(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記伝熱部の前記本体部側の端部の少なくとも一部と、前記本体部の端部の側の放熱面と、の間には、ソルダーレジストから形成されたソルダーレジスト部が設けられていないことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る照明装置を例示するための模式図である。
なお、
図1(a)は照明装置の模式部分断面図、
図1(b)は
図1(a)におけるA−A矢視断面図である。
図2は、伝熱部を例示するための模式斜視図である。
図1(a)に示すように、照明装置1には、本体部2、光源3、グローブ5、口金部6、制御部7、伝熱部9が設けられている。
【0008】
本体部2は、例えば、口金部6側からグローブ5側に向かうにつれて軸方向に垂直な方向における断面積が漸増する様な形状とすることができる。ただし、これに限定されるわけではなく、例えば、光源3やグローブ5などの大きさ、口金部6の大きさなどに応じて適宜変更することができる。この場合、白熱電球のネック部分の形状に近似させるものとすれば既存の白熱電球との置き換えを容易とすることができる。
【0009】
本体部2は、例えば、熱伝導率の高い材料から形成されるものとすることができる。本体部2は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、これらの合金などの金属から形成されるものとすることができる。ただし、これらに限定されるわけではなく窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al
2O
3)などの無機材料、高熱伝導性樹脂などの有機材料などから形成されるものとすることもできる。
【0010】
光源3は、本体部2の一方の端部2aの中央に設けられている。光源3の照射面3aは、照明装置1の中心軸1aに垂直となるように設けられ、主に、照明装置1の軸方向に向けて光を照射する。光源3は、例えば、複数の発光素子3bを有するものとすることができる。ただし、発光素子3bの数は適宜変更することができ、照明装置1の用途や発光素子3bの大きさなどに応じて1個以上の発光素子3bが設けられるようにすればよい。
【0011】
発光素子3bは、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどのいわゆる自発光素子などとすることができる。複数の発光素子3bが設けられる場合には、マトリックス状、千鳥状、放射状などのように規則的な配設形態とすることもできるし、任意の配設形態とすることもできる。
【0012】
グローブ5は、光源3を覆うようにして、本体部2の端部2a側に設けられている。グローブ5は、光の照射方向に突出する曲面を有したものとすることができる。
グローブ5は、伝熱部9により画される領域毎に分割して設けられ、伝熱部9の端面がグローブ5から露出するようになっている。
グローブ5は、透光性を有し、光源3から照射された光が照明装置1の外部に出射することができるようになっている。グローブ5は、透光性の材料から形成されるものとすることができ、例えば、ガラス、ポリカーボネートなどの透明樹脂、透光性セラミックスなどから形成されるものとすることができる。また、必要に応じてグローブ5の内面に拡散剤や蛍光体などを塗布したり、グローブ5の内部に拡散剤や蛍光体などを含ませたり(透光性の材料に拡散剤や蛍光体を練り込んだり)することができる。
【0013】
口金部6は、本体部2のグローブ5が設けられる側とは反対側の端部2bに設けられている。口金部6は、白熱電球が装着されるソケットに取付可能な形状を有するものとすることができる。口金部6は、例えば、JIS規格に定められているE26形やE17形などと同様の形状を有するものとすることができる。ただし、口金部6は、例示をした形状に限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、口金部6は、蛍光ランプに使用されるピン形の端子を有するものとすることもできるし、引掛シーリングに使用されるL字形の端子を有するものとすることもできる。
図1(a)に例示をした口金部6は、ねじ山を有する筒状のシェル部6aと、シェル部6aの本体部2に設けられる側の端部とは反対側の端部に設けられたアイレット部6bとを有している。シェル部6a、アイレット部6bには、後述する制御部7が電気的に接続されている。
【0014】
制御部7は、本体部2の内部に形成された空間に設けられている。
制御部7は、光源3に電力を供給する点灯回路を有するものとすることができる。また、制御部7は、光源3の調光を行うための調光回路をも有するものとすることができる。
【0015】
また、光源3と本体部2との間には基板8が設けられている。
基板8は、例えば、熱伝導率の高い材料から形成されるものとすることができる。基板8は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、これらの合金などの金属から形成され、表面に絶縁層を介して図示しない配線パターンが形成されたものとすることができる。なお、基板8の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、基板8は、樹脂を用いた基材の表面に配線パターンが形成されたものとすることができる。基板8は、窒化アルミニウム(AlN)などの無機材料、高熱伝導性樹脂などの有機材料の基材を用いることができる。ただし、熱伝導率の高い材料から形成された基板8とすれば、光源3において発生した熱を基板8、本体部2を介して外部に放出することが容易となる。また、後述するように、光源3において発生した熱を基板8、伝熱部9、グローブ5を介して外部に放出することが容易となる。なお、基板8、伝熱部9、グローブ5を介して熱を放出することに関する詳細は後述する。
【0016】
ここで、光源3において発生した熱は基板8、本体部2を介して外部に放出される。
しかしながら、照明装置1のさらなる高光束化を図るために光源3に投入する電力を増加させる場合などにおいては、本体部2側からの放熱だけでは充分な冷却効果が得られなくなるおそれがある。
また、光源3に発光素子3bを用いるものとすれば、白熱電球と比べて配光角が狭くなるという問題がある。この場合、グローブ5の形状を全球状に近づければ配光角を拡げることができる。しかしながら、後述するように、グローブ5の形状を全球状に近づければ本体部2の大きさが小さくなるので、本体部2側からの放熱だけでは充分な冷却効果が得られなくなるおそれがある。
【0017】
図3は、グローブの形状と配光角との関係を例示するための模式図である。
なお、
図3(a)はグローブ15の形状が半球状の場合、
図3(b)はグローブ25の形状が全球状に近い場合である。
また、図中の矢印は光りの進行方向を表している。この場合、煩雑となるのを避けるために、配光角の説明に必要なものを代表して記載している。
ここで、既存の白熱電球との置き換えを考慮すると、照明装置1の外形寸法が白熱電球となるべく同じ様になることが好ましい。そのため、
図3(a)、
図3(b)においては、グローブ15、25の直径寸法をD、照明装置の高さ寸法をHとし、これらが白熱電球の該当部の寸法とほぼ同じとなるようにしている。
【0018】
図3(b)に示すように、グローブ25の形状を全球状に近づければ、
図3(a)に示す半球状のグローブ15の場合よりもさらに後方にまで光を照射することができる。そのため、配光角を拡げることができる。
しかしながら、グローブ25の形状を全球状に近づければ、グローブ25の高さ寸法H1bがグローブ15の高さ寸法H1aよりも大きくなる。一方、照明装置の高さ寸法Hが一定となっているため、本体部22の高さ寸法H2bが本体部12の高さ寸法H2aよりも小さくなる。すなわち、配光角を拡げるためにグローブ5の形状を全球状に近づければ本体部2の大きさが小さくなり、本体部2側からの放熱が行い難くなるおそれがある。
【0019】
この様に、高光束化、配光角の拡大などのような照明装置の基本性能を向上させるようにすると、本体部2側からの放熱だけでは充分な冷却効果が得られなくなるおそれがある。
そこで、本実施の形態においては、伝熱部9を設けることでグローブ5側への放熱量を増大させるようにしている。
【0020】
伝熱部9は、グローブ5、および本体部2の端部2aの側の放熱面の少なくともいずれかと熱的に接合する。
この場合、
図1(a)、
図2に示すように、伝熱部9は、グローブ5と少なくとも一部が熱的に接合する周縁部9aと、本体部2の端部2aと少なくとも一部が熱的に接合する端部9bと、基板8と少なくとも一部が熱的に接合する端部9cと、光源3の照射面3aと少なくとも一部が熱的に接合する端部9dと、を有するものとすることができる。
ただし、少なくとも周縁部9aが設けられていればよい。
【0021】
なお、本明細書において「熱的に接合する」とは、伝熱部9と相手側部材との間において、熱伝導、対流、輻射(放射)の少なくともいずれかにより熱が伝わることを意味する。
例えば、伝熱部9と接触させるなどして熱伝導により熱を伝えるようにすることもできるし、伝熱部9との間に僅かな隙間を設けて、対流や輻射により熱を伝えるようにすることもできる。
すなわち、伝熱部9の周縁部9a、端部9b、端部9c、端部9dは、相手側部材と接触させてもよいし、熱を伝えることができる程度に離隔させてもよい。
【0022】
この場合、熱伝導によるものとすれば、放熱効果を向上させることができるので、伝熱部9の周縁部9a、端部9b、端部9c、端部9dは、相手側部材と接触させるようにすることが好ましい。
なお、熱的な接合は、必ずしも周縁部9a、端部9b、端部9c、端部9dの全域において行われる必要はなく、少なくとも一部において行われるようにすればよい。
この場合、なるべく広い領域において熱的な接合が行われるようにすることがより好ましい。
【0023】
また、本体部2の端部2a、基板8、および光源3の照射面3aの少なくともいずれかが本体部2の端部2aの側の放熱面となる。そのため、これらの放熱面の少なくともいずれかと、少なくとも一部が熱的に接合する伝熱部9の端部が設けられるようにすればよい。
【0024】
また、端部9b、9c、9dの少なくとも一部と、端部2aの側の放熱面と、の間に熱伝導率の高い材料を含む接合部80を設けるようにすることができる。
例えば、本体部2の端部2aと端部9bとを半田などにより接合することで、接合部80を設けるようにすることができる。また、例えば、基板8と端部9cとを半田などにより接合することで、接合部80を設けるようにすることができる。また、例えば、光源3の照射面3aと端部9dとを、例えば、熱伝導率の高いセラミックスフィラーや金属フィラーなどが添加された高伝熱性接着剤などにより接合することで、接合部80を設けるようにすることができる。
また、グローブ5と周縁部9aとの間に熱伝導率の高い材料を含む接合部80を設けるようにすることができる。
グローブ5と周縁部9aとを、例えば、熱伝導率の高いセラミックスフィラーや金属フィラーなどが添加された高伝熱性接着剤などにより接合することで、接合部80を設けるようにすることができる。
【0025】
伝熱部9の周縁部や端部と相手側とを熱的に接合させるために、単に接触させるようにするだけでも良い。しかしながら、伝熱部9の周縁部や端部と相手側とを熱伝導率の高い材料を含む接合部80を介して接合させるようにすれば、熱抵抗を低下させることができるので、後述する冷却効果を向上させることができる。
また、伝熱部9の端部と相手側とを接合する際に隙間が生じる場合がある。隙間が生じると熱抵抗が大きくなるので、隙間が生じた場合にも接合部80を介して接合させるようにすれば、熱抵抗を低下させることができる。
【0026】
伝熱部9は、熱伝導率の高い材料から形成されるものとすることができる。伝熱部9は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、これらの合金などの金属から形成されるものとすることができる。ただし、これらに限定されるわけではなく窒化アルミニウム(AlN)などの無機材料、高熱伝導性樹脂などの有機材料などから形成されるものとすることもできる。
【0027】
また、伝熱部9のグローブ5側の端部には段差を設けることができる。
伝熱部9とグローブ5との間には、製造誤差などによる隙間が生じる場合がある。伝熱部9とグローブ5との間に隙間が生じると、光源3から照射された光が隙間から漏れたり、外部にある塵灰が隙間からグローブ5の内側に侵入したりするおそれがある。
そのため、伝熱部9のグローブ5側の端部に段差を設けるようにしている。
【0028】
図4は、伝熱部9の段差に設けられた段差部9fを例示するための模式部分拡大図である。
例えば、
図4(a)に示すように、段差部9f1は、伝熱部9の厚み方向に窪む凹状の形態を有するものとすることができる。凹状の形態を有する段差部9f1とすれば、凹状の部分において、伝熱部9とグローブ5とを重ね合わせることができる。そのため、光源3から照射された光が隙間から漏れたり、外部にある塵灰が隙間からグローブ5の内側に侵入したりすることを抑制することができる。また、グローブ5の組み付けを容易とすることもできる。この場合、伝熱部9の端面9eと、グローブ5の外周面5aとが面一となるようにすることが好ましい。
また、例えば、
図4(b)、(c)に示すように、段差部9f2は、伝熱部9の厚み方向に突出する凸状の形態を有するものとすることができる。凸状の形態を有する段差部9f2とすれば、凸状の部分において、伝熱部9とグローブ5とを重ね合わせることができる。そのため、光源3から照射された光が隙間から漏れたり、外部にある塵灰が隙間からグローブ5の内側に侵入したりすることを抑制することができる。また、グローブ5の組み付けを容易とすることもできる。
この場合、
図4(c)に示すように、伝熱部9の端面9eと、グローブ5の外周面5aとが面一となるようにすることが好ましい。
また、例えば、
図4(d)に示すように、凹状の形態と、凸状の形態を有する段差部9f3とすることもできる。
すなわち、伝熱部9は、グローブ5側の端部に、伝熱部9の厚み方向に突出する凸状、および、伝熱部9の厚み方向に窪む凹状の少なくともいずれかの形態を有する段差部を有したものとすることができる。
【0029】
ここで、グローブ5の内側に単に伝熱部9を設けるようにすれば、グローブ5に生じる明部と暗部との差が大きくなり照明装置1における輝度ムラが大きくなるおそれがある。 そのため、伝熱部9は、光源3から照射された光を反射することができるようになっている。
この場合、例えば、伝熱部9はグローブ5よりも高い反射率を有したものとすることができる。
伝熱部9は、例えば、反射層60を表面に有したものとすることができる。
反射層60は、例えば、白色塗料を塗布することで形成された層とすることができる。 この場合、白色塗装に用いられる塗料は、照明装置1において発生する熱に対する耐性と、光源3から照射された光に対する耐性とを有したものとすることが好ましい。その様な塗料としては、例えば、酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO
4)、酸化マグネシウム(MgO)等の白色顔料を少なくとも1種以上含む、ポリエステル樹脂系の白色塗料、アクリル樹脂系の白色塗料、エポキシ樹脂系の白色塗料、シリコーン樹脂系の白色塗料、ウレタン樹脂系の白色塗料、あるいは、これらから選択される2種以上の白色塗料を組合せたものなどを例示することができる。
ただし、反射層60はこれに限定されるわけではなく、例えば、反射率の高い銀やアルミニウムなどの金属を、めっき法、蒸着法、スパッタリング法、等によりコーティングしたり、基材とクラッド化することで形成された層とすることもできる。
また、伝熱部9自体を反射率の高い材料から形成するようにしてもよい。
【0030】
図5は、反射層の反射率を例示するためのグラフ図である。
なお、
図5中の100はアルミニウム(JIS規格に定められているA1050)圧延板で形成された反射層の場合、101はポリエステル樹脂系の白色塗料を塗布することで形成された反射層の場合である。
反射層60を設けたり、伝熱部9自体を反射率の高い材料から形成したりする場合には、光源3から照射された光に対する反射率が90%以上となるようにすることが好ましく、反射率が95%以上となるようにすることがより好ましい。なお、本明細書中における反射率は、光の波長が、少なくとも、460nm近傍か570nm近傍におけるものである。
そのため、反射層60は、ポリエステル樹脂系の白色塗料を塗布することで形成されたものとすることがより好ましい。
伝熱部9が光源3から照射された光を反射することができるものとすれば、グローブ5に生じる明部と暗部との差を小さくすることができるので、照明装置1における輝度ムラを小さくすることができる。また、照明装置1における配光角を拡げることもできる。
【0031】
また、伝熱部9は、板状の形態、または複数の板状体を交差させた形態を有するものとすることができる。例えば、
図1、
図2に例示をした伝熱部9は、2つの板状体を十字に交差させた形態を有するものである。
また、伝熱部9は、照明装置1の光軸に対して回転対称となる形態を有したものとすることができる。
この場合、
図1に例示をしたもののように、平面視において、本体部2の一方の端部2aの中心と光源3の中心とが重なるようにされている場合には、照明装置1の中心軸1aが照明装置1の光軸となる。
【0032】
そのため、
図1に例示をした照明装置1の場合には、伝熱部9は、照明装置1の中心軸1aに対して回転対称となる形態を有したものとすることができる。
伝熱部9が照明装置1の光軸に対して回転対称となる形態を有したものとすれば、伝熱部9により画された領域における輝度が相互に同等となるようにすることができる。
そのため、グローブ5に生じる明部と暗部との差を小さくすることができるので、照明装置1における輝度ムラを小さくすることができる。
【0033】
図6は、伝熱部が設けられていない照明装置における放熱の様子を例示するための模式図である。
なお、
図6(a)は照明装置の温度分布を例示するための模式図、
図6(b)は本体部2の端部2a近傍における温度分布を例示するための模式図である。
図7は、伝熱部が設けられている照明装置における放熱の様子を例示するための模式図である。
なお、
図7(a)はグローブ5の内面と伝熱部の端面とが接触している場合(伝熱部の端面がグローブ5から露出していない場合)、
図7(b)は伝熱部9の端面がグローブ5から露出している場合である。
また、
図6、
図7は、シミュレーションにより照明装置の温度分布を求めたものであり、光源3の出力を5W(ワット)程度、環境温度を25℃程度とした場合である。
また、温度分布をモノトーン色の濃淡で表し、温度が高い程濃く、温度が低いほど淡くなるように表示した。
【0034】
伝熱部9が設けられていない場合には、
図6(a)に示すように、グローブ5の表面温度は低くなるが、本体部2の温度が高くなる。
この場合、
図6(b)に示すように、本体部2の端部2a近傍における温度が高くなる。
すなわち、伝熱部9が設けられていない場合には、光源3において発生した熱は本体部2側から放出され、グローブ5側からの熱の放出が少ないことがわかる。また、
図6(b)に示すように、本体部2側からの放熱だけでは充分な冷却効果が得られていないこともわかる。
これに対して、伝熱部9が設けられている場合には、光源3において発生した熱を伝熱部9によりグローブ5側に伝達することができる。そのため、
図7(a)、(b)に示すように、グローブ5側からの放熱により本体部2の温度を低下させることができる。
またさらに、伝熱部9の端面がグローブ5から露出しているようにすれば、
図7(b)に示すように、本体部2の温度をさらに低下させることができる。
本体部2の温度が低下するということは、発光素子3bの温度上昇を抑制することができることを意味する。そのため、光源3に投入する電力を増加させることができるので、高光束化を図ることができるようになる。
【0035】
本実施の形態によれば、伝熱部9を介してグローブ5側からも熱を放出することができるので、照明装置1の放熱性を向上させることができる。そのため、照明装置1の長寿命化を図ることができる。また、高光束化、配光角の拡大などのような照明装置1の基本性能を向上させることが可能となる。
また、伝熱部9を光源3から照射された光を反射することができるものとすれば、グローブ5に生じる明部と暗部との差を小さくすることができるので、照明装置1における輝度ムラを小さくすることができる。
また、伝熱部9を照明装置1の光軸に対して回転対称となる形態を有したものとすれば、グローブ5に生じる明部と暗部との差を小さくすることができるので、照明装置1における輝度ムラを小さくすることができる。
【0036】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係る照明装置を例示するための模式斜視図である。
なお、
図8(a)は光源を平面的に配置した伝熱部を例示するための模式斜視図であり、
図8(b)は光源を立体的に配置した伝熱部を例示するための模式斜視図である。
図8(a)、(b)に示すように、照明装置11a、11bには、本体部2、光源13、グローブ5、伝熱部190、191が設けられている。また、図示は省略したが、前述した照明装置1と同様に口金部6、制御部7が設けられている。
この場合、
図1、
図2に例示をしたものとは、光源13の配設形態が異なっている。
【0037】
図8(a)に示すように、照明装置11aにおいては、本体部2の端部2aに基板18を介して3つの光源13が設けられている。この場合、光源13は照明装置11aの中心軸11a1に対して回転対称となる位置にそれぞれ設けられている。
図8(b)に示すように、照明装置11bにおいては、本体部2の端部2aに凸部2cが設けられている。
凸部2cは、正三角錐形状を呈し、その斜面には基板18を介して光源13がそれぞれ設けられている。この場合、光源13は照明装置11bの中心軸11b1に対して回転対称となる位置にそれぞれ設けられている。
また、凸部2cの頂点は、照明装置11bの中心軸11b1が通る位置に設けられている。
【0038】
図8(b)に示す照明装置11bにおいては、光源13は凸部2cの斜面に設けられているので、それぞれの光源13の光軸は照明装置11bの中心軸11b1と交差することになる。しかしながら、光源13は照明装置11bの中心軸11b1に対して回転対称となる位置にそれぞれ設けられているので、照明装置11bの中心軸11b1が照明装置11bの光軸となる。
【0039】
凸部2cは、例えば、熱伝導率の高い材料から形成されるものとすることができる。凸部2cは、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、これらの合金などの金属から形成されるものとすることができる。ただし、これらに限定されるわけではなく窒化アルミニウム(AlN)などの無機材料、高熱伝導性樹脂などの有機材料などから形成されるものとすることもできる。この場合、凸部2cと本体部2とが同一の材料から形成されるものとすることもできるし、異なる材料から形成されるものとすることもできる。また、凸部2cと本体部2とを一体的に形成することもできるし、凸部2cと本体部2とを熱伝導率の高い材料を介して接合することもできる。
【0040】
光源13は、光源3と同様に1個以上の発光素子3bが設けられたものとすることができる。なお、発光素子3bの数は、照明装置11a、11bの用途や発光素子3bの大きさなどに応じて適宜変更することができる。
図8(b)に例示をしたものにおいては、正三角錐形状を呈した凸部2cの3つの斜面に光源13がそれぞれ1つずつ設けられている。
【0041】
基板18は、基板8と同様に、熱伝導率の高い材料から形成されるものとすることができる。基板18は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、これらの合金などの金属から形成され、表面に絶縁層を介して図示しない配線パターンが形成されたものとすることができる。
【0042】
図8(a)に示す照明装置11aに設けられた伝熱部190は、グローブ5、および本体部2の端部2aの側の放熱面の少なくともいずれかと熱的に接合する。
この場合、伝熱部190は、グローブ5と少なくとも一部が熱的に接合する周縁部190aと、本体部2の端部2aと少なくとも一部が熱的に接合する端部190bと、を有するものとすることができる。なお、端部190aは前述した伝熱部9の端部9aに相当する。また、端部190bは前述した伝熱部9の端部9bに相当する。また、基板18の大きさや形状に応じて、前述した伝熱部9の端部9cに相当する端部が設けられるようにすることもできる。
図6(b)に示す照明装置11bに設けられた伝熱部191は、グローブ5、および本体部2の端部2aの側の放熱面の少なくともいずれかと熱的に接合する。
この場合、伝熱部191は、グローブ5と少なくとも一部が熱的に接合する周縁部191aと、凸部2cと少なくとも一部が熱的に接合する端部191bと、を有するものとすることができる。この場合、端部191bが本体部2の端部2aにも熱的に接合するようにしてもよい。
なお、周縁部191aは前述した伝熱部9の周縁部9aに相当する。また、凸部2cは熱的に本体部2の端部2aの一部とみなすことができるので、端部191bは前述した伝熱部9の端部9bに相当する。
また、基板18の大きさや形状に応じて、前述した伝熱部9の端部9cに相当する端部が設けられるようにすることもできる。
【0043】
また、伝熱部190、191の周縁部や端部と相手側とを熱的に接合させるために、単に接触させるようにするだけでも良いが、伝熱部190、191の周縁部や端部と相手側とを熱伝導率の高い材料を含む接合部80を介して接合させるようにすれば熱抵抗を低下させることができるので、冷却効果を向上させることができる。
例えば、前述した伝熱部9の場合と同様に、半田や熱伝導率の高いセラミックスフィラーが添加された高伝熱性接着剤などにより伝熱部190、191の周縁部や端部と相手側とを接合することで、接合部80を設けるようにすることができる。
【0044】
伝熱部190、191の材料や反射率などに関しては、前述した伝熱部9の場合と同様とすることができる。
伝熱部190、191は、板状の形態、または複数の板状体を交差させた形態を有するものとすることができる。例えば、
図8(a)、(b)に例示をした伝熱部190、191は、3つの板状体を交差させた形態を有するものである。そして、板状体により画された3つの領域に光源13がそれぞれ設けられている。
【0045】
また、伝熱部190、191は、照明装置11a、11bの光軸に対して回転対称となる形態を有したものとすることができる。
この場合、前述したように、照明装置11a、11bの中心軸11a1、11b1が照明装置11a、11bの光軸となっているので、伝熱部190、191は、照明装置11a、11bの中心軸11a1、11b1に対して回転対称となる形態を有したものとすることもできる。
【0046】
伝熱部190、191が照明装置11a、11bの光軸に対して回転対称となる形態を有したものとすれば、伝熱部190、191により画された領域における輝度が相互に同等となるようにすることができる。
そのため、グローブ5に生じる明部と暗部との差を小さくすることができるので、照明装置11a、11bにおける輝度ムラを小さくすることができる。
【0047】
本実施の形態においても、前述した照明装置1の場合と同様の効果を享受することができる。
また、照明装置11bの場合は、それぞれの光源13の光軸が照明装置11bの中心軸11b1と交差するようになっているので、配光角の拡大を図ることができる。
また、照明装置11bのように光源13を立体的に配置するようにすれば、照明装置11aのように光源13を平面的に配置した場合と比べて、設けることができる発光素子の数を増やすことが可能となる。
【0048】
次に、伝熱部に関してさらに例示をする。
図9は、開口部を有する伝熱部を例示するための模式図である。
なお、
図9(a)は開口部を有する伝熱部を例示するための模式部分断面図、
図9(b)は開口部を設ける効果を例示するための模式グラフ図である。
図9(a)に示すように、伝熱部29には高さ寸法H3の開口部29aが設けられている。
伝熱部29は、その厚み方向に貫通する開口部29aを有している。
ここで、例えば、
図1において例示をした場合のように、光源3が本体部2の端部2aに設けられている場合には、光源3から照射された光を遮る位置に伝熱部29が設けられることになる。
【0049】
この場合、開口部29aを設けるようにすれば、光源3から照射された光が遮られることを抑制することができる。
例えば、
図9(b)に示すように、開口部29aの高さ寸法H3を大きくすれば光の取り出し効率を向上させることができる。なお、
図9(b)においては開口部29aの高さ寸法H3を変化させる場合を例示したが、開口部29aの幅寸法Wを変化させる場合も同様である。すなわち、開口部29aの幅寸法Wを大きくしても光の取り出し効率を向上させることができる。
しかしながら、余り大きな開口部29aを設けるようにすれば、伝熱部29による伝熱量、ひいては放熱量が少なくなるので光源3から照射される光の量が減少するおそれがある。
例えば、
図9(b)に示すように、開口部29aの高さ寸法H3を大きくすれば伝熱部29による放熱量が少なくなるので限界電力(発光素子3bに投入可能な電力)が小さくなる。そして、限界電力が小さくなれば、光源3から照射される光の量が減少することになる。
【0050】
そのため、発光素子3bの特性と、開口部29aを設けることによる光の取り出し効率の向上と、開口部29aを設けることによる放熱性の低下と、を考慮して、開口部29aの大きさを適宜決定するようにすることができる。
また、
図9(a)においては、伝熱部29の本体部2側の周縁に開口する開口部29aを例示したが、開口部29aの形状や設ける位置は適宜変更することができる。
ただし、光源3により近い位置に開口部29aを設けるようにすれば、光の取り出し効率を向上させることができる。そのため、
図9(a)に例示をしたような伝熱部の本体部2側の周縁に開口する開口部29aとすることが好ましい。
【0051】
図10は、他の実施形態に係る開口部を例示するための模式部分断面図である。
図10に示すように、伝熱部39に設けられた開口部39aは、伝熱部39の本体部2側の端部と、グローブ5側の端部とに開口している。、伝熱部39は中央側において基板8と接触してグローブ5側に伸び、グローブ5近くでグローブ形状に沿って照明装置の軸から外方に伸びている。伝熱部39は、照明装置の軸を含む断面形状が「傘状」となっている。
ここで、光源3からの出射光の一部がグローブ5内を伝播、反射されるようすを
図10の断面に投影して一点鎖線(光L1、L2)で示す。
この場合、伝熱部39のグローブ5側の周縁に開口する開口部39aとすれば、
図10に示すように、光源3から出射され、グローブ内面において反射した光L1、レンズ40の端面で反射した光L2が照明装置の背面方向に照射されるようになる。そのため、光の取り出し効率を向上させることができるとともに、配光角を拡げることができる。
この伝熱部39は、
図10に示すように、全体が一枚の板で構成することができる。あるいは、左半分の板状体と右半分の板状体とが一体で形成され、この2つの板状体が、例えば、
図10の点線部分で示す位置で繋がっていてもよい。あるいは、伝熱部39は、
図10における左半分の板状体と右半分の板状体とが別体で構成され、
図10の点線部分で接続されていてもよい。伝熱部39には、さらに別体の板状体(図示せず)を付加することもできる。付加する板状体は
図10に示す点線部分で他の板状体と交わり、あるいは接続して、伝熱部39の一部を構成する。
また、光源3を円形に配置することができるようになる。グローブ5の近傍に光源3を設けることもできる。
また、
図10に示すように、円環状のレンズ40などの光学要素を設けることが容易となる。
この場合、開口部39aが、伝熱部39のグローブ5側の周縁に開口する位置には特に限定はない。
ただし、
図10に示すように、開口部39aが、本体部2により近い位置に開口するようにすれば、光の取り出し効率をより向上させることができるとともに、配光角をより拡げることができる。
以上例示をしたように、開口部は、伝熱部の本体部側の周縁、および伝熱部のグローブ5側の周縁の少なくともいずれかに開口しているようにすることができる。
【0052】
図11は、伝熱部の厚み寸法に関して例示をするための模式グラフ図である。
図11に示すように、伝熱部の厚み寸法を厚くすれば光の取り出し効率は低下する。一方、伝熱部の厚み寸法を厚くすれば伝熱部による放熱量が多くなるので限界電力は大きくなる。そして、限界電力が大きくなれば、光源3から照射される光の量を増加させることができるようになる。
また、前述したように、既存の白熱電球との置き換えを考慮すると照明装置の外形寸法が白熱電球となるべく同じ様になることが好ましい。そのため、光源3と伝熱部とを配置する領域の広さが制限されることになるので、伝熱部の厚み寸法を余り厚くすると発光素子3bの数が少なくなるおそれがある。また、伝熱部の厚み寸法を余り厚くすると光の取り出し効率が低下するおそれがある。
また、伝熱部の厚み寸法を余り薄くすると、伝熱部の製造が困難となるおそれがある。この場合、伝熱部は、例えば、ダイキャスト法を用いて製造することができる。
そのため、伝熱部の厚み寸法は、伝熱部による放熱量、光源3と伝熱部とを配置する領域の広さ、伝熱部の製造性が考慮されたものとすることが好ましい。
本発明者らの得た知見によれば、伝熱部の厚み寸法を0.5mm以上、5mm以下とすれば、伝熱部による放熱量、光源3と伝熱部とを配置する領域の広さ、伝熱部の製造性のすべてを考慮したものとすることができる。また、伝熱部の厚み寸法を0.5mm以上、5mm以下とすれば、光の取り出し効率が90%以上となるようにすることができる。
【0053】
伝熱部における伝熱量、ひいては放熱量を増大させるためには、伝熱部と本体部2側に設けられる要素との接続部分における熱抵抗を低くすればよい。
図12は、伝熱部と基板との接続部分を例示するための模式図である。なお、
図12(a)、(c)は熱抵抗の低減を考慮していない場合、
図12(b)、(d)は熱抵抗の低減を図った場合である。
図12(a)に示すように、基板28には、アルミニウムや銅などから形成された基部28aと、基部28aの上に設けられた絶縁部28bと、絶縁部28bの上に設けられたソルダーレジスト部28c、絶縁部28bの上に設けられた配線部28dが設けられている。すなわち、基板28は、いわゆる金属ベース基板である。
ソルダーレジスト部28cは、印刷法や写真法などを用いて、樹脂などからなるソルダーレジストを塗布することで形成することができる。
しかしながら、ソルダーレジスト部28cは樹脂などからなるソルダーレジストを用いて形成されるので、伝熱部29と基板28との接続部分における熱抵抗が高くなる。
【0054】
これに対して、
図12(b)に示すように、基板281には、基部28aと、基部28aの上に設けられた絶縁部28bと、絶縁部28bの上に設けられたソルダーレジスト部28c1、絶縁部28bの上に設けられた配線部28dが設けられている。
この場合、伝熱部29と基板281との接続部分にはソルダーレジスト部28c1が設けられておらず伝熱部29と絶縁部28bとが接続されている。そのため、ソルダーレジスト部28c1の分だけ熱抵抗を低減させることができる。
なお、ソルダーレジスト部28c1の形成においては、伝熱部29が接続される領域にソルダーレジスト部28c1を形成しないようにすることもできるし、伝熱部29が接続される領域におけるソルダーレジストを剥離することでソルダーレジスト部28c1を形成することもできる。
【0055】
図12(c)に示すように、基板38には、ソルダーレジスト部38a、ソルダーレジスト部38aの上に設けられた配線部38b、配線部38bの上に設けられた絶縁部38c、絶縁部38cの上に設けられたソルダーレジスト部38d、絶縁部38cの上に設けられた配線部38eが設けられている。すなわち、基板38は、いわゆる樹脂基板である。
ソルダーレジスト部38dは、印刷法や写真法などを用いて、樹脂などからなるソルダーレジストを塗布することで形成することができる。
しかしながら、ソルダーレジスト部38dは樹脂などからなるソルダーレジストを用いて形成されるので、伝熱部29と基板38との接続部分における熱抵抗が高くなる。
これに対して、
図12(d)に示すように、基板381には、ソルダーレジスト部38a、ソルダーレジスト部38aの上に設けられた配線部38b、配線部38bの上に設けられた絶縁部38c、絶縁部38cの上に設けられたソルダーレジスト部38d1、絶縁部38cの上に設けられた配線部38eが設けられている。
この場合、伝熱部29と基板381との接続部分にはソルダーレジスト部38d1が設けられておらず伝熱部29と絶縁部38cとが接続されている。そのため、ソルダーレジスト部38d1の分だけ熱抵抗を低減させることができる。
【0056】
なお、ソルダーレジスト部38d1の形成においては、伝熱部29が接続される領域にソルダーレジスト部38d1を形成しないようにすることもできるし、伝熱部29が接続される領域におけるソルダーレジストを剥離することでソルダーレジスト部38d1を形成することもできる。
すなわち、伝熱部29の端部と、本体部2の端部2aの側の放熱面と、の間にはソルダーレジストから形成されたソルダーレジスト部が設けられていないようにすることができる。
以上は、伝熱部と本体部2側との間に熱抵抗の高い部材を設けないようにする場合であるが、熱抵抗の低減はこれに限定されるわけではない。
例えば、伝熱部の本体部2側に図示しない座部を設けることで接触面積を大きくしたり、伝熱部と本体部2側とをネジ止めするなどして密着させたり、伝熱部と本体部2側との間に熱抵抗の低い金属などを設けたりして熱抵抗の低減を図るようにすることもできる。
【0057】
次に、伝熱部の表面に拡散部を設ける場合について例示をする。
拡散部は、伝熱部に入射する光を拡散させるために設けられる。
拡散部は、例えば、伝熱部の表面に設けられた突起部、および伝熱部の表面に設けられた拡散剤を含む拡散層70(
図1(b)を参照)の少なくともいずれかとすることができる。
図13は、伝熱部の表面に設けられた突起部を例示するための模式図である。
なお、
図13(a)は伝熱部49の表面に1つの突起部が設けられた場合、
図13(b)は伝熱部49aの表面に複数の突起部が設けられた場合である。
伝熱部の表面に突起部を設けるようにすれば、伝熱部に入射する光を拡散させることができる。伝熱部に入射する光を拡散させることができれば、配光角を拡げることができるようになる。
この場合、
図13(a)に示すように伝熱部49の表面に突起部50を1つ設けるようにすることもできるし、
図13(b)に示すように伝熱部49aの表面に突起部50aを複数設けるようにすることもできる。
【0058】
伝熱部49aの表面に突起部50aを複数設ける場合には、規則的な配設形態とすることもできるし、任意の配設形態とすることもできる。
また、伝熱部49aの表面に突起部50aを複数設ける場合には、干渉縞が生じないようにするために、突起部50aのピッチ寸法P1、P2が光源3から照射される光の波長の10倍以上となるようにすることが好ましい。
なお、突起部の形状は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
以上は、伝熱部の表面に突起部を設けることで伝熱部に入射する光を拡散させる場合であるが、伝熱部の表面に拡散層70を設けることで伝熱部に入射する光を拡散させるようにすることもできる。
【0059】
拡散層70は、例えば、光を拡散させる拡散剤を含む樹脂層などとすることができる。拡散剤としては、酸化シリコンや酸化チタンなどの金属酸化物からなる微粒子や、微粒子ポリマーなどを例示することができる。
伝熱部の表面に拡散層70を設けるようにすれば、伝熱部に入射する光を拡散させることができる。伝熱部に入射する光を拡散させることができれば、配光角を拡げることができるようになる。
なお、
図13では、伝熱部の一方の面のみを表しているが、突起部や拡散層は伝熱部の他方の面にも設けるようにすることができる。
【0060】
次に、照明装置の上方から見た場合における伝熱部59と発光素子3bとの配置、すなわち、平面視における伝熱部59と発光素子3bとの配置について例示をする。
図14は、平面視における伝熱部59と発光素子3bとの配置について例示をするための模式図である。
なお、
図14(a)は平面視における伝熱部59と発光素子3bとの配置を例示するための模式図、
図14(b)は平面視における伝熱部59と発光素子3bとの位置関係を例示するための模式図である。
図14(a)に示すように、伝熱部59を設けるようにすれば、平面視において伝熱部59により画される領域59aが形成されることになる。
【0061】
複数の発光素子3bが設けられる場合において、配光ムラや輝度ムラを抑制するためには、各領域59aに設けられる発光素子3bの数が同じとなるようにすることが好ましい。この場合、平面視において伝熱部59と発光素子3bとが重ならないようにすることが好ましい。
ただし、本発明者らの得た知見によれば、平面視において伝熱部59と一部分が重なる発光素子3bがあっても、伝熱部59と発光素子3bの中心3a1とが重ならないようにすれば、配光ムラや輝度ムラを抑制することができる。
【0062】
この場合、平面視において伝熱部59により画される各領域59aに中心3a1の位置がある発光素子3bの数が、各領域59a毎に同じとなるようにすればよい。
例えば、
図14(b)においては、発光素子3bは領域59a1に設けられた発光素子となる。
また、伝熱部は、照明装置の光軸や照明装置の中心軸に対して回転対称となる形態を有していることが好ましいが、平面視において伝熱部59により画される各領域59aに中心3a1の位置がある発光素子3bの数が、各領域59a毎に同じとなるようにすれば、伝熱部が回転対称となる形態を有していなくてもよい。
また、発光素子3bが設けられる位置は、本体部2の端部2aの中央側(例えば、
図1や
図8に例示をした場合)に限定されるわけではない。例えば、発光素子3bが本体部2の端部2aの周縁側に設けられたり、発光素子3bが本体部2の端部2aの全域に設けられたりすることもできる。
【0063】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
例えば、照明装置1、照明装置11a、11bなどが備える各要素の形状、寸法、材料、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。