特許第5809223号(P5809223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5809223N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造方法およびその出発物質
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5809223
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造方法およびその出発物質
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/18 20060101AFI20151021BHJP
【FI】
   C07D209/18
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-222442(P2013-222442)
(22)【出願日】2013年10月25日
(62)【分割の表示】特願2009-515575(P2009-515575)の分割
【原出願日】2007年6月7日
(65)【公開番号】特開2014-58532(P2014-58532A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2013年11月21日
(31)【優先権主張番号】60/804,527
(32)【優先日】2006年6月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/867,878
(32)【優先日】2006年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【弁理士】
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ムラト・アシモグル
(72)【発明者】
【氏名】ジョギンダー・エス・バジワ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ジョン・パーカー
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル・スレイド
【審査官】 堀 洋樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−509105(JP,A)
【文献】 社団法人日本化学会編,新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応III,丸善株式会社,1987年 2月20日,第1380−1385頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 209/18
CAplus/CASREACT/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の製造方法であって:
(a)2−メチルトリプタミンと(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを混合して混合物を形成させる工程;
(b)混合物を撹拌して、イミン中間体を形成させる工程;そして
(c)イミン中間体を還元して(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を形成させる工程
を含み、
工程(c)が:
(c1)混合物を冷却する;
(c2)水素化ホウ素ナトリウムを混合物に加える;および
(c3)混合物と塩酸を混合して(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を沈殿させる、
下位工程を含む、方法。
【請求項2】
下位工程(c1)の前に混合物を溶媒で希釈する、請求項の方法。
【請求項3】
下位工程(c1)において、混合物を−10から−20℃の温度に冷却する、請求項の方法。
【請求項4】
下位工程(c2)において、水素化ホウ素ナトリウムを少量ずつ下位工程(c1)の温度を維持しながら、加える、請求項の方法。
【請求項5】
下位工程(c2)において、水素化ホウ素ナトリウムを1時間にわたって、温度を−15℃から−10℃の範囲に維持しながら加える、請求項の方法。
【請求項6】
下位工程(c2)の混合物を撹拌した後、下位工程(c3)を行う、請求項の方法。
【請求項7】
予め冷却した塩酸に混合物をゆっくり添加して下位工程(c3)を行う、請求項の方法。
【請求項8】
塩酸を0℃から5℃の温度に冷却する、請求項の方法。
【請求項9】
下位工程(c3)が:
(c3a)下位工程(c2)の混合物を加熱する;
(c3b)水を混合物に加える;および
(c3c)塩酸を混合物に加えて、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を沈殿させる、
下位工程を含む、請求項の方法。
【請求項10】
下位工程(c3a)において、混合物を20℃から25℃の範囲の温度に25分間にわたって加熱する、請求項の方法。
【請求項11】
下位工程(c3a)の混合物を撹拌した後、水をゆっくりと加える、請求項または10の方法。
【請求項12】
塩酸を少量ずつ加える、請求項11のいずれかの方法。
【請求項13】
塩酸を1.5時間にわたって加える、請求項12のいずれかの方法。
【請求項14】
第1部の塩酸を1時間にわたって加え、そして第2部の塩酸を30分にわたって加える、請求項13のいずれかの方法。
【請求項15】
(d)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を結晶化させる工程をさらに含む、請求項1〜14のいずれかの方法。
【請求項16】
工程(d)が:
(d1)工程(c)においてイミン中間体を還元して形成された懸濁液を加熱する;
(d2)懸濁液を下位工程(d1)の温度で撹拌する;
(d3)懸濁液を冷却する;および
(d4)懸濁液を下位工程(d3)の温度で撹拌する、
下位工程を含む、請求項15の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造方法およびその出発物質に関する。
【背景技術】
【0002】
関連する背景技術
化合物N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド(あるいは、N−ヒドロキシ−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−アクリルアミド)は、WO 02/22577に記載されているとおり、式(I)
【化1】
を有する。有用な薬理学的特性がこの化合物によって奏され;したがって例えば、ヒストンデアセチラーゼ活性の阻害に応答する疾患の治療に有用な、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤として使用することができる。この化合物を製造する本発明者らによる以前の試みは、反応生成物中の様々な不純物および副生成物の存在のために限定された成功であった;かかる不純物および副生成物の除去には、所望の生成物の長く面倒な再処理/再結晶化が必要である。したがって、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの合成は複雑で、時間のかかる、小規模合成に限られたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第02/22577号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造方法であって:(a)水酸化ナトリウムと(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を混合して約−10℃未満の温度で混合物を形成させる工程;そして
(b)ヒドロキシルアミンを前記混合物に加えてN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを形成させる工程を含んで成る、方法に関する。当該方法はさらに、所望によりN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを結晶化させる工程を含む。本発明の好ましい態様において、工程(c)は次の下位工程を含む:(c1)工程(b)で形成された反応混合物を加熱する;(c2)反応混合物を撹拌する;(c3)水を反応混合物に加える;(c4)反応混合物を濾過して濾液を得る;(c5)濾液のpHを約10から約11の範囲のpHに調節する;(c6)N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの種晶を濾液に加える;(c7)懸濁液が得られるまで濾液を撹拌する;(c8)懸濁液のpHを約8.5から約9の範囲のpHに調節する;および(c9)懸濁液を撹拌する。当該方法はさらに、所望により、(d)N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを単離する工程を含む。好ましい態様において、工程(d)は、次の下位工程を含む:(d1)工程(c)から結晶化したN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを濾過する;および(d2)結晶化したN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを乾燥させる。
【0005】
本発明はさらに、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の製造方法であって:(a)2−メチルトリプタミンと(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを混合して混合物を形成させる工程;(b)混合物を、イミン中間体を形成させるのに十分な時間および温度で撹拌する工程;そして(c)イミン中間体を還元して(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを形成させ、塩酸水溶液を反応混合物に加えて塩酸塩を形成させる工程を含んで成る、方法に関する。本発明の好ましい態様において、工程(c)は次の下位工程を含む:(c1)混合物を冷却する;(c2)水素化ホウ素ナトリウムを混合物に加える;および(c3)混合物と塩酸を混合して(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を沈殿させる。さらに好ましい態様において、下位工程(c3)はさらに次の下位工程を含む:(c3a)下位工程(c2)の混合物を加熱する;(c3b)水を混合物に加える;および(c3c)塩酸を混合物に加えて、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を結晶化させる。当該方法はさらに、所望により、(d)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の懸濁液を加熱および冷却して、反応混合物中の残余アミン−ボロン複合体を分解させる工程を含む。本発明の好ましい態様において、工程(d)は、次の下位工程を含む:(d1)工程(c)において塩酸塩が形成されたとき、懸濁液を加熱する;(d2)懸濁液を下位工程(d1)の温度で撹拌する;(d3)懸濁液を冷却する;および(d4)懸濁液を下位工程(d3)の温度で撹拌する。当該方法はさらに、所望により、(e)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を単離する工程を含む。好ましい態様において、工程(e)は、次の下位工程を含む:(e1)工程(d)の懸濁液を濾過する;および(e2)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を乾燥させる。
【0006】
本発明はさらに、2−メチルトリプタミンの製造方法であって(a)第1温度でフェニルヒドラジンと5−クロロ−2−ペンタノンのエタノール中混合物を得る工程;(b)エタノールを当該混合物に加え、混合物を還流させる工程;(c)エタノールを蒸留する工程;(d)水を残渣溶液に加える工程;そして(e)残渣溶液を冷却して2−メチルトリプタミンを形成させる工程を含んで成る方法に関する。本発明の好ましい態様において、当該方法はさらに、(f)2−メチルトリプタミンを単離し、精製する工程を含む。本発明のより好ましい態様において、工程(f)は、次の下位工程を含む:(f1)残渣溶液をトルエンで洗浄する;(f2)2−メチルトリプタミンを単離する;(f3)2−メチルトリプタミンをトルエンで洗浄する;および(f4)2−メチルトリプタミンを乾燥させる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
発明の詳細な説明
本発明は、以下に示すとおり、
【化2】
N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造方法であって:(a)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩と水酸化ナトリウムを混合して約−10℃未満の温度で混合物を形成させる工程;そして
(b)ヒドロキシルアミンを前記混合物に加えてN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを形成させる工程を含んで成る方法に関する。
【0008】
さらに、本発明の方法は、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの結晶化および単離工程を含んでいてもよい。本発明の方法は膨大な時間、反応生成物の複雑な再処理/再結晶化を必要としない。換言すれば、本発明の方法は、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを1つの方法工程で、高収率かつ十分な品質で得ることができる。
【0009】
第1の態様の方法の第1工程において、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩と水酸化ナトリウムを約−10℃未満の温度で混合して混合物を形成させる。より好ましくは、温度は約−15℃未満である。1つの態様において、温度は約0℃である。温度はあらゆる好適な手段で達成および維持することができる。同様に、混合物をあらゆる適当な容器(これは鉄および重金属を含んではならず、反応を不活性雰囲気下で行う)中で製造することができる。重金属および鉄(金属鉄およびその塩)はヒドロキシルアミンの分解を触媒する。
【0010】
典型的には、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩(あるいは、3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−(2E)−2−プロペン酸メチルエステルとも知られている)は、メタノール懸濁液の形態で提供される。好ましくは、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を、メタノールを加えた好適な反応容器に入れ、得られた懸濁液を約−10℃未満に冷却する。(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を、本発明の第2の態様の方法に従って製造することができる。(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩は、好ましくは1.0当量と規定される。典型的には、水酸化ナトリウムは溶液、好ましくはメタノール溶液の形態で提供される。水酸化ナトリウムは商業的に入手可能な出発物質である。水酸化ナトリウムは好ましくは、約2.5から約3.5当量の範囲の量で使用する。
【0011】
好ましくは水酸化ナトリウムのメタノール溶液を、好適な反応容器中の(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の懸濁液に、ある時間にわたって加える。より好ましくは、水酸化ナトリウム溶液を約20−40分、好ましくは30分にわたって、温度を約−10℃未満に保ちながら加える。
【0012】
第1の態様の方法の第2工程において、ヒドロキシルアミンを第1工程の混合物に加えて、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを形成させる。第1工程の温度、すなわち約−10℃未満をこの工程中維持する。
典型的には、ヒドロキシルアミンは水溶液の形態で提供される。ヒドロキシルアミンは商業的に入手可能な出発物質である。ヒドロキシルアミンを、好ましくは約4当量から約13当量の範囲の量で用いる。好ましくは、ヒドロキシルアミンの水溶液、例えば50%水溶液を、好適な反応容器中の(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩と水酸化ナトリウムの混合物に、ある時間にわたって加える。より好ましくは、ヒドロキシルアミン溶液を約20−24分、好ましくは約30分にわたって、温度を約−10℃に保ちながら加える。工程(b)を実施するとき、工程(a)において水酸化ナトリウムに用いた装置または容器と接触させないような方法でヒドロキシルアミンを混合物に加えることに注意すべきである。例えば、同じ添加漏斗を用いるべきでない:換言すれば、ヒドロキシルアミンを混合物に加える前にはヒドロキシルアミンと水酸化ナトリウムの反応を回避させるべきである。さらに、ヒドロキシルアミンの添加に用いる全ての容器およびパイプラインは、鉄および重金属を含んではならない。
【0013】
本発明の好ましい態様において、混合物を工程(a)の温度で、反応が完了するかまたはほぼ完了するまで撹拌する;典型的には、反応の完了には約7時間かかる。反応の完了をHPLCでモニターすることができる;1つの好ましい態様において、>99.5%の変換が見られる。
【0014】
第1の態様の方法は、さらに(c)N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを結晶化させる工程を含んでいてもよい。本発明の好ましい態様において、かかる工程は、次の下位工程のいずれかまたは全部を含んでもよい:(c1)工程(b)で形成された反応混合物を加熱する;(c2)反応混合物を撹拌する;(c3)水を反応混合物に加える;(c4)反応混合物を濾過して濾液を得る;(c5)濾液のpHを約10から約11の範囲のpHに調節する;(c6)N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの種晶を濾液に加える;(c7)懸濁液が得られるまで濾液を撹拌する;(c8)懸濁液のpHを約8.5から約9の範囲のpHに調節する;および(c9)懸濁液を撹拌する。好ましくは工程(c1)から(c9)の全てを工程(c1)の加熱によって到達した温度で行う。
【0015】
工程(c1)において、ヒドロキシルアミンをメチルエステルと水酸化ナトリウムの混合物に加えて、反応混合物が形成される。好ましくは、反応混合物を約0℃から約25℃の範囲の温度に加熱する。加熱は、あらゆる好適な手段によって行い得る。工程(c2)において、反応混合物を工程(c1)の加熱によって到達した温度で撹拌する。好ましくは、反応混合物を約13時間撹拌する。本発明の1つの好ましい態様において、工程(c1)および(c2)を反復して徐々に加熱する、すなわち反応混合物を第1に約0℃から約5℃の範囲の温度に加熱して、約4−6時間、好ましくは5時間撹拌し、次に約20℃から約25℃の範囲の温度に加熱して、さらに約8−16時間撹拌する。
【0016】
工程(c3)において、水を反応混合物に加える。典型的には、脱イオン水をある時間にわたって、より好ましくは約30分にわたって、約20−25℃の温度で加えて、溶液を得る。
【0017】
工程(c4)において、反応混合物を濾過して濾液を得る。濾過をあらゆる好適な手段または濾過媒体を用いて行うことができる。工程(c4)はまた、所望により、濾過媒体を洗浄し、洗浄液を得られた濾液に加える下位工程を含む。
【0018】
工程(c5)において、濾液のpHを約10から約11、より好ましくは約10.3から約10.7の範囲のpHに調節する。水性塩酸の添加を、典型的にはこの目的のために使用する。
【0019】
工程(c6)において、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの種晶を濾液に加える。これは典型的には、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド結晶の水性懸濁液の導入によって行う。
【0020】
工程(c7)において、懸濁液が得られるまで濾液を撹拌する。好ましくは、濾液を約30分から数時間、結晶化が明らかとなり、視認できるようになるまで撹拌する。
【0021】
工程(c8)において、懸濁液のpHを約8.5から約9の範囲のpHに調節する。典型的には水性塩酸の添加を、この目的のために用いる。
【0022】
工程(c9)において、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドが結晶化するまで懸濁液を撹拌する。好ましくは、懸濁液を約30分から数時間、反応が完了するまで撹拌する。第1の態様の方法はさらに、(d)N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを単離する工程を含んでいてもよい。本発明の好ましい態様において、この工程は、次の下位工程のいずれかまたは全てを含んでもよい:(d1)工程(c)からの結晶化したN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを濾過する;および結晶化した(d2)N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを乾燥させる。
【0023】
工程(d1)において、結晶化したN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを濾過する。濾過を、あらゆる好適な手段を用いて行うことができる。典型的には、濾過ケーキを例えば脱イオン水とメタノールの1:1混合物で洗浄する。
【0024】
工程(d2)において、結晶化したN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを乾燥させる。乾燥は、あらゆる好適な手段によって行うことができる。45−50℃/1−5mbar約24時間の乾燥が、通常十分であった。
【0025】
本発明の第2の態様は、第1の態様におけるN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの合成に用いる出発物質の1つである(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の製造方法に関する。とりわけ、本発明の第2の態様は、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の製造方法であって、(a)2−メチルトリプタミンと(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを混合して混合物を形成させる工程;(b)混合物を、イミン中間体の形成に十分な時間および温度で撹拌する工程;および(c)イミン中間体を還元して(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を形成させる工程を含んで成る方法に関する。
【0026】
第2の態様の方法の第1の工程において、2−メチルトリプタミンと(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを混合して混合物を形成させる。好ましくは、温度は約20℃から約25℃の範囲である。混合物を、あらゆる好適な容器中で製造することができる。典型的には、2−メチルトリプタミンおよび(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルの両方を、溶媒、例えばメタノールに溶解させて混合物を得る。
【0027】
2−メチルトリプタミンを既知の合成に従って製造するか、または下記本発明の第3の態様に従って製造する。2−メチルトリプタミンは好ましくは、約0.9から約1.0当量の範囲の量で使用する。(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを、商業的供給源から購入するか、または既知の合成に従って製造することができる。(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを好ましくは、約1.0から約1.1当量の範囲の量で用いる。
【0028】
第2の工程において、2−メチルトリプタミンと(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルの混合物を、イミン中間体を製造するのに十分な時間および温度で撹拌する。
【化3】
好ましくは、混合物を約1時間、約20℃から約25℃の範囲の温度で撹拌する。第2の態様の方法の工程(c)において、イミン中間体を水素化ホウ素ナトリウムで還元して(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを形成させ、これを次に、塩酸塩として結晶化/沈殿させる。本発明の好ましい態様において、工程(c)は、次の下位工程を含む:(c1)混合物を冷却する;(c2)水素化ホウ素ナトリウムを混合物に加える;および(c3)混合物と酢酸を混合して(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を結晶化/沈殿させる。
【0029】
本発明の1つの態様において、下位工程(c1)の前に混合物を溶媒、例えばメタノールで希釈する。下位工程(c1)の冷却を、あらゆる既知の方法、例えば氷浴、冷却ジャケット等によって行うことができる。好ましくは、混合物を約−10から−20℃、好ましくは−15℃の温度に冷却する。
【0030】
下位工程(c2)において、水素化ホウ素ナトリウムの添加を好ましくは、少量ずつ、ある時間にわたって、下位工程(c1)の温度を維持しながら行う。より好ましくは、添加時間は約1時間であり、温度を約−15℃から約−10℃の範囲に維持する。好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムを固体形態で、約0.4当量から約0.7当量の範囲の量で加える。
【0031】
下位工程(c3)において、混合物を酸、例えば塩酸と混合して、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を沈殿させる。好ましくは、下位工程(c2)の混合物を撹拌した後、この下位工程を行う。塩酸との混合は、様々な方法で本発明によって行うことができる。1つの好ましい方法は、予め冷却した水性塩酸に混合物をゆっくりと加えることを含み、典型的には、塩酸溶液を約0℃から約5℃の温度に冷却する。
【0032】
塩酸と混合する他の好ましい方法は、次の下位工程を含む:(c3a)下位工程(c2)の混合物を加熱する;(c3b)水を混合物に加える;および(c3c)塩酸を混合物に加えて、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を沈殿させる。下位工程(c3a)において、混合物を約20℃から約25℃の範囲の温度に、約20−45分、好ましくは約25分にわたって加熱する。下位工程(c3b)において、水をゆっくりと、好ましくは下位工程(c3a)の混合物撹拌後に加える。下位工程(c3c)において、好ましくは塩酸は水性であり、少量ずつゆっくりと加える。好ましくは、第1部の塩酸は、反応混合物のpHを8.5に調節するのに必要な量である。温度を20℃−25℃に維持しながら、塩酸溶液を加える。次に、反応混合物をこの温度で少なくとも1時間撹拌して、さらなる塩酸を加える前に生成物を結晶化させる。
【0033】
第2の態様の方法はまた、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の懸濁液を加熱および冷却して品質を改善し、濾過性を向上させる工程(d)を含んでいてもよい。好ましい態様において、かかる工程は、次の下位工程を含んでもよい:(d1)工程(c)においてイミン中間体を還元し、塩酸を加えて塩酸塩を形成させて形成された懸濁液を加熱する;(d2)懸濁液を下位工程(d1)の温度で撹拌する;(d3)懸濁液を冷却する;および(d4)懸濁液を下位工程(d3)の温度で撹拌する。好ましくは、下位工程(d1)の温度は、約60℃から約65℃の範囲であり、加熱を約30分から約45分にわたって行う。好ましくは、下位工程(d2)の撹拌を、約5分から約30分間行う。好ましくは、下位工程(d3)の温度は、約−15℃から約−10℃の範囲であり、約45分から約1時間にわたって行う。好ましくは、下位工程(d4)の撹拌を、約30分から約数時間にわたって行う。本発明のとりわけ好ましい態様において、下位工程(d1)から(d4)の全てを1回以上反復、実際上、生成物の濾過前に、沈殿の温度は−15℃から65℃で変動させる。
【0034】
本発明の第2の態様の方法はまた、(e)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を単離する工程を含んでいてもよい。好ましい態様において、かかる工程は、次の下位工程を含んでもよい:(e1)工程(d)の懸濁液を濾過する;および(e2)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を乾燥させる。
【0035】
工程(e1)において、工程(d)から結晶化した(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の懸濁液を濾過する。濾過は、あらゆる好適な手段によって行うことができる。典型的には、濾過ケーキを、例えば、予め冷却した(約−10℃)脱イオン水とメタノールの混合物または予め冷却した(約−15℃)メタノールで洗浄する。
【0036】
工程(e2)において、結晶化した(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を乾燥させる。乾燥を、あらゆる好適な手段によって行うことができる。50℃、減圧下での乾燥がとりわけ好ましい。
【0037】
本発明の第3の態様は、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の合成に有用な出発物質の製造方法に関する。とりわけ、本発明の第3の態様は、2−メチルトリプタミンの製造方法であって、(a)第1温度でフェニルヒドラジンと5−クロロ−2−ペンタノンのエタノール中混合物を得る工程;(b)エタノールを当該混合物に加え、混合物を還流させる工程;(c)エタノールを蒸留する工程;(d)水を残留溶液に加える工程;そして(e)残留溶液を冷却して2−メチルトリプタミンを形成させる工程を含んで成る方法に関する。
【0038】
第3の態様の第1工程において、フェニルヒドラジンと5−クロロ−2−ペンタノンの混合物を、エタノール中、第1温度で提供する。フェニルヒドラジン、5−クロロ−2−ペンタノンおよびエタノールは商業的に入手可能な出発物質である。本発明の目的のために、等モル量のフェニルヒドラジンと5−クロロ−2−ペンタノンを用いることが好ましい。したがって、フェニルヒドラジンは約.5から約1.5の範囲の量で用い、そして5−クロロ−2−ペンタノンは好ましくは、約1から約2の範囲の量で用いる。本発明の好ましい態様において、工程(a)は、次の下位工程を含む:(a1)フェニルヒドラジンのエタノール溶液を得る;(a2)当該溶液を約30℃から約40℃の範囲の温度、より好ましくは約30−40℃に温める;(a3)5−クロロ−2−ペンタノンを約15−45分にわたって反応混合物に加えながら、反応を約35℃から約45℃の範囲の温度で保つ;および(a4)反応を約30−60分間、工程(a3)の温度で保つ。この工程において、温度および時間パラメーターの注意深い制御が、不純物を制御するために重要である。
【0039】
第3の態様の方法の第2工程において、エタノールを混合物に加え、混合物を還流する。エタノールは好ましくは、約10部から約20部の範囲の量で加える。典型的には、反応混合物を速やかに温めて還流させ、最低50−60分間保つ。還流後、反応混合物を典型的には、室温に約20分にわたって冷却する。
【0040】
第3の態様の方法の第3工程において、エタノールを蒸留する。蒸留は、あらゆる好適な手段を用いて行うことができが、真空蒸留がとりわけこの目的のために好ましい。典型的にはエタノールの部分蒸留を、フラスコ中の体積を測定することによって行う。
【0041】
第3の態様の方法の第4工程において、水を残留溶液に加える。水を好ましくは、約10部から約20部の範囲の量で加える。典型的な方法において、エタノールの除去と同じ条件で蒸留を続け、水を残留混合物に加える。水を好ましくは、約10部から約20部の範囲の量で加える。
【0042】
第3の態様の方法の第5工程において、残留溶液を冷却して2−メチルトリプタミンを形成させる。典型的には、残留溶液を約25℃未満の温度に冷却する。
【0043】
第3の態様の方法はさらに、(f)2−メチルトリプタミンを単離および精製する工程を含んでいてもよい。本発明の好ましい態様において、工程(f)は、次の下位工程を含む:(f1)残留溶液をトルエンで洗浄する;(f2)2−メチルトリプタミンを単離する;(f3)2−メチルトリプタミンをトルエンで洗浄する;および(f4)2−メチルトリプタミンを乾燥させる。
【0044】
工程(f1)において、残留溶液をトルエンで洗浄する。工程(f2)において、2−メチルトリプタミンを単離する。単離はあらゆる好適な手段によって行うことができる。工程(f3)において、2−メチルトリプタミンをトルエン、好ましくは冷トルエン、すなわち≦0℃で洗浄する。工程(f4)において、2−メチルトリプタミンを乾燥させる。乾燥を、あらゆる好適な手段によって行うことができる。真空下、45℃でのLOD<1%が得られるまでの乾燥がとりわけ好ましい。
【0045】
第3の態様の方法を用いて、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の合成における出発物質である2−メチルトリプタミンを製造することができる。
【0046】
本発明の具体的な態様は、下記実施例の記載によって示される。これらの実施例は本発明を説明する目的によってのみ開示されており、如何なる意味においても本発明の技術的範囲を限定すると取られてはならないことが理解されるべきである。
【実施例】
【0047】
実施例1
N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造
(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩(90g、233.8mmole)を4首反応フラスコに入れ、メタノール(475g)を加える。懸濁液を−15℃に冷却する。水酸化ナトリウム(28.2g、705mmole)のメタノール溶液(419.2g)を懸濁液に−15℃で加え(添加時間約30分)、次にヒドロキシルアミン溶液(50%水溶液100.3g、ヒドロキシルアミン50.15g、1518mmoleに対応)をこの温度で加える(添加時間約30分)。注意:水酸化ナトリウムとヒドロキシルアミン溶液それぞれについて異なる添加漏斗を用いることが重要である。−15℃で、さらに7時間、HPLCで>99.5面積%の変換が達成されるまで撹拌を続ける。反応混合物を0℃に温め、5時間、0−5℃で撹拌し、20℃に温め、8時間、20−25℃で撹拌を続ける。脱イオン水(225g)を懸濁液に20−25℃で30分間加えて、溶液を得る。溶液を濾過し、フィルターおよび濾過パイプラインを脱イオン水(225g)で洗浄する。溶液のpHを10.3−10.7に、水性塩酸溶液(7.8m/m%水溶液約140g)を加えて調節する。種晶をN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド遊離塩基(80mg)の水(5g)懸濁液として加え、混合物を約30分間、20−25℃で、懸濁液が形成されるまで撹拌する。懸濁液のpHを8.5−9.0に、水性塩酸溶液(7.8m/m%脱イオン水溶液約108g)加えて20−25℃で調節し、少なくとも30分間、20−25℃で撹拌を続ける。固体生成物を濾過によって単離し、濾過ケーキを脱イオン水とメタノールの1:1(v/v)混合物(140mL)で洗浄する。湿潤生成物を45−50℃/5mbarで24時間乾燥させて、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを得る。収量:81.15g;理論値の99.3%。HPLC分析は、生成物について97.6面積%純度を示し、これは3.2%w/wの水を含む。ヒドロキシルアミン含量は345ppmと検定され、これはヒドロキシルアミン含量<5ppmの対応する乳酸塩の形成に十分である。
【0048】
実施例2
(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の製造
2−メチルトリプタミン(100g、573.8mmole)および(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(115g、604.6mmole)をメタノール(1250mL)に溶解させる。溶液を1時間、20−25℃で撹拌し、イミン中間体を形成させる。溶液をメタノール(1250mL)で希釈し、−15℃に冷却させる。水素化ホウ素ナトリウム(16.25g、429.5mmole)を数回に分けて約1時間で、温度を−15℃から−10℃に維持しながら、加える。反応混合物をさらに30分間、この温度で撹拌し、反応混合物を予め冷却した塩酸溶液(水337gおよびメタノール198gの混液中、濃塩酸488g)にゆっくりと、0−5℃で加えて反応をクエンチする。懸濁液が形成される。添加漏斗をメタノール(40g)で濯ぎ、温度を60−65℃に1時間以内で上昇させる。懸濁液を1時間、60−65℃で撹拌し、温度を−15℃に1時間以内に低下させる。懸濁液を1時間、−15℃から−10℃で撹拌し、生成物を濾過によって単離する。湿潤濾過ケーキを数回に分けた水(300mL)とメタノール(600mL)の予め冷却した(−10℃)混合物で洗浄する。湿潤生成物を50℃、減圧下で乾燥させて、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を生成物として得る。生成物は通常、HPLCによって>99面積%の純度を有する。IR、NMRおよびHR−MSによって構造を確認した。融点:251−252℃で分解開始。
【0049】
実施例3
(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の製造
2−メチルトリプタミン(50g、287mmole)および(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(54.6g、287mmole)をメタノール(514g)に溶解させる。溶液を1時間、20−25℃で撹拌し、イミン中間体を形成させる。溶液を約20分以内に−15℃に冷却させる。水素化ホウ素ナトリウム(5.43g、143.5mmole)を数回に分けて約1時間で、温度を−15℃から−10℃に維持しながら、加える。反応混合物をさらに30分間、この温度で撹拌し、温度を約25分以内に20−25℃に上昇させる。反応混合物を20−25℃で30分間撹拌し、温度を20−25℃に保ちながら水(80g)をゆっくりと加える。温度を20−25℃に保ち、水素ガスの発生を制御できるように塩酸水溶液(水50g中、濃HCl70.5g)を反応混合物にゆっくりと加える。この場合、添加には約1時間が必要である。第2部の水性塩酸溶液(水50g中濃HCl70.5g)を30分以内に加え、温度を30分以内に65℃に上昇させる。懸濁液を30分間、65℃で撹拌し、温度を−15℃に、45分以内に低下させる。10分間−15℃で撹拌した後、温度を再び65℃に上昇させ、懸濁液を30分間この温度で撹拌する。最後に、懸濁液を−15℃に45分以内に冷却し、撹拌をさらに30分間、この温度で続ける。生成物を濾過によって単離し、湿潤濾過ケーキを予め冷却した(−15℃)メタノール(2×150g)で洗浄する。湿潤生成物を50℃、減圧下で乾燥させて、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を生成物として得る。生成物は通常、HPLCによって>99面積%の純度を有する。IR、NMRおよびHR−MSによって構造を確認した。融点:251−252℃で分解開始。
【0050】
実施例4
(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の製造
2−メチルトリプタミン(50g、287mmole)および(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(54.6g、287mmole)をメタノール(514g)に懸濁する。溶液を1時間、20−25℃で撹拌し、イミン中間体を形成させる。溶液を約20分以内に−15℃に冷却する。水素化ホウ素ナトリウム(5.43g、143.5mmole)を数回に分けて約1時間で、温度を−15℃から−10℃に維持しながら、加える。反応混合物をさらに30分間、この温度で撹拌し、温度を約25分以内に20−25℃に上昇させる。反応混合物を20−25℃で30分間撹拌し、温度を20−25℃に保ちながら水(80g)をゆっくりと加える。反応混合物のpHを、水性塩酸溶液(21.6m/m%水溶液約37.3g)を20−25℃でゆっくりと、溶液のpHが8.5になるまで加えて8.5に調節する。この場合、添加には約30分必要である。添加の完了後、反応混合物を1時間、20−25℃で撹拌して結晶化させる。この段階で、溶液を(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の結晶で植種して結晶化を促進させることができる。懸濁液を得る。第2部の水性塩酸(21.6%m/m HCl水溶液、36g)を懸濁液に30分間、20−25℃で加え、その後第3部の水性塩酸(21.6%m/m HCl水溶液、167.7g)を30分間、20−25℃で加える。懸濁液を65℃で加熱する。懸濁液を−15℃に冷却し、30分間−10℃から−15℃で撹拌して、結晶化を完了させる。生成物を濾過によって単離し、湿潤濾過ケーキを予め冷却した(−15℃)メタノール(2×150g)で洗浄する。湿潤生成物を50℃、減圧下で乾燥させて、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を生成物として得る。生成物は通常、HPLCによって>99面積%の純度を有する。IR、NMRおよびHR−MSによって構造を確認した。融点:251−252℃で分解開始。
【0051】
実施例5
2−メチルトリプタミンの製造
フェニルヒドラジン(64.92g、0.60mol)およびエタノール(278g、350ml、200プルーフ)を2L丸底フラスコに加えた。溶液を窒素下で撹拌し、35℃に温めた。反応を35−45℃に保ち、5−クロロ−2−ペンタノン(74.54g、0.60mol、97%)を滴下漏斗から加えた。温度を35−41℃に維持し、5−クロロ−2−ペンタノンの添加を30分で完了した。反応を35−40℃で30分間保った。次に、エタノール(556g、700ml、190プルーフ)を反応混合物に加えた。反応混合物を速やかに還流温度に温め、50分間保った。反応混合物を室温に、20分にわたって冷却した。
【0052】
フラスコに真空蒸留器を取り付けた。エタノールを35mmHgで、35−45℃水浴中で予め付した350mlの印まで蒸留させた(蒸留液685g、820mlを回収)。脱イオン水(500g)を残渣溶液に加えた。蒸留を同じ条件で、予め付した450mlの印まで続けた(蒸留液332g、360mlを回収)。脱イオン水(400g)を濁った残渣混合物に加えた。混合物を25℃未満に冷却し、得られた混合物をトルエンで洗浄した(2×347g、400mL)。
【0053】
生成物(2−メチルトリプタミン)を濾過によって単離した。ケーキをトルエン(130g、150ml、≦0℃に冷却)で洗浄した。生成物を真空下、45℃で、LOD<1%が得られるまで乾燥させた。理論上の収量は104.5gであり;実際の収量は49.2gであった。
【0054】
本発明はその具体的な態様についての言及と共に以上に記載されているが、多くの変化、修飾および変形が本明細書に開示の本発明の概念から離れることなく可能である。したがって、全てのかかる変化、修飾および変形は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内であると理解される。本明細書において言及した全ての特許出願、特許および他の文献は、それらの全体について、参照により本明細書の一部とする。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの製造方法であって:
(a)水酸化ナトリウムと(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を混合して約−15℃未満の温度で混合物を形成させる工程;そして
(b)ヒドロキシルアミンを前記混合物に加えてN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを形成させる工程
を含んで成る、方法。
[2]
工程(a)の温度が約−10℃未満である、[1]の方法。
[3]
(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩がメタノール懸濁液の形態で提供される、[1]の方法。
[4]
水酸化ナトリウムがメタノール溶液の形態で提供される、[1]の方法。
[5]
水酸化ナトリウムを(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩に、約30分にわたって加える、[1]の方法。
[6]
水酸化ナトリウムを約2.5当量から約3.5当量の範囲の量で使用する、[1]の方法。
[7]
ヒドロキシルアミンが水溶液の形態で供給される、[1]の方法。
[8]
ヒドロキシルアミンを約4当量から約13当量の範囲の量で使用する、[1]の方法。
[9]
ヒドロキシルアミンを混合物に、約30分にわたって加える、[1]の方法。
[10]
工程(a)の温度で、反応が完了するかまたはほぼ完了するまで撹拌する工程をさらに含む、[1]の方法。
[11]
(c)N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを結晶化させる工程をさらに含む、[1]の方法。
[12]
工程(c)が:
(c1)工程(b)で形成された反応混合物を加熱する;
(c2)反応混合物を撹拌する;
(c3)水を反応混合物に加える;
(c4)反応混合物を濾過して濾液を得る;
(c5)濾液のpHを約10から約11の範囲のpHに調節する;
(c6)N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドの種晶を濾液に加える;
(c7)懸濁液が得られるまで濾液を撹拌する;
(c8)懸濁液のpHを約8.5から約9の範囲のpHに調節する;および
(c9)懸濁液を撹拌する、
下位工程を含む、[11]の方法。
[13]
下位工程(c1)から(c9)の全てを、下位工程(c1)の加熱によって得られた温度で行う、[12]の方法。
[14]
反応混合物を約0℃から約25℃の範囲の温度に加熱する、[12]の方法。
[15]
下位工程(c1)および(c2)を反復して徐々に加熱する、[12]の方法。
[16]
下位工程(c5)において、濾液のpHを約10.3から約10.7の範囲のpHに調節する、[12]の方法。
[17]
(d)N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを単離する工程をさらに含む、[11]の方法。
[18]
工程(d)が:
(d1)工程(c)から結晶化したN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを濾過する;および
(d2)結晶化したN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドを乾燥させる、
下位工程を含む、[17]の方法。
[19]
工程(d1)で得られた濾過ケーキを洗浄する、[18]の方法。
[20]
(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の製造方法であって:
(a)2−メチルトリプタミンと(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを混合して混合物を形成させる工程;
(b)混合物を、イミン中間体を形成させるのに十分な時間および温度で撹拌する工程;そして
(c)イミン中間体を還元して(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を形成させる工程
を含んで成る、方法。
[21]
工程(a)の温度が約20℃から約25℃の範囲である、[20]の方法。
[22]
工程(a)において、2−メチルトリプタミンと(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルをメタノールに溶解させる、[20]の方法。
[23]
混合物を約1時間、約20から約25℃の範囲の温度で撹拌する、[20]の方法。
[24]
工程(c)が:
(c1)混合物を冷却する;
(c2)水素化ホウ素ナトリウムを混合物に加える;および
(c3)混合物と塩酸を混合して(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を沈殿させる、
下位工程を含む、[20]の方法。
[25]
下位工程(c1)の前に混合物を溶媒で希釈する、[24]の方法。
[26]
下位工程(c1)において、混合物を約−15℃に冷却する、[24]の方法。
[27]
下位工程(c2)において、水素化ホウ素ナトリウムを少量ずつ加える、[24]の方法。
[28]
下位工程(c2)において、水素化ホウ素ナトリウムを約1時間にわたって、温度を約−15℃から約−10℃の範囲に維持しながら加える、[24]の方法。
[29]
水素化ホウ素ナトリウムを固体形態で加える、[24]の方法。
[30]
下位工程(c2)の混合物を撹拌した後、下位工程(c3)を行う、[24]の方法。
[31]
予め冷却した塩酸に混合物をゆっくり添加して下位工程(c3)を行う、[24]の方法。
[32]
塩酸を約0℃から約5℃の温度に冷却する、[31]の方法。
[33]
下位工程(c3)が:
(c3a)下位工程(c2)の混合物を加熱する;
(c3b)水を混合物に加える;および
(c3c)塩酸を混合物に加えて、(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を沈殿させる、
下位工程を含む、[24]の方法。
[34]
下位工程(c3a)において、混合物を約20℃から約25℃の範囲の温度に約25分間にわたって加熱する、[33]の方法。
[35]
下位工程(c3a)の混合物を撹拌した後、水をゆっくりと加える、[33]の方法。
[36]
塩酸を少量ずつ加える、[33]の方法。
[37]
塩酸を約1.5時間にわたって加える、[34]の方法。
[38]
第1部の塩酸を約1時間にわたって加え、そして第2部の塩酸を約30分にわたって加える、[35]の方法。
[39]
(d)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を結晶化させる工程をさらに含む、[20]の方法。
[40]
工程(d)が:
(d1)工程(c)においてイミン中間体を還元して形成された懸濁液を加熱する;
(d2)懸濁液を下位工程(d1)の温度で撹拌する;
(d3)懸濁液を冷却する;および
(d4)懸濁液を下位工程(d3)の温度で撹拌する、
下位工程を含む、[39]の方法。
[41]
下位工程(d1)の温度が約60℃から約65℃の範囲である、[40]の方法。
[42]
下位工程(d3)の温度が約−15℃から約−10℃の範囲である、[40]の方法。
[43]
下位工程(d1)から(d4)を1回以上反復する、[40]の方法。
[44]
(e)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を単離する工程をさらに含む、[40]の方法。
[45]
工程(e)が:
(e1)工程(d)の懸濁液を濾過する;および
(e2)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を乾燥させる、
下位工程を含む、[40]の方法。
[46]
下位工程(e1)でいられた濾過ケーキを洗浄する、[45]の方法。
[47]
2−メチルトリプタミンの製造方法であって:
(a)第1温度でフェニルヒドラジンと5−クロロ−2−ペンタノンのエタノール中混合物を得る工程;
(b)エタノールを当該混合物に加え、混合物を還流させる工程;
(c)エタノールを蒸留する工程;
(d)水を残渣溶液に加える工程;そして
(e)残渣溶液を冷却して2−メチルトリプタミンを形成させる工程
を含んで成る方法。
[48]
工程(a)が:
(a1)フェニルヒドラジンのエタノール溶液を得る;
(a2)当該溶液を約30℃から約40℃の範囲の温度に温める;
(a3)5−クロロ−2−ペンタノンを反応混合物に加えながら、反応を約35℃から約45℃の範囲の温度で保つ;および
(a4)反応を約30分間、工程(a3)の温度で保つ、
下位工程を含む、[47]の方法。
[49]
反応混合物を速やかに温めて還流させ、50分間保つ、[47]の方法。
[50]
工程(c)の前に反応混合物を室温に、約20分間にわたって冷却する、[47]の方法。
[51]
エタノールを部分的に蒸留する、[47]の方法。
[52]
蒸留を続け、工程(e)の前にさらなる水を残渣混合物に加える、[47]の方法。
[53]
残渣溶液を約25℃未満の温度に冷却する、[47]の方法。
[54]
(f)2−メチルトリプタミンを単離し、精製する工程をさらに含む、[47]の方法。
[55]
工程(f)が:
(f1)残渣溶液をトルエンで洗浄する;
(f2)2−メチルトリプタミンを単離する;
(f3)2−メチルトリプタミンをトルエンで洗浄する;および
(f4)2−メチルトリプタミンを乾燥させる
下位工程を含む、[54]の方法。
[56]
工程(f3)で冷トルエンを用いる、[55]の方法。
[57]
乾燥を真空下、45℃で、乾燥による減少<1%が得られるまで行う、[55]の方法。
[58]
(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の製造方法であって:
(a)2−メチルトリプタミンと(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを混合して混合物を形成させる工程;
(b)前記混合物をイミン中間体が形成されるのに十分な時間および温度で撹拌する工程;
(c)イミン中間体を還元する工程;そして
(d)シーディングして(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を形成させる工程
を含んで成る方法。
[59]
工程(a)の温度が約20℃から約25℃の範囲である、[58]の方法。
[60]
工程(a)において、2−メチルトリプタミンと(E)−3−(4−ホルミル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルをメタノールに溶解させる、[58]の方法。
[61]
工程(b)において、混合物を約30分間、約20から約25℃の範囲の温度で撹拌する、[58]の方法。
[62]
工程(c)が:
(c1)混合物を冷却する;
(c2)水素化ホウ素ナトリウムを混合物に加える;および
(c3)混合物と塩酸を混合する
下位工程を含む、[58]の方法。
[63]
下位工程(c1)の前に混合物を溶媒で希釈する、[58]の方法。
[64]
下位工程(c1)において、混合物を約−15℃の温度に冷却する、[62]の方法。
[65]
下位工程(c2)において、水素化ホウ素ナトリウムを少量ずつ加える、[62]の方法。
[66]
下位工程(c2)において、水素化ホウ素ナトリウムを約1時間にわたって、温度を約−15℃から約−10℃の範囲に維持しながら加える、[62]の方法。
[67]
水素化ホウ素ナトリウムを固体形態で加える、[62]の方法。
[68]
混合物を予め冷却した塩酸にゆっくり加えることによって下位工程(c3)を行う、[62]の方法。
[69]
塩酸を約0℃から約5℃の温度に冷却する、[68]の方法。
[70]
下位工程(c3)が:
(c3a)下位工程(c2)の混合物を加熱する;
(c3b)水を混合物に加える;および
(c3c)塩酸を混合物に加える、
下位工程を含む、[68]の方法。
[71]
下位工程(c3a)において、混合物を約20℃から約25℃の範囲の温度に約25分間にわたって加熱する、[70]の方法。
[72]
下位工程(c3a)の混合物を撹拌した後、水をゆっくりと加える、[70]の方法。
[73]
塩酸を少量ずつ加える、[70]の方法。
[74]
工程(d)が:
(d1)工程(c)においてイミン中間体を還元して形成された懸濁液を加熱する;
(d2)懸濁液を下位工程(d1)の温度で撹拌する;
(d3)懸濁液を冷却する;および
(d4)懸濁液を下位工程(d3)の温度で撹拌する、
下位工程を含む、[58]の方法。
[75]
下位工程(d1)の温度が約65℃である、[74]の方法。
[76]
下位工程(d3)の温度が約−15℃から約−10℃の範囲である、[74]の方法。
[77]
下位工程(d1)から(d4)を1回以上反復する、[71]の方法。
[78]
(e)(E)−3−(4−{[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミノ]−メチル]−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を単離する工程をさらに含む、[71]の方法。