【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の課題は、請求項1に記載の監視モジュールによって、すなわ
ち冒頭で上げた種類の監視モジュールによって、解決さ
れ
−
ハウジングは圧縮空気接続端および空気出口またはハウジングに配置された方向変換装置を有しており、その空気出口または方向変換装置は、流出する空気ビームをカメラの光学軸に対して横方向に方向づけするために設けられており(従っていわゆるクロスジェットを発生させ)、かつ
−
圧縮空気によってもたらされる空気流が、光源および/または制御部および/または光源のためのチャージ回路の上方で案内されている。
このようにして、監視モジュールの光学的コンポーネントに、溶接プロセスのようなプロセスによってもたらされた煙、スモークおよび堆積物がつかないようにするために、(製造ホール内に初めから設けられている)圧縮空気供給を利用することができる。好ましくは、監視モジュール内の汚れを回避することができるようにするために、監視モジュールは、空気フィルタも有している。特に空気フィルタによって、カバーが圧縮空気によって汚れることにより、保護ガラスないしカバーの清掃効果が損なわれることがないようにされる。
空気の流れ推移内に電子的および/または電気的コンポーネントが配置されていることによって、圧縮空気はそれらを冷却するために使用することができ、従ってシナージー的に二重利用を満たす。特に、必要な光出力が高いことにより著しく加熱されるフラッシュランプのためのチャージ回路を冷却することができる。もちろん前記コンポーネントを冷却するために水冷却循環を設けることもできる。
【0011】
本発明によれば、アークによる進行する加工プロセスの結果を監視するための普遍的な監視モジュール、−従ってオンライン監視−が提供され、それは多くの機械タイプおよび適用目的のために使用することができる。特に、本発明によって、すでにあるバーナーに監視モジュールを後付けすることができる。さらに、カメラ、光源および制御部は選択的に、加工箇所に近い環境内の有害な環境影響および加工箇所の障害から保護され、それによって好ましいやり方で保守の手間と費用が減少される。その場合にハウジングは、たとえば金属および/またはプラスチックからなることができる。バーナーに、ないしはロボットフランジ(固定装置)の近傍に固定することによって、バーナーの移動に関係なく常に、アークによって得られる結果ないし、溶接継目−従って溶融池、硬化して形成される継目、の生成プロセスのような、工作物へのアークの作用がカメラの視野内にある。さらに、監視モジュールのための供給導線は、実質的にバーナー用のホースパケット内で案内することができるので、供給導線は移動の自由を制限しない。同様に、カメラは、ガスノズルのような、バーナーの少なくとも一部によって、アークの放射とプロセスの飛沫から保護することができる。
【0012】
光源として、たとえばキセノンフラッシュランプ、ストロボスコープまたは高出力LEDを使用することができ、それらは制御部によって適切にクロック駆動される。発光長さは、たとえば1msの領域内にあって、それにたとえば100msの領域の発光休止が続く。フラッシュランプのために必要な高電圧(約60VDC)は、好ましくは外部の網部分内で発生される。この電圧によって、フラッシュランプのためのチャージ回路のコンデンサが充電される。好ましくは、いわゆるパルス固定のコンデンサを有する充電回路は、フラッシュランプのすぐ近傍に配置され、従って部分的に極めて高い電流(実質的に放電における短絡による約3000A)が、そのルート上で余りに高い電圧降下をもたらすことはなく、ないしは太い供給導線を短く抑えることができる。さらにそれによって、監視モジュールの領域内の他の電気線の障害が回避され、すなわち監視モジュールの周囲のEMV負荷を小さく抑えることができる。好ましくは、フラッシュランプの光を任意の箇所へ案内するために、導波管を利用することもできる。
【0013】
カメラとして、たとえば、好ましくはデジタル仕様のCMOSカメラまたはCCDカメラを使用することができる。さらに、本発明のために、移動するイメージ用および/または静止したイメージ用のカメラが考えられる。カメラないし監視モジュールが、USBインターフェイスのようなデータバスを有し、それに伴ってイメージデータがシリアル伝送を介して任意の箇所へ伝送できると、特に効果的である。もちろんデータは、他のプロトコルを介して伝達することも可能であり、特にデータはグラスファイバーケーブルを介して転送することもできる。
【0014】
好ましい変形例において、カメラの前段に(光学的)フィルタが接続されており、そのフィルタがアークのノイズ波長の光を除去し、あるいは少なくとも弱める。このフィルタは特に、光源としてLEDが利用される場合に、考慮される。その場合に好ましくは、LEDとアークの波長に調整された、バンドパスフィルタが使用される。これは、実質的に600nmから650nmの領域内にある。
【0015】
カメラによって、溶接継目、溶接間隙、溶融池などの先行する観察、追従する観察および側方の観察が可能である。溶接プロセスを隙間無く監視するために、2つ以上のカメラないし監視モジュールを同時に使用することもできる。
【0016】
変形例において、溶接プロセスのようなアークによるプロセスから記録されたイメージが、評価ユニットを備えたコントロールセンターへ伝達される。デジタルのイメージ伝送によって、オペレータは、自動化された溶接セル内で遂行される溶接プロセスを、そこに踏み込む必要なしに、光学的および音響的に追うことができる。それによって、溶接プロセスは、荒涼とした溶接環境においても、あるいは溶接場所の接近性が制限されていても、実質的にライブで観察することができる。数学的アルゴリズムを介して、溶接プロセスのイメージ情報が分析されて評価され、それによって溶接の品質についての説明を行なうことができる。リアルタイム監視によって、偏差と不具合を溶接プロセスの間にすでに認識することができ、従って溶接継目が形成された後に追加工を、あるいは追加工できない部分においては、以降の製造プロセスからの分離を、行なうことができる、という利点も生じる。
【0017】
本発明の変形例において、個別記録からまとめられた、プロセスの結果、たとえば溶接継目のイメージ全体内で、様々な値(たとえば継目幅、電流、電圧など)が所定の位置で表示され、その場合に値は個別記録に従って格納され、かつ/または求められている。認識した不具合を、記入することもできる。他の変形例においては、継目サーチシステムないし継目追従システムが実現される。その場合に実際の溶接位置が、イメージ情報を介して定められ、電圧−電流−信号から高さ情報(組立て部分に対する溶接バーナーの間隔)が求められる。それによって、たとえば組立て部品誤差あるいは組立て部品の不正確な固定による、溶接プロセスにおける偏差を補償することができる。
【0018】
監視モジュールが、たとえば溶接電流源のような、アークのための電流源と組み合わされた場合に、イメージデータの他に、溶接電流、溶接電圧、ワイヤ送りなどのような、付加的な情報を溶接品質の判定に取り入れることができる。溶接の判定は、一方では、記憶されている、良好と定められた基準と比較することによって、他方では目標値からの偏差ないし調節可能なしきい値の超過によって、行なわれる。従って、認識された変化に対処することができるようにするために、溶接の間にリアルタイムで可能なプロセス監視と溶接パラメータへの直接介入が可能になる。
【0019】
他の好ましい変形例において、電流源ないし電流源のバーナーがロボットに取り付けられている限りにおいて、監視モジュールは、ロボット制御とも結合される。このようにして、溶接プロセスのようなプロセスにさらに大きい影響を与えることができる。
【0020】
カメラと光源が、アークの方向に方向付けされていると効果的であって、その場合にその方向付けは、カメラの光学軸と光源の光学軸が互いに対して角度をもって配置されている限りにおいて、アークとハウジングの間の間隔に適合されている。このようにして、加工箇所の直接の周囲を観察することができる。その場合に、−カメラと光源の光学軸が平行でないと仮定して−光源とカメラが、前記軸の交点が加工箇所の領域内に来るように方向付けされていると、特に効果的である。このようにして、光源のために使用されるエネルギを、特に良好に利用することができる。
【0021】
ハウジングが、バーナーに固定するように形成されていると、効果的である。このようにして、特にコンパクトなユニットができる。
【0024】
圧縮空気が少なくとも冷却通路と清掃通路内で案内されていると、効果的であって、その場合に清掃通路の少なくとも1つの端部が、空気出口として形成されている。このようにして、圧縮空気を冷却すべきエレメントに所望に案内し、次に清掃通路を介して外部へ案内することができる。このようにして、圧縮空気を目的に合わせて使用することができる。たとえば光源のベースを通して空気通路を案内することができる。
【0025】
圧縮空気接続端が冷却通路と接続されており、かつ冷却通路が、清掃通路と少なくとも制御部の回りの領域に供給するように形成されていても、効果的である。このようにして、冷却通路が清掃通路と、そしてまた制御部の回りの領域に空気を供給する。このようにして、圧縮空気の2つの使用目的、すなわち冷却と清掃を、互いにより良く適合させることができる。
【0026】
ハウジングが、カメラとフラッシュランプのための透明なカバーを有していると、効果的である。このようにして、上述したコンポーネントを溶接箇所の近傍の有害な環境影響から保護することができ、その場合にイメージ検出の品質はそのまま維持される。
【0027】
ハウジングが、カメラと光源のための取外し可能なカバーを有しており、そのカバーが少なくとも部分的に透明であって、かつ空気出口として形成されていると、効果的である。このようにして、カバーは二重利用を満たし、すなわちカメラと光源を保護し、同時に清掃をもたらす。カバーは、取外し可能に形成されていることによって、容易に交換することができる。
【0028】
その場合に、透明なカバーがプラスチックからなると、効果的である。このようにして、カバーは、安価に形成することができ、従って消耗部品または摩耗部品としても特に適している。従って、透明なカバーを交換することによって、カメラと光源のために常に最適な状況を提供することができる。交換は、簡単なやり方で外から行なわれるので、ハウジングを開放する必要はない。
【0029】
その場合に、透明なカバー内に光源のためのディフューザが内蔵されていると、特に効果的である。ディフューザは、フラッシュランプを使用する場合には他の措置が無いともたらされる、ハードな影の形成を防止し、あるいは少なくとも減少させることができる。特に、透明なカバーが射出成形部品として形成される場合に、このディフューザは容易に形成される。
【0030】
監視モジュール内ないしハウジング内に付加的にマイクロフォンが配置されていると、効果的である。マイクロフォンを用いて、溶接プロセスのような加工プロセスを、音響的に監視することができる。溶接箇所から放出される騒音内に異常が認識された場合に、たとえばアラームを作動させ、あるいは溶接プロセスのパラメータを適合させることができる。
【0031】
その場合に、マイクロフォンが実質的に−カメラのように−アークの方向に方向付けされていると、効果的である。このようにして、周囲ノイズが溶接騒音の評価に大きな影響を持たないことを、保証することができる。特に、この目的のために指向性マイクロフォンを使用することもできる。
【0032】
制御部が、アーク用の電流源からの信号のための入力を有しており、その信号によってイメージ検出プロセスが制御可能であると、効果的である。このようにして、電流源の情報またはアーク用の電流から得ることができる情報が、イメージ検出プロセスに利用可能となる。従ってイメージ検出プロセスは、加工プロセスと共に特に良好に調整することができる。
【0033】
その場合に、制御部は、前記電流源が中断または加工プロセスの終了を知らせた場合に、イメージ検出プロセスを停止させるために設けられていると、効果的である。このようにして、イメージメモリが存在している限りにおいて、それが利用されないデータで満たされることが、防止される。そうでないと、例えば機械が故障した場合に、長時間の間変化しない溶接箇所が記録されることになる。
【0034】
制御部が、アーク用の電流源からの信号のための入力を有し、光源の出力がその信号によって調整可能であると、効果的である。このようにして、電流源の情報または、アーク用の電流から得ることができる情報が、光源の調整のために利用可能となる。従って光源の出力は、加工プロセスと特に良好に調整することができる。
【0035】
その場合に、制御部は、前記電流源が加工箇所における短絡または加工電流の著しい低下を知らせた場合に、光源の出力を減少させるために設けられていると、特に効果的である。短絡の場合には、イメージをブルーミングするアークは存在せず、あるいは溶接電流が低下した場合には、それからはわずかな影響しかもたらされないので、イメージはフラッシュランプの減少された光出力で記録することができる。その場合に必要な光出力は、実質的に周囲光の強さないし灼熱する溶融池の光および所望のシャッター時間または露光時間に合わせられる。
【0036】
好ましくは、監視モジュールが:
−感光性のセンサを有し、そのセンサが、実質的にアークに対して方向づけさており、かつ
−制御部が、感光性のセンサの信号のための入力を有するので、光源の出力が、感光性のセンサの信号に従って制御可能である。
【0037】
溶接電流源からの入力の代りに、あるいはそれに加えて、同じ目的のために、感光性のセンサを設けることができ、そのセンサが制御部と接続される。電流源からの、あるいはアーク用の電流からの情報を取り入れる代りに、光源を調整するために、アークから放出される光が測定される。従って光源の出力は、同様に加工プロセスと良好に合わせられる。
【0038】
その場合に、感光性のセンサが弱い周囲光を記録した場合に、制御部が光源の出力を減少させるように設けられていると、効果的である。感光性のセンサが弱い周囲光を記録した場合には、制御部は、フラッシュライトの出力も減少させる。すなわち、たとえば特にアークが短絡により、あるいは溶接プロセスの終了によって消滅した場合、あるいは溶接電流の低下により燃焼が弱くなった場合に、光源はより少ない明るさで発光する。
【0039】
さらに、制御部が、アーク用の電流源からの信号のための入力を有し、イメージ検出プロセスの開始がその信号によって調整可能であると、効果的である。このようにして、電流源の情報または、アーク用の電流から得ることのできる情報が、イメージ検出プロセスの開始のために利用可能とされる。従ってイメージ検出プロセスも、加工プロセスと特に良好に調整することができる。
【0040】
たとえば溶接電流源が、溶接箇所における短絡または溶接電流の著しい低下を知らせ、あるいは感光性のセンサが弱い周囲光を記録した場合にのみ、イメージ検出プロセスが実施される場合も、効果的である。たとえばパルス溶接の場合のように、アークが常に同一の強度で燃焼しない溶接方法があって、溶接電流はベース値(約30A)とピーク値(約400A)の間で切り替えられ、あるいは特に周期的に崩壊する。本発明のこの変形例において、イメージ検出プロセスは、アークが燃焼しないか、弱く燃焼するだけの場合に、作動される。このようにして、フラッシュランプの必要な光出力は、著しく減少させることができる。溶接電流源用の入力の代りに、あるいはそれに加えて、同じ目的のために感光性のセンサを設けることもできる。これは同様に、アークが弱く燃焼するか、燃焼しない場合に記録し、それを制御部へ知らせることができ、その後制御部がイメージ検出プロセスをアーク休止と適切に同期させる。
【0041】
本発明に係る監視モジュールが、アークによるプロセスを実施するためのバーナーに取り付けられていると(その場合にアークは、特にガスノズルからの保護ガスによって保護されている)、効果的である。本発明に係る監視モジュールの利点は、特にここで生じる。というのは、アークは極めて明るく燃焼し、フラッシュランプなしのイメージ記録は、アークの一番近くの周囲のみを示すことになるからである。それでもなお、本発明に係る装置は、たとえば溶接、半田付け、切断、清掃、レーザー溶接、レーザーハイブリッド溶接、プラズマプロセスなどのための、アークによる他の加工方法にも適している。すなわち、監視モジュールは多様に使用することができる。というのは、そのイメージ検出が、実質的に周囲光に関係ないからである。好ましくは、監視モジュールは、ガスノズルに対して固定の点に取り付けられており、それによってイメージ内でガスノズルが固定の参照点を表す。他の利点は、すでに説明したものから読み取ることができる。
【0042】
バーナーがガスノズルを有し、監視モジュールがバーナーに次のように、すなわちイメージ検出の際にアークがカメラの光学軸の方向に見て少なくとも部分的にガスノズルによって覆われるように、取り付けられている場合も、効果的である。このようにして、イメージ品質を乱すアークの影響を−すべてではないが−少なくとも部分的に除去することができる。
【0043】
好ましくは監視モジュールは、アークないしワイヤ端部から約20−30cmの距離で溶接バーナーに取り付けられる。比較的大きい距離によって、バーナーのパイプベンドは、自由に接近できるように保持することができ、それが、ガスノズルと接触パイプのような摩耗部品の交換を損なわない。それによってそれぞれの適用のために良好な接近性が維持される。さらにそれによって、飛沫よけも放射保護も与えられている。放射保護に基づいて、場合によっては光源の出力も減少させることができる。
【0044】
本発明によれば、好ましくは監視モジュールの少なくとも1つの開口部のためのカバーも設けられており、その場合にカバーは同心の円筒状の固定面を備えた円形のフロントディスクからなり、その場合に円筒状の固定面はフロントディスクよりも小さい直径を有し、かつその場合にフロントディスク内に空気出口
あるいは少なくとも1つの方向変換装置が統合されており、
その空気出口または方向変化装置は、流出する空気ビームを監視モジュールのカメラの光学軸に対して横方向に方向付けするために設けられている。カバーのこの形式は、容易に形成され、かつ容易に取り付けられる。空気出口を統合することによって、カバーはさらに、二重利用を満たす。
【0045】
その場合に、
その少なくとも1つの方向変換装置がフロントディスクの円環の外側
に配置されていると、効果的である。このようにして、流出する空気流をカメラおよび/または光源の光学軸に対して横方向に、ないしはカバーの外側面に対して実質的に平行に方向付けすることができる。このようにして、カバーの外側面を汚れから最適に保護することができる。
【0046】
そして、円筒状の固定面の少なくとも外表面に、少なくとも1つの固定装置が配置されていると、効果的である。このようにして、カバーをハウジングに固定することができるので、カバーが意図せずに抜け落ちることがない。
【0047】
本発明の上述した形態および展開は、任意のやり方で組み合わせることができる。
【0048】
本発明をさらに良く理解するために、以下の図を用いて本発明を詳細に説明する。
【0049】
図は、それぞれ著しく簡略化された、図式的な表示である。