(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5809666
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月11日
(54)【発明の名称】エレベータ用ワイヤロープ清掃装置
(51)【国際特許分類】
B66B 7/12 20060101AFI20151022BHJP
B08B 1/04 20060101ALI20151022BHJP
【FI】
B66B7/12 Z
B08B1/04
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-142836(P2013-142836)
(22)【出願日】2013年7月8日
(65)【公開番号】特開2015-13750(P2015-13750A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2013年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】飯 嶋 徹
【審査官】
藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−263101(JP,A)
【文献】
実開平07−043843(JP,U)
【文献】
特許第122050(JP,C2)
【文献】
特開昭61−169480(JP,A)
【文献】
特開平07−061735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00−7/12
B08B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縒り合わされた複数のストランドを含むエレベータ用ワイヤロープを清掃するエレベータ用ワイヤロープ清掃装置において、
保持部と、
この保持部内に設けられ内面を有するリングと、
リング内面に等間隔に設けられ、ストランドと同数のブラシとを備え、リング内にエレベータ用ワイヤロープを挿通させて移動させることにより、ブラシによりワイヤロープのストランドを清掃し、リングは複数部分に分割可能となっており、各ブラシはリング内面に等間隔をおいて取付けられ、かつ各リングの部分は両端に、隣り合うリングの部分との間で位置決めされ取り外し自在に係合する係合部を有する、ことを特徴とするエレベータ用ワイヤロープ清掃装置。
【請求項2】
リングは保持部内で上下方向に延びる回転軸回りに回転自在に設けられていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ワイヤロープ清掃装置。
【請求項3】
各ブラシがエレベータ用ワイヤロープの各ストランド間に進入してワイヤロープの移動によりブラシを介してリングが回転することを特徴とする請求項2記載のエレベータ用ワイヤロープ清掃装置。
【請求項4】
複数のリングが積層して設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のエレベータ用ワイヤロープ清掃装置。
【請求項5】
保持部とリングとの間にローラベアリングが介在されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか記載のエレベータ用ワイヤロープ清掃装置。
【請求項6】
リングを覆ってカバーが設けられ、このカバーによってブラシから飛散する汚れを受けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のエレベータ用ワイヤロープ清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエレベータ用ワイヤロープ清掃装置に係り、とりわけワイヤロープに付着する付着物を確実に除去することができるエレベータ用ワイヤロープ清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりエレベータの乗りかごの速度を検出するため調速機が設置され、乗りかごと調速機とは、調速機ワイヤロープにより連結されている。
【0003】
調速機ワイヤロープ等のエレベータ用ワイヤロープは縒り合わされた複数のストランドを含み、このようなエレベータ用ワイヤロープは移動中にエレベータ用ワイヤロープ清掃装置により清掃される。
【0004】
しかしながら、エレベータ用ワイヤロープは縒り合わされた複数のストランドを含むため、ストランド間の溝内に付着する付着物等の汚れを確実に除去することはむずかしい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−105493
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、エレベータ用ワイヤロープのうち、ストランド間の溝内に付着する付着物等の汚れを効果的に除去することができるエレベータ用ワイヤロープ清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、縒り合わされた複数のストランドを含むエレベータ用ワイヤロープを清掃するエレベータ用ワイヤロープ清掃装置において、保持部と、この保持部内に設けられ内面を有するリングと、リング内面に等間隔に設けられ、ストランドと同数のブラシとを備え、リング内にエレベータ用ワイヤロープを挿通させて移動させることにより、ブラシによりワイヤロープのストランドを清掃し、リングは複数部分に分割可能となっており、各ブラシはリング内面に等間隔をおいて取付けられ
、かつ各リングの部分は両端に、隣り合うリングの部分との間で位置決めされ取り外し自在に係合する係合部を有する、ことを特徴とするエレベータ用ワイヤロープ清掃装置である。
【0008】
本発明は、リングは保持部内で上下方向に延びる回転軸回りに回転自在に設けられていることを特徴とするエレベータ用ワイヤロープ清掃装置である。
【0010】
本発明は、各ブラシがエレベータ用ワイヤロープの各ストランド間に進入してワイヤロープの移動によりブラシを介してリングが回転することを特徴とするエレベータ用ワイヤロープ清掃装置である。
【0011】
本発明は、複数のリングが積層して設けられていることを特徴とするエレベータ用ワイヤロープ清掃装置である。
【0012】
本発明は、
保持部とリングとの間にローラベアリングが介在されていることを特徴とするエレベータ用ワイヤロープ清掃装置である。
【0013】
本発明は、リングを覆ってカバーが設けられ、このカバーによってブラシから飛散する汚れを受けることを特徴とするエレベータ用ワイヤロープ清掃装置である。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、ワイヤロープに付着する付着物を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は本発明によるエレベータ用ワイヤロープ清掃装置の第1の実施の形態を示す斜視図。
【
図2】
図2はエレベータ用ワイヤロープ清掃装置のリングを示す斜視図。
【
図3】
図3はエレベータ用ワイヤロープ清掃装置のリングを示す断面図。
【
図6】
図6はエレベータ用ワイヤロープ清掃装置が組込まれたエレベータシステムを示す図。
【
図7】
図7(a)(b)は比較例としてのエレベータ用ワイヤロープ清掃装置を示す図。
【
図8】
図8は本発明によるエレベータ用ワイヤロープ清掃装置の第2の実施の形態を示す斜視図。
【
図9】
図9はエレベータ用ワイヤロープ清掃装置を示す断面図。
【
図10】
図10は本発明によるエレベータ用ワイヤロープ清掃装置の第3の実施の形態を示す斜視図。
【
図11】
図11はエレベータ用ワイヤロープ清掃装置を示す断面図。
【
図12】
図12はエレベータ用ワイヤロープ清掃装置を示す側面図。
【
図13】
図13は本発明によるエレベータ用ワイヤロープ清掃装置の第4の実施の形態を示す側面図。
【
図14】
図14は本発明によるエレベータ用ワイヤロープ清掃装置の第5の実施の形態を示す斜視図。
【0016】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0017】
まず
図6により本発明によるエレベータ用ワイヤロープ清掃装置が組込まれるエレベータシステム全体について述べる。
【0018】
図6に示すように、エレベータシステム30は昇降路30A内を昇降する乗りかご22と、乗りかご22に主ロープ21を介して連結された吊り合いおもり23とを備え、主ロープ21は昇降路30A上部に設置された巻上機(図示せず)により駆動される。
【0019】
また乗りかご22には取付具28を介して調速機ロープ(エレベータ用ワイヤロープ)1が固着され、このワイヤロープ1は昇降路30A内部に設置されたプーリ26と調速機25との間に掛け渡されている。そして乗りかご22の速度が異常に増大したとき、調速機25によりこの速度を検知して乗りかご22を停止させる。
【0020】
ところで、調速機ロープ(エレベータ用ワイヤロープ)1は、縒り合わされた複数のストランド7を含み、ストランド7間には溝7aが形成されている(
図4および
図5参照)。
【0021】
ここで
図4は、エレベータ用ワイヤロープ1を示す側面図であり、
図5はワイヤロープ1を示す断面図である。
【0022】
図4および
図5に示すように、ワイヤロープ1の複数、例えば6本のストランド7は縒り合わされており、このため各ストランド7および各溝7aは、いずれもらせん状に形成されている。
図4および
図5において、6本のストランド7は、A、B、C、D、E、Fとして示されている。
【0023】
図6に示すように、昇降路30A内には、ワイヤロープ1を清掃するためのエレベータワイヤロープ用清掃装置20が設けられている。
【0024】
このようなワイヤロープ用清掃装置20は、
図1乃至
図7に示すように、昇降路30Aの壁面に固着された保持部10と、保持部10内に設けられたリング4と、リング4の内面に水平面上に等間隔に取付けられた6本のブラシ8とを備えている。
【0025】
このうち、保持部10は昇降路30Aの壁面から延びる保持部本体10aと、保持部本体10aに連結された押えピース12とを有し、保持部本体10aに押えピース12を取付け、押えピース12と保持部本体10aとをネジ11により固定することにより構成される。
【0026】
この場合、保持部10は内部に空間10bを有し、この空間10b内にリング4が回転自在に設けられている。リング4は2つの部分4a、4bに2分割可能となっている。またリング4を2つの部分4a、4bに分割した後、リング4内にワイヤロープ1を挿入し、2つの部分4a、4bを固着することによりリング4内にワイヤロープ1が挿通される。なお、リング4の2つの部分4a、4bは、係合部5を介して位置決めされて固着される。
【0027】
ところでリング4の内面に取付けられた6本のブラシ8は、各々多数の毛9を有し、この多数の毛9はワイヤロープ1の各ストランド7の露出面全域と接触するようになっている。また上述のようにリング4の内面に取付けられたブラシ8の数(6本)はストランド7の数(6本)と一致しており、このためブラシ8はストランド7間の溝7a内に進入可能となる。
【0028】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0029】
まず
図6に示すように、昇降路30A内において乗りかご22が昇降する。このように乗りかご22が昇降することに伴なって、ワイヤロープ1が昇降路30A内で上下方向に移動する。この場合、ワイヤロープ1はエレベータ用ワイヤロープ清掃装置20のリング4内を上下方向へ移動する。
【0030】
このようにワイヤロープ1がリング4内を上下方向へ移動する際、リング4内面に取付けられた6本のブラシ8が、ワイヤロープ1の6本のストランド7間の溝7a内に入る。このことによりブラシ8とストランド7の溝7aとが雄ネジと雌ネジの関係と同様の関係をもって係合する。そしてワイヤロープ1の上下方向移動に伴なって、ブラシ8によりストランド7の溝7a内に付着した付着物等の汚れを連続的に除去することができる。
【0031】
この場合、ブラシ8はストランド7と同数設けられているため、ストランド7間の溝7a内を同時に清掃することができる。
【0032】
次に本発明の比較例について
図7(a)(b)により説明する。
図7(a)に示す比較例は、ワイヤロープ1を昇降路30A内に設けられた固定式ブラシ2により直接清掃し、ワイヤロープ1のストランド7間の溝7a内に付着する付着物を除去するものである。
【0033】
図7(b)に示す比較例は、ワイヤロープ1を昇降路30A内に設けられた耐摩耗性に優れた樹脂型プレート3により直接清掃し、ワイヤロープ1のストランド7間の溝7a内に付着する付着物を除去するものである。
【0034】
図7(a)(b)に示す比較例の場合、いずれも固定式ブラシ2あるいは樹脂製プレート3によりワイヤロープ1のストランド7間の溝7a内の付着物を除去することはむずかしい。
【0035】
これに対して本実施の形態によれば、リング4内にストランド7と同数のブラシ8を設けることにより、このブラシ8によりストランド7間の溝7a内に付着した付着物を確実に除去することができる。
【0036】
第2の実施の形態
次に
図8および
図9により、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図8および
図9に示す第2の実施の形態において、リング4が保持部10内に回転自在に配置されている点が異なるのみであり、他の部分は
図1乃至
図6に示す第1の実施の形態と略同一である。
図8および
図9に示す第2の実施の形態において、
図1乃至
図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
図8および
図9に示すように、ワイヤロープ用清掃装置20は、昇降路30Aの壁面に固着された保持部10と、保持部10内に設けられたリング4と、リング4の内面に等間隔に取付けられた6本のブラシ8とを備えている。
【0038】
このうち、保持部10は昇降路30Aの壁面から内方へ延びる保持部本体10aと、保持部本体10aに連結された押えピース12とを有し、保持部本体10aに押えピース12を取付け、押えピース12と保持部本体10aとをネジ11により固着することにより構成される。
【0039】
この場合、保持部10は内部に空間10bを有し、この空間10b内にリング4が回転自在に設けられている。リング4は上下方向に延びる回転軸L回りに回転自在となっており、このリング4は2つの部分4a、4bに2分割可能となっている。またリング4を2つの部分4a、4bに分割した後、リング4内にワイヤロープ1を挿入し、2つの部分4a、4bを固着することによりリング4内にワイヤロープ1が挿通される。なお、リング4の2つの部分4a、4bは、係合部5を介して位置決めされて固着される。
【0040】
ところでリング4の内面に取付けられた6本のブラシ8は、各々多数の毛9を有し、この多数の毛9はワイヤロープ1の各ストランド7の露出面全域と接触するようになっている。また上述のように回転体4の内面に取付けられたブラシ8の数(6本)はストランド7の数(6本)と一致しており、このためブラシ8はストランド7間の溝7a内に進入可能となる。
【0041】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0042】
まず
図6に示すように、昇降路30A内において乗りかご22が昇降する。このように乗りかご22が昇降することに伴なって、ワイヤロープ1が昇降路30A内で上下方向に移動する。この場合、ワイヤロープ1はエレベータ用ワイヤロープ清掃装置20のリング4内を上下方向へ移動する。
【0043】
このようにワイヤロープ1がリング4内を上下方向へ移動する際、リング4内面に取付けられた6本のブラシ8が、ワイヤロープ1の6本のストランド7間の溝7a内に入る。このことによりブラシ8とストランド7の溝7aとが雄ネジと雌ネジの関係と同様の関係をもって係合する。そしてワイヤロープ1の上下方向移動に伴なって、ブラシ8がらせん状に形成された溝7aに沿って摺動し、ストランド7の溝7a内に付着した付着物等の汚れを連続的に除去する。
【0044】
同時にリング4が保持部10内で回転軸L回りに回転する。このためワイヤロープ1に対して特定のブラシ8が片当りすることなく、6本のブラシ8を全体としてバランス良く使用することができ、ブラシ8の片減りを防止できる。
【0045】
また、ブラシ8はストランド7と同数設けられているため、ストランド7間の溝7a内を同時に清掃することができる。
【0046】
第3の実施の形態
次に
図10乃至
図12により、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図10乃至
図12に示す第3の実施の形態において、保持部10内に複数のリング4が積層されて回転自在に配置されている点が異なるのみであり、他の部分は
図1乃至
図6に示す第1の実施の形態と略同一である。
図10乃至
図12に示す第3の実施の形態において、
図1乃至
図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
図10乃至
図12に示すように、エレベータ用ワイヤロープ清掃装置20は、保持部10と、保持部10内に積層して配置された複数のリング4からなる積層リング4Aとを備えている。
【0048】
各リング4は保持部10内において、回転軸L回りに回転自在となっており、互いに積層されている。
【0049】
各リング4には半月状の貫通孔13が形成され、この貫通孔13内に固定ネジ17が挿通される。
【0050】
また各リング4の上部には、環状の切り欠き14が形成され、各リング4の下部には下方に位置する隣接するリング4の環状の切り欠き14内に嵌込まれる環状の突起15が設けられている。そして上方に位置するリング4の環状の突起15を下方に位置する環状の切り欠きに嵌込むことにより、上方に位置するリング4と下方に位置するリング4とを位置決めすることができる。
【0051】
また各リング4の側面には位置決めマーク16が設けられている。そして複数、例えば4個のリング4を積層して配置し、各リング4の位置決めマーク16が順次わずかにずれるよう各リング4を回転させる。この状態で各リング4の貫通孔13を貫通して固定ネジ17を挿通し、この固定ネジ17により、4個のリング4を固定することができる。
【0052】
この場合、各リング4の回転方向のずれ量をワイヤロープ1のストランド7のらせん形状に対応して定める。このことにより、4個のリング4を積層してなる積層リング4A内のブラシ8の配置形状をワイヤロープ1のストランド7のらせん形状に合せることができ、ワイヤロープ1が積層リング4A内を上下方向に移動する際、積層リング4Aを保持部10内でスムースに回転させることができる。また保持部10内に複数のリング4からなる積層リング4Aを回転自在に配置したことにより、ワイヤロープ1のストランド7間の溝7a内に付着する付着物をより確実に除去することができる。
【0053】
なお、上述のように各リング4に半月状の貫通孔13を設けたことにより、各リング4の回転方向のずれ量を任意に調整することができる。
【0054】
第4の実施の形態
次に
図13により、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図13に示す第4の実施の形態において、リング4が保持部10内に回転自在に配置され、リング4と保持部10との間にローラベアリング18が介在されている点が異なるのみであり、他の部分は
図1乃至
図6に示す第1の実施の形態と略同一である。
図13に示す第4の実施の形態において、
図1乃至
図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0055】
図13に示すように、エレベータ用ワイヤロープ清掃装置20の保持部10内にリング4が回転軸L回りに回転自在に設置され、リング4と保持部10との間にローラベアリング18が介在されている。このためワイヤロープ1をリング4内で上下方向に移動させた場合、保持部10内においてリング4をスムースに回転させることができる。
【0056】
なお、リング4と保持部10との間にローラベアリング18を介在させた例を示したが、これに限らず、積層リング4Aの各リング4と保持部10との間にローラベアリング18を介在させてもよい。
【0057】
第5の実施の形態
次に
図14により、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図14に示す第5の実施の形態において、保持部10と、保持部10に保持されたリング4を覆ってカバー19が設けられている点が異なるのみであり、他の部分は
図1乃至
図6に示す第1の実施の形態と略同一である。
図14に示す第5の実施の形態において、
図1乃至
図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
図14に示すように、保持部本体10aに押えピース12を取付けて保持部10を作製する。次に保持部本体10aと押えピース12を囲んでカバー19を設け、カバー19、押えピース12および保持部本体10aをネジ11により固定する。
【0059】
このようにして、保持部10とリング4をカバー19により覆うことができ、ワイヤロープ1の汚れをブラシ8により除去した場合、ブラシ8から飛散する汚れをこのカバー19により受けることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 ワイヤロープ
4 リング
4a 部分
4b 部分
5 係合部
7 ストランド
8 ブラシ
9 毛
10 保持部
10a 保持部本体
11 ネジ
12 押えピース
13 貫通孔
14 環状の切り欠き
15 環状の突起
16 位置決めマーク
17 固定ネジ
18 ローラベアリング
19 カバー
20 エレベータ用ワイヤロープ清掃装置
30 エレベータシステム
30A 昇降路