(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1は、首がすわっていない乳幼児を対象としても、容易かつ確実に携行でき、利用者の利便性を高めた子守帯が開示されている。しかし、抱かれている幼児の体形の安定性については追及するものがなかった。
また、特許文献2については、背板の少なくとも一部の外周に拡大部を設けることにより、使用者に背板が当たったときの背板の食い込みを抑えて接触時の感覚を和らげることができ、これにより、例えば、授乳姿勢のように支持具と使用者とが密着するような姿勢を取っても使用者が不快感を受けることなく長時間その姿勢を続けられるという作用効果を奏するものの、ベビーキャリアに抱かれている幼児体形の安全性については追及するものがない。特に、従来の首がすわっていない乳幼児を対象とした子守帯の横抱きの体形と、首がすわってからの乳幼児を対象とした子守帯の縦抱きの体形が、当該子守帯の使用者に過大な負担が加わることなく、かつ、乳幼児側にも体形に負担の少ない子守帯という概念は存在していない。また、横抱きの体形では乳幼児の足が子守帯から出ているので、当該子守帯の使用者の不注意で建造物等に当ててしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、首がすわっていない乳幼児を対象とした横抱きの体形と首がすわってからの乳幼児を対象とした縦抱きの体形が共に、使用者に過大な負担を加えることなく、かつ、乳幼児側の体形にも負担が少なく、また、横抱きの体形と縦抱きの体形との繋ぎ換えが簡単にできるベビーキャリアの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明にかかるベビーキャリアは、乳幼児の身体の腹側が直接的または背側が直接的、間接的にあてがわれる本体部、その本体部の縦抱き状態の下部と略逆T字状に接続され、使用者の腰回りに腰ベルト連結具によって配設される腰ベルト部、前記本体部の上部に一端が固着され、使用者側の肩または首の背後に回して、他端を前記本体部の縦抱き状態における下部に接続した一対の肩ベルト部と、前記一対の肩ベルト部の各々に配設された肩ベルト連結具と、前記本体部に重ね合わせて取付け、取外しが自在であり、かつ、乳幼児の身体の背側があてがわれる内部に剛性のある芯材を収容し、前記芯材の表面をクッション性に富む材料で覆った横抱き用補助具を具備する。
【0009】
ここで、上記本体部は、乳幼児の縦抱きの場合、腹側が直接的、背側が直接的、及び横抱きの場合、横抱き用補助具を介して背側が間接的にあてがわれるものである。
また、上記腰ベルト部は、縦抱きの際に使用者の腰回りに配設するもので、前記本体部に対して略逆T字状を描くように配置され、その水平方向の長さ方向の端部は腰ベルト連結具によって互いに連結自在としている。なお、ここで、腰ベルト連結具、肩ベルト連結具とは、ナスカン、カラビナ、Dロック、クイックキャッチ、楕円リング等の連結具、バックルの連結差込具と連結受具の対が使用できるものである。
そして、上記一対の肩ベルト部は、前記本体部の上部に一端が固着され、横抱きの場合には、使用者側の肩または首の背後に回して他端を縦抱き状態の本体部の下部との接続状態で使用する。また、縦抱きの場合には、一対の肩ベルト部に配設された一方の肩ベルト連結具と前記本体部に配設された他方の肩ベルト連結具とを繋ぎ、前記本体部の上部に一端が固着された一対の肩ベルト部のループが前記本体部の側部の肩ベルト連結具によって形成される。
更に、上記横抱き用補助具は、前記本体部に重ね合わせて取付け、取外しが自在であり、かつ、乳幼児の身体の背側があてがわれる内部に剛性の比較的高い硬質ボード等の芯材を収容し、前記芯材の表面をクッション性に富む材料で覆うと共に、その下端を折曲自在とし、腰ベルト部の動きに追随させるものである。
【0010】
請求項2の発明にかかるベビーキャリアは、乳幼児の身体の腹側が直接的または背側が直接的、間接的にあてがわれる本体部、その本体部の縦抱き状態の下部と略逆T字状に接続され、使用者の腰回りに腰ベルト連結具によって配設される腰ベルト部、前記本体部の上部に一端が固着され、使用者側の肩または首の背後に回して、他端を前記本体部の縦抱き状態における下側の腰ベルト部に接続した一対の肩ベルト部と、前記一対の肩ベルト部の各々に配設された肩ベルト連結具と、前記本体部に重ね合わせて取付け、取外しが自在な横抱き用補助具を具備するものである。
【0011】
ここで、上記本体部は、乳幼児の縦抱きの場合、腹側が直接的、または縦抱きの場合、背側が直接的、及び横抱きの場合、横抱き用補助具を介して背側が間接的にあてがわれるものである。
また、上記腰ベルト部は、縦抱きの際に使用者の腰回りに配設するもので、前記本体部に対して略逆T字状を描くように配置され、その水平方向の長さ方向の端部は腰ベルト連結具によって互いに連結自在としている。なお、腰ベルト連結具、肩ベルト連結具とは、ナスカン、カラビナ、Dロック、クイックキャッチ、楕円リング等の連結具、バックルの連結差込具と連結受具の対が使用できるものである。
そして、上記一対の肩ベルト部は、前記本体部の上部に一端が固着され、横抱きの場合には、使用者側の肩または首の背後に回して他端を縦抱き状態の本体部下部との接続状態で使用する。また、縦抱きの場合には、一対の肩ベルト部に配設された肩ベルト連結具の一方と前記本体部側には配設された肩ベルト連結具の他方とを繋ぎ、前記本体部の上部に一端が固着された一対の肩ベルト部のループが前記本体部の側部の肩ベルト連結具によって形成される。
更に、上記横抱き用補助具は、前記本体部に重ね合わせて取付け、取外しが自在であり、かつ、乳幼児の身体の背側があてがわれる内部に剛性の比較的高い硬質ボード等の芯材を収容し、前記芯材の表面をクッション性に富む材料で覆うと共に、その下端を折曲自在とし、腰ベルト部の動きに追随させたものである。
【0012】
請求項3の発明にかかるベビーキャリアは、乳幼児の身体の腹側が直接的または背側が直接的、間接的にあてがわれる本体部、その本体部の縦抱き状態の下部と略逆T字状に接続され、使用者の腰回りに配設される腰ベルト部、前記本体部の上部に一端が固着され、使用者側の肩または首の背後に回して、他端を前記本体部の縦抱き状態における下部または前記腰ベルト部上部に接続し、前記本体部の縦抱き状態における下部または前記腰ベルト部上部に接続した他端を、前記腰ベルト部に沿って通過させ、前記腰ベルト部の下部から導出させてなる一対の肩ベルト部と、前記一対の肩ベルト部の各々に配設された肩ベルト連結具と、前記本体部に重ね合わせて取付け、取外しが自在な横抱き用補助具を具備する。
【0013】
ここで、上記本体部は、乳幼児の縦抱きの場合、腹側が直接的、背側が直接的、及び横抱きの場合、横抱き用補助具を介して背側が間接的にあてがわれるものである。
また、上記腰ベルト部は、縦抱きの際に使用者の腰回りに配設するもので、前記本体部に対して略逆T字状を描くように配置され、その水平方向の長さ方向の端部は腰ベルト連結具によって互いに連結自在としている。なお、腰ベルト連結具、肩ベルト連結具とは、ナスカン、カラビナ、Dロック、クイックキャッチ、楕円リング等の連結具、バックルの連結差込具と連結受具の対が使用できることになる。
そして、上記一対の肩ベルト部は、前記本体部の上部に一端が固着され、横抱きの場合には、使用者側の肩または首の背後に回して他端を縦抱き状態の本体部下部との接続状態で使用する。また、縦抱きの場合には、一対の肩ベルト部に配設された肩ベルト連結具の一方と前記本体部に配設された肩ベルト連結具の他方とを繋ぎ、前記本体部の上部に一端が固着された一対の肩ベルト部のループが前記本体部の側部の肩ベルト連結具によって形成される。
更に、上記横抱き用補助具は、前記本体部に重ね合わせて取付け、取外しが自在でありは、かつ、乳幼児の身体の背側があてがわれる内部に剛性の比較的高い硬質ボード等の芯材を収容し、前記芯材の表面をクッション性に富む材料で覆うと共に、その下端を折曲自在とし、腰ベルト部の動きに追随させたものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のベビーキャリアは、縦抱きするときには、本体部に重ね合わせて取付けられている横抱き用補助具を外し、本体部に乳幼児の身体の腹側または背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。その本体部の縦抱き状態の下部位置で略逆T字状に取付けられた腰ベルト部の水平の長さ方向の端部に配設した腰ベルト連結具によって、腰ベルト部を使用者の腰回りに配設する。一対の肩ベルト部は、前記本体部の上部に一端が固着され、他端が前記本体部の縦抱き状態における下部に接続されているから、前記一対の肩ベルト部の前記本体部の上部と前記本体部の前記下部との間に配設された肩ベルト連結具によって、本体部の上部と肩ベルト連結具によって連結した部位との間で一対の肩ベルト部の肩ベルト長を決定する。そして、その一対の肩ベルト部を使用者側の肩の背後に回すことにより縦抱きとする。その後、必要に応じて、対抗する前記一対の肩ベルト部の距離を設定する補助ベルトを止める。
また、横抱きするときは、本体部に重ね合わせて横抱き用補助具を取付け、本体部の横抱き用補助具に乳幼児の身体の背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。即ち、本体部に乳幼児の身体の背側が間接的にあてがわれるようにする。その本体部の縦抱き状態の下部で略逆T字状に取付けられている腰ベルト部を腰ベルト連結具と共に取り外すか、或いは腰ベルト部を格納する。一対の肩ベルト連結具は、前記本体部の上部に一端が固着され、他端が前記本体部の縦抱き状態における下部に接続されているから、その一対の肩ベルト部を使用者側の肩または首の背後に回すことにより横抱きとする。
したがって、首がすわっていない乳幼児を対象とした横抱きの体形と、首がすわってからの乳幼児を対象とした縦抱きの体形共に、使用者に過大な負担が加わることなく、かつ、乳幼児側の体形にも負担が少なく、また、横抱きの体形と縦抱きの体形との繋ぎ換えが簡単にできることになる。
特に、一対の肩ベルト部の長さとその肩ベルト部の長さと、一対の肩ベルト連結具の取付け位置を個別に調整しておくことにより、仮に、両方の使用が必要になった場合でも、使用者に合った縦抱きと横抱きが何らの調整もなく変更でき、使い勝手がよくなる。
【0015】
請求項2のベビーキャリアは、縦抱きするときには、本体部に重ね合わせて取付けられている横抱き用補助具を外し、本体部に乳幼児の身体の腹側または背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。その本体部の縦抱き状態の下部位置で略逆T字状に取付けられた腰ベルト部の水平の長さ方向の端部に配設した腰ベルト連結具によって、腰ベルト部を使用者の腰回りに配設する。一対の肩ベルト部は、前記本体部の上部に一端が固着され、他端が前記本体部の縦抱き状態における下側の腰ベルト部に接続されており、前記一対の肩ベルト部の各々に肩ベルト連結具が配設されているから、前記肩ベルト連結具によってその一対の肩ベルト部を使用者側の肩の背後に回すことにより縦抱きとする長さを限定する。そして、その一対の肩ベルト部を使用者側の肩の背後に回すことにより縦抱きとする。その後、必要に応じて、対抗する前記一対の肩ベルト部の距離を設定する補助ベルトを止める。
また、横抱きするときは、本体部に重ね合わせて横抱き用補助具を取付け、本体部の横抱き用補助具に乳幼児の身体の背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。即ち、本体部に乳幼児の身体の背側が間接的にあてがわれるように寝かせる。その本体部の縦抱き状態の下部で略逆T字状に取付けられている腰ベルト部を、腰ベルト連結具と共に取り外すか、或いは腰ベルト部を腰ベルト連結具と共に格納する。一対の肩ベルト連結具は、前記本体部の上部に一端が固着され、他端が前記本体部の縦抱き状態における下側の腰ベルト部に接続されているから、その一対の肩ベルト部を使用者側の肩または首の背後に回すことにより横抱きとする。このとき、前記一対の肩ベルト部は、前記本体部の縦抱き状態における下部または前記腰ベルト部上部に接続した他端を、前記腰ベルト部に取付けているから、前記腰ベルト部が本体部に対して直角に立ち上がり、乳幼児の受けがその重心位置の臀部に深みを形成することができ、安定した横抱きが可能となる。このとき、前記一対の肩ベルト部は、前記本体部の縦抱き状態における本体部の下部に接続しているから、前記腰ベルト部が本体部と別体に形成されているので、乳幼児の受けがその重心位置の臀部に深みを形成することができ、安定した横抱きが可能となる。
したがって、首がすわっていない乳幼児を対象とした横抱きの体形と、首がすわってからの乳幼児を対象とした縦抱きの体形共に、使用者に過大な負担が加わることなく、かつ、乳幼児側の体形にも負担が少なく、また、横抱きの体形と縦抱きの体形との繋ぎ換えが簡単にできることになる。
特に、一対の肩ベルト部の長さとその肩ベルト部に対する一対の肩ベルト連結具の取付け位置を個別に調整しておくことにより、仮に、両方の使用が必要になった場合でも、使用者に合った縦抱きと横抱きが何らの調整もなく変更でき、使い勝手がよい。
【0016】
請求項3のベビーキャリアは、縦抱きするときには、本体部に重ね合わせて取付けられている横抱き用補助具を外し、本体部に乳幼児の身体の腹側または背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。その本体部の縦抱き状態の下部位置で略逆T字状に取付けられた腰ベルト部の水平の長さ方向の端部に配設した腰ベルト連結具によって、腰ベルト部を使用者の腰回りに配設する。また、一対の肩ベルト部は、前記本体部の上部に一端が固着され、他端が前記本体部の縦抱き状態における下部または前記腰ベルト部に接続されているから、前記一対の肩ベルト部の前記本体部の上部と前記本体部の前記下部または前記腰ベルト部との間に配設された肩ベルト連結具によって、本体部の上部と肩ベルト連結具によって連結した部位との間で一対の肩ベルト部の肩ベルト長を決定する。そして、その一対の肩ベルト部を使用者側の肩の背後に回すことにより縦抱きとする。その後、必要に応じて、対抗する前記一対の肩ベルト部の距離を設定する補助ベルトを止める。
また、横抱きするときは、本体部に重ね合わせて横抱き用補助具を取付け、本体部の横抱き用補助具に乳幼児の身体の背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。即ち、本体部に乳幼児の身体の背側が間接的にあてがわれるようにする。
その本体部の縦抱き状態の下部で略逆T字状に取付けられている腰ベルト部を腰ベルト連結具と共に取り外すか、或いは腰ベルト部を腰ベルト連結具と共に格納する。一対の肩ベルト連結具は、前記本体部の上部に一端が固着され、他端が前記本体部の縦抱き状態における下部または前記腰ベルト部上部に接続されているから、その一対の肩ベルト部を使用者側の肩または首の背後に回すことにより横抱きとする。このとき、前記一対の肩ベルト部は、前記本体部の縦抱き状態における下部または前記腰ベルト部上部に接続した他端を、前記腰ベルト部に沿って通過させ、前記腰ベルト部の下部から導出させているから、前記腰ベルト部が本体部に対して直角に立ち上がるから、乳幼児の受けがその重心位置の臀部に深みを形成することができ、安定した横抱きが可能となる。
したがって、首がすわっていない乳幼児を対象とした横抱きの体形と、首がすわってからの乳幼児を対象とした縦抱きの体形共に、使用者に過大な負担が加わることなく、かつ、乳幼児側の体形にも負担が少なく、また、横抱きの体形と縦抱きの体形との繋ぎ換えが簡単にできることになる。
特に、一対の肩ベルト部の長さとその肩ベルト部に対する一対の肩ベルト連結具の取付け位置を個別に調整しておくことにより、仮に、両方の使用が必要になった場合でも、使用者に合った縦抱きと横抱きが何らの調整もなく変更でき、使い勝手がよい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0019】
[実施の形態1]
まず、
図1乃至
図8、
図12及び
図13に示すように、本発明の実施の形態の本体部10は、縦抱きのとき乳幼児Bの身体の腹側または背部が直接あてがわれる部分で、所定の柔軟性を持ち、かつ、乳幼児Bの体形に無理が加わらないように若干の弾性を有する芯材を入れて形成されている。全体が略長方形状となっている。
図1乃至
図3において、本体部10の下部、即ち、縦抱き状態の下部、つまり、図の手前側には略逆T字状に一体化した腰ベルト部20が配設されている。腰ベルト部20のベルト長さ方向の端部に配設した連結具としての連結差込具21と連結受具22によって両者が連結自在とし、使用者Mの腰回りに配設自在となっている。なお、連結具としての連結差込具21及び連結受具22は本実施の形態の腰ベルト連結具2を構成する。
なお、以下、実施の形態において最下端付近、下部とは、縦抱き状態の位置の最下端またはその5cm以内の近傍、下部またはその5cm以内の下部近傍を示すものとする。
【0020】
本体部10と腰ベルト部20とは、縫製によって縫い合わされており、両者間は、本体部10の面方向に対して直角方向に折れ曲がり自在となっている。また、腰ベルト部20も本体部10と同様、所定の柔軟性を持ち、かつ、使用者Mの腰回りに配設しても使用者Mの体形に無理が加わらないように若干の弾性を持つ芯材を入れて形成されている。また、その幅も、10〜20cm程度の幅として、乳幼児Bの体重が加わったときでも、使用者Mの腰回りに加わる力に集中が生じないようにしている。
【0021】
腰ベルト連結具2としての連結差込具21と連結受具22は、一対のバックルから構成されているが、本発明を実施する場合には、ナスカン、カラビナ、スプリングホック、Dロック、クイックキャッチ、楕円リング等の連結具が使用可能であり、何れを選択してもよい。通常、簡単に連結可能であり、安全性の高いものが使用される。そして、腰ベルト連結具2としてのバックルの連結差込具21と連結受具22は、何れ側を連結差込具21側または連結受具22側としてもよい。
【0022】
本実施の形態の腰ベルト連結具2としての連結差込具21と連結受具22は、必要ベルト長が決められるように、一方または両方に所定長の連結ベルト23を配設し、腰ベルト部20の長さを決定している。この所定長の連結ベルト23は使用者Mの腰の周囲の長さに合わせるものであり、腰ベルト部20の中央または腰ベルト連結具2としての連結差込具21または連結受具22で調整することもできるから、必ずしも必要とするものではない。
【0023】
腰ベルト部20の本体部10側は、縦抱き状態の最下端またはその付近が一体に縫い合わされている。肩ベルト部40の一方の延長ベルト部42a,42bの端部も同時に縫い合わせによって接合されている。特に、腰ベルト部20と本体部10、本体部10と肩ベルト部40との間には、乳幼児の体重が加わるので、堅固に縫製されている。
なお、腰ベルト部20に配設されているホック28a、28bは横抱き用補助具80の取付け用である。
【0024】
本実施の形態の本体部10の上方には、一対の肩ベルト部40が設けられている。一対の肩ベルト部40は、主として、肩掛け部41a,41bと延長ベルト部42a,42bと、一対の肩ベルト部40の一端が取付けられた本体部10の上部と、一対の肩ベルト部40の他端が取付けられた本体部10の縦抱き状態における下部との間の本体部10に配設された連結受具61a,61bに取付けられる肩ベルト部40に配設された連結差込具63a,63bからなる肩ベルト連結具6で構成されている。肩掛け部41a,41bは所定の柔軟性を持つ材料で形成されている。即ち、通常は、延長ベルト部42a,42bを芯とし、その周囲に柔軟性に富む緩衝材が設けられている。肩掛け部41a,41bはこの緩衝材によって肩または首の背後の一部分に乳幼児Bの体重が加わらないようにしている。ここで、連結差込具63a,63bと連結受具61a,61bとは、肩ベルト連結具6を構成している。
【0025】
また、一対の肩ベルト部40には、延長ベルト部42a,42bに肩ベルト連結具6である連結差込具63a,63bが配設されており、延長ベルト部42a,42bは取付ベルト44a,44bにアジャスタ45a、45bを介して接続されている。取付ベルト44a,44bは肩掛け部41a,41bの芯材に堅固に両端が接合されており、また、その縦抱き状態における下端は、アジャスタ45a、45bに取付けられている。このアジャスタ45a、45bによって、一対の肩ベルト部40の長さが調節可能となっている。また、連結差込具63a,63bは必ずしも、延長ベルト部42a,42bに固着する必要はないが、通常所定の位置に固着される。このときには、縦抱き長さと、横抱きの長さの調節を延長ベルト部42a,42bで行うことになる。
【0026】
なお、肩ベルト連結具6である連結差込具63a,63bが、必ずしも、延長ベルト部42a,42bに固着する必要がない理由は、縦抱きの場合、乳幼児Bが大きくなっており、連結受具61a,61bと延長ベルト部42a,42bとの取付け部との距離が特定され、かつ、後述する補助ベルト50の連結差込具52aと連結受具52bを係合状態とし、一対の肩ベルト部40の間隔が固定されるから、これにより、肩掛け部41aと肩掛け部41bとの間が所定の距離を保つことができるからである。また、本発明を実施する場合の肩ベルト連結具6は、連結差込具63a,63bと連結受具61a,61bからなるが、連結差込具と連結受具の対を逆にすることもできる。
【0027】
肩ベルト連結具6を構成する連結差込具63a,63bに対抗する連結受具61a,61bは、連結差込具と連結受具の対を何れ側に配設してもよい。本実施の形態においては、連結受具61a,61bは、
図2に示すように、本体部10の縦抱きの高さ方向の1/3乃至2/3の範囲の両辺に縫製部62a,62bを縫い付けることによって取付けられている。この肩ベルト連結具6としての連結差込具63a,63bは、堅固に固定してもよいし、アジャスタ機能によって移動自在にできる固定であってもよい。
【0028】
即ち、一対の肩ベルト部40に配設した肩ベルト連結具6としての連結差込具63a,63bは、後述する補助ベルト50の位置よりも縦抱きの場合の下部位置に設けられている。補助ベルト50は通常使用者Mの肩の後ろ位置(肩甲骨付近の位置)になり、肩ベルト連結具6を構成する連結差込具63a,63bと連結受具61a,61bは、使用者Mの脇の下の位置になる。特に、連結差込具63a,63bが固定されていないときには、補助ベルト50を引っ張って連結差込具63a,63bと連結受具61a,61bを係合することができ、それだけ一対の肩ベルト部40の長さの自由度が高くなり、取付け易さが向上する。
【0029】
本実施の形態では、一対の肩ベルト部40が肩掛け部41a,41b及び延長ベルト部42a,42bで全長が形成され、その間の全長の長さ調節用としてアジャスタ45a、45bが配設されている。このアジャスタ45a、45bは、使用者Mの平均的な一対の肩ベルト部40の全長がほぼ決まっているから省略することができる。また、取付ベルト44a,44bも、補助ベルト50の一対の肩ベルト部40との取付け点を固定とすれば、取付ベルト44a,44bを省略することもできる。
【0030】
補助ベルト50は、ベルト材51a,51b及び連結差込具52aまたは連結受具52bからなり、ベルト材51a,51bの連結差込具52aまたは連結受具52bの反対側の取付け部が取付ベルト44a,44bを摺動自在としている。取付ベルト44a,44bが補助ベルト50の固定位置を摺動することにより、一対の肩ベルト部40の最も自由度が高い位置に定着し、安定した縦抱き状態を維持できる。
【0031】
縦抱きする場合の本体部10の高さ方向の約1/2の高さには、乳幼児Bの身体を拘束する保安ベルト70が配設されている。保安ベルト70はベルト材71の中央を本体部10の中央に縫い付け、その両端に幼児用連結具7としての連結差込具72aまたは連結受具72bを取付けたものである。
この連結差込具72aには、乳幼児Bの胴回りの長さに調節できるように、アジャスタ機能を有している。勿論、連結差込具72aまたは連結受具72bとは別にアジャスタ機能を持たせることもできる。この保安ベルト70は縦抱きの場合にも、横抱きの場合にも使用される。
【0032】
横抱き用補助具80は、
図4乃至
図8に示すように、本体部10に取付保持部材87a,87bを肩掛け部41a,41bに接着布88a,88bを巻き付けて取付け、また、金属スナップボタン84a,84bを腰ベルト部20の金属スナップボタン28a,28bに取付けて両者を一体化する。横抱き用補助具80の基部85で乳幼児Bの身体の頭部及び背部及び臀部を受ける。
【0033】
また、乳幼児Bは、本体部10の乳幼児保持用の固定ベルト72a,72bにより、その先端の幼児用連結具7としての連結差込具73aと連結受具73bが接続され乳幼児Bの重心位置を保持する。この状態で基部85の下側に位置し、金属スナップボタン84a,84bを腰ベルト部20の金属スナップボタン28a,28bに取付けて両者を一体化しているから、基部85に対して直角な位置状態となり、折曲端部84は乳幼児Bの足部を保護する。
【0034】
図2及び
図8に示すように、腰ベルト部20にはパワーネットによって両端が開口した格納部30が形成されている。本実施の形態における格納部30は外部から腰ベルト部20の格納状態が確認できるようにするためのものである。本発明を実施する場合には、これを内側、即ち、横抱き用補助具80の取付け側に配置することもできる。特に、本実施の形態では、乳幼児Bの安全のために外側に格納部30を形成した。
したがって、
図12に示す本実施の形態1のベビーキャリアの乳幼児を縦抱きする状態の斜視図に示すように使用することができる。
【0035】
図3は本実施の形態のベビーキャリアの縦抱きの場合の状態を示すものである。本実施の形態のベビーキャリアは、次のように使用される。
縦抱きするときには、本体部10に重ね合わせて取付けられている横抱き用補助具80が配置されている場合、まず、それを外し、本体部10に乳幼児Bの身体の腹側または背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。乳幼児Bの体に対して保安ベルト70の連結差込具72aと連結受具72bを係合させ、ベルト材71で乳幼児Bを本体部10に固定する。
一対の肩ベルト部40の延長ベルト部42a,42bに配設されている肩ベルト連結具6としての連結差込具63a,63bを、本体部10に連結した縫製部62a,62bの連結受具61a,61bに係合させる。
【0036】
そして、本体部10の下部と一体化した腰ベルト部20を使用者Mの腰回りに腰ベルト連結具2としての連結差込具21と連結受具22を用いて接続し、使用者Mの腰回りに取付ける。そして、一対の肩ベルト部40に手を通して乳幼児Bを縦抱きする。更に、補助ベルト50の連結差込具52aと連結受具52bを係合状態とし、一対の肩ベルト部40の間隔を固定し、これにより、使用状態で肩掛け部41aと肩掛け部41bが肩から外れるという事態が発生しないようにする。
【0037】
次に、横抱きについて説明する。
本体部10に横抱き用補助具80の取付保持部材87a,87bを一対の肩ベルト部40の肩掛け部41a,41bに取付け、また、金属スナップボタン84a,84bを腰ベルト部20の金属スナップボタン28a,28bに取付けて両者を本体部10及び一対の肩ベルト部40に一体化する。横抱き用補助具80の基部85で乳幼児Bの身体の頭部及び背部及び臀部を受ける。また、乳幼児Bは、本体部10の保安ベルト70のベルト材71により、その先端の幼児用連結具7としての連結差込具72aと連結受具72bが接続され乳幼児Bの重心位置を保持する。この状態で基部85の下側に位置し、基部85に対して直角な位置状態となる折曲端部84は、乳幼児Bの足部を保護することになる。また、所定以上の身長がある場合には、腰ベルト部20に足を乗せ、横抱き用補助具80の基部85が乳幼児Bの臀部の下がり移動を防止する。
【0038】
腰ベルト部20の格納部30には、腰ベルト部20の使用者Mの腰回りの長さ方向の端部に配設された連結差込具21及び連結受具22の腰ベルト連結具2及び所定長のベルト23が所定の距離で折り畳まれて格納される。このとき、腰ベルト部20の格納部30に、連結差込具21及び連結受具22の腰ベルト連結具2及び所定長のベルト23が腰ベルト部20が折り畳んで装着されるために、その厚みが厚くなり、乳幼児Bの足がそこに当たっても、乗り越えても、足の一部のみに負担がかかることがない。
【0039】
一対の肩ベルト部40の延長ベルト部42a,42bに配設した肩ベルト連結具6としての連結差込具63a,63bは、本体部10の連結受具61a,61bとの係合を解くことにより、一対の肩ベルト部40が肩掛け部41a,41bの上端部及び延長ベルト部42a,42bの下端部のみが本体部10に直接接続された状態となる。
逆に、肩ベルト連結具6としての連結差込具63a,63bによって本体部10の連結受具61a,61bとの係合を行うことは、一対の肩ベルト部40として使用する長さを制限することになる。
【0040】
ここで、一対の肩ベルト部40は、本体部10の上部に一端が固着され、他端が本体部10の縦抱き状態における下部に接続されているから、その一対の肩ベルト部40の全長を使用者M側の肩または首の背後に回すことにより横抱きとすることができる。
したがって、
図13に示すように、本実施の形態1のベビーキャリアの乳幼児を横抱きする状態の斜視図に示すように使用することができる。
【0041】
このように、本実施の形態1のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の腹側が直接的または背側が直接的、間接的にあてがわれる本体部10と、本体部10の縦抱き状態における下部と略逆T字状に交差させてなる使用者Mの腰回りに配設自在な腰ベルト部20と、本体部10の上部に一端が固着され、使用者M側の肩または首の背後に回して、他端を本体部10の縦抱き状態における下部に接続し、その長さ方向の端部は腰ベルト連結具2によって互いに連結自在とした一対の腰ベルト部20と、一対の肩ベルト部40の一端が取付けられた本体部10の上部と、他端が取付けられた本体部10の縦抱き状態における前記下部との間に一方が取付けられ、他方が一対の肩ベルト部40の各々に配設された肩ベルト連結具6と、本体部10に重ね合わせて取付け、取外しが自在であり、かつ、乳幼児Bの身体の背側があてがわれる内部に剛性のある芯材を収容し、前記芯材の表面をクッション性に富む材料で覆った横抱き用補助具80とを具備するものである。
【0042】
本実施の形態1のベビーキャリアは、縦抱きするときには、本体部10に重ね合わせて取付けられている横抱き用補助具80を外し、本体部10に乳幼児Bの身体の腹側または背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。その本体部10の縦抱き状態の下部位置で略逆T字状に取付けられた腰ベルト部20の水平の長さ方向の端部に配設した腰ベルト連結具2によって、腰ベルト部20を使用者Mの腰回りに配設する。連結差込具63a,63bと連結受具61a,61bとの一対の肩ベルト連結具6は、本体部10の上部に一端が固着され、他端が本体部10の縦抱き状態における下部に接続されているから、本体部10の上部と本体部10の前記下部との間の一方の肩ベルト連結具6に、一対の肩ベルト部40の各々に配設された他方の肩ベルト連結具6を接続する。そして、その一対の肩ベルト部40を使用者M側の肩の背後に回すことにより縦抱きとする。その後、必要に応じて、対抗する一対の肩ベルト部40の距離を設定する補助ベルト50を係合する。
【0043】
横抱きするときは、本体部10に重ね合わせて横抱き用補助具80を取付け、本体部10の横抱き用補助具80に乳幼児Bの身体の背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。即ち、本体部10に乳幼児Bの身体の背側が間接的にあてがわれるようにする。その本体部10の縦抱き状態の下部で略逆T字状に取付けられている腰ベルト部20を腰ベルト連結具2と共に取り外すか、或いは腰ベルト部20の全体を格納する。連結差込具63a,63bまたは連結受具61a,61b等からなる一対の肩ベルト連結具6は、本体部10の上部に一端が固着され、他端が本体部10の縦抱き状態における下部に接続されているから、その一対の肩ベルト部40を使用者M側の肩または首の背後に回すことにより横抱きとする。
【0044】
したがって、首がすわっていない乳幼児Bを対象とした横抱きの体形と、首がすわってからの乳幼児Bを対象とした縦抱きの体形共に、使用者Mに過大な負担が加わることなく、かつ、乳幼児B側の体形にも負担が少なく、また、横抱きの体形と縦抱きの体形との繋ぎ換えが簡単にできることになる。
特に、一方の連結差込具63a,63bまたは連結受具61a,61b等の一対の肩ベルト部40の長さとその肩ベルト部40に対する連結差込具63a,63bまたは連結受具61a,61b等の一対の肩ベルト連結具6の取付け位置を個別に調整しておくことにより、仮に、両方の使用が必要になった場合でも、使用者に合った縦抱きと横抱きが何らの調整もなく変更でき、使い勝手がよい。
【0045】
[実施の形態2]
実施の形態1では、本体部10の上方には、一対の肩ベルト部40が設けられ、それらの一対の肩ベルト部40は、肩掛け部41a,41bと延長ベルト部42a,42bからでその長さが決定され、一対の肩ベルト部40の一端が取付けられた本体部10の上部と、他端が取付けられた本体部10の縦抱き状態における下部との間に連結差込具63a,63bが取付けられる連結受具61a,61bが配設されている。
このとき、横抱き用補助具80が
図4乃至
図8に示すように、本体部10の金属スナップボタン84a,84bを腰ベルト部20の金属スナップボタン28a,28bに取付けて両者を一体化すると、格納部30に格納した腰ベルト部20は、横抱き用補助具80の基部85に対して立っている。しかし、乳幼児Bの足等が乗ると、腰ベルト部20が変形する可能性がある。それを改良したのが実施の形態2である。
【0046】
図9は実施の形態2のベビーキャリアにおける腰ベルト部20の要部を説明する説明図である。特に、この実施の形態2では、実施の形態1との相違点のみ説明する。
本実施の形態では、図示しない一対の肩ベルト部40の一端が取付けられた本体部10の上部と、他端が取付けられた本体部10の縦抱き状態における下部の腰ベルト部20の上部に取付けられている。勿論、乳幼児Bの体重に十分に耐える取付け状態となる。
【0047】
本実施の形態においては、一対の肩ベルト部40の一端が腰ベルト部20の端部に取付けられているから、横抱きのときには、常に、腰ベルト部20が立ち、また、その横幅の中心部で支持しているから、乳幼児Bの股間から肩ベルト部40の延長ベルト部42a,42bが位置し、安定した抱き方ができる。
また、縦抱きを行うときには、腰ベルト部20と延長ベルト部42a,42bが一体となり、一対の肩ベルト部40の乳幼児Bの体重に起因する張力は本体部10の上部と連結差込具63a,63bと連結受具61a,61bとの結合部である肩ベルト連結具6との間に加わるものですから、腰ベルト部20に固定されたと延長ベルト部42a,42bの存在が邪魔になることはない。
【0048】
このように、本実施の形態2のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の腹側が直接的または背側が直接的、間接的にあてがわれる本体部10と、本体部10の縦抱き状態における下部と略逆T字状となって使用者Mの腰回りに配設自在な腰ベルト部20と、本体部10の上部に一端が固着され、使用者M側の肩または首の背後に回して、他端を本体部10の縦抱き状態における下側の腰ベルト部20に接続し、その長さ方向の端部は連結差込具21及び連結受具22等からなる腰ベルト連結具2によって互いに連結自在とした一対の腰ベルト部20と、一対の肩ベルト部40の一端が取付けられた本体部10の上部と、他端が取付けられた本体部10の縦抱き状態における腰ベルト部20との間に一方が取付けられ、他方が肩ベルト部40の各対に配設された連結差込具63a,63b等からなる肩ベルト連結具6と、本体部10に重ね合わせて取付け、取外しが自在であり、かつ、乳幼児Bの身体の背側があてがわれる内部に剛性のある芯材を収容し、前記芯材の表面をクッション性に富む材料で覆った横抱き用補助具80とを具備するものである。
【0049】
実施の形態2のベビーキャリアは、縦抱きするときには、本体部10に重ね合わせて取付けられている横抱き用補助具80を外し、本体部10に乳幼児Bの身体の腹側または背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。その本体部10の縦抱き状態の下部位置で略逆T字状に取付けられた腰ベルト部20の水平の長さ方向の端部に配設した連結差込具21及び連結受具22等からなる腰ベルト連結具2によって、腰ベルト部20を使用者の腰回りに配設する。また、一対の肩ベルト連結具6は、本体部10の上部に一端が固着され、他端が本体部10の縦抱き状態における下側の腰ベルト部20に接続されているから、本体部10の上部と本体部10の下側の腰ベルト部20との間の一方の連結差込具63a,63b等からなる肩ベルト連結具6に、一対の肩ベルト部40の各々に配設された他方の連結差込具63a,63b等からなる肩ベルト連結具6を接続する。そして、その一対の肩ベルト部40を使用者M側の肩の背後に回すことにより縦抱きとする。その後、必要に応じて、対抗する一対の肩ベルト部40の距離を設定する補助ベルト50を止める。
【0050】
また、横抱きするときは、本体部10に重ね合わせて横抱き用補助具80を取付け、本体部10の横抱き用補助具80に乳幼児Bの身体の背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。即ち、本体部10に乳幼児Bの身体の背側が間接的にあてがわれるようにする。その本体部10の縦抱き状態の下部で略逆T字状に取付けられている腰ベルト部20を連結差込具21及び連結受具22等からなる腰ベルト連結具2と共に取り外すか、或いは腰ベルト部20を連結差込具21及び連結受具22等からなる腰ベルト連結具2と共に格納する。連結差込具21及び連結受具22等からなる一対の腰ベルト連結具2は、本体部10の上部に一端が固着され、他端が本体部10の縦抱き状態における下側の腰ベルト部20に接続されているから、その一対の肩ベルト部40を使用者M側の肩または首の背後に回すことにより横抱きとする。
【0051】
したがって、首がすわっていない乳幼児Bを対象とした横抱きの体形と、首がすわってからの乳幼児Bを対象とした縦抱きの体形共に、使用者Mに過大な負担が加わることなく、かつ、乳幼児B側の体形にも負担が少なく、また、横抱きの体形と縦抱きの体形との繋ぎ換えが簡単にできることになる。
特に、一対の肩ベルト部40の長さとその肩ベルト部40に対する連結差込具63a,63bと連結受具61a,61b等からなる一対の肩ベルト連結具6の取付け位置を個別に調整しておくことにより、仮に、両方の使用が必要になった場合でも、使用者Mに合った縦抱きと横抱きが何らの調整もなく変更でき、使い勝手がよい。
【0052】
実施の形態1のベビーキャリアは、図示しない一対の肩ベルト部40の一端が取付けられた本体部10の上部と、他端が取付けられた本体部10の縦抱き状態における下部に取付けられている。また、実施の形態2のベビーキャリアは、図示しない一対の肩ベルト部40の一端が取付けられた本体部10の上部と、他端が取付けられた本体部10の縦抱き状態における下部の腰ベルト部20の上部に取付けられている。しかし、取付け状態は、本体部10の下部であっても、実施の形態2と同様の形態とすることができる。
【0053】
[実施の形態3]
図10は実施の形態3のベビーキャリアにおける腰ベルト部20の要部を説明する説明図である。特に、この実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2との相違点のみ説明する。
本実施の形態においては、一対の肩ベルト部40の一端は、実施の形態1のベビーキャリアと同様、図示しない一対の肩ベルト部40の一端が取付けられた本体部10の上部と、他端が取付けられた縦抱き状態における本体部10の下部に取付けられている。
【0054】
そして、腰ベルト部20の格納部30を形成するパワーネット側に貫通する筒状の鞘、即ち、所定の通し孔を形成し、その通し孔の上端(乳幼児の縦抱きの場合の最下端位置)から延長ベルト部42a,42bを取出している。
したがって、腰ベルト部20の上部に取出口31が存在するから、横抱きのときには、常に、腰ベルト部20が立ち、また、その横幅の中心部で支持しているから、乳幼児Bの股の間から肩ベルト部40の延長ベルト部42a,42bが位置し、安定した抱き方ができる。
【0055】
また、縦抱きを行うときには、腰ベルト部20の裏側で延長ベルト部42a,42bが一体となり、一対の肩ベルト部40の乳幼児Bの体重に起因する張力は本体部10の上部と連結差込具63a,63bと連結受具61a,61bとの結合部との間に加わるものですから、腰ベルト部20に固定されたと延長ベルト部42a,42bの存在が邪魔になることはない。
【0056】
本実施の形態3のベビーキャリアは、乳幼児Bの身体の腹側が直接的または背側が直接的、間接的にあてがわれる本体部10と、本体部10の縦抱き状態における下部と略逆T字状に、使用者Mの腰回りに配設自在な腰ベルト部20と、本体部10の上部に一端が固着され、使用者M側の肩または首の背後に回して、他端を本体部10の縦抱き状態における下部または腰ベルト部20に接続し、本体部10の縦抱き状態における下部または腰ベルト部20に接続した他端を、腰ベルト部20に沿って通過させ、腰ベルト部20の下部から導出させてなる一対の肩ベルト部40と、一対の肩ベルト部40の一端が取付けられた本体部10の上部と、他端が取付けられた本体部10の縦抱き状態における腰ベルト部20との間に一方が取付けられ、他方が肩ベルト部40の各対に配設された連結差込具63a,63bまたは連結受具61a,61bからなる肩ベルト連結具6と、本体部10に重ね合わせて取付け、取外しが自在であり、かつ、乳幼児Bの身体の背側があてがわれる内部に剛性のある芯材を収容し、前記芯材の表面をクッション性に富む材料で覆った横抱き用補助具80を具備する。
【0057】
本実施の形態3のベビーキャリアは、縦抱きするときには、本体部10に重ね合わせて取付けられている横抱き用補助具80を外し、本体部10に乳幼児Bの身体の腹側または背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。その本体部10の縦抱き状態の下部位置で略逆T字状に取付けられた腰ベルト部20の水平の長さ方向の端部に配設した連結差込具21及び連結受具22等からなる腰ベルト連結具2によって、腰ベルト部20を使用者Mの腰回りに配設する。また、連結差込具63a,63bまたは連結受具61a,61bからなる一対の肩ベルト連結具6は、本体部10の上部に一端が固着され、他端が本体部10の縦抱き状態における下部または腰ベルト部20の上部に接続されているから、本体部10の上部と本体部10の下部または腰ベルト部20の上部との間の一方の連結差込具63a,63bまたは連結受具61a,61bからなる肩ベルト連結具6に、一対の肩ベルト部40の各々に配設された連結受具61a,61bまたは連結差込具63a,63bからなる他方の肩ベルト連結具6を接続する。そして、その一対の肩ベルト部40を使用者M側の肩の背後に回すことにより縦抱きとする。その後、必要に応じて、対抗する一対の肩ベルト部40の距離を設定する補助ベルト50を止める。
【0058】
また、横抱きするときは、本体部10に重ね合わせて横抱き用補助具80を取付け、本体部10の横抱き用補助具80に乳幼児Bの身体の背側が直接的にあてがわれるように寝かせる。即ち、本体部10に乳幼児Bの身体の背側が間接的にあてがわれるようにする。その本体部10の縦抱き状態の下部で略逆T字状に取付けられている腰ベルト部20を腰ベルト連結具2と共に取外すか、或いは腰ベルト部20を腰ベルト連結具2と共に格納する。連結受具61a,61bまたは連結差込具63a,63bからなる一対の肩ベルト連結具6は、本体部10の上部に一端が固着され、他端が本体部10の縦抱き状態における下部または腰ベルト部20の上部に接続されているから、その一対の肩ベルト部40を使用者M側の肩または首の背後に回すことにより横抱きとする。このとき、連結受具61a,61bまたは連結差込具63a,63bからなる一対の肩ベルト部40は、本体部10の縦抱き状態における下部または腰ベルト部20の上部に接続した他端を、腰ベルト部20に沿って通過させ、腰ベルト部20の下部から導出させているから、腰ベルト部20が本体部に対して直角に立ち上がるから、乳幼児Bの受けがその重心位置の臀部に深みを形成することができ、安定した横抱きが可能となる。
【0059】
したがって、首がすわっていない乳幼児Bを対象とした横抱きの体形と、首がすわってからの乳幼児Bを対象とした縦抱きの体形共に、使用者Mに過大な負担が加わることなく、かつ、乳幼児B側の体形にも負担が少なく、また、横抱きの体形と縦抱きの体形との繋ぎ換えが簡単にできることになる。
特に、一対の肩ベルト部40の長さとその肩ベルト部40に対する連結受具61a,61bまたは連結差込具63a,63bからなる一対の肩ベルト連結具6の取付け位置を個別に調整しておくことにより、仮に、両方の使用が必要になった場合でも、使用者Mに合った縦抱きと横抱きが何らの調整もなく変更でき、使い勝手がよい。
【0060】
[実施の形態4]
図11は実施の形態4であり、この実施の形態は、腰ベルト20Aを取り外すことができる構造としたものである。即ち、本体部10の縦抱きの下端には、テープ織りした布で腰ベルト20Aの幅を包み込む程度のループ状の2カ所の包部26a,26bを形成し、そこに腰ベルト20Aを挿入し、腰ベルト部20と本体部10とを一体化している。
ここで、腰ベルト20Aは本体部10と縫製されることなく、連結差込具21と連結受具22及び所定長のベルト23等で形成され、包部26a,26bとともに腰ベルト部20を構成する。
【0061】
また、包部26a,26bには、ジャンパーホック、バネホックで知られているホック27a乃至27dが各々2カ所取付けられており、腰ベルト部20を使用しないときには、腰ベルト20Aを抜き取り、包部26a,26bを本体部10側に折り返すことにより、本体部10側に取付けられているホック17a乃至17dと係合させ、包部26a,26bを本体部10側に重ね合わせることができる。また、腰ベルト部20を使用しないときの対応としては、腰ベルト20Aを抜き取り、包部26a,26bを本体部10の裏側に折り返すことにより、本体部10の裏側に取付けられているホック17a乃至17dと係合させ、この場合も包部26a,26bを本体部10側に重ね合わせることができる。
【0062】
本実施の形態では、腰ベルト20Aを抜き取ったり、取付けたりすることを前提に説明したが、腰ベルト20Aを包部26a,26bに挿入し他取付け状態では、その使用状態で包部26a,26bと腰ベルト20Aが相対移動する可能性がある。これを回避するには、腰ベルト20Aと包部26a,26bとの間に接着布を縫製するか、ジャンパーホック、バネホックで知られているホックを腰ベルト20Aと包部26a,26bに取付けることにより、移動止めとすることができる。
【0063】
図11に示す実施の形態4のベビーキャリアにおいては、使用者Mの腰回りに配設自在な腰ベルト部20は、包部26a,26bから腰ベルト20Aを取外し自在としたものである。したがって、実施の形態のベビーキャリアの使用者Mの腰回りに配設自在な腰ベルト部20は、取外し自在となり、ベビーキャリアを使用する乳幼児Bが限られている場合、不要な構成部品を持ち歩く必要がなく、かつ、構成部品がシンプルとなる。
【0064】
上記実施の形態1乃至4のベビーキャリアにおける連結差込具63a,63bまたは連結受具61a,61bとからなる肩ベルト連結具6は、本体部10の上部と肩ベルト部40に各々対として固着され、しかも、肩ベルト部40側の固着は一対の肩ベルト部40間に配設し、前記肩ベルト部40に沿って所定の範囲移動する補助ベルト50の本体部10の縦抱き状態における下部位置としたものである
【0065】
上記実施の形態1乃至4のベビーキャリアの連結差込具63a,63bと連結受具61a,61bからなる肩ベルト連結具6は、本体部10の上部と肩ベルト部40に各々対として固着され、しかも、前記肩ベルト部40側の固着は一対の肩ベルト部40間に配設し、前記肩ベルト部40に沿って所定の範囲移動する補助ベルト50の本体部10の縦抱き状態における下部位置としたものであるから、補助ベルト50は肩ベルト部40に沿って所定の範囲移動するが、連結差込具63a,63b及び連結受具61a,61bとからなる肩ベルト連結具6の上の位置にあるから、補助ベルト50は一対の肩ベルト部40の間隔を設定でき、かつ、一対の肩ベルト部40の長さを任意に設定できる。
【0066】
前記肩ベルト部40の本体部10の縦抱き状態における下部は、本体部10の横幅の1/2の位置に縫い合わせてなるものである。したがって、このベビーキャリアの肩ベルト部40の本体部10の縦抱き状態における下部は、本体部10の横幅の1/2の位置に縫い合わせてなるものであるから、中央で支持されるから、全体に安定しておりバランスがよい。また、乳幼児Bの足の邪魔にならない。本体部10の横幅の1/2の位置での縫い合わせは、延長ベルト部42a,42bの重ね縫いとしてもよい。
【0067】
前記肩ベルト部40の本体部10の縦抱き状態における下部は、本体部10の横幅の1/2の位置に2本の延長ベルト部42a,42bを縫い合わせてなるものであるが、本発明を実施する場合には、1本の帯材とし、その帯材が延長ベルト部42a,42bと分岐される形態とすることもできる。このとき、前記1本の帯材は幅広いもの、幅狭いものの何れでも対応できる。特に、直接縫い合わせているので、連結具が不要となり、延長ベルト部42a,42bの取付けの縫製により安定した強度が担保できる。