【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、最初に言及されるタイプの方法によって実現され、この方法は、原水の導電率LF
raw及び/又は原水の全硬度が、実験的に求められた、軟水の導電率LF
soft又は混合水の導電率LF
blendから導出される点とによって特徴づけられ、実験的に求められた軟水の導電率LF
soft又は混合水の導電率LF
blendから
導電率LF
raw及び/又は原水の全硬度を導出するときに
、1個のカルシウムイオン又は1個のマグネシウムイオン
と2個のナトリウムイオンとの
異なる導電率
は、1つ以上の
関数によって
補正され、導出された原水の導電率LF
raw及び/又は原水の全硬度は、部分流れV(t)
part1soft及びV(t)
part2rawの2つにおける混合比率を対応させて所望の値(SW)に調節することによって、混合水の流れV(t)
blendの硬度を調節するために使用される点によって特徴づけられる。
【0012】
本発明によれば、同様に原水の導電率によって通常得られる原水の硬度は、導電率センサを使用して求められる。しかし、導電率センサは、水処理システム内の領域であって、原水を搬送する領域に配置される必要はなく、水処理システム内の領域であって、軟水又は混合水を搬送する領域に配置され得る。結果として導電率センサが石灰化から保護され、廉価な導電率センサの正確な動作が恒久的に保証される。
【0013】
導電率センサによって記録された導電率は、水に溶解したイオンを記録する和パラメータを表す。軟化されていない水(原水)の場合には、導電率は、水硬度、すなわちカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの含有量にほぼ比例する。
【0014】
硬水軟化では、水に含まれる物質であって、硬度をもたらす物質(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)が、イオン交換樹脂内のナトリウムイオンと交換される。それによって、1つのカルシウムイオン又はマグネシウムイオンが2つのナトリウムイオンで置換され、それに応じて軟水の導電率が変化する。
【0015】
軟化された水(軟水)にはカルシウムイオン及びマグネシウムイオンが含まれていない。しかし、軟水で測定される導電率は、元の原水における物質であって、硬度をもたらす物質の含有量に比例した振る舞いをする。軟水では、硬度をもたらす物質だけがナトリウムイオンと化学量論的に交換され、他のイオンの組成及び濃度は変わらない。したがって、原水の導電率、結果的に原水の硬度は、測定された軟水の導電率から推定することができる。本発明は、このことを利用する。
【0016】
この目的のために、本発明の要旨の範囲内で、1つ又は複数の適切な関数(制御デバイスに特性線として記憶されることが多い)によって軟水の導電率の測定値から原水の導電率及び/又は原水の全硬度が導出される。1つ又は複数の関数が、一方では1つのカルシウムイオン又はマグネシウムイオンの、他方では2つのナトリウムイオンの異なる導電率を補正する。導電率が、完全に軟化された水ではなく混合水で実験的に求められる場合、補正は、2つの部分流れV(t)
part1softとV(t)
part2rawの割合によって重み付けする必要がある。
【0017】
本発明によれば、原水の導電率LF
raw及び原水の全硬度が、通常は、あらかじめ混合水硬度を求めることなく導出されることが注目されよう。混合水硬度は、導出された原水硬度と部分流れの相対的な割合とによって算出することができる。
【0018】
軟水又は部分的に軟化された水の導電率を実験的に求めることにより、測定電極の表面を恒久的に石灰かすなしに保つことができる。結果として、導電率センサは、メンテナンスフリーで正確な測定値を常に提供する。
【0019】
本発明の好ましい変形形態
軟水の導電率が求められる変形形態
本発明の要旨の範囲内で、軟水の領域に導電率センサを配置することができる。この場合、原水の導電率又は原水硬度などの原水の特性を求めるための部分流れによる重み付けを行う必要がないので、この方法はとりわけ簡単である。原水硬度を求めるために、原水の導電率LF
rawは、最初に軟水の導電率LF
softから導出することができ、次いで、既知の較正関数を用いて、原水の導電率LF
rawを原水硬度に変換することができる。あるいは、軟水の導電率LF
softから原水硬度を直接求めることもできる。
【0020】
本発明による方法の有利な変形形態では、原水の導電率LF
rawは、LF
raw=UF(LF
soft)における変換関数UFにより、実験的に求められたLF
softであって、軟水の導電率LF
softから導出される。変換関数は、例えば、特性線、多項式関数、又は値の表として、電子制御デバイスに記憶することができる。原水の全硬度は、既知の較正関数によって原水の導電率から容易に求めることができ、様々な制御態様に対して、様々な較正関数を容易に適用することができる。
【0021】
この変形形態の更なる発展形態が特に好ましく、その発展形態によれば、変換関数UFは、LF
raw=UFK×LF
softにおける一定の変換係数UFKとなるように選択され、0.90≦UFK≦0.99であり、好ましくは0.93≦UFK≦0.97である。軟化、すなわち、硬度をもたらす物質であるカルシウムイオン及びマグネシウムイオンとナトリウムイオンとの化学量論的交換において、導電率がわずかに増加する。様々な水に関する研究により、軟化の結果としての導電率の増加率は、水質とは無関係に約5%とほぼ一定であって、約0.95のUFKに相当し、好ましい値を表すことが明らかになった。この更なる発展形態では、原水の導電率LF
rawを求めるための算術演算を、かなり簡易化することができる。
【0022】
上記の変形形態の別の更なる発展形態によれば、軟化デバイスの再生運転を制御するのに用いられる原水の全硬度Iが、導出された原水の導電率LF
rawから第1の較正関数K1によって導出され、且つ混合デバイスを制御するのに用いられる原水の全硬度IIが、導出された原水の導電率LF
rawから第2の較正関数K2によって導出される。
【0023】
2つの較正関数K1及びK2は、記録された導電率が、水に溶解したすべてのイオンを記録する和パラメータを表し、導電率が、水硬度、すなわちカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの含有量に、単に、ほぼ比例するという事実を考慮に入れている。
【0024】
第1の較正関数K1(較正曲線又は較正特性線として主に制御デバイスに記憶される)は、好ましくは、第1の較正関数K1から求めた水硬度が、その導電率で生じる最大の水硬度の少なくとも優れた近似に相当するものと定義される。これによって、再生運転の開始が遅れすぎることを回避でき、硬度漏れを確実に回避できる。第1の較正関数K1は、通常、°dH当たり28〜35μS/cm、具体的には、°dH当たり30〜33μS/cmの較正を用いる(°dHはドイツ硬度である)。
【0025】
第2の較正関数K2(同様に、較正曲線又は較正特性線として主に制御デバイスに記憶される)から求める水硬度は、好ましくは、その導電率で生じるすべての水硬度の平均として得られる。この第2の較正関数を用いると、導電率から求められた原水の硬度と原水の実際の硬度との間に、より優れた一致を得ることができる。また、混合水の水硬度の調節又は制御が、それに応じてより正確になる。第2の較正関数K2は、一般に、°dH当たり35〜44μS/cm、具体的には、°dH当たり38〜41μS/cmの較正を用いる。
【0026】
2つの較正関数を用いることにより、正確な混合が保証され、同時に、硬度漏れを確実に回避できる。
【0027】
K1とK2は、好ましくは異なるものであり、具体的には、第1の較正関数K1から導出された全硬度Iが、第2の較正関数K2から導出された全硬度IIより少なくとも区分的に大きい。再生運転及び混合デバイスを制御するのに用いられる原水硬度は、測定された導電率から近似的にのみ求められ得る。再生運転及び混合デバイスには別の諸要件が適用され、これらは、規格DIN EN 14743及び規格DIN 19636−100に規定されている。別々の較正関数を用いることにより、原水の全硬度に関する2つの近似値が得られる。一方の近似値を用いると、硬度漏れが回避され、同時に、用いる再生塩1キログラム当たり4mol(400gのCaCO
3)という規格DIN EN 14763に指定された最小限の交換容量が観測されるように再生運転を制御することができ、第2の近似値では、混合デバイスが、混合水に関して規格DIN 19636−100に規定された許容限度を満たすように正確に制御される。
【0028】
本発明による方法の変形形態の同様に有利な点は、軟化デバイスの再生運転を制御するのに用いられる原水の全硬度Iが、実験的に求められた軟水の導電率LF
softから、第1の全較正関数GK1によって直接導出されること、及び混合デバイスを制御するのに用いられる原水の全硬度IIが、実験的に求められた軟水の導電率LF
softから、第2の全較正関数GK2によって直接求められることによって特徴づけられる。前述のように、2つの全較正関数GK1及びGK2を用いることにより、正確な混合を保証して、同時に、硬度漏れを確実に回避することができる。中間的に原水導電率を求めることなく、原水硬度を直接求めると、特に迅速になる。全較正関数は、具体的には変換関数と較正関数の組合せに相当するか、又は実験的に求めた値を直接割り当てることもできる。GK1とGK2は、好ましくは異なるものであり、具体的には、第1の全較正関数GK1から導出した全硬度Iが、第2の全較正関数GK2から導出した全硬度IIより少なくとも区分的に大きい。
【0029】
混合水の導電率を求める変形形態
本発明の要旨の範囲内で、原水の導電率LF
rawは、一般に、部分流れV(t)
part1softとV(t)
part2rawの比を考慮に入れて混合水の導電率LF
blendから求めることもできる。混合水に含まれる軟水の導電率LF
softの正確な変換が、部分流れによる重み付けをされながら、ここで行なわれ得る。あるいは、原水の導電率LF
rawは、混合水の導電率LF
blendに乗数を適用することにより、簡易化したやり方で求めることもでき、この乗数は、部分流れに依存し、原水含有量の増加とともに増加し、通常は、原水含有量が0%であると乗数は約0.95(又は、局所的条件により、0.90から0.99の範囲、好ましくは0.93から0.97の範囲の別の値)であり、原水含有量が100%であると乗数は1であって、乗数の中間値は直線的に補間される。本発明の要旨の範囲内で、他の近似も可能である。次いで、既知の較正関数によって、(近似的に)求められた原水の導電率LF
rawから、簡単なやり方で原水硬度を求める(算出する)ことができる。原水硬度は、一般に、部分流れV(t)
part1softとV(t)
part2rawの比を考慮に入れて、混合水の導電率LF
blendから直接求めることもできる。
【0030】
本発明による方法の好ましい変形形態では、原水の導電率LF
rawは、実験的に求められた混合水の導電率LF
blendから次式を用いて導出され、
【0031】
【数1】
【0032】
具体的には、この式がLF
rawについて解かれ、UFは変換関数を示し、UFを用いて、軟水の導電率LF
softから原水の導電率LF
rawが得られ、LF
raw=UF(LF
soft)であり、UF
−1は、UFの逆関数を示す。この式により、(相対的)部分流れを考慮に入れて原水の導電率LF
rawの割出しを非常に正確に行うことができる。変換関数の逆関数UF
−1を用いて、軟水の導電率LF
softは、式UF
−1(LF
raw)=LF
softによって置換することができる。特に、この式をLF
rawについて解くのが困難なとき、必要に応じて、LF
rawの割出しを数値的に行うこともできる。(相対的)部分流れは、流量計によって直接的もしくは間接的に求めるか、又は混合デバイスの調節位置によって評価することができる。
【0033】
上記方法の変形形態の特に好ましい更なる発展形態では、変換関数UFが、一定の変換係数UFKとなるように選択され、LF
raw=UFK×LF
softであって、0.90≦UFK≦0.99であり、好ましくは0.93≦UFK≦0.97であって、それによって次式となる。
【0034】
【数2】
【0035】
一定の変換係数を用いるとLF
rawの割出しが容易になり、具体的には、上記の式をLF
rawについて容易に解くことができる。
【0036】
同様に好ましい更なる発展形態は、軟化デバイスの再生運転を制御するのに用いられる原水の全硬度Iが、導出された原水の導電率LF
rawから、第1の較正関数K1によって導出され、混合デバイスを制御するのに用いられる原水の全硬度IIが、導出された原水の導電率LF
rawから、第2の較正関数K2によって導出されることを特徴とする。2つの較正関数K1及びK2を用いることにより、既に上記で説明されたように、正確な混合が保証され得て、同時に硬度漏れが確実に回避される。K1とK2は、好ましくは異なるものであり、具体的には、第1の較正関数K1から導出した全硬度Iが、第2の較正関数K2から導出した全硬度IIより、少なくとも区分的に大きい。
【0037】
方法の変形形態の同様に好ましい点は、軟化デバイスの再生運転を制御するのに用いられる原水の全硬度Iが、実験的に求められた混合水の導電率LF
blend並びに2つの部分流れV(t)
part1soft及びV(t)
part2rawから、第1の重み付き全較正関数GGK1によって直接導出され、混合デバイスを制御するのに用いられる原水の全硬度IIが、実験的に求められた混合水の導電率LF
blend並びに2つの部分流れV(t)
part1soft及びV(t)
part2rawか
ら直接導出されることである。前述のように、2つの重み付き全較正関数GGK1及びGGK2を用いることにより、正確な混合を保証して、同時に、硬度漏れを確実に回避することができる。中間的に原水導電率を求めることなく、原水硬度を直接求めると、特に迅速になる。GGK1とGGK2は、好ましくは異なるものであり、具体的には、第1の重み付き全較正関数GGK1から導出された全硬度Iが、第2の重み付き全較正関数GGK2から導出した全硬度IIより少なくとも区分的に大きい。重み付き全較正関数は、具体的にはLF
rawを求めるための上記の式(変換関数又はその逆関数を用いる)と較正関数の組合せに相当するか、又は実験的に求めた値を直接割り当てることもできる。
【0038】
本発明による水処理システム
本発明は、
−
イオン交換樹脂を含
み、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンをナトリウムイオンと化学量論的に交換するための軟化デバイスと、
− 導電率センサと、
− 電子制御デバイスと、
− 軟化した部分の第1の流れV(t)
part1soft及び原水搬送部分の第2の流れV(t)
part2rawから、混合水の流れV(t)
blendを混合するための自動調節可能な混合デバイスとを有し、導電率センサは、軟水又は混合水の領域に配置される水処理システムであって、制御デバイスは、本発明による前述の方法を行うように構成されることを特徴とする水処理システムも提供する。本発明による水処理システムは、装置に関して簡単な構造である。導電率センサが石灰化されることはあり得ず、メンテナンスフリーである。定期的な脱石灰化は不要である。制御デバイスは、例えば変換関数UF又は較正関数といった、運転方法を行うのに必要な関数をすべて記憶することができる。
【0039】
本発明による水処理システムの好ましい実施形態では、電子制御デバイスは、軟水の導電率LF
soft又は混合水の導電率LF
blendから原水の導電率LF
raw及び/又は原水の全硬度を算出するための、複数の記憶された較正関数(K1、K2)及び/又は複数の記憶された全較正関数(GK1、GK2)及び/又は複数の記憶された重み付き全較正関数(GGK1、GGK2)を備えるメモリを有する。前述の複数の関数を記憶すると、様々な原水硬度に基づく再生の制御及び混合の制御が可能になり、したがって、早めに再生を行い、同時に混合精度を向上することが確実に可能になる。
【0040】
同様に、部分流れV(t)
part1soft及びV(t)
part2rawを直接的又は間接的に実験的に求めるために、少なくとも2つの流量計が存在する実施形態が好ましい。とりわけ、導電率センサが混合水の中に配置されると、部分流れの正確な重み付けを行うことができるので、結果として、混合及び再生の制御が特に正確に行われ得る。あるいは、混合デバイスの位置調節についての知見により、部分流れの相対的割合を評価することができる。
【0041】
本発明による
前述の水処理システムは、前述の方法における本発明による前述の水処理システムの使用法
によって使用され得る。
【0042】
説明及び図面から、本発明の更なる利点が明らかになるであろう。同様に、前述の特徴及び以下で説明される特徴は、本発明に従って、それぞれの場合で個々に、又は任意の所望の組合せで用いることができる。示されて説明される実施形態は、網羅的リストとして理解されるべきではなく、むしろ、本発明を説明するための例示的性質である。
【0043】
本発明は、図面で示され、また、例示的実施形態によって詳細に説明される。