特許第5809691号(P5809691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5809691フェナントロカルバゾール化合物及びこれを用いた有機電界発光素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5809691
(24)【登録日】2015年9月18日
(45)【発行日】2015年11月11日
(54)【発明の名称】フェナントロカルバゾール化合物及びこれを用いた有機電界発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20151022BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20151022BHJP
   C07D 209/80 20060101ALI20151022BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20151022BHJP
   C07D 409/10 20060101ALI20151022BHJP
【FI】
   H05B33/14 B
   H05B33/22 D
   C09K11/06 645
   C09K11/06 650
   C07D209/80
   C07D403/04
   C07D409/10
【請求項の数】6
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-509002(P2013-509002)
(86)(22)【出願日】2011年5月6日
(65)【公表番号】特表2013-532371(P2013-532371A)
(43)【公表日】2013年8月15日
(86)【国際出願番号】KR2011003412
(87)【国際公開番号】WO2011139125
(87)【国際公開日】20111110
【審査請求日】2014年4月21日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0042577
(32)【優先日】2010年5月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504408236
【氏名又は名称】ドゥーサン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ジン‐ソク
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、シン ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョン‐ス
【審査官】 川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/063796(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0124455(US,A1)
【文献】 特開2003−055276(JP,A)
【文献】 特表2012−500789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50−51/56
H05B 33/00−33/28
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化1で示される有機電界発光素子用材料:
【化1】

式1中、Arは、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン及びトリフェニレン及びトリフェニルアミンからなる群から選択され;
〜R14は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン原子、炭素数1〜40のアルキル基、核原子数3〜40のヘテロ環基、炭素数1〜40のアルコキシ基、核炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数2〜40のアルケニル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜40のアリールアミノ基、炭素数7〜40のアリールアルキルアミノ基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数8〜40のアリールシリル基、炭素数7〜40のケトアリール基、炭素数1〜40のハロゲン化アルキル基及びシアノ基からなる群から選択され、
この時、R〜R14は、それぞれ隣接した置換体同士、又はArに導入された置換体と隣接した置換体とが互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができる。
【請求項2】
下記の化2で示される有機電界発光素子用材料:
【化2】

式2中、Ar及びArは、互いに同一又は相違し、それぞれ独立に、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン及びトリフェニレンからなる群から選択され、この時、Ar及びArは、隣接した置換体と互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができ、
〜R14は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン原子、炭素数1〜40のアルキル基、核原子数3〜40のヘテロ環基、炭素数1〜40のアルコキシ基、核炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数2〜40のアルケニル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜40のアリールアミノ基、炭素数7〜40のアリールアルキルアミノ基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数8〜40のアリールシリル基、炭素数7〜40のケトアリール基、炭素数1〜40のハロゲン化アルキル基及びシアノ基からなる群から選択され、
この時、R〜R、R〜R、R〜R12、R13〜R14は、それぞれ隣接した
置換体と結合し、又は、R12とR13で互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形
成することができる。
【請求項3】
下記の化3で示される有機電界発光素子用材料:
【化3】

式3中、R〜R19は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン原子、炭素数1〜40のアルキル基、核原子数3〜40のヘテロ環基、炭素数1〜40のアルコキシ基、核炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数2〜40のアルケニル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜40のアリールアミノ基、炭素数7〜40のアリールアルキルアミノ基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数8〜40のアリールシリル基、炭素数7〜40のケトアリール基、炭素数1〜40のハロゲン化アルキル基及びシアノ基からなる群から選択され、
この時、R〜R、R〜R13及びR〜R12は、隣接したもの同士が互いに結合
して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができる。
【請求項4】
下記の化4で示される有機電界発光素子用材料:
【化4】

式4中、R〜R15は、それぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン原子、炭素数1〜40のアルキル基、核原子数3〜40のヘテロ環基、炭素数1〜40のアルコキシ基、核炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数2〜40のアルケニル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜40のアリールアミノ基、炭素数7〜40のアリールアルキルアミノ基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数8〜40のアリールシリル基、炭素数7〜40のケトアリール基、炭素数1〜40のハロゲン化アルキル基及びシアノ基からなる群から選択され、
複数個のZは、それぞれ独立したもので、同様に表記されても、同一又は互いに異なっていることができ、複数個のZのうち少なくとも1つは、窒素原子であり、残りは、炭素原子である。
【請求項5】
陽極;陰極;及び前記陽極と陰極との間に介在した1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、
前記有機物層のうち少なくとも1つは、下記の化5で示される化合物、下記の化6で示される化合物、下記の化7で示される化合物及び下記の化8で示される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含むことを特徴とする有機発光素子。
【化5】

式5中、Arは、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン及びトリフェニレン及びトリフェニルアミンからなる群から選択され;
〜R14は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン原子、炭素数1〜40のアルキル基、核原子数3〜40のヘテロ環基、炭素数1〜40のアルコキシ基、核炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数2〜40のアルケニル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜40のアリールアミノ基、炭素数7〜40のアリールアルキルアミノ基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数8〜40のアリールシリル基、炭素数7〜40のケトアリール基、炭素数1〜40のハロゲン化アルキル基及びシアノ基からなる群から選択され、
この時、R〜R14は、それぞれ隣接した置換体同士、又はArに導入された置換体と隣接した置換体とが互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができる。
【化6】

式6中、Ar及びArは、互いに同一又は相違し、それぞれ独立に、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン及びトリフェニレンからなる群から選択され、この時、Ar及びArは、隣接した置換体と互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができ、
〜R14は、上述の化5における定義と同様であり;
この時、R〜R、R〜R、R〜R12、R13〜R14は、それぞれ隣接した置換体と結合し、又は、R12とR13で互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができる。
【化7】

式7中、R〜R19は、上述の化5におけるR〜R14の定義と同様であり;
この時、R〜R、R〜R13及びR〜R12は、隣接したもの同士が互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができる。
【化8】

式8中、R〜R15は、上述の化5におけるR〜R14の定義と同様であり;
複数個のZは、それぞれ独立したもので、同様に表記されても、同一又は互いに異なっていることができ、複数個のZのうち少なくとも1つは、窒素原子であり、残りは、炭素原子である。
【請求項6】
前記化合物は、発光層、正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択される1つ以上の有機物層に含まれることを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の構造を有するフェナントロカルバゾール系有機電界発光素子用材料、及び前記材料を1つ以上の有機物層に含むことで発光効率、輝度、熱的安定性、駆動電圧、寿命などの諸特性が向上した有機電界発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光(electroluminescent、EL)素子(以下、「有機EL素子」と略する)に関する研究は、1950年代にBernanoseにより有機薄膜発光が観測された後、1965年にはアントラセン単結晶を用いた青色電気発光が発表され、また、1987年にはTangらにより正孔層と発光層の機能層に分かれた積層構造の有機EL素子が提示されている。その後、高効率、長寿命の有機EL素子を作るために、素子内それぞれの特徴的な有機物層を導入するように発展されつつあり、その使用に特化した物質の開発が行われている。
【0003】
このような有機EL素子は、ITO(Indium Tin Oxide)基板、陽極、選択的に陽極から正孔を受け取る正孔注入層、選択的に正孔を伝達する正孔輸送層、正孔と電子とが再結合して光を出す発光層、選択的に電子を伝達する電子輸送層、選択的に陰極から電子を受け取る電子注入層、及び陰極から構成されている。上述のように有機EL素子を多層にして製作する理由は、正孔と電子の移動速度が異なっているためであり、適切な正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層を形成することで正孔と電子とが効果的に伝達されることができ、素子内の正孔と電子とのバランスが成り立って発光効率を高めることができる。電子注入層で注入された電子と正孔注入層から伝達された正孔とは、発光層で再結合してエキシトンを形成するが、一重項励起状態から基底状態へ落ちる時の発光を蛍光と、三重項励起状態から基底状態へ落ちる時の発光を燐光と呼ぶ。理論的に、キャリヤが発光層で再結合してエキシトンが発生する時、一重項励起子と三重項励起子との割合が1:3となり、燐光を用いる場合、内部量子効率が100%に達することができる。
【0004】
尚、一般に燐光ホスト材料としては、CBP(4,4−ジカルバゾーリルビフェニル)などのカルバゾール系化合物などが使用され、燐光ドーパント材料としては、Ir、Ptなどの重原子が含まれた金属錯体化合物が広く使用されている。しかし、現在使用されている燐光ホスト材料であるCBPの場合、ガラス転移温度(Tg)が110℃程度と低く、素子内の結晶化が起こり易いため、有機EL素子の寿命が150時間程度と非常に短いという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、発光効率、輝度、熱的安定性、駆動電圧、寿命などの諸特性が向上した有機発光素子の材料及び前記材料を用いた有機EL素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記の化1で示される化合物、化2で示される化合物、化3で示される化合物及び化4で示される化合物、好ましくは、フェナントロカルバゾール化合物系の有機電界発光素子用材料を提供する。
【0007】
【化1】
式1中、Arは、芳香族炭化水素環基又は芳香族環アミン基であって、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン及びトリフェニレン及びトリフェニルアミンからなる群から選択され;
〜R14は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン原子、炭素数1〜40のアルキル基、核原子数3〜40のヘテロ環基、炭素数1〜40のアルコキシ基、核炭素数6〜40の芳香族炭化水素基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数2〜40のアルケニル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜40のアリールアミノ基、炭素数7〜40のアリールアルキルアミノ基、炭素数3〜20のアルキルシリル基、炭素数8〜40のアリールシリル基、炭素数7〜40のケトアリール基、炭素数1〜40のハロゲン化アルキル基及びシアノ基からなる群から選択され、
この時、R〜R14は、それぞれ隣接した置換体同士又はArに導入された置換体と隣接した置換体とが互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができる。
【0008】
【化2】
式2中、Ar及びArは、互いに同一又は相違し、それぞれ独立に、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン及びトリフェニレンからなる群から選択され、この時、Ar及びArは、隣接した置換体と互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができ、
〜R14は、上述の化1における定義と同様であり;
この時、R〜R、R〜R、R〜R12、R13〜R14は、それぞれ隣接した置換体と結合し、又は、R12とR13で互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができる。
【0009】
【化3】
式3中、R〜R19は、上述の化1におけるR〜R14の定義と同様であり
この時、R〜R、R〜R13及びR〜R12は、隣接したもの同士が互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成することができる。
【0010】
【化4】
式4中、R〜R15は、それぞれ独立に、上述の化1におけるR〜R14の定義と同様であり、
複数個のZは、それぞれ独立したもので、同様に表記されても、同一又は互いに異なっていることができ、複数個のZのうち少なくとも1つは、窒素原子であり、残りは、炭素原子である。
【0011】
また、本発明は、陽極;陰極;及び前記陽極と陰極との間に介在した1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうち少なくとも1つは、上述の化1で示される化合物、化2で示される化合物、化3で示される化合物及び化4で示される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含むことを特徴とする有機発光素子を提供する。
【0012】
なお、前記化1乃至化4で示される化合物は、発光層、正孔注入層及び正孔輸送層からなる群から選択される1つ以上のものに使用されることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明においては、対称又は非対称の分子構造を有する特定の有機電界発光素子用材料を、燐光性有機発光素子、好ましくは、正孔輸送層材料、電子輸送層材料又は燐光発光層、特に緑色又は赤色のホスト材料として適用することで、有機発光素子の発光効率、輝度、熱的安定性、駆動電圧、寿命などの諸特性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明においては、広いエネルギーバンドギャップと、従来の有機発光素子用材料(例えば、N4,N4’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N4,N4’−ジフェニルビフェニル−4,4’−ジアミン(以下、「α−NPB」と略する)と、4,4−ジカルバゾーリルビフェニル(以下、「CBP」と略する))に比べて高い分子量を有する特定の構造のフェナントロカルバゾール化合物を提供することを特徴とする。
【0015】
前記化1乃至化4で表記される化合物は、分子量が増大するに伴い、ガラス相転移温度(Tg)の向上及びこれによる熱的安定性から、耐久性及び寿命向上を奏することができる。また、非対称の分子構造によって、立体障害を形成するようになり、結晶性を妨害することができ、寿命の面で優れた性能を発揮することができる。
【0016】
上述の化合物を、有機発光素子の正孔輸送層、及び青色、緑色及び/又は赤色の燐光ホスト材料又は蛍光ホスト材料として採用する場合、α−NPB及びCBPに対して、効率及び寿命の面で優れた性能向上を図ることができる。従って、本発明に係る化1、好ましくは化1乃至化4で示される化合物は、有機発光素子の性能改善及び寿命向上に大きく寄与でき、特に、このような素子寿命の向上は、フルカラー有機発光パネルにおける性能の最大化にも大きな効果がある。
【0017】
下記の式(化5i〜化5vii)は、本発明の化1乃至化4で示される化合物の代表例であるが、本発明の化1乃至化4で示される化合物は、下記の例に限定されない。
【0018】
【化5i】
【0019】
【化5ii】
【0020】
【化5iii】
【0021】
【化5iv】
【0022】
【化5v】
【0023】
【化5vi】
【0024】
【化5vii】
【0025】
本発明の化1乃至化4で示される化合物は、通常の合成方法によって合成することができる(Chem.Rev.,60:313(1960);J.Chem.SOC.4482(1995);Chem.Rev.95:2457(1995)参照)。本発明の化合物に係る合成過程については、後述の合成例で詳述する。
【0026】
本発明の他の側面は、上述の本発明に係る化1乃至化4で示される化合物を含む有機電界発光素子に関する。
【0027】
具体的には、本発明は、陽極(アノード);陰極(カソード);及び前記陽極と陰極との間に介在した1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記一層以上の有機物層のうち少なくとも1つは、下記の化1乃至化4で示される化合物を含むことを特徴とする。
【0028】
前記化1乃至化4の化合物は、単独又は複数含まれることができる。
【0029】
本発明の化1乃至化4で示される化合物を含む有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層及び発光層のうちのいずれか1つ以上であることができる。好ましくは、前記化1乃至化4で示される化合物は、正孔注入層、正孔輸送層材料として有機EL素子に含まれることができ、この場合、有機EL素子は、正孔注入/輸送能力を最大化することができる。また、前記化合物は、有機EL素子の発光層材料として使用されることで、向上した効率及び寿命を提供することができる。
【0030】
本発明において、発光層は、燐光ゲスト材料又は蛍光性ゲスト材料を含むことができる。好ましくは、前記化1乃至化4で示される化合物は、青色、緑色及び/又は赤色の燐光ホスト、蛍光ホスト、正孔輸送物質及び/又は正孔伝達物質として有機発光素子に含まれることができる。
【0031】
また、本発明に係る化1乃至化4で示される化合物は、150℃以上の高いガラス転移温度を有している。従って、前記化合物を有機発光素子の有機物層として使用する場合、有機発光素子内の結晶化発生が最小化できるため、素子の駆動電圧を低くすることができ、発光効率、輝度、熱的安定性及び寿命特性を向上させることができる。
【0032】
本発明に係る有機EL素子の構造としては、例えば、基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び陰極がこの順で積層されるものであることができるが、これに制限されない。なお、前記発光層、正孔注入層、正孔輸送層のうち少なくとも1つは、前記化1乃至化4で示される化合物を含むことができる。前記電子輸送層の上には電子注入層が位置することもできる。
【0033】
また、本発明に係る有機発光素子は、上述のように、陽極、1層以上の有機物層及び陰極が順次積層される構造だけでなく、電極と有機物層との界面に絶縁層又は接着層が挿入されることもできる。
【0034】
本発明の有機発光素子において、前記化1乃至化4の化合物を含む前記有機物層は、真空蒸着法又は溶液塗布法で形成されることができる。前記溶液塗布としては、例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード、インクジェットプリント法又は熱転写法などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本発明の有機発光素子は、素子内有機物層のうち少なくとも1層が本発明の化1乃至化4で示される化合物を含むことを除き、当技術分野で公知の材料及び方法を用いて有機物層及び電極を形成して製造することができる。
【0036】
例えば、基板としては、シリコンウェハ、石英、ガラス板、金属板、プラスチックフィルムやシートなどを使用することができる。
【0037】
陽極材料としては、バナジウム、クロム、亜鉛、金のような金属又はこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:Al又はSnO:Sbのような金属と酸化物との組合せ物;ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロール及びポリアニリンのような伝導性高分子;又はカーボンブラックなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
陰極材料としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリウム、アルミニウム、銀、錫又は鉛のような金属又はこれらの合金;LiF/Al又はLiO/Alのような多層構造物質などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
前記正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層としては、特に限定されず、当業界で公知の通常のものを使用することができる。
【0040】
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明する。但し、下記の実施例は、本発明の例示に過ぎず、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0041】
[合成例1]:2−ブロモ−9H−カルバゾールの合成
【化6】
【0042】
窒素下、4’−ブロモ−2−ニトロビフェニル17.93g(64.47mmol)と、トリエチルホスファイト56.09mL(322.37mmol)を丸底フラスコに入れた後、5時間還流攪拌した。反応終了後、溶媒を蒸留除去し、ヘキサン:MC=3:2(v/v)でカラムを行い、2−ブロモ−9H−カルバゾール7.2gと、2−ブロモ−9−エチル−9H−カルバゾール4.26gを得た。
【0043】
(i)2−ブロモ−9H−カルバゾール
H NMR:7.13 (t, 1H), 7.25 (dd, 1H), 7.34 (t, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.94 (d, 1H) , 8.02 (d, 1H) , 10.42 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:244.98g/mol、測定値:245g/mol)
【0044】
(ii)2−ブロモ−9−エチルカルバゾール
H NMR:1.35 (t, 3H), 4.37 (dd, 2H), 7.17 (t, 1H), 7.28 (dd, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.70 (d, 1H), 7.95 (d, 1H), 8.04 (d, 1H).
GC−Mass(理論値:273.02g/mol、測定値:273g/mol)
【0045】
[合成例2]:2−ブロモ−9−フェニルカルバゾールの合成
【化7】
【0046】
ヨードベンゼン30.51g(149.56mmol)と、2−ブロモ−9H−カルバゾール18.32g(74.78mmol)、ナトリウムt−ブトキシド14.37g(149.56mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン1.81mL(7.48mmol)をトルエン300mlに溶解させ、Pd(dba) 0.68g(0.75mmol)を入れた後、12時間還流攪拌した。反応終了後、ジクロロメタンで抽出及びシリカゲルろ過し、ヘキサン:MC=9:1(v/v)でカラムを行い、2−ブロモ−9−フェニルカルバゾール8.99g(収率37%)を得た。
【0047】
H NMR:7.24 (t, 1H), 7.36 (m, 3H), 7.50 (dd, 2H), 7.58 (t, 2H), 7.65 (t, 2H), 8.06 (d, 1H), 8.13 (d, 1H).
Gc−Mass(理論値:321.02g/mol、測定値:321g/mol)
【0048】
[合成例3]:9−エチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾールの合成
【化8】
【0049】
2−ブロモ−9−エチルカルバゾール4.26g(15.60mmol)と、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)5.15g(20.28mmol)、酢酸カリウム3.06g(31.21mmol)、Pd(dppf)Cl 0.25g(0.31mmol)を1,4−ジオキサン50mlに溶解させた後、12時間還流攪拌した。反応終了後、ジクロロメタンで抽出及びシリカゲルろ過し、ヘキサン:MC=7:3(v/v)でカラムを行い、9−エチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾール4.8g(収率96%)を得た。
【0050】
H NMR:1.36 (s, 12H), 1.39 (t, 3H), 4.45 (dd, 2H), 7.14 (t, 1H), 7.41 (t, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.90 (s, 1H), 8.07 (dd, 2H).
GC−Mass(理論値:321.19g/mol、測定値:321g/mol)
【0051】
[合成例4]:9−フェニル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾールの合成
【化9】
【0052】
2−ブロモ−9−フェニルカルバゾール8.3g(25.86mmol)と、4,4,4,’4,’5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)8.54g(33.61mmol)、酢酸カリウム5.08g(51.71mmol)、Pd(dppf)Cl 0.42g(0.52mmol)を1,4−ジオキサン100mlに溶解させた後、12時間還流攪拌した。反応終了後、ジクロロメタンで抽出及びシリカゲルろ過し、ヘキサン:MC=7:3(v/v)でカラムを行い、9−フェニル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾール9.2g(収率94%)を得た。
【0053】
H NMR:1.31 (s, 12H), 7.23 (t, 1H), 7.36 (m, 2H), 7.49 (t, 1H), 7.58 (dd, 2H), 7.64 (t, 2H), 7.67 (d, 1H), 7.79 (s, 1H), 8.14 (dd, 2H).
GC−Mass(理論値:369.19g/mol、測定値:369g/mol)
【0054】
[合成例5]:2−ブロモ−5’−メトキシビフェニルの合成
【化10】
【0055】
1,2−ジブロモベンゼン20.0g(85.52mmol)と、3−メトキシフェニルボロン酸11.70g(76.67mmol)、Pd(PPh 0.99g(0.86mmol)、炭酸ナトリウム18.13g(171.04mmol)を入れた後、トルエン300ml及びエタノール100mlに懸濁した後、12時間還流攪拌した。反応終了後、ジクロロメタンで抽出及びシリカゲルろ過し、ヘキサン:MC=4:1(v/v)でカラムを行い、目的化合物である2−ブロモ−3’−メトキシビフェニル14.12g(収率63%)を得た。
【0056】
H NMR:3.47 (s, 3H), 6.73 (t, 1H), 7.13 (t, 1H), 7.35 (t, 1H), 7.40 (m, 4H), 7.54 (d, 1H).
GC−Mass(理論値:262.00g/mol、測定値:262g/mol)
【0057】
[合成例6]:9−エチル−2−(3’−メトキシビフェニル−2−イル)カルバゾールの合成
【化11】
【0058】
2−ブロモ−3’−メトキシビフェニル3.93g(15.00mmol)と、9−エチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾール5.3g(16.50mmol)、Pd(PPh 0.35g(0.30mmol)をトルエン50mlに溶解させ、NaCO 4.77g(45.00mmol)を蒸留水25mlに加えた後、5時間還流攪拌した。反応終了後、ジクロロメタンで抽出及びシリカゲルろ過し、ヘキサン:MC=7:3(v/v)でカラムを行い、9−エチル−2(3’−メトキシビフェニル−2−イル)カルバゾール3.90g(収率69%)を得た。
【0059】
H NMR:1.17 (t, 3H), 3.48 (s, 3H), 4.23 (dd, 2H), 6.65 (dd, 1H), 6.67 (dd, 2H), 7.03 (m, 2H), 7.11 (t, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.36 (t, 1H), 7.41 (m, 4H), 7.54 (dd, 1H), 7.93 (d, 1H), 8.00 (d, 1H).
GC−Mass(理論値:377.18g/mol、測定値:377g/mol)
【0060】
[合成例7]:10−エチル−3−メトキシ−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾールの合成
【化12】
【0061】
9−エチル−2(3’−メトキシビフェニル−2−イル)カルバゾール3.90g(10.34mmol)と、ジクロロメタン50mlに溶解させ、常温でFeCl 3.52g(21.71mmol)をゆっくり加えた後、12時間攪拌した。攪拌後、FeCl 3.52g(21.71mmol)をさらに加えて1時間攪拌した。反応終了後、蒸留水とエタノールでクエンチングし、有機物層を分離してシリカゲルろ過し、ヘキサン:MC=7:3(v/v)でカラムを行い、10−エチル−3−メトキシ−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール2.5g(収率64%)を得た。
【0062】
H NMR:1.51 (t, 3H), 4.00 (s, 3H), 4.61 (dd, 2H), 7.23 (t, 1H), 7.28 (dd, 1H), 7.48 (m, 2H), 7.61 (m, 2H), 8.12 (d, 1H), 8.32 (d, 1H), 8.67 (dd, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.81 (d, 1H), 8.88 (d, 1H), 9.38 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:375.16g/mol、測定値:375g/mol)
【0063】
[合成例8]:10−エチル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−オルの合成
【化13】
【0064】
10−エチル−3−メトキシ−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール2.5g(6.66mmol)、ピリジン塩酸塩3.85g(33.32mmol)を反応容器に入れた後、220℃で2時間還流攪拌した。反応終了後、ゆっくり蒸留水を加え、生成した固体をろ過し、ヘキサン:EA=4:1(v/v)でカラムを行い、目的化合物である10−エチル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−オル2.2g(収率91%)を得た。
【0065】
H NMR:1.50 (t, 3H), 4.60 (dd, 2H), 7.15 (dd, 1H), 7.21 (t, 1H), 7.48 (m, 2H), 7.58 (m, 2H), 7.99 (d, 1H), 8.30 (d, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.55 (t, 1He), 8.68 (s, 1H), 8.74 (d, 1H), 8.86 (d, 1H), 9.34 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:361.15g/mol、測定値:361g/mol)
【0066】
[合成例9]:10−エチル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネートの合成
【化14】
【0067】
10−エチル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−オル2.2g(6.09mmol)と、ピリジン35mlを反応容器に入れ、攪拌した。反応物にトリフルオロメタンスルホニル無水物1.23mL(7.31mmol)をゆっくり加え、12時間攪拌した。反応終了後、ピリジンを除去し、メタノールで3回洗浄した後、ヘキサン/MC再結晶を行い、目的化合物である10−エチル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネート2.69g(収率90%)を得た。
【0068】
H NMR:1.47 (t, 3H), 4.62 (dd, 2H), 7.17 (dd, 1H), 7.20 (t, 1H), 7.45 (m, 2H), 7.56 (m, 2H), 7.95 (d, 1H), 8.25 (d, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.58 (t, 1H), 8.71 (d, 1H), 8.88 (d, 1H), 9.32 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:493.10g/mol、測定値:493g/mol)
【0069】
[実施例1]:Inv−35の合成
【化15】
【0070】
合成例9で合成した10−エチル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネート2.69g(5.46mmol)、ジビフェニル−4−イルアミン2.63g(8.18mmol)、Pd(OAc) 0.04g(0.16mmol)、Binap0.20g(0.33mmol)、KCO 1.51g(10.91mmol)を入れた後、トルエン30mLに懸濁し、12時間還流攪拌した。反応終了後、ジクロロメタンで抽出及びシリカゲルろ過し、ヘキサン:MC=4:1(v/v)でカラムを行い、目的化合物であるN,N−ジ(ビフェニル−4−イル)−10−エチル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−アミン2.83g(収率78%)を得た。
【0071】
H NMR:1.48 (t, 3H), 4.61 (dd, 2H), 6.57 (dd, 4H), 7.16 (dd, 1H), 7.19 (t, 1H), 7.46 (m, 12H), 7.55 (m, 2H), 7.78 (dd, 4H), 7.93 (d, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.56 (t, 1H), 8.73 (d, 1H), 8.85 (d, 1H), 9.17 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:664.29g/mol、測定値:664g/mol)
【0072】
[実施例2]:Inv−1の合成
【化16】
【0073】
合成例9で合成した10−エチル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネート10.0g(20.28mmol)と、フェニルボロン酸3.71g(30.42mmol)、Pd(PPh 0.23g(0.20mmol)をトルエン150mlに溶解させ、NaCO 4.30g(40.56mmol)を蒸留水50mlに入れた後、5時間還流攪拌した。反応終了後、ジクロロメタンで抽出及びシリカゲルろ過し、ヘキサン:MC=7:3(v/v)でカラムを行い、10−エチル−3−フェニル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール5.81g(収率68%)を得た。
【0074】
H NMR:1.45 (t, 3H), 4.63 (dd, 2H), 7.16 (dd, 1H), 7.22 (t, 1H), 7.45 (m, 5H), 7.55 (m, 2H), 7.79 (dd, 2H), 7.98 (d, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.59 (t, 1H), 8.68 (d, 1H), 8.89 (d, 1H), 9.31 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:421.18g/mol、測定値:421g/mol)
【0075】
[実施例3]:Inv−6の合成
ビフェニル−3−イルボロン酸6.03g(30.42mmol)を入れた以外は、上述の実施例2と同様にして目的化合物であるInv−6を6.96g(収率69%)得た。
【0076】
H NMR:1.46 (t, 3H), 4.64 (dd, 2H), 7.18 (dd, 1H), 7.23 (t, 1H), 7.46 (m, 8H), 7.56 (m, 2H), 7.80 (dd, 3H), 7.99 (d, 1H), 8.22 (d, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.61 (t, 1H), 8.67 (d, 1H), 8.88 (d, 1H), 9.33 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:497.21g/mol、測定値:497g/mol)
【0077】
[実施例4]:Inv−12の合成
9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾール11.23g(30.42mmol)を入れた以外は、上述の実施例2と同様にして目的化合物であるInv−12を8.32g(収率70%)得た。
【0078】
H NMR:1.46 (t, 3H), 4.63 (dd, 2H), 7.16 (dd, 1H), 7.21 (m, 3H), 7.46 (m, 10H), 7.61 (m, 3H), 7.96 (d, 1H), 8.23 (m, 2H), 8.43 (s, 1H), 8.59 (t, 1H), 8.70 (d, 1H), 8.90 (d, 1H), 9.28 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:586.24g/mol、測定値:586g/mol)
【0079】
[実施例5]:Inv−17の合成
N,N−ジフェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン11.23g(30.42mmol)を入れた以外は、上述の実施例2と同様にして目的化合物であるInv−12を8.32g(収率70%)得た。
【0080】
H NMR:1.46 (t, 3H), 4.62 (dd, 2H), 6.51 (m, 5H), 6.65 (d, 1H), 6.89 (t, 1H), 7.03 (m, 7H), 7.16 (dd, 1H), 7.20 (t, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.58 (m, 2H), 7.98 (d, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.59 (t, 1H), 8.73 (d, 1H), 8.92 (d, 1H), 9.29 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:588.26g/mol、測定値:588g/mol)
【0081】
[実施例6]:Inv−23の合成
2,4−ジフェニル−6−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピリミジン13.21g(30.42mmol)を入れた以外は、上述の実施例2と同様にして目的化合物であるInv−23を7.79g(収率59%)得た。
【0082】
H NMR:1.46 (t, 3H), 4.61 (dd, 2H), 7.18 (dd, 1H), 7.21 (t, 1H), 7.44 (m, 11H), 7.55 (m, 2H), 7.71 (m, 3H), 7.96 (d, 1H), 8.26 (m, 4H), 8.43 (s, 1H), 8.57 (t, 1H), 8.73 (d, 1H), 8.89 (d, 1H), 9.34 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:651.27g/mol、測定値:651g/mol)
【0083】
[実施例7]:Inv−46の合成
合成例4で合成したものを合成例6〜9と同じ方法で合成した10−フェニル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネート10.0g(18.48mmol)と、ビフェニル−3−イルボロン酸6.03g(27.72mmol)を入れた以外は、上述の実施例2と同様にして目的化合物であるInv−46を6.65g(収率66%)得た。
【0084】
H NMR:7.15 (dd, 1H), 7.26 (m, 3H), 7.45 (m, 8H), 7.55 (m, 5H), 7.79 (dd, 3H), 7.97 (d, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.60 (t, 1H), 8.69 (d, 1H), 8.89 (d, 1H), 9.31 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:545.21g/mol、測定値:545g/mol)
【0085】
[実施例8]:Inv−52の合成
合成例4で合成したものを合成例6〜9と同じ方法で合成した10−フェニル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネート10.0g(18.48mmol)と、9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)カルバゾール10.23g(27.72mmol)を入れた以外は、上述の実施例2と同様にして目的化合物であるInv−52を8.20g(収率70%)得た。
【0086】
H NMR:7.17 (dd, 1H), 7.26 (m, 5H), 7.46 (m, 10H), 7.60 (m, 6H), 7.95 (d, 1H), 8.22 (m, 2H), 8.42 (s, 1H), 8.61 (t, 1H), 8.75 (d, 1H), 8.91 (d, 1H), 9.29 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:634.24g/mol、測定値:634g/mol)
【0087】
[実施例9]:Inv−63の合成
合成例4で合成したものを合成例6〜9と同じ方法で合成した10−フェニル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネート10.0g(18.48mmol)と、2,4−ジフェニル−6−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピリミジン12.04g(27.72mmol)を入れた以外は、上述の実施例2と同様にして目的化合物であるInv−63を8.40g(収率65%)得た。
【0088】
H NMR:7.17 (dd, 1H), 7.26 (m, 3H), 7.42 (m, 11H), 7.55 (m, 5H), 7.76 (m, 3H), 7.98 (d, 1H), 8.21 (m, 4H), 8.44 (s, 1H), 8.59 (t, 1H), 8.74 (d, 1H), 8.90 (d, 1H), 9.26 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:699.27g/mol、測定値:699g/mol)
【0089】
[実施例10]:Inv−72の合成
合成例4で合成したものを合成例6〜9と同じ方法で合成した10−フェニル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネート10.0g(18.48mmol)と、ジナフタレン−1−イルアミン7.46g(27.72mmol)を入れた以外は、上述の実施例1と同様にして目的化合物であるInv−72を8.66g(収率71%)得た。
【0090】
H NMR:6.61 (d, 2H), 7.17 (dd, 1H), 7.25 (m, 7H), 7.44 (m, 6H), 7.57 (m, 7H), 7.96 (d, 1H), 8.21 (m, 3H), 8.44 (s, 1H), 8.56 (t, 1H), 8.69 (d, 1H), 8.85 (d, 1H), 9.35 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:660.26g/mol、測定値:660g/mol)
【0091】
[実施例11]:Inv−75の合成
合成例4で合成したものを合成例6〜9と同じ方法で合成した10−フェニル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネート10.0g(18.48mmol)と、ジビフェニル−4−イルアミン8.76g(27.72mmol)を入れた以外は、上述の実施例1と同様にして目的化合物であるInv−75を9.21g(収率70%)得た。
【0092】
H NMR:6.59 (dd, 4H), 7.17 (dd, 1H), 7.26 (m, 3H), 7.45 (m, 12H), 7.55 (m, 5H), 7.77 (dd, 4H), 7.94 (d, 1H), 8.23 (d, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.57 (t, 1H), 8.71 (d, 1H), 8.86 (d, 1H), 9.19 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:712.29g/mol、測定値:712g/mol)
【0093】
[実施例12]:Inv−80の合成
合成例4で合成したものを合成例6〜9と同じ方法で合成した10−フェニル−10H−フェナントロ[9,10−b]カルバゾール−3−イル トリフルオロメタンスルホネート10.0g(18.48mmol)と、N−(ビフェニル−4−イル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン10.01g(27.72mmol)を入れた以外は、上述の実施例1と同様にして目的化合物であるInv−80を14.18g(収率68%)得た。
【0094】
H NMR:1.58 (s, 6H), 6.53 (dd, 4H), 7.16 (dd, 1H), 7.25 (m, 3H), 7.44 (m, 10H), 7.54 (m, 5H), 7.78 (m, 4H), 7.95 (d, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.55 (t, 1H), 8.72 (d, 1H), 8.89 (d, 1H), 9.17 (s, 1H).
GC−Mass(理論値:752.32g/mol、測定値:752g/mol)
【0095】
[実施例13〜17]:有機EL素子の製造及び評価
1500Åの厚さでITO(Indium Tin Oxide)薄膜コーティングが施されたガラス基板を蒸留水超音波で洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄し、乾燥後、プラズマ洗浄機へ移送し、酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着器へ基板を移送した。
【0096】
上述のように用意したITO透明電極の上に、NPB(40nm)/Inv+10%Ir(ppy)(20nm)/BCP(10nm)/Alq(40nm)/LiF(1nm)/Alの順で発光素子を構成し、次いで、これらの発光特性を評価し、その結果を下記表1に示した。なお、Invに適用される化合物については、下記の表1に示されている。
【0097】
[実施例18〜24]:有機EL素子の製造及び評価
1500Åの厚さでITO(Indium Tin Oxide)薄膜コーティングが施されたガラス基板を蒸留水超音波で洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄し、乾燥後、プラズマ洗浄機へ移送し、酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着器へ基板を移送した。
【0098】
上述のように用意したITO透明電極の上に、Inv(40nm)/CBP+10%Ir(ppy)(20nm)/BCP(10nm)/Alq(40nm)/LiF(1nm)/Alの順で発光素子を構成し、次いで、これらの発光特性を評価し、その結果を下記表1に示した。なお、Invに適用される化合物については、下記の表2に示されている。
【0099】
[比較例1]
上述の実施例13〜24で用意した電極の上に、NPB(40nm)/CBP+10%Ir(ppy)(20nm)/BCP(10nm)/Alq(40nm)/LiF(1nm)/Alの順で発光素子を構成し、実施例1と同様にして発光特性を評価した。
【0100】
参考のために、NPB(化21)、CBP(化22)及びIr(ppy)(化23)、BCP(化24)の構造を下記のように示す。
【0101】
【化17】
【0102】
【化18】
【0103】
【化19】
【0104】
【化20】
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
実験の結果、本発明に係るフェナントロカルバゾール系化合物を使用する実施例13〜24の有機発光素子では、従来のCBPを使用する比較例1の有機発光素子に比べて、電圧及び効率の面で遥かに優れた性能を示すことが確認された(表1〜2参照)。
【0108】
以上、本発明の好適な実施例について説明してきたが、本発明は、これらに限定されるものではなく、特定請求の範囲と発明の詳細な説明の範囲内で種々に変更して実施することができ、これらは、本発明の範疇に属するものであることは言うまでも無い。