特許第5809295号(P5809295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5809295安定なローカルブレークアウトの概念および使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5809295
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】安定なローカルブレークアウトの概念および使用
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/18 20090101AFI20151021BHJP
   H04W 80/04 20090101ALI20151021BHJP
   H04W 76/04 20090101ALI20151021BHJP
   H04W 4/00 20090101ALI20151021BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20151021BHJP
【FI】
   H04W48/18 113
   H04W80/04
   H04W76/04
   H04W4/00 111
   H04M3/00 B
【請求項の数】24
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-555586(P2013-555586)
(86)(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公表番号】特表2014-511059(P2014-511059A)
(43)【公表日】2014年5月1日
(86)【国際出願番号】US2012026435
(87)【国際公開番号】WO2012116252
(87)【国際公開日】20120830
【審査請求日】2013年10月22日
(31)【優先権主張番号】61/446,343
(32)【優先日】2011年2月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル ペラス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー レズニク
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン リベット
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0268668(US,A1)
【文献】 特表2006−521715(JP,A)
【文献】 特表2011−519537(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/146816(WO,A1)
【文献】 特表2011−501516(JP,A)
【文献】 特開2010−028774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
H04L 12/28−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信受信装置(WTRU)が、移動ネットワークおよびローカルネットワークに接続されるとき、モビリティサービスを必要とするアプリケーションに関連付けられたインターネットプロトコル(IP)トラフィックフローをルーティングするための方法であって、
前記IPトラフィックフローの宛先アドレスを識別するステップと、
前記宛先アドレスおよび前記ローカルネットワークのタイプに基づいて前記IPトラフィックフローを前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークにオフロードするかどうか決定するステップであって、前記宛先アドレスがローカルでありおよび前記ローカルネットワークの前記タイプは前記WTRUが実質的に静止していることを示すとき、前記IPトラフィックフローは、前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークにオフロードされると決定される、ステップと、
前記決定に基づいて前記IPトラフィックフローをルーティングするステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
記宛先アドレスがローカルでありおよび前記ローカルネットワークが企業ネットワークまたは宅内ネットワークのうちの少なくとも1つであるとき、前記IPトラフィックフローは、前記ローカルネットワークを通じてルーティングされると決定されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
記宛先アドレスがローカルでありおよび前記ローカルネットワークに関連付けられたローカル接続が安定であるとき、前記IPトラフィックフローは、前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークにオフロードされると決定されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記IPトラフィックフローをオフロードするかどうかは、前記宛先アドレスがローカルであるときトラフィックが前記ローカルネットワークに非シームレスにオフロードされることを示すフィルタ規則に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ローカルネットワークによって割り当てられたローカルIPアドレスを取得するステップと、
前記IPトラフィックフローを前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークへオフロードする決定に基づいて、前記IPトラフィックフローを送るために前記ローカルIPアドレスを使用するステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
移動IPアドレスを取得するステップと、
前記IPトラフィックフローを前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークへオフロードしない決定に基づいて、前記IPトラフィックフローを送るために前記移動IPアドレスを使用するステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
移動ネットワークおよびローカルネットワークに接続されるとき、モビリティサービスを必要とするアプリケーションに関連付けられたインターネットプロトコル(IP)トラフィックフローをルーティングするための無線送信受信装置(WTRU)であって、
前記IPトラフィックフローの宛先アドレスを識別し、
前記宛先アドレスおよび前記ローカルネットワークのタイプに基づいて前記IPトラフィックフローを前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークへオフロードするかどうか決定し、前記IPトラフィックフローは、前記宛先アドレスがローカルでありおよび前記ローカルネットワークの前記タイプは前記WTRUが実質的に静止していることを示すとき、前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークへオフロードされると決定され、
前記決定に基づいて前記IPトラフィックフローをルーティングする
ように構成されたプロセッサ
を具えたことを特徴とする無線送信受信装置(WTRU)。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記宛先アドレスがローカルでありおよび前記ローカルネットワークが企業ネットワークまたは宅内ネットワークのうちの少なくとも1つであるとき、IPトラフィックフローを前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークへオフロードすると決定するように構成されたことを特徴とする請求項7記載のWTRU。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記宛先アドレスがローカルでありおよび前記ローカルネットワークに関連付けられたローカル接続が安定であるとき、IPトラフィックフローを前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークへオフロードすると決定するように構成されたことを特徴とする請求項7記載のWTRU。
【請求項10】
前記IPトラフィックフローをオフロードするかどうかは、前記宛先アドレスがローカルであるときトラフィックが前記ローカルネットワークに非シームレスにオフロードされることを示すフィルタ規則に基づいて決定されることを特徴とする請求項7記載のWTRU。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記ローカルネットワークによって割り当てられたローカルIPアドレスを取得し、
前記IPトラフィックフローを前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークへオフロードする決定に基づいて、前記IPトラフィックフローを送るために前記ローカルIPアドレスを使用する
ようにさらに構成されたことを特徴とする請求項7記載のWTRU。
【請求項12】
前記プロセッサは、
移動IPアドレスを取得し、
前記IPトラフィックフローを前記移動ネットワークから前記ローカルネットワークへオフロードしない決定に基づいて、前記IPトラフィックフローを送るために前記移動IPアドレスを使用する
ようにさらに構成されたことを特徴とする請求項7記載のWTRU。
【請求項13】
移動ネットワークおよびローカルネットワークに接続されるときインターネットプロトコル(IP)トラフィックフローをルーティングするための方法であって、
前記ローカルネットワークに関連付けられたローカルネットワーク接続の安定性状態を決定するステップと、
IPトラフィックフローに関連付けられた安定性要件を識別するステップと、
前記ローカルネットワーク接続の前記安定性状態が前記IPトラフィックフローに関連付けられた前記安定性要件を満たすとき前記IPトラフィックフローを前記ローカルネットワークにオフロードするステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記IPトラフィックフローは、前記ローカルネットワークに非シームレスにオフロードされることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
ソースIPアドレスの要求を受信するステップと、
前記IPトラフィックフローを前記ローカルネットワークにオフロードするときローカルIPアドレスを割り当てるステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
ソースIPアドレスの要求を受信するステップと、
前記ローカルネットワーク接続の前記安定性状態が前記IPトラフィックフローに関連付けられた前記安定性要件を満たしていないとき移動IPアドレスを割り当てるステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項17】
移動ネットワークおよびローカルネットワークに接続されるときインターネットプロトコル(IP)トラフィックフローをルーティングするための無線送信受信装置(WTRU)であって、
前記ローカルネットワークに関連付けられたローカルネットワーク接続の安定性状態を決定し、
IPトラフィックフローに関連付けられた安定性要件を識別し、
前記ローカルネットワーク接続の前記安定性状態が前記IPトラフィックフローに関連付けられた前記安定性要件を満たすとき前記IPトラフィックフローを前記ローカルネットワークにオフロードする
ように構成されたプロセッサ
を具えたことを特徴とする無線送信受信装置(WTRU)。
【請求項18】
前記IPトラフィックフローは、ローカルIPアドレスをソースIPアドレスとして割り当てることによって前記ローカルネットワークに非シームレスにオフロードされることを特徴とする請求項17記載のWTRU。
【請求項19】
前記ローカルネットワーク接続の前記安定性状態は、前記ローカルネットワーク接続が所定の時間期間の間、WTRUに使用可能であったかどうかに基づいて決定されることを特徴とする請求項17記載のWTRU。
【請求項20】
前記ローカルネットワーク接続の前記安定性状態は事前構成されたことを特徴とする請求項17記載のWTRU。
【請求項21】
前記ローカルネットワーク接続の前記安定性状態は、前記ローカルネットワーク接続に関連付けられた安定性情報を追跡することによってヒューリスティックに識別されることを特徴とする請求項17記載のWTRU。
【請求項22】
前記ローカルネットワーク接続に関連付けられた安定性情報を記憶するためのメモリをさらに具えたことを特徴とする請求項17記載のWTRU。
【請求項23】
前記ローカルネットワーク接続に関連付けられた安定性情報を記憶するためのメモリをさらに具え、前記安定性情報は前記ローカルネットワーク接続の安定性期間を含み、および前記ローカルネットワーク接続の前記安定性状態は前記IPトラフィックフローが前記安定性期間の間ずっと送信されるかどうかに基づいて決定されることを特徴とする請求項17記載のWTRU。
【請求項24】
前記IPトラフィックフローの前記安定性要件は、前記IPトラフィックフローに関連付けられたアプリケーションがモビリティ要求であるかどうかに基づいて識別されることを特徴とする請求項17記載のWTRU。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2011年2月24日に出願された米国特許仮出願第61/446,343号の利益を主張し、それを参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
移動デバイスは、セルラネットワークと無線ローカルネットワーク(WLAN)に同時に接続し、異なるアクセスを通じて、同じパブリックデータネットワーク(PDN)に属するIPフローを交換する。オペレータは、どのようにIPフローが、使用可能なアクセスシステムを通じてルーティングされるか示し、他のトラフィックにUTRANまたはE−UTRANを使用しながら一部のトラフィックをWLANに選択的にオフロードする。これは、WLANオフロードと呼ばれる。
【0003】
WLANオフロードは、シームレスまたは非シームレスである。WLANオフロードがシームレスであるときには、同じ、または異なるアプリケーションに属するIPトラフィックフローが、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)アクセスとWLANの間でシームレスに移動される。WLANオフロードが非シームレスであるときには、移動デバイスがその位置を変え、異なるアクセスポイントに接続するたびに、ローカルIPアドレスが変わる。データセッションは、再確立されることを必要とし、対応するノードは、データ交換を再開するために、新しいローカルIPアドレスを学習する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、モビリティサービスなどある種のサービスは、シームレスなWLANオフロードを使用することを必要とし、またはそれを好む。モビリティサービスは、それだけには限らないがボイスオーバーネットワーク(VoIP)、技術間ハンドオーバ(HO)、IPフローモビリティ(IFOM)、および/または帯域幅アグリゲーション(BWA)を含む。VoIPアプリケーションおよびビデオストリーミングアプリケーションなどのアプリケーションは、モビリティサービスを必要とする。ローカル接続を使用することは、移動デバイスにとって、移動ネットワーク接続を使用するよりコストがかからず高速であるが、モビリティ要求のアプリケーションは、移動デバイスが実質的に静止しているときでさえ、移動ネットワーク接続を使用することを強いられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
移動ネットワークに接続されるときインターネットプロトコル(IP)トラフィックフローをルーティングするためのシステムおよび方法、ならびにローカルネットワークの安定なローカルブレークアウトが開示される。一態様によれば、方法は、無線送信/受信装置(WTRU)が、IPトラフィックフローの宛先アドレスに基づいてIPトラフィックフローを移動ネットワークからローカルネットワークにオフロードするかどうか決定するステップを含む。一態様によれば、方法は、ローカルネットワーク接続が十分に安定であるときIPトラフィックフローをローカルネットワークにオフロードするステップを含む。
【0006】
一実施形態では、IPトラフィックフローの宛先アドレスが識別される。IPトラフィックフローを移動ネットワークからローカルネットワークにオフロードするかどうかが、この宛先アドレスに基づいて決定される。たとえば、フィルタ規則は、宛先アドレスがローカルであるとき、トラフィックがローカルネットワークに非シームレスにオフロードされることを示す。宛先アドレスがローカルであるとき、たとえば、WTRUは、同じローカルネットワーク内の対応するノードと通信することになり、IPフローは、そのローカルアクセスポイントを通じてルーティングされる。ローカルネットワークによって割り当てられたローカルIPアドレスが取得され、IPトラフィックフローを送るために使用される。たとえば、宛先アドレスがローカルネットワークの一部でないとき、IPトラフィックフローは、移動ネットワークを通じてルーティングされる。
【0007】
一実施形態では、IPトラフィックフローをローカルネットワークにオフロードするかどうかが、ローカルネットワークの安定性状態に基づいて決定される。たとえば、ローカル接続の安定性は、ローカルネットワーク接続が所定の時間期間の間、WTRUにとって使用可能であると予想されるかどうかに基づいて決定される。安定性状態は、ユーザまたはネットワークオペレータによって事前構成されても入力されてもよい。安定性状態は、ヒューリスティックに識別されてもよい。ローカルネットワーク接続の安定性状態がIPトラフィックフローに関連付けられた安定性要件を満たすとき、ローカルIPアドレスをソースIPアドレスとして選択することにより、IPトラフィックフローがローカルネットワークにオフロードされる。
【0008】
ローカルネットワーク接続は、ローカルブレークアウト接続として働く。ローカルブレークアウト接続が安定状態にあるとき、モビリティサービスおよびアプリケーションは、ローカルブレークアウト接続を使用するように導かれる。シームレスなWLANオフロードを必要とし、通常なら移動接続を使用するはずのモビリティサービスおよびアプリケーションは、ローカルブレークアウト接続を使用する。(1つまたは複数の)ローカルブレークアウト接続が使用されることになるとき、ソースIPアドレスが選択される。
【0009】
この概要は、以下、詳細な説明でさらに述べる概念のうちの選ばれたものを簡単な形態で紹介するために設けられている。この概要は、特許請求されている主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別するものでも、特許請求されている主題の範囲を限定するために使用されるものでもない。さらに、特許請求されている主題は、本開示のいずれかの部分に記載のいくつか、またはすべての欠点を解決する任意の限定に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
より詳細な理解を、添付の図面と共に、例として与えられている以下の説明から得ることができる。
図1A】1つまたは複数の開示されている実施形態が実施される例示的な通信システムのシステム図である。
図1B図1Aに示されている通信システム内で使用される例示的なWTRUのシステム図である。
図1C図1Aに示されている通信システム内で使用される例示的な無線アクセスネットワークおよび例示的なコアネットワークのシステム図である。
図1D図1Aに示されている通信システム内で使用される例示的な無線アクセスネットワークおよび例示的なコアネットワークのシステム図である。
図1E図1Aに示されている通信システム内で使用される例示的な無線アクセスネットワークおよび例示的なコアネットワークのシステム図である。
図2】移動ネットワーク上での例示的な論理インターフェース実装である。
図3】安定なローカルブレークアウトセッションを通る例示的なトラフィックの図である。
図4】ローカルブレークアウトを通るローカルトラフィックの図である。
図5】ローカルブレークアウトセッション中にソースIPアドレスを選択するための例示的なプロセスの図である。
図6】IPトラフィックをローカルブレークアウトセッションにおいてルーティングするための例示的な方法の図である。
図7】IPトラフィックをローカルブレークアウトセッションにおいてルーティングするための例示的な方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1Aは、1つまたは複数の開示されている実施形態が実施される例示的な通信システム100の図である。通信システム100は、音声、データ、映像、メッセージング、ブロードキャストなどコンテンツを複数の無線ユーザに提供する多元接続システムである。通信システム100は、無線帯域幅を含むシステムリソースの共用を通じて、複数の無線ユーザがそのようなコンテンツにアクセスすることを可能にする。たとえば、通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)など、1つまたは複数のチャネルアクセス方法を使用する。
【0012】
図1Aに示されているように、通信システム100は、無線送信/受信装置(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含むが、開示されている実施形態は任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図していることが理解される。WTRU102a、102b、102c、102dのそれぞれは、無線環境で動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスである。たとえば、WTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信および/または受信するように構成され、ユーザ機器(UE)、移動局、固定型もしくは移動型加入者装置、ページャ、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、家電などを含む。
【0013】
また、通信システム100は、基地局114aおよび基地局114bを含む。基地局114a、114bのそれぞれは、WTRU102a、102b、102c、102dの少なくとも1つと無線でインターフェースし、コアネットワーク106、インターネット110、および/またはネットワーク112など、1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするように構成された任意のタイプのデバイスである。たとえば、基地局114a、114bは、ベーストランシーバ基地局(BTS)、ノードB、高度化ノードB、ホームノードB、ホーム高度化ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、無線ルータなどである。基地局114a、114bは、それぞれが単一の要素として示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含むことが理解される。
【0014】
基地局114aは、RAN104の一部であり、RAN104もまた、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなど、他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)を含む。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と呼ばれる特定の地理的領域内で無線信号を送信および/または受信するように構成される。さらに、セルは、セルセクタに分割される。たとえば、基地局114aに関連付けられたセルは、3つのセクタに分割される。したがって、一実施形態では、基地局114aは、3つ、すなわちセルの各セクタごとに1つ、トランシーバを含む。他の実施形態では、基地局114aは、多重入力・多重出力(MIMO)技術を使用し、したがって、セルの各セクタについて複数のトランシーバを使用する。
【0015】
基地局114a、114bは、任意の好適な無線通信リンク(たとえば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外(IR)、紫外(UV)、可視光など)であるエアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102c、102dの1つまたは複数と通信する。エアインターフェース116は、任意の好適な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立される。
【0016】
より具体的には、上記で指摘したように、通信システム100は、多元接続システムであり、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMAなど、1つまたは複数のチャネルアクセス方式を使用する。たとえば、RAN104内の基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))を使用してエアインターフェース116を確立するものなど、無線技術を実装する。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/または発展型HSPA(HSPA+)など、通信プロトコルを含む。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含む。
【0017】
他の実施形態では、基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、ロングタームエボリューション(LTE)および/または拡張LTE(LTE−A)を使用してエアインターフェース116を確立する拡張UMTS地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)など無線技術を実装する。
【0018】
他の実施形態では、基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.16(すなわち、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000EV−DO、暫定標準2000(IS−2000)、暫定標準95(IS−95)、暫定標準856(IS−856)、グローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))、GSMエボリューション用の拡張データ転送速度(EDGE)、GSM EDGE(GERAN)など、無線技術を実装する。
【0019】
図1Aにおける基地局114bは、たとえば、無線ルータ、ホームノードB、ホーム高度化ノードB、またはAPであり、事業所、自宅、乗物、キャンパスなど、局所的な領域での無線コネクティビティを円滑にするための任意の好適なRATを使用する。一実施形態では、基地局114b、およびWTRU102c、102dは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立するために、IEEE802.11など無線技術を実装する。他の実施形態では、基地局114b、およびWTRU102c、102dは、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立するために、IEEE802.15など無線技術を実装する。他の実施形態では、基地局114b、およびWTRU102c、102dは、ピコセルまたはフェムトセルを確立するために、セルラベースのRAT(たとえば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE−Aなど)を使用する。図1Aに示されているように、基地局114bは、インターネット110に対する直接接続を有する。したがって、基地局114bは、コアネットワーク106を介してインターネット110にアクセスすることが必要でない。
【0020】
RAN104は、コアネットワーク106と通信し、コアネットワーク106は、音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバーネットワーク(VoIP)サービスを、WTRU102a、102b、102c、102dの1つまたは複数に提供するように構成された任意のタイプのネットワークである。たとえば、コアネットワーク106は、呼制御、支払い請求サービス、移動体位置をベースとするサービス、プリペイド呼、インターネットコネクティビティ、映像配信などを提供することができ、かつ/またはユーザ認証などハイレベルセキュリティ機能を実施する。図1Aには示されていないが、RAN104および/またはコアネットワーク106は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを使用する他のRANと直接または間接的に通信することが理解される。たとえば、E−UTRA無線技術を使用しているRAN104に接続されることに加えて、コアネットワーク106はまた、GSM無線技術を使用する別のRAN(図示せず)と通信する。
【0021】
また、コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとして働く。コアネットワーク106は、少なくとも1つのトランシーバと、少なくとも1つのプロセッサとを含む。PSTN108は、基本電話サービス(POTS/plain old telephone service)を提供する回線交換電話網を含む。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートにおける伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、インターネットプロトコル(IP)など、一般的な通信プロトコルを使用する相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルシステムを含む。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される有線もしくは無線通信ネットワークを含む。たとえば、ネットワーク112は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを使用する1つまたは複数のRANに接続された別のコアネットワークを含む。
【0022】
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、102dの一部または全部がマルチモード機能を含む。すなわち、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線リンク上で異なる無線ネットワークと通信するために複数のトランシーバを含む。たとえば、図1Aに示されているWTRU102cは、セルラベースの無線技術を使用する基地局114a、およびIEEE802無線技術を使用する基地局114bと通信するように構成される。
【0023】
図1Bは、例示的なWTRU102のシステム図である。図1Bに示されているように、WTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信エレメント122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非取外し式メモリ106、取外し式メモリ132、電源134、全世界測位システム(GPS)チップセット136、および他の周辺機器138を含む。WTRU102は、一実施形態と一貫したまま前述の要素の任意のサブコンビネーションを含むことが理解される。
【0024】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連付けられた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(IC)、状態機械などである。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU102が無線環境で動作することを可能にする任意の他の機能を実施する。プロセッサ118は、トランシーバ120に結合され、トランシーバ120は、送信/受信エレメント122に結合される。図1Bは、プロセッサ118とトランシーバ120を別個の構成要素として示しているが、プロセッサ118とトランシーバ120は、電子パッケージまたはチップ内で共に集積されてもよいことが理解される。
【0025】
送信/受信エレメント122は、エアインターフェース116上で基地局(たとえば、基地局114a)に信号を送信する、または基地局から信号を受信するように構成される。たとえば、一実施形態では、送信/受信エレメント122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナである。他の実施形態では、送信/受信エレメント122は、たとえばIR信号、UV信号、または可視光信号を送信および/または受信するように構成されたエミッタ/ディテクタである。他の実施形態では、送信/受信エレメント122は、RF信号と光信号を共に送信および受信するように構成される。送信/受信エレメント122は、任意の組合せの無線信号を送信および/または受信するように構成されることが理解される。 さらに、送信/受信エレメント122は、図1Bに単一のエレメントとして示されているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信エレメント122を含む。より具体的には、WTRU102は、MIMO技術を使用する。したがって、一実施形態では、WTRU102は、エアインターフェース116上で無線信号を送信および受信するために2つ以上の送信/受信エレメント122(たとえば、複数のアンテナ)を含む。
【0026】
トランシーバ120は、送信/受信エレメント122によって送信しようとする信号を変調するように、また送信/受信エレメント122によって受信される信号を復調するように構成される。上記で指摘したように、WTRU102は、マルチモード機能を有する。したがって、トランシーバ120は、たとえばUTRAおよびIEEE802.11など複数のRATを介してWTRU102が通信することを可能にするために複数のトランシーバを含む。
【0027】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイ装置、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ装置)に結合され、それらからユーザ入力データを受け取る。また、プロセッサ118は、ユーザデータをスピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128に出力する。さらに、プロセッサ118は、非取外し式メモリ106および/または取外し式メモリ132など、任意のタイプの好適なメモリからの情報にアクセスし、それらにデータを記憶させる。非取外し式メモリ106は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他のタイプのメモリ記憶装置を含む。取外し式メモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含む。他の実施形態では、プロセッサ118は、サーバ上または家庭用コンピュータ(図示せず)上など、物理的にWTRU102上に位置しないメモリからの情報にアクセスし、それらにデータを記憶させる。
【0028】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取り、WTRU102内の他の構成要素に電力を分配し、かつ/またはその電力を制御するように構成される。電源134は、WTRU102に給電するための任意の好適なデバイスである。たとえば、電源134は、1つまたは複数の乾電池(たとえば、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li−ion)など)、太陽電池、燃料電池などを含む。
【0029】
また、プロセッサ118は、WTRU102の現在位置に関する位置情報(たとえば、経度および緯度)を提供するように構成されるGPSチップセット136に結合される。GPSチップセット136からの情報に加えて、またはその代わりに、WTRU102は、エアインターフェース116上で基地局(たとえば、基地局114a、114b)から位置情報を受信し、かつ/または近くの2つ以上の基地局から受信される信号のタイミングに基づいてその位置を決定する。WTRU102は、一実施形態と一貫したまま任意の好適な位置決定方法により位置情報を獲得することが理解される。
【0030】
さらに、プロセッサ118は他の周辺機器138に結合され、それらの周辺機器138は、追加の特徴、機能、および/または有線もしくは無線コネクティビティを提供する1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを含む。たとえば、周辺機器138は、加速度計、電子コンパス(e−compass)、衛星トランシーバ、デジタルカメラ(写真またはビデオ用)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビトランシーバ、ハンドフリー用ヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変換(FM)無線装置、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザなどを含む。
【0031】
図1Cは、一実施形態によるRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上記で指摘したように、RAN104は、UTRA無線技術を使用し、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信する。また、RAN104は、コアネットワーク106と通信する。図1Cに示されているように、RAN104は、ノードB140a、140b、140cを含み、ノードB140a、140b、140cは、それぞれが、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するために1つまたは複数のトランシーバを含む。ノードB140a、140b、140cは、それぞれがRAN104内の特定のセル(図示せず)に関連付けられる。また、RAN104は、RNC142a、142bを含む。RAN104は、一実施形態と一貫したまま任意の数のノードBおよびRNCを含むことが理解される。
【0032】
図1Cに示されているように、ノードB140a、140bは、RNC142aと通信する。さらに、ノードB140cは、RNC142bと通信する。ノードB140a、140b、140cは、Iubインターフェースを介して、それぞれのRNC142a、142bと通信する。RNC142a、142bは、Iurインターフェースを介して互いに通信する。RNC142a、142bのそれぞれは、接続されているそれぞれのノードB140a、140b、140cを制御するように構成される。さらに、RNC142a、142bのそれぞれは、外部ループ電力制御、負荷制御、許可制御、パケットスケジューリング、ハンドオーバ制御、マクロダイバシティ、セキュリティ機能、データ暗号化など、他の機能を実施する、またはサポートするように構成される。
【0033】
図1Cに示されているコアネットワークは、メディアゲートウェイ(MGW)144、移動交換センタ(MSC)146、サービングGPRSサポートノード(SGSN)148、および/またはゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)150を含む。前述の要素のそれぞれはコアネットワーク106の一部として示されているが、これらの要素のいずれか1つがコアネットワークオペレータ以外の企業体(entity)によって所有および/または運営されてもよいことが理解される。
【0034】
RAN104内のRNC142aは、IuCSインターフェース上でコアネットワーク106内のMSC146に接続される。MSC146は、MGW144に接続される。MSC146およびMGW144は、WTRU102a、102b、102cがPSTN108など回線交換ネットワークにアクセスすることを可能にし、WTRU102a、102b、102cと従来の陸線通信デバイスとの間の通信を円滑にする。
【0035】
また、RAN104内のRNC142aは、IuPSインターフェース上でコアネットワーク106内のSGSN148に接続される。SGSN148は、GGSN150に接続される。SGSN148およびGGSN150は、WTRU102a、102b、102cがインターネット110などパケット交換ネットワークにアクセスすることを可能にし、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を円滑にする。
【0036】
上記で指摘したように、コアネットワーク106はまた、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される他の有線もしくは無線ネットワークを含むネットワーク112に接続される。
【0037】
図1Dは、一実施形態によるRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上記で指摘したように、RAN104は、E−UTRA無線技術を使用し、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信する。また、RAN104は、コアネットワーク106と通信する。
【0038】
RAN104は高度化ノードB170a、170b、170cを含むが、RAN104は、一実施形態と一貫したまま任意の数の高度化ノードBを含むことが理解される。高度化ノードB170a、170b、170cは、それぞれが、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するために1つまたは複数のトランシーバを含む。一実施形態では、高度化ノードB170a、170b、170cは、MIMO技術を実装する。したがって、たとえば高度化ノードB140aは、複数のアンテナを使用し、WTRU102aに無線信号を送信し、WTRU102aから無線信号を受信することができる。
【0039】
高度化ノードB170a、170b、170cのそれぞれは、特定のセル(図示せず)に関連付けられ、無線リソース管理判断、ハンドオーバ判断、アップリンクおよび/またはダウンリンクにおけるユーザのスケジューリングなどを処理するように構成される。図1Dに示されているように、高度化ノードB170a、170b、170cは、X2インターフェース上で互いに通信する。
【0040】
図1Dに示されているコアネットワーク(CN)106は、無線通信移動管理装置(MME)162、サービングゲートウェイ164、およびパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ166を含む。前述の要素のそれぞれはコアネットワーク106の一部として示されているが、これらの要素のいずれか1つがコアネットワークオペレータ以外の企業体によって所有および/または運営されてもよいことが理解される。
【0041】
MME162は、S1インターフェースを介してRAN104内の高度化ノードB170a、170b、170cのそれぞれに接続され、制御ノードとして働く。たとえば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ベアラの活動化/非活動化、WTRU102a、102b、102cの最初のアタッチ中に特定のサービングゲートウェイを選択することなどの責任を担う。また、MME162は、RAN104と、GSMまたはWCDMAなど他の無線技術を使用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供する。
【0042】
サービングゲートウェイ164は、S1インターフェースを介してRAN104内の高度化ノードB170a、170b、170cのそれぞれに接続される。サービングゲートウェイ164は、一般に、ユーザデータパケットをWTRU102a、102b、102cに/WTRU102a、102b、102cからルーティングおよび転送する。また、サービングゲートウェイ164は、高度化ノードB間ハンドオーバ中にユーザプレーンをアンカリングすること、WTRU102a、102b、102cにダウンリンクデータが使用可能であるときページングをトリガすること、およびWTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理および記憶することなど、他の機能を実施する。
【0043】
また、サービングゲートウェイ164はPDNゲートウェイ166に接続され、PDNゲートウェイ166は、WTRU102a、102b、102cがインターネット110などパケット交換ネットワークにアクセスすることを可能にし、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスの間の通信を円滑にする。
【0044】
コアネットワーク106は、他のネットワークとの通信を円滑にする。たとえば、コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102cがPSTN108など回線交換ネットワークにアクセスすることを可能にし、WTRU102a、102b、102cと従来の陸線通信デバイスとの間の通信を円滑にする。たとえば、コアネットワーク106は、コアネットワーク106とPSTN108の間のインターフェースとして働くIPゲートウェイ(たとえば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含み、またはIPゲートウェイと通信する。さらに、コアネットワーク106は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される他の有線もしくは無線ネットワークを含むネットワーク112に、WTRU102a、102b、102cがアクセスすることを可能にする。
【0045】
図1Eは、一実施形態によるRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。RAN104は、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するためにIEEE802.16無線技術を使用するアクセスサービスネットワーク(ASN)である。下記でさらに論じるように、WTRU102a、102b、102c、RAN104、およびコアネットワーク106の異なる機能エンティティ間の通信リンクが、参照ポイントとして定義される。
【0046】
図1Eに示されているように、RAN104は、基地局180a、180b、180c、およびASNゲートウェイ142を含むが、RAN104は、一実施形態と一貫したまま任意の数のノードBおよびRNCを含むことが理解される。基地局180a、180b、180cは、それぞれがRAN104内の特定のセル(図示せず)に関連付けられ、それぞれが、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するために1つまたは複数のトランシーバを含む。一実施形態では、基地局180a、180b、180cは、MIMO技術を実装する。したがって、たとえば基地局140aは、複数のアンテナを使用し、WTRU102aに無線信号を送信し、WTRU102aから無線信号を受信することができる。また、基地局180a、180b、180cは、ハンドオフのトリガ、トンネル確立、無線リソース管理、トラフィック分類、サービス品質(QoS)ポリシ施行など、移動管理機能を提供する。ASNゲートウェイ182は、トラフィック集約ポイントとして働き、ページング、加入者プロファイルのキャッシング、コアネットワーク106へのルーティングなどの責任を担う。
【0047】
WTRU102a、102b、102cとRAN104の間のエアインターフェース116は、IEEE802.16仕様を実装するR1参照ポイントとして定義される。さらに、WTRU102a、102b、102cのそれぞれは、コアネットワーク106との論理インターフェース(図示せず)を確立する。WTRU102a、102b、102cとコアネットワーク106の間の論理インターフェースは、R2参照ポイントとして定義され、認証、許可、IPホスト構成管理、および/または移動管理のために使用される。
【0048】
基地局180a、180b、180cのそれぞれの間の通信リンクは、WTRUハンドオーバおよび基地局間のデータの転送を円滑にするためのプロトコルを含むR8参照ポイントとして定義される。基地局180a、180b、180cとASNゲートウェイ215の間の通信リンクは、R6参照ポイントとして定義される。R6参照ポイントは、WTRU102a、102b、100cのそれぞれに関連付けられた移動イベントに基づいて移動管理を円滑にするためのプロトコルを含む。
【0049】
図1Eに示されているように、RAN104は、コアネットワーク106に接続される。RAN104とコアネットワーク106の間の通信リンクは、たとえばデータ転送および移動管理機能を円滑にするためのプロトコルを含むR3参照ポイントとして定義される。コアネットワーク106は、移動IPホームエージェント(MIP−HA)184と、認証、許可、アカウンティング(AAA)サーバ186と、ゲートウェイ188とを含む。前述の要素のそれぞれはコアネットワーク106の一部として示されているが、これらの要素のいずれか1つがコアネットワークオペレータ以外の企業体によって所有および/または運営されてもよいことが理解される。
【0050】
インターネットプロトコル(IP)スタックは、IPスイートのソフトウェア実装と呼ばれる。論理インターフェース(LIF)は、オペレーティングシステム内部のコンストラクトを指す。LIF実装では、リンクレイヤが物理インターフェースをIPスタックから、またネットワークノードから隠す。LIFは、移動ノードが、IPより上のレイヤに対して単一のインターフェースビューを提供することを可能にする。上部レイヤはLIFにバインドし、これは、異なる物理インターフェースの間で、内部のアクセス間技術ハンドオーバまたはデータフロー転送を隠す。移動ネットワーク上での論理インターフェース実装の一例が、図2の図によって示されている。
【0051】
物理インターフェースには、ホームネットワークプレフィックス(HNP)の一意のセット、またはネットワークプレフィックスの共用セットが割り当てられる。LIFは、上部レイヤ(たとえば、IP以上)にとって透過的にインターフェース間で移動されるHNPに関連付けられる。LIF技術は、順次アタッチに加えて、同時アタッチをサポートする。一実施形態では、移動アクセスゲートウェイ(MAG)にアタッチすることができる物理インターフェースは、IPインターフェースを含む。複数の物理インターフェースが、同じIP論理インターフェース下でグループ化される。
【0052】
ネットワークベースのIPフローモビリティ(IFOM)は、アンカが特定のフローをそのデフォルトの経路から異なる経路に移動すると決めたとき開始する。アンカは、特定のフローが開始されたとき、そのフローを転送するためのアクセスゲートウェイを決定する。たとえば、アンカは、アプリケーションポリシプロファイルに基づいて、および/またはフローの寿命中、ネットワークベースのトリガまたはモバイルベースのトリガを受信したとき、アクセスゲートウェイを決定する。
【0053】
セルラ無線アクセス、ならびに無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)無線アクセスなどローカルネットワークアクセスをサポートするWTRUは、ローカルブレークアウト技術を使用し、IPトラフィックをルーティングする。たとえば、WTRUは、WLANに接続されている間、特定のIPフローを、発展型パケットコア(EPC)をトラバースすることなしにWLANアクセスを介してルーティングする。EPCは、移動ネットワークまたはセルラ無線アクセスの一部であってもよい。WTRUは、ローカルネットワークに直接または間接的に接続される。WTRUは、アクセスポイント、ゲートウェイ、別のネットワークなどを介してローカルネットワークに接続される。接続は有線でも無線でもよい。あるIPフローをWLANを通してルーティングすることにより、ローカルブレークアウトは、IPトラフィックをEPCからオフロードする。WLANアクセスを通じてルーティングされるIPフローは、ユーザの嗜好(preference)、ローカル動作環境情報を介して、および/または、WTRUに対してオペレータによって静的に事前構成されても、アクセスネットワーク発見および選択機能(ANDSF)を介してオペレータによって動的に設定されてもよいポリシを介して識別される。WTRUは、使用されるアクセス技術に基づいて異なるIPアドレスを使用してもよい。そのようなオフロードは、非シームレスなWLANオフロードと呼ばれる。
【0054】
一実施形態では、WLANアクセスがEPC接続されるとき、WTRUは、一部のIPフローに対するシームレスなWLANオフロードと、一部のIPフローに対する非シームレスなWLANオフロードとを同時に実施する。
【0055】
WTRUは、移動ネットワークおよびWLANネットワークに接続されるとき、異なるIPアドレスを使用する。たとえば、特定のIPフローは、移動ネットワークによって割り当てられた移動IPアドレスを使用し、特定のIPフローは、WLANアクセスネットワークによって割り当てられたローカルIPアドレスを使用する。具体的には、ローカルIPアドレスは、ローカルネットワークを通じてルーティングされると識別されたIPフローに使用され、移動IPアドレスは、EPCを通じてルーティングされるIPフローに使用される。WTRUは、WLANアクセスでローカルIPアドレスを取得する。ローカルIPアドレスは、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバによって得られてもよい。
【0056】
図6は、IPトラフィックをローカルブレークアウトセッションにおいてルーティングするための例示的な方法を示す。610では、ローカルネットワーク接続の安定性状態が決定される。安定性状態は、その接続が所定の時間期間の間、WTRUにとって使用可能であったか、および/または使用可能なままである可能性が高いかを表す。一実施形態では、安定性状態は、WTRUが所定の時間期間の間、その接続に接続されてきたか、および/または依然として接続されていると予想されるかを表す。
【0057】
一実施形態では、ローカルブレークアウト接続は、ローカル接続が所定の時間期間の間、WTRUにとって使用可能であると予想されるとき、安定性状態にある。一実施形態では、ローカルブレークアウト接続は、WTRUのローカルIPアドレスが所定の時間期間の間、WTRUにとって使用可能であると予想されるとき、安定性状態にある。所定の時間期間は、5分、10分、30分、60分、90分など、実質的に長い期間を含む。所定の時間期間は、事前構成されても、動的に設定されても、半動的に設定されてもよい。所定の時間期間は、安定性閾値と呼ばれる。
【0058】
1つまたは複数の安定性閾値が設定されてもよい。たとえば、安定性閾値は、安定であると考えられる前に確立される必要がある接続のための最小期間を表す。一実施形態では、ローカル接続は、その接続が所定の期間の間、割込みなし、または最小限の割込みで、WTRUにとって使用可能であった後で、安定であると考えられる。
【0059】
一実施形態では、安定性状態は、サブ状態に分類される。たとえば、接続は、低安定性状態、中安定性状態、または高安定性状態にある。異なる安定性閾値を異なるサブ状態に適用してもよい。たとえば、高安定性状態のための安定性閾値は、低安定性状態および中安定性状態のための安定性閾値より高くてもよい。表1は、例示的な安定性閾値設定を示す。
【0060】
【表1】
【0061】
一実施形態では、ローカルブレークアウト接続は、そのローカルブレークアウト接続が安定接続として識別された場合、安定状態にあると決定される。たとえば、WTRUは、ローカル接続のリストを維持する。あるローカル接続が安定接続として識別される。一実施形態では、ユーザプロファイルが、「安定」であると知られている、あるアクセスポイント(AP)識別子を含む。たとえば、WTRUユーザは通常、長期間の間、自宅にいるので、ユーザのホームAPは、安定接続としてリストされる。たとえば、WTRUユーザは職場におり、それによりWTRUをオフィスAPに長期間の間接続すると予想されるので、ユーザの職場またはオフィスAPは、安定接続としてリストされる。
【0062】
ローカルブレークアウト接続は、所定の時間枠の間、安定状態にあると決定されてもよい。ローカル接続またはAPは、1つまたは複数の予想安定性期間と関連付けられる。予想安定性期間は、ローカル接続またはAPがWTRUにとって使用可能である、および/またはWTRUがそのローカル接続またはAPに接続し、実質的に静止したままであると予想される日および/または予想される期間を含む。一実施形態では、(1つまたは複数の)予想安定性期間が、WTRUに関連付けられたユーザプロファイル内に記憶される。たとえば、このプロファイルは、月曜日から金曜日まで午後6:00から午前7:00の間、ホームAPに対するローカル接続を安定したものとして識別する。
【0063】
一実施形態では、ローカル接続またはAPのための安定性期間は、ヒューリスティックに識別されてもよい。ローカル接続が監視され、経時的なAP使用に関する累積統計が維持される。ローカル接続またはAPのための安定性期間は、WTRUがローカル接続またはAPに接続されている時間および期間に基づいて導出されてもよい。
【0064】
WTRUがアクセスする1つまたは複数のローカル接続またはAPに関連付けられた安定性情報を追跡してもよい。安定性情報は、ローカルでも遠隔でも記憶されてよい。たとえば、安定性情報は、非取外し式メモリ106および/または取外し式メモリ132など、任意のタイプの好適なメモリに記憶されてもよい。安定性情報は、遠隔サーバを介してなど、遠隔で追跡および/または記憶されてもよい。
【0065】
表2は、例示的な安定性情報を有する例示的な安定性テーブルを示す。示されているように、WTRUが接続し得るAPを一意に識別するAP識別子に、APが関連付けられている。(1つまたは複数の)予想安定性期間が、各APについて追跡および記憶される。一実施形態では、予想安定性期間は、(1つまたは複数の)設定された期間、および/または(1つまたは複数の)導出された期間を含む。(1つまたは複数の)設定された期間は、ユーザによって入力されてもよい。ローカル接続またはAPのための(1つまたは複数の)導出された期間は、上述のように経時的な累積使用統計に基づいて導出または学習されてもよい。たとえば、下記に示すように、WTRUが、「友人ID」に関連付けられたローカル接続またはAPに金曜日の午後9:00から午後12:00に接続される場合、安定性情報は、その期間を導出された予想安定性期間として含む。
【0066】
【表2】
【0067】
表2に示されているように、安定性情報は、現在の安定性状態の指示を含む。たとえば、現在の安定性状態のための潜在的な値は、それだけには限らないが、安定性(高)、安定性(中)、安定性(低)、不明、および未接続を含む。WTRUが、現在、ローカル接続またはAPに接続されている場合、安定性情報は、接続時間の指示をも含む。示されているように、安定性情報は、以前の(1回または複数の)接続セッションの日付、時刻、および/または期間など、履歴安定性情報および/または統計を含む。たとえば、「友人ID」に関連付けられたローカル接続またはAPのための履歴統計は、先週の金曜日に午後8:55から3時間の間接続されたこと、および2週間前の金曜日に午後9:10から3時間半の間接続されたことを含む。この履歴統計に基づいて、金曜日の午後9:00から午後12:00の安定性期間が導出される。
【0068】
一実施形態では、全世界測位システム(GPS)を使用して、ローカル接続が安定したものとして識別される。たとえば、WTRUが実質的に静止している、または所定の時間期間の間移動していない場合、そのローカル接続は安定であると決定される。
【0069】
図6を参照すると、620では、IPトラフィックフローに関連付けられた安定性要件が決定される。一実施形態では、アプリケーションまたは移動サービスが、安定性を必要とする、または安定性を必要としないなど、安定性要件に関連付けられる。たとえば、安定性を必要とするアプリケーションは、ローカルネットワークが安定であると決定された場合、ローカルネットワークを使用し、ローカル接続が不安定であると決定された場合、セルラネットワークを使用する。一実施形態では、アプリケーションまたは移動サービスが、低、中、または高など、安定性要件に関連付けられる。たとえば、中安定性を必要とするアプリケーションは、ローカル接続が高安定性状態または中安定性状態にあるという条件で、ローカル接続を使用する。たとえば、高安定性を必要とする移動サービスは、ローカル接続が低安定性状態または中安定性状態にある場合、その接続を使用しない。
【0070】
630では、ローカルネットワーク接続の安定性状態がIPトラフィックフローの安定性要件を満たすとき、IPトラフィックフローがローカルネットワークにオフロードされる。IPトラフィックフローは、安定なローカルブレークアウト接続を通じてルーティングされる。たとえば、ローカルIPアドレスがローカルネットワークによって割り当てられる。IPトラフィックフローをオフロードすると決定されたとき、そのローカルIPアドレスが、IPトラフィックフローを送るために使用される。
【0071】
図3は、安定なローカルブレークアウトセッションを通る例示的なトラフィックの図を示す。示されているように、WTRU302は、セルラ無線接続308を介して、および/または移動ネットワーク306にトンネルされたWLAN接続を介して、移動ネットワーク306に接続される。また、WTRU302は、ローカル無線接続307を介してAP330に接続されてもよい。AP330は、ローカルネットワークにもWLAN312にも属してよい。示されているように、WTRU302と、対応するノード340との間のIPフロー320は、セルラ無線接続308、移動ネットワーク306、およびインターネット310を介してルーティングされる。WTRU302と、対応するノード340との間のIPフロー322は、ローカル無線接続307およびAP330を介してルーティングされる。IPフロー322をWLAN312を通してルーティングすることにより、ローカルブレークアウトは、トラフィックを移動コアネットワークからオフロードする。
【0072】
一実施形態では、WTRU302が移動ネットワーク306にアクセスするために、トンネル304が確立される。図3に示されているように、WTRU302と、対応するノード340との間のIPフロー324は、トンネル304、移動ネットワーク306、およびインターネット310を介してルーティングされる。トンネルは、WTRU302と移動ネットワーク306/EPCとの間のWLANインターフェースとして働く。このWLANインターフェースは、EPC IPアドレスと、ローカルのDHCPサーバによって割り振られたローカルIPアドレスとを有する。EPC IPアドレスを使用し、WLANを通してIPフローを送るとき、そのIPフローに関連付けられたパケットは、EPCにトンネルされる。ローカルIPアドレスは、EPCをバイパスするために使用される。
【0073】
ローカル接続が安定状態にあるという決定に基づいて、アプリケーションが、ローカルブレークアウト接続上で使用される。モビリティ要求のアプリケーションに関連するIPフローは、ローカル無線接続307およびAP330を介してルーティングされる。ローカルブレークアウト接続に接続されるとき、マルチパス伝送制御プロトコル(MPTCP)などピアツーピア概念に基づくブロードバンド無線アクセス(BWA)が使用される。
【0074】
一実施形態では、モビリティサービスを必要とするIPトラフィックフローは、移動コアネットワークを通じてルーティングされる。一実施形態では、トラフィックフローの宛先がローカルであるとき、トラフィックフローは、移動コアネットワークを通じてルーティングされるのではなく、ローカルネットワーク上に留まる。ローカルのトラフィックをローカルネットワーク内に留めることは有用である。なぜなら、伝送が移動コアネットワークを通るより速く、ユーザに対するコストが少なく、トラフィックが移動コアネットワークからオフロードされるからである。
【0075】
図7は、IPトラフィックをローカルブレークアウトセッションにおいてルーティングするための例示的な方法を示す。710では、IPトラフィックフローの宛先アドレスが識別される。720では、IPトラフィックフローをセルラネットワークからローカルネットワークにオフロードするかどうかが、IPトラフィックフローの宛先アドレスに基づいて決定される。宛先アドレスは、ローカルネットワークに関連付けられたアドレスに比較される。たとえば、フィルタ規則が、宛先アドレスに基づいてトラフィックを識別する。宛先アドレスが、ローカルネットワークに関連付けられたアドレスの一部である場合、フィルタ規則は、IPトラフィックがローカルネットワークにオフロードされることを示す。一実施形態では、宛先アドレスがローカルであるとき、IPトラフィックは、モビリティサービスが必要とされるときでさえ、ローカルネットワークの内部に留められる。730では、IPトラフィックフローが、決定に基づいてルーティングされる。たとえば、ローカルIPアドレスがローカルネットワークによって割り当てられる。IPトラフィックフローをオフロードすると決定されたとき、そのローカルIPアドレスが、IPトラフィックフローを送るために使用される。たとえば、宛先アドレスがローカルであると決定されたとき、そのローカルIPアドレスがソースIPアドレスとして割り当てられ、IPトラフィックフローは、ローカルネットワークを通じてルーティングされる。
【0076】
図4は、ローカルブレークアウトを通る例示的なローカルトラフィックの図を示す。図4を参照すると、WTRU302は、セルラ無線接続308を介して、またWLAN接続304を介してコアネットワーク306に接続される。また、WTRU302は、ローカル無線接続307を介してAP330に接続される。対応するノード440もまた、ローカル無線接続307を介してAP330に接続される。AP330は、ローカルネットワークまたはWLAN312に接続される。
【0077】
一実施形態では、WTRU302が移動ネットワーク306にアクセスするために、トンネル304が確立される。図3に示されているように、WTRU302と、対応するノード340との間のIPフロー324は、トンネル304、移動ネットワーク306、およびインターネット310を介してルーティングされる。トンネルは、WTRU302と移動ネットワーク306/EPCとの間のWLANインターフェースとして働く。このWLANインターフェースは、EPC IPアドレスと、ローカルのDHCPサーバによって割り振られたローカルIPアドレスとを有する。EPC IPアドレスを使用し、WLANを通してIPフローを送るとき、そのIPフローに関連付けられたパケットは、EPCにトンネルされる。ローカルIPアドレスは、EPCをバイパスするために使用される。たとえば、宛先IPアドレスがEPCからのものであるとき、WLANを通じて送られるパケットは、EPCにトンネルされる。宛先IPアドレスがローカルであるとき、パケットはローカルで送られ、EPCをバイパスする。
【0078】
図4に示されているように、対応するノード440は、ローカルネットワーク312に接続される。ローカルネットワーク312は、企業ネットワーク、または比較的安定なIPアドレスを有するAPを有するユーザのホームネットワークを含む。WTRU302と、対応するノード440との間のIPフロー320、322は、モビリティサービスを必要とする。一実施形態では、IPフロー320は、セルラ無線接続308、移動ネットワーク306、およびインターネット310を介してルーティングされる。IPフロー320は、WLAN接続304、コアネットワーク306、およびインターネット310を介してルーティングされてもよい。一実施形態では、対応するノード440が同じローカルネットワークに接続されているという決定に基づいて、WTRU302は、ローカル無線接続307およびAP330を介して、IPフロー322を対応するノード440にルーティングする。IPフロー322をWLAN312を通してルーティングすることにより、ローカルブレークアウトは、トラフィックを移動コアネットワークからオフロードする。
【0079】
WTRU302は、図1Aないし図1Dに関連して述べたWTRU102に対応し、またはそれを含む。移動ネットワーク306は、図1A図1C、および図1Dに関連して上述したコアネットワーク106に対応し、またはそれを含む。インターネット310は、図1A図1C、および図1Dに関連して上述したインターネット110に対応し、またはそれを含む。図3および図4に示されているAP330は無線APであるが、任意の非セルラAPが使用されてもよい。
【0080】
ローカルブレークアウト接続を使用するか、それともローカルネットワークを使用するか、またいつ使用するかを決定するための例示的な手順について、下記で述べる。この判断は、ローカルブレークアウト接続の安定性状態を考慮する。この決定に応じて、モビリティ要求のアプリケーションは、安定なローカルブレークアウト接続を使用する。ローカルトラフィックは、移動コアネットワークを通るのではなく、ローカルネットワーク内に留められる。たとえば、このユーザのホームネットワークに接続された2つのデバイス間のIPトラフィックは、ユーザのホームネットワーク内でルーティングされる。ローカルブレークアウト接続は、たとえばトラフィックが低速または低QoSトラフィックを必要とするとき選択されてもよい。
【0081】
一実施形態では、ローカルブレークアウト接続は、フローモビリティなどモビリティサービスが必要とされるとき使用されなくてもよい。ローカルブレークアウト接続は、WTRUが新しい位置に移動するたびに変化する、ローカルで割り当てられるIPアドレスを使用してもよい。IPアドレスが変化すると、遠隔ピアとのコネクティビティに割込みが入る。たとえば、WTRUが遠隔ピアとボイスオーバーIP接続を開始し、ユーザが移動している場合、そのWTRUのローカルIPアドレスは、連続的に変化する。コアネットワークによって割り当てられた移動IPアドレスを使用し、VoIP接続を維持する。一実施形態では、ローカルブレークアウト接続は、均一のモビリティサービスが必要とされるとき使用されてもよい。
【0082】
一実施形態では、IPフローがローカルブレークアウト接続を通じてルーティングされるかどうかが、1つまたは複数のポリシに基づいて決定される。たとえば、IPトラフィックがWLANにオフロードされるかどうかが、システム間モビリティポリシおよび/またはシステム間ルーティングポリシのフィルタ規則を介して決定される。
【0083】
システム間モビリティポリシおよび/またはシステム間ルーティングポリシは、IPトラフィックを複数の無線アクセスインターフェースにわたって同時にルーティングするためのポリシを含む。このポリシは、オペレータのルーティング嗜好および/または移動ネットワークオフロード嗜好に従ってセットアップされてもよい。WTRUは、このポリシを使用し、特定のIPトラフィックフローについてローカルブレークアウト接続がいつ制限されるかを決定し、および/またはそのIPトラフィックフローをルーティングするためのアクセス技術もしくはネットワークを選択する。たとえば、このポリシは、たとえばそれだけには限らないが、移動ネットワークオペレータ、WTRUのオペレータ、アプリケーションもしくはサービスプロバイダ、および/またはローカルネットワーク管理者によって設定される。
【0084】
IPフロークラス特有のポリシは、オペレータがWTRUに、どのアクセス技術を通じてIPフローがルーティングされるかを示すことを可能にする。そのようなポリシは、APごと、IPフロークラスごと、または特定のAP下のIPフロークラスごとに定義される。WLAN上でルーティングされるIPフローについて、IPフロークラス特有のポリシは、トラフィックがホームエージェント(HA)を通じてルーティングされるか、それともWLANアクセスを介して直接ルーティングされ、HAをバイパスするかを指定する。
【0085】
たとえば、このポリシは、使用可能な安定したローカル接続のサブセットを使用するようにローカルブレークアウトセッションを制限する。このポリシは、複数の安定なローカル接続がWTRUにとって使用可能であるとき、ある接続が他の接続より好ましいことを指定する。このポリシは、どの(1つまたは複数の)タイプのモビリティサービスをローカル接続がサポートするか、またはサポートしないかを指定する。
【0086】
WTRUがセルラ/移動ネットワークおよびローカルネットワークに接続されるとき、WTRUは、アクセスにおける異なるIPアドレスで設定される。ローカルIPアドレスがソースIPアドレスとして割り当てられ、発信トラフィックがローカル接続を通じてルーティングされる。ローカルIPアドレスをソースIPアドレスとして割り当てるかどうかは、ポリシ、宛先IPアドレス、使用可能な(1つまたは複数の)ローカルブレークアウト接続が安定状態にあるかどうか、無線環境情報、IP接続の品質、サービス特有の要件、アプリケーション特有の要件、および/または使用可能なセルラ接続に基づいて決定される。たとえば、ローカル接続がアプリケーションの必要にとって十分に安定であると決定された場合、ローカルIPアドレスが割り当てられる。そうでない場合には移動IPアドレスが割り当てられ、トラフィックは、コアネットワークを通じてルーティングされる。例示すると、BWAサービスが、ローカル接続を通して関連のIPフローをルーティングするためにローカル接続が高い安定性状態にあることを必要とする。ローカル接続が低安定性状態または中安定性状態にある場合、BWAサービスに関連するIPフロー、またはBWAサービスを必要とするアプリケーションに関連するIPフローは、コアネットワークを通じてルーティングされる。複数の移動接続が存在する場合、移動接続の選択は、たとえば、ポリシ、ユーザの嗜好、輻輳などによって決まる。
【0087】
図5は、ローカルブレークアウトセッション中にソースIPアドレスを選択するための例示的なプロセスを示す。この例示的なプロセスは、発信トラフィック、およびソースIPアドレスを選択することという状況で述べられているが、着信トラフィックのための宛先IPアドレスを選択することも同じプロセスに従うことが理解される。
【0088】
示されているように、510では、アプリケーションがソースIPアドレスを要求する。たとえば、アプリケーションは、そのソースIPアドレスを使用し、図3における対応するノード340、または図4における対応するノード440など、対応するノードと通信する。520では、アプリケーションが低速または低サービス品質(QoS)接続で機能するかどうかが決定される。一例では、アプリケーションが低速または低QoS接続でのコンテンツである場合、570で、ローカルIPアドレスがソースIPアドレスとして割り当てられ、発信トラフィックは、ローカルブレークアウトを通じてルーティングされる。
【0089】
示されているように、アプリケーションが低QoSより多くを必要とする場合、530で、(1つまたは複数の)モビリティサービスが必要とされるかどうかが決定される。一例では、アプリケーションが、ビデオストリーミングまたはVoIPなどモビリティサービスを必要としない場合、570で、ローカルIPアドレスがソースIPアドレスとして割り当てられ、発信トラフィックは、ローカルブレークアウトを通じてルーティングされる。アプリケーションが、機能するためにモビリティサービスを必要とする場合、540で、宛先IPアドレスがローカルであるかどうかが決定される。たとえば、対応するノードのIPアドレスが、ローカルネットワークに属するIPアドレスである場合、570で、ローカルIPアドレスがソースIPアドレスとして割り当てられ、発信トラフィックは、ローカルブレークアウトを通じてルーティングされる。
【0090】
示されているように、宛先IPアドレスがローカルでないと決定されたことに応答して、ローカル接続が安定状態にあるかどうかが550で決定される。ローカル接続が安定状態にないと決定されたことに応答して、580で、移動IPアドレスが割り当てられる。ローカル接続が安定状態にあると決定されたことに応答して、560で、必要とされる(1つまたは複数の)モビリティサービスが安定なローカルブレークアウト上で使用可能であるかどうかが決定される。(1つまたは複数の)モビリティサービスが安定なローカルブレークアウト上で使用可能であると決定されたことに応答して、570で、ローカルIPアドレスが割り当てられる。それらのモビリティサービスが安定なローカルブレークアウト上で使用可能でないと決定されたことに応答して、580で、移動IPアドレスが割り当てられる。予め存在するトンネルが使用されてもよい。
【0091】
本明細書に記載の技法は、LIFサポート有りまたは無しでデュアルスタックモバイルIP(DSMIP)またはプロキシモバイルIP(PMIP)/GPRSトンネリングプロトコル(GTP)を使用するMCNなど、移動コアネットワークタイプから独立してローカルブレークアウトに適用可能である。
【0092】
上記では特徴および要素が特定の組合せで述べられているが、各特徴および要素は、単独で、またはコンピュータまたはプロセッサによって実行するためのコンピュータ可読媒体内に組み込まれる他のプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアとの任意の組合せで使用することができることを、当業者なら理解するであろう。コンピュータ可読媒体の例は、(有線接続または無線接続上で伝送される)電子信号、およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、それだけには限らないが、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスクや取外し式ディスクなど磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびデジタル多目的ディスク(DVD)など光媒体を含む。ソフトウェアと関連付けられたプロセッサを使用し、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータで使用するために、無線周波数トランシーバを実装することができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7