(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5809372
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月10日
(54)【発明の名称】ウェーハ保管容器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20151021BHJP
B65D 21/02 20060101ALI20151021BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D21/02 B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-36808(P2015-36808)
(22)【出願日】2015年2月26日
【審査請求日】2015年2月27日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0061543
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513229923
【氏名又は名称】サン―ア フロンテック カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146639
【弁理士】
【氏名又は名称】船本 康伸
(72)【発明者】
【氏名】イム イテク
【審査官】
鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−228469(JP,A)
【文献】
特開2008−010567(JP,A)
【文献】
特開2002−334923(JP,A)
【文献】
特開2010−098198(JP,A)
【文献】
特表2005−508802(JP,A)
【文献】
特表2003−505875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67 − 21/687
B65D 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを保管する保管容器であって、
受け台の上面に側壁部を備えて、その内側にウェーハが積み重ねられるようにするが、前記側壁部は2重壁体により構成される本体と、
端部に下向きにカバー体を備えて前記本体の上部に覆い被せられてウェーハを保護するようにする蓋体と、
前記蓋体のカバー体の内側面に配備される結着部と前記本体の受け台の上面に突出するフック部とからなり、前記結着部は、内外側壁により構成されるようにするが、蓋体が本体に覆い被せられたときに結着部と側壁部が交互に配設されて収納室の全体が2重壁体により取り囲まれるようにする組立部と、
前記本体の受け台の外側の端部から下向きに突出した積層壁体を備え、前記蓋体の上面にはこの積層壁体の内側に嵌め込まれる固定突起が配備される積層部と、
前記本体の受け台に設けられ、側断面に「W」状に形成され、前記「W」状の中央に溝部が設けられる位置決め部と、
前記位置決め部の溝部が嵌め込まれ、ウェーハを積み重ねるときに本体の水平を維持して揺らぎを防ぐ固定ピンが配備される位置固定部と、
を備え、
前記組立部の結着部は、内外側壁の間に隔壁が立てられて空間が画成され、中央側の空間に仕切り板を備えるが、前記仕切り板にフック部が嵌め込まれる結着孔が形成されるウェーハ保管容器。
【請求項2】
前記位置決め部の溝部と位置固定部の固定ピンの各々は3地点に配設されるが、これらは正三角形状に配設される請求項1に記載のウェーハ保管容器。
【請求項3】
前記位置固定部には、基台板の上面に位置決め部の溝部が嵌め込まれて載置されるようにする固定ピンが配備され、この固定ピンは、上端にゴム製又は合成樹脂製の載置部が配備される請求項1に記載のウェーハ保管容器。
【請求項4】
前記組立部を構成するフック部は、受け台に立てられた弾性片の内側面に傾斜面を有する係合突起により構成される請求項1に記載のウェーハ保管容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ保管容器に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、容器を構成するカバー体の上面と本体の底面の各々に嵌合が行われるようにする積層部を備えて、複数の保管容器が安定的に積み重ね保管及び運搬されるようにする保管容器に関する。
【0003】
また、本発明は、本体の底面に位置固定部を備えてウェーハを積み重ねて保管するとき、保管容器を水平に維持することができ、しかも、揺らぎを防ぐことのできるウェーハ保管容器に関する。
【背景技術】
【0004】
一般に、半導体素子を製造するためのウェーハ(wafer)は、高精密度の物品であるため、保管又は運搬に際して、外部の汚染物質及び衝撃から汚染されたり損傷されたりしないように注意を払うことが必要である。特に、保管及び運搬の過程において、ウェーハの表面が塵埃、水分、各種の有機物などの不純物により汚染されないように注意を払うことが必要である。このため、ウェーハを保管及び運搬するときには、必ず別途の保管容器内に収納して外部の衝撃及び汚染物質から保護しなければならない。
【0005】
ウェーハ保管容器の一例として、下記の特許文献1に記載の技術が提案されている。この技術は、シリンダ状側壁を有する下部容器と、下部容器のシリンダ状側壁の上端部を収容する円形溝及び下部容器を覆うように下方に延びる容器壁体を有する上部容器と、を備える。
【0006】
このようなウェーハ保管容器によれば、まず、下部容器のシリンダの内周にクッション材を敷き、その上に多数のウェーハを積み重ねる。このとき、ウェーハとウェーハのとの間には間紙(insert)を嵌め込んでウェーハ同士の直接的な接触を防ぐ。また、ウェーハの積み重ねが完了すると、最上層のウェーハの上にさらにクッション材を覆った後、下部容器を上部容器で覆って密閉する。なお、最終的にテープを用いて下部容器と上部容器を固定する。
【0007】
しかしながら、このような従来のウェーハ保管容器は、下部容器と上部容器を一々にテープを用いて固定することを余儀なくされるという煩雑さがある。また、従来のウェーハ保管容器は多段に積み重ねることができないという欠点がある。すなわち、通常、ウェーハが保管されている保管容器を保管及び運搬する場合には、前記保管容器を多段に積み重ねて保管したり運搬したりする。しかしながら、従来の保管容器は多段に積み重ね難く、多段に積み重ねる場合、積み重ねられた保管容器が倒れたり乱れたりするという欠点がある。
【0008】
そこで、本出願人は、例えば、下記の特許文献2に記載の保管容器を開発した。
【0009】
この保管容器は、側面の少なくとも一部が切り取られて開放されたシリンダ状のウェーハ収容室を有する下部容器と、前記収容室を覆うように前記下部容器と係合される上部容器と、前記上部容器及び/又は前記下部容器と一体に形成されて、前記上部容器及び前記下部容器を係合させる係合部と、を備え、前記上部容器の上面及び前記下部容器の下面は、各々の少なくとも一部が互いに対面するときに形状が合わせられる板面プロファイルを有するように形成される。
【0010】
また、前記係合部は、前記下部容器及び前記上部容器のうちのいずれか一方と一体に形成されるフック部を備え、前記下部容器及び前記上部容器のうちの他方には前記フック部が嵌め込まれて係止される係止孔が形成されている。
【0011】
ところが、このような保管容器も、ウェーハが収納される収納室を安全に保護し難く、且つ、ウェーハを積み重ねて収納するとき、本体が揺れてウェーハが損傷される虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国公開特許第2002−81929号
【特許文献2】大韓民国登録実用新案第20−0342507号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、本出願人の上記の特許文献2の保管容器を改良したものであり、その目的は、ウェーハを積み重ねて収納するときに本体の揺らぎを防いでウェーハが損傷されることを防ぎ、本体の水平を維持してウェーハが傾いて積み重ねられることを防ぐウェーハ保管容器を提供するところにある。
【0014】
本発明の他の目的は、手軽に収納及び保管可能であり、本体の積み重ねが容易であり、これにより、運搬し易いウェーハ保管容器を提供するところにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、本体とこの本体に覆い被せられる蓋体との組み合わせが手軽に行え、しかも、積み重ねて収納するときにウェーハが損傷されることを防ぐことのできるウェーハ保管容器を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の上記の目的は、ウェーハを保管する保管容器であって、受け台の上面に側壁部を備えて、その内側にウェーハが積み重ねられるようにするが、前記側壁部は2重壁体により構成される本体と、端部に下向きにカバー体を備えて前記本体の上部に覆い被せられてウェーハを保護するようにする蓋体と、前記蓋体のカバー体の内側面に配備される結着部と前記本体の受け台の上面に突出するフック部とからなり、前記結着部は、内外側壁により構成されるようにするが、蓋体が本体に覆い被せられたときに結着部と側壁部が交互に配設されて収納室の全体が2重壁体により取り囲まれるようにする組立部と、前記本体の受け台の外側の端部から下向きに突出した積層壁体を備え、前記蓋体の上面にはこの積層壁体の内側に嵌め込まれる固定突起が配備される積層部と、前記本体の受け台に設けられ、側断面に「W」状に形成され、前記「W」状の中央に溝部が設けられる位置決め部と、前記位置決め部の溝部が嵌め込まれ、ウェーハを積み重ねるときに本体の水平を維持して揺らぎを防ぐ固定ピンが配備される位置固定部と、を備えるウェーハ保管容器により達成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、まず第一に、ウェーハを積み重ねて収納するとき、これらのウェーハが収納される本体の水平を維持して揺らぎを防ぐ位置固定部を備えて、積み重ねて収納するときはもとより、収納後にもウェーハが傾いて損傷されることを防ぐことのできる発明である。
【0018】
第二に、本発明の保管容器には積層部及び組立部が配備されて本体に対する蓋体の取り付け及び取り外しが容易に行え、さらに、ウェーハが収納される収納室が2重壁体により取り囲まれるようにしてウェーハを保護することのできる発明である。
【0019】
第三に、本発明の保管容器は製作し易く、積み重ねて収納し易い他、ウェーハの保管及び運搬が手軽に行える発明である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図4A】本発明による保管容器のA−A’線断面図である。
【
図4B】本発明による保管容器のB−B’線断面図である。
【
図4C】本発明による保管容器のC−C’線断面図である。
【
図6】本発明による保管容器の要部拡大断面図である。
【
図7】
図7は、本発明による側壁部の他の実施形態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を説明するに先立って、ここで用いられる専門用語は単に特定の実施形態を言及するためのものであり、本発明を限定することを意味するものではない。ここで用いられる単数形は文句がこれと明らかに反対の意味を有さない限り、複数形も含む。明細書における「備える」の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素及び/又は成分を具体化させ、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、成分及び/又は群の存在や付加を除外させるものではない。
【0022】
別途に断りのない限り、ここで用いられる技術用語及び科学用語をはじめとするあらゆる用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。汎用される辞書に定義されている用語は、関連する技術文献と現在開示される内容に符合する意味を有するものであり、追加的に解釈されて定義されない限り、理想的又は非常に公式的な意味として解釈されない。
【0023】
まず、本発明に添付されている
図1は、本発明による保管容器の分解斜視図であり、
図2は、本発明による保管容器の分解斜視図であり、
図3は、本発明に適用される本体の平面図である。
【0024】
また、
図4Aは、本発明による保管容器のA−A’線断面図であり、
図4Bは、本発明による保管容器のB−B’線断面図であり、
図4Cは、本発明による保管容器のC−C’線断面図であり、
図5は、本発明による保管容器の前断面図であり、
図6は、本発明による保管容器の要部拡大断面図である。
【0025】
図中、本発明の保管容器10は、ウェーハが積み重ねられて保管される本体100と、この本体100に覆い被せられる蓋体200と、を備え、これらに加えて、組立部300及び積層部400、そして、本発明の核心であるといえる位置決め部500及び位置固定部600をさらに備える。
【0026】
本体100
本発明による保管容器10の本体100は、受け台120と、この受け台120の上面に立てられる側壁部140と、を備える。
【0027】
前記受け台120は、同図に示すように、概ね8角形状に形成され、4つの辺、すなわち、交互に組立部300を構成する結着部320に嵌め込まれるフック部340が突出し、このフック部の内側に側壁部140が立てられる。
【0028】
前記側壁部140は、同図に示すように、6つが等間隔に配置されて、受け台120の上面に突出するものであり、内側はウェーハWが収納されるように所定の曲げ半径を有する。
【0029】
一方、前記側壁部140は、同図に示すように、内部に空間144を有する2重壁体142により構成されるが、この空間144及び2重壁体142は、運搬過程において外部の衝撃からウェーハを保護し、冬場や夏場のウェーハの運搬及び保管過程において内部温度が急変することを防ぐ。
【0030】
すなわち、2重壁体142の間に設けられる空間144が空気層を形成することにより、側壁部140の内側に形成されるウェーハWの収納室160の内部温度が急変することが防がれる。
【0031】
図中、本発明による側壁部140は、同図に示すように、6個に分離されて構成されて突出しているが、これは一実施形態に過ぎず、場合によっては、6個以下又は6個以上に分割されて設けられてもよい。
【0032】
前記受け台120の外周縁には、下向きに突出した積層壁体122が配備される。
【0033】
この積層壁体122は、受け台の中央部位に一体に成形した位置決め部500が、他の保管容器に積み重ねられたときに係止されないようにし、且つ、位置決め部500を保護し、積み重ね易くするものである。
【0034】
蓋体200
本発明による蓋体200は、天板220と、この天板の端部から下向きに突出して成形されたカバー体240と、を備える。
【0035】
前記天板220は、前記本体100の受け台120と同じ形状及び大きさに形成されるが、場合によって、他の形状及び大きさに形成されてもよいということはいうまでもない。
【0036】
前記カバー体240の内側には、組立部300のフック部340が嵌め込まれる結着部320が配備される。これについては、後述する。
【0037】
組立部300、積層部400
前記組立部300は、結着部320及びフック部340を備え、前記結着部320は、前記蓋体のカバー体240の内側に設けられ、前記フック部340は、本体の受け台120の上面に突出する。
【0038】
前記フック部340には、受け台120の上面に立てられた弾性片342の内側面に傾斜面を有する係合突起344が突設され、この係合突起が前記蓋体200に設けられた結着部320に嵌め込まれるようになっている。
【0039】
前記結着部320は、同図に示すように、蓋体に形成されるものであり、内外側壁322、322aにより構成され、すなわち、前記側壁部140と同様に、運搬過程において外部の衝撃からウェーハを保護し、 冬場や夏場のウェーハの運搬及び保管過程において内部温度が急変することを防ぐ。
【0040】
換言すると、前記蓋体200が覆い被せられたときに側壁部40と結着部320が交互に配設されることにより、本体100の内部収納室160の側面の全体が2重壁により取り囲まれるようにする。
【0041】
前記結着部320の内外側壁322、322aの間には隔壁324が立てられて画成され、中央に存在する空間には略中間部に水平に仕切り板326が設けられ、仕切り板に結着孔328が形成されて前記フック部340が嵌着されるようにする。
【0042】
一方、前記フック部340は、係合に際して、係合突起344の傾斜面が前記結着孔の内縁に沿って移動するが、傾斜面が移動するときには弾性片が撓んだ結着孔に嵌め込まれ、孔に嵌め込まれた状態で弾性片が復元されて係止が行われ、引抜に際しては、作業者が弾性片を指で押して引き抜かれる。
【0043】
前記積層部400は、前記蓋体200の上面に他の保管容器が積み重ねられて運搬及び保管が行われるようにするものであり、本体の底面に形成される積層壁体122と、前記蓋体の上面に形成される固定突起420と、を備える。
【0044】
前記固定突起420は、他の保管容器の本体の底面に配備される積層壁体122の内側に嵌め込まれて、運搬及び保管に際して、保管容器の揺らぎを防ぐものであり、組み立て易く、しかも、製作し易いという効果がある。
【0045】
位置決め部500及び位置固定部600
本発明による位置決め部500は、ウェーハWを積み重ねて収納するときに、本体の揺らぎを防ぐためのものであり、本体の受け台120の3地点に形成され、これらは正三角形状に配置される。
【0046】
換言すれば、前記位置決め部500は、同図に示すように、受け台の中心から放射状に配置され、細長い形状、すなわち、長方形の溝部520が設けられる。また、前記位置決め部の側断面が「W」状に形成されるが、これは、受け台の上面又は底面に突出することを防ぐためのものであり、「W」状の中央に前記溝部520が設けられ、この溝部に前記位置固定部600の固定ピン640が嵌着される。
【0047】
前記固定ピン640は、基台板620の上面に、前記位置決め部と同様に3地点に突出する。
【0048】
前記基台板620は、同図に示すように平板状に形成され、固定ピン640の上端部には、位置決め部が安定的に載置されて固定されるようにする載置部642が配備される。
【0049】
ここで、前記載置部642は、ゴム製又は合成樹脂製である。
【0050】
一方、前記載置部642は、インサート射出又はボルト締め及びピン方式により組み付けられる。
【0051】
添付の
図7は、本発明による側壁部の他の実施形態を示すものである。
【0052】
この実施形態は、ウェーハWを積み重ねて収納するとき、ウェーハが当接して損傷されることを防ぐためのものであり、側壁部140aに多層にスリット141aを形成し、このスリットに間隔維持板142aを嵌め込んでウェーハが保管されるようにするものである。
【0053】
換言すれば、本発明の実施形態による容器は、本体100の収納室の底面に不織布などを敷き、ウェーハを載せた後、前記スリット141aに間隔維持板142aを嵌め込み、さらに間隔維持板142aの上側にウェーハを載せ、さらに間隔維持板を嵌め込む方式である。
【0054】
このような構成の本発明による間隔維持板は、ウェーハが当接することを防ぐものであり、前記スリットは、同図に示すように、相対向する側壁部の各々又は全体の側壁部に形成される。
【0055】
また、前記間隔維持板の材質としては、いうまでもなく、ウェーハを損傷させないものが選ばれる。
【0056】
図中、143aは、前記間隔維持板に穿孔されている孔であり、144aは、側壁部の上面から下方に垂直に穿孔される嵌合孔であり、間隔維持板を嵌め込んだ後、前記嵌合孔に棒状の固定ピンを嵌め込んで、この固定ピンが前記孔を貫通するようにするものであり、これにより、間隔維持板が遊動することを予め遮断する。
【0057】
以下、このような構成を有する本発明の使用状態について説明する。
【0058】
本発明の保管容器10は、本体100の収納室160、すなわち、側壁部140の内側にウェーハWを積み重ねて収納するものであり、まず、本体の受け台120に形成される位置決め部500は、位置固定部600の固定ピン640に載置された状態で、3つの地点に位置が固定されることにより揺らぎがなく、且つ、水平が維持されることによりウェーハが積み重ねられ易い
【0059】
ウェーハを積み重ねた後、作業者は蓋体200を覆ってウェーハの損傷を防ぐが、このとき、蓋体に配備される結着部320と本体に立てられる側壁部120が、ウェーハが収納されている収納室全体を2重壁により取り囲んでウェーハが保護されるようにする。
【0060】
もちろん、前記本体100及び蓋体200は、組立部、すなわち、フック部340が結着部320に嵌め込まれることにより組み合わせられる。
【0061】
以上述べたように、本発明が属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更することなく他の具体的な形態にて実施可能であるということが理解できるであろう。よって、上述した実施形態はいずれも例示的なものであり、限定的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲並びにその等価概念から導き出されるあらゆる変更例又は変形例が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0062】
10:保管容器
100:本体
120:側壁部
200:蓋体
240:カバー体
300:組立部
320:結着部
330:フック部
400:積層部
500:位置決め部
600:位置固定部
【要約】 (修正有)
【課題】複数の保管容器が安定的に積み重ねられて保管及び運搬できる保管容器を提供する。
【解決手段】受け台の上面に側壁部120を備えて、その内側にウェーハが積み重ねられ、側壁部は本体100と、本体の上部に覆い被せられてウェーハを保護する蓋体200と、蓋体のカバー体の内側面に配備される結着部320と本体の受け台の上面に突出するフック部とからなり、結着部と側壁部が交互に配設されて収納室の全体が2重壁体により取り囲まれるようにする組立部300と、本体の受け台の外側の端部から下向きに突出した積層壁体を備える。蓋体の上面にはこの積層壁体の内側に嵌め込まれる固定突起が配備される積層部と、本体の受け台に設けられ、側断面に「W」状に形成され、「W」状の中央に溝部が設けられる位置決め部と、ウェーハを積み重ねるときに本体の水平を維持して揺らぎを防ぐ固定ピンが配備される位置固定部600と、を備える。
【選択図】
図1