【実施例1】
【0021】
図1、
図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を閉じた状態で開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が転動する遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
【0022】
開閉扉3には、窓3aの下側に貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が存在する場合には、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
【0023】
図2、
図3に示すように、遊技盤4には遊技領域4aに配置された多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10、開閉式の第2始動口11aを有する始動口装置11、ゲート12、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13、複数の一般入賞口14が設けられている。第1始動口10、ゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、ゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
【0024】
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有する。大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有する。
【0025】
遊技球が入賞口10,11a,13a,14に入賞した場合、遊技球1個の入賞について入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数の遊技球が払出される。遊技球が始動口10,11aに入賞した場合には大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の大入賞口13aが複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合には当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の第2始動口11aが1又は複数回開閉する補助遊技が発生する。
【0026】
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示器16及び可動役物装置17が装備されている。センタ役物15は遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着されたセンタ枠体15aを有し、センタ枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。
【0027】
画像表示器16はその画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠体15aの内側を通して視認できるように配置されている。画像表示器16の画面には、前記大当り抽選を演出するために、複数の演出図柄が変動後停止するように表示されるとともに各種動画が表示され、また、前記大当り遊技中に大当り演出用の動画が表示される。
【0028】
可動役物装置17は、大当り抽選に関する報知(例えば、大当り抽選での当選、或いは当選期待度が高い旨の報知等)を行うために作動して、左右1対の役物部材21,22が画像表示器4の前側で演出動作を実行して遊技盤4の盤面と平行な左右方向へ移動する。
【0029】
遊技盤4の右下部に各種表示を行う遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。
【0030】
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
【0031】
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
【0032】
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
【0033】
可動役物装置17について説明する。
図4、
図5に示すように、可動役物装置17は、センタ役物15の裏面部に取付けられたベース枠20と、左右1対の役物部材21,22と、1対の役物部材21,22を左右方向(接近・離隔方向)へ夫々移動自在にガイドする役物ガイド機構23と、1対の役物部材21,22を左右方向へ対称に移動駆動する役物駆動機構24とを備えている。
【0034】
1対の役物部材21,22は、夫々、画像表示器16の画面上下長と略同じ上下長と、画像表示器16の画面左右長の約1/4の左右長とを有する。1対の役物部材21,22は、画像表示器16の画面前側からその左右両端側に退いてセンタ役物15の後側に隠れて
図4、
図5に実線で示す初期位置(待機位置)になり、画像表示器16の画面前側に現れてそれらの対向端縁同士が当接して
図1及び
図4、
図5に仮想線で示す作動位置(合体位置)になり、そこで、所定の物体(例えば、人物の顔)を形成する。尚、1対の役物部材21,22は、夫々その前面部を電飾可能に構成されている。
【0035】
役物ガイド機構23は、左右方向に延びる上部ガイドロッド23a及び下部ガイド板23bを有する。上部ガイドロッド23aはその左右両端部がベース枠20の上部に固定され、この上部ガイドロッド23aに、1対の役物部材21,22の上部連結部21a,22aが夫々左右方向へ移動自在にガイド支持されている。下部ガイド板23bはベース枠20の下部に固定され、この下部ガイド板23bに、1対の役物部材21,22の下部連結部21b,22bが夫々左右方向へ摺動自在に当接してガイドされている。
【0036】
役物駆動機構24は、電動モータ25(ステッピングモータ25)と、電動モータ25により駆動されるギヤ列26と、ギヤ列26に連動連結され且つ1対の役物部材21,22に夫々固定的に設けられた1対のラック27,28とを有する。ギヤ列26の下流部分は1対のピニオン26a,26bに分岐し、この1対のピニオン26a,26bが夫々1対のラック27,28に噛合している。電動モータ25が駆動されると、ギヤ列26により、1対のピニオン26a,26bが逆方向に同期回転し、これにより、1対のラック27,28を夫々介して1対の役物部材21,22が左右方向へ対称に移動駆動される。
【0037】
ここで、ベース枠20には、1対の役物部材21, 22の原点位置として初期位置を検出する原点SW29(光学センサ29)が取付けられている。この原点SW29は右側の役物部材22の移動領域の右端側に配置され、一方、右側の可動役物22の上部連結部22aに遮蔽板部22c設けられ、右側の役物部材22が初期位置のとき、原点SW29は、その発光部と受光部との間が遮蔽板部22cにより遮られ初期位置を検出する。
【0038】
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図3に示すように、制御装置30は、遊技制御基板31、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35を備え、これら制御基板31〜35に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板33は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
【0039】
遊技制御基板31のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、一般入賞口SW14aからの信号と、払出制御基板32からの制御情報とを受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板32と演出制御基板33とに制御情報(遊技情報)を出力する。
【0040】
払出制御基板32のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報と、払出球検出SW36a、球有り検出SW36b、満タン検出SW36c、扉開閉検出SW39からの信号とを受けて、払出モータ36を制御し、遊技制御基板32に制御情報(払出情報)を出力する。演出制御基板33のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報と、演出ボタンSW6からの信号とを受けて、画像制御基板34に制御情報を出力し、更に、画像制御基板34からの制御情報を受けて、ランプ制御基板35に制御情報を出力する。
【0041】
画像制御基板34のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示器16とスピーカ37とを制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。ランプ制御基板35のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、主に画像制御基板34のコンピュータによる制御に同期させて、遊技演出用の枠ランプ38aと盤ランプ38bと可動役物装置17とを制御する。
【0042】
図6に示すように、ランプ制御基板35のコンピュータによりガード制御手段に相当する役物制御手段40が構成され、その役物制御手段40は通常時制御手段41と扉開放時制御手段42とを備えている。役物制御手段40には、開閉扉3の開閉(所定操作に相当する開閉扉3の開放操作)を検出する操作検出手段に相当する扉開閉検出SW39からの信号が払出制御基板32から遊技制御基板31、演出制御基板33を介して入力され、開閉扉3の閉塞が検出された場合には、通常時制御手段41が優先的に制御を実行し、開閉扉3の開放が検出された場合には、扉開放時制御手段42が優先的に制御を実行する。
【0043】
扉開閉検出SW39は、開閉枠2と開閉扉3の一方に設けられ、開閉枠2と開閉扉3の他方に設けられた被検出部を検出可能なもの(例えば、近接スイッチや光学センサ)であり、開閉扉3が閉じた状態から少しでも開けられると、扉開閉検出SW39が開閉扉3の開放を検出する。この扉開閉検出SW39は、払出制御基板32に接続されているが、演出制御基板33、画像制御基板34、遊技制御基板31、ランプ制御基板35の何れかに接続されてもよい。
【0044】
通常時制御手段41は、演出制御基板33から役物動作指令(コマンド)を受けて、その役物動作指令と、可動役物装置17の原点SW29からの検出信号に基づいて、可動役物装置17の電動モータ25(役物駆動機構24)を制御して、1対の役物部材21,22に演出動作を実行させる。そこで、1対の役物部材21,22を
図4、
図5に実線で示す初期位置から仮想線で示す作動位置へ移動させ、その後、初期位置へ復帰させる。
【0045】
例えば、役物部材21,22の演出動作により特定の演出モードへの移行が示され、そこで、大当り抽選で当選する期待度が通常よりも高いことが報知される。この特定の演出モードは特別図柄の1又は複数変動に亙って滞在するが、役物部材21,22の演出動作において、役物部材21,22が初期位置から作動位置へ移動し、そこで比較的長時間(特別図柄の複数変動に亙って)停止した後、初期位置へ復帰するようにしてもよい。
【0046】
扉開放時制御手段42は、扉開閉検出SW39により開閉扉3が開けられたこと(開閉扉3の開放操作)が検出された場合に、遊技領域4aから遊技球が本来転動しない役物作動空間を含む非遊技領域に飛び込むのを1対のガード部材に相当する役物部材21,22が阻止可能な予め設定した飛込阻止位置へ1対の役物部材21,22を移動させるように、ガード駆動手段に相当する役物駆動機構24(電動モータ25)を制御する。1対の役物部材21,22の飛込阻止位置は、1対の役物部材21,22が演出動作時に移動する移動領域内に設定され、本実施例では、
図1と
図4,
図5に仮想線で示す作動位置に設定されている。
【0047】
ここで、役物作動空間とは、可動役物装置17の役物部材21,22と役物駆動機構24の少なくとも一方の作動空間であり、この役物作動空間を含む非遊技領域が、センタ枠体15aの内側空間を介して遊技領域4aに連通している。また、この非遊技領域には他の可動役物装置の作動空間が含まれる場合がある。
【0048】
扉開放時制御手段42は、1対の役物部材21,22の演出動作時に、扉開閉検出SW39により開閉扉3が開けられたことが検出された場合には、1対の役物部材21,22の演出動作を中断させ、その際、中断時の1対の役物部材21,22の位置が飛込阻止位置(作動位置)でない場合には、1対の役物部材21,22を飛込阻止位置へ移動させ、1対の役物部材21,22の位置が飛込阻止位置である場合には、1対の役物部材21,22を飛込阻止位置に維持する。尚、1対の役物部材21,22の位置が飛込阻止位置であるか否かについては、この飛込阻止位置を実際に検出可能な位置検出SWを設け、この位置検出SWからの信号に基づいて判断するようにしてもよい。但し、1対の役物部材21,22の制御上の位置を電動モータ25の制御により把握して、その制御上の位置に基づいて判断するようにしてもよい。
【0049】
扉開放時制御手段42は、1対の役物部材21,22の演出動作を中断させた状態で、扉開閉検出SW39により開閉扉3が閉じられたことが検出された場合に、1対の役物部材21,22の演出動作を再開可能か否か判定し、肯定判定した場合には1対の役物部材21,22の演出動作を再開させ、その際、1対の役物部材21,22を初期位置へ復帰させることなく再開させ、否定判定した場合には1対の役物部材21、22の演出動作を終了させ、初期位置へ移動させる。
【0050】
ここで、通常時制御手段41が役物部材21,22に演出動作を実行させる制御は、画像表示器16による演出と同期して進行するが、役物部材21,22に演出動作を中断させた後に再開させる場合、例えば、その再開時から通常時制御手段41の制御による場合の役物部材21,22の演出動作終了時までの残時間を算出できるように構成されている。そして、前記残時間が予め設定された再開可能時間以上の場合、1対の役物部材21,22の演出動作が再開されることになる。具体的には、役物動作指令の受信時からの時間を計時し、開閉扉3が閉じられた時の前記時間が、役物動作指令に基づいて行われる演出動作の実行時間未満か否か判定し、肯定判定した場合に演出動作を再開させる。
【0051】
扉開放時制御手段42が実行する制御についてフローチャートに基づいて説明する。
図7に示すように、この制御が開始されると、開閉扉3が開放か否か判定し(S1)、S1の判定がNoの場合にはYes になるまで待機する。S1の判定がYes の場合、役物部材21,22が演出動作中か否か判定する(S2)。S2の判定がYes の場合、役物部材21,22の演出動作を中断させ(S3)、演出動作中断フラグFに1をセットし(S4)、役物部材21,22が飛込阻止位置か否か判定する(S5)。S2の判定がNo、又はS5の判定がNoの場合、役物部材21,22を飛込阻止位置へ移動させ(S6)、S5の判定がYes の場合、役物部材21,22を飛込阻止位置に維持する(S7)。
【0052】
S6又はS7の実行後、開閉扉3が閉塞か否か判定し(S8)、S8の判定がNoの場合にはYes になるまで待機する。S8の判定がYes の場合、演出動作中断フラグFが1か否か判定する(S9)。S9の判定がYes の場合、演出動作中断フラグFに0をセットし(S10)、役物部材21,22の演出動作を再開可能か否か判定する(S11)。S11の判定がNoの場合、演出部材21,22の演出動作を終了させ(S12)、S11の判定がYes の場合、演出部材21,22の演出動作を再開させる(S13)。S9の判定がNoの場合、又はS12の実行後、演出部材21,22を初期位置へ移動させる(S14)。S13、S14の実行後、夫々リターンする。
【0053】
以上説明したパチンコ遊技機1の作用効果について説明する。
遊技者が発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4aに発射して遊技している際、遊技領域4aにおいて遊技球が障害釘に引っ掛かる場合があり、更にそれを放置して遊技球を遊技領域4aに発射すると、複数の遊技球が障害釘等にブドウ状に引っ掛かる場合がある。この場合、ホール係員が開閉扉3のキーシリンダ3cにキーを差込み回して解錠を行い、開閉扉3を開けて指等を使って遊技球の引っ掛かりを解消するように対処する。
【0054】
その際、従来では、引っ掛かりを解消された遊技球が役物作動空間を含む非遊技領域へ飛び込む虞があり、そうなると、その遊技球が可動役物装置17や他の可動役物装置の役物部材や役物駆動機構の作動を阻害する位置に停留して、役物部材が正常に動作しない、役物部材や役物駆動機構が損傷する、等の不具合が生じる場合がある。
【0055】
これに対して本発明では、役物制御手段40が、扉開閉検出SW39により開閉扉3が開けられたことが検出された場合に、遊技領域4aから役物作動空間(非遊技領域)に遊技球が飛び込むのを役物部材21,22が阻止可能な予め設定した飛込阻止位置へ役物部材21,22を移動させる。つまり、遊技演出用の役物部材21,22を利用して、遊技球が役物作動空間に飛び込んで前記不具合が発生するのを抑制することができる。
【0056】
他方、遊技球が遊技領域4aから非遊技領域に飛び込むのを阻止するために、遊技領域4aと役物作動空間との間を仕切る大きな透明板を設けることも考えられるが、透明板を別途設けることで製作コストが高価になり、透明板の組付けも面倒になり、透明板の設置スペースを設けることが難しい場合があるし、透明板を設けたとしても、この透明板での光の反射により、画像表示器の画面や役物部材が見えにくくなるという新たな課題が生じる虞があるが、本発明では、こうした課題が皆無である。つまり、役物部材21,22の遊技球の飛込阻止機能により、このような透明板を設ける必要性がない。
【0057】
役物部材21,22の飛込阻止位置は、役物部材21,22が演出動作時に移動する移動領域内に設定されているため、役物部材21,22を飛込阻止位置に簡単に確実に移動させることができ、既存の可動役物装置17を採用して前記効果を実現することができる。つまり、役物部材21,22を演出動作時に移動させる移動領域外の飛込阻止位置へ移動させる場合、役物駆動機構17等の改造(設計変更)が必要になるが、本発明では、その必要性がないため、コスト的に有利になる。
【0058】
役物制御手段40は、役物部材21,22の演出動作時に、扉開閉検出SW39により開閉扉3が開けられたことが検出された場合には、役物部材21,22の演出動作を中断させて役物部材21,22を飛込阻止位置へ移動させるので、役物部材21,22の演出動作よりも飛込阻止位置への移動を優先させ、開閉扉3が開けられた際に、遊技球が非遊技領域に飛び込むのを確実に抑制することができる。
【0059】
役物制御手段40は、役物部材21,22の演出動作を中断させる際、その中断時の役物部材21,22の位置が飛込阻止位置である場合には、役物部材21,22を飛込阻止位置に維持するので、役物部材21,22を一旦初期位置へ移動させてから飛込阻止位置へ移動させる等の無駄な動作を省略することができる。
【0060】
役物制御手段40は、役物部材21,22の演出動作を中断させた状態で、扉開閉検出SW39により開閉扉3が閉じられたことが検出された場合に、役物部材21,22の演出動作を再開可能か否か判定し、肯定判定した場合には役物部材21,22の演出動作を再開させ、否定判定した場合には役物部材21,22の演出動作を終了させるので、役物部材21,22の適切な動作を実現することができる。役物制御手段40は、役物部材21,22の演出動作を再開させる際、役物部材21,22を初期位置へ復帰させることなく再開させるので、役物部材21,22の演出動作への復帰を迅速に行うことができる。
【0061】
図8は実施例1の変更形態を示す図である。この変更形態では、1対の役物部材21,22の飛込阻止位置が、1対の役物部材21,22が演出動作時に移動する移動領域内において初期位置と作動位置との間の途中位置に設定されている。
【0062】
1対の役物部材21,22の左右長は、夫々画像表示器16の画面左右長の約1/4であるため、この1対の役物部材21,22では、遊技領域4aと役物作動空間を含む非遊技領域との間を比較的大きく仕切ることは困難である。この変更形態では、遊技球が遊技領域4aのうちセンタ役物15の左右両側部分から飛び込む虞があることを想定した適切な位置に、1対の役物部材21,22の飛込阻止位置を設定している。
【0063】
尚、実施例1において、役物部材21,22のサイズ(特に左右長)については適宜変更可能である。遊技球が非遊技領域に飛び込むのを阻止する機能を高めるために、役物部材21,22の左右長が大きな役物部材を採用することが望ましい。
【実施例2】
【0064】
図9〜
図11に示すように、実施例2は、実施例1において遊技演出用の第2可動役物装置17Aを更に備え、実施例1の役物制御手段40を変更したものである。第2可動役物装置17Aは、センタ役物15に装備され、可動役物装置17(第1可動役物装置17)と同様に、大当り抽選に関する報知(例えば、大当り抽選での当選、或いは当選期待度が高い旨の報知等)を行うために作動して、役物部材21A(第2役物部材21A)が1対の役物部材21,22(第1役物部材21,22)とは独立に画像表示器4の前側で演出動作を実行して遊技盤4の盤面と平行な上下方向へ移動する。
【0065】
第2可動役物装置17Aにおいては、役物部材21Aが、画像表示器16の画面左右長の約1/2の左右長を有し、
図9に仮想線で示す初期位置と実線で示す作動位置とに亙って、電動モータ25Aを有する役物駆動機構24Aにより移動駆動され、また、役物部材21Aの初期位置が原点SW29Aにより検出される。ここで、非遊技領域には、第2可動役物装置17Aの役物部材21Aと役物駆動機構24Aの少なくとも一方の作動空間が含まれている。
【0066】
図11に示すように、役物制御手段40Aにおいて、通常時役物制御手段41Aは、実施例1で説明したように電動モータ25を制御して、1対の役物部材21,22に演出動作を実行させる他、演出制御基板33から第2の役物動作指令(コマンド)を受けて、その第2役物動作指令と、第2可動役物装置17Aの原点SW29Aからの検出信号に基づいて、第2可動役物装置17Aの電動モータ25Aを制御して、役物部材21Aに演出動作を実行させる。そこで、役物部材21Aを
図9に仮想線で示す初期位置から実線で示す作動位置へ移動させ、その後、初期位置へ復帰させる。
【0067】
役物制御手段40Aにおいて、扉開放時制御手段41Aは、扉開閉検出SW39により開閉扉3が開けられたことが検出された場合に、
図10に示すように、遊技領域4aから役物作動空間に遊技球が飛び込むのを複数の役物部材(役物部材21,22,21A)が協働して阻止可能な予め設定した複数の飛込阻止位置へ複数の役物部材(役物部材21,22,21A)を夫々移動させる。
【0068】
図10に示すように、1対の役物部材21,22の飛込阻止位置は、実施例1の変更形態(
図8)の飛込阻止位置と同じ位置に設定され、役物部材21Aの飛込阻止位置は、作動位置に設定されている。1対の役物部材21,22及び役物部材21Aが飛込阻止位置のとき、役物部材21Aの左右両端部と、1対の役物部材21,22の内側端部とが前後方向にラップし、これら役物部材21,22,21Aにより、遊技領域4aと役物作動空間を含む非遊技領域との間を広く仕切ることができ、つまり、遊技球が非遊技領域へ飛び込むのをより確実に阻止することが可能になる。
【0069】
1対の役物部材21,22に対する扉開放時制御は、実施例1と同様に、
図7に示すフローチャートに基づいて実行され、また、役物部材21Aに対する扉開放時制御は、
図7と同等のフローチャートに基づいて実行される。尚、役物部材21Aのサイズについては適宜変更可能である。