(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シリンダと、当該シリンダ内に摺動自在に挿入され当該シリンダ内を伸側室と圧側室に区画する環状のピストンと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて外周に上記ピストンが装着されるピストンロッドと、圧力室と、上記圧力室内に軸方向へ移動自在に挿入されて当該圧力室を上記伸側室に連通される伸側圧力室と上記圧側室に連通される圧側圧力室とに区画するフリーピストンと、当該フリーピストンを上記圧力室内で中立位置に位置決めて当該フリーピストンの中立位置からの変位を抑制する附勢力を発生するばね要素と、上記ピストンに設けられ上記伸側室と上記圧側室とを連通する伸側ポートおよび圧側ポートと、上記ピストンの圧側室側に積層されて上記伸側ポートを開閉する環状の伸側バルブと、上記ピストンの伸側室側に積層されて上記圧側ポートを開閉する環状の圧側バルブとを備えた緩衝装置において、
上記ピストンロッドは、内部に上記圧力室を形成するハウジング部と、当該ハウジング部よりも先端側に設けられて外周に上記ピストン、上記伸側バルブおよび上記圧側バルブが装着される筒状の装着筒部とを備え、
上記装着筒部の外周であって伸側バルブより圧側室側に装着される環状の伸側バルブディスクと、当該伸側バルブディスクの圧側室に面する端部から開口して上記装着筒部内を介して上記伸側室へ連通される伸側サブポートと、上記装着筒部の外周に装着されるとともに上記伸側バルブディスクに積層されて上記伸側サブポートを開閉する環状の伸側サブバルブと、
上記装着筒部の外周であって圧側バルブより伸側室側に装着される環状の圧側バルブディスクと、当該圧側バルブディスクの伸側室に面する端部から開口して上記装着筒部内を介して上記圧側室へ連通される圧側サブポートと、上記装着筒部の外周に装着されるとともに上記圧側バルブディスクに積層されて上記圧側サブポートを開閉する環状の圧側サブバルブと、
上記装着筒部内に摺動自在に挿入されて上記フリーピストンに連動し、上記伸側サブポートの上記伸側室との連通と遮断を切換えるとともに上記圧側サブポートの上記圧側室との連通と遮断を切換える切換スプールとを設けたことを特徴とする緩衝装置。
上記装着筒部は、その内部が上記圧側室とハウジング部内とに連通され、上記切換スプールは、軸方向に貫通するスプール内通路を備え、上記圧側圧力室が当該スプール内通路を介して上記圧側室へ連通されることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
上記切換スプールは、上記フリーピストンが中立位置から上記伸側圧力室を圧縮する方向へ所定の伸側変位以上変位すると上記伸側サブポートを上記伸側室へ連通させるとともに上記圧側サブポートと上記圧側室の連通を断ち、上記フリーピストンが中立位置から上記圧側圧力室を圧縮する方向へ所定の圧側変位以上変位すると上記伸側サブポートと上記伸側室の連通を断つとともに上記圧側サブポートを上記圧側室へ連通することを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝装置。
上記切換スプールは、上記フリーピストンが中立位置にある場合に、上記伸側サブポートを上記伸側室へ連通するとともに上記圧側サブポートを上記圧側室へ連通することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の緩衝装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図に基づいて本発明を説明する。本発明の緩衝装置Dは、
図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2に区画する環状のピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されて外周にピストン2に連結されるピストンロッド3と、ピストンロッド3内に設けた圧力室R3と、圧力室R3内に軸方向へ移動自在に挿入されて圧力室R3を伸側室R1に連通される伸側圧力室6と圧側室R2に連通される圧側圧力室7とに区画するフリーピストン8と、フリーピストン8を圧力室R3内で中立位置に位置決めてフリーピストン8の中立位置からの変位を抑制する附勢力を発生するばね要素としてのコイルばね9,10と、ピストン2に設けられ伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側ポート4および圧側ポート5と、ピストン2の圧側室側に積層されて伸側ポート4を開閉する環状の伸側バルブ11と、ピストン2の伸側室側に積層されて圧側ポート5を開閉する環状の圧側バルブ12と、環状の伸側バルブディスク13と、当該伸側バルブディスク13に設けた伸側サブポート14と、伸側バルブディスク13に積層されて伸側サブポート14を開閉する環状の伸側サブバルブ15と、環状の圧側バルブディスク16と、当該圧側バルブディスク16に設けた圧側サブポート17と、圧側バルブディスク16に積層されて圧側サブポート17を開閉する環状の圧側サブバルブ18と、上記フリーピストンに連動して伸側サブポート14の伸側室R1との連通と遮断を切換えるとともに圧側サブポート17の圧側室R2との連通と遮断を切換える切換スプール19とを備えて構成されている。
【0016】
この緩衝装置Dは、車両における車体と車軸との間に介装されて減衰力を発生し車体の振動を抑制するものである。なお、伸側室R1とは、車体と車軸が離間して緩衝装置Dが伸長作動する際に圧縮される室のことであり、圧側室R2とは、車体と車軸が接近して緩衝装置Dが収縮作動する際に圧縮される室のことである。
【0017】
そして、伸側室R1および圧側室R2さらには圧力室R3内には作動油等の流体が充満され、また、シリンダ1内の図中下方には、図示はしないが、シリンダ1の内周に摺接して圧側室R2の下方に気体室を区画する摺動隔壁が設けられている。なお、上記した伸側室R1、圧側室R2および圧力室R3内に充填される流体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった流体を使用することもできる。
【0018】
以下、各部について詳細に説明すると、ピストンロッド3は、
図1中下端にフランジ3bを備えたピストンロッド本体3aと、当該フランジ3bの外周に固定される筒状のハウジング部3cと、このハウジング部3cの下方に連なるハウジング部3cの外径より小外径の筒状の装着筒部3dとを備えて構成されている。そして、上記ハウジング部3cの内部は、圧力室R3とされており、このように圧力室R3はハウジング部3cによって形成されている。
【0019】
ピストンロッド本体3aは、
図1中下端には、コイルばね9を収容する収容凹部3eと、伸側室R1に臨む側方から開口して収容凹部3eに通じる絞り通路3fとを備えている。また、装着筒部3dには、側方から内部へ通じる穿孔3g,3h,3i,3jが上から順に軸方向にずらして設けられている。また、ハウジング部3cには、内方を伸側室R1へ連通するオリフィス3kが設けられている。そして、装着筒部3d内は、一端側となる
図1中下端側開口端が圧側室R2に臨んでいて圧側室R2に連通され、他端側が圧力室R3へ通じている。さらに、ハウジング部3cと装着筒部3dとの境には段部3mが設けられ、装着筒部3dの先端となる
図1中下端の外周には螺子部3nが設けられている。なお、収容凹部3eと伸側室R1とを絞りとして機能しない通路によって連通することも可能である。
【0020】
この場合、ハウジング部3cと装着筒部3dとが一つの部品として形成されて、ピストンロッド本体3aのフランジ3bに固定されているが、ハウジング部3cとピストンロッド本体3aを一部品で構成して、装着筒部3dをこれに一体化することも可能である。また、上記の一体化に際しては、加締め加工や溶接、螺子締結等の方法を採用すればよい。
【0021】
ピストン2は、環状に形成されるとともに、その内周側にピストンロッド3の装着筒部3dが挿入されている。また、このピストン2には、伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側ポート4と圧側ポート5が設けられ、伸側ポート4の
図1中下端はピストン2の
図1中下方に積層されるリーフバルブでなる伸側バルブ11にて開閉され、他方の圧側ポート5の
図1中上端もピストン2の
図1中上方に積層されるリーフバルブでなる圧側バルブ12によって開閉される。この伸側バルブ11および圧側バルブ12は、この場合、共に環状に形成されたリーフバルブとされており、内周側にはピストンロッド3の装着筒部3dが挿入され、内周側がピストンロッド3に固定されて外周側の撓みが許容され、ピストン2に積層されている。なお、伸側バルブ11および圧側バルブ12を構成するリーフバルブの積層枚数や厚みは、望む減衰特性に応じて任意に変更することができる。
【0022】
そして、伸側バルブ11は、緩衝装置Dの伸長作動時に伸側室R1と圧側室R2の差圧によって撓んで開弁し伸側ポート4を開放して伸側室R1から圧側室R2へ移動する流体の流れに抵抗を与えるとともに、緩衝装置Dの収縮作動時には伸側ポート4を閉塞するようになっていて伸側ポート4を一方通行に設定している。他方の圧側バルブ12は、伸側バルブ11とは反対に緩衝装置Dの収縮作動時に圧側ポート5を開放し、伸長作動時には圧側ポート5を閉塞するようになっていて圧側ポート5を一方通行に設定している。すなわち、伸側バルブ11は、緩衝装置Dの伸長作動時における伸側減衰力を発生する減衰力発生要素であり、他方の圧側バルブ12は、緩衝装置Dの収縮作動時における圧側減衰力を発生する減衰力発生要素である。
【0023】
なお、伸側ポート4の圧側室側の開口端には、窓4aが設けられており、当該窓4aは、ピストン2の内周へ連通されている。また、この窓4aは、上記ピストンロッド3の装着筒部3dに設けた穿孔3iを介して装着筒部3d内に通じている。
【0024】
他方、圧側ポート5の伸側室側の開口端にも窓5aが設けられており、この窓5aもピストン2の内周へ連通されている。窓5aもまた上記ピストンロッド3の装着筒部3dに設けた穿孔3hを介して装着筒部3d内に通じている。
【0025】
つづいて、ピストン2の
図1中下方であって、伸側バルブ11の
図1中下側となる圧側室側には、環状の伸側バルブディスク13が積層され、さらに、伸側バルブディスク13の
図1中下側となる圧側室側には、リーフバルブでなる伸側サブバルブ15が積層され、これらは、共にピストンロッド3の装着筒部3dの外周に装着されている。さらに、ピストン2の
図1中上方であって、圧側バルブ12の
図1中上側となる伸側室側には、圧側バルブディスク16が積層され、さらに、圧側バルブディスク16の
図1中上側となる伸側室側には、リーフバルブでなる環状の圧側サブバルブ18が積層され、これらは、共にピストンロッド3の装着筒部3dの外周に装着されている。
【0026】
そして、伸側バルブディスク13は、環状であって、圧側室側端から内周へ通じる伸側サブポート14を備えており、この伸側サブポート14の出口端が上記した伸側サブバルブ15によって開閉されるようになっている。伸側サブポート14は、上記したピストンロッド3の装着筒部3dに設けた穿孔3jを介して装着筒部3d内へと通じている。また、圧側バルブディスク16は、環状であって、伸側室側端から内周へ通じる圧側サブポート17を備えており、この圧側サブポート17の出口端が上記した圧側サブバルブ18によって開閉されるようになっている。圧側サブポート17は、上記したピストンロッド3の装着筒部3dに設けた穿孔3gを介して装着筒部3d内へと通じている。
【0027】
つまり、この場合、伸側サブバルブ15は、圧側室R2側からの圧力によっては開かずに伸側サブポート14側からの圧力を受けて撓むと伸側サブポート14を開放するようになっていて、伸側サブポート14を通過する流体の流れに抵抗を与えると共に、伸側サブポート14を一方通行に設定している。また、圧側サブバルブ18は、伸側室R1側からの圧力によっては開かずに圧側サブポート17側からの圧力を受けて撓むと圧側サブポート17を開放するようになっていて、圧側サブポート17を通過する流体の流れに抵抗を与えると共に、圧側サブポート17を一方通行に設定している。なお、伸側サブバルブ15および圧側サブバルブ18を構成するリーフバルブの積層枚数や厚みは、望む減衰特性に応じて任意に変更することができる。
【0028】
伸側バルブ11と伸側バルブディスク13との間には、環状のシム20が介装され、圧側バルブ12と圧側バルブディスク16との間には、環状のシム21が介装されている。さらに、伸側サブバルブ15よりも
図1中下方には、環状のシム22と伸側サブバルブ15の撓み量を規制する環状のバルブストッパ24が積層され、圧側サブバルブ18よりも
図1中上方には、環状のシム23が積層されている。シム20は、環状であって外径が伸側バルブ11の外径よりも小径であり、シム21は、環状であって外径が圧側バルブ12の外径よりも小径であり、シム22は、環状であって外径が伸側サブバルブ15の外径よりも小径であり、シム23は、環状であって外径が圧側サブバルブ18の外径よりも小径であり、これらシム20,21,22,23は、複数枚の環状板を積層して構成してもよい。
【0029】
上記したシム23、圧側サブバルブ18、圧側バルブディスク16、シム21、圧側バルブ12、ピストン2、伸側バルブ11、シム20、伸側バルブディスク13、伸側サブバルブ15、シム22およびバルブストッパ24は、順に上記したピストンロッド3の装着筒部3dに組み付けられ、バルブストッパ24の
図1中下方から、上記螺子部3nにピストンナット26が螺着される。このピストンナット26によって、上記したシム23、圧側サブバルブ18、圧側バルブディスク16、シム21、圧側バルブ12、ピストン2、伸側バルブ11、シム20、伸側バルブディスク13、伸側サブバルブ15、シム22およびバルブストッパ24がピストンロッド3に固定される。
【0030】
上記したように、ピストン2、圧側バルブディスク16および伸側バルブディスク13をピストンロッド3の装着筒部3dの外周に装着すると、ピストン2の伸側ポート4は、窓4aと装着筒部3dに設けた穿孔3iを通じて装着筒部3d内へ連通され、ピストン2の圧側ポート5は、窓5aと装着筒部3dに設けた穿孔3hを通じて装着筒部3d内へ連通される。また、伸側バルブディスク13に設けた伸側サブポート14も穿孔3jを通じて装着筒部3d内へ連通され、圧側バルブディスク16に設けた圧側サブポート17も穿孔3gを通じて装着筒部3d内へ連通される。
【0031】
つづいて、ピストンロッド3に設けたハウジング部3c内には、フリーピストン8が
図1中上下方向となる軸方向へ摺動自在に挿入されており、ハウジング部3c内を
図1中上方の伸側圧力室6と
図1中下方の圧側圧力室7とに区画している。
【0032】
フリーピストン8は、有底筒状とされており、底部8aを
図1中上方へ向けて筒部8bの外周をハウジング部3cの内周に摺接させてハウジング部3c内に挿入されている。なお、フリーピストン8が有底筒状とされることで、ハウジング部3cの内周との摺接長さ(
図1中摺接部分の軸方向長さ)を確保して、フリーピストン8の傾きを防止して滑らかな摺動を保証することができる。
【0033】
また、フリーピストン8は、この実施の形態の場合、筒部8bの外周に環状溝8cと、フリーピストン8の底部8aの伸側圧力室6側から開口して環状溝8cへ通じる孔8dを備えている。
【0034】
また、このフリーピストン8に、フリーピストン8の圧力室R3に対する変位量に応じてその変位を抑制する附勢力を作用させるばね要素が設けられており、このばね要素は、伸側圧力室6内であって収容凹部3eの底部とフリーピストン8の底部8aとの間に介装されるコイルばね9と、装着筒部3dの内周に設けたC型のストップリング27と詳しくは後述する切換スプール19との間に介装されるコイルばね10とで構成されている。切換スプール19は、装着筒部3d内に摺動自在に挿入されており、
図1中上端をフリーピストン8の底部8aに当接させていて、フリーピストン8は、切換スプール19を介してコイルばね9,10に挟持されて圧力室R3内で中立位置に位置決められた上で弾性支持されている。
【0035】
上記した中立位置は、フリーピストン8が圧力室R3に対してばね要素によって位置決められる位置であって、必ずしもハウジング部3cの上下方向における中間点に設定されなくともよい。
【0036】
なお、ばね要素としては、フリーピストン8を弾性支持できればよいので、コイルばね9,10以外のものを採用してもよく、たとえば、皿ばね等の弾性体を用いてフリーピストン8を弾性支持するようにしてもよい。また、切換スプール19がフリーピストン8に一体化される場合、コイルばね10を廃止してコイルばねを圧側圧力室7内に収容してフリーピストン8と段部3mとの間に介装するようにしてもよいし、コイルばね10をそのままにして別のコイルばねを圧側圧力室7内に収容してコイルばね9,10と当該別のコイルばねでばね要素を構成することも可能である。なお、底部8aを
図1中下方へ向けてフリーピストン8をハウジング部3c内に収容することで、コイルばね9の全長を短くすることができる利点がある。
【0037】
そして、上記環状溝8cは、フリーピストン8がばね要素としてのコイルばね9,10によって弾性支持されて中立位置にあるときには必ず上記オリフィス3kに対向して伸側圧力室6と伸側室R1とを連通するとともに、フリーピストン8がストロークエンドまで変位する、すなわち、フリーピストン8がフランジ3b或いは段部3mに当接するまで変位するとフリーピストン8の外周で完全にラップされて閉塞されるようになっている。また、収容凹部3eは、伸側圧力室6の一部を形成しており、絞り通路3fによって伸側室R1へ通じているので、伸側圧力室6は、上記した環状溝8c、孔8d、オリフィス3kおよび絞り通路3fによって、伸側室R1へ通じている。なお、オリフィス3kは、図示したところでは、二つ設けているが、所望する減衰特性に応じて、その設置数は任意であり、絞り通路3fについても同様に設置数は任意である。
【0038】
つまり、この緩衝装置Dの場合、フリーピストン8の中立位置からの変位量が増加していくと、オリフィス3kの開口全てが環状溝8cに対向する状況からフリーピストン8の外周に対向し始める状況に移行して徐々にオリフィス3kの流路面積が減少し始め、流路抵抗が徐々に増加する。そして、この実施の形態では、フリーピストン8の変位量の増加に伴って徐々にオリフィス3kの流路面積が減少し、フリーピストン8がストロークエンドに達すると、オリフィス3kが完全にフリーピストン8の外周で閉塞されて流路抵抗が最大となり、伸側圧力室6は絞り通路3fのみによって伸側室R1に連通されるようになっている。
【0039】
つづいて、切換スプール19は、ピストンロッド3の先端に設けた装着筒部3d内に摺動自在に挿入されてフリーピストン8に接しており、上記したようにコイルばね9,10によって挟持されて装着筒部3d内でスプール中立位置に位置決めされている。そして、切換スプール19は、フリーピストン8の圧力室R3に対する
図1中上下方向となる軸方向への変位によって、ピストンロッド3に対して
図1中上下方向となる軸方向へ変位するようになっている。なお、切換スプール19は、上記した収容凹部3eにおける底部と切換スプール19の
図1中上端との間に介装されたコイルばね9によって、常時、フリーピストン8へ向けて附勢されており、フリーピストン8から離間することはなく、フリーピストン8の上記変位に追随することができる。
【0040】
また、切換スプール19は、外周に周方向に沿って設けた二つの環状凹部19a,19bと備え、その一端となる
図1中上端は球状とされて、この上端をフリーピストン8の底部8aに当接させている。切換スプール19のフリーピストン8への当接面を球状としているので、フリーピストン8の底部8aを傷めることがない。このように、フリーピストン8と切換スプール19とが分離状態とされているので、圧力室R3内で軸方向へ摺動するフリーピストン8と、装着筒部3d内で軸方向へ摺動する切換スプール19が偏心していても容易に組み立てることができ、フリーピストン8と切換スプール19とが互いに相手の変位を妨げる摩擦力を発生することもない。
【0041】
さらに、切換スプール19は、他端となる
図1中下端から開口して、一端側の外周へ通じるスプール内通路19cを備えている。スプール内通路19cは、常時圧側圧力室7内に通じており、また、装着筒部3dの下端開口端が圧側室R2へ臨んでいることから、圧側室R2にも通じている。したがって、圧側圧力室7は、スプール内通路19cを介して圧側室R2に連通されている。このようにすることで、伸側室R1側に配置される圧側圧力室7を圧側室R2に連通するための通路をピストンロッド3に設けずに済み、ピストンロッド3の装着筒部3dの外径を小径とすることができ、ピストン2や伸側バルブディスク13、圧側バルブディスク16といった装着筒部3dへ装着する部材の大型化を回避することができる。なお、装着筒部3d内であってコイルばね10の
図1中下方側に絞り弁を設けて、圧側圧力室7と圧側室R2に差圧を生じさせるようにすることもできる。
【0042】
そして、上記したように伸側圧力室6は、伸側室R1に連通され、圧側圧力室7は、圧側室R2に連通されており、フリーピストン8が圧力室R3内で
図1中上下方向へ変位すると、当該変位によって伸側圧力室6の容積が増える場合には、それに見合って圧側圧力室7の容積が減少し、反対に、伸側圧力室6の容積が減少する場合には、それに見合って圧側圧力室7の容積が増加する。このようにフリーピストン8が変位することで、圧力室R3が見掛け上の流路として伸側室R1と圧側室R2とを連通するがごとく振る舞って、液体が圧力室R3を介して伸側室R1と圧側室R2とを行き来することになる。
【0043】
戻って、切換スプール19は、フリーピストン8の中立位置からの変位が所定の伸側変位および圧側変位に達しない位置にある際には、ピストン2の伸側ポート4に連通する穿孔3iと伸側サブポート14に連通する穿孔3jの双方に環状凹部19aを対向させて伸側サブポート14を伸側室R1へ連通し、圧側ポート5に連通する穿孔3hと圧側サブポート17に連通する穿孔3gの双方に環状凹部19bを対向させて圧側サブポート17を圧側室R2へ連通するようになっている。
【0044】
したがって、フリーピストン8の中立位置からの変位が上記した伸側変位および圧側変位に達しない位置にある際には、緩衝装置Dが伸縮作動を呈すると、流体は、伸側ポート4と伸側サブポート14を共に通過するか、或いは圧側ポート5と圧側サブポート17を共に通過して伸側室R1と圧側室R2を行き来することになる。
【0045】
他方、フリーピストン8が
図2に示すように、上方へ移動して中立位置から所定の伸側変位以上に変位する際には、切換スプール19もフリーピストン8によって
図1の状態から
図2のように上方へ押し上げられて、環状凹部19aを穿孔3i,3jに対向させて、穿孔3i,3jを環状凹部19aで連通するようになっている。なお、この状態では、切換スプール19は、外周であって環状凹部19a,19b間を穿孔3hに対向させて穿孔3hを遮断する。つまり、伸側ポート4に通じる穿孔3iと伸側サブポート14に通じる穿孔3jが切換スプール19によって連通され、圧側ポート5に通じる穿孔3hが切換スプール19によって遮断される。したがって、フリーピストン8が中立位置から所定の伸側変位以上に変位する際には、伸側サブポート14が開放状態とされて伸側室R1に連通され、圧側サブポート17は遮断されて圧側室R2との連通が断たれた状態となる。この場合、穿孔3hを切換スプール19で閉塞することに代えて、穿孔3gに切換スプール19の環状凹部19a,19b以外の部位を対向させて、これを遮断するようにしてもよい。
【0046】
また、フリーピストン8が
図3に示すように、下方へ移動して中立位置から所定の圧側変位以上に変位する際には、切換スプール19もフリーピストン8の変位でコイルばね9によって
図1の状態から
図3のように下方へ押し下げられて、環状凹部19bを穿孔3g,3hに対向させて、穿孔3g,3hを環状凹部19bで連通するようになっている。なお、この状態では、切換スプール19は、外周であって環状凹部19a,19b間を穿孔3iに対向させて穿孔3iを遮断する。つまり、圧側ポート5に通じる穿孔3hと圧側サブポート17に通じる穿孔3gが切換スプール19によって連通され、伸側ポート4に通じる穿孔3iが切換スプール19によって遮断される。したがって、フリーピストン8が中立位置から所定の圧側変位以上に変位する際には、圧側サブポート17が開放状態とされて圧側室R2に連通され、伸側サブポート14は遮断されて伸側室R2との連通が断たれた状態となる。この場合、穿孔3iを切換スプール19で閉塞することに代えて、穿孔3jに切換スプール19の環状凹部19a,19b以外の部位を対向させて、これを遮断するようにしてもよい。
【0047】
なお、伸側バルブ11、圧側バルブ12、伸側サブバルブ15および圧側サブバルブ18が通過流体に与える抵抗は、リーフバルブの積層枚数や厚みを変更することで行うことができる。また、伸側バルブ11、圧側バルブ12、伸側サブバルブ15および圧側サブバルブ18にリーフバルブを用いているので、減衰特性の設定が容易であり、また、リーフバルブを採用することで、バルブ自体の軸方向の全長が短くて済むので、緩衝装置Dのストローク長を確保でき、緩衝装置Dの車両への搭載性も向上するという利点がある。
【0048】
緩衝装置Dは、以上のように構成されるが、続いて緩衝装置Dの作動について説明する。まず、フリーピストン8の中立位置からの変位が上記した所定の伸側変位および圧側変位に達しない状態での緩衝装置Dの作動について説明する。
【0049】
この場合、切換スプール19は、伸側サブポート14を伸側室R1に連通させるとともに圧側サブポート17を圧側室R2に連通させる。この状態では、緩衝装置Dがシリンダ1に対してピストン2が
図1中上下動する伸縮作動を呈すると、ピストン2によって伸側室R1と圧側室R2の一方が圧縮され、伸側室R1と圧側室R2の他方が拡張されるので、伸側室R1と圧側室R2のうち圧縮される方の圧力が高まると同時に、伸側室R1と圧側室R2のうち容積拡大される方の圧力が低下して両者に差圧が生じて、伸側室R1と圧側室R2のうち圧縮側の流体は伸側ポート4と伸側サブポート14、或いは、圧側ポート5と圧側サブポート17のいずれかと、これに加えて、上記した見掛け上の流路を介して伸側室R1と圧側室R2のうち拡大側に移動する。
【0050】
ここで、フリーピストン8の中立位置からの変位の振幅が小さくなるのは、緩衝装置Dの振幅が小さく圧力室R3内に流入する流体量が少ない場合であり、伸縮一周期で伸側室R1と圧側室R2を行き交う流体の流量
が小さくなるのは、緩衝装置Dに入力される振動の周波数、すなわち、緩衝装置Dの伸縮方向の振動の周波数が高周波である場合である。このように高周波の振動が緩衝装置Dに入力される場合、フリーピストン8の中立位置からの変位量が少なく、伸側サブポート14および圧側サブポート17が開放され、緩衝装置Dが発生する減衰力は低くなる。そして、特に、緩衝装置Dの伸縮速度が非常に高くなる場面にあってフリーピストン8が中立位置近傍で変位しづらくなっても、フリーピストン8が中立位置近傍にある場合には、
切換スプール19が伸側サブポート14および圧側サブポート17を開放するので、このような場面でも減衰力低減効果が減殺されず、確実に緩衝装置Dの減衰力を低減することができる。
【0051】
次に、フリーピストン8の中立位置からの変位が上記した所定の伸側変位および圧側変位に達する状態での緩衝装置Dの作動について説明する。この場合は、緩衝装置Dの振幅も大きく、伸側圧力室6或いは圧側圧力室7に大流量が流入して、フリーピストン8が中立位置から大きく変位し、ストロークエンドまでのストローク余裕が少なくなる状況であり、ストロークエンドまで達すると、見掛け上の流路を介して伸側室R1と圧側室R2の流体の交流が少なくなるので、高周波振動の入力に対して減衰力を低減する効果が少なくなる。
【0052】
しかしながら、このようにフリーピストン8が変位すると、切換スプール19は、フリーピストン8が中立位置から伸側圧力室6を圧縮する方向へ変位している場合、伸側サブポート14を開放して圧側サブポート17を遮断し、他方、フリーピストン8が中立位置から圧側圧力室7を圧縮する方向へ変位している場合、圧側サブポート17を開放して伸側サブポート14を遮断する。
【0053】
そして、切換スプール19が伸側サブポート14を開放して圧側サブポート17を遮断している状態では、緩衝装置Dが伸長作動をすると、伸側室R1の流体は伸側ポート4のみならず伸側サブポート14をも介して圧側室R2へ移動するので、緩衝装置Dは、低い減衰力を発生する。この状態で、緩衝装置Dが収縮作動をすると、圧側サブポート17が遮断されているので、圧側室R2の流体は圧側ポート5のみを介して伸側室R1へ移動するので、緩衝装置Dは、高い減衰力を発生する。
【0054】
フリーピストン8が中立位置から伸側圧力室6を圧縮する方向へ変位しているということは、緩衝装置Dは、大振幅で収縮作動を呈していた状況であるから、さらに収縮作動を呈する場合には、高減衰力を発揮し、反対に、収縮作動を終えて伸長作動に転じる場合には低い減衰力を発揮することになる。
【0055】
つまり、この状況では、車体が車輪に対して大きく沈み込む場合に緩衝装置Dは高い減衰力を発揮してこれを抑制し、反対に、車体が車輪から離間する、すなわち、緩衝装置Dが伸びようとすると、減衰力を低減させて当該車体の動きを極力抑制しないようにして、車体振動を低減する。
【0056】
逆に、切換スプール19が伸側サブポート14を遮断して圧側サブポート17を開放している状態では、緩衝装置Dが伸長作動をすると、伸側サブポート14が遮断されているので、伸側室R1の流体は伸側ポート4のみを介して圧側室R2へ移動するので、緩衝装置Dは、高い減衰力を発生する。この状態で、緩衝装置Dが収縮作動をすると、圧側室R2の液体は圧側ポート5のみならず圧側サブポート17をも介して伸側室R1へ移動するので、緩衝装置Dは、低い減衰力を発生する。
【0057】
フリーピストン8が中立位置から圧側圧力室7を圧縮する方向へ変位しているということは、緩衝装置Dは、大振幅で伸長作動を呈していた状況であるから、さらに伸長作動を呈する場合には、高減衰力を発揮し、反対に、伸長作動を終えて収縮作動に転じる場合には低い減衰力を発揮することになる。
【0058】
つまり、この状況では、車体が車輪から大きく離間する場合に緩衝装置Dは高い減衰力を発揮してこれを抑制し、反対に、車体が車輪へ沈み込む方向へ変位する、すなわち、緩衝装置Dが縮もうとする際には、減衰力を低減させて当該車体の動きを極力抑制しないようにして、車体振動を低減する。
【0059】
以上をまとめると、緩衝装置Dが大振幅の収縮作動を呈してフリーピストン8が中立位置から所定の伸側変位以上変位する場合、それ以上の収縮作動に対して緩衝装置Dは高い減衰力を発揮し、伸長作動に転じると緩衝装置Dは低い減衰力を発揮し、緩衝装置Dが大振幅の伸長作動を呈してフリーピストン8が中立位置から所定の圧側変位以上変位する場合、それ以上の伸長作動に対して緩衝装置Dは高い減衰力を発揮し、収縮作動に転じると緩衝装置Dは低い減衰力を発揮する。そのため、この緩衝装置Dでは、車体振動を効果的に抑制して車両における乗り心地を向上することができる。
【0060】
また、緩衝装置Dは、大振幅で伸縮作動を呈する状況以外では、入力される振動周波数が高くなると減衰力を低減することができるので、入力振動周波数に依存した減衰力を発揮して、車軸側の振動の車体側への伝達を絶縁して、車両における乗り心地を良好なものとすることができる。
【0061】
すなわち、この緩衝装置Dによれば、伸縮速度が非常に高くなる場面にあってフリーピストン8が中立位置近傍で変位しづらくなっても、フリーピストン8が中立位置近傍にある場合には、切換スプール19が伸側サブポート14および圧側サブポート17を開放するので、高周波振動の入力時に減衰力低減効果が減少されず、確実に緩衝装置Dの減衰力を低減することができる。
【0062】
また、この緩衝装置Dにあっては、フリーピストン8が中立位置から伸側圧力室6を圧縮する方向へ変位している場合には、切換スプール19は、伸側サブポート14を開放して圧側サブポート17を遮断し、他方、フリーピストン8が中立位置から圧側圧力室7を圧縮する方向へ変位している場合には、圧側サブポート17を開放して伸側サブポート14を遮断するので、緩衝装置Dの伸縮方向の切換時に高い減衰力が発生されてしまうことがなく、車軸側から車体への振動伝達を効果的に絶縁することができる。
【0063】
そして、フリーピストン8における中立位置からの変位量がオリフィス3kを閉塞し始める変位を可変変位とすると、フリーピストン8の中立位置からの変位量が上記可変変位に達すると、この可変変位に達してからはその変位量に応じて、徐々に流路面積を小さくする。つまり、フリーピストン8が可変オリフィス3kを閉塞し始めた後は変位量に応じて可変オリフィス3kにおける流路抵抗が徐々に大きくなる。なお、可変変位は、フリーピストン8の伸側圧力室6を圧縮する方向と圧側圧力室7を圧縮する方向とで異なるように設定されてもよく、伸側変位および圧側変位に対して独立に設定することができる。
【0064】
したがって、フリーピストン8が可変オリフィス3kを閉塞し始める位置を超えて変位するようになると、徐々に可変オリフィス3kの流路抵抗が徐々に大きくなって、フリーピストン8のそれ以上のストロークエンド側への移動速度が減少されて、フリーピストン8とピストンロッド3との軸方向で勢いよく衝突することが防止されて、大きな打音の発生を抑制することができる。なお、フリーピストン8とピストンロッド3のいずれかにこれらの衝突音の発生を防止するクッションを設けるようにしてもよい。
【0065】
また、フリーピストン8が可変変位に達するまで変位し、伸側変位および圧側変位を超えて変位する場合には、フリーピストン8の中立位置方向への変位も抑制されるので、減衰力の高低の切り換わりが振動的になってしまうことが抑制され、安定した減衰力を発揮することができる。また、フリーピストン8の変位速度が緩慢となって切換スプール19が伸側サブポート14と圧側サブポート17の開閉を徐々に行うので、減衰特性の急変が回避されて乗心地のより一層の向上が望める。
【0066】
そして、この緩衝装置Dにあっては、ピストンロッド3が圧力室R3を形成してフリーピストン8が収容されるハウジング部3cよりも先端側に装着筒部3dを備えており、この装着筒部3dの外周にピストン2、伸側バルブ11、圧側バルブ12、伸側バルブディスク13、伸側サブバルブ15、圧側バルブディスク16および圧側サブバルブ18が装着され、内周に切換スプール19を摺動自在に挿入されるようになっているので、伸側バルブ11、圧側バルブ12、伸側サブバルブ15および圧側サブバルブ18の厚みを変更しても、フリーピストン8と切換スプール19の位置に影響しない。
【0067】
したがって、本発明の緩衝装置Dによれば、減衰特性をチューニングするために伸側バルブ11、圧側バルブ12、伸側サブバルブ15および圧側サブバルブ18を構成するリーフバルブの積層枚数を変更しても、フリーピストン8と切換スプール19の中立位置に全く影響がなく、シム20,21,22,23等を用いたフリーピストン8と切換スプール19の中立位置の調整を行う必要がないので、煩わしい中立位置調整から解放され、緩衝装置Dの組立が非常に簡単となる。
【0068】
また、ピストンロッド3の外周には、ピストン2、伸側バルブ11、圧側バルブ12、伸側バルブディスク13、伸側サブバルブ15、圧側バルブディスク16および圧側サブバルブ18といった多くの各部材が装着され、これら部材全部の軸方向長さには、各部材の寸法誤差が重畳されるが、寸法誤差によってピストンナット26の取付位置が製品毎に異なっても、フリーピストン8と切換スプール19の中立位置には影響を与えることもない。したがって、高精度の寸法管理も不要となり、緩衝装置Dの加工コストも低減することができる。
【0069】
また、緩衝装置Dは、伸側サブポート14を開閉する伸側サブバルブ15と、圧側サブポート17を開閉する圧側サブバルブ17とを備えているので、伸側サブポート14と圧側サブポート17の開放の際において、伸長作動時と収縮作動時における減衰力を異ならしめることができる。
【0070】
さらに、この緩衝装置Dにあっては、切換スプール19が圧側室R2と圧側圧力室7とを連通するスプール内通路19cを備え、スプール内通路19cの途中に絞り弁等を設けておらず、切換スプール19の
図1中上下端となる両端には等しい圧力が作用して切換スプール19が上下方向に附勢されないので、フリーピストン8の変位に影響を与えることがない。
【0071】
加えて、緩衝装置Dにあっては、伸側バルブディスク13は、伸側バルブ11の圧側室R2側に積層され、伸側サブバルブ15は、伸側バルブディスク13の圧側室R2側に積層され、圧側バルブディスク16は、圧側バルブ12の伸側室R1側に積層され、圧側サブバルブ18は、圧側バルブディスク16の伸側室R1側に積層されているので、伸側バルブ11と伸側サブバルブ15が互いに対面せず、圧側バルブ12と圧側サブバルブ18が互いに対面しないので、各々の撓みが阻害されることがないので、安定した減衰力を発揮することができる。
【0072】
なお、上記したところでは、ハウジング部3cにオリフィス3kを設けて、フリーピストン8の変位によって流路面積を可変にしているが、オリフィス3k、環状溝8cおよび孔8dを廃止することもできる。
【0073】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。