特許第5809352号(P5809352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5809352エアゾールディスペンサを充填及び封止する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5809352
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】エアゾールディスペンサを充填及び封止する方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 31/00 20060101AFI20151021BHJP
   B65D 83/42 20060101ALN20151021BHJP
【FI】
   B65B31/00 Z
   !B65D83/42
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-511471(P2014-511471)
(86)(22)【出願日】2012年5月16日
(65)【公表番号】特表2014-516882(P2014-516882A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】US2012038039
(87)【国際公開番号】WO2012158744
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2013年11月14日
(31)【優先権主張番号】13/108,269
(32)【優先日】2011年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコット エドワード スミス
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−024557(JP,A)
【文献】 特開昭60−077826(JP,A)
【文献】 米国特許第03386615(US,A)
【文献】 特表2010−535676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B31/00−31/10
B65D83/00
B65D83/08−83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾールディスペンサ(20)のために使用可能な容器を加圧する方法であって、前記方法は、
首部(24)周辺部を備える首部(24)、及び前記首部(24)を貫通し、内部通じた穴を有する、ポリマーである加圧可能な外側容器(22)を提供する工程であって、前記外側容器(22)は更に内部に製品(42)供給装置を含む、工程と、
前記外側容器(22)の前記穴に封止可能なポリマーである弁カップ(26)を提供する工程であって、前記弁カップ(26)は前記首部(24)周辺部と補完的な弁カップ(26)周辺部を有し、前記外側容器(22)及び特徴付けられる前記弁カップ(26)(characterized by said valve cup(26))の少なくとも一方が、前記外側容器(22)の内部通じた少なくとも1つのチャネル(50)を有し、前記少なくとも1つのチャネル(50)は、前記外側容器(22)の外側から前記外側容器(22)の内側への流路を形成する、工程と、
前記弁カップ(26)を、前記外側容器(22)の前記首部(24)上に配置する工程と、
前記少なくとも1つのチャネル(50)の上のマニホールド(52)を適用する工程であって、前記マニホールド(52)は、前記少なくとも1つのチャネル(50)及び噴射剤(40)の供給部と流体連通する、工程と、
前記供給部から、前記マニホールド(52)を通じ、前記少なくとも1つのチャネル(50)を通じ、前記外側容器(22)へと前記噴射剤(40)を分配し、前記容器の内側を加圧する工程と、
前記外側容器(22)の内部の前記噴射剤(40)を大気圧よりも高い圧力に維持するために、前記弁カップ(26)を、前記外側容器(22)に超音波溶接、スピン溶接、または音波溶接することで、前記チャネル(50)を封止する工程と、
前記少なくとも1つのチャネル(50)から前記マニホールド(52)を取り除く工程とを含む、方法。
【請求項2】
前記外側容器(22)へと前記噴射剤(40)を分配する工程は、前記噴射剤(40)を所定の圧力に分配する工程を含み、前記噴射剤(40)の前記所定の圧力は、選択的な分配による前記製品(42)供給装置の実質的全部の前記製品(42)の消耗に対応する最終的な圧力であることを特徴とし、
前記容器を加圧する工程は、前記容器を110〜490kPaの範囲の圧力に加圧する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記内部を通じた少なくとも1つのチャネル(50)を有する前記弁カップ(26)及び前記首部(24)の一方を提供する前記工程が、内部通じた複数の半径方向チャネル(50)を有する弁カップ(26)を提供する工程を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記外側容器(22)の前記穴に封止可能な弁カップ(26)、及び内部を通じた周辺部の複数の半径方向チャネル(50)を提供する前記工程は、底縁部を有する弁カップ(26)を提供する工程を含み、前記弁カップ(26)の境界を定める前記複数のチャネル(50)は、前記弁カップ(26)の前記底縁部上に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記弁カップ(26)は、バッグから前記製品(42)を選択的に分配するために内部に弁アセンブリを有し、前記弁アセンブリを通じて前記バッグに前記製品(42)を充填する工程を更に含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのチャネル(50)を通じて前記外側容器(22)に噴射剤(40)を導入する前記工程が、前記外側容器(22)の前記首部(24)を区切る、少なくとも1つのチャネル(50)を通じて前記噴射剤(40)を導入する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのチャネル(50)を通じて前記外側容器(22)内に噴射剤(40)を導入する前記工程が、前記弁カップ(26)及び前記外側容器(22)の両方を区切る、少なくとも1つのチャネル(50)を通じて前記噴射剤(40)を導入する工程を含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
容器が長手方向軸を有し、前記少なくとも1つのチャネル(50)を通じて前記外側容器(22)内に噴射剤(40)を導入する前記工程が、主に半径方向に向けられた複数のチャネル(50)を通じて前記噴射剤(40)を導入する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のチャネル(50)を通じて前記外側容器(22)内に前記噴射剤(40)を導入する工程が、互いに等しい大きさであり、かつ隣接するチャネル(50)から周辺方向に等間隔で離間している、複数のチャネル(50)を通じて前記噴射剤(40)を導入する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記製品(42)供給装置から空気が付随的に逃れることを可能にするために、前記供給部から前記外側容器(22)に噴射剤(40)を分配する前記工程の間に、前記弁アセンブリを開く工程を更に含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
アンビルを提供する工程が、肩部(25)を更に含む外側容器(22)を提供する工程を含み、前記肩部(25)は肩部(25)周辺部を有し、前記肩部(25)周辺部は前記首部(24)周辺部よりも大きく、前記外側容器(22)と一体のアンビルとなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
エアゾール(20)のために使用可能な加圧された容器を作製する方法であって、前記方法は、
内部通じた穴を備える首部(24)を有する加圧可能な、ポリマーである外側容器(22)を提供する工程と、
前記外側容器(22)の前記穴に封止可能であり、そこに封止された製品(42)供給装置を有するポリマーである弁カップ(26)を提供する工程と、
前記製品(42)供給装置が前記外側容器(22)の内部に配置されるように、非封止の関係で前記外側容器(22)の前記首部(24)上に前記弁カップ(26)を配置する工程と、
その間の圧力を、大気圧よりも高い圧力まで増加させるために、前記外側容器(22)及び前記製品(42)の中間において、前記外側容器(22)に噴射剤(40)を導入する工程であって、前記噴射剤(40)が少なくとも1つのチャネル(50)を通じて導入され、前記チャネル(50)は前記外側容器(22)及び前記弁カップ(26)の少なくとも一方の中又はその間に配置される工程と、
超音波溶接、スピン溶接、または音波溶接することで、前記弁カップ(26)を前記外側容器(22)に封止し、前記少なくとも1つのチャネル(50)を閉じて前記噴射剤(40)及びその間の前記圧力を維持する工程とを含み、
前記封止工程は、前記噴射剤(40)を前記外側容器(22)に導入する前記工程の間、又は後に実行され得る、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾールディスペンサ、及びその構成要素の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾールディスペンサは当該技術分野において既知である。エアゾールディスペンサは典型的には、残っている成分のためのフレーム、及び噴射剤の圧力容器として機能する外側容器、及び内部に収容される製品を含む。金属から作製される外側容器は、当該技術分野において既知である。しかしながら、金属容器は、高費用、及び限定的な再使用性のために望ましくない場合がある。
【0003】
外側容器は、典型的には円筒形であるが、これは必須ではない。外側容器は、棚、カウンタートップ、テーブルなどの、水平な表面上に置くための底部を含む場合がある。外側容器の底部は、米国特許第3,403,804号に示される、くぼみ形部分を含み得る。外側容器の形状を画定する側壁は、底部から開いた頂部へと上方に延びる。
【0004】
開いた頂部は、エアゾールディスペンサの追加的な構成要素を受容するための首部を画定する。業界は一般的に、様々なメーカーの構成要素の標準化のために、首部の直径を2.54cmとするが、20mmなど、より小さい直径も使用される。様々な首部の形状が、米国特許出願第2007/02782531(A1)号、米国特許第7,303,087号、同第7,028,866号、及び本願と同一譲受人に譲渡された同第6,019,252号に示される。
【0005】
典型的には弁カップが首部に挿入される。弁カップは、噴射剤が逃れること、又は圧力の損失を防ぐために、首部に対して密封される。弁カップは、エアゾールの残部に関係して可動である、弁構成要素を保持する。
【0006】
弁カップ及び可動弁構成要素を有するエアゾールディスペンサは、消費者によって使用される製品を保持、貯蔵、及び分配するための異なる実施形態を含み得る。一実施形態において、製品及び噴射剤が混合される。ユーザーが弁を起動すると、製品及び噴射剤が一緒に分配される。この実施形態は、ディップチューブを使用し得る。ディップチューブは、外側容器の底部から製品及び噴射剤の混合物を取り出す。外側容器の底部から分配することによって、ユーザーは、ヘッドスペースから純粋な噴射剤を分配せずに、製品/噴射剤の混合物の分配をより達成しやすくなる。この実施形態は、例えば、剃毛クリームフォームを分配するために使用されてもよい。
【0007】
エアゾールディスペンサのディップチューブ実施形態は、ユーザーがエアゾールディスペンサを垂直位置から傾けるときに、製品/噴射剤混合物の分配ではなく、ヘッドスペースからのガスの分配を生じ得るという不利益を有する。この不利益は、エアゾールディスペンサが、ユーザーが逆さの位置からユーザーの全身に分配する、ボディススプレーなどの製品を含む場合に生じる場合がある。
【0008】
この不利益を克服するために、他の実施形態が使用され得る。例えば、折り畳み式の可撓性バッグが弁カップの下側の開口部に封着されてもよく、又は弁カップと容器との間に配置されてもよい。このバッグは、バッグの内容物と、バッグの外側の成分との混合を制限するか又は更に防ぐ。したがって、製品はバッグ内に収容されてもよい。噴射剤が、バッグの外側と、外側容器の内側との間に配置されてもよい。弁の作動の際、バッグの外への流路が生じる。バッグと外側容器との間に配置される噴射剤からのゲージ圧により、製品の加圧が生じ、よって製品が周囲気圧へと流れる。この実施形態は一般的にバッグ・オン・バルブと称され、例えば、剃毛クリーム・ゲルを分配するのに使用され得る。いずれの実施形態において、周囲への流れは空気清浄剤に使用される液滴を含む場合があり、又はクレンザーで生じ得る、標的表面上の堆積を含む場合がある。
【0009】
バッグ・オン・バルブ式のエアゾールディスペンサを製造するためのプロセスは複雑である。噴射剤を有する外側容器を加圧するための、1つの充填操作が使用される。この充填操作は、Honeywell Company(Morristown,NJ)から市販されているテトラフルオロプロパ−1−エンなどの炭化水素噴射剤及び/又は不活性ガス噴射剤を使用してもよい。
【0010】
様々な噴射剤ガスを有する外側容器を加圧するために、特殊装置が典型的に使用される。炭化水素噴射剤が選択される場合、製造プロセスは、安全性の懸念、環境的規制、及び他の産業的規制のために、より複雑かつ高価となる。
【0011】
エアゾールディスペンサの噴射剤の充填は、その独自の課題を呈する。噴射剤は、バッグの内側(存在する場合)を汚染することなく、外側容器に追加されなくてはならない。更に、周囲への漏れは最小限にされなくてはならない。エアゾール容器の関連する部分は、輸送、処理及び貯蔵後に、漏れ及び減圧が後に生じるのを防ぐような方法で封止されなくてはならない。
【0012】
更に、所望の製品をバッグ内に分配するために、異なる装置が使用されなくてはならない。多くの場合において、外側容器の加圧及びバッグの内側の製品の分配が、同じ位置における2つの別個の操作において生じる。この製造プロセスは、エアゾールディスペンサなどの圧力容器の、輸送、貯蔵、及び移送を統制する産業的規制によって影響される。したがって、追加の輸送操作、加圧工程、及び製品充填工程は、多くの場合において同じ現場で生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第3,403,804号
【特許文献2】米国特許出願第2007/02782531(A1)号
【特許文献3】米国特許第7,303,087号
【特許文献4】米国特許第7,028,866号
【特許文献5】米国特許第6,019,252号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、エアゾールディスペンサの加圧及び充填のための共通現場の使用は、特定の問題及び特有の固定費をもたらす。例えば、各製造現場は、複雑かつ高度に制御された噴射剤加圧装置及び安全システムを有さなくてはならない。更に多数の製造現場は、製品がいくつかの地域に輸送される場合に望ましい場合がある。
【0015】
複数の地域の供給源となるために単一の製造現場が使用される場合、この現場は、各地域の特定の製品及び消費者の嗜好に精通していなくてはならない。いくつかの地域は遠隔地であり得る。単一の製造現場は、消費者の嗜好の変化に迅速に対応できないか、異なる場所における消費者の固有の嗜好に製品を調節することができない場合がある。異なる地域は、異なるラベリング要件、及び言語を更に有する場合がある。更に、最終製品に対する輸入税及び税金は、典型的には同国に輸出された中間物に対する税金(duties and taxes)よりも高い。
【0016】
したがって、複雑な製造を、より少ない現場/第1区域へ限定し、その後、製品を第2区域に輸出して、製造プロセスを完了することが可能であり得る。このような製造は、製品に関する費用面の利益、及び第2区域における製品の便利なカスタマイズをもたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、首部周辺部を備える首部、及び内部を通じた穴を有する加圧可能な外側容器を提供する工程と、任意により外側容器の穴に封止可能な弁カップを提供する工程であって、外側容器及び弁カップの少なくとも一方が、上記外側容器の外側から上記外側容器の内側への流路を形成する少なくとも1つのチャネルを有する、工程と、任意により弁カップを外側容器の首部上に配置する工程と、少なくとも1つのチャネルの上にマニホールドを適用する工程であって、マニホールドはチャネル及び噴射剤の供給部と流体連通する、工程と、供給部から外側容器へと噴射剤を分配し、容器の内部を加圧する工程と、内部の噴射剤を少なくとも大気圧と同等の圧力に維持するためにチャネルを封止する工程と、上記少なくとも1つのチャネルからマニホールドを取り除く工程とによって、エアゾールディスペンサのために使用可能な容器を加圧するための方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】プラスチックの外側容器及びバッグを有する、本発明によるエアゾールディスペンサの斜視図。
図2A】折り畳み式バッグを有する、図1のエアゾールディスペンサの分解斜視図。
図2B】ディップチューブを有する、図1のエアゾールディスペンサの分解斜視図。
図3A】プラスチックの外側容器を有する、図1のエアゾールディスペンサの加圧可能な容器の斜視図。
図3B】金属の外側容器、及び押し込まれた弁カップを有する、本発明による加圧可能な容器の斜視図。
図4】外側容器、バッグ、弁カップ、及び弁アセンブリを有する、図3Aの加圧可能な容器の分解斜視図。
図5図3Aの加圧可能な容器の垂直断面図。
図6】本発明のエアゾールディスペンサと使用可能な代表的な弁アセンブリの斜視図。
図7】スリーブに挿入される際の、図6の弁アセンブリの垂直断面図。
図8図3A、4及び5の外側容器の弁カップ及び首部の部分分解斜視図。
図9】噴射剤を充填するために、加圧可能な外側容器と係合する、代表的なマニホールドの概略的断面図。
図10】単一の外側容器内にバッグ及び複数の弁を有する、エアゾールディスペンサの垂直断面図。
図11A】製造地点において加圧される容器を有する、本発明による分割された製造プロセスの概略的ブロック図。
図11B】第2位置において加圧される容器を有し、この位置及び連続的な位置において製品が追加される、本発明による分割された製造プロセスの概略的ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1、2A、及び2Bを参照し、エアゾールディスペンサ20が示される。エアゾールディスペンサ20は、このようなディスペンサにおいて使用可能な加圧可能な外側容器22を含む。外側容器22は、当該技術分野において使用される、プラスチック又は金属を含み得る。外側容器22は、開口部を有し得る。開口部は典型的に、加圧可能な容器がその使用位置にあるときに、加圧可能な容器の頂部にある。開口部は、他の構成要素が封止される首部24を画定する。
【0020】
弁カップ26は、以下で更に詳述されるように、外側容器22の開口部に封止され得る。弁アセンブリ28は、次に弁カップ26内に配置され得る。弁アセンブリ28は、製品42がユーザーによって選択的に分配されるまで、エアゾールディスペンサ20内に、製品42を保持する。弁アセンブリ28は、作動装置30によって選択的に作動され得る。弁アセンブリ28も作動装置30も、請求項に係る発明のいずれの部分も形成しない。
【0021】
弁アセンブリ28の選択的な作動により、ユーザーは所望の量の製品42を必要に応じて分配する。本発明と共に使用するための例示的及び非限定的な製品42としては、剃毛クリーム、剃毛フォーム、ボディスプレー、ボディウォッシュ、香水、クレンザー、空気洗浄剤、収れん剤、食物、塗料などが挙げられる。
【0022】
外側容器22内に製品供給装置があり得る。製品供給装置は、図2Aに示されるように、折り畳み式バッグ32を含んでもよい。折り畳み式バッグ32は、容器の首部24、及び/又は弁アセンブリ28と封止関係において載置されてもよい。この構成は、バッグ・オン・バルブとして、当該技術分野において既知である。折り畳み式バッグ32は内部に製品42を保持し、このような製品42を噴射剤40と混合することを防ぐことができる。噴射剤40は、折り畳み式バッグ32の外側、外側容器22の内側に貯蔵されてもよい。
【0023】
折り畳み式バッグ32は、製品42を充填する際に拡張してもよい。このような拡張は、外側容器22の内側で利用可能な容積を減少させる。利用可能な容積を減少させることにより、シャルルの法則によって内部の任意の噴射剤40の圧力を増加する。
【0024】
製品供給装置は、図2Bに示されるように、ディップチューブ34を代替的又は追加的に含むことがある。ディップチューブ34は、弁アセンブリ28に封止された近位端から延びる。ディップチューブ34は、外側容器22の底部と並置された遠位端で終わってもよい。この実施形態は、製品42及び噴射剤40の混合をもたらす。両方が、ユーザーによる、弁アセンブリ28の選択的起動に反応して共に分配される。再び、製品42及び/又は噴射剤40の外側容器22への導入は、シャルルの法則により内部の圧力を増加させる。
【0025】
図3A、3B、4及び5を参照し、エアゾールディスペンサ20、及びその構成要素は、長手方向軸を有してもよく、任意により、丸い断面を有して軸対象であり得る。あるいは、外側容器22、製品供給装置、弁アセンブリ28などは偏心であってもよく、及び正方形、楕円形、又は他の断面を有してもよい。
【0026】
特に図3A、4及び5を参照し、外側容器22は、プラスチックの加圧可能な容器を含んでもよい。プラスチックはポリマーであってもよく、特にPETを含んでもよい。弁アセンブリ28、及び任意の弁カップ26は、以下に記載されるように、外側容器22の首部24に溶接されてもよい。特に図3Bを参照し、外側容器22は、スチール及び/又はアルミニウムなどの金属から作製されてもよい。その場合、弁カップ26は、既知の方法で首24に押し込まれてもよい。
【0027】
図6〜7を参照し、任意の数の既知の弁アセンブリが、本開示において使用可能であり得る。1つの好適な非限定的な例が示される。この例において、剛性のスリーブ54は、不透過性封止によりバッグの頂部に取り付けられてもよい。弾性変形可能なプラグは、スリーブ54に緊密に挿入され得る。プラグの長手方向の運動は、下方向で、スリーブ54内で、製品42を選択的に分配されることを可能にする。スリーブ54は、任意の弁カップ26に不透過で接合されてもよい。弁カップ26は次に、外側容器22の首部24に接合されてもよい。好適なプラグ及びスリーブ54の種類の弁アセンブリ28は、本願と同一譲受人に譲渡された特許出願公開第2010/0133301(A1)号及び/又は同第2010/0133295(A1)号の教示によって作製され得る。
【0028】
加圧可能な容器は噴射剤40を更に含んでもよい。噴射剤40は、外側容器22と製品供給装置との間に配置されてもよい。別の噴射剤40は、外側容器22及び/又は折り畳み式バッグ32に配置されてもよい。典型的には外側容器22の圧力は、折り畳み式バッグ32の圧力よりも高く、よって製品42はバッグ内からから分配され得る。ディップチューブ34が製品供給装置のために選択されると、噴射剤40及び製品42が混合されてもよく、したがって一緒に分配され得る。外側容器22内の噴射剤40の圧力は、環境への及び任意により標的表面への製品42の分配/製品42/噴射剤40の共分配を提供する。標的表面は、製品42、皮膚などにより、洗浄又は他の方法で処理される表面を含むことがある。この分配は、ユーザーが弁アセンブリ28を作動することに反応して生じる。
【0029】
一般的に図3A、3B、4及び5を参照し、構成要素を詳細に検査し、加圧可能な容器は、内部にあるか、内部に配置可能な弁カップ26を備える、穴を有する外側容器22を含み得る。ユーザーにより起動される弁アセンブリ28は、弁カップ26内に配置され得る。製品供給装置は、弁カップ26に接合されてもよい。噴射剤40は、外側容器22と製品供給装置との間に配置されてもよい。製品42及び噴射剤40は、別個に配置され得るか、又は一緒に分配され得る。
【0030】
製品供給装置が可撓性の折り畳み式バッグ32を含む場合、噴射剤40の圧力境界が、部分的に折り畳み式バッグ32によって形成される。製品供給装置がディップチューブ34を含む場合、噴射剤40の圧力境界が、弁が閉じられる際に、部分的に弁アセンブリ28の下側によって形成される。
【0031】
所望により外側容器22、弁カップ26、弁アセンブリ28、ディップチューブ34、及び/又は折り畳み式バッグ32は、ポリマーであり得る。ポリマーとは、構成要素が、プラスチックである材料から形成されることを意味し、ポリマー、及び/又は特定のポリオレフィン、ポリエステル、又はナイロンを含む。したがって、全体のエアゾールディスペンサ20、又はその特定の構成要素は、金属を有さなくてもよく、マイクロ波エネルギーへの暴露を可能にする。
【0032】
したがって、エアゾールディスペンサ20、又は加圧可能な容器は、本発明により、マイクロ波にかけることができる。エアゾールディスペンサ20、又はそのための加圧可能な容器のマイクロ波による加熱は、分配前に製品42の加熱をもたらす。分配前の製品42の加熱は、製品42が皮膚に塗布されるならば、低粘度でより効果的となり得るか、又は食されるならば、より望ましい場合がある。
【0033】
所望により、外側容器22、折り畳み式バッグ32、及び/又はディップチューブ34は、透明であるか、又は実質的に透明であってもよい。製品供給装置として使用される外側容器22及び折り畳み式バッグ32の両方が透明であるとき、この構成は、消費者が製品42が消耗しつつあるときを知るという利益をもたらし、色、粘度などの、製品42の属性のより良い伝達を可能にする。また、容器のラベリング又は他の装飾は、このような装飾がほどこされる背景が透明であるときに、より明瞭であり得る。あるいは、又は代替的に、外側容器22、折り畳み式バッグ32などは、透明であっても、同様の若しくは異なる色で着色されてもよい。
【0034】
外側容器22は、エアゾールディスペンサ20の長手方向軸を画定してもよい。外側容器22は図のように、軸対称であっても、又は偏心であってもよい。丸い断面が示されるが、本発明はこれに限定されない。断面は、正方形、楕円形、不規則であってもよい。更に、断面は図のようにほぼ一定であっても、又はばらつきがあってもよい。変断面が選択される場合、外側容器22は、バレル形、砂時計型、又は単調にテーパ状であってもよい。
【0035】
軸方向にとったときに、外側容器22の高さは6〜40cmの範囲であってもよく、丸い設置面積が選択されるときに、直径は4〜60cmであり得る。外側容器22は、製品供給装置など、内部のいずれかの構成要素を除き、115〜1000ccの範囲の容積を有してもよい。外側容器22は、射出延伸吹込成形されてもよい。この場合、射出延伸吹込成形プロセスは、8、8.5、9、9.5、10、12、15、又は20などの、伸張比率を提供してもよい。
【0036】
外側容器22は、基部上に位置してもよい。基部は外側容器22、及びエアゾールディスペンサ20の底部上に配置される。好適な基部は、基部カップと共に使用される、花弁状基部、シャンパン基部、半球形、又は他の凸状基部を含む。又は外側容器22は、任意の平底を有する平坦な基部を有し得る。
【0037】
平底は、容器の底の凹部であり、容器の首部24に向かって延びる。平底は、容器の底部の設置面積によって画定されるものよりも小さな直径を有するため、平底は容器の底部の一般的な凹部から区別可能である。平底は、長手方向軸を中心として軸対称であってもよい。平底の頂点は、長手方向軸と一致してもよい。
【0038】
外側容器22の側壁もまた、直径を画定する。容器の側壁及び底部は、面取り部によって接続されてもよい。本明細書において使用されるとき、面取り部とは、半径方向でとった際に実質的に平坦である、角度を有する壁部を指す。面取り部は、長手方向軸に対して、少なくとも30、35、又は40°、かつ60、55、又は50°以下の角度を有してもよい。別の場合において、面取り部は、長手方向軸に対して45°であり得る。
【0039】
所望により、容器の底部は、半径方向を向いた内側リブを含み得る。リブは、同様の形状であり、長手方向軸から外側に離間している場合がある。各リブは、外側容器22の側壁を区切ってもよい。リブは、隣接するリブから周囲方向に等間隔であってもよい。
【0040】
上記の半径比率及び平底直径の面積に対する比率に適合するプラスチックの外側容器22は、100〜970kPaの範囲の圧力下において変形せず、0.5mm未満の側壁厚さを有することが見出された。外側容器22は、100〜970、110〜490、又は270〜420kPaの内部ゲージ圧まで加圧されてもよい。特定のエアゾールディスペンサ20は、1100kPAの初期噴射剤40の圧力、及び120kPaの最終噴射剤40の圧力、900kPAの初期噴射剤40の圧力、及び300kPaの最終噴射剤40の圧力、500kPAの初期噴射剤40の圧力、及び0kPaの最終噴射剤40の圧力を有し得る。
【0041】
ユーザーに提示されるエアゾールディスペンサ20は、初期圧力を有してもよい。初期圧力は、特定の充填操作において生じる最高圧力であり、製品供給装置から製品42がまだ分配されない状態に対応する。製品42が消耗すると、外側容器22は最終圧力に近づく。最終圧力は、製品供給装置の僅かな残りを除く、実質的に全製品42の消耗に対応する。
【0042】
したがって、好適な外側容器22は、過剰な材料使用、及びこれに伴う費用、及びこれに伴う処分の問題を伴うことなく作製され得る。材料の使用を低減することにより、ユーザーは、無駄な地中廃棄物が生じず、二酸化炭素の排出を低減することを確実にすることができる。
【0043】
外側容器22の上部付近において、外側容器22は、首部24を有し得る。首部24は、肩部25によって容器側壁に接続されてもよい。肩部25はより具体的には、半径で側壁に接続され得る。肩部25は、環状の平坦部を有し得る。首部24は、差厚をもたらすために、外側容器22の上部において、首部24のより低い部分におけるよりも大きな厚さを有することがある。このような差厚は、内側に段差付きの首部24の厚さを有することによって達成され得る。
【0044】
任意の好適な噴射剤40が使用されてもよい。噴射剤40は、当該技術分野において既知の炭化水素、窒素、空気、及びこれらの混合物を含む場合がある。米国官報49 CFR 1.73.115第2部、2.2項に記載される噴射剤40が、許容可能なものと考えられる。噴射剤40は特に、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン、及び任意にCAS番号1645−83−6ガスを含む場合がある。
【0045】
この噴射剤40は、これらが不燃であるという利益をもたらすが、本明細書は不燃噴射剤40に限定されない。1つのこのような噴射剤40は、Honeywell International(Morristown,New Jersey)から、商標名HFO−1234ze又はGWP−6で市販されている。
【0046】
所望により、噴射剤40は、凝縮性であり得る。凝縮性とは、外側容器22内及び使用中に生じる圧力下において、噴射剤40は、気体状の物質から液体状の物質へと変換することを意味する。一般的に、最高圧力は、エアゾールディスペンサ20に製品42が充填された後、ユーザーによって製品42が最初に分配される前に生じる。凝集性噴射剤40は、製品42が使用中に消耗する際に、減圧曲線を平坦化する利益をもたらす。
【0047】
凝縮性噴射剤40は、所定の圧力において容器内により多くの体積の気体が送られるという利益をもたらす。外側容器22と製品供給装置との間の空間から、十分な体積の製品42を分配する際に、凝縮性噴射剤40は気体状の物質へと素早く戻る。
【0048】
噴射剤40は、実質的に全ての製品42がここから消耗する際に、エアゾールディスペンサ20の最終的な圧力に対応する圧力で提供されてもよい。噴射剤40は、300、250、225、210、200、175又は150kPa以下の圧力に充填されてもよい。噴射剤40は、50、75、100又は125kPa以上の圧力に充填されてもよい。
【0049】
図8及び図9を参照し、任意の弁カップ26は、外側容器22が加圧される間に、外側容器22に封止されてもよい。封止プロセスは、外側容器22及び弁カップ26を提供することによって達成され得る。当業者は、弁アセンブリ28が首部24に適合するときに、任意の弁カップ26は省略されてもよいことを理解する。このような実施形態において、弁アセンブリ28は、首部24に直接封止される。以下の説明は、弁カップ26の導入を対象とするが、当業者は本発明がこれに限定されないことを認識する。
【0050】
弁カップ26は、首部24周辺部に対して補完的な弁カップ26周辺部を有し得る。弁カップ26及び/又は容器首部24の少なくとも1つが内部を通じたチャネル50を有してもよい。加えて、又は代替的に、チャネル50が、弁カップ26と容器首部24との境界面に形成されてもよい。
【0051】
チャネル50は、これが周囲から、又はより具体的には充填マニホールド52から、外側容器22への流体連通を可能にする限りにおいて機能的であると見なされる。別の場合において、チャネル50は、半径方向に一致するか、又は長手方向軸と平行であってもよい。
【0052】
複数の半径方向チャネル50は、噴射剤40のより速い充填を可能にするために提供されてもよい。複数の半径方向チャネル50は、外側容器22及び/又は弁カップ26の周囲でほぼ均等に周辺方向で離間するか、又は不均一に離間し得る。同様に、複数の半径方向チャネル50は、均一又は不均一な断面、及び一定又はばらつきのある断面で構成される。別の場合において、単一の半径方向チャネル50が提供されてもよい。
【0053】
弁カップ26が容器の首部24上、又は容器の上部(首部24が使用されない場合)に配置された後、充填マニホールド52が弁カップ26の上に適用される。マニホールド52は、噴射剤40の供給源、及び少なくとも1つのチャネル50と流体連通する。
【0054】
マニホールド52は一時的にアンビルに封止する。アンビルは、マニホールド52の可動部のための一時的な封止をもたらす。アンビルは、外側容器22が配置される、スリーブ54を含み得る。スリーブ54は、製造中に、ステーションの間を加圧可能な容器/加圧された容器を移送するために使用され得る。加えて、又は代替的に、外側容器22の肩部25は、アンビルとして使用され得る。
【0055】
一時的な封止は、マニホールド52とアンビルとの間で、長手方向に適用された圧力を介して達成され得る。当業者は、少なくとも1つのチャネル50が、側壁、底部、首部24、及び/又は外側容器22上の他の好適な位置にわたり配置されてもよい。このようないずれかの構成は、下記のように封止が形成され、チャネル50が封止される限りにおいて使用され得る。
【0056】
一時的な封止が形成された後、噴射剤40がマニホールド52に導入され、圧力下において供給部から、1つ又は複数のチャネル50を通じて、外側容器22内へと流れる。この工程は、外側容器22の内側に圧力をもたらす。圧縮性可撓性バッグが、製品供給装置のために選択されると、噴射剤40は、バッグの外側に留まり、バッグは空のままとなる。
【0057】
所望の噴射剤40の圧力に達すると、弁カップ26は、首部24、又は外側容器22の上部に封止され得、そこからの漏れを防ぐ。チャネル50が弁カップ26と容器首部24との間の境界面以外の位置で使用されると、このようなチャネル50は同様に封止され得る。
【0058】
封止は、当該技術分野において既知であるように、音波溶接又は超音波溶接を通じて生じ得る。あるいは、又はそれに加えて、当該技術分野において既知であるように、封止は、回転溶接、振動溶接、接着剤結合、レーザー溶接、又はプラグのポートへの適合によって生じることがある。所望により、弁カップ26及び外側容器22は、封止を改善するために、同一又は緊密に適合したメルトインデックスを有し得る。溶接装置は、Branson Ultrasonics Corp.(Danbury CT)から入手可能である。
【0059】
再び図3Aを参照し、所望により、チャネル50は半径方向に向けられず、代わりに軸方向に向けられ得る。軸方向チャネル50は、主に軸方向の向きを有することがあり、周囲から、外側容器22の内側への流体連通を提供する。当然、チャネル50は、半径方向及び長手方向に対して傾斜した方向に向けられてもよい。
【0060】
当業者は、補完的な封止部を有する充填マニホールド52がもたらされる限りにおいて、向きの組み合わせを有するチャネル50が使用され得ることを認識する。当業者は更に、複数のマニホールド52が使用され得ることを認識する。複数のマニホールド52は、各マニホールド52が異なる噴射剤40を有することができるという利益をもたらし、噴射剤40は充填が生じるまで混合されない。複数のマニホールド52はまた、異なるマニホールド52が、充填中に適切な封止が生じるように、異なるチャネル50に調整され得るという利益をもたらすことがある。
【0061】
外側容器22が噴射剤40によって所望の圧力へと加圧され、弁カップ26がその上に封止されたときに、マニホールド52は除去されてもよい。したがって、この製造プロセスにおいて、弁カップ26、及び外側容器22は、マニホールド52の噴射剤40からの圧力下において封止される。封止工程は、噴射剤40の充填工程の間又は後に生じてもよい。
【0062】
噴射剤40の充填操作中において、所望により、折り畳み式バッグ32は、プランジャで開かれてもよい。プランジャは、バッグ内の空気を逃す。噴射剤40からの増加圧力によりバッグが潰れると、ここから空気が移動する。このような移動は、封止操作中の問題を最小化する。
【0063】
所望により、弁カップ26は、圧力嵌め、締まり嵌め、溶媒溶接、レーザー溶接、振動溶接、回転溶接、接着剤、又はこれらのいずれかの組み合わせを使用して、容器に封止され得る。中間構成要素、例えば、スリーブ54又はコネクタが、任意により弁カップ26及び首部24又は外側容器22の頂部の中間に配置されてもよい。このようないずれかの構成は、圧力を維持するために十分な封止が生じる限りにおいて適切である。
【0064】
図10を参照し、複数の弁が、単一の外側容器22と使用されてもよい。この構成は、製品42及び噴射剤40が使用時に混合され、相溶性のない材料の間の相乗効果を可能にする。この構成はまた、噴射剤40の供給が製品42に推進力をもたらし、多くの場合において、より小さな粒径分布を生じるという利益をもたらす。より小さな粒径分布は、均一な製品42の分布、及び過度の湿潤を最小化するために有利であり得る。
【0065】
この構成は、異なる材料の相対的な割合が、分配のための特定の比率に調整され得るという追加的な利益をもたらす。例えば、製品42が分配され、第1成分と第2成分の比率が3.5:1であってもよい。図10は、2つの弁アセンブリを有するエアゾールディスペンサ20を例示するが、当業者は、本発明がこれに限定されないことを認識する。エアゾールディスペンサ20は3つ、4つ又はそれ以上の弁アセンブリを有してもよく、使用時まで異なる製品42の成分を分離する、同数以下のチャンバ60を備える。
【0066】
図11Aを参照し、所望により、本発明による加圧可能な容器の製造は、時間及び/又は位置により、2つ以上の段階に分割され得る。例えば、外側容器22、弁カップ26、弁アセンブリ28、製品供給装置、及び噴射剤40は、ユニットとして製造されてもよい。
【0067】
このようなユニットは、加圧可能な容器を含み得る。製品供給装置は製造時に空である。空とは、製品供給装置が、製品42又はその一部を含まないことを意味する。更に、製品供給装置は、製品42を以前に収容していない。更に製品供給装置は、周囲雰囲気又は製造プロセスに伴う残留空気を除き、空気を含んでいない。製品供給装置が、充填されて消耗すると、これは空とはみなされない。空とは、製品供給装置に製品42を最初に充填する前にのみ存在する状態である。更に、空の状態は、状態と見なされるステーション間の移送中の付随的な期間よりも長い間、持続しなくてはならない。
【0068】
したがって、空の製品供給装置は、折り畳み式バッグ32を含み、バッグは弁カップ26に接合及び封止された開放端を有し得る。しかしながら、バッグは内部における周囲雰囲気よりも高い圧力において製品42及び空気を有さない。
【0069】
あるいは、製品供給装置がディップチューブ34を含む場合、ディップチューブ34は外側容器22の内側に開いている。空の外側容器22の内側は製品42を含まないが、周囲圧力よりも高い圧力で噴射剤40を含み得る。
【0070】
製造の第1段階において、加圧可能な容器は、内部に噴射剤40を有するように製造され得る。噴射剤40は、外側容器22とバッグとの間、又はディップチューブ34が使用される場合には外側容器22内に収容される。したがって、製造の第1段階の終わりにおいて、加圧された容器は内部に封止及び加圧された噴射剤40を有するが、製品42を有さない。噴射剤40の圧力は、分配条件に従って選択されてもよい。製造時かつ製品42の充填前の、加圧された容器内の圧力は、製品42が消耗した際にユーザーが見出す最終的な圧力に相当し得る。
【0071】
製品42は、当該技術分野において既知であるように、弁アセンブリ28を介して容器内に充填され得る。製品42が容器内に充填されると、製品42は噴射剤40の圧力を増加させる。噴射剤40の圧力の増加は、このようなバッグが製品供給装置として使用される際に折り畳み式バッグ32の体積の増加により生じる。同様に、噴射剤40の圧力の増加は、ディップチューブ34が選択される場合に、外側容器22の製品42のモル数の増加により生じる。
【0072】
加圧可能な容器は一定量の製品42を充填されてもよく、これはエアゾールディスペンサ20から製品42を分配し、実質的に消耗するために十分な、ユーザーに最初に提示される圧力をもたらす。実質的に全ての製品42が消耗した後に、最終的な圧力は、最初の圧力よりも低い。
【0073】
製造の第1段階の終わりにおいて噴射剤40の圧力は、本明細書において最終圧力と称される、エアゾールディスペンサ20の耐用寿命の最後の圧力(本明細書において最終圧力と称される)と対応し得る。製造の第2段階の最後における噴射剤40の圧力は、ユーザーに最初に提示される圧力と対応し得る。
【0074】
製造を複数の段階に分けることにより、意外な費用の低減及び製造柔軟性が生じ得る。特に、噴射剤40を含まない製造工場よりも厳しい環境及び安全要件を満たすために、国の場所に基づいて、噴射剤40を使用した製造工場が典型的には必要とされる。
【0075】
したがって、所望により、本発明の加圧可能な容器を製造するために限定的な数の工場が選択され得る。加圧された容器は、第2段階又は複数の後の段階における製造プロセスを完了するために、限定された数の工場から他の工場へと輸送される場合がある。このような工場は、1つの第1位置、又は対応する複数の第1位置にあってよい。
【0076】
製造プロセスの第2段階及び後の段階を完了するために使用される工場は、第1段階を完了するために使用されるのと同じ工場であってもよい。しかし、有利なことに、必要であれば、製造プロセスの第2段階及び後の段階を完了するために使用される工場は、第1段階を完了し、加圧可能な容器を製造するために使用される工場から離れていてもよい。
【0077】
このような工場は、第2位置又は対応する複数の第2位置に配置されてもよい。第2位置は、第1位置から離れ、同じ国内に位置してもよい。又は第2位置は、第1位置から離れ、1つ以上の外国に位置してもよい。又は第1位置における1つ以上の工場は、離れた第2位置へと加圧可能な容器を供給してもよく、その1つ以上が第1位置と同国内にあり、第2位置の1つ以上が1つ以上の第1位置と異なる国内にある。
【0078】
この構成は、加圧された容器が、内部に噴射剤40を有する一般的な形態で、第1の工場から輸送され得るという利益をもたらす。一般的な形態はラベル、作動装置30又は他の弁開放装置を有さず、内部に製品42を有さない。加圧可能な容器はその後、製造の第2段階の現地での完了のために、第2の、異なる、及び/又は離れて位置する工場へと輸送されてもよい。離れた位置の工場は、第1の工場と同じ国内にあってもよく、又は異なる国内にあってもよく、よって一般的形態を有するサブコンビネーションでのみ国際輸送される。
【0079】
離れた、とは第1の工場及び第2の工場が機能的に分離しており、その間の別個の輸送が必要であることを意味する。輸送は、トラック、電車、船、これらの組み合わせなどで行われ得る。離れた場所は、同じ工場内の別個の部屋又は施設を含まない。
【0080】
製造の第2段階中において、加圧可能な容器は製品42を充填される。製品42は、製造の第2段階が完了する現地の国、又はその地域にカスタマイズされてもよい。例えば、1つの特定の国のユーザーは、特定の香り、又はより多くの香りを好む場合がある。別の国のユーザーは、より多くの消毒剤又は無香料の製品42を好む場合がある。更に別の国のユーザーは、特定の色を有する製品42を好む場合がある。
【0081】
現地の工場における第2段階、及び必要により後の段階を実行することにより、このような特定のユーザーの嗜好は、製造の両方の段階が、販売地から離れて行われる場合よりも容易に調整することができる。更に、製造の第2段階を完了する現地の工場は、特定の国又は地理において変化する、現地の消費者の嗜好により迅速に対応することができる。
【0082】
加えて、分割された製造段階の別の利点は、別個の地域により装飾を行うことができることである。1つの国で製造されるラベルは、別の国で販売されるエアゾールディスペンサ20にとって最適ではないことがある。特定の国において、嗜好は変化し、又は特定の流行が生じる場合があり、ラベリング又は製品42に加えることが望ましい。現地のラベル図形が空間のより効率的な使用をもたらすことがあり、これは消費者へのより良好な伝達及びより大きな価値をもたらす。本発明の分割された製造により、この効率性及び迅速な変更は、単一の工場が販売地から離れて製造の両段階を行う場合よりも、容易に調整することができる。
【0083】
分割された製造は更に別の利益をもたらす。所望により、製品42が消耗したとき、加圧された容器に、新しい製品42の替えが再充填されてもよい。そうするために、ユーザーは単に製品42が消耗した、加圧された容器を更に別の位置にある充填ステーションへと持っていくだけである。この位置において、新しい製品42の替えが、製品供給装置に挿入される。再充填は最初の製品42の充填に使用されたのと同じ弁アセンブリ28を介して行われる。再充填物は、最初に消費者に提示されるものと同じ製品42であってもよく、又は消費者の嗜好の変化に合わせて異なる製品42であってもよい。
【0084】
更に別の実施形態において、ユーザーは製品42の比較的大きな加圧された容器を購入してもよい。製品42がエアゾールディスペンサ20から消耗すると、ユーザーは単に、リザーバとして機能する、より大きな加圧された容器から製品42を再充填するだけである。この構成は、製品42を使用し続けるために、特別な移動を必要としないという利便性をもたらす。
【0085】
この構成は、内部に噴射剤40を含むエアゾールディスペンサ20は再使用され、新しい単回使用のエアゾールディスペンサ20の製造のための追加的な材料を必要としないという利益をもたらす。この構成は、材料が再使用されて、時期尚早に埋立地に廃棄されないという更なる利益をもたらす。
【0086】
図11Bを参照し、所望により、本明細書において記載される分割された製造プロセスは、更に多くの意外な利益を達成するために、更に有利に細かく分割されてもよい。例えば、加圧可能な容器は第1位置において製造され、封止されるが、製品40を充填されなくてもよい。噴射剤40を有さない加圧可能な容器は、第2位置に輸送されてもよい。
【0087】
第2位置において、加圧可能な容器は、噴射剤40を充填されてもよい。この構成は、当該技術分野において典型的であるように、開いた容器を輸送した後の、別個の洗浄操作が有利に省略及び簡略化され得るという利益をもたらす。
【0088】
新しい加圧された容器はまた、第2位置において製品42を充填されてもよい。又は、所望により加圧されたばかりの容器が第3位置に輸送されてもよい。加圧された容器は、このような第3位置において、製品42を充填されてもよい。当然、装飾及び他の付加的な操作が第1位置、第2位置、第3位置、又はそれ以降の位置で行われてもよい。
【0089】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0090】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願を含む、本願に引用される全ての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しない限りにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0091】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B