【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有するポリビニルアセタール樹脂と、導電性粉末と、有機溶剤とを含有する導電ペーストであって、前記ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が1500〜3200
(ただし、1500を除く)、カルボキシル基量が0.05〜1モル%、アセトアセタール基量が5〜30モル%であり、カルボキシル基量に対するアセトアセタール基量の比率が10〜600である導電ペーストである。
以下、本発明を詳述する。
【0009】
通常、ポリビニルアセタール樹脂は、平均重合度が高くなると糸曳きを生じさせやすくなる。しかしながら、本発明者は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有するポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、平均重合度が高くても、糸曳きが抑制され印刷性に優れた導電ペーストが得られることを見出した。ただし、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂はカルボキシル基を有するため、特に低極性溶剤に対しては溶解性が低く、このような溶解性の低さは導電ペーストの印刷性を低下させる原因となる。この問題に対し、本発明者は、平均重合度、及び、カルボキシル基量に加えて、ポリビニルアセタール樹脂のアセトアセタール基量を調整することにより、導電ペーストの印刷性を安定して改善できることを見出した。更に、本発明者は、このような平均重合度の高いポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、樹脂量を減らした場合であってもセラミックグリーンシートとの接着性を高め、デラミネーションの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明の導電ペーストは、ポリビニルアセタール樹脂を含有する。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する。本明細書中、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂とは、下記式(1)で表されるアセチル基を有する構成単位と、下記式(2)で表される水酸基を有する構成単位と、下記一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位とに加えて、カルボキシル基を有する構成単位を有する樹脂を意味する。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
一般式(3)中、R
1は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
【0014】
上記カルボキシル基を有する構成単位として、例えば、下記一般式(4−1)、(4−2)又は(4−3)で表される構成単位が挙げられる。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
一般式(4−1)、(4−2)及び(4−3)中、Xは水素原子、金属イオン又はメチル基を表す。即ち、本明細書中、カルボキシル基を有する構成単位に含まれるカルボキシル基には、カルボキシル基の塩及びメチルエステルも含む。金属イオンとして、例えば、ナトリウムイオン等が挙げられる。
【0018】
上記ポリビニルアセタール樹脂をバインダー樹脂とすることにより、本発明の導電ペーストはセラミックグリーンシートとの接着性に優れ、デラミネーションの発生を抑制することができる。また、上記ポリビニルアセタール樹脂が上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有し、カルボキシル基を有することにより、本発明の導電ペーストは糸曳きを抑制することができ、印刷性に優れる。これは、上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基と導電性粉末との相互作用によるものと推測される。
【0019】
上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂は、カルボン酸変性ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することで得ることができる。
上記カルボン酸変性ポリビニルアルコールを製造する方法として、例えば、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が一般式(4−1)で表される構成単位を有する場合には、一般式(4−1)で表される構成単位となるアクリル酸と、酢酸ビニルとを共重合させた後、ケン化する方法等が挙げられる。なお、アクリル酸の代わりにメタクリル酸を用いることもできる。また、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が一般式(4−2)で表される構成単位を有する場合には、一般式(4−2)で表される構成単位となるフマル酸等と、酢酸ビニルとを共重合させた後、ケン化する方法等が挙げられ、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が一般式(4−3)で表される構成単位を有する場合には、一般式(4−3)で表される構成単位となるイタコン酸等と、酢酸ビニルとを共重合させた後、ケン化する方法等が挙げられる。
【0020】
上記アセタール化反応は、従来公知の方法で行うことができる。
上記アルデヒドは特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドのなかでは、アセトアルデヒド及びブチルアルデヒドを併用して用いることが好ましい。また、ブチルアルデヒドの添加量に対するアセトアルデヒドの添加量の比率(アセトアルデヒドの添加量/ブチルアルデヒドの添加量)は0.05〜0.6であることが好ましい。
【0021】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂に加えて、例えば未変性ポリビニルアセタール樹脂等の他のポリビニルアセタール樹脂を含有してもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂が未変性ポリビニルアセタール樹脂等の他のポリビニルアセタール樹脂を含有する場合、上記ポリビニルアセタール樹脂中の上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、後述するポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量等を達成することができれば特に限定されないが、好ましい下限は5重量%、好ましい上限は50重量%である。
【0022】
上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、下限が1500、上限が3200である。上記ポリビニルアセタール樹脂が上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有し、カルボキシル基を有することにより、上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度がこのように高い範囲であっても、本発明の導電ペーストは糸曳きを抑制することができ、印刷性に優れる。また、上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度がこのように高い範囲であることにより、本発明の導電ペーストは低樹脂量でもセラミックグリーンシートとの接着性に優れ、デラミネーションの発生を抑制することができる。
平均重合度が1500未満であると、樹脂量を減らした場合には導電ペーストの粘度が低下し、印刷性又は貯蔵安定性が低下したり、デラミネーションが発生しやすくなったりしてしまう。平均重合度が3200を超えると、原料であるポリビニルアルコールを作製することが困難となったり、上記ポリビニルアセタール樹脂の溶剤に対する溶解性が低下したりしてしまう。上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度の好ましい下限は1800、好ましい上限は3000であり、より好ましい下限は2000、より好ましい上限は2800である。
【0023】
本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、原料であるポリビニルアルコールの平均重合度から求められる。
また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけの平均重合度を意味する。即ち、例えば、ポリビニルアセタール樹脂が異なる平均重合度を有する複数の樹脂を含有する場合、ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は、各樹脂の平均重合度にその樹脂の含有比率を掛け合わせることにより得られる各値を、合計することにより求められる。
【0024】
上記ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、下限が0.05モル%、上限が1モル%である。カルボキシル基量が0.05モル%未満であると、上記ポリビニルアセタール樹脂がカルボキシル基を有することによる効果が低下し、導電ペーストに糸曳き等が生じやすくなって印刷性が低下する。カルボキシル基量が1モル%を超えると、上記ポリビニルアセタール樹脂の溶剤に対する溶解性が低下したり、カルボキシル基と導電性粉末とが強く相互作用しすぎるため、導電ペーストを作製することが困難となったりする。上記ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量の好ましい下限は0.07モル%、好ましい上限は0.8モル%であり、より好ましい下限は0.1モル%、より好ましい上限は0.5モル%である。
【0025】
本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量とは、ポリビニルアセタール樹脂の構成単位全体に占めるカルボキシル基を有する構成単位の割合を意味する。例えば、一般式(4−1)で表される構成単位にはカルボキシル基が1つ存在し、一般式(4−2)及び(4−3)で表される構成単位にはカルボキシル基が2つ存在しているが、1つの構成単位に存在するカルボキシル基の数にかかわらず、ポリビニルアセタール樹脂の構成単位全体に占めるカルボキシル基を有する構成単位の割合を、カルボキシル基量とする。
【0026】
また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけのカルボキシル基量を意味する。即ち、例えば、ポリビニルアセタール樹脂が異なるカルボキシル基量を有する複数の樹脂を含有する場合、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、各樹脂のカルボキシル基量にその樹脂の含有比率を掛け合わせることにより得られる各値を、合計することにより求められる。
特に、例えば、ポリビニルアセタール樹脂が、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂と未変性ポリビニルアセタール樹脂とを含有する場合、ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、下記式(5)により算出される。
A=B×(C/D) (5)
式(5)中、Aはポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量(モル%)を表し、Bはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量(モル%)を表し、Cはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の重量を表し、Dはポリビニルアセタール樹脂全体の重量を表す。
【0027】
式(5)においてBで表されるカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量は、上述したポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量等を達成することができれば特に限定されないが、例えば、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が一般式(4−1)で表される構成単位を有する場合には、好ましい下限が0.05モル%、好ましい上限が5モル%であり、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が一般式(4−2)又は(4−3)で表される構成単位を有する場合には、好ましい下限が0.03モル%、好ましい上限が5モル%である。
【0028】
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセトアセタール基量は、下限が5モル%、上限が30モル%である。アセトアセタール基量が5モル%未満であると、上記ポリビニルアセタール樹脂の低極性溶剤に対する溶解性が低下し、低極性溶剤を用いた場合には導電ペーストに糸曳き等が生じやすくなって印刷性が低下する。アセトアセタール基量が30モル%を超えると、上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度(Tg)が高くなりすぎるため、導電ペーストが硬くなり、印刷性が低下する。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセトアセタール基量の好ましい下限は7モル%、好ましい上限は27モル%であり、より好ましい下限は10モル%、より好ましい上限は25モル%である。
なお、アセトアセタール基とは、一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位に含まれるアセタール基のうちの、R
1がメチル基である場合のアセタール基である。また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のアセトアセタール基量とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけのアセトアセタール基量を意味する。
【0029】
上記ポリビニルアセタール樹脂のブチラール基量に対するアセトアセタール基量の比率(アセトアセタール基量/ブチラール基量)は、好ましい下限が0.05、好ましい上限が0.6である。アセトアセタール基量/ブチラール基量の値が0.05未満であると、上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度(Tg)が低くなりすぎて耐熱性が低下することがあり、また、上記ポリビニルアセタール樹脂の低極性溶剤に対する溶解性が低下することがあり、低極性溶剤を用いた場合には導電ペーストに糸曳き等が生じやすくなって印刷性が低下することがある。アセトアセタール基量/ブチラール基量の値が0.6を超えると、上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度(Tg)が高くなりすぎるため、導電ペーストが硬くなり、印刷性が低下することがあり、また、低極性溶剤に対する溶解性が低下し、低極性溶剤を用いた場合には導電ペーストに糸曳き等が生じやすくなって印刷性が低下することがある。
なお、ブチラール基とは、一般式(3)で表されるアセタール基を有する構成単位に含まれるアセタール基のうちの、R
1がプロピル基である場合のアセタール基である。また、本明細書中、ポリビニルアセタール樹脂のブチラール基とは、ポリビニルアセタール樹脂全体の見かけのアセトアセタール基量を意味する。
【0030】
上記ポリビニルアセタール樹脂のカルボキシル基量に対するアセトアセタール基量の比率(アセトアセタール基量/カルボキシル基量)は、好ましい下限が10、好ましい上限が600である。アセトアセタール基量/カルボキシル基量の値が10未満であると、上記ポリビニルアセタール樹脂の低極性溶剤に対する溶解性が低下することがあり、低極性溶剤を用いた場合には導電ペーストに糸曳き等が生じやすくなって印刷性が低下することがある。アセトアセタール基量/カルボキシル基量の値が600を超えると、上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度(Tg)が高くなりすぎるため、導電ペーストが硬くなり、印刷性が低下することがある。
【0031】
上記ポリビニルアセタール樹脂の配合量は、導電性粉末100重量部に対する好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記ポリビニルアセタール樹脂の配合量が0.1重量部未満であると、導電ペーストにおける導電性粉末の分散性が低下し、印刷性が低下したり、デラミネーションが発生しやすくなったりすることがある。上記ポリビニルアセタール樹脂の配合量が20重量部を超えると、導電ペーストにおける導電性粉末の密度が低くなり、導電性が低下することがある。上記ポリビニルアセタール樹脂の配合量は、導電性粉末100重量部に対するより好ましい下限が0.5重量部、より好ましい上限が10重量部である。
【0032】
本発明の導電ペーストは、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上記ポリビニルアセタール樹脂に加えて、アクリル樹脂等の他の樹脂を含有してもよい。
【0033】
本発明の導電ペーストは、導電性粉末を含有する。
上記導電性粉末は特に限定されず、例えば、チタン酸バリウム、アルミナ、ニッケル、ジルコニア、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、マグネシア、サイアロン、スピネムルライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等からなる粉末が挙げられる。これらの導電性粉末は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0034】
上記導電性粉末の配合量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限は500重量部、好ましい上限は100000重量部である。上記導電性粉末の配合量が500重量部未満であると、導電ペーストにおける上記導電性粉末の密度が低くなり、導電性が低下することがある。上記導電性粉末の配合量が100000重量部を超えると、導電ペーストにおける上記導電性粉末の分散性が低下し、印刷性が低下することがある。上記導電性粉末の配合量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対するより好ましい下限が1000重量部、より好ましい上限が20000重量部である。
【0035】
本発明の導電ペーストは、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤は特に限定されず、一般的に導電ペーストに用いられる有機溶剤を使用することができ、低極性溶剤であっても使用することができる。
上記有機溶剤として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸ブチル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸ブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酪酸2−エチルヘキシル等のエステル類、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート等のテルピネオール及びその誘導体等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0036】
上記有機溶剤の配合量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する好ましい下限は500重量部、好ましい上限は100000重量部である。上記有機溶剤の配合量が500重量部未満であると、導電ペーストの粘度が高くなり、印刷性が低下することがある。上記有機溶剤の配合量が100000重量部を超えると、導電ペーストにおいて上記ポリビニルアセタール樹脂の性能が充分に発揮されないことがある。上記有機溶剤の配合量は、上記ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対するより好ましい下限が1000重量部、より好ましい上限が20000重量部である。
【0037】
本発明の導電ペーストは、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤等を適宜含有してもよい。
【0038】
本発明の導電ペーストを製造する方法は特に限定されず、例えば、上記カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有するポリビニルアセタール樹脂、上記導電性粉末、上記有機溶剤及び必要に応じて添加される他の成分を、ボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
【0039】
本発明の導電ペーストの用途は特に限定されないが、例えば、セラミックグリーンシート上に本発明の導電ペーストをスクリーン印刷により塗布し、これを複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を作製した後、脱脂処理を行い、焼成してセラミック焼結体とし、更に、セラミック焼結体の端面に外部電極を形成することにより、積層セラミックコンデンサを得ることができる。本発明の導電ペーストは、上述のようなカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含有する平均重合度の高いポリビニルアセタール樹脂を含有することにより、低樹脂量でもセラミックグリーンシートとの接着性に優れ、デラミネーションの発生を抑制することができ、また、糸曳きを抑制することができ、印刷性にも優れる。