(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
充電領域内に配置された少なくとも1つの充電可能デバイスを充電するよう構成される、少なくとも1つの送電アンテナを有する少なくとも1つのトランスミッタを備えるワイヤレス充電デバイスであって、
前記少なくとも1つのトランスミッタが、第1の時間間隔中に第1の充電可能デバイスを充電するための第1の電力モードおよび第2の時間間隔中に第2の充電可能デバイスを充電するための第2の電力モードのうちの1つで動作するように構成され、
前記少なくとも1つのトランスミッタが、前記少なくとも1つの送電アンテナと前記第1もしくは第2の充電可能デバイスの少なくとも1の受電アンテナの間の結合係数に従って、前記第1もしくは第2の電力モードで動作するように構成され、
前記第2の電力モードが前記第1の電力モードよりも小さい電力を有し、かつ、前記第1の電力モードよりも小さな結合係数を有し、
前記第1の充電可能デバイスおよび前記ワイヤレス充電デバイスが密に結合したシステムを形成するとき、前記少なくとも1つのトランスミッタが前記第1の電力モードで動作するよう構成され、
前記第2の充電可能デバイスおよび前記ワイヤレス充電デバイスが疎に結合したシステムを形成するとき、前記少なくとも1つのトランスミッタが前記第2の電力モードで動作するよう構成された、
ワイヤレス充電デバイス。
前記少なくとも1つのトランスミッタが、前記関連する充電領域内に配置された1つまたは複数の受電アンテナの装荷効果を検出するように構成される、請求項1に記載のワイヤレス充電デバイス。
前記検出した装荷効果、通信手段、および位置合わせ機構のうちの少なくとも1つに基づいて、前記1つまたは複数の受電アンテナとともに前記疎に結合したシステムが存在するのかまたは前記1つまたは複数の受電アンテナとともに前記密に結合したシステムが存在するのかを決定するように、前記少なくとも1つのトランスミッタが構成される、請求項2に記載のワイヤレス充電デバイス。
前記ワイヤレス充電デバイスが、セルラ電話、ポータブルメディアプレーヤ、カメラ、ゲーム機、ナビゲーションデバイス、およびヘッドセットのうちの少なくとも1つをワイヤレス充電する、請求項1に記載のワイヤレス充電デバイス。
前記ワイヤレス充電デバイスが、ドッキングステーション、充電トレイ、および充電パッドのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のワイヤレス充電デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面に関連して下に記載する詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の説明であることを意図しており、本発明を実施し得る唯一の実施形態を表すことは意図していない。本明細書の全体にわたって使用する用語「例示的」は、「例、事例、または例示として働くこと」を意味し、必ずしも、他の例示的な実施形態を越えて好ましいとも有利であるとも解釈されるべきではない。詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を完全に理解することを可能にするために、具体的な詳細を含む。本発明の例示的な実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施できることは、当業者には明らかであろう。一部の例において、本明細書に提示した例示的な実施形態の新規性を不明瞭にすることを避ける目的で、良く知られた構造およびデバイスはブロック図の形式で示されている。
【0011】
単語「ワイヤレス電力」は、本明細書において、電場、磁場、電磁場に関連する任意の形式のエネルギー、またはさもなければ、物理的な導電体を使用することなくトランスミッタとレシーバの間で伝送されるエネルギーを意味するように使用される。
【0012】
図1は、本発明の様々な例示的な実施形態による、ワイヤレス伝送システムまたはワイヤレス充電システム100を示す。エネルギー伝達を可能にするための放射場106を生成するために、入力電力102がトランスミッタ104に供給される。レシーバ108は、放射場106と結合し、出力電力110と結合したデバイス(図示せず)によって蓄電または消費するための出力電力110を生成する。トランスミッタ104とレシーバ108の両方は、距離112だけ分離されている。一例示的な実施形態において、トランスミッタ104およびレシーバ108が相互共振関係に従って構成され、レシーバ108の共振周波数とトランスミッタ104の共振周波数が非常に近い場合にレシーバ108が放射場106の「近距離場」の中に配置されるとき、トランスミッタ104とレシーバ108の間の伝送損失が最小となる。
【0013】
トランスミッタ104は、エネルギー伝送の手段を提供するための送電アンテナ114をさらに含み、レシーバ108は、エネルギー受取りの手段を提供するための受電アンテナ118をさらに含む。送電アンテナおよび受電アンテナは、それと関連する用途およびデバイスに従ってサイズ決定される。上述のように、効率的なエネルギー伝達は、エネルギーのほとんどを遠距離場へ電磁波で伝播するのではなく、エネルギーの大部分を送電アンテナの近距離場の中で受電アンテナと結合することによって生じる。この近距離場の中のとき、結合モードが送電アンテナ114と受電アンテナ118の間で発現することができる。この近距離場結合が生じることができる、アンテナ114およびアンテナ118の周囲の区域を、本明細書では、結合モード領域と呼ぶ。
【0014】
図2は、ワイヤレス電力伝達システムの簡略図を示す。トランスミッタ104は、発振器122、電力増幅器124ならびにフィルタおよび整合回路126を含む。発振器は所望の周波数で信号を生成するように構成され、信号は調整信号123に応じて調整することができる。制御信号125に応答した増幅量で、電力増幅器124が発振器の信号を増幅することができる。高調波または他の不要な周波数を取り除き、トランスミッタ104のインピーダンスを送電アンテナ114と整合するため、フィルタおよび整合回路126を含むことができる。
【0015】
レシーバ108は、整合回路132ならびに
図2に示すようにバッテリ136を充電する、またはレシーバ(図示せず)に結合されたデバイスに電力供給するDC電力出力を生成するための整流器およびスイッチング回路134を含むことができる。レシーバ108のインピーダンスを受電アンテナ118と整合するために、整合回路132を含むことができる。レシーバ108とトランスミッタ104は、別の通信チャンネル119(例えば、Bluetooth(登録商標)、zigbee、セルラなど)上で通信することができる。
【0016】
図3に示すように、例示的な実施形態の中で使用するアンテナは、「ループ」アンテナ150として構成することができ、このアンテナ150は、本明細書において「磁気」アンテナとも呼ぶ場合がある。ループアンテナは、空芯またはフェライトコアなどの物理的コアを含むように構成することができる。空芯ループアンテナは、コアの近傍に配置する別の物理的デバイスを、より受け入れることができる。さらに、空芯ループアンテナは、コア区域の中に他の構成要素を配置することが可能である。加えて、空芯ループアンテナによって、送電アンテナ114(
図2)の結合モード領域がより強力であり得る送電アンテナ114(
図2)の面内に、受電アンテナ118(
図2)を、より容易に配置することができる。
【0017】
上述のように、トランスミッタ104とレシーバ108の間のエネルギーの効率的な伝達は、トランスミッタ104とレシーバ108の間が整合またはほぼ整合して共振する期間に生じる。しかし、トランスミッタ104とレシーバ108の間の共振が整合しないときであっても、効率に影響が及ぶ恐れはあるが、エネルギーを伝達することができる。エネルギーの伝達は、送電アンテナから自由空間へエネルギーを伝播するのではなく、送電アンテナの近距離場からこの近距離場が確立される近傍に存在する受電アンテナにエネルギーを結合することによって生じる。
【0018】
ループアンテナまたは磁気アンテナの共振周波数は、インダクタンスと静電容量に基づいている。ループアンテナ内のインダクタンスは、一般に、単にループによって生じるインダクタンスであるが、一方、静電容量は、一般に、所望の共振周波数で共振構造を生じるために、ループアンテナのインダクタンスに加えられる。非限定的な例として、キャパシタ152およびキャパシタ154がアンテナに加えられ、共振信号156を生成する共振回路を作成することができる。したがって、直径の大きいループアンテナの場合、共振を誘起するために必要な静電容量の大きさは、ループの直径すなわちインダクタンスが増すにつれて減少する。さらに、ループアンテナまたは磁気アンテナの直径が増すにつれて、近距離場の効率的なエネルギー伝達区域が増す。もちろん、他の共振回路が可能である。別の非限定的な例として、キャパシタを、ループアンテナの2つの端子間に並列に配置することができる。加えて、送電アンテナの場合、共振信号156がループアンテナ150への入力であって良いことを、当業者なら認識するであろう。
【0019】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、トランスミッタ200の簡略ブロック図である。トランスミッタ200は、送電回路202および送電アンテナ204を含む。一般に、送電回路202は、発振信号を提供し、その結果、送電アンテナ204の周りに近距離場エネルギーを生成することによって、送電アンテナ204にRF電力を提供する。トランスミッタ200は、任意の好適な周波数において動作できることに留意されたい。例として、トランスミッタ200は、13.56MHz ISM帯域で動作することができる。
【0020】
例示的な送電回路202は、送電回路202のインピーダンス(例えば、50オーム)を送電アンテナ204と整合させるための固定インピーダンス整合回路206、およびレシーバ108(
図1)に結合されたデバイスの自己ジャミングを防止するため、高調波放射をあるレベルに減少させるように構成されたローパスフィルタ(LPF)208を含む。他の例示的な実施形態は、限定するものではないが、特定の周波数を減衰させるが他の周波数は通過させるノッチフィルタを含む様々なフィルタトポロジを含むことができ、かつアンテナへの出力電力または電力増幅器により引き込まれるDC電流など、測定可能な送電メトリックスに基づいて変化できる適応型インピーダンス整合器を含むことができる。送電回路202は、発振器212によって決定されるとおりにRF信号を駆動するよう構成された電力増幅器210をさらに含む。送電回路は、個別のデバイスもしくは回路からなることができ、またはこれに代えて、一体型組立体からなることができる。送電アンテナ204からの例示的なRF電力出力は、2.5ワット程度であり得る。
【0021】
送電回路202は、発振器212を送電相(またはデューティサイクル)の期間、特定のレシーバ用に有効にするため、発振器の周波数または位相を調整するため、かつ隣接するデバイスに取り付けたレシーバを介して隣接するデバイスとやり取りするための通信プロトコルを実装するための出力電力レベルを調整するために、コントローラ214をさらに含む。
【0022】
送電回路202は、送電アンテナ204によって生成される近距離場の近傍に、作動中のレシーバが存在するのか不在であるのかを検出するための、負荷検知回路216をさらに含むことができる。例として、負荷検知回路216は、電力増幅器210に流れる電流を監視する。電流は、送電アンテナ204によって生成される近距離場の近傍に、作動中のレシーバが存在するのか不在であるのかによって影響される。電力増幅器210への装荷の変化の検出を、コントローラ214は、エネルギーを送電するために発振器212を有効にし、作動中のレシーバと通信するかどうかの決定に使用するために監視する。
【0023】
送電アンテナ204は、リッツ線を用いて、または抵抗損失を低く保つように厚さ、幅、金属タイプが選択されたアンテナストリップとして実装することができる。従来の実装では、伝送アンテナ204は、全体的に、テーブル、マット、ランプまたは他の可搬型形状でないものなど、より大きな構造物と関連付けて構成する場合がある。したがって、送電アンテナ204は、一般に、実用的な寸法であるために、「巻き」を必要としないことになる。送電アンテナ204の例示的な実装は、「電気的に小さく」(すなわち、波長の何分の1)、共振周波数を規定するキャパシタを使用することにより、より低い使用可能な周波数で共振するよう同調することができる。受電アンテナに対して、送電アンテナ204の直径がより大きい、または矩形ループ(例えば、0.50メートル)の場合には辺の長さがより長い例示的な実施形態では、送電アンテナ204は、妥当な静電容量を得るために、必ずしも多数の巻きを必要としない。
【0024】
トランスミッタ200は、トランスミッタ200と関連付けされ得るレシーバデバイスの所在および状態に関する情報を収集しトラッキングすることができる。したがって、トランスミッタ回路202は、コントローラ214(本明細書において、プロセッサとも呼ぶ)に接続された、存在検出器280、密閉検出器290、またはこれらの組合せを含むことができる。コントローラ214は、存在検出器280および密閉検出器290からの存在信号に応答して、増幅器210によって送出される電力量を調整することができる。トランスミッタは、例えば、建築物の中に存在する従来型のAC電力を変換するためのAC-DC変換器(図示せず)、従来型のDC電源をトランスミッタ200に好適な電圧に変換するDC-DC変換器(図示せず)、または直接従来型のDC電源(図示せず)からなど、複数の電源を介して電力を受け取ることができる。
【0025】
非限定的な例として、存在検出器280は、トランスミッタの適用区域の中へ挿入され、充電されるデバイスの最初の存在を検知するために使用される動き検出器であって良い。検出後、トランスミッタはオンになることができ、デバイスにより受け取られたRF電力を、あらかじめ規定されたやり方でRxデバイス上のスイッチをトグルするために使用することができ、次いで、この結果、トランスミッタの駆動点インピーダンスが変化する。
【0026】
別の非限定的な例として、存在検出器280は、例えば、赤外線検出器、動き検出器、または他の好適な手段により人間を検出することが可能な検出器であって良い。一部の例示的な実施形態において、送電アンテナが特定の周波数で送電することができる電力量を制限する規則が存在する場合がある。一部の事例では、これらの規則は、人間を電磁波放射から保護することを意味している。しかし、例えば、車庫、工場の作業場、店舗など、人間が占有しないまたは人間がめったに占有しない区域に、送電アンテナが配置される環境である場合がある。これらの環境に人間がいない場合、送電アンテナの電力出力を、通常の電力制限規則を越えて増加することが許容される場合がある。換言すれば、コントローラ214は、送電アンテナ204の電力出力を、人間の存在に応答して規制レベルまたは規制レベルより低く調整し、人間が送電アンテナ204の電磁場から規制距離の外にいるときは、送電アンテナ204の電力出力を、規制レベルを越えたレベルに調整することができる。
【0027】
非限定的な例として、密閉検出器290は(本明細書において、密閉区画検出器または密閉空間検出器とも呼ぶ場合がある)、筐体が閉状態の場合であるか開状態の場合であるかを決定するための検知スイッチなどのデバイスであって良い。トランスミッタが密閉状態である筐体内にあるとき、トランスミッタの電力レベルを増加することができる。
【0028】
例示的な実施形態において、トランスミッタ200が、無期限にオンのままではない方法を使用することができる。この場合、トランスミッタ200は、ユーザが決定した時間の量の後に遮断するようプログラムすることができる。この機能によって、トランスミッタ200、特に電力増幅器210が、トランスミッタ200の周辺部の中のワイヤレスデバイスが完全に充電された後、長い間稼働することを防止する。この事象は、中継コイルまたは受電コイルのいずれかから送られる、デバイスが完全に充電された信号を検出する回路の失敗に起因する場合がある。トランスミッタ200の周辺部に別のデバイスが配置された場合にトランスミッタ200が自動的に遮断することを防止するため、トランスミッタ200の自動遮断機能は、トランスミッタ200の周辺部において動きの検出がない、設定した期間の後にのみアクティブにすることができる。ユーザは、非アクティブ時間間隔を決定し、必要に応じて変えることができる。非限定的な例として、時間間隔は、デバイスが最初は完全に放電しているという仮定の下で、特定の種類のワイヤレスデバイスを完全に充電するために必要な時間間隔よりも長くすることができる。
【0029】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、レシーバ300の簡略ブロック図である。レシーバ300は、受電回路302および受電アンテナ304を含む。レシーバ300は、それに受電した電力を提供するために、デバイス350とさらに結合する。レシーバ300はデバイス350の外部であるように例示されているが、レシーバ300をデバイス350の中に一体化できることに留意されたい。概して、エネルギーは、受電アンテナ304にワイヤレスに伝播され、次いで受電回路302を介してデバイス350に結合される。
【0030】
受電アンテナ304は、送電アンテナ204(
図4)と同一の周波数または指定された範囲の周波数の中で共振するように同調される。受電アンテナ304は、送電アンテナ204と同様に寸法決定することができ、または関連するデバイス350の寸法に基づいて、異なってサイズ決定することができる。例として、デバイス350は、送電アンテナ204の長さの直径より小さい直径寸法または長さ寸法を有するポータブル電子デバイスであって良い。そのような例において、受電アンテナ304は、同調キャパシタ(図示せず)の静電容量の値を減少させ、受電アンテナのインピーダンスを増加させるため、多数巻きのアンテナとして実装することができる。例として、受電アンテナ304は、アンテナ直径を最大化し、受電アンテナのループ巻きの数(すなわち巻回)および巻線間容量を減少させるために、デバイス350の実質的な外周の周りに配置することができる。
【0031】
受電回路302によって、受電アンテナ304とのインピーダンス整合が可能になる。受電回路302は、受電したRFエネルギー源を、デバイス350が使用する充電電力へと変換するための電力変換回路306を含む。電力変換回路306は、RF-DC変換器308を含み、DC-DC変換器310も含むことができる。RF-DC変換器308は、受電アンテナ304で受け取ったRFエネルギー信号を非交番電力へと整流し、一方DC-DC変換器310は、整流したRFエネルギー信号を、デバイス350に適合するエネルギーポテンシャル(例えば電圧)へと変換する。部分整流器および全整流器、レギュレータ、ブリッジ、ダブラ、ならびにリニアコンバータおよびスイッチングコンバータを含む、様々なRF-DC変換器が意図される。
【0032】
受電回路302は、受電アンテナ304を電力変換回路306に接続するため、あるいは、電力変換回路306の接続を断つためのスイッチング回路312をさらに含むことができる。電力変換回路306から受電アンテナ304の接続を断つことは、デバイス350の充電を一時停止するだけでなく、「負荷」がトランスミッタ200(
図2)によって「可視」であるように変えることでもある。
【0033】
上で開示したように、トランスミッタ200は、トランスミッタの電力増幅器210へ提供されるバイアス電流の変動を検出する負荷検知回路216を含む。したがって、トランスミッタ200は、レシーバがトランスミッタの近距離場の中にいつ存在するか決定するための機構を有する。
【0034】
複数のレシーバ300がトランスミッタの近距離場の中に存在するとき、1つまたは複数のレシーバの装荷および除荷を時分割多重化して、他のレシーバがより効率的にトランスミッタに結合可能とすることが望ましい場合がある。レシーバは、他の近くのレシーバとの結合をなくすため、または近くのトランスミッタへの装荷を減少させるために、クローキングすることもできる。レシーバの、この「除荷」を、本明細書において、「クローキング」とも呼ぶ。さらに、レシーバ300により制御されトランスミッタ200により検出される装荷と除荷の間のこのスイッチングによって、以下でより十分に説明するように、レシーバ300からトランスミッタ200への通信機構を提供する。加えて、プロトコルを、レシーバ300からトランスミッタ200にメッセージを送ることを可能にするスイッチングに関連付けることができる。例として、スイッチング速度は、100μ秒程度であって良い。
【0035】
例示的な実施形態において、トランスミッタとレシーバの間の通信は、従来型の双方向通信ではなく、デバイス検知および充電制御機構を意味する。換言すれば、トランスミッタは、送信信号のオン/オフキーイングを使用して、エネルギーが近距離場の中で利用可能であるかどうか調整することができる。レシーバは、このエネルギーの変化をトランスミッタからのメッセージとして解釈する。レシーバ側からすれば、レシーバは、受電アンテナの同調および離調を使用して、どれだけの量の電力を近距離場から受け入れているのかを調整することができる。トランスミッタは、近距離場から使用される電力のこの違いを検出し、これらの変化をレシーバからのメッセージとして解釈することができる。送電電力と負荷挙動の変調の他の形式を使用できることに留意されたい。
【0036】
受電回路302は、受け取ったエネルギーの変動を識別するために使用するシグナリング検出器およびビーコン回路314をさらに含むことができ、受け取ったエネルギーの変動は、トランスミッタからレシーバへの情報を含む信号伝達に対応する。さらに、シグナリングおよびビーコン回路314を、低減されたRF信号エネルギー(すなわち、ビーコン信号)の送信を検出するために使用して、ワイヤレス充電するための受電回路302を構成する目的で、低減されたRF信号エネルギーを、受電回路302内の電力供給されていない回路または電力が枯渇した回路のいずれかを起動させる公称電力へと整流することもできる。
【0037】
受電回路302は、本明細書において記載のスイッチング回路312の制御を含む、本明細書において記載のレシーバ300の処理を協調させるためのプロセッサ316をさらに含む。デバイス350に充電電力を提供する外部有線充電電源(例えば、壁面/USB電源)の検出を含む他の事象の発生時に、レシーバ300のクローキングが発生する可能性もある。プロセッサ316は、レシーバのクローキングを制御することに加えて、ビーコン回路314を監視して、ビーコンの状態を決定し、トランスミッタから送信されたメッセージを抽出することもできる。プロセッサ316は、性能を改善するため、DC-DC変換器310を調整することもできる。
【0038】
図6は、トランスミッタとレシーバの間にメッセージングを行うための、送電回路の一部の簡略図を示す。本発明の一部の例示的な実施形態において、通信のための手段が、トランスミッタとレシーバの間で使用可能となり得る。
図6において、電力増幅器210が送電アンテナ204を駆動して、放射場を生成する。電力増幅器は、所望の周波数で発振している搬送波信号220によって、送電アンテナ204のために駆動される。送信変調信号224を使用して、電力増幅器210の出力を制御する。
【0039】
送電回路は、電力増幅器210上でオン/オフキーイング処理を使用することにより、レシーバに信号を送信することができる。換言すれば、送信変調信号224がアサートされたとき、電力増幅器210は、送電アンテナ204上から、搬送波信号220の周波数を駆動することになる。送信変調信号224がネゲートされたとき、電力増幅器は、送電アンテナ204上からいかなる周波数も駆動しないことになる。他の種類の変調が本発明の範囲内であり得ることに留意されたい。
【0040】
図6の送電回路は、電力増幅器210に電力を供給し、受信信号235出力を生成する負荷検知回路216も含む。負荷検知回路216において、抵抗器R
sの両端間の電圧降下が、信号226の中の電力と電力増幅器210への電源228の間で発現する。電力増幅器210によって消費される電流のいかなる変化も、差動増幅器230によって増幅される電圧降下の変化を引き起こすことになる。送電アンテナがレシーバ(
図6には図示せず)の中の受電アンテナと結合モードであるとき、電力増幅器210によって引き込まれる電流の量が変化することになる。換言すれば、送電アンテナ204について結合モードの共振が存在しない場合、放射場を駆動するために必要な電力は第1の量であることになる。結合モードの共振が存在する場合、電力増幅器210によって消費される電力量は、電力の多くが受電アンテナの中に結合されているので、増すことになる。したがって、受信信号235は、送電アンテナ204に結合した受電アンテナの存在を示すことができ、受電アンテナから送信された信号を検出することもできる。加えて、レシーバ電流の引込みの変化は、トランスミッタの電力増幅器電流の引込みの中に観察可能となり、この変化を使用して受電アンテナからの信号を検出することができる。受電アンテナおよび関連する回路の挙動によって提示される負荷の変動を検出するために、他の回路を実装できることに留意されたい。
【0041】
本明細書において開示の様々な例示的な実施形態は、様々な電力変換手法に基づく様々な結合の変形およびデバイス配置のフレキシビリティ(例えば、ほとんど距離ゼロにおける充電パッドソリューションのための近い「近接」結合または短距離ワイヤレス電力ソリューションのための「近傍」結合)を含む送電範囲を識別する。近い近接結合の応用例(すなわち、強く結合したレジーム、結合係数が典型的には、k > 0.1)は、アンテナのサイズに依存して、典型的には数ミリメートルまたは数センチメートル程度の、短いまたは非常に短い距離にわたるエネルギー伝達を可能にする。近傍結合の応用例(すなわち、疎に結合したレジーム、結合係数が典型的には、k < 0.1)は、アンテナのサイズに依存して、典型的には10cm〜2mの範囲の距離にわたる相対的により低い効率でエネルギー伝達を可能にする。トランスミッタとレシーバの間の「近傍」結合は、より低効率のエネルギー伝達を提供する可能性があるが、「近傍」結合は、送電アンテナに対して(それに取り付けられるデバイスとともに)レシーバの配置にフレキシビリティをもたらす。
【0042】
本明細書において記載のように、「近接」結合および「近傍」結合は、電源/受電回路がアンテナ/結合回路網と適合するために、異なる整合手法を必要とする場合がある。さらに、様々な例示的な実施形態は、システムパラメータ、設計目標、実装上の変形体、ならびにLFおよびHF両方の用途の仕様ならびにトランスミッタおよびレシーバの仕様を提供する。これらのパラメータおよび仕様の一部は、例えば、特定の電力変換手法により整合するため、必要に応じて変更することができる。
【0043】
図7は、例示的な実施形態による、送電アンテナと受電アンテナの間の第1の結合の変形体の機能ブロック図を示す。
図7の結合の変形体350は、「近傍」結合の変形体を示し、「近傍」結合に使用される高Q共振タンク回路へ結合するために使用することができる。結合の変形体350は、電力変換回路と整合するようにインピーダンスを変換し、結果として、伝達効率の改善または高伝達効率になる。具体的には、結合の変形体350は、共振周波数で共振するよう構成された送電アンテナ352、および同じ共振周波数または共振周波数の指定された範囲の中の周波数で共振するよう構成された受電アンテナ354を含む。
【0044】
送電アンテナ352は、キャパシタC
1およびインダクタL
1を含む、高Qタンク共振器356を含む。受電アンテナ354は、キャパシタC
2およびインダクタL
2を含む、高Qタンク共振器358を含む。近傍結合の適用(すなわち、結合係数が典型的には、k < 0.1を有する、疎に結合したレジーム)によって、アンテナのサイズに依存して、典型的には10cm〜2mの範囲の距離dにわたる相対的に低い効率でエネルギー伝達を可能にする。
【0045】
図8は、例示的な実施形態による、送電アンテナと受電アンテナの間の第2の結合の変形体の機能ブロック図を示す。
図8の結合の変形体380は、例示的な実施形態による、「近接」結合の変形体を示す。結合の変更体380は、
図7の送電アンテナ352および受電アンテナ354を含む。送電アンテナ352は、キャパシタC
1およびインダクタL
1を含む、高Qタンク共振器356を含み、受電アンテナ354は、キャパシタC
2およびインダクタL
2を含む、高Qタンク共振器358を含む。近い近接結合の適用(すなわち、結合係数が典型的には、k > 0.1を有する強く結合したレジーム)によって、アンテナのサイズに依存して、典型的には数ミリメートルまたは数センチメートル程度の、短いまたは非常に短い距離dにわたるエネルギー伝達を可能にする。
【0046】
一般に、共振誘導によるワイヤレス電力伝達は、最適な負荷抵抗を決定することにより改善され、結果として、所与のアンテナパラメータ(例えば、無負荷Q値、LC比、およびトランスミッタ電源インピーダンス)について伝達効率を最大化することになる。最適な装荷は、結合係数kに依存する。反対に、所与の負荷抵抗について効率を最大化する、最適な受電LC比または負荷変換が存在する。
【0047】
本発明の例示的な実施形態は、FCC/SAR規制との適合性を維持しながら、複数の充電モードの1つで動作するように構成されたワイヤレス充電デバイスに関する。ワイヤレス充電デバイスは、密に結合したシステムにおいて、大きい負荷(例えば、ラップトップコンピュータ)に電力を提供する、または疎に結合したシステムにおいて、1または複数のより小さい負荷(例えば、携帯電話またはメディアプレーヤ)に電力を提供するように構成することができる。
【0048】
ワイヤレス充電デバイスは、ワイヤレス電力を関連する近距離場領域内で送電するように構成された、少なくとも1つのワイヤレス電力トランスミッタを含むことができる。例示的な一実施形態によれば、少なくとも1つのワイヤレス電力トランスミッタは、関連する充電領域内に配置された1つまたは複数の充電可能デバイスの種類に依存して、そこからワイヤレスで送電される電力量を変化するように構成することができる。より具体的には、ワイヤレス電力トランスミッタは、ラップトップコンピュータ(例えば、ネットブックまたはスマートブック)のバッテリなど、大容量バッテリのために、専用の(すなわち、1対1の)大電力充電用途で構成することができる。言い換えれば、ワイヤレス電力トランスミッタは、相対的に高レベルの電力を単一のデバイスに送電するように構成することができ、単一のデバイスは、ワイヤレス充電デバイスと密に結合したシステム(すなわち、近接結合)を形成する。さらに、ワイヤレス電力トランスミッタは、携帯電話またはメディアプレーヤのバッテリなど、1つまたは複数の(例えば、1対多の)小容量バッテリのための低電力充電用途で構成することができる。言い換えれば、ワイヤレス充電デバイスは、相対的に低レベルの電力を1つまたは複数のデバイスに送電するように構成することができ、1つまたは複数のデバイスは、ワイヤレス充電デバイスと疎に結合したシステム(すなわち、近傍結合)を形成する。
【0049】
当業者なら理解するように、単に例として、セルラ電話またはポータブルメディアプレーヤなど、相対的に低電力のデバイスの充電可能バッテリは、適正に充電するために、約2〜3ワットの電力を必要とする場合がある。一方、ラップトップコンピュータなどの、相対的に大電力のデバイスの充電可能バッテリは、適正に充電するために、約60ワットの電力を必要とする場合がある。したがって、疎に結合したシステムにおいて、相対的に大電力のデバイスに適正な電力量をワイヤレスで送電することは、疎に結合したシステムにおいて、1つまたは複数の小さいデバイスに適正な電力量を送電することよりも、電力損失が大きい結果となる。さらに、密に結合したシステムと比較して、疎に結合したシステムがより高い割合の損失を呈する場合があるにもかかわらず、疎に結合したシステムにおいて送電する電力量が相対的に小さい(例えば、2〜3ワット)場合、失われる電力量も相対的に小さい。反対に、疎に結合したシステムにおいて送電される電力量が相対的に大きい(例えば、60ワット)場合、失われる電力量も相対的に大きい。
【0050】
図9は、トランスミッタ(例えば、
図4のトランスミッタ200)および少なくとも1つの関連する送電アンテナ702を含む、ワイヤレス充電デバイス700のブロック図である。単なる例であるが、ワイヤレス充電デバイス700は、充電トレイ、充電パッド、ドッキングステーション、またはこれらの任意の組合せを備えることができる。本明細書では、用語「大電力デバイス」は、単なる例であるが、充電のために2〜3ワットの電力を必要とし得る小電力デバイス、例えば、単なる例であるが、セルラ電話、Bluetooth(登録商標)ヘッドセット、またはポータブルメディアプレーヤなどに比較して、充電のために比較的大電力(例えば、60ワット)を必要とするデバイスを備える。さらに、大電力デバイスは、ワイヤレス充電デバイス700の送電アンテナ702の寸法と実質的に同様である寸法を有する受電アンテナを備える場合がある。さらに、本明細書では、用語「小電力デバイス」(例えば、大電力デバイスに対して、充電するために小さい電力(例えば、2〜3ワット)を必要とするデバイス)は、ワイヤレス充電デバイス700の送電アンテナ702の寸法よりも実質的に小さい寸法を有する受電アンテナを有するデバイスを備える場合がある。
【0051】
以下により完全に記載するように、ワイヤレス充電デバイス700の関連する充電領域内に配置される1つまたは複数の充電可能デバイスの種類に依存して、ワイヤレス充電デバイス700は、そこから送電する電力量を調整するよう構成することができる。より具体的には、ワイヤレス充電デバイス700は、密に結合したシステム(すなわち、近接結合)では、1つの電力レベルで電力を送電し、疎に結合したシステム(すなわち、近傍結合)では、別のより小さい電力レベルで電力を送電するように構成することができる。言い換えれば、1つまたは複数の相対的に小さい電力のデバイス(例えば、1つまたは複数の携帯電話)が、ワイヤレス充電デバイス700の充電領域内(例えば、ワイヤレス充電デバイス700の表面)に配置される場合、ワイヤレス充電デバイス700は、相対的に小さい量の電力(例えば、実際に電力を受け取るデバイス毎に2〜3ワット)を送電するように構成することができる。反対に、大きいデバイス(例えば、ラップトップ)がワイヤレス充電デバイス700の充電領域内に配置された場合、ワイヤレス充電デバイス700は、1つまたは複数の小さいデバイスが充電領域内に配置される間に送電される電力量と比較して、相対的に大きい電力量(例えば、60ワット)を送電するように構成することができる。このような電力量の変化を、ワイヤレス充電デバイス700により能動的に制御することができ、または1つまたは複数の充電可能デバイスがワイヤレス充電デバイス700に対して示す特性インピーダンスによって、自動的に得ることができる。
【0052】
図10は、ワイヤレス充電デバイス700の別の例示である。
図10に示すように、ワイヤレス充電デバイス700は、大きい充電可能デバイス(例えば、ラップトップ)または1つまたは複数の小さい充電可能デバイス(例えば、セルラ電話、メディアプレーヤ、またはカメラ)を配置するための表面704を含む。
【0053】
以下により完全に記載するように、本発明の例示的な実施形態により、ワイヤレス充電デバイス700は、装荷分析を実施して、どんな種類または複数の種類の充電可能デバイスが、関連する近距離場領域内に配置されたのか決定するように構成することができる。言い換えれば、ワイヤレス充電デバイス700は、関連するトランスミッタ上の関連する近距離場領域内に配置された受電アンテナの装荷効果(すなわち、相対的に大きい負荷が存在するのか、相対的に小さい負荷が存在するのか)を分析するように構成することができる。装荷分析は、関連する近距離場領域内に配置された相対的に大きい1つのデバイスとともに、密に結合したシステムが形成されるのか、関連する近距離場領域内に配置された相対的に小さい1つまたは複数のデバイスを有する、疎に結合したシステムが形成されるのかを、ワイヤレス充電デバイス700が決定することを可能にすることができる。例示的な別の実施形態によれば、ワイヤレス充電デバイス700の近距離場領域内に配置された充電可能デバイスは、その存在とその「種類」(すなわち、充電可能デバイスが、密に結合したシステムを形成する相対的に大電力であるのか(例えば、ラップトップ)、疎に結合したシステムを形成する相対的に小電力なデバイス(例えば、携帯電話)であるのか)をワイヤレス充電デバイス700に通信することができる。
【0054】
さらに、相対的に大電力のデバイスが存在し、密に結合したシステムが形成されるという決定に応じて、ワイヤレス充電デバイス700は、適切な電力量(例えば、60ワット)を送電することを可能にし、相対的に大電力のデバイスを充電することができる。同様に、1つまたは複数の相対的に小電力のデバイスが存在し、疎に結合したシステムが形成されるという決定に応じて、ワイヤレス充電デバイス700は、適切な電力量(例えば、2〜3ワット)を送電し、1つまたは複数の相対的に小電力のデバイスを充電することができる。さらに、関連する送電アンテナから関連する充電領域内に配置された1つまたは複数のデバイスに送電する電力を最適化するために、関連する送電アンテナを駆動する方法を、ワイヤレス充電デバイス700が変更できることに留意されたい。
【0055】
図11は、ワイヤレス充電デバイス700上に配置される、例えば、ラップトップコンピュータを備えることができるデバイス910を描く。デバイス910は、レシーバ(
図11には図示せず、例えば、
図5のレシーバ300を参照のこと)および少なくとも1つの関連する受電アンテナ(
図11にはやはり図示せず、例えば、
図5の受電アンテナ304を参照のこと)を含むことができる。上記のように、相対的に大電力のデバイス(例えば、デバイス910などのラップトップコンピュータ)は、十分に充電するために、相対的に大きい電力量(例えば、60ワット)を必要とする可能性がある。したがって、デバイス910の受電アンテナが送電アンテナ702に隣接するよう配置することが可能となるように、デバイス910をワイヤレス充電デバイス700に隣接して配置するべきであり、その結果、密に結合したシステムが存在することができる。
【0056】
例示的な一実施形態によれば、ワイヤレス充電デバイス700は、関連する送電アンテナ702を、ラップトップコンピュータなど相対的に大電力のデバイスの受電アンテナと、実質的に位置合わせすることが可能なように構成することができる。当業者なら理解するように、送電アンテナ702を相対的に大電力のデバイスの受電アンテナと実質的に位置合わせすることによって、密に結合したシステム(すなわち、近接結合)を提供することができる。単なる例であるが、ワイヤレス充電デバイス700は、デバイスユーザが送電アンテナ702を特定の相対的に大電力のデバイスの受電アンテナと実質的に位置合わせする役に立つように構成された、1つまたは複数の位置合わせデバイス(例えば、1つまたは複数の溝、1つまたは複数のブラケット、またはこれらの任意の組合せ)を含むことができる。より具体的には、一例として、ワイヤレス充電デバイス700は、デバイス910を表面704上で配置するために構成された1つまたは複数の位置合わせデバイス913を含み、送電アンテナ702をデバイス910の受電アンテナと実質的に位置合わせすることができる。別の例として、ワイヤレス充電デバイス700は、送電アンテナ702を、ワイヤレス充電デバイス700の近距離場領域内に配置された相対的に大電力のデバイスの受電アンテナと、実質的に位置合わせするために構成されたドッキングステーションを備えることができる。ワイヤレス充電デバイス700が、1つまたは複数の位置合わせデバイスを含み得ること、充電されるデバイス(例えば、デバイス910)が、1つまたは複数の位置合わせデバイスを含み得ること、またはワイヤレス充電デバイス700とデバイス910の両方が、1つまたは複数の位置合わせデバイスを含み、それぞれのアンテナを実質的に位置合わせすることを可能にすること、および、その結果、密に結合したシステムを提供することに留意されたい。
【0057】
位置合わせデバイス(例えば、位置合わせデバイス913)またはドッキングステーションは、ワイヤレス充電デバイス700の近距離場領域内に配置された相対的に大電力のデバイスを検出するよう構成できることに留意されたい。単なる例であるが、位置合わせデバイス913またはドッキングステーションは、1つまたは複数のセンサを含み、ワイヤレス充電デバイス700の近距離場領域内に配置された相対的に大電力のデバイスを検出することができる。したがって、ワイヤレス充電デバイス700は、密に結合したシステムを検出するように構成することができる。密に結合したシステムが相対的に大電力のデバイスとともに形成されたことを、ワイヤレス充電デバイス700が決定した後、ワイヤレス充電デバイス700は、デバイス910を充電するのに十分な、相対的に大きい電力量(例えば、60ワット)を送電できることに、さらに留意されたい。
【0058】
ワイヤレス充電デバイス700は、特定のデバイス910用に特に設計および製造され、またはその逆も同様であり得ることに、さらに留意されたい。したがって、ワイヤレス充電デバイス700およびデバイス910のそれぞれの中のアンテナは、ワイヤレス充電デバイス700の充電領域内に配置されたデバイス910上に実質的に位置合わせするように配置することができる。
【0059】
図12は、ワイヤレス充電デバイス700の表面704上に配置された複数のデバイス920を示す。各デバイス920は、レシーバ(
図12には図示せず、例えば、
図5のレシーバ300を参照のこと)および少なくとも1つの関連する受電アンテナ(
図12にはやはり図示せず、例えば、
図5の受電アンテナ304を参照のこと)を含むことができる。単なる例として、デバイス920は、セルラ電話、ポータブルメディアプレーヤ、カメラ、ゲーム機、ナビゲーションデバイス、ヘッドセット(例えば、Bluetooth(登録商標)ヘッドセット)、またはこれらの任意の組合せを備えることができる。上記のように、相対的に小電力のデバイス(例えば、携帯電話)は、十分に充電するために、相対的に小さい電力量(例えば、2〜3ワット)を必要とする可能性がある。当業者なら理解するように、ワイヤレス充電デバイス700の充電領域内に自由に配置され得る1つまたは複数のデバイス920とともに、疎に結合したシステムを形成することができる。疎に結合したシステムが1つまたは複数の相対的に小電力のデバイス920とともに形成されることを、ワイヤレス充電デバイス700が決定した後、ワイヤレス充電デバイス700は、1つまたは複数のデバイス920を充電するのに十分な、相対的に小さい電力量(例えば、2〜3ワット)を送電することができる。
【0060】
図13は、上記のように、ワイヤレス充電デバイス700上に配置される、例えば、ラップトップコンピュータを備え得るデバイス910を描く。上記のように、デバイス910は、レシーバ(
図11には図示せず、例えば、
図5のレシーバ300を参照のこと)を含むことができる。同じく上記のように、送電アンテナ702をデバイス910の受電アンテナと実質的に位置合わせすることが可能となるように、デバイス910をワイヤレス充電デバイス700の表面704(
図10参照)に配置することができ、その結果、密に結合したシステムが、デバイス910とワイヤレス充電デバイス700の間に存在することができる。密に結合したシステムが相対的に大電力のデバイス910とともに形成されたことを、ワイヤレス充電デバイス700が決定した後、ワイヤレス充電デバイス700は、デバイス910を充電するのに十分な、相対的に大きい電力量(例えば、60ワット)を送電できる。
【0061】
さらに、
図13は、デバイス910の表面915上に配置された複数のデバイス920も示す。
図12を参照して上で記載のように、各デバイス920は、レシーバ(
図12には図示せず、例えば、
図5のレシーバ300を参照のこと)および少なくとも1つの関連する受電アンテナ(
図12にはやはり図示せず、例えば、
図5の受電アンテナ304を参照のこと)を含むことができる。例示的な一実施形態によれば、アンテナ950はリピータアンテナを備えることができる。当業者なら理解するように、例示的な実施形態において、アンテナ950がリピータアンテナを備える場合、アンテナ950は、送電アンテナ702からワイヤレスに送電される電力にとって、継電器の役割を果たすように構成することができる。したがって、例示的な一実施形態によれば、密に結合したシステムにおいてワイヤレス充電デバイス700からデバイス910へ送電されるワイヤレス電力は、疎に結合したシステムにおいてデバイス910からデバイス920へリピートする(すなわち再送電する)ことができる。
【0062】
他の実施形態によれば、デバイス910が、受電アンテナ(例えば、
図5の受電アンテナ300)およびアンテナ950を含むことができ、デバイス910は、デバイス910から、関連する近距離場領域内に配置された1つまたは複数の充電可能デバイス(例えば、デバイス920)に、ワイヤレスに電力を送電するように構成することができる。したがって、例示的な一実施形態によれば、デバイス910は、疎に結合したシステムにおいて、1つまたは複数のデバイス920にワイヤレスに電力を送電することができる。疎に結合したシステムが1つまたは複数の相対的に小電力のデバイス920とともに形成されることを、ワイヤレス充電デバイス700が決定した後、ワイヤレス充電デバイス700は、1つまたは複数のデバイス920を充電するのに十分な、相対的に小さい電力量(例えば、デバイス920毎に2〜3ワット)を送電することができる。デバイス910のアンテナ300は、リピータアンテナ、受電アンテナ、またはその両方として動作するように構成できることに留意されたい。
【0063】
図14は、1つまたは複数の例示的な実施形態による、方法980を示す流れ図である。方法980は、第1の電力レベルで、ある期間の間、デバイスにワイヤレス電力を伝達するステップを含むことができる(数値982によって表す)。方法980は、第2の異なる電力レベルで、別の期間の間、1つまたは複数の他のデバイスにワイヤレス電力を伝達するステップをさらに含むことができる(数値984によって表す)。
【0064】
情報および信号は、様々な異なった技術および技法のいずれかを使用して表すことができることを、当業者なら理解するであろう。例えば、上の説明の全体にわたって参照する場合がある、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場または光学粒子、またはこの任意の組合せによって表すことができる。
【0065】
本明細書に開示の例示的な実施形態に関連して記載した、様々な例示の論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装できることを、当業者ならさらに理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に例示するために、様々な例示の構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、一般的にその機能性に関して、上で記載してきた。そのような機能性をハードウェアとして実装するかまたはソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課せられた設計制約に依存する。当業者は、各特定の適用例のために、様々なやり方で記載の機能性を実装することができるが、そのような実装判断が、本発明の例示的な実施形態の範囲からの逸脱を生じるとは解釈するべきでない。
【0066】
本明細書に開示の例示的な実施形態に関連して記載した、様々な例示の論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書に記載の機能を実施するよう設計された、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、またはその任意の組合せを用いて実装または実施することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであって良いが、代わりに、プロセッサが、任意の従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであって良い。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、例えばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成としても実装することができる。
【0067】
本明細書に開示の例示的な実施形態に関連して記載した、方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアの中で、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールの中で、または2つの組合せの中で直接実施することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形式の記憶媒体に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み込み、記憶媒体へ情報を書き込むことができるように、プロセッサと結合される。別法として、記憶媒体がプロセッサと一体であって良い。プロセッサおよび記憶媒体がASICの中に存在して良い。ASICはユーザ端末の中に存在して良い。別法として、プロセッサおよび記憶媒体が、ユーザ端末の中に個別構成要素として存在して良い。
【0068】
1つまたは複数の例示的な実施形態において、記載の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組合せの中に実装することができる。ソフトウェアの中に実装する場合、機能は1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶する、またはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。コンピュータ可読媒体としては、コンピュータ記憶媒体、および1つの場所から他の場所へのコンピュータプログラムの伝達を可能にする任意の媒体を含む、通信媒体の両方が挙げられる。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる任意の入手可能な媒体であって良い。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMまたは他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、または命令またはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる任意の他の媒体を備えることができる。さらに、任意の接続を、コンピュータ可読媒体と適切に呼ぶ。例えば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから、ソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書では、ディスク(Disk)およびディスク(disc)は、ディスク(disk)が通常データを磁気的に再生し、一方ディスク(disc)がデータを、レーザを用いて光学的に再生するが、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光学ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピディスクおよびブルーレイディスクを含む。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲の中に含むべきである。
【0069】
開示した例示的な実施形態についての前の説明は、任意の当業者が本発明を製造または使用することを可能にするように提供された。これらの例示的な実施形態に対する様々な変更形態が、当業者には容易に明らかとなり、本明細書に規定の一般的な原理が、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明は、本明細書に示した例示的な実施形態に限定することを意図しておらず、本明細書に開示した原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲に合致するべきである。