特許第5808510号(P5808510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソフトバンクモバイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5808510-予測装置及びプログラム 図000002
  • 特許5808510-予測装置及びプログラム 図000003
  • 特許5808510-予測装置及びプログラム 図000004
  • 特許5808510-予測装置及びプログラム 図000005
  • 特許5808510-予測装置及びプログラム 図000006
  • 特許5808510-予測装置及びプログラム 図000007
  • 特許5808510-予測装置及びプログラム 図000008
  • 特許5808510-予測装置及びプログラム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5808510
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】予測装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20151021BHJP
【FI】
   H04L12/70 100Z
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-111991(P2015-111991)
(22)【出願日】2015年6月2日
【審査請求日】2015年6月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】依田 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】冨田 学
(72)【発明者】
【氏名】末永 幸大
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−183495(JP,A)
【文献】 特開2007−265245(JP,A)
【文献】 特開2005−110079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予測装置であって、
ネットワーク内の地点におけるトラフィックの履歴に基づいて、前記地点の予め定められた時間毎のトラフィックを示すトラフィックパターンを生成するパターン生成部と、
前記地点における第1の時刻のトラフィック実測値を取得する実測値取得部と、
前記トラフィックパターンにおける前記第1の時刻と前記第1の時刻の後の第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、前記第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、前記第2の時刻のトラフィック予測値を算出する予測値算出部と
を備え
前記予測値算出部は、前記トラフィックパターンにおける前記第2の時刻と前記第2の時刻の後の第3の時刻との間のトラフィックの変動率と、前記第2の時刻のトラフィック予測値とに基づいて、前記第3の時刻のトラフィック予測値を算出し、
前記予測装置は、
前記予測値算出部が予測した前記第2の時刻のトラフィック予測値又は前記第3の時刻のトラフィック予測値が、予め定められた閾値より大きいか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって、前記予測値算出部が予測した前記第3の時刻のトラフィック予測値が前記予め定められた閾値より大きいと判定された場合に、前記第3の時刻よりも前にネットワークのルーティング制御を変更するルーティング変更部と
をさらに備える、予測装置。
【請求項2】
前記予測値算出部は、前記実測値取得部が前記地点における前記第2の時刻のトラフィック実測値を取得した場合に、前記トラフィックパターンにおける前記第2の時刻と前記第2の時刻の後の第3の時刻との間のトラフィックの変動率と、前記第2の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、前記第3の時刻のトラフィック予測値を算出する、請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
前記パターン生成部は、日付の属性毎に、複数のトラフィックパターンを生成し、
前記実測値取得部は、前記地点における第1の日付の前記第1の時刻のトラフィック実測値を取得し、
前記予測値算出部は、前記複数のトラフィックパターンのうち、前記第1の日付の属性に対応するトラフィックパターンにおける前記第1の時刻と前記第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、前記第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、前記第2の時刻のトラフィック予測値を算出する、請求項1又は2に記載の予測装置。
【請求項4】
前記第1の時刻は、イベント発生後の時刻であり、
前記予測値算出部は、複数のトラフィックパターンのうち、前記イベントに対応するトラフィックパターンにおける前記第1の時刻と前記第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、前記第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、前記第2の時刻のトラフィック予測値を算出する、請求項1又は2に記載の予測装置。
【請求項5】
前記イベントは、ソフトウエアのリリースイベントを含む、請求項に記載の予測装置。
【請求項6】
前記パターン生成部は、第1のイベントが発生したときのトラフィックの履歴及び前記第1のイベントが発生していないときのトラフィックの履歴に基づいて、第2のイベントに対応するトラフィックパターンを生成する、請求項1からのいずれか一項に記載の予測装置。
【請求項7】
前記第1のイベント及び前記第2のイベントは、ソフトウエアのリリースイベントであり、
前記パターン生成部は、前記第1のイベントが発生したときのトラフィックの履歴、前記第1のイベントが発生していないときのトラフィックの履歴及び前記ソフトウエアのデータ量に基づいて、前記第2のイベントに対応するトラフィックパターンを生成する、請求項に記載の予測装置。
【請求項8】
前記第1の時刻と前記第2の時刻との間に変更される前記ネットワークのルーティング制御に関する情報を示す変更情報を取得する変更情報取得部と、
前記変更情報に基づいて、前記第2の時刻における前記地点のトラフィックの変化量を導出する変化量導出部と、
前記地点に対して迂回されるトラフィック量又は前記地点から迂回されるトラフィック量を取得する迂回量取得部と
をさらに備え、
前記予測値算出部は、前記トラフィックパターンにおける前記第1の時刻と前記第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、前記第1の時刻のトラフィック実測値と、前記迂回されるトラフィック量とに基づいて、前記第2の時刻のトラフィック予測値を算出する、請求項1からのいずれか一項に記載の予測装置。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1からのいずれか一項に記載の予測装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークにおける統計情報の近似曲線を表示することにより、データ量の増加率を確認する技術が知られていた。(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−99469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ネットワーク回線の逼迫障害を予測する精度の向上が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、ネットワーク内の地点におけるトラフィックの履歴に基づいて、上記地点の予め定められた時間毎のトラフィックを示すトラフィックパターンを生成するパターン生成部と、上記地点における第1の時刻のトラフィック実測値を取得する実測値取得部と、上記トラフィックパターンにおける上記第1の時刻と上記第1の時刻の後の第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、上記第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、上記第2の時刻のトラフィック予測値を算出する予測値算出部とを備える予測装置が提供される。
【0005】
上記予測装置において、上記予測値算出部は、上記トラフィックパターンにおける上記第2の時刻と上記第2の時刻の後の第3の時刻との間のトラフィックの変動率と、上記第2の時刻のトラフィック予測値とに基づいて、上記第3の時刻のトラフィック予測値を算出してよい。上記予測装置において、上記予測値算出部は、上記トラフィックパターンにおける上記第1の時刻と上記第2の時刻の後の第3の時刻との間のトラフィックの変動率と、上記第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、上記第3の時刻のトラフィック予測値を算出してよい。上記予測装置において、上記予測値算出部は、上記実測値取得部が上記地点における上記第2の時刻のトラフィック実測値を取得した場合に、上記トラフィックパターンにおける上記第2の時刻と上記第2の時刻の後の第3の時刻との間のトラフィックの変動率と、上記第2の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、上記第3の時刻のトラフィック予測値を算出してよい。
【0006】
上記予測装置において、上記パターン生成部は、日付の属性毎に、複数のトラフィックパターンを生成してよく、上記実測値取得部は、上記地点における第1の日付の上記第1の時刻のトラフィック実測値を取得してよく、上記予測値算出部は、上記複数のトラフィックパターンのうち、上記第1の日付の属性に対応するトラフィックパターンにおける上記第1の時刻と上記第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、上記第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、上記第2の時刻のトラフィック予測値を算出してよい。上記予測装置において、上記第1の時刻は、イベント発生後の時刻であってよく、上記予測値算出部は、複数のトラフィックパターンのうち、上記イベントに対応するトラフィックパターンにおける上記第1の時刻と上記第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、上記第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、上記第2の時刻のトラフィック予測値を算出してよい。
【0007】
上記予測装置において、上記イベントは、ソフトウエアのリリースイベントを含んでよい。上記予測装置において、上記パターン生成部は、第1のイベントが発生したときのトラフィックの履歴及び上記第1のイベントが発生していないときのトラフィックの履歴に基づいて、第2のイベントに対応するトラフィックパターンを生成してよい。上記予測装置において、上記第1のイベント及び上記第2のイベントは、ソフトウエアのリリースイベントであってよく、上記パターン生成部は、上記第1のイベントが発生したときのトラフィックの履歴、上記第1のイベントが発生していないときのトラフィックの履歴及び上記ソフトウエアのデータ量に基づいて、上記第2のイベントに対応するトラフィックパターンを生成してよい。
【0008】
上記予測装置は、上記第1の時刻と上記第2の時刻との間に変更される上記ネットワークのルーティング制御に関する情報を示す変更情報を取得する変更情報取得部と、上記変更情報に基づいて、上記第2の時刻における上記地点のトラフィックの変化量を導出する変化量導出部と、上記地点に対して迂回されるトラフィック量又は上記地点から迂回されるトラフィック量を取得する迂回量取得部とをさらに備えてよく、上記予測値算出部は、上記トラフィックパターンにおける上記第1の時刻と上記第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、上記第1の時刻のトラフィック実測値と、上記迂回されるトラフィック量とに基づいて、上記第2の時刻のトラフィック予測値を算出してよい。
【0009】
上記予測装置は、上記予測値算出部が予測した上記トラフィック予測値が、予め定められた閾値より大きいか否かを判定する判定部をさらに備えてよい。上記予測装置は、上記判定部によって、上記予測値算出部が予測した上記トラフィック予測値が、予め定められた閾値より大きいと判定された場合に、上記ネットワークのルーティング制御を変更するルーティング変更部をさらに備えてよい。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータを、上記予測装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】予測装置100のネットワーク環境の一例を概略的に示す。
図2】トラフィックパターン202、204の一例を概略的に示す。
図3】予測装置100によるトラフィック予測値の算出手法を説明する説明図である。
図4】予測装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図5】トラフィックパターン502、504、506の一例を概略的に示す。
図6】ネットワークの一例を概略的に示す。
図7】予測装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図8】予測値出力部110による表示例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、予測装置100のネットワーク環境の一例を概略的に示す。本実施形態に係る予測装置100は、ネットワーク10内の各地点に発生するトラフィック量を予測する。ネットワーク10内の地点とは、ネットワーク10内のトラフィックを測定可能な任意のポイントであってよく、例えば、ノード及びリンクである。ネットワーク10は、インターネット、専用網及び電話網の少なくともいずれかを含んでよい。
【0015】
トラフィック量測定装置12は、ネットワーク10内の各地点におけるトラフィック量を測定する。トラフィック量測定装置12は、MRTG(Multi Router Traffic Grapher)を用いてネットワーク10におけるトラフィック量を測定してよい。また、トラフィック量測定装置12は、NetFlowを用いてネットワーク10におけるトラフィック量を測定してもよい。トラフィック量測定装置12は、他のソフトウエア及びプロトコル等を用いてネットワーク10におけるトラフィック量を測定してもよい。
【0016】
予測装置100とトラフィック量測定装置12とは、直接通信してもよく、また、ネットワーク10を介して通信してもよい。また、予測装置100が、トラフィック量測定装置12の機能を備えてもよい。
【0017】
予測装置100は、トラフィック量測定装置12によって測定されたトラフィックの履歴に基づいて、ネットワーク10内の各地点のトラフィック量を予測してよい。例えば、予測装置100は、ネットワーク10内のトラフィックが増加するイベントが発生した場合に、イベント発生後に実測したトラフィックと、トラフィック量測定装置12によって測定されたトラフィックの履歴とに基づいて、その後に発生するトラフィックの予測値を算出する。
【0018】
ネットワーク10内のトラフィックが増加するイベントとは、例えば、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等のソフトウエアのリリースイベントである。また、例えば、携帯電話等の無線通信端末を所持する所持者が一か所に多数集まるコンサート及び花火大会等のイベントである。また、例えば、DoS攻撃等の正常でないトラフィックが増加するイベントである。
【0019】
トラフィック予測値を算出する算出手順の一例として、予測装置100は、まず、ネットワーク10内の地点におけるトラフィックの履歴に基づいて、当該地点の予め定められた時間毎のトラフィックを示すトラフィックパターンを生成する。次に、予測装置100は、当該地点における、イベント発生後の第1の時刻のトラフィック実測値を取得する。
【0020】
そして、予測装置100は、トラフィックパターンにおける第1の時刻と第1の時刻の後の第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、第2の時刻のトラフィック予測値を算出する。予測装置100は、第1の時刻と第2の時刻との間のトラフィックの変動率を第1の時刻のトラフィック実測値に乗じることによって、第2の時刻のトラフィック予測値を算出してよい。
【0021】
予測装置100は、ネットワーク10内に障害が発生して、トラフィックが迂回される場合に、トラフィックの迂回量を考慮して、トラフィック予測値を算出してよい。例えば、予測装置100は、一の地点のトラフィックの履歴と、一の地点に対して迂回されるトラフィック量又は一の地点から迂回されるトラフィック量とに基づいて、トラフィック量を予測する。これにより、ネットワーク10内に障害が発生した場合に、トラフィックの迂回量が決まった時点で各地点のトラフィック予測値を算出することができ、ネットワーク10全体の逼迫障害の発生を適切に予測することができる。
【0022】
図2は、トラフィックパターン202、204の一例を概略的に示す。トラフィックパターン202は、イベントが発生していないときのトラフィックを示す。トラフィックパターン204は、午前0時にイベントが発生したときのトラフィックを示す。
【0023】
図2が示すように、イベントが発生したときのトラフィックは、イベントが発生していないときのトラフィックと同様に推移する傾向にある。本実施形態に係る予測装置100は、このような特性に基づいて、イベントが発生したときのトラフィックが、イベントが発生していないときのトラフィックと同様に推移すると仮定してトラフィック予測値を算出してよい。
【0024】
図3は、予測装置100によるトラフィック予測値の算出手法を説明する説明図である。トラフィックパターン300は、予測装置100によって予め生成されたイベントが発生していないときのトラフィックパターンの一部を示す。図3は、17時より前にイベントが発生した場合のトラフィック予測値の算出手順を概略的に示す。
【0025】
予測装置100は、まず、17時のトラフィックの実測値402を取得する。次に、予測装置100は、トラフィックパターン300における17時と18時との間のトラフィックの変動率を算出する。そして、予測装置100は、算出した変動率を実測値402に乗じる。これにより、予測装置100は、18時のトラフィックの予測値404を算出する。
【0026】
また、予測装置100は、トラフィックパターン300における18時と19時との間のトラフィックの変動率を予測値404に乗じる。これにより、予測装置100は、19時のトラフィックの予測値406を算出する。なお、予測装置100は、トラフィックパターン300における17時と19時との間のトラフィックの変動率を実測値402に乗じることによって予測値406を算出してもよい。
【0027】
また、予測装置100は、トラフィックパターン300における19時と20時との間のトラフィックの変動率を予測値406に乗じる。これにより、予測装置100は、20時のトラフィックの予測値408を算出する。なお、予測装置100は、トラフィックパターン300における17時と20時との間のトラフィックの変動率を実測値402に乗じることによって予測値408を算出してもよい。
【0028】
また、予測装置100は、トラフィックパターン300における20時と21時との間のトラフィックの変動率を予測値408に乗じる。これにより、予測装置100は、21時のトラフィックの予測値410を算出する。なお、予測装置100は、17時と21時との間のトラフィックの変動率を実測値402に乗じることによって予測値410を算出してもよい。
【0029】
このように、予測装置100は、連鎖的に複数の時刻のトラフィックの予測値を算出してよい。また、予測装置100は、18時のトラフィックの実測値を取得した場合、当該実測値を用いて、予測値406、予測値408及び予測値410を算出してよい。このように、予測装置100は、各時刻の実測値を取得する毎に、リアルタイムに、後の時刻の予測値を算出してよい。
【0030】
上述したように、予測装置100は、イベントが発生したときのトラフィックが、イベントが発生していないときのトラフィックと同様に推移すると仮定してトラフィック予測値を算出することにより、近似曲線を用いた従来の予測手法に比べて高い精度でトラフィック予測値を算出できる。これにより、ネットワーク10内の各地点に、逼迫障害が発生するか否かを早期に高い精度で判断することが可能となる。
【0031】
図4は、予測装置100の機能構成の一例を概略的に示す。予測装置100は、履歴格納部102、パターン生成部104、実測値取得部106、予測値算出部108、予測値出力部110、判定部112、ルーティング変更部114、変更情報取得部116、変化量導出部118及び迂回量取得部120を備えてよい。なお、予測装置100がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
【0032】
履歴格納部102は、ネットワーク10内の各地点のトラフィックの履歴を格納する。履歴格納部102は、ネットワーク10内の各地点のトラフィックを、トラフィック量測定装置12から受信して格納してよい。
【0033】
パターン生成部104は、トラフィックパターンを生成する。パターン生成部104は、履歴格納部102に格納されたネットワーク10内の各地点におけるトラフィックの履歴に基づいて、各地点の予め定められた時間毎のトラフィックを示すトラフィックパターンを生成してよい。
【0034】
パターン生成部104は、複数日分のトラフィックの履歴を平均することによって、一日分のトラフィックパターンを生成してよい。例えば、パターン生成部104は、最近の40日分のトラフィックの履歴を平均することによって、一日分のトラフィックパターンを生成する。パターン生成部104は、毎日、最近の40日分のトラフィックの履歴を平均することによって、一日分のトラフィックパターンを生成してよい。パターン生成部104は、時間単位、日単位、週単位及び月単位等、様々な単位のトラフィックパターンを生成してよい。
【0035】
パターン生成部104は、日付の属性毎に、複数のトラフィックパターンを生成してよい。例えば、パターン生成部104は、平日のトラフィックパターン、休日のトラフィックパターン、曜日毎のトラフィックパターン、季節毎のトラフィックパターン及び天気別のトラフィックパターン等を生成する。
【0036】
パターン生成部104は、イベント毎のトラフィックパターンを生成してよい。例えば、パターン生成部104は、ソフトウエアのリリースイベントのトラフィックパターンを生成する。
【0037】
パターン生成部104は、一のソフトウエアがリリースされたときのトラフィックの履歴から、当該一のソフトウエアのリリースイベントのトラフィックパターンを生成してよい。また、パターン生成部104は、一のソフトウエアの複数バージョンのそれぞれがリリースされた時のトラフィックの履歴を平均することによって、当該一のソフトウエアのリリースイベントのトラフィックパターンを生成してもよい。
【0038】
パターン生成部104は、無線通信端末を所持する所持者が一か所に多数集まるイベントのトラフィックパターンを生成してもよい。また、パターン生成部104は、DoS攻撃等の正常でないトラフィックが増加するイベントのトラフィックパターンを生成してもよい。
【0039】
実測値取得部106は、ネットワーク10の地点におけるトラフィック実測値を取得する。実測値取得部106は、トラフィック量測定装置12から、トラフィック実測値を受信してよい。
【0040】
予測値算出部108は、実測値取得部106が取得したトラフィック実測値と、パターン生成部104によって生成されたトラフィックパターンとに基づいて、トラフィック予測値を算出する。例えば、実測値取得部106が第1の時刻のトラフィック実測値を取得した場合、予測値算出部108は、トラフィックパターンにおける第1の時刻と第1の時刻の後の第2の時刻との間のトラフィックの変動率及び第1の時刻のトラフィック実測値に基づいて、第2の時刻のトラフィック予測値を算出する。予測値算出部108は、第1の時刻と第2の時刻との間のトラフィックの変動率を、第1の時刻のトラフィック実測値に乗ずることによって、第2の時刻のトラフィック予測値を算出してよい。
【0041】
また、予測値算出部108は、トラフィックパターンにおける第2の時刻と第2の時刻の後の第3の時刻との間のトラフィックの変動率及び第2の時刻のトラフィック予測値に基づいて、第3の時刻のトラフィック予測値を算出してよい。例えば、予測値算出部108は、第2の時刻と第3の時刻との間のトラフィックの変動率を、第2の時刻のトラフィック予測値に乗ずることによって、第3の時刻のトラフィック予測値を算出する。
【0042】
なお、予測値算出部108は、トラフィックパターンにおける第1の時刻と第3の時刻との間のトラフィックの変動率及び第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、第3の時刻のトラフィック予測値を算出してもよい。例えば、予測値算出部108は、トラフィックパターンにおける第1の時刻と第3の時刻との間のトラフィックの変動率を、第1の時刻のトラフィック実測値に乗ずることによって、第3の時刻のトラフィック予測値を算出する。
【0043】
予測値算出部108は、実測値取得部106が、一の地点における第1の日付のトラフィック実測値を取得した場合に、第1の日付の属性に対応するトラフィックパターンを用いて、トラフィック予測値を算出してよい。第1の日付の属性とは、第1の日付の曜日、第1の日付における天気、第1の日付が平日であるか休日であるか、又はこれらの組み合わせ等であってよい。例えば、予測値算出部108は、第1の日付が平日である場合には、平日のトラフィックパターンを用いる。また、予測値算出部108は、第1の日付が平日であり、かつ、雨の日である場合、平日かつ雨の日のトラフィックパターンを用いる。
【0044】
予測値算出部108は、実測値取得部106が、一の地点における、イベント発生後の第1の時刻のトラフィック実測値を取得した場合に、当該イベントに対応するトラフィックパターンを用いて、トラフィック予測値を算出してよい。
【0045】
予測値出力部110は、予測値算出部108が算出したトラフィック予測値を出力する。予測値出力部110は、例えば、予測値算出部108が算出したトラフィック予測値を表示出力する。これにより、表示出力したトラフィック予測値を閲覧する閲覧者に、トラフィック予測値を把握させることができる。当該閲覧者は、表示出力されたトラフィック予測値を閲覧することにより、ネットワーク10内の各地点における逼迫障害の発生予測状況を把握することができ、予め逼迫障害の発生を防止する措置をとることができる。逼迫障害の発生を防止する措置とは、トラフィックの迂回及び回線の増速等である。
【0046】
判定部112は、予測値算出部108が算出したトラフィック予測値が、予め定められた閾値より大きいか否かを判定する。予め定められた閾値は、ネットワーク10の各地点が、逼迫障害を引き起こすか否かを判定できる値に設定されてよい。例えば、予め定められた閾値として、ネットワーク10の各地点の最大通信帯域幅が採用される。また、予め定められた閾値として、ネットワーク10の各地点の最大通信帯域幅を基に決定された値が採用されてもよい。最大通信帯域幅を基に決定された値とは、最大通信帯域幅に、例えば70%等の予め定められた割合を乗じた値であってよい。予め定められた閾値は、ネットワーク10の各地点のそれぞれについて異なる値が設定されてよい。
【0047】
判定部112によって予測値算出部108が算出したトラフィック予測値が予め定められた閾値より大きいと判定された場合に、予測値出力部110は、警告を出力してよい。予測値出力部110は、表示出力及び音声出力の少なくとも一方によって警告を出力してよい。
【0048】
ルーティング変更部114は、ネットワーク10の複数の地点の少なくとも1つにおけるルーティングの設定を変更する。ルーティング変更部114は、例えば、ネットワーク10内において障害が発生した場合に、障害が発生した地点のトラフィックを迂回させるべくルーティングの設定を変更してよい。
【0049】
また、ルーティング変更部114は、判定部112によって、トラフィック予測値が予め定められた閾値より大きいと判定された場合に、ルーティングの設定を変更してよい。例えば、一の地点における3時間後のトラフィック予測値が予め定められた閾値より大きいと判定部112によって判定された場合、ルーティング変更部114は、3時間後までに、当該一の地点のトラフィックを迂回させるべくルーティングの設定を変更する。これにより、トラフィック予測値が予め定められた閾値よりも大きいと判定された地点における逼迫障害の発生を防止することができる。
【0050】
変更情報取得部116は、変更されるネットワーク10のルーティング制御に関する情報を示す変更情報を取得する。変更情報取得部116は、例えば、第1の時刻と第2の時刻との間に変更されるネットワーク10のルーティング制御に関する情報を示す変更情報を取得する。
【0051】
変更情報取得部116は、ルーティング変更部114によって変更される変更情報を取得してよい。また、変更情報取得部116は、ネットワーク10のルーティング制御を実行する他の装置から変更情報を受信してもよい。また、変更情報取得部116は、予測装置100を操作する操作者によって入力された変更情報を取得してもよい。
【0052】
変化量導出部118は、変更情報取得部116が取得した変更情報に基づいて、ネットワーク10の各地点のトラフィックの変化量を導出する。変化量導出部118は、第1の時刻と第2の時刻との間に変更されるネットワーク10のルーティング制御に関する情報を示す変更情報に基づいて、第2の時刻における各地点のトラフィックの変化量を導出してよい。
【0053】
変化量導出部118は、例えば、変化情報が、一の地点から他の地点に対してトラフィックを迂回させることを示す場合、迂回されるトラフィック量を、一の地点から迂回されるトラフィック量として、及び、他の地点に対して迂回されるトラフィック量として導出する。
【0054】
迂回量取得部120は、変化量導出部118によって導出されたトラフィック量を取得する。迂回量取得部120は、例えば、予測値算出部108が一の地点のトラフィック予測値を算出する場合、当該一の地点に対して迂回されるトラフィック量及び当該一の地点から迂回されるトラフィック量の少なくともいずれかを取得する。
【0055】
予測値算出部108は、ネットワーク10の一の地点における第2の時刻のトラフィック予測値を算出する場合に、当該一の地点のトラフィックパターンにおける第1の時刻と第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、当該一の地点の第1の時刻のトラフィック実測値と、当該一の地点に対して迂回されるトラフィック量及び当該一の地点から迂回されるトラフィック量の少なくとも一方とを用いてよい。具体例として、予測値算出部108は、第1の時刻と第2の時刻と間のトラフィックの変動率を、第1の時刻のトラフィック実測値に乗じた値に対して、当該一の地点に対して迂回されるトラフィック量の加算及び当該一の地点から迂回されるトラフィック量の減算の少なくとも一方を施すことによって、第2の時刻のトラフィック予測値を算出する。
【0056】
予測値算出部108は、ネットワーク10のルーティング制御が変更される毎に、トラフィック予測値を算出してよい。これにより、例えば、予測値算出部108によって算出された一の地点のトラフィック予測値が予め定められた閾値より大きいことに応じて、ルーティング変更部114がネットワーク10のルーティング設定を変更した結果、一の地点の逼迫障害の発生を防ぐことができるかを把握することができ、かつ、ルーティング設定の変更の結果、他の地点に逼迫障害が発生してしまうか否かを把握することができる。
【0057】
図5は、トラフィックパターン502、504、506の一例を概略的に示す。トラフィックパターン502は、ネットワーク10の一の地点における、イベントが発生していないときのトラフィックを示す。トラフィックパターン504は、0時に一のソフトウエアの第1バージョンがリリースされたときの、当該一の地点におけるトラフィックを示す。トラフィックパターン506は、トラフィックパターン502及びトラフィックパターン504に基づいてパターン生成部104が生成した、一のソフトウエアの第2バージョンがリリースされるときのトラフィックパターンを示す。
【0058】
パターン生成部104は、まず、トラフィックパターン504とトラフィックパターン502との差分を算出する。パターン生成部104は、例えば、トラフィックパターン504とトラフィックパターン502との各時刻における差分を算出する。
【0059】
パターン生成部104は、次に、算出した差分に対して、一のソフトウエアの第1バージョンと第2バージョンとのデータ量の差異を反映する。パターン生成部104は、例えば、第1バージョンのデータ量に対する第2バージョンのデータ量の割合を、トラフィックパターン504とトラフィックパターン502との差分に対して乗じる。具体例として、第1バージョンのデータ量が1Gバイトであり、第2バージョンのデータ量が1.5Gバイトである場合、パターン生成部104は、トラフィックパターン504とトラフィックパターン502との差分に対して、1.5を乗じる。
【0060】
そして、パターン生成部104は、第1バージョンと第2バージョンとのデータ量の差異を反映した差分を、トラフィックパターン502に加算することによって、トラフィックパターン506を生成する。このように、パターン生成部104は、一のソフトウエアの旧バージョンのリリースイベントが発生したときのトラフィックの履歴と、イベントが発生していないときのトラフィックの履歴と、当該一のソフトウエアの旧バージョン及び新バージョンのデータ量とに基づいて、当該一のソフトウエアの新バージョンのリリースイベントに対応するトラフィックパターンを生成してよい。
【0061】
なお、ここでは、パターン生成部104が、イベントが発生していないときのトラフィックパターン502に対して、イベントが発生したときのトラフィックパターン504を適用することによって、トラフィックパターン506を生成する場合について説明したが、これに限らず、パターン生成部104は、イベントが発生していないときのトラフィックパターン502に対して、任意のトラフィック量を適用することによって、新たなトラフィックパターンを生成してもよい。例えば、パターン生成部104は、トラフィックパターン502に対して、任意のトラフィック量を乗算又は加算することによって、新たなトラフィックパターンを生成する。
【0062】
図6は、ネットワーク10の一例を概略的に示す。図6に示す例では、ノードA602とノードD608との間の経路として、ノードB604及びノードC606を介する経路と、ノードE610及びノードF612を介する経路と、ノードG614及びノードH616を介する経路とがある。ノードA602、ノードB604、ノードC606、ノードD608、ノードE610、ノードF612、ノードG614及びノードH616のそれぞれは、他の経路の一部となっていてよい。
【0063】
ここで、予測値算出部108によって算出されたノードB604のトラフィック予測値が予め定められた閾値より大きい場合、ルーティング変更部114は、ノードA602からノードB604へのトラフィックの少なくとも一部をノードE610に対して迂回させるべく、ルーティング情報を変更してよい。
【0064】
そして、ルーティング変更部114によってルーティング情報が変更された後、予測値算出部108は、ノードE610のトラフィック予測値を改めて算出してよい。そして、仮に、予測値算出部108によって算出されたノードE610のトラフィック予測値が予め定められた閾値より大きい場合、ルーティング変更部114は、ノードA602からノードE610へのトラフィックの少なくとも一部をノードG614に迂回させるべく、ルーティング情報を変更してよい。また、ルーティング変更部114は、ノードA602からノードB604へのトラフィックの、ノードE610に対する迂回量を低減させるべく、ルーティング情報を変更してもよい。これにより、ネットワーク10全体の逼迫障害の発生を効率的に防止することができる。
【0065】
図7は、予測装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、実測値取得部106が、第1の時刻のトラフィック実測値を取得した状態を開始状態として説明する。図7に示す各処理は、予測装置100が備える制御部が主体となって実行される。
【0066】
S702では、予測値算出部108が、パターン生成部104によって生成されたトラフィックパターンを取得する。予測値算出部108は、第1の時刻がイベント発生後の時刻である場合、当該イベントに対応するトラフィックパターンを取得してよい。また、予測値算出部108は、第1の時刻が属する日付の属性に対応するトラフィックパターンを取得してよい。
【0067】
S704では、予測値算出部108が、S702で取得したトラフィックパターンにおける第1の時刻と第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、第2の時刻のトラフィック予測値を算出する。またさらに、予測値算出部108は、S702で取得したトラフィックパターンと、第2の時刻のトラフィック予測値又は第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、第2の時刻よりも後の時刻のトラフィック予測値を算出する。予測値算出部108によって算出されたトラフィック予測値は、予測値出力部110によって出力されてよい。
【0068】
S706では、判定部112が、S704で算出された複数のトラフィック予測値のうち少なくとも1つが、予め定められた閾値より大きいか否かを判定する。判定部112によって、複数のトラフィック予測値のうち少なくとも1つが予め定められた閾値より大きいと判定された場合、S708に進み、判定されなかった場合、S710に進む。S708では、予測値出力部110が警告を出力する。
【0069】
S710では、ネットワーク10のルーティング制御に変更があったか否かを判定する。ネットワーク10のルーティング制御に変更があったと判定された場合、S704に戻って、予測値算出部108が、第2の時刻と、第2の時刻よりも後の時刻のトラフィック予測値を算出する。ネットワーク10のルーティング制御に変更があったと判定されなかった場合、S712に進む。
【0070】
S712では、実測値取得部106によって新たなトラフィック実測値が取得されたか否かが判定される。新たなトラフィック実測値が取得されたと判定された場合、S704に戻って、予測値算出部108が、S702で取得されたトラフィックパターンと、新たなトラフィック実測値とを用いて、新たなトラフィック実測値に対応する時刻よりも後の時刻のトラフィック予測値を算出する。
【0071】
新たなトラフィック実測値が取得されたと判定されなかった場合、S714に進む。S714では、トラフィック予測値の算出処理の終了指示が有ったか否かを判定する。終了指示があったと判定されなかった場合、S710に戻り、終了指示があったと判定された場合、処理を終了する。
【0072】
図8は、予測値出力部110による表示例800を概略的に示す。表示例800は、予測装置100が日本全国のネットワーク10内の各地点のトラフィック予測値を算出した場合の表示例を示す。予測値出力部110は、予測値算出部108が算出したトラフィック予測値を、地図表示810として表示出力してよい。
【0073】
地図表示810は、都道府県毎のトラフィック予測値を識別して示す。地図表示810は、トラフィック予測値が高いほど、濃度の高いハッチングが施された例を示す。なお、トラフィック予測値の高低が識別できれば、他の表示態様であってもよい。
【0074】
スライドバー820は、時刻の選択を可能にする。図8に示す例では、一日の時刻を選択できる場合を例示しているが、これに限らず、複数日の時刻を選択可能としてもよく、また、一日のうちの一部の時刻を選択可能としてもよい。表示例800の閲覧者は、スライドバー820を操作することによって、日本全国の各地域における各時刻のトラフィック予測値を容易に把握することができる。
【0075】
ここでは、表示例800が、日本全国の地域毎に異なるハッチングを施す例を挙げて説明したが、これに限らない。各地域のトラフィック予測値の高低を直感的に理解できる表示であれば、どのような表示であってもよい。例えば、予測値出力部110は、日本の地図上に、トラフィック予測値の高低に対応する等高線を表示させてもよい。
【0076】
以上の説明において、予測装置100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよい。また、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、予測装置100として機能してもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、予測装置100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
【0077】
コンピュータにインストールされ、コンピュータを本実施形態に係る予測装置100として機能させるプログラムは、CPU等に働きかけて、コンピュータを、予測装置100の各部としてそれぞれ機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと予測装置100のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0079】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0080】
10 ネットワーク、12 トラフィック量測定装置、100 予測装置、102 履歴格納部、104 パターン生成部、106 実測値取得部、108 予測値算出部、110 予測値出力部、112 判定部、114 ルーティング変更部、116 変更情報取得部、118 変化量導出部、120 迂回量取得部、202 トラフィックパターン、204 トラフィックパターン、300 トラフィックパターン、402 実測値、404 予測値、406 予測値、408 予測値、410 予測値、502 トラフィックパターン、504 トラフィックパターン、506 トラフィックパターン、602 ノードA、604 ノードB、606 ノードC、608 ノードD、610 ノードE、612 ノードF、614 ノードG、616 ノードH、800 表示例、810 地図表示、820 スライドバー
【要約】
【課題】ネットワーク回線の逼迫障害を予測する精度の向上が望まれていた。
【解決手段】ネットワーク内の地点におけるトラフィックの履歴に基づいて、当該地点の予め定められた時間毎のトラフィックを示すトラフィックパターンを生成するパターン生成部と、当該地点における第1の時刻のトラフィック実測値を取得する実測値取得部と、トラフィックパターンにおける第1の時刻と第2の時刻との間のトラフィックの変動率と、第1の時刻のトラフィック実測値とに基づいて、第2の時刻のトラフィック予測値を算出する予測値算出部とを備える予測装置を提供する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8