(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ホストコンピュータシステムで、前記ユーザから収集された前記生理状態のデータおよび前記画像の前記特性に関連した前記コンテンツを前記ユーザに示すための価格を決定するステップであって、前記価格が、前記コンテンツに関連したコンテンツプロバイダに課金されることになるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
前記ホストコンピュータシステムで、前記モバイル機器から前記ユーザの位置を受け取るステップであって、前記位置が、少なくともほぼ、前記ユーザの前記生理状態のデータが測定された時間に求められたものであるステップをさらに含み、
前記ホストコンピュータシステムで、前記モバイル機器に配送するべきコンテンツを選択するステップが、前記ユーザの前記位置に少なくとも部分的にさらに基づくものである請求項1に記載の方法。
前記モバイル機器向けに選択される前記コンテンツが、前記ホストコンピュータシステムでアクセス可能な、前記ユーザの1つまたは複数の格納された特性にさらに基づくものである請求項1に記載の方法。
前記ユーザの前記生理状態のデータおよび前記画像の前記特性に関連した前記コンテンツを前記ユーザに示すための価格を決定する手段であって、前記価格が、前記コンテンツに関連したコンテンツプロバイダに課金されることになる手段をさらに備える請求項29に記載の装置。
前記モバイル機器から前記ユーザの位置を受け取る手段であって、前記位置は、少なくともほぼ前記ユーザから収集された前記生理状態のデータが測定された前記時間に求められたものであり、
前記モバイル機器に配送するコンテンツを選択する前記手段が前記ユーザの前記位置をさらに用いる手段をさらに備える請求項29に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
コンテンツの、ユーザとの関連性が高ければ高いほど、ユーザがコンテンツと対話する可能性が高くなる。コンテンツが広告であれば、広告がユーザに関連していると、宣伝された商品またはサービスをユーザに購入してもらえる可能性が高くなるであろう。さらに、潜在的消費者をより正確に対象とすると、コンテンツを受け取るユーザがコンテンツに興味を持っている可能性が高いので、ユーザにコンテンツを配送するエンティティは、コンテンツプロバイダに、より高額を課金することができるであろう。
【0017】
ユーザに関連したコンテンツを識別するのに、能動的入力、すなわちキーパッドまたはタッチスクリーンを使用するなどのユーザ入力装置によるユーザから提供される入力を用いることができる。しかし、ユーザに関連したコンテンツを識別するために、能動的入力に加えて、ユーザおよびユーザの環境からさらなるタイプのデータを収集することができる。携帯電話などのモバイル機器は、広告、推薦、およびモバイル機器のユーザのためのアプリケーションなどの関連したコンテンツを提供するのを支援するために、能動的入力に加えて、ユーザの環境データおよび生理状態のデータを収集することができる。これらの形態のデータを、ユーザに関して収集された他のデータとともに、かつ/または関連して用いると、コンテンツが、ユーザに対して、より正確に対象とされることが可能になり得る。
【0018】
環境データおよび生理状態のデータは、モバイル機器によって収集され、ホストコンピュータシステムに伝送されてよい。ホストコンピュータシステムは、環境データおよび生理状態のデータを分析してよい。この分析と、場合によってはユーザの他の特性とに基づいて、モバイル機器に配送するコンテンツを決定してよい。コンテンツは、モバイル機器によってユーザに配送され、(例えば視覚的表示および/または音声再生で)示されてよい。
【0019】
環境データには、モバイル機器の位置、モバイル機器の運動(例えば速度およびパターン)、モバイル機器の温度、モバイル機器の近傍の物体などが含まれ得る。画像を取得するためにモバイル機器上のカメラが使用されてよく、画像は環境データとして用いられ得る。これらの画像は、ユーザからの入力なしで、モバイル機器によって周期的に取得されてよい。例えば、カメラが、ユーザの視野の方向に向いているモバイル機器の受話器(または他の部分)に取り付けられてよい。画像は、ユーザ入力に基づいて取得されてもよい。例えば、ユーザは、モバイル機器のカメラを対象に向けて、モバイル機器に対して画像を取得することを示すために入力を与えてよい(例えばキーパッドまたはタッチスクリーン上のボタンを押してよい)。これらの画像からの画像データは、ユーザ入力によるものでも、自動的に取得されたものでも、モバイル機器で取得された生理状態のデータと併せて(モバイル機器によって局所的に、またはホストコンピュータシステムによって遠隔で)分析されてよく、1つまたは複数の広告などの関連したコンテンツをエンドユーザに提供するのに用いられる。
【0020】
いくつかの実施形態では、環境データは、ユーザに配送するコンテンツのタイプを決定するのに用いられてよく、例えばコンテンツは特定の飲料会社の広告でよい。ユーザに関して収集された生理状態のデータは、環境データの収集とほぼ同時に収集されたものであり、その飲料会社の特定の広告を示すのに用いられてもよい。例えば、背景に飲料会社のロゴがある画像が取得される場合には、その会社が製造した飲料の広告がユーザに提供されてよい。どの特定の飲料が宣伝されるかということは、ユーザの生理状態に基づいてよい。例えば、ユーザの心拍数が高く、血圧が高く、体温も高ければ、これは身体活動を示すものであり得る。そのため、スポーツドリンクの広告がユーザに示されてよい。しかし、ユーザの生理状態がユーザの疲労を示す場合には、栄養ドリンクの広告がユーザに示されてよい。ユーザの生理状態がほぼ普通であれば、清涼飲料が推奨されてよい。
【0021】
カメラからの入力に加えて、モバイル機器の運動などの他の環境データが、加速度計またはジャイロスコープなどの運動センサによって取得されてよい。このような運動は、ユーザの活動を明らかにし得る。例えば、モバイル機器の運動パターンが、ある期間にわたって上下に弾むものであれば、ユーザが走っていることを示してよい。このような環境データは、ユーザがスポーツドリンクを必要としているという結論に達するのを支援するように用いられてよい。位置データも用いられてもよい。モバイル機器の位置、したがってモバイル機器を携帯している可能性の高いユーザの位置を求めるために、GPS受信器または位置センサの他のいくつかの形態が使用されてもよい。このような位置データは、大小の特定の領域を対象とするのに用いられ得る。例えば、ユーザがモールの内部を歩いているとき、ユーザは喉が渇いているように見えるなら、飲料会社は、モールのフードコートで利用可能なスムージーを宣伝することを望んでよい。別のコンテンツプロバイダは、ユーザがコンテンツプロバイダの商品またはサービスを販売している位置の一定距離内に居るとき、単に広告がユーザに提供されるのを望んでもよい。例えば、ユーザが疲れていて、調達のために遠距離を移動する可能性が低ければ、宣伝中のコーヒーショップの4分の1マイルの範囲内に居るときに、1杯のコーヒーなどの商品だけを宣伝してもよい。ユーザが調達のためにより遠くまで移動する可能性がある他の商品なら、より遠距離で宣伝してもよい。例えば、ユーザが大規模小売店の電子装置部門に居ると判断されたら、10マイル離れた位置の競争会社の方へ、その距離を移動するようにユーザを納得させるのに十分な説得力があると期待される広告(電子装置の15%割引クーポンなど)が、ユーザに示されてもよい。
【0022】
ユーザに対して関連したコンテンツを提供するのに、生理状態のデータ、すなわちユーザの身体状況に関するデータが用いられてよい。心電図(ECG)センサ、電気皮膚反応(GSR)センサ、プレチスモグラフ(PPG)センサ、皮膚温度センサ(SKT)、および/または筋電図(EMG)センサなどの1つまたは複数の生理的センサをモバイル機器に組み込んで、ユーザから生理状態のデータを収集するのに使用することができる。この情報は、総体としてユーザの「生理状態」と称される、エンドユーザの感情の状態および/または身体の状態を推測するのに用いられてよい。このような生理状態のデータは、関連したコンテンツをモバイル機器でユーザに提供するために、単独で、あるいは環境データ、ユーザの保存データ、および/または能動的ユーザ入力と組み合わせて用いられ得る。
【0023】
関連したコンテンツをユーザに提供するために、ホストコンピュータシステムにおいてユーザデータベースに記憶されたデータなどのユーザに関して記憶されたユーザデータが用いられてよい。例えば、(ほんのいくつかの実例を挙げると)ユーザの性別、年齢、住所、民族性、所得水準、仕事、信仰している宗教、および/または移動パターンを示す、ユーザに関する伝記体の情報が記憶されてよい。移動パターンは、位置データを用いて、ある期間にわたって確立されてよく、ユーザがいつ通勤しているか、働いているか、出張しているか、かつ/または観光のために旅行しているか推測するのに用いられてよい。
【0024】
単なる実例として、以下の仕組みは、ユーザに対する関連したコンテンツの配送を可能にするために、生理状態のデータと併せて環境データを用いる。第1の実例では、第1の小売商のところで購入取引が行なわれる。ユーザが第1の小売商から購入するための商品を調べているとき、ユーザは、ユーザのモバイル機器を使用して(モバイル機器がユーザの正視方向の画像を周期的に取得するので自動的に、またはユーザがモバイル機器のカメラを商品に向けることによって)商品の画像を取得してよい。画像を取得するのとほぼ同時に、ユーザの生理状態のデータを収集してもよい。このような生理状態のデータは、ユーザが商品の購入に興味を持っているかどうかの指標をもたらす可能性がある。例えば、心拍数の増加が商品に対する欲求と一致することがある。ユーザが第1の小売商から購入しそうであれば、ユーザが第1の小売商を出て第2の小売商から購入するように誘惑しようとしている可能性のある第2の小売商のために、同じ商品(または同等な商品)の広告がユーザのモバイル機器に送られてもよい。ユーザがその商品にあまり興味がなさそう(not seem excited)であれば、ユーザが商品を購入するように説得しようとして、さらに大幅な割引が第1または第2の小売商によって提供されてもよい。
【0025】
第2の実例として、ユーザが仕事中に経験するストレスを考える。一般的な1日および1週間を通じて、ユーザのストレスレベルは上下し得る。ユーザのストレスレベルが特に高いとき、ユーザが、休息をとって、くつろぎとなる、または少なくとも一時的な気晴らしとして役立つ商品またはサービスから力を得る可能性が高くなり得る。ユーザの生理状態のデータが高いストレスを示すとき、マッサージなどのサービスおよび/または冷たいモカラテなどのくつろぎとなる製品が、モバイル機器に示されたコンテンツによってユーザに提示されてよい。ユーザが仕事から非常に長い休憩をとるとは思われず、したがって遠くへは行かないはずなので、ユーザに提供される商品またはサービスは、ユーザの位置に近いものに限られることがある。同様に、通常の労働時間を通じて、生理状態のデータによってユーザが疲れていると思われる場合には、カフェインおよび/または砂糖の入った製品の広告がユーザに提供されてよい。環境データが、ユーザに示されるコンテンツに影響を及ぼしてよい。例えば、モバイル機器から収集された画像に、ユーザが特定のコーヒーチェーンを通り越して進んでいることが示されたら、そのコーヒーチェーンからの広告が示される可能性が高くなってよい。ユーザが運転中であることを環境データが示すなら、ユーザの駐車料金を対象にするように割引が提供されてよく、一方、ユーザが歩いていることを環境データが示すなら、別の割引またはコーヒーチェーンによる申込値段(offer)が示されてもよい。
【0026】
第3の実例として、ユーザはモバイル機器とともに走っている。環境センサは、速度、モバイル機器の運動(例えば上下に弾む運動)および/または位置に基づいて、ユーザが走っている可能性が高いことを示し得る。走っている間、または走った後で、生理状態のデータに基づいて、ユーザの生理状態が、疲れている、かつ/または脱水状態であると判断されることがある。これを受けて、水、スポーツドリンク、および/またはエネルギーバーなど、ユーザを助けるための(directed to help the user)製品の広告などが宣伝されてよい。いくつかの実施形態では、練習が感知された後、報酬としてアイスクリームサンデーの広告などの「楽しみ」がユーザに提供されてもよい。類似の実例として、ユーザがスポーツ会場(例えば競技場、公園、または川)の画像を取得し、また、生理状態のデータにより、ユーザがスポーツ会場に興味を持っていること(例えばスポーツイベント、ピクニックに出席する、またはカヤック漕ぎなどの屋外の活動を遂行すること)が示されるなら、モバイル機器によって、適切な商品および/またはサービスの広告がユーザに提供されてよい。例えば、日焼け止め、イベントのチケット、フライングディスク、毛布、カヤックの賃貸、およびヘルメットなどの商品の広告が提供されてよい。より具体的には、スポーツ会場のすぐ近くの利用可能な商品および/またはサービスの広告が、ユーザに配送されてよい。
【0027】
第4の実例として、ユーザの健康状態が監視される。ユーザの生理状態のデータにより、ユーザの体の具合が悪い(例えば血糖値が高い、血圧が高い)ことが示されるなら、行動方針、製品、またはサービスを勧めるメッセージがユーザに提供されてよい。人がどんな活動をしているのか判断するのに使用され得る環境センサに基づいて、ユーザの健康に基づいて生理状態の種々の範囲が許容された後に、サービスまたは製品がユーザに推薦されてよい。例えば、環境データにより、ユーザが運動中であることが示唆されるなら、ユーザの心拍数および血圧は、じっとしている(例えばデスクワーク中である)ときより高くなり得て、したがって、ユーザは、高血圧の治療を必要としなくてよい。環境データにより、ユーザが活動していないことが示されているときにユーザの心拍数が高ければ、高血圧の治療および/または投薬に関するコンテンツが、(場合によっては医者に診てもらうようにとの勧告とともに)モバイル機器によってユーザに示されてよい。生理状態のデータが極端であれば、ユーザの位置を求めるのに使用されている環境センサからの位置データを伴って救急車に通知されてよい。
【0028】
上記の4つの実例は、関連したコンテンツを配送するためのシステムおよび方法の種々の可能な用途を表しており、限定的でない実例としてのみ役立つものである。環境データおよび生理状態のデータを用いる、関連したコンテンツの配送には、他の多くの可能な用途の可能性がある。
【0029】
図1は、関連したコンテンツを配送するように構成されたシステム100の一実施形態を示す図である。システム100は、モバイル機器110、無線ネットワーク120、ネットワーク130、ホストコンピュータシステム140、およびデータベース150(ユーザデータベース150-1、コンテンツデータベース150-2および価格決定データベース150-3を含み得る)を含んでよい。
【0030】
モバイル機器110は、生理的センサ112などの1つまたは複数の生理的センサを含んでよい。生理的センサ112は、以前に論じた生理的センサのうちの1つ、または生理的センサの他のいくつかの形態でよい。モバイル機器110は、1つまたは複数の環境センサを含んでよい。環境センサ114は、ほんの数例を挙げると、カメラ(静止カメラおよび/またはビデオカメラ)、加速度計、磁力計、または位置センサ(例えばGPSセンサ)でよい。モバイル機器110は、プロセッサ、非一時的コンピュータ可読記憶装置、およびトランシーバなどの他の構成要素も含んでよい。モバイル機器110は携帯電話でよい。モバイル機器110は、タブレット型コンピュータ、ラップトップコンピュータ、PDA、または電子的書籍リーダなど、モバイル機器の他のいくつかの形態でもよい。さらに、本明細書で提供される説明は、モバイル機器に対して関連したコンテンツを供給することを対象としているが、このような関連したコンテンツは、1つまたは複数の生理的センサおよび1つまたは複数の環境センサと通信可能に結合されているデスクトップコンピュータなどの移動式でない装置に供給されてもよいことを理解されたい。
【0031】
モバイル機器110は無線ネットワーク120と通信してよい。無線ネットワーク120は、セルラーネットワークでよく、モバイル機器110が恐らくネットワーク130を介してホストコンピュータシステム140と通信することを可能にしてよい。モバイル機器110は、複数のタイプの無線ネットワークを介して通信するように構成されてよい。例えば、有効なWiFiネットワークの範囲内にあるなら、ホストコンピュータシステム140と通信するのにWiFiネットワークを用いてよい。WiFiの有効範囲の外にあるなら、通信のためにセルラーネットワークを用いてもよい。利用可能な無線ネットワークがなければ、生理状態のデータおよび/または環境データは、後に無線ネットワーク接続が有効になったときホストコンピュータシステム140へ伝送するようにモバイル機器110によって記憶されてよく、記憶されなくてもよい。ネットワーク130は、1つまたは複数の公共ネットワーク(例えばインターネット)および/または1つまたは複数の私設ネットワーク(例えば企業のローカルエリアネットワーク)を表してよい。いくつかの実施形態では、モバイル機器110は、ネットワーク130と直接通信してよい。
【0032】
ホストコンピュータシステム140は、1つまたは複数のコンピュータシステムを表してよい。ホストコンピュータシステム140は、ネットワーク130および/または無線ネットワーク120を介してモバイル機器110と通信してよい。ホストコンピュータシステム140は、モバイル機器110から受け取った環境データおよび生理状態のデータを分析してよい。ホストコンピュータシステム140は、モバイル機器110から受け取った環境データおよび生理状態のデータに少なくとも部分的に基づいて、モバイル機器110にコンテンツを伝送してよい。ホストコンピュータシステム140は、1つまたは複数のデータベース150にアクセスしてよい。
【0033】
データベース150は、ユーザデータベース150-1、コンテンツデータベース150-2、および/または価格決定データベース150-3を含んでよい。データベース150は、より少数のデータベースへと結合してよく、またはより多数のデータベースへと分割してよいことを理解されたい。システム100の図示の実施形態では、データベース150は、ホストコンピュータシステム140にネットワークで接続されていないものとして(as local to)示されているが、いくつかの実施形態では、データベース150は、ホストコンピュータシステム140によって、ネットワーク130などの1つまたは複数のネットワークを介して遠隔でアクセス可能であってよい。
【0034】
ユーザデータベース150-1には、各モバイル機器の種々のユーザの特性が記憶されてよい。このような特性は、モバイル機器110に伝送されるコンテンツを選択するのに用いられ得る。ユーザデータベース150-1には、モバイル機器110のユーザ(および他のモバイル機器のユーザ)に関する情報が記憶されてよい。例えば、ユーザに関して記憶される情報のタイプには、ユーザの年齢、性別、移動パターン、宗教、民族性、購入する慣行、収入、位置、仕事および/または趣味に関する情報があり得る。このような情報は、ユーザによって明示的に提供されたもの、広告機関から購入されたもの、および/またはユーザのモバイル機器から受け取った、以前のデータに基づいて求められたものでよい。このような情報は、ホストコンピュータシステム140によって、モバイル機器110に伝送するコンテンツを識別するときに用いられてよい。
【0035】
コンテンツデータベース150-2には、ホストコンピュータシステム140が有する、モバイル機器110などのモバイル機器に配送するのに利用可能なコンテンツが含まれてよい。コンテンツデータベース150-2のコンテンツは、テキスト形式、グラフィックス、および/または聴覚によるものでよい。コンテンツデータベース150-2は、コンテンツのどの部分をユーザに配送するべきかといった条件の指標も含んでよい。例えば、コンテンツデータベース150-2に記憶され得るデータの実例には、ユーザの理想生理状態、種々の受け入れることができる場所、環境データ、コンテンツプロバイダの名称、またはコンテンツのカテゴリがある。
【0036】
価格決定データベース150-3は、コンテンツの各部分がモバイル機器に何回配送されたか、コンテンツがモバイル機器のユーザと何回情報をやりとりしたか、といったことを記憶するのに用いられてよい。価格決定データベースは、コンテンツプロバイダ(ユーザに配送するコンテンツを提供したエンティティ)が、モバイル機器に送る、またはユーザと情報をやりとりするコンテンツの各インスタンスについていくら課金するべきか、ということの指標も含んでよい。いくつかの実施形態では、コンテンツプロバイダは、ユーザの生理状態のデータおよび/または環境データと密接に一致するコンテンツに対して、より課金される可能性が高い。例えば、ユーザの生理状態のデータが喉の渇きを示すなら、コンテンツプロバイダは、あまり喉が渇いていないユーザに配送するのと同じコンテンツに対して、喉の渇いたユーザに配送するには、より課金される可能性が高い。
【0037】
システム100は単一のモバイル機器を示しているが、様々なユーザに関連した多くのモバイル機器がホストコンピュータシステム140と通信してよいことを理解されたい。そのため、ホストコンピュータシステム140によって、別々のユーザに関連した別々のモバイル機器に対して、別々のコンテンツが配送されてよい。システム100は、関連したコンテンツをユーザに配送する種々の方法を遂行するのに用いられてもよい。例えば、システム100は、
図4〜
図7の方法400〜700をそれぞれ遂行するのに使用されてよい。
【0038】
図2は、ユーザに関連した生理状態のデータおよび環境データを収集するモバイル機器200の一実施形態を示す図である。モバイル機器200は、
図1のモバイル機器110および/またはシステム100の一部分として使用され得る他のモバイル機器を表してよい。モバイル機器200は、生理的センサ210、カメラ220、GPS受信器230、コンテンツ記憶装置240、入力装置250、トランシーバ260、およびプロセッサ270を含んでよい。モバイル機器200は、ここでは話を簡単にするために示されていない他の構成要素も含んでよい。
【0039】
生理的センサ210は、ユーザに関する生理状態のデータを収集してよい。生理的センサ210は、ユーザに関する生理状態のデータの収集を周期的に試みてよい。いくつかの実施形態では、生理的センサ210は、ユーザが(入力装置250を介するなどして)モバイル機器200と情報をやりとりしているときのみ、生理状態のデータの収集を試みる。生理的センサ210は、心電図(ECG)センサ、電気皮膚反応(GSR)センサ、プレチスモグラフ(PPG)センサ、皮膚温度センサ(SKT)、または筋電図(EMG)センサなどのセンサでよい。モバイル機器200の中には複数の生理的センサがあってよい。生理的センサ210が収集する生理状態のデータは、ある期間にわたって収集して、局所的に平均をとるかまたは分析してよい。そのため、生理的センサ210が収集した生理状態のデータの各測定値は、ホストコンピュータシステムに伝送されなくてもよい。生理状態のデータとともに、データの日付および/または時間に相当する時間が記録されてよい。そのため、そのユーザに関して生理状態のデータがいつ測定されたか分かっている。
【0040】
カメラ220は、モバイル機器200の一部分の、またはモバイル機器200と通信する、静止カメラおよび/またはビデオカメラを表してよい。カメラ220は、ユーザが見ている方向の画像を周期的に取得してよい。例えば、ユーザが着用しているヘッドピース(マイクロホン/スピーカヘッドセットなど)にカメラが取り付けられているとき、このように画像が周期的に取得されてよい。いくつかの実施形態では、ユーザによって示されたとき、カメラ220が装置を取り込んでよい。例えば、ユーザは、入力装置250によって、カメラが画像を取得するべきであることを示す入力を与えてもよい。取得された未加工の画像のうちのいくつかまたはすべてが、分析のためにホストコンピュータシステムへ伝送されてよい。いくつかの実施形態では、モバイル機器200で若干の処理が行なわれてよい。例えば、カメラ220が取得した画像から画像データを導出してよい。こうすることにより、ホストコンピュータシステムに伝送しなければならないデータの量が低減され得る。いくつかの実施形態では、画像の特性を識別するために、モバイル機器によって画像が分析される。画像の特性には、画像の中の1つまたは複数の識別された対象と関連付けられた識別子が含まれ得る。例えば、特性は、会社のロゴ、製品、または画像の中で識別されている位置でもよい。画像は、生理状態のデータとほぼ同時に取得されてよい。
【0041】
GPS受信器230は、受け取ったGPS信号を用いて、モバイル機器200の位置を周期的に求めてよい。位置割出しの他の様式も可能であり得る。この位置データは、ホストコンピュータシステムへ周期的に伝送されてよい。GPS受信器230からの位置データは、ユーザが住んでいるところ、ユーザが働いているところ、およびユーザの通勤などのユーザの移動パターンを求めるのに用いられてよい。位置データは、カメラ220が画像を取得するときおよび/または生理的センサ210が生理状態のデータを取得するとき、ほぼ同時にGPS受信器230によって収集されてよい。
【0042】
コンテンツ記憶装置240は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体の一部分、または別個の部分を表してよい。ユーザに表示される可能性があるコンテンツが、コンテンツ記憶装置240に記憶されてよい。コンテンツ記憶装置240は、ホストコンピュータシステムからコンテンツを受け取ってよい。コンテンツは、所定の回数(例えば、1回、2回、5回)だけユーザに示されるまで、コンテンツ記憶装置240に記憶されてよい。いくつかの実施形態では、コンテンツ記憶装置240は、コンテンツの複数の部分を記憶する。ホストコンピュータシステムからメッセージを起動する提示を受け取ると、コンテンツ記憶装置240から特定の部分のコンテンツが示されてよい。そのため、コンテンツがユーザに示されることになるとき、コンテンツはモバイル機器によって既に局所的に記憶されていてよく、したがって、コンテンツをより早く表示できる可能性がある。コンテンツ記憶装置240は、コンテンツの部分がユーザに示されている頻度および/またはユーザがコンテンツと情報をやりとりしている(例えばコンテンツ内のリンクを辿る、コンテンツのクーポンを表示するなど)頻度の指標を記憶してよい。
【0043】
モバイル機器200には1つまたは複数の入力装置が存在してよい。入力装置250は、ユーザがモバイル機器200に入力を与えるのに使用し得るタッチスクリーン、キーパッド、またはモバイル機器200の他のいくつかの構成要素でよい。トランシーバ260は、1つまたは複数の無線ネットワークと通信してよい。プロセッサ270は処理に使用されてよい。例えば、プロセッサ270は、画像の特性を含めて画像データを識別するために、カメラ220が取得した画像を分析して処理するのに使用されてよい。
【0044】
図3Aは、コンテンツデータベースからのサンプルエントリ300Aの一実施形態を示す。サンプルエントリ300Aは、
図1のコンテンツデータベース150-2からのエントリを表し得る。サンプルエントリ300Aは、モバイル機器のユーザに売り込むコンテンツを記憶するのに用いられる他のいくつかのデータベースからのエントリを表してもよい。コンテンツデータベースの各エントリは、コンテンツのカテゴリ310、コンテンツプロバイダ320、理想生理状態330、理想位置340、理想環境350、およびコンテンツ360を含んでよい。
【0045】
コンテンツのカテゴリ310のデータエントリは、コンテンツの部分が分類される一般的なカテゴリを示してよい。特定のカテゴリ内のすべてのコンテンツが、特定のコンテンツプロバイダに属してよい。例えば、宣伝されるすべての飲料が、特定の会社によって製造された飲料でもよい。いくつかの実施形態では、複数のコンテンツプロバイダからのコンテンツが、特定のカテゴリ内にあってもよい。コンテンツプロバイダ320のデータエントリは、ユーザに提供されるコンテンツに関して、支払い済みであるか、または支払う予定のあるエンティティでよい。単一のコンテンツプロバイダが、コンテンツデータベース内のコンテンツの複数の部分に関連付けられてよい。
【0046】
モバイル機器から受け取った位置、生理状態のデータ、および環境データと、コンテンツに関連した理想位置、理想生理状態のデータ、および理想環境データとの比較に基づいて、コンテンツの各部分がモバイル機器に配送されてよい。理想生理状態330のデータエントリは、コンテンツプロバイダが、ユーザがコンテンツを受け取るときにはそうあって欲しいと望む生理状態を指してよい。理想位置340のデータエントリは、コンテンツプロバイダが、ユーザにコンテンツを示したい位置に対する限定でよい。コンテンツは、コンテンツプロバイダによって指定された理想位置になければ、ユーザに対する提示に関して考慮に入れられないことがある。理想環境350は、理想位置340と同一でもよく、コンテンツをいつユーザに示すべきか、ということに関して、ユーザの環境の追加の特性を指定してよい。例えば第1のエントリを参照して、理想位置340がMegaDrinkの売り手の近くであることに加えて、モバイル機器で取得した画像データにより、ユーザが店先などでMegaDrinkのロゴを見ている(または、少なくともロゴがユーザの視界にあると思われる)ことが示されなければならないこともある。コンテンツ360のデータエントリは、特殊エントリに関してユーザに示されるべきコンテンツを示してよい。コンテンツは、コンテンツ360のデータエントリによって示されるテキストでよい。いくつかのエントリでは、コンテンツは、グラフィックスおよび/または聴覚によるものでよい。いくつかの実施形態では、コンテンツは、例えば拡張現実感を提供するように構成されたモバイル機器の表示装置上の投影といった、目視によるものでよい。例えば、MegaDrinkのロゴを再び参照して、ロゴは、特定のMegaDrink製品の広告を反映するように変更されてもよい。
【0047】
理解されるように、コンテンツデータベースに含まれるデータのタイプは、より多くてもより少なくてもよい。コンテンツプロバイダ向けのコンテンツがユーザに売り込まれる特定条件は、高度にカスタマイズできるものでよい。例えば、1つまたは2つの条件(例えば理想生理状態、理想位置、または理想環境)が満たされさえすれば、コンテンツは、ユーザに売り込むのに適格であり得る。満たされる条件が多ければ多いほど、コンテンツプロバイダは、ユーザに売り込まれることになるコンテンツに対して、より高い金額を支払い得る。コンテンツプロバイダは、必須の条件(例えば、ユーザが理想位置に居る必要がある)と、任意選択の条件(例えば、モバイル機器で取得した画像にコンテンツプロバイダのロゴが見える、といった存在するなら理想的な環境特性であって、コンテンツプロバイダは、ユーザに配送されることになるコンテンツに対して追加料金を支払う)とを選択することが認められてよい。
【0048】
図3Bは、ユーザデータベースのサンプルエントリ300Bの一実施形態を示す。サンプルエントリ300Bは、
図1のユーザデータベース150-1からのエントリを表してよい。サンプルエントリ300Bは、モバイル機器のユーザに関するデータを記憶するのに用いられる他のいくつかのデータベースからのエントリを表してもよい。ユーザデータベースの各エントリは、ユーザ機器識別子370、ユーザ375、自宅の郵便番号380、勤め先の郵便番号385、年齢層390、ユーザが通勤者であるかどうかということ395、およびユーザの一般的な生理状態397のデータエントリを含んでよい。
【0049】
ユーザ機器識別子370のデータエントリは、電話番号などのモバイル機器に特有の識別子でよい。ユーザ375のデータエントリはユーザの名前でよい。自宅の郵便番号380のデータエントリおよび勤め先の郵便番号385のデータエントリは、それぞれユーザの住宅および勤め先の所在に関連付けられてよい。このデータは、ユーザによって明示的に提供されたものでよく、またはユーザの移動パターン(例えば、ユーザが月曜日から金曜日の午前9時から午後5時は通常どこにいるか、ユーザが夜には通常どこにいるか、といったこと)に基づいて求められてもよい。年齢層390のデータエントリは、ユーザの年齢層を指定してよい。このデータは、ユーザによって提供されてよく、ユーザの生理状態のデータ、モバイル機器へのユーザの入力、および/または消費者調査会社から取得したデータに基づいて求められてもよい。ユーザの移動パターンに基づいて、ユーザが通勤者かどうかということが判断されて通勤者395のデータエントリに記憶され得る。ユーザのモバイル機器から受け取った、以前の生理状態のデータに基づいて、ユーザの一般的な生理状態397が識別されてよい。このようなデータは、ホストコンピュータシステムによってアクセス可能でよく、ユーザに対するコンテンツをさらに絞り込む(target)のに用いられてもよい。理解されるように、ユーザデータベースに含まれるデータのタイプは、より多くてもより少なくてもよい。収集して記憶されたデータの特定の用法は、高度にカスタマイズ可能であってよい。
【0050】
図3Cは、価格決定データベースのサンプルエントリ300Cの一実施形態を示す図である。サンプルエントリ300Cは、
図1の価格決定データベース150-3からのエントリを表してよい。サンプルエントリ300Cは、モバイル機器に対してコンテンツを配送するための価格決定データを記憶するのに用いられる他のいくつかのデータベースからのエントリを表してよい。価格決定データベースの各エントリは、コンテンツ識別子312、コンテンツプロバイダ314、最低費用316、最高費用318、配送322の数、および確認された提示324の数用のデータエントリを含んでよい。
【0051】
コンテンツ識別子312のデータエントリおよびコンテンツプロバイダ314のデータエントリは、価格決定データベースの各エントリに関連したコンテンツの配送に費用を支払う責任のあるコンテンツプロバイダを識別するのに用いられてよい。価格決定データベースの各エントリは、対応するエントリをコンテンツデータベースに有してよい。価格決定データベースの対応するエントリおよびコンテンツデータベースの対応するエントリは、特有のコンテンツ識別子によってコンテンツの特定の部分に関連付けられてよい。
【0052】
最低費用316のデータエントリおよび最高費用318のデータエントリは、ユーザの生理状態のデータ、環境データ、および/または位置データが、コンテンツプロバイダが指定した理想生理状態、理想環境データ、および/または理想位置と密接に関連している度合いに依拠して、コンテンツプロバイダがユーザに配送されるコンテンツの部分に対して支払う予定の費用の範囲を定義してよい。データの一致が密接であればあるほど、費用が高くなる。価格決定についてのさらなる詳細が、
図7の方法700を参照して提供される。
【0053】
配送322のデータエントリおよび確認された提示324のデータエントリは、コンテンツプロバイダに請求書を周期的に送るのに用いられてよい。配送322の数は、コンテンツがモバイル機器に伝送された回数を示してよい。確認された提示324の数は、ホストコンピュータシステムがモバイル機器から確認を受け取った回数またはユーザにコンテンツが示された回数を示してよい。理解されるように、価格決定データベースに含まれるデータのタイプは、より多くてもより少なくてもよい。価格決定のために用いられる固有データは、高度にカスタマイズ可能でよい。
【0054】
図4は、関連したコンテンツをモバイル機器に配送する方法の一実施形態を示す。方法400は、モバイル機器に対して関連したコンテンツを供給するために、
図1のシステム100または他のいくつかのシステムによって遂行されてよい。ステップ405で、
図1のモバイル機器110などのモバイル機器の1つまたは複数の環境センサによって、環境データが収集されてよい。環境データは、位置決めセンサ(例えばGPS)、運動センサ(例えば加速度計)、方向センサ(例えば磁力計)、および/またはカメラによって収集されてよい(継続的に画像を取得してよく、またはユーザによって示されたときのみ画像を取得してもよい)。他のタイプの環境センサも可能であり得る。環境データは、ユーザとの相互作用なしで周期的に収集されてよく、またはユーザが判断したとき収集されてもよい。
【0055】
ステップ410で、モバイル機器の1つまたは複数の生理的センサによって生理状態のデータが収集されてよい。少数の実例を挙げると、心電図(ECG)センサ、電気皮膚反応(GSR)センサ、プレチスモグラフ(PPG)センサ、皮膚温度センサ(SKT)、および/または筋電図(EMG)センサによって、生理状態のデータが収集されてよい。ステップ405で環境データを収集するのと同時に、またはほぼ同時に、生理状態のデータを収集してよい。例えば、環境データおよび生理状態のデータをほぼ同時に取得することは、1秒、5秒、10秒、または1分の期間内に両方を取り込むことを表してよい。ステップ405とステップ410の間の他の時間フレームも用いられてよい。
【0056】
ステップ415で、環境データおよび生理状態のデータがホストコンピュータシステムに伝送されてよい。伝送は、1つまたは複数のネットワークを通じて行なわれてよい。
図1を参照すると、モバイル機器110からホストコンピュータシステム140への環境データおよび生理状態のデータの伝送は、インターネットを含み得る無線ネットワーク120およびネットワーク130を通じて行なわれてよい。
【0057】
ステップ420で、ホストコンピュータシステムが環境データおよび生理状態のデータを受け取ってよい。ステップ425で、ホストコンピュータシステムが環境データを分析してよい。分析には、画像内に見える1つまたは複数の対象を識別するステップ、加速度計データを解釈するステップ、ユーザの生理状態を求めるステップ、ユーザの活動を求めるステップ、および/またはユーザの近傍におけるビジネスまたは他のエンティティなどを求めるステップが含まれてよい。ステップ430で、生理状態のデータが分析されてよい。分析には、生理状態のデータを用いてユーザの可能性の高い生理状態を識別するステップなどが含まれてよい。ユーザについて識別された生理状態は、強さのレベルに関連付けられてもよい。例えば、ユーザの生理状態のデータが神経質な生理状態を示すのであれば、ユーザの神経質な状態は、生理状態のデータに基づいて、低、中、または高の強さのレベルに関連付けられ得る。生理状態のデータは、ユーザの生理状態を識別するために、ある期間にわたって収集され、かつ平均されてよい(または結合されてよい)。
【0058】
方法400は、ホストコンピュータシステムによって遂行される分析を示しているが、ホストコンピュータシステムに未加工の環境データおよび生理状態のデータを伝送するよりも、むしろ環境データおよび/または生理状態のデータは、モバイル機器によって部分的にまたは全面的に分析されてよく、分析結果がホストコンピュータシステムに伝送されることを理解されたい。例えば、画像を環境データとしてホストコンピュータシステムに伝送するのではなく、種々の特性に関して画像を分析して、画像の特性の指標(例えば画像の中の対象の識別子、ユーザの位置)のみをホストコンピュータシステムに伝送してよい。画像データには、カメラが取得した全体画像、カメラが取得した部分画像、および/またはモバイル機器が分析した画像の特性が含まれてよい。
【0059】
環境データおよび生理状態のデータの分析は、ステップ435で、モバイル機器のユーザにどのコンテンツを示すか、決定するのに用いられてよい。コンテンツデータベース(
図1のコンテンツデータベース150-2など)は、広告を含んでよく、分析された環境データおよび生理状態のデータに最も密接に関連するコンテンツを識別するために検索されてよい。関連したコンテンツが識別されなければ、ユーザに示されるコンテンツがなくてもよい。ステップ440で、(例えば、コンテンツデータベースのコンテンツに関連した理想位置、理想環境データ、および/または理想生理状態が、分析されたデータに類似であることを含んで)関連したコンテンツが識別されると、コンテンツがモバイル機器に伝送されてよい。
【0060】
ステップ445で、モバイル機器がコンテンツを受け取ってよい。ステップ450で、ユーザにコンテンツが示されてよい。いくつかの実施形態では、これには、テキストおよび/またはグラフィックスをユーザに表示すること、および/またはモバイル機器のスピーカによって音声を再生することが含まれてよい。いくつかの実施形態では、コンテンツは、コンテンツを示すのに適切な時間までモバイル機器によって記憶されてよい。例えば、ユーザが積極的にモバイル機器に対して入力を与えているときなど、ユーザがディスプレイを見ていることが分かっている間にユーザに示されるまで、コンテンツは記憶されてよい。いくつかの実施形態では、コンテンツは拡張現実表示によってユーザに示されてよい。例えば、コンテンツの上にモバイル機器のカメラで取得された画像が置かれてよい。
【0061】
ユーザに示されるコンテンツを識別するためにホストコンピュータシステムにデータが伝送されている間に、モバイル機器によってコンテンツの種々の部分が記憶されてよいことを理解されたい。そのため、モバイル機器は、環境データおよび生理状態のデータを収集して分析し、コンテンツを求め、コンテンツを取得するためにホストコンピュータシステムと相互作用することなく、このようなコンテンツをエンドユーザに示す。むしろ、ホストコンピュータシステムは、モバイル機器に対してコンテンツの種々の部分を周期的に供給してよく、モバイル機器は、コンテンツを記憶して、対応する環境データおよび生理状態のデータが収集されたとき、コンテンツをユーザに示してよい。
【0062】
図5は、モバイル機器のユーザに示されたコンテンツのカテゴリから選択された関連したコンテンツを、トリガ作用に基づいて、モバイル機器に配送する方法の一実施形態を示す。方法500では、コンテンツのカテゴリを選択するのに、モバイル機器からの環境データが用いられ、選択されたコンテンツのカテゴリからコンテンツの一部分を選択するのに、モバイル機器からの生理状態のデータが用いられる。いくつかの実施形態では、方法500は、コンテンツのカテゴリを選択するのに生理状態のデータが用いられ、選択されたコンテンツのカテゴリからコンテンツの一部分を選択するのに環境データが用いられる、といった反対の状況に適用することができる。方法500は、モバイル機器を介して関連したコンテンツをユーザに供給するために、
図1のシステム100または他のいくつかのシステムによって遂行されてよい。
【0063】
方法400のステップ405と同様に、ステップ505で、
図1のモバイル機器110などのモバイル機器の1つまたは複数の環境センサによって、環境データが収集されてよい。環境データは、位置決めセンサ(例えばGPS)、運動センサ(例えば加速度計)、方向センサ(例えば磁力計)、またはカメラによって収集されてよい(継続的に画像を取得してよく、またはユーザによって示されたときのみ画像を取得してもよい)。他のタイプの環境センサも可能であり得る。環境データは、周期的に収集されてよく、またはユーザが判断したとき収集されてもよい。
【0064】
ステップ510で、モバイル機器の1つまたは複数の生理的センサによって生理状態のデータが収集されてよい。少数の実例を挙げると、心電図(ECG)センサ、電気皮膚反応(GSR)センサ、プレチスモグラフ(PPG)センサ、皮膚温度センサ(SKT)、および/または筋電図(EMG)センサによって、生理状態のデータが収集されてよい。ステップ505で環境データを収集するのと同時に、またはほぼ同時に、生理状態のデータを収集してよい。例えば、環境データおよび生理状態のデータをほぼ同時に取得することは、1秒、5秒、10秒、または1分の期間内に両方を取り込むことを表してよい。ステップ505とステップ510の間の他の時間フレームも用いられてよい。
【0065】
ステップ515で、環境データおよび生理状態のデータがホストコンピュータシステムに伝送されてよい。伝送は、1つまたは複数のネットワークを通じて行なわれてよい。
図1を参照すると、モバイル機器110からホストコンピュータシステム140への環境データおよび生理状態のデータの伝送は、インターネットを含み得る無線ネットワーク120およびネットワーク130を通じて行なわれてよい。
【0066】
ステップ520で、ホストコンピュータシステムが環境データおよび生理状態のデータを受け取ってよい。ステップ525で環境データが分析されてよい。これには、モバイル機器によって取得された1つまたは複数の画像の分析が含まれてよい。例えば、1つまたは複数の画像の中に存在する種々の対象または位置が識別されてよい。環境データの分析には、加速度計および/または磁力計からの情報の分析も含まれ得る。位置センサ(例えばGPS)からの位置情報も分析されてよい。
【0067】
ステップ530で、ホストコンピュータシステムによって、コンテンツのカテゴリが環境データに基づいて選択されてよい。例えば、コンテンツが広告から成る場合、コンテンツの各カテゴリが別々の広告主に対応してよい。そのため、環境データが、1)ユーザが見ているもの、ユーザが見たもの、および/または、ユーザの視野にあるもの、2)ユーザが居る場所、および/または3)ユーザが現在または過去に関与している動作、に関する指標を用いて特定の広告主を選択するのに用いられてよい。
【0068】
ステップ535で、ホストコンピュータシステムが生理状態のデータを分析してよい。分析には、ユーザの生理状態を求めることが含まれ得る。例えば、識別され得る状態には、疲れている、幸福だ、喉が渇いている、寒い、熱い、脅えている、ストレスを感じている、腹を立てている、悲しい、が含まれる。ステップ540で、ステップ535における生理状態のデータの分析を用いて、以前に選択されたコンテンツのカテゴリからコンテンツを求めてよい。一例として
図3Aのサンプルエントリ300Aを参照して、ユーザの周囲の環境がMegaDrinkのロゴを含んでいるので、ステップ530で求められるコンテンツのカテゴリは飲料でよい。ステップ540で、MegaDrinkが製造する特定の飲料の広告が選択されてよい。この例を続けて、その人物が疲れていると判断された場合には、飲料メーカ製の栄養ドリンク(例えば高カフェインのソーダ水またはコーヒー)が宣伝されてよく、その人物は喉が渇いていると判断された場合には、MegaDrink製のスポーツドリンクが宣伝されてよい。ユーザが悲しければ、MegaDrink製の清涼飲料が宣伝されてよい。関連したコンテンツが識別されなければ、ユーザに示されるコンテンツがなくてもよい。関連したコンテンツが識別されると、ステップ545で、モバイル機器にコンテンツが伝送されてよい。いくつかの実施形態では、同一のカテゴリ内のコンテンツが、別々のコンテンツプロバイダに属することがある。
【0069】
ステップ550で、モバイル機器がコンテンツを受け取ってよい。いくつかの実施形態では、コンテンツが当面は記憶されてよい。ステップ555で、受け取ったコンテンツを記憶してよい。ステップ560でトリガ作用を受け取るまで、当面はコンテンツを記憶してよい。トリガ作用は、ユーザがモバイル機器と情報をやりとりしていることを示す何らかの作用でよい。そのため、ユーザがモバイル機器を見ている、かつ/またはモバイル機器に耳を傾けていることが確実になり得る。いくつかの実施形態では、トリガ作用は、ユーザが、「市内の小売商からのお知らせ(offers)を見ますか?」という質問に応答するなどして、コンテンツに興味を持っていることを示す、ユーザからのいくつかの入力でよい。一旦トリガを受け取ると、ステップ565で、ユーザにコンテンツが示されてよい。いくつかの実施形態では、これには、テキストおよび/またはグラフィックスをユーザに表示すること、および/またはモバイル機器のスピーカによって音声を再生することが含まれてよい。いくつかの実施形態では、コンテンツは、コンテンツを示すのに適切な時間までモバイル機器によって記憶されてよい。例えば、ユーザが積極的にモバイル機器に対して入力を与えているときなど、ユーザがディスプレイを見ていることが分かっている間にユーザに示されるまで、コンテンツは記憶されてよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、コンテンツを受け取った後の閾値期間中にトリガ作用が受け取られなければ、コンテンツは、ユーザに示されることなく、モバイル機器から削除されてもよい。例えば、ステップ550でコンテンツが受け取られて、ユーザがモバイル機器を数分間(もしくは数時間または他のいくらかの期間)ポケットに入れたままであれば、コンテンツが、依然としてユーザに関連していない可能性があり(例えば、ユーザは、コンテンツが関連する小売商から数マイル離れている可能性があり)、したがって示されなくてもよい。
【0071】
ステップ565でコンテンツがユーザに示されると、ステップ570で、モバイル機器によってコンテンツ確認の提示がホストコンピュータシステムに伝送されてよい。そのため、ステップ575でコンテンツ確認の提示を受け取ると、ホストコンピュータシステムは、コンテンツがユーザに示されたことを確信する。ステップ580で、コンテンツがユーザに示されたという指標が、ホストコンピュータシステムによって記憶されてよい。この指標は、ユーザにコンテンツを配送するために、コンテンツプロバイダに代金を請求するのに用いられ得る。
【0072】
ユーザに示されるコンテンツを識別するためにホストコンピュータシステムにデータが伝送されている間に、モバイル機器によってコンテンツの種々の部分が記憶されてよいことを理解されたい。そのため、モバイル機器は、環境データおよび生理状態のデータを収集して分析し、コンテンツを求め、ホストコンピュータシステムとの相互作用なしで、このようなコンテンツをエンドユーザに示す。むしろ、ホストコンピュータシステムは、モバイル機器に対してコンテンツの種々の部分を周期的に供給してよく、モバイル機器は、コンテンツを記憶して、対応する環境データおよび生理状態のデータが収集されたとき、コンテンツをユーザに示してよい。
【0073】
図6は、モバイル機器に関連したコンテンツを配送する方法600の別の実施形態を示す。方法600は、モバイル機器に対して関連したコンテンツを供給するために、
図1のシステム100または他のいくつかのシステムによって遂行されてよい。方法600は、モバイル機器から受け取った生理状態のデータおよび他の環境データに加えて位置データを用いてもよい。いくつかの実施形態では、位置データが唯一の環境データとして用いられてもよい。ステップ605で、モバイル機器が位置データを収集してよい。このような位置データは、GPS受信器を使用して、かつ/または携帯電話の中継塔(cellular towers)に基づく三角測量によって求めてよい。全般的な位置は、最も近い携帯電話の中継塔の位置に基づいて求められてよい。他の位置割出しシステムも、モバイル機器によって用いられ得る。
【0074】
ステップ610で、
図1のモバイル機器110などのモバイル機器の1つまたは複数の環境センサによって、環境データが収集されてよい。環境データは、位置決めセンサ(例えばGPS)、運動センサ(例えば加速度計)、方向センサ(例えば磁力計)、および/またはカメラによって収集されてよい(継続的に画像を取得してよく、またはユーザによって示されたときのみ画像を取得してもよい)。他のタイプの環境センサも可能であり得る。環境データは、ユーザとの相互作用なしで周期的に収集されてよく、またはユーザが判断したとき収集されてもよい。ステップ605で位置データを収集するのと同時に、またはほぼ同時に、環境データを収集してよい。例えば、環境データおよび位置データをほぼ同時に取得することは、1秒、5秒、10秒、または1分の期間内に両方を取り込むことを表してよい。ステップ605とステップ610の間の他の時間フレームも用いられてよい。
【0075】
ステップ615で、モバイル機器の1つまたは複数の生理的センサによって生理状態のデータが収集されてよい。少数の実例を挙げると、心電図(ECG)センサ、電気皮膚反応(GSR)センサ、プレチスモグラフ(PPG)センサ、皮膚温度センサ(SKT)、および/または筋電図(EMG)センサによって、生理状態のデータが収集されてよい。ステップ610で環境データを収集するのと同時に、またはほぼ同時に、生理状態のデータを収集してよい。例えば、環境データおよび生理状態のデータをほぼ同時に取得することは、1秒、5秒、10秒、または1分の期間内に両方を取り込むことを表してよい。ステップ610とステップ615の間の他の時間フレームも用いられてよい。
【0076】
ステップ620で、位置データ、環境データ、および生理状態のデータがホストコンピュータシステムに伝送されてよい。伝送は、1つまたは複数のネットワークを通じて行なわれてよい。
図1を参照すると、モバイル機器110からホストコンピュータシステム140への位置データ、環境データ、および生理状態のデータの伝送は、インターネットを含み得る無線ネットワーク120およびネットワーク130を通じて行なわれてよい。
【0077】
ステップ625で、ホストコンピュータシステムが、位置データ、環境データ、および生理状態のデータを受け取ってよい。ステップ630で、ホストコンピュータシステムが環境状態のデータを分析してよい。分析には、画像内の1つまたは複数の対象を識別するステップ、加速度計データを解釈するステップ、ユーザの生理状態を求めるステップ、ユーザの活動を求めるステップ、および/またはユーザの近傍におけるビジネスまたは他のエンティティなどを求めるステップが含まれてよい。ステップ635で、位置データが分析されてよい。これには、ユーザから一定の距離内のコンテンツプロバイダおよび/またはユーザと同じ市内、郡内、州内または同じ郵便番号のコンテンツプロバイダを求めることが含まれてよい。各コンテンツプロバイダは、
図3Aの理想位置340のデータエントリで示されたものなどの特定の位置限界を提供してもよい。
【0078】
ステップ640で、生理状態のデータが分析されてよい。分析には、生理状態のデータを用いて、可能性の高いユーザの生理状態を識別するステップなどが含まれてよい。ユーザについて識別された生理状態は、強さのレベルに関連付けられてもよい。例えば、ユーザの生理状態のデータが神経質な生理状態を示すのであれば、ユーザの神経質な状態は、生理状態のデータに基づいて、低、中、または高の強さのレベルに関連付けられ得る。生理状態のデータは、ユーザの生理状態を識別するために、ある期間にわたって収集され、かつ平均されてよい(または結合されてよい)。
【0079】
方法600は、ホストコンピュータシステムによって遂行される分析を示しているが、ホストコンピュータシステムに未加工の位置データ、環境データ、および生理状態のデータを伝送するよりも、むしろ位置データ、環境データ、および/または生理状態のデータが、モバイル機器によって部分的にまたは全面的に分析されてよく、分析結果がホストコンピュータシステムに伝送されることを理解されたい。例えば、画像を環境データとしてホストコンピュータシステムに伝送するのではなく、種々の特性に関して画像を分析して、画像の特性の指標(例えば画像の中の対象の識別子、ユーザの位置)のみをホストコンピュータシステムに伝送してよい。画像データには、カメラが取得した全体画像、カメラが取得した部分画像、および/またはモバイル機器が分析した画像の特性が含まれてよい。
【0080】
位置データ、環境データ、および生理状態のデータの分析は、ステップ645で、モバイル機器のユーザにどのコンテンツを示すか、決定するのに用いられてよい。コンテンツデータベース(
図1のコンテンツデータベース150-2など)は、広告を含んでよく、位置の基準または環境データおよび生理状態のデータに一致する、または最も密接に一致するコンテンツを識別するために検索されてよい。関連したコンテンツが識別されなければ、ユーザに示されるコンテンツがなくてもよい。ステップ650で、関連したコンテンツが識別される(例えば、コンテンツデータベースのコンテンツに関連した理想位置、理想環境データ、および/または理想生理状態が、モバイル機器から受け取った分析済みデータに類似である)と、コンテンツがモバイル機器に伝送されてよい。複数の部分のコンテンツが識別された場合には、最も関連性の高いコンテンツが伝送されてよい。いくつかの実施形態では、コンテンツの一部分がモバイル機器に以前に送られている場合には、コンテンツの別の部分(例えば位置データ、環境データ、および生理状態のデータ間で2番目によく一致する部分)がユーザに示されてもよい。
【0081】
ステップ655で、モバイル機器がコンテンツを受け取ってよい。ステップ660で、ユーザにコンテンツが示されてよい。いくつかの実施形態では、これには、テキストおよび/またはグラフィックスをユーザに表示すること、および/またはモバイル機器のスピーカによって音声を再生することが含まれてよい。いくつかの実施形態では、コンテンツは、コンテンツを示すのに適切な時間までモバイル機器によって記憶されてよい。例えば、ユーザが積極的にモバイル機器に対して入力を与えているときなど、ユーザがディスプレイを見ていることが分かっている間にユーザに示されるまで、コンテンツは記憶されてよい。いくつかの実施形態では、コンテンツは拡張現実表示によってユーザに示されてよい。例えば、コンテンツの上にモバイル機器のカメラで取得された画像が置かれてよい。
【0082】
図7は、モバイル機器へのコンテンツ配送の価格決定の方法700の一実施形態を示す。コンテンツの一部分は、ユーザに配送されるとき費用を決定されてよい。例えば、一般に千単位で測定される印象当たりの費用(CPM)は、ユーザに配送される千片ごとのコンテンツについてコンテンツプロバイダに課金される費用を指してよい。費用は、ユーザに配送されたコンテンツ(例えば
図4のステップ440)、またはユーザへの提示が確認されたコンテンツ(例えば
図5のステップ575)に基づくものでよい。方法700に関して説明されたものなどのいくつかの実施形態では、印象当たりの費用は、位置データ、環境データ、および/または生理状態のデータが、コンテンツプロバイダによって設定された理想位置、理想環境、および/または理想生理状態に、どれくらい密接に一致しているかということに基づいて変化する可能性がある。密接に一致していればいるほど、コンテンツをユーザに示す、かつ/または送る費用が高くなる。方法700は、モバイル機器に対して関連したコンテンツを供給するために、
図1のシステム100または他のいくつかのシステムによって遂行されてよい。方法700は、方法400、500、600の一部分として、関連したコンテンツをモバイル機器に提供するための他のいくつかの方法の一部分として、またはスタンドアロンの方法として遂行されてよい。ステップ710で、ユーザのモバイル機器に配送するためにコンテンツが選択されてよい。ステップ710は、
図4のステップ435、
図5のステップ540、
図6のステップ645、またはコンテンツが配送用に選択されるいくつかの他のステップを表してよい。
【0083】
ステップ720で、ユーザのモバイル機器から受け取った生理状態のデータから導出された生理状態と、配送されるコンテンツと関連付けられた理想生理状態の間の類似度(amount of similarity)が求められてよい。モバイル機器から受け取った生理状態のデータが、コンテンツプロバイダによって指定された理想生理状態(
図3Aの理想生理状態330のデータエントリなど)を示す可能性が高ければ高いほど、コンテンツプロバイダは、配送されるコンテンツに対して、より高額の支払いを要求される可能性がある。ユーザについて求められた生理状態は、強さのレベルに関連付けられてもよい。例えば、ユーザの生理状態は、生理状態のデータに基づいて、「わずかに喉が渇いている」または「非常に喉が渇いている」と判断することができる。コンテンツプロバイダの理想生理状態が「喉が渇いている」であれば、コンテンツプロバイダは、わずかに喉が渇いているユーザに配送されるコンテンツより、非常に喉が渇いているユーザに配送されるコンテンツに対して、より高額を支払ってもよい。
【0084】
ステップ720は、モバイル機器から受け取った生理状態のデータから求められたユーザの生理状態と、コンテンツプロバイダから受け取った理想生理状態の間の類似性を求めることにのみ的を絞る。環境データおよび/または位置データを求めて、類似のステップがともに、または代わりに遂行されてもよいことを理解されたい。位置データに言及すると、ユーザが、コンテンツプロバイダによって指定された位置に非常に近ければ(例えば店先から20フィート)、ユーザがより遠く(例えば店先から200フィート)にいる場合より費用が高くてよい。同様に、他の環境データが用いられてもよい。例えば、ユーザが店先のそばで運転していると判断された場合には、ユーザが店先のそばを歩いている(したがって、モバイル機器によって示されたコンテンツのために、思い付きで店に入る可能性が高いと推測される)場合より、コンテンツに対する費用はより安くてよい。
【0085】
そのため、コンテンツプロバイダの所望の理想生理状態のデータ、理想環境データ、および/または理想位置データと、ユーザのモバイル機器から受け取った生理状態のデータ、環境データ、および位置データの間の類似性に基づいて、コンテンツプロバイダに多様な金額を課金するために、ホストコンピュータシステムによって所定の式が用いられてよい。ステップ730で、ユーザに配送される、または示されるコンテンツの価格が決定されてよい。
【0086】
ステップ740で、コンテンツの提示または配送に対して、コンテンツプロバイダに請求されてよい。コンテンツプロバイダは、コンテンツの個々の配送または提示に対して、周期的に課金されてよく(例えば特定の月のすべての配送または提示に対する総額を課金されてよく)、または配送または提示が特定の数(例えば1000)に達したとき課金されてもよい。他の請求書発送方式も可能である。例えば、ユーザに示されたコンテンツによる誘導および販売の数もコンテンツプロバイダに対する価格の要因として考慮される動的請求書発送方式が構成されてもよい。
【0087】
図8に示されるようなコンピュータシステムは、前述のコンピュータ化された装置を表してよい。例えば、コンピュータシステム800は、本出願で論じたモバイル機器および/またはホストコンピュータシステムの構成要素を表すことができる。
図8は、種々の他の実施形態によって提供される方法を遂行することができるコンピュータシステム800の一実施形態の概略図を与える。
図8は、いずれか、またはすべてが、必要に応じて利用され得る種々の構成要素の全体的な特徴のみを描く図を提供することしか意味していないことに留意されたい。
図8は、したがって、個々のシステム要素が、比較的分離されたやり方または比較的より統合されたやり方で実施され得る様子を広義に示すものである。
【0088】
バス805を介して(または必要に応じて通信で)電気的に結合することができるハードウェア要素を備えるコンピュータシステム800が示されている。ハードウェア要素は、1つまたは複数のプロセッサ810を含んでよく、プロセッサ810は、限定されることなく1つまたは複数の汎用プロセッサおよび/または1つまたは複数の専用プロセッサ(デジタル信号処理チップ、グラフィックス高速化プロセッサ、および/または同様なものなど)と、限定されることなくマウス、キーボード、および/または同様なものを備えることができる1つまたは複数の入力装置815と、限定されることなく表示装置、プリンタ、および/または同様なものを備えることができる1つまたは複数の出力装置820とを含む。
【0089】
コンピュータシステム800は、1つまたは複数の非一時的記憶装置825をさらに含み(かつ/または1つまたは複数の非一時的記憶装置825と通信し)、非一時的記憶装置825は、限定されることなく局所的記憶装置および/またはネットワークアクセス可能な記憶装置を備えることができ、かつ/または、限定されることなくディスクドライブ、ドライブ配列、光学式記憶装置、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)および/またはプログラム可能、フラッシュ更新可能、かつ/または同様なものであり得る読取り専用メモリ(「ROM」)などの固体記憶装置を備えることができる。このような記憶装置は、限定されることなく種々のファイルシステム、データベース構造、および/または同様なものを含む任意の適切なデータ格納を実施するように構成されてよい。
【0090】
コンピュータシステム800は、通信サブシステム830も含み得て、通信サブシステム830は、モデム、(無線または有線の)ネットワークカード、赤外線通信装置、無線通信装置および/またはチップセット(ブルートゥース(商標) 装置、802.11装置、WiFi装置、WiMax装置、移動体通信設備など)、および/または同様なものを、限定されることなく含むことができる。通信サブシステム830により、ネットワーク(一例を挙げれば、以下で説明されるネットワークなど)、他のコンピュータシステム、および/または本明細書で説明されたその他の装置とのデータ交換が可能になり得る。多くの実施形態において、コンピュータシステム800は、前述のように、RAMデバイスまたはROMデバイスを備え得るワーキングメモリ835をさらに備えることになる。
【0091】
コンピュータシステム800は、ワーキングメモリ835に現存するものとして示されたソフトウェア要素も備えることができ、ソフトウェア要素は、オペレーティングシステム840、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、および/または1つもしくは複数のアプリケーションプログラム845などの他のコードを含み、アプリケーションプログラム845は、種々の実施形態によって与えられるコンピュータプログラムを含んでよく、かつ/または各方法を実施するように設計されてよく、かつ/または本明細書で説明されるように他の実施形態によって与えられるシステムを構成する。単に実例として、上記で論じた方法に関して説明された1つまたは複数のプロシージャは、コンピュータ(および/またはコンピュータの内部のプロセッサ)で実行可能なコードおよび/または命令として実施されてよく、一態様では、このようなコードおよび/または命令は、汎用コンピュータ(または他の装置)を、説明された方法に従って1つまたは複数の動作を遂行するように構成する、かつ/または適合させるのに用いることができる。
【0092】
1組の命令および/またはコードが、上記で説明された記憶装置825などの非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。場合によっては、記憶媒体は、コンピュータシステム800などのコンピュータシステムに組み込まれてもよい。他の実施形態では、記憶媒体に記憶された命令/コードを用いて、汎用コンピュータを、プログラムする、構成する、かつ/または適合させることができるように、記憶媒体は、コンピュータシステムから分離したもの(例えばコンパクトディスクなどの取外し可能媒体)でよく、かつ/またはインストレーションパッケージで供給されてもよい。これらの命令は、コンピュータシステム800で実行可能な実行可能コードの形態をとってよく、かつ/または、(例えば、様々な一般に入手可能なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティなどのうちの任意ものを用いて)コンピュータシステム800でコンパイルされる、かつ/またはコンピュータシステム800にインストールされると実行可能コードの形態をとる、ソースおよび/またはインストール可能コードの形態をとってもよい。
【0093】
特定条件に従って、実体のある変形形態が製作され得ることが、当業者には明らかであろう。例えば、カスタマイズされたハードウェアも使用されてよく、かつ/または特定の要素が、ハードウェア、ソフトウェア(アプレットなどの携帯用ソフトウェアを含む)、または両方で実施され得る。さらに、ネットワーク入出力装置などの他のコンピュータ装置に対する接続が利用されてもよい。
【0094】
前述のように、一態様では、いくつかの実施形態は、本発明の種々の実施形態による方法を遂行するためにコンピュータシステム(コンピュータシステム800など)を利用してよい。1組の実施形態によれば、このような方法のプロシージャのうちのいくつかはまたはすべてが、コンピュータシステム800によって、プロセッサ810がワーキングメモリ835に含まれている1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンス(これらはオペレーティングシステム840および/またはアプリケーションプログラム845などの他のコードに組み込まれていてよい)を実行するのに応じて遂行される。このような命令は、1つまたは複数の記憶装置825などの別のコンピュータ可読媒体からワーキングメモリ835に読み取られてよい。単なる実例として、ワーキングメモリ835に含まれている一連の命令を実行することにより、プロセッサ810は、本明細書で説明された方法の1つまたは複数のプロシージャを遂行してよい。
【0095】
本明細書で用いられる「機械可読媒体」、「コンピュータ可読媒体」という用語は、装置を特定のやり方で動作させるデータを供給することに関与する任意の媒体を指す。コンピュータシステム800を使用して実施される一実施形態では、種々のコンピュータ可読媒体が、プロセッサ810に実行させる命令/コードを供給するのに関係してよく、かつ/または、このような命令/コードの記憶および/または保持のために使用されてもよい。多くの実装形態において、コンピュータ可読媒体は、物理的かつ/または有形の記憶媒体である。このような媒体は、不揮発性媒体または揮発性媒体の形態をとってよい。不揮発性媒体には、例えば記憶装置825などの光ディスクおよび/または磁気ディスクが含まれる。揮発性媒体は、限定されることなく、ワーキングメモリ835などのダイナミックメモリを含む。
【0096】
物理的かつ/または有形のコンピュータ可読媒体の一般的な形態には、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、またはその他の磁気媒体、CD-ROM、その他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有するその他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップまたはメモリカートリッジ、あるいはコンピュータが命令および/またはコードを読み取ることができるその他の媒体が含まれる。
【0097】
コンピュータ可読媒体の種々の形態が、プロセッサ810に実行させる1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを保持するのに関係してよい。単に実例として、これらの命令は、最初はリモートコンピュータの磁気ディスクおよび/または光ディスクに保持されていてよい。これらの命令は、リモートコンピュータのダイナミックメモリにロードされ、コンピュータシステム800が受け取る、かつ/または実行する、伝送媒体上の信号として送られてよい。
【0098】
一般に、通信サブシステム830(および/またはその構成要素)が信号を受け取ることになり、次いで、バス805が、信号(および/または信号によって搬送されるデータ、命令など)をワーキングメモリ835に搬送してよく、プロセッサ810は、ワーキングメモリ835から命令を取得して実行する。ワーキングメモリ835が受け取った命令は、プロセッサ810によって実行される前、または実行された後に、任意選択で記憶装置825に記憶されてよい。
【0099】
上記で論じられた方法、システム、および装置は実例である。種々の構成では、必要に応じて、種々のプロシージャまたは構成要素が、省略され、置換され、または追加されてよい。例えば、代替構成では、これらの方法は、説明されたものとは異なる順番で遂行されてよく、かつ/または種々の段階の追加、省略、および/または結合が行なわれてもよい。また、特定の構成に関して説明された特徴は、種々の他の構成に結合されてよい。構成の様々な態様および要素が、類似のやり方で結合されてよい。また、技術は進化するものであり、したがって、要素の多くは実例であり、本開示または特許請求の範囲の有効範囲を限定するものではない。
【0100】
例示の(実装形態を含む)構成の十分な理解をもたらすために、説明では特定の詳細が示されている。しかし、構成は、これらの特定の詳細なしで実施され得る。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造および技法は、構成が不明瞭にならないように、不要な詳細なしで示されている。この説明は、例示的構成のみを提供し、特許請求の範囲の有効範囲、適用可能性、または構成を限定するものではない。むしろ、構成の先出の説明は、当業者に、記述された技法を実施するのが可能になる説明を提供することになる。本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、各要素の機能および機構に種々の変更がなされ得る。
【0101】
また、構成が、流れ図またはブロック図として示されるプロセスと説明されることがある。それぞれが動作を逐次プロセスとして説明することがあるが、動作の多くは、並列で、または同時に遂行することができる。それに加えて、動作の順番は並べ換えられてよい。プロセスは、図に含まれない追加のステップを有してもよい。さらに、方法の実例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはその任意の組合せによって実施され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実施されるとき、必要なタスクを遂行するプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されてよい。プロセッサは、記述されたタスクを遂行してよい。
【0102】
いくつかの例示的構成を説明してきたが、本開示の趣旨から逸脱することなく、種々の修正形態、代替構成、および等価物が利用され得る。例えば、上記の要素はより大きなシステムの構成要素でよく、その点で、本発明の適用に対して、他のルールが優先する、または変更を加える可能性がある。また、上記の各要素の検討前に、検討中に、または検討後に、複数のステップが試みられてもよい。したがって、上記の説明は特許請求の範囲を制限するものではない。