特許第5809071号(P5809071)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5809071
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20151021BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20151021BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20151021BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20151021BHJP
【FI】
   H02J7/00 301B
   H02J7/00 PZHV
   H01M10/46 101
   H01M10/44 Q
   B60L11/18 C
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-7270(P2012-7270)
(22)【出願日】2012年1月17日
(65)【公開番号】特開2013-150391(P2013-150391A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズメジャメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 繁
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 栄三
(72)【発明者】
【氏名】門脇 純司
【審査官】 松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−228695(JP,A)
【文献】 特開2010−154646(JP,A)
【文献】 特開2009−171690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 11/18
H01M 10/44
H01M 10/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被充電体の充電コンセントに接続される充電コネクタと、
前記充電コネクタに接続された給電ケーブルと、
前記充電コネクタが前記被充電体に接続されたか否かを検出する接続検出手段と、
前記被充電体への充電に先立って顧客情報を含む充電に必要な情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された入力情報を記憶する記憶手段と、
前記接続検出手段により前記充電コネクタが前記被充電体に接続されたことが検出された場合、前記記憶手段に記憶された入力情報に基づいて前記充電コネクタへの給電制御を行う給電制御部と
前記給電制御部に設けられ、前記接続検出手段により前記充電コネクタが前記被充電体から外されたことが検出された場合、前記充電コネクタへの給電が開始される前であれば前記記憶手段に記憶された入力情報を保持し、前記充電コネクタへの給電が開始された後であれば前記記憶手段に記憶された入力情報を消去する記憶情報管理手段と、を備えた充電装置において、
前記記憶情報管理手段は、前記充電コネクタへの給電が開始される前に前記接続検出手段により前記充電コネクタが前記被充電体から外されたことが予め設定された所定回数検出された場合、前記記憶手段に記憶された入力情報を消去する
ことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記記憶情報管理手段は、前記充電コネクタが前記被充電体から外されたことが予め設定された所定回数に達しない場合であって、前記接続検出手段により前記充電コネクタが前記被充電体に接続されたことが検出された場合には、前記記憶手段に記憶された入力情報を保持する
ことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充電装置に係り、特に電気自動車に搭載されたバッテリを充電する充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車及びプラグインハイブリット自動車が普及されると共に、自動車に搭載されたバッテリ(被充電体)に充電する充電装置の開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のものは、天候に影響されない道路側縁に設置されることを想定している。
【0003】
従来の充電装置の充電作業手順は、次の通りである。
(手順1)充電コネクタ(又は「接続プラグ」とも言う)の収納部を筐体から露出させた状態にした後、充電コネクタを取出して車両に設けられた充電用コンセントに充電コネクタを接続(連結)する。
(手順2)カードキーあるいはクレジットをカード読取り器に読み取らせ、入力されたデータ(充電時間や顧客情報を含む入力情報)を識別し、充電可能であれば、充電コネクタへの給電を開始する。
(手順3)予め設定された電気量あるいは充電時間に達すると、充電コネクタへの給電を停止すると共に、充電完了したことを報知する。
(手順4)充電コネクタを収納部に戻して当該収納部を筐体内に収納させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−260671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の充電装置では、充電コネクタの着脱操作が誰でも行えるため、所定の入力情報が正しく設定されている場合、充電開始後に充電コネクタを着脱操作して複数のバッテリに対して充電を行えるようになっている。このため、充電中の充電コネクタを車両から外して他の車両のバッテリに充電することも可能であり、例えば充電中の車両の隣りに駐車した他人の車両のバッテリに充電が行われてしまうような不正使用(他人の顧客情報を利用して勝手に充電する行為)のおそれがある。
【0006】
このような不正使用問題を解消するため、充電開始後において充電コネクタが当初の充電対象である車両から取り外された場合には、充電前に設定した入力情報(充電時間や顧客情報を含む)を再入力しなければ充電を再開することができないように制御することが望まれている。
【0007】
しかしながら、このような制御方式では、充電コネクタを着脱する度に入力情報の再入力操作を行うことは、操作者の負担となるため、充電操作の手間を簡略化して操作性の改善が望まれている。
【0008】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した充電装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、被充電体の充電コンセントに接続される充電コネクタと、
前記充電コネクタに接続された給電ケーブルと、
前記充電コネクタが前記被充電体に接続されたか否かを検出する接続検出手段と、
前記被充電体への充電に先立って顧客情報を含む充電に必要な情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された入力情報を記憶する記憶手段と、
前記接続検出手段により前記充電コネクタが前記被充電体に接続されたことが検出された場合、前記記憶手段に記憶された入力情報に基づいて前記充電コネクタへの給電制御を行う給電制御部と、を備えており、
前記給電制御部は、前記接続検出手段により前記充電コネクタが前記被充電体から外されたことが検出された場合、前記充電コネクタへの給電が開始される前であれば前記記憶手段に記憶された入力情報を保持し、前記充電コネクタへの給電が開始された後であれば前記記憶手段に記憶された入力情報を消去する記憶情報管理手段と、を備えた充電装置において、
前記記憶情報管理手段は、前記充電コネクタへの給電が開始される前に前記接続検出手段により前記充電コネクタが前記被充電体から外されたことが予め設定された所定回数検出された場合、前記記憶手段に記憶された入力情報を消去する
ことを特徴とする。
(2)本発明の前記記憶情報管理手段は、前記充電コネクタが前記被充電体から外されたことが予め設定された所定回数に達しない場合であって、前記接続検出手段により前記充電コネクタが前記被充電体に接続されたことが検出された場合には、前記記憶手段に記憶された入力情報を保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、接続検出手段により充電コネクタが被充電体から外されたことが検出された場合、充電コネクタへの給電が開始される前であれば記憶手段に記憶された入力情報を保持し、充電コネクタへの給電が開始された後であれば記憶手段に記憶された入力情報を消去するため、充電コネクタへの給電が開始される前に充電コネクタが被充電体から外された場合には入力情報を消去しない。このため、この場合には充電コネクタを再接続することで既に入力された入力情報に基づいて充電を行うことができ、入力情報の再入力操作を不要にできる。また、充電コネクタへの給電が開始される前であっても充電コネクタが被充電体から外された回数(着脱回数)が所定回数以上になった場合、入力情報を消去して第三者によるため、入力情報の不正使用を禁止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による充電装置の一実施例の正面図である。
図2】本発明による充電装置の一実施例の側面図である。
図3】充電装置の回路構成を示すブロック図である。
図4】充電装置の内部構造を示す縦断面図である。
図5】筐体の扉を開いた状態を示す斜視図である。
図6】充電装置から取出された充電コネクタを車両側の充電コンセントに接続した充電中の状態を示す図である。
図7】給電側制御装置が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。
図8】タッチパネルに表示される表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明による充電装置の一実施例を示す正面図である。図2は本発明による充電装置の一実施例の側面図である。図1及び図2に示されるように、充電装置10は、床面に固定される固定ベース12上に起立する長方形状の箱状の筐体20と、筐体20の正面開口を開閉する扉30とを有する。
【0014】
筐体20の上面には、タッチパネル40が取り付けられている。タッチパネル40は、テンキーあるいは各種操作キーを表示した場合に入力手段となり、操作手順等を表示した場合にガイダンス手段として機能する。
【0015】
扉30は、左側のヒンジにより水平方向に回動可能に支持されており、正面には、外部から内部が見えるように半透明ガラスが嵌め込まれた窓32が設けられている。また、扉30の右側には、開閉操作を行うための取っ手34が設けられている。
【0016】
さらに、扉30の下端には、充填中に給電ケーブルが挿通される逆U字状の下部開口36が設けられている。下部開口36は、側方からみると、下方に向けて傾斜する傾斜面に開口し、且つ、内部に収納された給電ケーブルを引き出した際、ケーブル外周の絶縁被膜に損傷を与えないように横幅広形状に形成されている。
【0017】
図3は充電装置10の回路構成を示すブロック図である。図3に示されるように、充電装置10は、充電回路50と、表示装置60と、入力装置70とを有する。また、充電回路(CCID:Charging Circuit Interrupt Device)50は、給電側制御装置80と、給電側通信装置90と、給電側充電制御装置100とを有する。
【0018】
タッチパネル40は、液晶パネルからなる表示装置60の画面上にタッチセンサからなる入力装置70を重ね合わせた構成である。すなわち、タッチパネル40に表示されるテンキーや充電開始スイッチ釦が入力装置70として機能する。尚、タッチパネル40を設ける代わりに、表示装置60と入力装置70とがモニタと複数のスイッチとから構成される個別の装置として筐体20の上部に配置しても良い。
【0019】
扉30は、筐体20の正面開口を閉状態でロックされる扉ロック装置110と、筐体20の正面開口を開又は閉状態であることを検知する扉開閉状態検知スイッチ120とを有する。扉ロック装置110は、例えば、電磁ソレノイドが電気信号によって励磁されると、扉30を閉状態に係止して開動作を規制するように構成されている。また、扉開閉状態検知スイッチ120は、扉30が開又は閉状態であるときに検知信号を出力する機械的スイッチ、あるいは光センサなどの非接触式スイッチなどからなる。
【0020】
給電側制御装置80(給電制御部)は、例えばマイクロコンピュータなどからなり、表示装置60に表示する表示データを制御しており、入力装置70から入力された充填開始信号、又は給電側通信装置90を介して入力される車両Hから送信される車両識別信号、及び扉開閉状態検知スイッチ120からの扉閉状態検知信号に基づいて給電側充電制御装置100に充電開始信号を出力する。また、給電側制御装置80は、入力装置70により入力された情報を記憶装置82(記憶手段)に記憶させると共に、入力装置70により入力された充電開始信号または充電停止信号により記憶装置82に記憶された各制御プログラム及び各情報に基づいて充電制御処理を実行、停止する。
【0021】
また、給電側制御装置80は、接続検出手段により充電コネクタ160が車両Hの充電コンセント200から外されたことが予め設定された所定回数以上検出された場合、充電コネクタ160への給電が開始される前であれば記憶装置82に記憶された入力情報を保持し、充電コネクタ160への給電が開始された後であれば記憶装置82に記憶された入力情報を消去する記憶情報管理手段84を有する。
【0022】
給電側充電制御装置100は、給電側制御装置80からの制御信号に基づいて充電コネクタ160への給電(電流)のオンまたはオフを切替えるリレーなどからなる切替回路を有する。給電側充電制御装置100の出力側には、給電ケーブル150が接続され、給電ケーブル150の先端には充電コネクタ160が接続されている。また、充電コネクタ160は、その先端部に充電用端子及び通信用端子を有する。
【0023】
車両Hは、電気自動車(EV車)又はプラグインハイブリット車(PH車)であり、充電式バッテリ170と、車両側通信装置180と、車両側充電制御装置190とを有する。車両側通信装置190は、充電式バッテリ170への充電が可能である場合にその旨を示す充電可能信号を給電側制御装置80に対して充電コネクタ160を介して出力するとともに、充電コネクタ160を介して充電式バッテリ(被充電体)170の充電方式を識別するための車両識別信号等を送受信する。また、車両側充電制御装置190は、充電コネクタ160が接続される充電コンセント200を有する。
【0024】
給電側充電制御装置100では、元電源210(AC100V)からの電圧、電流を充電コネクタ160に給電し、充電コンセント200及び車両側充電制御装置190を介して当該車両Hに搭載された充電式バッテリ170に充電する。
【0025】
図4は充電装置10の内部構造を示す縦断面図である。図4に示されるように、筐体20の内部には、充電コネクタ160及び給電ケーブル150を収納する収納部22が設けられている。収納部22は、扉30により閉塞されており、充電コネクタ160及び給電ケーブル150を取出す際、または収納させる際に扉30が開放される。
【0026】
また、収納部22の奥側には、隔壁24によって仕切られた空間25が形成されている。隔壁24の内側に形成された空間25には、充電回路50と、漏電防止器などの各種電気機器240等が収納されている。
【0027】
収納部22の隔壁24の前面には、充電コネクタ160を保持する保持部26が設けられている。保持部26は、隔壁24の内側(奥側)に向けて斜め下方に延在する凹部形状に形成されており、正面から充電コネクタ160を挿入しやすい形状に形成されている。
【0028】
また、隔壁24の前面下部には、給電ケーブル150を掛止するケーブル掛止部230が突出している。ケーブル掛止部230は、棒状の先端に大径部があり、給電ケーブル150を2重、3重に巻回した状態に掛止することができる。さらに、給電ケーブル150は、隔壁24の下端に設けられた挿通孔から隔壁24の内側に挿入されており、隔壁24の内側に配された充電回路50に接続されている。
【0029】
また、電気機器240は、電源ケーブル152及び接続ケーブル154が引き出されている。電源ケーブル152は、固定ベース12の貫通孔を挿通されて外部に設置された元電源210に接続され、接続ケーブル154はタッチパネル40に接続されている。
【0030】
図5は筐体20の扉30を開いた状態を示す斜視図である。図5に示されるように、扉30は、左側面の縁部がヒンジにより水平方向に回動可能に支持されているため、右側面の取っ手34に手をかけて容易に開閉操作を行える。
【0031】
充電コネクタ160は、隔壁24の保持部26に挿入された状態で保持されている。充電前の準備作業としては、扉30を開いて、保持部26から充電コネクタ160を取出しながら給電ケーブル150を外部に引き出す。その際、給電ケーブル150は、隔壁24の下端付近から充電回路50に接続されているため、床面に沿うように配され、扉30を閉じるときに下部開口36内に挿通されることになる。
【0032】
図6は充電装置10から取出された充電コネクタ160を車両側の充電コンセント200に接続した充電中の状態を示す図である。図6に示されるように、扉30を開いて筐体20の前側を開放することで充電コネクタ160が取出される。次に扉30が閉じられ、給電ケーブル150が扉30の下部開口36に挿通された状態となる。その後、充電コネクタ160は、車両Hの充電コンセント200に接続される。この後、タッチパネル40に表示されたテンキー(入力装置70)などにより予め登録された当該車両Hの識別番号(ID:識別情報)を入力し、当該識別番号が正規の登録番号である場合に、充電スタートスイッチ釦(充電開始スイッチ)がタッチパネル40に表示される。そして、操作者が充電スタートスイッチ釦(入力装置70)を押圧操作することで、当該車両Hに搭載された充電式バッテリ170への充電が開始される。
【0033】
なお、本実施例においては、操作者が充電スタートスイッチ釦(入力装置70)を押圧操作することで、当該車両Hに搭載された充電式バッテリ170への充電が開始されるように構成されている。しかしながら、充電スタートスイッチ釦(入力装置70)の表示を省略し、車両側通信装置180と給電側通信装置90との間で通信が可能となったことを給電側制御装置80で確認できたことをもって車両Hに搭載された充電式バッテリ170への充電が自動的に開始されるようにしてもよい。
【0034】
また、操作者は、充電開始直後に給電ケーブル150が長すぎたり、あるいは短すぎることに気付いた場合、扉30を開いて給電ケーブル150の長さを調整する。このとき、扉30の扉ロック装置110は、まだロック状態に作動していない。
〔給電側制御装置80による充電制御の制御処理〕
図7は給電側制御装置80が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。図7に示されるように、給電側制御装置80は、S11で表示装置60(タッチパネル40)にID・パスワードが入力されたか否かをチェックする。ID入力とは、例えば予め各車両毎に予め決められた識別番号(4桁の数字又は文字、記号の組み合わせ)を入力装置70(タッチパネル40)で入力することを意味する。また、パスワードとは、顧客が登録する際に、本人確認のために設定された4桁の数字の組み合わせを意味する。
【0035】
S11において、タッチパネル40の入力装置70からID・パスワードの入力がない場合(NOの場合)、S12に進み、ID・パスワード入力指示画面40A(図8(A)参照)をタッチパネル40に表示させる。操作者がID・パスワード入力指示画面40Aに触ると、ID・パスワード入力指示画面40B(図8(B)参照)をタッチパネル40に表示させる。これにより、操作者がタッチパネル40に表示されたテンキー42(入力手段)を操作してID・パスワードの入力が行える。また、S11において、タッチパネル40からID・パスワードの入力があった場合(YESの場合)、S11aに進み、入力されたID・パスワード(入力情報)を充電開始の条件として記憶装置82に記憶させる。
【0036】
続いて、S13に進み、タッチパネル40から充電時間が入力されたか否かをチェックする。S13において、タッチパネル40から充電時間が入力されない場合(NOの場合)、S14に進み、充電時間設定指示表示画面40C(図8(C)参照)をタッチパネル40に表示させる。また、S13において、タッチパネル40に表示された充電時間設定スイッチ釦44(入力手段)の操作により充電時間が入力された場合(YESの場合)、S13aに進み、タッチパネル40の充電時間設定スイッチ釦44の操作により入力された充電時間を充電開始の条件として記憶装置82に記憶させる。
【0037】
なお、本実施例においては、充電時間設定スイッチ釦44(入力手段)の操作により充電時間を設定するように構成されているが、充電時間の設定は上述の操作に限られるものではない。例えば、ID・パスワードに対応する充電時間を予め記憶する充電時間記憶部を設けておき、ID・パスワードが入力された場合には当該充電時間記憶部よりID・パスワードに対応する充電時間を読み出してこれを充電時間として設定するようにして、操作者自身による充電時間の設定作業を省略するようにしても良い。
【0038】
次のS15では、扉30のロック解除信号を出力する。続いて、S16に進み、充電コネクタ160の接続指示表示画面(図示せず)をタッチパネル40に表示させる。
【0039】
次のS17では、給電側の充電コネクタ160が車両Hの車両側の充電コンセント200に接続されたか否かをチェックする(接続検出手段)。S17において、車両Hの車両側充電制御装置190から充電可能であることを示す制御信号(充電可能信号)が入力されない場合、給電側の充電コネクタ160が車両Hの車両側の充電コンセント200に接続されていないものと判断し(NOの場合)、上記S16の処理に戻り、充電コネクタ160の接続指示表示画面をタッチパネル40に表示させる。
【0040】
なお、本実施例の接続検出手段は、車両Hの車両側充電制御装置190からの制御信号(充電可能信号)の入力の有無に基づき、給電側の充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200に接続されているか否かを判断するように構成されている。しかしながら、接続検出手段はこのようなものに限定されるものではなく、例えば、充電コネクタ160自体に当該充電コネクタ160が物理的に車両Hの車両側の充電コンセント200に接続されていることを検出した場合に上述の制御信号と同様の信号を出力する接続検出スイッチ(接続検出手段)を設けても良い。この場合、給電側制御装置80では、接続検出スイッチよりの制御信号の出力の有無に基づき充電コネクタ160が充電コンセント200に接続されているか否かを判断する。
【0041】
また、S17において、車両Hの車両側充電制御装置190から充電可能であることを示す信号(充電可能信号)が入力された場合には、給電側の充電コネクタ160が車両Hの車両側の充電コンセント200に接続されたものと判断し(YESの場合)、S18に進む。S18では、充電開始待ち表示画面40D(図8(D)参照)をタッチパネル40に表示させる。
【0042】
次のS19では、充電開始か否かをチェックする。S19において、充電コネクタ160への給電による充電電流が検出されない場合(NOの場合、即ち、給電側充電制御装置100から給電ケーブル150・充電コネクタ160を介して車両Hに対して電力が供給されていない場合)、S20に進み、充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200に接続されているか否かをチェックする(接続検出手段)。なお、このチェックの仕方は前述のS17のチェックの仕方と同様である。
【0043】
S20において、車両側充電制御装置190から充電可能であることを示す信号(充電可能信号)が入力された場合(YESの場合)には、充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200に正常に接続されていることが確認されたため、上記S19の処理に戻る。従って、充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200に接続されているが、充電コネクタ160から車両側の充電コンセント200への給電ケーブル150を介しての実際の給電が開始されていない間は、上記S19、S20の処理を繰り返している。
【0044】
また、S19において、タッチパネル40に表示された充電開始スイッチがオンに操作されて給電側充電制御装置100が充電コネクタ160への給電を開始して充電電流が検出されると、充電が開始されたものと判断し(YESの場合)、S21に進む。なお、充電開始スイッチを有していないものにあっては、給電側充電制御装置100が充電コネクタ160への給電を開始して充電電流が検出されると、充電が開始されたものと判断し(YESの場合)、S21に進む。
【0045】
S21では、充電中表示画面40E(図8(E)参照)をタッチパネル40に表示させ、充電中であることを操作者に報知する。
【0046】
次のS22では、充電開始から所定時間(例えば30秒)が経過したか否かをチェックする。S22において、充電開始から所定時間(例えば30秒)が経過していない場合(NOの場合)、S23に進み、充電終了か否かをチェックする。S23において、充電電流が検出されて充電中であると判断された場合(NOの場合)、上記S21の処理に戻り、S21〜S23の処理を繰り返す。
【0047】
また、S23において、例えば入力された所定の充電時間が経過した場合、あるいはタッチパネル40に表示された強制停止スイッチ釦45がオンに操作された場合、あるいは充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200から外されて充電電流が検出されない場合には、充電が終了したものと判断し(YESの場合)、後述するS29の処理に移行する。
【0048】
上記S22において、充電開始から所定時間(例えば30秒)が経過した場合(YESの場合)、S24に進む。
【0049】
S24では、扉開閉状態検知スイッチ120より扉30が閉状態であることを示す扉閉検知信号が入力されたか否かをチェックする。S24において、扉閉検知信号が入力されない場合(NOの場合)、S25に進み、充電中に扉30が開放されたことを報知する警報(ブザー音)を出力する。S24において、扉閉検知信号が入力されるまで、S24、S25の処理を繰り返す。
【0050】
また、S24において、扉30が閉じられると、扉閉検知信号が入力されるため(YESの場合)、S26に進み、扉ロック信号を出力して扉ロック装置110をロック状態に作動させて扉30を閉止状態にロックすると共に、警報が出力されている場合には警報を停止させる。
【0051】
次のS27では、充電終了か否かをチェックする。S27において、充電電流が検出されて充電中であると判断された場合(NOの場合)、S28に進み、充電中をタッチパネル40に表示させる。
【0052】
また、S27において、例えば入力された所定の充電時間が経過した場合、あるいはタッチパネル40に表示された強制停止スイッチ釦45がオンに操作された場合、あるいは充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200から外されて充電電流が検出されない場合には、充電が終了したものと判断し(YESの場合)、S29に進み、扉ロック解除信号を出力して扉ロック装置110による扉30のロックを解除させる。
【0053】
次のS30では、充電終了表示画面40F(図8(F)参照)をタッチパネル40に表示させる。続いて、S31に進み、充電終了後の作業が終了したか否かをチェックする。S31において、例えば充電終了から所定時間(例えば30秒)が経過していない場合、あるいはタッチパネル40に表示された充電終了スイッチがオンに操作されていない場合(NOの場合)、S30の処理に戻り、S30、S31の処理を繰り返す。
【0054】
また、S31において、例えば充電終了から所定時間(例えば30秒)が経過した場合、あるいはタッチパネル40に表示された充電終了スイッチ釦46がオンに操作された場合(YESの場合)、S32に進み、記憶装置82に記憶された当該ID・パスワード・充電時間などの入力情報を消去する。これで、今回の一連の充電制御処理は、終了する。
【0055】
また、S20において、車両側充電制御装置190から充電可能であることを示す信号(充電可能信号)が入力されなかった場合(NOの場合)には、充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200に正常に接続されていることが確認されないため、充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200から外されて分離されたものと判断してS33に進む。そして、S33では、前回の着脱回数Nに1を加算して着脱回数N=N+1とする。
【0056】
次のS34では、車両Hへの充電開始前(即ち、給電側充電制御装置100から給電ケーブル150・充電コネクタ160を介して車両Hに対して電力が供給される前)における充電コネクタ160と車両側の充電コンセント200との着脱回数Nが予め設定された所定回数A(例えば3〜5回)より大きい値か否かをチェックする。S34において、着脱回数Nが予め設定された所定回数Aより大きい場合(N>A、YESの場合)、車両Hへの充電開始前における操作者の作業内容に異常があるもの(例えば、不正使用による充電作業が行われようとしているもの)と判断してS32に進み、記憶装置82に記憶された当該ID・パスワード・充電時間などの入力情報を消去する。これで、今回の一連の充電制御処理は、終了する。
【0057】
例えば操作者が充電コネクタ160を車両側の充電コンセント200から分離して充電を中止した場合、その後第三者が充電装置10を使用する際には前回のID・パスワード・充電時間などの入力情報が消去されているので、第三者による入力情報の不正使用を禁止することができる。
【0058】
また、S34において、着脱回数Nが予め設定された所定回数A以下の場合(N≦A、NOの場合)、当該着脱作業は、例えば、操作者が車両Hへの充電のために余分に引き出した給電ケーブル150を収納部22に収納するためや、充電コネクタ160と車両側の充電コンセント200との接続が不十分であるために車両Hへの給電が行えない状態となっている状態を解消するために行われたものであり、操作者は先に入力した入力情報に基づいた充電を開始しようとしているものと判断してS35に進む。S35では、取消し操作または充電コネクタ160の接続を案内する取消・充電コネクタ接続表示画面40G(図8(G)参照)をタッチパネル40に表示させる。
【0059】
続いて、S36では、充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200に接続されたか否かをチェックする(接続検出手段)。S36において、車両側充電制御装置190から充電可能であることを示す信号(充電可能信号)が入力された場合(YESの場合)には、充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200に正常に接続されたことが確認されたため、上記S18の処理に戻り、充電開始待ち表示画面40D(図8(D)参照)をタッチパネル40に表示させ、S19以降の充電処理を行う。
【0060】
これにより、充電コネクタ160より車両Hの充電コネクタ160への給電開始の前に、操作者が充電コネクタ160を車両側の充電コンセント200に接続し直した場合には先に入力した入力情報は消去さないため、入力情報の再入力をすることなく車両Hへの充電を開始することができる。即ち、前述したS11aで記憶装置82に記憶されたID・パスワード及びS13aで記憶装置82に記憶された充電時間などの入力情報は、記憶装置82に記憶されたままである。そのため、充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200に再接続された場合には、各入力情報を再入力する必要がなく、充電再開のための操作が簡略化される。
【0061】
また、上記S36において、車両側充電制御装置190から充電可能であることを示す信号(充電可能信号)が入力されていない場合(NOの場合)には、S37に進む。
【0062】
S37では、タッチパネル40に表示された取消・充電コネクタ接続表示画面40G(図8(G)参照)の取消スイッチ釦46が操作されたか否かをチェックする。S37において、取消スイッチ釦46が操作されなかった場合(NOの場合)、上記S35に戻り、S35〜S37の処理を繰り返す。従って、充電コネクタ160が車両側の充電コンセント200から外された後、充電コネクタ160の再接続が行われず、且つ取消スイッチ釦46が操作されない場合には、S35〜S37の処理が繰り返される待機状態となる。
【0063】
また、S37において、タッチパネル40に表示された取消スイッチ釦46が操作された場合(YESの場合)、充電を中止するものと判断し、S32に進み、記憶装置82に記憶された当該ID・パスワード・充電時間などの入力情報を消去する。これで、今回の一連の充電制御処理は、終了する。
【0064】
このように、操作者が充電コネクタ160を車両側の充電コンセント200から外しても、充電コネクタ160より充電コンセント200への給電が開始されていない場合には、記憶装置82に記憶された入力情報(ID・パスワード及び充電時間などの入力情報)は消去されないように構成されているため、この場合には充電コネクタ160を車両側の充電コンセント200に接続するだけで入力情報を再入力せずに、当該車両Hに搭載されたバッテリ170への充電を行うことができる。
【0065】
また、上記S35〜S37の処理では、操作者が充電コネクタ160を再接続した場合に記憶装置82に記憶された入力情報が保持され、タッチパネル40に表示された取消スイッチ釦46を操作した場合に記憶装置82に記憶された入力情報が消去されるようにしたが、これに限らず、例えば、充電コネクタ160が外された後に所定時間(例えば2〜3分程度)が経過しても充電コネクタ160が充電コンセント200に再接続されない場合、記憶装置82に記憶された入力情報を消去するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0066】
上記実施例では、車両に搭載された充電式バッテリに充電する場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、車両以外の充電式バッテリを充電する場合にも本発明を適用することができるのは勿論である。
【0067】
上記実施例では、給電側制御装置80において、図7に示す制御処理を実行する場合について説明したが、これに限らず、例えば給電側充電制御装置100に実装されたマイクロコンピュータにより上記制御処理を実行するようにしても良いのは勿論である。
【符号の説明】
【0068】
10 充電装置
20 筐体
22 収納部
24 隔壁
25 空間
26 保持部
30 扉
40 タッチパネル
40A ID・パスワード入力指示画面
40B ID・パスワード入力指示画面
40C 充電時間設定指示表示画面
40D 充電開始待ち表示画面
40E 充電中表示画面
40F 充電終了表示画面
40G 取消・充電コネクタ接続表示画面
42 テンキー
44 充電時間設定スイッチ釦
45 強制停止スイッチ釦
46 充電終了スイッチ釦
47 取消スイッチ釦
50 充電回路
60 表示装置
70 入力装置
80 給電側制御装置
82 記憶装置(記憶手段)
84 記憶情報管理手段
90 給電側通信装置
100 給電側充電制御装置
110 扉ロック装置
120 扉開閉状態検知スイッチ
150 給電ケーブル
160 充電コネクタ
170 充電式バッテリ(被充電体)
180 車両側通信装置
190 車両側充電制御装置
200 充電コンセント
210 元電源
230 ケーブル掛止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8