【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1に記載の高周波電極、当該電極を有するプラズマチャンバ及び従属請求項に記載の方法によって解決される。好適な構成は、それぞれの従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明は、高周波電圧によってプラズマを発生させるための高周波電極に関する。当該プラズマは、例えば半導体層を蒸着するために又は半導体層をプラズマエッチングするために利用され得る。最初にSiH
4又はH
2のようなガスが、プラズマチャンバ内に導入され、次いでNF
3のようなガスが、プラズマチャンバ内に導入される。
【0011】
本発明によれば、当該高周波電極は、この高周波電極が光学貫通接続部を有することを特徴とする。好ましくは、この光学貫通接続部が、プラズマ空間自体に向かい且つこのプラズマ空間を通過して対電極(接地電極とも呼ぶ)上に配置されている基板までの光路を提供する。したがって、1つの放射線路が、本発明の高周波電極の当該光学貫通接続部を通り抜ける。これによって、プラズマ燃焼中の、基板とこの基板上で成長する層との分析及び処理の双方が可能になることが有益に促される。特に好ましくは、高周波電極内の光学貫通接続部の配置によって、プラズマチャンバ内では、プラズマ自体が、そのガス組成に関して分析され得、このガス組成が再調整され得ることが促される。
【0012】
これによって、分析方法と処理方法との選択時の自由度が広がる。
【0013】
Dingemans等(非特許文献3)の場合の対電極内の光学貫通接続部の配置と、Li等において使用された分析方法との双方に関する従来の技術並びにWagner等における蒸着方法の従来の技術には制約があることが、本発明の範囲内で確認されている。ほとんどあらゆる蒸着方法(PECVD、MOVPE等)で、層とプラズマとの双方の様々な分析ステップ又は処理ステップが、リアルタイムで可能になることを、本発明の高周波電極だけが保証する。本発明の方法は、当該本発明の高周波電極を採用することで、電磁放射線のプラズマ空間内への入射と出射との双方のために、蒸着すべき層に対してほぼ0°の入射角を利用する。これによって、成長する層に対するラマン分光分析法又はプラズマ燃焼中のプラズマに対する局所分解された光学発光分光法も、(リアルタイムで)実施され得ることが有益に促される。当該層の処理は、レーザーによる処理ステップを有してもよい。
【0014】
特に好ましくは、高周波電極内の光学貫通接続部によって、層に対してほぼ0°の入射角を成す光の入射及び出射を通じた当該層の直接の観察が可能になることが促される。0°の入射角からの僅かなずれが考えられる。
【0015】
これに反して、従来の技術では、層を分析するための光線が、当該層に対して70°の角度で入射される。このことには、プラズマチャンバ内の蒸着空間の大部分が一緒に観察され且つ誤って分析されて判定されるという欠点がある。当該発明の範囲内では、リアルタイム分析のこの方式が層特性又はプラズマ特性の判定時に不正確な結果を提供することが確認されている。
【0016】
従来では、特に電極面に対して小さい電極間隔の場合に、層の縁領域の分析しか実施され得ないか又は特定の角度下では製造に関連した部分しか分析され得ないことがさらに確認されている。ラマン分光分析法のような多くの分析は、Dingemans等(非特許文献3)のような従来の技術では蒸着後に初めて実施され得る。電極の最適な利用領域の外側にある成長する層の部分又は当該層の後の使用に関与しない成長する層の部分が、当該層の縁領域を意味する。このため、蒸着されている層をリアルタイムに、すなわち蒸着中に解明するために特に有益な方法としての、例えばラマン分光分析法又は反射分光法のような特定の測定方法が除外されている。したがって、本特許出願の用語のリアルタイムは、基板又はこの基板上に配置された又は蒸着すべき層をプラズマ燃焼中に、すなわち実時間で分析又は処理することを意味する。
【0017】
従来の技術とは違って、縁領域だけでなくて、層の製造に関連した領域も、本発明の高周波電極によってリアルタイムで分析され得且つ処理され得る。
【0018】
特にリアルタイムのラマン分光分析が、分析として適用される。パルス化されたレーザービームを高周波電極の光学貫通接続部を通過させて層上に入射させることによって、そして直接の後方反射において散乱された光を分光分析することによって、例えば薄膜太陽電池用の材料の蒸着中に、ラマン分光分析法が実施され得る。これによって、蒸着中の層の成長及び組織上の特性をより良好に観察することが可能である。
【0019】
場所分解された光学発光分光法も、分析方法として適用される。ビーム路内で固定配置された又は移動可能なレンズを有する共焦点構造を用いることによって、プラズマ放射が、成長するシリコン表面の上方で場所分解され得る、すなわち層の表面からの異なる距離で分光分析され得る。当該レンズが、高周波電極に固定配置される。しかし、当該レンズが、プラズマチャンバのハウジング内に固定されてもよい。しかし、様々な用途に向けた共焦点構造が得られるように、当該レンズが、そのハウジング内に移動可能に配置されてもよい。反射分光法のようなその他の方法が使用可能である。さらに、当該同じ目的のために、高周波電極に固定されたレンズを有するこの高周波電極が、当該共焦点構造のビーム路内で分析される層に対して移動可能に配置され得る。
【0020】
光学貫通接続部が、高周波電極の表面の片面からこの片面に対向する面に向かって当該高周波電極を貫通して延在する。すなわち、本発明の目的にしたがって、電極構造体を貫通する開口部が、貫通接続部によって包囲されている。この開口部が、電磁放射線の通過を保証する、特に成長する層の方向に走査するためのレーザー放射線の通過を保証する。他方で、当該光学貫通接続部は、層又はプラズマから出射する放射(例えば、反射、散乱又は熱放射)の、分析装置に向かって戻る通過を保証する。層の温度測定も保証されている。したがって、当該光学貫通接続部を有する電極が、プラズマチャンバ内に入射された放射線のビーム路内に配置されている。
【0021】
当該電極は、特に好ましくはプラズマチャンバ内に組み込まれている。真空が、このプラズマチャンバ内で発生され得る。この電極が、このプラズマチャンバの壁から電気絶縁されている。この高周波電極が、高周波の交流電圧用の端子(高周波端子:30kHz〜300GHz、特に13.56MHz〜108.48MHz)を備える。高周波発生器の交流電圧が、電極としての金属板に対して印加される。この金属板は、低圧チャンバ内に存在する。基板ホルダを有する対電極が、この高周波電極に対して平行に且つこの高周波電極に対向して配置されている。
【0022】
当該真空チャンバは、その壁内に好ましくは窓を光学貫通接続部として有する。電磁放射線が、この窓を通じて入射され再び出射され得る。
【0023】
当該プラズマチャンバから出射された放射線が、好ましくはレンズ系を通じて、場合によってはミラー系をも通じて誘導され、例えばオリエル(登録商標)の計測器のMS260のような分光器の入射スリットに向かって集束される。当該放射線が、分光器を用いてそのスペクトル成分に分解される。これらのスペクトル成分が、CCDカメラ、例えばAndor iDus 420(登録商標)によって分析される。ラマン分光分析の場合には、ノッチフィルタが、基板表面から分光器までの光路内に配置されている。このノッチフィルタは好ましくは、ラマン散乱の励起に利用された波長が非常に狭い帯域幅によって減衰されることを促す。
【0024】
層又はこの層の上方のプラズマまでの光路は、最も簡単な場合は高周波電極の中心又は近くにある1つの孔である。その結果、基板又は蒸着すべき層の製造に関連した部分が分析又は処理され得る。また、このことは、従来の技術による電極では不可能である。
【0025】
当該高周波電極は、特に好ましくは光学貫通接続部を有する。この光学貫通接続部が、プラズマチャンバに向けられて遮蔽されている。当該遮蔽は、特に金属製の格子によって実施される。この格子は、光学貫通接続部の開口部に配置されている。これによって、当該電極から発生した電界が妨害されないことが有益に促される。
【0026】
光学貫通接続部が、使用された蒸着方法のパラメータに依存して、妨害された電界に起因した層蒸着中又はエッチング中の不均質性を引き起こしうることが、本発明の範囲内で確認されている。それ故に、少ない損失を呈する光路が可能であるように、プラズマ空間までの高周波電極の光学貫通接続部が、特に金属製の格子によって遮蔽されている。このため、電極板から発生した高周波電界が、光学貫通接続部によってほとんど影響を受けないことが有益に促される。
【0027】
特にこのことは、光学貫通接続部が高周波電極としてのガスシャワー電極(英語名では、Showerhead−Elektrode)の構成要素である特に好ましい場合にも成立する。
【0028】
この場合には、光学貫通接続部が、高周波電極としてのガスシャワー電極内に組み込まれている。その結果、ガス分散の均質性が妨害されていない。このことは、光学貫通接続部用の位置を選択することによって問題なく達成される。当該位置では、ガス貫流用の複数の孔が、この光学貫通接続部によってほとんど影響を受けないか又は最適な当該位置では全く影響を受けない。
【0029】
当該光学貫通接空と遮蔽物としての金属製の格子とは、同じ材料から構成され得る、例えばVA対応鋼又はアルミニウムから構成され得る。
【0030】
遮蔽物としての当該格子は、特にレーザー切断によって製造され得る。格子板のウェブの厚さは、約0.3mmでもよく、ウェブ幅は、例えば約0.1mmでもよい。光学貫通接続部の開口部は、特に12%から19%まで当該遮蔽物のウェブによって覆われ得る。プラズマの均質性を維持するためには、約10%まで遮蔽することによって当該開口部を覆うことで十分である。最適な遮蔽が、金属板によっても得られる。しかし、基板又はプラズマの分析又は処理ステップは、当該金属板によっては明らかに不可能である。光学貫通接続部の開口部の表面の10%未満を覆うことによっても、遮蔽が基本的に可能である。遮蔽物によって光学貫通接続部の開口部を正確な百分率で覆うことは、処理条件に依存する、例えばプラズマチャンバ内の使用された圧力に依存する。18トルより大きい圧力、9mmの電極間隔、1W/cm
2までの電力密度及び0.5nm/sの成長速度の場合で、微結晶シリコンの蒸着時で、基板に面した1cmの口径のときは、光学貫通接続部の遮蔽が不要である。
【0031】
10トルの圧力、9mmの電極間隔、0.6W/cm
2の電力密度及び0.5nm/sの成長速度の場合で、微結晶シリコンの蒸着時で、基板に面した1cmの口径のときは、光学貫通接続部の開口部の約10%が覆われなければならない。
【0032】
本発明のプラズマチャンバでは、光学貫通接続部の、蒸着区域に向けられた開口部が、遮蔽のために遮蔽されている。一般に、プラズマチャンバとは、完全な真空チャンバをいう。
【0033】
一般に、当該光学貫通接続部は、試みようとする分析方法が本発明の電極を通じて可能になる程度の大きさである必要がある。当該方法は、例えばリアルタイムのラマン分光分析法若しくは光学発光分光法又は例えば光路上のガス濃度の測定でもよい。当該光学貫通接続部の面積は、少なくとも約0.03cm
2でなければならない。円形の光学貫通接続部の場合、その直径は、蒸着区域に向けられた2mmより大きい開口部の直径に一致する。特に、当該開口部が、1〜10cm
2の面積を有する。
【0034】
レンズが、高周波電極に対して配置され得るか又は通常はプラズマチャンバ内に配置され得る。本発明の方法のために、当該レンズが、電磁放射線を、光学貫通接続部を通過させてプラズマ又は層若しくは基板上に集束させなければならない。当該同じレンズが、又は、電磁放射線の入射角によっては高周波電極内のもう1つの光学貫通接続部の1つのレンズが、基板又はプラズマから反射又は散乱又は放射して当該光学貫通接続部を通過した電磁放射線をコリメートする。特に、基板又は層に向かう電磁放射線の入射角は、0°である。0°から僅かにずらすことが可能である。その結果、層又は放電区域の製造に関連した部分に向かう光路に対しては、電極の側面と電極の側面との間の空間を通過する光路の場合より小さい入射角が可能である。
【0035】
したがって、当該光学貫通接続部の大きさは、従来の技術によるガスシャワー電極内の複数の孔の開口部の大きさと見間違えることは決してなく、それ故に当該従来の技術によるガスシャワー電極内の複数の孔の開口部の大きさと比較することができない。一般に、これらの孔は、約0.005cm
2の面積に相当する約0.8mmにすぎない直径を有する。当該従来の技術によるこれらの開口部は、光路上での層又はプラズマの本発明の分析又は処理に適さない。
【0036】
当該光学貫通接続部が、電極を完全に貫通する。したがって、この電極が、その表面の片側に第1開口部を有し、当該電極の、この表面に対向する表面に第2開口部を有する。当該光学貫通接続部の両開口部が、同じ直径を有してもよい。このとき、本発明の電極が、特に容易に製造可能である。
【0037】
特に、当該光学貫通接続部は、円錐形の断面を有する。このとき、当該光学貫通接続部が、電極内で円錐形に配置されている。当該円錐形の貫通接続部では、プラズマ空間に向けられた開口部が、当該光学貫通接続部の、この開口部に対向する開口部より大きい面積を有する。このとき、層又はプラズマから放射された電磁放射線が、より効率的に収集され得且つ分析装置に供給され得ることが有益に促される。
【0038】
最も簡単な場合には、当該光学貫通接続部が、電極内の個々の、例えば円柱状の孔によって実現され得ることが確認されている。高周波電極が、例えば10mmのドリルによって孔開けされ得る。しかし、当該ドリルの代わりに、シンカーによって、円錐形の貫通接続部を高周波電極内に形成することも可能である。
【0039】
円錐形の光学貫通接続部の両開口部のうちの小さい方の開口部は、0.03cm
2〜5cm
2の面積を有してもよい。円錐形の光学貫通接続部の両開口部のうちの大きい方の開口部は、0.031cm
2〜100cm
2の面積を有してもよい。当該光学貫通接続部の大きい方の開口部の面積は、20倍程度より大きいのが特に好ましい。
【0040】
一般に、基板に面していない開口部の大きさは、その円錐形部分の角度が一定である場合は、本発明の電極の厚さに依存する。
【0041】
特に、ガスつまり従来のガスシャワー電極の同じ大きさの面積から出るガスに等しいガスが、光学貫通接続部を通じてプラズマ空間内に流れない。このため、当該ガス流の均質性が、当該光学貫通接続部のおかげで損なわれないことが有益に促される。
【0042】
電極内の簡単な孔のほかに、光学貫通接続部が、部品によって形成されてもよい。この部品が、電極内に孔を筒状に内張り形成する。高周波電極としてのガスシャワー配置では、例えば
図2中に示されているように、例えば異なる直径の3つのガス分散板が、重なり合って配置されている。これらのガス分散板が、本発明の高周波電極としてのガスシャワー電極を形成する。光学貫通接続部を形成するための異なる大きさの孔が、3つのガス分散板内に1つずつ配置されている。これらの孔が、当該電極内に重なり合って配置されている。その結果、円錐形の光学貫通接続部が形成される。さらに、円錐形の光学貫通接続部を形成するための漏斗状の円錐形部品が、当該ガスシャワー電極内に配置されている。この部品が、当該光学貫通接続部を内側から内張り形成する。このため、当該円錐形部品が、ガス分散板用の段差状の当接面を有する。ボルトのような保持手段が、これらの(この)ガス分散板を当該円錐形部品に対して固定する。好ましくは、光学貫通接続部を通じたプラズマ空間内へのガス流入が、当該漏斗状部品の壁によって阻止される。ここでは、当該漏斗状部品が、光学貫通接続部の気密性を担う。
【0043】
ここでも、蒸着方法のパラメータに依存して、金属製の格子が、遮蔽物として当該漏斗状部品のより小さい開口部上に配置され得る。
【0044】
本発明の別の構成では、凸レンズ、特に平凸集光レンズが、高周波電極の光学貫通接続部に対して固定配置されている。分析の目的のために又は観察の目的のために、電磁放射線路が、光学貫通接続部を通過して基板若しくは成長する層上に又はプラズマ空間内に導入され、当該基板又は層上に集束されることを、この凸レンズ、特に平凸集光レンズが有益に促す。このため、パルス化されたレーザーの高いエネルギー入力によって、基板又は層のラマン分光分析を引き起こすことが可能であり、したがって反射される放射線に対するラマン分光分析を実施することが可能である。さらに、光又は通常は電磁放射線が、当該レンズを用いて収集され且つ集束され且つコリメートされ得る。
【0045】
このとき、レンズが、光学貫通接続部の、プラズマ空間に向けられなかった側に配置されている。ほかに存在する遮蔽物の場合には、レンズが、遮蔽物に対向している開口部の片側に対応して配置されている。
【0046】
特に好ましくは、交換可能なガラス板が、集光レンズを保護するために集光レンズと光学貫通接続部の開口部との間に配置されている。これによって、レンズが、プラズマ燃焼中に被覆されることが促される。これによって、プラズマチャンバの洗浄時に、レンズを取り外す必要がないことが有益に促される。したがって、好ましくは、光学系が、洗浄後に新たに調整される必要がない。
【0047】
本発明のプラズマチャンバには、1つ又は複数の光学貫通接続部と1つの高周波端子とを有する高周波電極が包含される。
【0048】
接地された又は接地されていない対電極上に配置された基板を有する当該対電極が、プラズマチャンバ内に配置されている。プラズマを発生させるための高周波交番磁場が、電極と当該対電極との間に配置される。本発明によれば、プラズマチャンバには、光学貫通接続部を有する高周波電極がある。これによって、電磁放射線が、光学貫通接続部を通じて基板上に又はこの基板上に成長する層上に又はプラズマ自体中に指向され得ることが有益に促される。これによって、プラズマチャンバ内の基板、層又はガス混合物が、蒸着中及びプラズマ燃焼中にリアルタイムで分析され得る。
【0049】
光学貫通接続部の、プラズマチャンバの内側に向けられた開口部が有益に遮蔽されている。その結果、基板上に配置された層の特に均質な蒸着又はエッチングが得られる。
【0050】
光学貫通接続部の、プラズマチャンバに面しなかった側の凸型集光レンズが、ビームを基板上に若しくはこの基板上で成長する層上に又はプラズマ自体上に集束される。当該レンズは、分析の目的で層に反射した又は散乱した又は試料表面から放出した放射線を収集し、集束させ、コリメートする。すなわち、層から反射した又は散乱した又は放出した放射線が、光学貫通接続部を通過してその帰路上で収集され、当該プラズマチャンバから再び出射される。
【0051】
したがって、本発明の高周波電極及び本発明のプラズマチャンバは、プラズマ燃焼中の、プラズマチャンバ内の層と、プラズマとのリアルタイム分析又はリアルタイム処理のための方法を一義的に可能にする。基板が、対電極上に配置されている。
【0052】
当該基板に面した側では、高周波電極が、この基板に対して距離Xをあけて配置される。蒸着又はエッチングに使用されたプロセスガスが流入され、プロセス圧力が調整される。さらに、プラズマ燃焼が開始される。
【0053】
当該方法のために、光学貫通接続部を有する電極が、本発明の構成で選択される。この電極が、この電極の、基板に面した側に遮蔽物を有する。特に好ましくは、平凸集光レンズが、電極の、遮蔽物に対向している側に配置される。
【0054】
特に、焦点距離Xに電極の厚さを加えた焦点距離を有する集光レンズが選択される。これによって、光学貫通接続部を通過して進行するビーム路が、基板上に集束されることが有益に促される。反射した又は散乱した又は層の表面から放出した放射線が、レンズを通じて収集されてコリメートされ、プラズマチャンバから出射される。このため、最初に、反射した又は散乱した又は層の表面から放出した放射線が、分析装置と空間との構造に応じてミラー上に送られる。
【0055】
ビーム路に沿った集光レンズの調整性能を有するプラズマチャンバが、特に好ましい。このため、当該レンズが、プラズマチャンバのハウジング内で移動可能に固定される。電極に対して高さ調整可能に固定されているホルダを有するプラズマチャンバが選択される。レンズが、高周波電極に対して固定されてもよく、当該電極自体が移動可能である。高周波電極と層との間の領域並びにこの層及びプラズマ自体が可変に分光分析され得ることが、当該両構造体によって有益に促される。当該高さ調整可能性は、長い孔内のボルトによって保証され得る。
【0056】
これによって、当該機構が、本発明の方法の実施中に異なるレンズ−電極間距離に合わせられ得る。さらに、成長する層とプラズマとの双方の分析が可能になる。しかし、明らかに、当該方法に対しては、集光レンズが、電極自体に対して固定されてもよい。
【0057】
特に、リアルタイムのラマン分光分析法が、集光レンズを用いて格子を収集することによって実施される。この場合、当該レンズが、基板に向けられた光を分析すべき層上に集束させ、層から反射した又は散乱した又は層の表面から放出した放射線をプラズマチャンバからコリメートさせて伝える。
【0058】
本発明によれば、基板自体も、用語の層を意味する。
【0059】
以下に、本発明を限定することなしに本発明を実施の形態と図面とに基づいて詳しく説明する。