED27のみを点灯させる、または、暖色LED28のみを点灯させる、または、双方を点灯させることを選択することが可能になっている。これにより、照明色アイコン62は、照明部26の点灯時における照射光の色を選択することが可能になっている。また、明るさアイコン63は、照明部26の点灯時における光量を調節することが可能になっており、これにより照明部26の点灯時における明るさを調節することが可能になっている。
【0047】
撮像システム1用のアプリケーションは、これらの照明部26の明滅状態に関する操作アイコン50に対応するタッチパネル表示部11への接触操作によって、照明部26の明滅状態の設定値を変更することができる。携帯型撮像装置2は、照明装置3との間で通信を行うことにより、このように変更した照明部26の明滅状態の設定値を照明装置3に送信する。携帯型撮像装置2から、照明部26の明滅状態の設定値を受信した照明装置3の制御部45は、この設定値に基づいて照明部26を制御する。これにより、照明部26の白色LED27と暖色LED28は、PWM制御によって、設定値に応じた光量で光を照射し、照明部26の明滅状態に関する操作アイコン50によって変更された明滅状態になる。
【0048】
また、携帯型撮像装置2と照明装置3とが通信可能状態で、タッチパネル表示部11に表示されている操作アイコン50に対応する接触操作をタッチパネル表示部11に行うことにより、明滅状態の設定値を変更した場合、変更した設定値は照明装置3に伝達される。これにより、照明部26の明滅状態は、リアルタイムで変更される。
【0049】
また、携帯型撮像装置2の記憶部17は、このように撮像システム1用のアプリケーションによって変更することができる照明部26の明滅状態の設定値を記憶可能になっている。このため、記憶部17は、操作アイコン50に対応するユーザの接触操作に応じて変更した照明部26の明滅状態を、明滅状態の設定値として逐一記憶する。
【0050】
また、携帯型撮像装置2は、このように明滅状態の設定値を記憶部17で記憶することが可能になっているため、携帯型撮像装置2で照明装置3を操作しない状態から、再度照明装置3を操作する状態になったときに、記憶部17で記憶された設定値で照明部26を制御する。つまり、携帯型撮像装置2と照明装置3との距離が双方で通信できない距離になったり、撮像システム1用のアプリケーションを終了させたりした後、携帯型撮像装置2で照明装置3の操作が可能になったら、記憶部17で記憶された設定値で照明部26を制御する。
【0051】
具体的には、携帯型撮像装置2の制御部18は、照明装置3と携帯型撮像装置2との間で通信が確立され、且つ、照明装置3の制御を行うことが可能な状態となると、記憶部17に記憶されている明滅状態の設定値に基づいて、照明部26を制御する。これにより、例えば照明部26を消灯した後、照明装置3との間で通信が可能な距離に携帯型撮像装置2を位置させた状態で撮像システム1用のアプリケーションを起動した場合、照明部26は、携帯型撮像装置2の記憶部17に記憶されている明滅状態の設定値で制御される。
【0052】
また、携帯型撮像装置2によって明滅状態の設定値を変更した後、設定値を変更した照明装置3とは異なる照明装置3と携帯型撮像装置2との通信が確立して、当該照明装置3の制御を携帯型撮像装置2によって可能な状態になった場合には、この照明装置3が有する照明部26も、携帯型撮像装置2の記憶部17に記憶されている明滅状態の設定値に基づいて制御する。
【0053】
図11は、
図8に示すスキャンアイコンが選択された場合の説明図である。メイン画面でスキャンアイコン53が選択された場合、携帯型撮像装置2での媒体6の撮像に関する操作を行うことが可能になる。携帯型撮像装置2での媒体6の撮像は、照明装置3の撮像装置載置部30に携帯型撮像装置2を載置した状態で行われるため、メイン画面でスキャンアイコン53が選択された場合には、携帯型撮像装置2は、主に撮像装置載置部30に載置された状態で使用される。
【0054】
携帯型撮像装置2は、被写体を撮像するモードになった時には、媒体6の読み取りを行った画像データを記憶部17に保存する前でも、撮像部10によって常時撮影領域7を撮像した状態で待機している。この場合、携帯型撮像装置2は、撮像部10で現在撮像している画像をタッチパネル表示部11に表示する。このため、被写体を撮像するモードになっている時におけるタッチパネル表示部11には、現在撮像部10で撮像している画像が、継続的に表示される。
【0055】
この状態でユーザがスキャンスイッチ40を押下した場合には、携帯型撮像装置2は、その時点で撮像部10によって撮像している画像を、記憶部17で一時的に記憶する。これにより、携帯型撮像装置2は、照明装置3から照射される照射光によって照射された媒体6の撮像画像65を取得する。この場合における撮像画像65は、トップ部23が水平より斜め上方に向かって延存することに起因して、前後方向における位置によって大きさが異なる画像になる。つまり、撮像部10は、媒体6を斜め上方から撮像するため、撮像画像65は、媒体載置面5上でベース部21寄りの位置から、前方に離れた位置になるに従って、大きさが小さくなる。
【0056】
図12は、
図11に示す撮像画像を補正した状態を示す説明図である。携帯型撮像装置2は、制御部18で撮像画像65の画像処理を行うことにより、適切な画像に補正する。具体的には、制御部18は、撮像画像65のクロッピングを行うことにより、媒体6に対応する画像を切り出し、この切り出した画像に対して、媒体載置面5上でベース部21寄りの位置から、前方に離れた位置になるに従って大きさが大きくなるように、補正を行う。これにより、補正後の画像である補正画像66は、媒体6を鉛直方向上方から見た場合と同等の画像になる。携帯型撮像装置2は、この補正画像66を記憶部17に記憶することにより、媒体6を撮像した画像を保存する。
【0057】
また、携帯型撮像装置2は、このように撮像した画像を編集することが可能になっている。例えば、記憶部17に記憶されている補正画像66をユーザが視認した時に、画像が明る過ぎたり暗過ぎたりすると感じる場合は、タッチパネル表示部11に表示される編集用の操作アイコン50(図示省略)に対応する接触操作を行うことにより、明るさを好みの明るさに変更することができる。この場合、ユーザは、携帯型撮像装置2を撮像装置載置部30に載置した状態で編集操作を行ってもよく、携帯型撮像装置2を手で持った状態で編集操作を行ってもよい。携帯型撮像装置2は、これらのように編集を行った補正画像66を、記憶部17に記憶する。
【0058】
図13は、
図11に示す撮像画像のクロッピングの編集を行う場合の説明図である。また、撮像した画像の編集を行う際には、クロッピングでの画像の切り出し方についても編集することができる。クロッピングの編集を行う際には、撮像システム1用のアプリケーションを、クロッピング編集ができるモードにし、クロップ編集アイコン67を表示させる。このクロップ編集アイコン67は、撮像画像65中においてクロッピングする境界位置、即ち、画像の切り出し位置を調節する操作アイコン50になっている。ユーザは、このクロップ編集アイコン67を操作することにより、画像の切り出し位置を調節する。これにより、アプリケーションで行ったクロッピングが適切ではない時でも、媒体6に対応する画像を、撮像画像65中より適切に切り出すことができる。
【0059】
以上の実施形態に係る撮像システム1は、照明装置3と携帯型撮像装置2との間で通信が確立され、且つ、照明装置3の制御を行うことが可能な状態となると、携帯型撮像装置2の記憶部17に記憶されている明滅状態の設定値に基づいて、携帯型撮像装置2の制御部18によって照明装置3の照明部26を制御する。これにより、照明装置3の照明部26からの照射光を用いて携帯型撮像装置2によって媒体6を撮像する際に、予め設定された明滅状態で照明部26を点灯させることができ、所望の明るさで媒体6を照らして撮像することができる。また、照明装置3が複数存在する場合でも、照明装置3に関わらず予め設定された明滅状態で照明部26を点灯させることができ、所望の明るさで媒体6を照らして撮像することができる。この結果、照射光を用いて撮像する際における画像品質を、より良好なものにすることができる。
【0060】
また、携帯型撮像装置2の制御部18は、照明装置3の制御を行うことが可能な状態になると、タッチパネル表示部11に、照明部26の明滅状態を変更するための操作アイコン50を表示させ、操作アイコン50に対応するユーザの接触操作に応じて、照明部26の明滅状態を変更する。これにより、ユーザは、タッチパネル表示部11に表示された操作アイコン50に従って接触操作をすることにより、容易に照明部26の明滅状態を切り替えることができる。この結果、照射光を用いて撮像する際における画像品質を、より確実に良好なものにすることができる。
【0061】
また、ユーザの操作によって変更した照明部26の明滅状態を、明滅状態の設定値として携帯型撮像装置2の記憶部17で記憶するため、照明装置3の使用が完了した後、再度照明装置3を使用する際には、携帯型撮像装置2を照明装置3に近付けて通信が可能な状態にするのみで、ユーザが変更した明滅状態で照明部26を点灯させることができる。また、照明装置3が複数存在する場合でも、これらの照明装置3に携帯型撮像装置2を近付けて通信が可能な状態にするのみで、記憶部17に記憶されている明滅状態の設定値に基づいて、照明部26を制御することができる。これにより、照明装置3が有する照明部26の明滅状態を、より確実に、且つ、容易に、ユーザが望む状態にすることができる。この結果、照射光を用いて撮像する際における画像品質を、より確実に、且つ、容易に、良好なものにすることができる。
【解決手段】照明装置3と携帯型撮像装置2との間で通信する撮像システム1であって、携帯型撮像装置2は、記憶部17と制御部18とを有し、照明装置3は、媒体6を載置可能な媒体載置面5に配置されるベース部21から上方に延在するアーム部22と、アーム部22から媒体載置面5に対向して延在するトップ部23と、トップ部23に設けられ、携帯型撮像装置2を載置する撮像装置載置部30と、媒体載置面5を照射し、且つ、明滅状態を変更可能な照明部26と、を有し、記憶部17は、明滅状態の設定値を記憶可能になっており、制御部18は、照明装置3と携帯型撮像装置2との間で通信が確立され、且つ、照明装置3の制御を行うことが可能な状態となると、記憶部17に記憶されている明滅状態の設定値に基づいて照明部26を制御する。