(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
3−オキソ−3−((3R)−3−{[3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)プロパンニトリル;
3−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
4−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン;
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−クロロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−フルオロ−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(5−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−クロロ−3−(5−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−クロロ−3−(5−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−6−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−(ジフルオロメチル)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−5−メチルピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−8−(2−メトキシエトキシ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−8−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−フルオロ−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリミジン−4(3H)−オン;
またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物、もしくはN−オキシド、もしくは立体異性体もしくは重水素化誘導体もしくは互変異性体のうちの1つである、
請求項1に記載の化合物。
該病状または疾患が、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択される、請求項32または33に記載の化合物。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、JAK経路の標的化またはJAKキナーゼの阻害が治療的に有用であり得る状態の処置における使用のための、新規イミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびイミダゾ[4,5−b]ピリジン誘導体を提供する。
【0020】
本発明において記載される化合物は、JAK1、JAK2およびJAK3に同様に強力な阻害剤、すなわち全JAK阻害剤である。この特性は、それらを脊髄増殖性障害(例えば、真性赤血球増加症、本態性血小板血症または骨髄線維症)、白血病、リンパ腫および固形腫瘍、骨髄および臓器移植拒絶、免疫仲介疾患および炎症性疾患、例えばリウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)を含む、炎症と関連する眼疾患もしくはアレルギー性眼疾患(例えば、ドライアイ、ブドウ膜炎またはアレルギー性結膜炎)、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および炎症性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎または乾癬)のような病状または疾患の処置または予防のために有用にする。
【0021】
この度、特定のイミダゾ[1,2−b]ピリダジンおよびイミダゾ[4,5−b]ピリジン誘導体が、新規の強力なJAK阻害剤であり、それ故に、これらの疾患の処置または予防に用いられ得ることが見出された。
【0022】
故に、本発明は、式(I):
【化1】
[式中、
mは、0または1ないし3の整数であり;
XおよびYはそれぞれ独立して、窒素原子または−CR
7基であり、ここで、XおよびYの少なくとも一方は、−CR
7基であり;
G
1およびG
2のうち一方は、窒素原子であり、他方は炭素原子であり;
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
10シクロアルキル基、C
3−C
10シクロアルケニル基、単環式もしくは多環式C
5−C
14アリール基、O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5ないし14員のヘテロアリール基、またはO、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5ないし14員のヘテロシクリル基であるか、
(ここで、該アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
1−C
4アルキルスルホニル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基およびピペリジル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されている);
または、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基、または−NR
8R
9基であり;
R
3は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
10シクロアルキル基、C
3−C
10シクロアルケニル基、単環式または多環式C
5−C
14アリール基、O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5ないし14員のヘテロアリール基、またはO、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5ないし14員のヘテロシクリル基であり、
(ここで、該アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピペリジル基、−(CH
2)
nOR
9基、−NR
8R
9基、−C(O)−(CH
2)
n−R
8基、−C(O)−(CH
2)
n−NR
8R
9基、−S(O)
2(CH
2)
nR
9基または−S(O)
2(CH
2)
nNR
8R
9基(式中、各nは、0、1または2である)から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されている);
R
4は、水素原子、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基であり、該アルキル基は、非置換であるか、またはシアノ基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されており;
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基であり、該アルキル基は、非置換であるか、またはシアノ基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されており;
R
7は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
10シクロアルキル基、C
3−C
10シクロアルケニル基、単環式または多環式C
5−C
14アリール基、O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5ないし14員のヘテロアリール基、またはO、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5ないし14員のヘテロシクリル基であり、
(ここで、該アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されている。);
R
8は、水素原子、シアノ基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基であり、該アルキル基は、非置換であるか、またはシアノ基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されており;
R
9は、水素原子、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基であり、該アルキル基は、非置換であるか、またはシアノ基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されている。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物、もしくはN−オキシド、もしくは立体異性体もしくは重水素化誘導体もしくは互変異性体に関する。
【0023】
本発明はさらに、該化合物の製造に有用である、本明細書に記載の合成方法および中間体を提供する。
【0024】
本発明はまた、ヒトまたは動物の治療的処置における使用のための、本明細書に記載の本発明の化合物に関する。
【0025】
本発明はまた、本発明の化合物および薬学的に許容される希釈剤または担体を含む医薬組成物を提供する。
【0026】
本発明はまた、ヤヌスキナーゼ(JAK)の阻害により改善される可能性のある病状または疾患、特に、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患から選択される病状または疾患、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択される病状または疾患の処置に使用するための、本明細書に記載の本発明の化合物に関する。
【0027】
本発明はまた、ヤヌスキナーゼ(JAK)の阻害により改善される可能性のある病状または疾患、とりわけ、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患から選択される病状または疾患、さらにとりわけ、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択される病状または疾患の処置のための医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
【0028】
本発明はまた、ヤヌスキナーゼ(JAK)の阻害により改善される可能性のある病状または疾患、特に、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患から選択される病状または疾患、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択される病状または疾患の処置法であって、治療的有効量の本発明の化合物または本発明の医薬組成物をかかる処置を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0029】
本発明はまた、(i)本明細書に記載の本発明の化合物;ならびに、(ii)骨髄増殖性障害(例えば、真性赤血球増加症、本態性血小板血症または骨髄線維症)、白血病、リンパ性悪性腫瘍および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患、より具体的には、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患、および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;ならびに、免疫仲介疾患から選択される病状または疾患、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択される病状または疾患の処置に有用であることが知られている1種以上のさらなる活性物質を含む、組合せ製品を提供する。
【0030】
本発明はまた、ヒトの処置または動物の処理に、同時に、別個に、または連続して用いるための本発明の組合せ製品を提供する。
【0031】
本明細書で用いる用語「C
1−C
6アルキル」は、1ないし6個の炭素原子、好ましくは1ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝状ラジカルを包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、イソペンチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチルおよびイソ−ヘキシルラジカルが挙げられる。
【0032】
アルキルラジカルが所望により置換されていてよいと記載されるとき、それは、非置換であるか、または1個以上の置換基により、例えば1、2または3個の置換基により任意の位置で置換されていてよい、上記の直鎖もしくは分枝状アルキルを包含することを意味する。2個またはそれ以上の置換基が存在するとき、各置換基は、同じか、または異なっていてよい。
【0033】
本明細書で用いる用語「C
1−C
4ハロアルキル基」は、アルキル基、例えばC
1−C
4またはC
1−C
2アルキル基であり、それは、1個またはそれ以上の、好ましくは1、2または3個のハロゲン原子と結合している。好ましくは、該ハロアルキル基は、−CCl
3、−CHF
2および−CF
3から選択される。
【0034】
本明細書で用いる用語「C
1−C
4ヒドロキシアルキル」は、1ないし4個の炭素原子(それらのうち1個が、1個またはそれ以上の、好ましくは1または2個の、より好ましくは1個のヒドロキシルラジカルで置換されていてよい。)を有する直鎖もしくは分枝状アルキルラジカルを包含する。かかるラジカルの例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、およびヒドロキシブチルが挙げられる。
【0035】
本明細書で用いる用語「C
1−C
4アルキルスルホニル」は、二価の−SO
2−ラジカルに結合した1ないし4個の炭素原子の所望により置換されていてよい直鎖または分枝状アルキルラジカルを含むラジカル類を包含する。
【0036】
本明細書で用いる用語「C
3−C
10シクロアルキル」は、3ないし10個の炭素原子、好ましくは3ないし7個の炭素原子を有する、飽和単環式もしくは多環式炭素環式ラジカルを包含する。所望により置換されていてよいC
3−C
10シクロアルキルラジカルは、典型的に、非置換であるか、または1、2または3個の置換基(それらは同じか、または異なっていてよい)で置換されている。C
3−C
10シクロアルキルラジカルが2個またはそれ以上の置換基を有するとき、該置換基は、同じか、または異なっていてよい。典型的に、C
3−C
10シクロアルキル基上の置換基はそれ自体非置換である。多環式シクロアルキルラジカルは、2個またはそれ以上の縮合シクロアルキル基、好ましくは2個のシクロアルキル基を含む。典型的に、多環式シクロアルキルラジカルは、デカヒドロナフチル(デカリル)、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、カンフィル(camphyl)またはボロニル基から選択される。
【0037】
単環式シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシルが挙げられる。
【0038】
本明細書で用いる用語「C
3−C
10シクロアルケニル」は、3ないし10個の炭素原子、好ましくは3ないし7個の炭素原子を有する、部分的に不飽和の炭素環式ラジカルを包含する。C
3−C
10シクロアルケニルラジカルは、典型的に非置換であるか、または1、2もしくは3個の置換基(それらは同じか、または異なっていてよい)により置換されている。C
3−C
10シクロアルケニルラジカルが、2個またはそれ以上の置換基を有するとき、該置換基は、同じか、または異なっていてよい。典型的に、シクロアルケニル基上の置換基は、それ自体非置換である。
【0039】
例としては、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニルおよびシクロデシニルが挙げられる。
【0040】
本明細書で用いる用語「C
5−C
14アリールラジカル」は、典型的にC
5−C
14、好ましくはC
6−C
14、より好ましくはC
6−C
10単環式もしくは多環式アリールラジカル、例えばフェニル、ナフチル、アントラニルおよびフェナントリルを包含する。フェニルが好ましい。該所望により置換されていてよいC
5−C
14アリールラジカルは典型的に、非置換であるか、または1、2または3個の置換基(それらは同じか、または異なっていてよい)で置換される。C
5−C
14アリールラジカルが2個またはそれ以上の置換基を有するとき、該置換基は、同じか、または異なっていてよい。他に特記されない限り、C
5−C
14アリール基上の置換基は、典型的に、それ自体非置換である。
【0041】
本明細書で用いる用語「5ないし14員のヘテロアリールラジカル」は、典型的に、少なくとも1個のヘテロ芳香環ならびにO、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、5ないし14員環系、好ましくは5ないし10員環系、より好ましくは5ないし6員環系を包含する。5ないし14員のヘテロアリールラジカルは、少なくとも1個の環系が1個のヘテロ原子を含む、単環または2個もしくはそれ以上の縮合環であり得る。
【0042】
該所望により置換されていてよい5ないし14員のヘテロアリールラジカルは、典型的に、非置換であるか、または1、2または3個の置換基(それは、同じか、または異なっていてよい)で置換される。5ないし14員のヘテロアリールラジカルが2個またはそれ以上の置換基を有するとき、該置換基は、同じか、または異なっていてよい。他に特記されない限り、5ないし14員のヘテロアリールラジカル上の置換基は、典型的に、それ自体非置換である。
【0043】
例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ベンゾフラニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ピロリル、ピリジニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、キノリジニル、シンノリニル、トリアゾリル、インドーリジニル、インドリニル、イソインドリニル、イソインドリル、イミダゾリジニル、プテリジニル、チアントレニル、ピラゾリル、2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニルおよび種々のピロロピリジルラジカルが挙げられる。
【0044】
本明細書で用いる用語「5ないし14員のヘテロシクリルラジカル」は、典型的に、非芳香族性の飽和または不飽和C
5−C
14炭素環式環系、好ましくはC
5−C
10炭素環式環系、より好ましくはC
5−C
6炭素環式環系であって、それらの炭素原子の1個以上、例えば1、2、3または4個、好ましくは1個または2個が、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子により置換されるものを包含する。ヘテロシクリルラジカルは、少なくとも1個の環がヘテロ原子を含む、単環または2個もしくはそれ以上の縮合環であり得る。5ないし14員のヘテロシクリルラジカルは、2個またはそれ以上の置換基を有し、該置換基は、同じか、または異なっていてよい。
【0045】
該所望により置換されていてよい5ないし14員のヘテロシクリルラジカルは、典型的に、非置換であるか、または1、2または3個の置換基(それは、同じか、または異なっていてよい)で置換されている。典型的に、5ないし14員のヘテロシクリルラジカル上の置換基は、それ自体非置換である。
【0046】
5ないし14員のヘテロシクリルラジカルの例としては、ピペリジル、ピロリジル、ピロリニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、トリアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、オキシラニル、チアラニル、アジリジニル、オキセタニル、チア
タニル、アゼチジニル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、2−ベンゾフラン−1(3H)−オン、1,3−ジオキソール−2−オン、テトラヒドロフラニル、3−アザ−テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1,4−アザチアニル、オキセパニル、チオフェニル(thiephanyl)、アゼパニル、1,4−ジオキセパニル、1,4−オキサチエパニル(oxathiepanyl)、1,4−オキサアゼパニル、1,4−ジチエパニル(dithiepanyl)、1,4−チエアゼパニル(thieazepanyl)および1,4−チエアゼパニル(thieazepanyl)、トロパニル、(1S,5R)−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、5,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、2H−ピラニル、2,3−ヒドロベンゾフラニル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニル、1,2,5,6−テトラヒドロピリジニル、イソインドリニルおよびインドリニルが挙げられる。
【0047】
5ないし14員のヘテロシクリルラジカルが、2個またはそれ以上の置換基を有するとき、該置換基は、同じか、または異なっていてよい。
【0048】
本明細書で用いる用語「5ないし7員の飽和N含有ヘテロ環式基」は、炭素原子の1つが、Nで置換され、所望により1、2、または3個、好ましくは1個または2個のさらなる炭素原子が、NおよびOから選択されるヘテロ原子により置換されている、C
5−C
7飽和炭素環式環系である。
【0049】
該5ないし7員の飽和N含有ヘテロ環式基は、典型的に、非置換であるか、または1、2または3個の置換基(それは、同じか、または異なっていてよい)で置換される。他に特記されない限り、典型的に、5ないし7員の飽和N含有ヘテロ環式基上の置換基は、それ自体非置換である。
【0050】
5ないし7員の飽和N含有ヘテロ環式基の例には、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニルおよびアゼパニルが包含される。
【0051】
本明細書で用いる、本発明の一般的構造に存在する原子、ラジカル、部分、鎖および環のいくつかは、“所望により置換されていてよい”。これは、これらの原子、ラジカル、部分、鎖および環が、それぞれ非置換であるか、または1個またはそれ以上の、例えば1、2、3または4個の置換基により任意の位置で置換され、それにより、非置換の原子、ラジカル、部分、鎖および環に結合する水素原子が、化学的に許容される原子、ラジカル、部分、鎖および環により置換されることを意味する。2個またはそれ以上の置換基が存在するとき、各置換基は、同じか、または異なっていてよい。該置換基は、典型的に、それ自体非置換である。
【0052】
本明細書で用いる用語「ハロゲン原子」は、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素原子を含む。ハロゲン原子は、典型的に、フッ素、塩素または臭素原子であり、より好ましくは塩素またはフッ素である。接頭辞として用いる場合の用語ハロも同じ意味を有する。
【0053】
1個またはそれ以上のキラル中心を含む化合物は、エナンチオマー的に、またはジアステレオ異性体的に純粋な形態、ラセミ混合物形態ならびに1種またはそれ以上の立体異性体に富む混合物形態で用いられ得る。本明細書に記載の本発明の範囲および特許請求の範囲には、化合物のラセミ形態ならびに個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、および立体異性体に富む混合物が包含される。
【0054】
個々のエナンチオマーの精製/単離の常套技術としては、好適な光学的に純粋な前駆物質(precursor)からのキラル合成、または例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いるラセミ化合物の分割が挙げられる。あるいは、ラセミ体(またはラセミ前駆物質)を、好適な光学的に活性な化合物、例えば、アルコール、または、該化合物が酸性部分または塩基性部分を含むとき、酒石酸または1−フェニルエチルアミンのような酸または塩基と反応させることができる。得られるジアステレオマー混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶で分けることができ、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者に周知の方法で対応する純粋なエナンチオマー(複数可)に変換させることができる。本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆物質)を、クロマトグラフィー、典型的に、0ないし50%イソプロパノール、典型的に2ないし20%、および0ないし5%のアルキルアミン、典型的に0.1%ジエチルアミンを含む、炭化水素、典型的にヘプタンまたはヘキサンで構成される移動相を含む非対称樹脂(asymmetric resin)におけるHPLCを用いて、エナンチオマーに富む形態を得ることができる。溶出物の濃縮により該
エナンチオマーに富む混合物が得られる。立体異性体集合体を、当業者に公知の方法で分離することができる。例えば、“Stereochemistry of Organic Compounds” by Ernest L. ElieI (Wiley, New York, 1994)を参照のこと。
【0055】
本明細書で用いる用語「薬学的に許容される塩」は、患者、例えば哺乳動物への投与に許容される酸または塩基から製造される塩を意味する。かかる塩は、薬学的に許容される無機または有機塩基から、ならびに薬学的に許容される無機または有機酸から誘導され得る。
【0056】
薬学的に許容される酸としては、無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸および硝酸;ならびに有機酸、例えばクエン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、ムコ酸、アスコルビン酸、シュウ酸、パントテン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キナホン酸(xinafoic)(1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)、ナパジシル酸(1,5−ナフタレンスルホン酸)などの両方が挙げられる。特に好ましい塩は、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、キナホン酸および酒石酸から誘導される塩である。
【0057】
薬学的に許容される無機塩基由来の塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、亜マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを含む。特に好ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。
【0058】
薬学的に許容される有機塩基由来の塩は、一級、二級および三級アミンの塩を含み、アルキルアミン、アリールアルキルアミン、ヘテロシクリルアミン、環状アミン、天然に生じるアミンなど、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミンレジン、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。
【0059】
本発明の他の好ましい塩は、アニオン(X
−)の等価物がN原子の正電荷と結合する、四級アンモニウム化合物である。X
−は、種々の無機酸のアニオン、例えばクロライド、ブロマイド、アイオダイド、サルフェート、ニトレート、ホスフェート、または有機酸のアニオン、例えばアセテート、マレート、フマレート、シトレート、オキサレート、スクシナート、タートレート、マレート、マンデレート、トリフルオロアセテート、メタンスルフォネートおよびp−トルエンスルフォネートであり得る。X
−は、好ましくは、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、サルフェート、ニトレート、アセテート、マレート、オキサレート、スクシナートまたはトリフルオロアセテートから選択されるアニオンである。より好ましくは、X
−は、クロライド、ブロマイド、トリフルオロアセテートまたはメタンスルフォネートである。
【0060】
本明細書で用いる「N−オキシド」は、分子内に存在する三級塩基性アミンまたはイミンから、常用の酸化剤を用いて形成される。
【0061】
本発明の化合物は、非溶媒和物形態および溶媒和物形態の両方で存在し得る。用語「溶媒和物」は、本発明の化合物および一定量の1種またはそれ以上の薬学的に許容される溶媒分子を含む分子複合体を記載するために用いられる。用語「水和物」は、該溶媒が水であるとき、用いられる。溶媒和物形態の例としては、水、アセトン、ジクロロメタン、2−プロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミン、またはそれらの混合物と合わせた本発明の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。特に、本発明において1つの溶媒分子は、本発明の化合物の1つの分子と結合し得て、例えば水和物であることが意図される。
【0062】
さらに、本発明において、2以上の溶媒分子が、本発明の化合物の1つの分子と結合し得る、例えば二水和物が具体的に意図される。さらに、本発明において1つ未満の溶媒分子が、本発明の化合物の1つの分子と結合し得る、例えばヘミ水和物が具体的に意図される。さらに、本発明の溶媒和物は、生物学的に有効な非溶媒和物形態の化合物を保持する本発明の化合物の溶媒和物として意図される。
【0063】
本発明はまた、同位体で標識された本発明の化合物を含み、ここで1個またはそれ以上の原子が、同じ原子番号を有するが、通常天然で見いだされる原子質量もしくは原子番号と異なる、原子質量または原子番号を有する原子で置換されている。本発明の化合物に包含されるのに好適な同位体の例としては、
2Hおよび
3Hのような水素、
11C、
13Cおよび
14Cのような炭素、
36CIのような塩素、
18Fのようなフッ素、
123Iおよび
125Iのようなヨウ素、
13Nおよび
15Nのような窒素、
15O、
17Oおよび
18Oのような酸素、
32Pのようなリン、
35Sのような硫黄の同位体が挙げられる。任意の同位体で標識された本発明の化合物は、例えば放射性導体が挿入された化合物は、薬剤および/または基質(substrate)の組織分布研究に有用である。放射活性のある同位体トリチウム、
3H、および炭素−14、
14Cは、それらの挿入の容易性および検出手段の容易性の点でこの目的に特に有用である。重水素、
2Hのようなより重い同位体での置換は、より増大した代謝安定性に起因する任意の治療的利点、例えば、増大したインビボ半減期または減少した必要投与量をもたらし得て、故にある状況下では好ましいことがある。
11C、
18F、
15Oおよび
13Nのような陽電子放出同位体での置換は、基質受容体占有を調べるための陽電子放射断層撮影法(PET)において有用であり得る。
【0064】
同位体標識された本発明の化合物は、一般に当業者に公知の常套法により、または本明細書に記載の方法に準じて、適当な同位体標識された反応材を、先に用いた非標識の反応材に変えて使用することにより製造できる
【0065】
好ましい同位体で標識した化合物としては、本発明の化合物の重水素化誘導体が挙げられる。本明細書で用いる用語「重水素化誘導体」には、特定の位置において、少なくとも1個の水素原子が重水素で置換されている、本発明の化合物が包含される。重水素(Dまたは
2H)は、水素の安定な同位体であって、0.015モル%の自然界存在率で存在する。
【0066】
水素−重水素交換(重水素挿入)は、共有結合した水素原子が重水素原子により置換される化学反応である。該交換(挿入)反応は、全体的または部分的に可能である。
【0067】
典型的に、本発明の化合物の重水素化誘導体は、少なくとも3500(52.5%重水素挿入)の化合物上の重水素化の可能な部位として示される部位に存在する各重水素について同位体濃縮係数(同位体存在度とその同位体の自然界での存在度の比、すなわち水素の位置における分子中の所定の位置での重水素の挿入の割合)を有する。
【0068】
好ましい態様において、同位体濃縮係数は少なくとも5000(75%重水素)である。より好ましい態様において、同位体濃縮係数は少なくとも6333.3(95%重水素挿入)である。最も好ましい態様において、同位体濃縮係数は少なくとも6633.3(99.5%重水素挿入)である。重水素化部分として示される部分に存在する各重水素の同位体濃縮係数は、他の重水素化部分とは独立していることが理解される。
【0069】
同位体濃縮係数は、質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)を含む、当業者に公知の常套の分析方法を用いて決定され得る。
【0070】
本明細書に記載の化合物のプロドラッグもまた本発明の範囲内に包含される。故に、本発明の化合物の任意の誘導体、それら自体は薬理学的な活性がほとんどないか、または活性がない誘導体は、体内に投与されまたは体に適用されたとき、例えば加水分解により所望の活性を有する本発明の化合物に変換され得る。かかる誘導体は、‘プロドラッグ’と称される。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、Pro−drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series (T. Higuchi and W. Stella) and Bioreversible Carriers in Drug Design, Pergamon Press, 1987 (ed. E. B. Roche, American Pharmaceutical Association)に見いだされ得る。
【0071】
本発明のプロドラッグは、例えば、本発明の化合物中に存在する適当な官能性部分が、例えばDesign of Prodrugs by H. Bundgaard (Elsevier, 1985)に記載の“プロ−部分”として当業者に公知の任意の部分で置換されることにより製造され得る。
【0072】
固体形態である化合物の場合、本発明の化合物および塩は、異なる結晶形態または多形体でか、またはアモルファス形態で存在し得ることが当業者に理解され、それらの全ては,本発明の範囲内であることが意図される。
【0073】
本明細書に記載の化合物の互変異性体はまた、本発明の範囲内である。例えば、式(I)、(I−a)および(I−b)中に存在する
【化2】
で示される部分はまた、
【化3】
で示される形態でも存在し得る。
【0074】
一態様において、本発明は、本明細書に記載の化合物の、例えば式(I−a)の化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、立体異性体、同位体で標識された誘導体、プロドラッグおよび多形体を包含する。
【0075】
典型的に、本発明は、本明細書に記載の化合物の、例えば式(I−a)の化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、立体異性体、または重水素化誘導体を包含する。
【0076】
式(I)の化合物において、G
1およびG
2を含む縮合ヘテロ環式環の中の点線は、その環中に2個の二重結合があることを示し、その位置は、G
1およびG
2のどちらが窒素原子あるいは炭素原子であるかによって変わり得る。故に、G
1が窒素原子であり、G
2が炭素原子であるとき、環は、式
【化4】
で示され、G
2が窒素原子であり、G
1が炭素原子であるとき、該環は、式
【化5】
で示される。
【0077】
典型的に、式(I)の化合物において、XおよびYは、それぞれ独立して、窒素原子または−CR
7基であり、ここで、XおよびYの少なくとも一方が−CR
7基である。
【0078】
一態様において、式(I)の化合物において、Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基である。
【0079】
他の態様において、式(I)の化合物において、Yは窒素原子であり、Xは−CR
7基である。
【0080】
別の態様において、式(I)の化合物において、XおよびYは、独立して、−CR
7基である。
【0081】
好ましい態様において、式(I)の化合物において、Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、XおよびYは、独立して、−CR
7基である。特定の好ましい態様において、式(I)の化合物において、XおよびYは、独立して、−CR
7基である。
【0082】
誤解を避けるために、2個のR
7基が存在するとき、それらは同じかまたは異なっていてよい。
【0083】
一態様において、式(I)の化合物において、G
1は窒素原子であり、G
2は炭素原子である。
【0084】
別の態様において、式(I)の化合物において、G
2は窒素原子であり、G
1は炭素原子である。
【0085】
典型的に、式(I)の化合物において、R
1は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、O、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロアリール基または5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環であるか(ここで、該ヘテロシクリル環は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4アルキルスルホニル基またはC
3−C
7シクロアルキル基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されている);または、R
1は、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基、または−NR
8R
9基である(式中、R
8およびR
9は上記に定義の通りである)。
【0086】
好ましくは、R
1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基または5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環であるか(ここで、該ヘテロシクリル環は、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4アルキルスルホニル基またはC
3−C
7シクロアルキル基から選択される1個、2個または3個の置換基により置換されている);または、R
1は、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基または−NR
8R
9基である(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)。
【0087】
より好ましくは、R
1は、水素原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環であるか(ここで、該ヘテロシクリル環は、C
1−C
4アルキルスルホニル基により置換されている);または、R
1は、−O−(CH
2)
1−2OR
9基または−NR
8R
9基である(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)。最も好ましくは、R
1は、水素原子またはメチル基である。
【0088】
好ましくは、R
1が5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環であるとき、該ヘテロシクリル基は、環窒素原子を介して分子の残りの部分に結合したピペラジニル基であり、言い換えれば、それは、環窒素原子を介して基イミダゾ[1,2−b]ピリダジンまたはイミダゾ[4,5−b]ピリジンに結合している。ピペラジニル基上の置換基は、任意の環原子上に存在していてよいが、好ましくは遊離窒素原子上、すなわち、基イミダゾ[1,2−b]ピリダジンまたはイミダゾ[4,5−b]ピリジンに結合していない窒素原子上に存在している。ピペラジニル基の好ましい置換基は、C
1−C
4アルキルスルホニル基(好ましくは、メチルスルホニル基)および−O−(CH
2)
1−2O−CH
3基である。
【0089】
典型的に、式(I)の化合物において、R
2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、O、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロアリール基または5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環であるか(ここで、該ヘテロシクリル環は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4アルキルスルホニル基またはC
3−C
7シクロアルキル基から選択される1個、2個または3個の置換基により置換されている);または、R
2は、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基、または−NR
8R
9基である(式中、R
8およびR
9は上記に定義の通りである)。
【0090】
好ましくは、R
2は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基または−NR
8R
9基である(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)。
【0091】
より好ましくは、R
2は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基または−NR
8R
9基である(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)。最も好ましくは、R
2は、水素原子またはメチル基である。
【0092】
誤解を避けるために、R
1が水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であるとき、R
2は、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基、または−NR
8R
9基であり得る。同様に、R
1が−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基、または−NR
8R
9基であるとき、R
2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり得る。
【0093】
典型的に、式(I)の化合物において、R
3は、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、単環式または多環式C
6−C
14アリール基、O、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロアリール基、またはO、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロシクリル基であり、
ここで、該アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピペリジル基、−(CH
2)
nOR
9基、−NR
8R
9基、−C(O)−(CH
2)
n−R
8基、−C(O)−(CH
2)
n−NR
8R
9基、−S(O)
2(CH
2)
nR
9基または−S(O)
2(CH
2)
nNR
8R
9基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されており;式中、各nは、0、1または2であり;R
8およびR
9は上記の通りである。
【0094】
好ましくは、式(I)の化合物において、R
3は、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基であり、
ここで、該フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピペリジル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピペリジル基、−(CH
2)
nOR
9基、−NR
8R
9基、−C(O)−(CH
2)
n−R
8基、−C(O)−(CH
2)
n−NR
8R
9基、−S(O)
2(CH
2)
nR
9基または−S(O)
2(CH
2)
nNR
8R
9基から選択される1個、2個または3個の置換基により置換されており;式中、各nは、0、1または2であり;R
8およびR
9は上記に定義の通りである。
【0095】
より好ましくは、式(I)の化合物において、R
3は、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基である。
【0096】
好ましくは、R
3がフェニル基であるとき、それは、非置換であるか、またはハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子または塩素原子)、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基(好ましくは、−CHF
2基または−CF
3基)、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基から選択される1個、2個または3個の置換基により置換されている。
【0097】
好ましくは、R
3がピリジルまたはピリミジニル基であるとき、該基は、環炭素原子を介して分子の残りの部分に結合しており、言い換えれば、それらは、環炭素原子を介して基−N(R
4)−(CR
5R
6)
m−に結合している。ピリジルおよびピリミジニル基が非置換であるか、またはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子または塩素原子)、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基(好ましくは−CHF
2基または−CF
3基)、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、−(CH
2)
nOR
9基、−NR
8R
9基、−C(O)−(CH
2)
n−R
8基、−C(O)−(CH
2)
n−NR
8R
9基、−S(O)
2(CH
2)
nR
9基または−S(O)
2(CH
2)
nNR
8R
9基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されている;式中、各nは0または1であり、R
8は、窒素原子、シアノ基またはメチル基であり、R
9は、窒素原子またはメチル基である。より好ましくは、ピリジルおよびピリミジニル基は、1個または2個のハロゲン原子で置換されている。
【0098】
ピリジルまたはピリミジニル基上の置換基は、何れかの環原子上に存在していてよいが、好ましくは炭素原子上に存在する。
【0099】
好ましくは、R
3がピペリジニル基であるとき、それは環炭素原子を介して分子の残りの部分に結合しており、言い換えれば、環炭素原子を介して基−N(R
4)−(CR
5R
6)
m−に結合している。ピペリジニル基上の置換基は、いずれかの環原子上に存在し得るが、好ましくは窒素原子上に存在する。好ましくは、1個の置換基が環窒素原子上に存在する。存在するとき、他の置換基は、炭素原子上に存在する。より好ましくは、ピペリジニル基は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子または塩素原子)または−C(O)−(CH
2)−CN基から選択される1個または2個の置換基で置換されている。最も好ましくは、ピペリジニル基は、窒素原子上で−C(O)−(CH
2)−CN基により置換されており、他の置換基が存在するとき、それは、炭素原子上に存在するハロゲン原子である。
【0100】
典型的に、式(I)の化合物において、R
4は、水素原子、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基を示す。好ましくは、R
4は、水素原子、C
1−C
2ハロアルキル基、C
1−C
2ヒドロキシアルキル基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基を示す。より好ましくは、R
4は、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である。最も好ましくは、R
4は、水素原子またはメチル基である。
【0101】
典型的に、式(I)の化合物において、R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基を示す。好ましくは、R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基を示す。より好ましくは、R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。
【0102】
典型的に、式(I)の化合物において、R
7は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基を示し、
ここで、該フェニル、ナフチル、ピリジル、ピリミジニルまたはピペリジル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基から選択される1個、2個または3個の置換基により置換されている。
【0103】
好ましくは、R
7は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基を示す。より好ましくは、R
7は、水素原子、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子または塩素原子)、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基(好ましくは、メチル基)またはC
1−C
4ハロアルキル基(好ましくは、−CHF
2基または−CF
3基)を示す。
【0104】
典型的に、R
1、R
2、R
3またはR
7が、1個またはそれ以上の置換基により置換されているアルキル基であるとき、該1個またはそれ以上の置換基は、アルキル基、ハロアルキル基またはヒドロキシアルキル基を含まない。
【0105】
典型的に、R
1、R
2、R
3またはR
7が、1個またはそれ以上の置換基により置換されているハロアルキル基であるとき、該1個またはそれ以上の置換基は、アルキル基またはハロアルキル基を含まない。
【0106】
典型的に、R
1、R
2、R
3またはR
7が、1個またはそれ以上の置換基により置換されているヒドロキシアルキル基であるとき、該1個またはそれ以上の置換基は、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を含まない。
【0107】
典型的に、式(I)の化合物において、mは、0、1または2であり;好ましくは、0または1である。
【0108】
特に好ましい態様において、式(I)の化合物において、mは、0または1であり;
Xは、窒素原子であり、Yは、−CR
7基であるか;または、Yは、窒素原子であり、Xは、−CR
7基であるか;または、XおよびYは両方とも、−CR
7基であり;
G
1およびG
2のうち一方は、窒素原子であり、他方は炭素原子であり;
R
1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環(該ヘテロシクリル環は、C
1−C
4アルキルスルホニル基により置換されている)であるか、またはR
1は、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基または−NR
8R
9基(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)であり;
R
2は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基または−NR
8R
9基(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)であり;
R
3は、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、単環式または多環式C
6−C
14アリール基、O、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロアリール基、またはO、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロシクリル基であり、
ここで、該アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピペリジル基、−(CH
2)
nOR
9基、−NR
8R
9基、−C(O)−(CH
2)
n−R
8基、−C(O)−(CH
2)
n−NR
8R
9基、−S(O)
2(CH
2)
nR
9基または−S(O)
2(CH
2)
nNR
8R
9基から選択される1個、2個または3個の置換基により置換されており;式中、各nは、0または1であり、R
8は、水素原子、シアノ基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基であり、R
9は、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基であり;
R
4は、水素原子、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基であり;
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基であり;
R
7は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基であり、
ここで、該フェニル、ナフチル、ピリジル、ピリミジニルまたはピペリジル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基から選択される1個、2個または3個の置換基により置換されている。
【0109】
さらに特定の好ましい態様において、式(I)の化合物において:
mは、0または1であり;
Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、Yは窒素原子であり、Xは−CR
7基であるか;または、XおよびYの両方が、−CR
7基であり;
G
1およびG
2のうち一方が、窒素原子であり、他方が炭素原子であり;
R
1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環(ここで、該ヘテロシクリル環は、C
1−C
4アルキルスルホニル基により置換されている)であるか、またはR
1は、−O−(CH
2)
1−2OR
9基(式中、R
9は、C
1−C
3アルキル基である)であり;
R
2は、水素原子、ハロゲン原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基であり;
R
3は、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジニル基であり、
(ここで、該フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピペリジニル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、または−C(O)−(CH
2)
n−R
8基(式中、nは0または1であり、R
8は、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基である)から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されている);
R
4は、水素原子またはメチル基であり;
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり;
R
7は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基である。
【0110】
さらなる特定の好ましい態様において、式(I)の化合物において:
mは0または1であり;
Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか:または、Yは窒素原子であり、Xは−CR
7基であるか;または、XおよびYの両方が−CR
7基であり;
G
1およびG
2のうち一方は、窒素原子であり、他方は、炭素原子であり;
R
1は、水素原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環(ここで、該ヘテロシクリル環は、C
1−C
4アルキルスルホニル基により置換されている)であるか、またはR
1は、−O−(CH
2)
1−2OR
9基(式中、R
9は、C
1−C
3アルキル基である)であり;
R
2は、水素原子、または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基であり;
R
3は、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジニル基であり、
(ここで、該フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピペリジニル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子または−C(O)−(CH
2)
n−R
8基(式中、nは0または1であり、R
8はシアノ基である)から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されている);
R
4は水素原子であり;
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり;
R
7は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、またはC
1−C
4ハロアルキル基である。
【0111】
一態様において、式(I)の化合物は、式(I−a):
【化6】
[式中、m、X、YおよびR
1ないしR
9は、上記に定義の通りである。]
で示される化合物である。
【0112】
好ましい態様において、式(I−a)の化合物において:
mは0または1であり;
Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、Yは窒素原子であり、Xは−CR
7基であるか;または、XおよびYは両方とも、−CR
7基であり;好ましくは、Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、XおよびYは両方とも、−CR
7基であり;
R
1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環(ここで、該ヘテロシクリル環は、C
1−C
4アルキルスルホニル基により置換されている)であるか、またはR
1は、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基または−NR
8R
9基(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)であり;
R
2は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基または−NR
8R
9基(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)であり;
R
3は、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、単環式または多環式C
6−C
14アリール基、O、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロアリール基、またはO、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロシクリル基であり、
(ここで、該アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピペリジル基、−(CH
2)
nOR
9基、−NR
8R
9基、−C(O)−(CH
2)
n−R
8基、−C(O)−(CH
2)
n−NR
8R
9基、−S(O)
2(CH
2)
nR
9基または−S(O)
2(CH
2)
nNR
8R
9基(式中、各nは0または1であり、R
8は、水素原子、シアノ基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基であり、R
9は、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)から選択される1個、2個または3個の置換基により置換されている);
R
4は、水素原子、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基であり;
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基であり;
R
7は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基である
(ここで、該フェニル、ナフチル、ピリジル、ピリミジニルまたはピペリジル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基から選択される1個、2個または3個の置換基により置換されている)。
【0113】
さらなる特定の好ましい態様において、式(I−a)の化合物において:
mは0または1であり;
Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、Yは窒素原子であり、Xは−CR
7基であるか;または、XおよびYの両方が、−CR
7基であり;好ましくは、Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、XおよびYの両方は、−CR
7基であり;
R
1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環(ここで、該ヘテロシクリル環は、C
1−C
4アルキルスルホニル基により置換されている)であるか、またはR
1は、−O−(CH
2)
1−2OR
9基(式中、R
9はC
1−C
3アルキル基である)であり;
R
2は、水素原子、ハロゲン原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基であり;
R
3は、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジニル基であり、
(ここで、該フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピペリジニル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、または−C(O)−(CH
2)
n−R
8基(式中、nは0または1であり、R
8は、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基である)から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されている);
R
4は、水素原子またはメチル基であり;
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり;
R
7は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基である。
【0114】
別の態様において、式(I)の化合物は、式(I−b):
【化7】
[式中、m、X、YおよびR
1ないしR
9は、上記に定義の通りである。]
で示される化合物である。
【0115】
好ましい態様において、式(I−b)の化合物において:
mは0または1であり;
Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、Yは窒素原子であり、Xは−CR
7基であるか;または、XおよびYは両方とも、−CR
7基であり;好ましくは、Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、XおよびYは両方とも、−CR
7基であり;
R
1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環(ここで、該ヘテロシクリル環は、C
1−C
4アルキルスルホニル基により置換されている)であるか、またはR
1は、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基または−NR
8R
9基(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)であり;
R
2は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、−(CH
2)
0−2OR
9基、−O−(CH
2)
1−2OR
9基または−NR
8R
9基(式中、R
8およびR
9は、独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)であり;
R
3は、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、単環式または多環式C
6−C
14アリール基、O、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロアリール基、またはO、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む5ないし7員のヘテロシクリル基であり、
ここで、該アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピペリジル基、−(CH
2)
nOR
9基、−NR
8R
9基、−C(O)−(CH
2)
n−R
8基、−C(O)−(CH
2)
n−NR
8R
9基、−S(O)
2(CH
2)
nR
9基および−S(O)
2(CH
2)
nNR
8R
9基(式中、各nは、0または1であり、R
8は、水素原子、シアノ基、または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基であり、R
9は、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基である)から選択される1、2または3個の置換基により置換されており;
R
4は、水素原子、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基または直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基であり;
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基であり;
R
7は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基であり、
ここで、該フェニル、ナフチル、ピリジル、ピリミジニルまたはピペリジル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジル基から選択される1、2または3個の置換基により置換されている。
【0116】
さらなる特定の好ましい態様において、式(I−b)の化合物において:
mは、0または1であり;
Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、Yは窒素原子であり、Xは−CR
7基であるか;または、XおよびYの両方が、−CR
7基であり;好ましくは、Xは窒素原子であり、Yは−CR
7基であるか;または、XおよびYの両方が、−CR
7基であり;
R
1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、5ないし7員の飽和N含有ヘテロシクリル環であり、該ヘテロシクリル環は、C
1−C
4アルキルスルホニル基により置換されているか、またはR
1は、−O−(CH
2)
1−2OR
9基であり、式中、R
9は、C
1−C
3アルキル基であり;
R
2は、水素原子、ハロゲン原子または直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基であり;
R
3は、直鎖もしくは分枝状C
1−C
6アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基またはピペリジニル基であり、
(ここで、該フェニル、ピリジル、ピリミジニルまたはピペリジニル基は、非置換であるか、またはハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基、C
3−C
7シクロアルキル、または−C(O)−(CH
2)
n−R
8基(式中、nは0または1であり、R
8は、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基である)から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されている);
R
4は、水素原子またはメチル基であり;
R
5およびR
6は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり;
R
7は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、直鎖もしくは分枝状C
1−C
3アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4ヒドロキシアルキル基またはC
3−C
7シクロアルキル基である。
【0117】
本発明の特定の個々の化合物には、
3−オキソ−3−((3R)−3−{[3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)プロパンニトリル;
3−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
4−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン;
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−クロロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−フルオロ−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(5−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−クロロ−3−(5−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−クロロ−3−(5−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−6−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−(ジフルオロメチル)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−5−メチルピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−8−(2−メトキシエトキシ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−8−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−フルオロ−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリミジン−4(3H)−オン;
およびそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、立体異性体、重水素化誘導体および互変異性体が含まれる。
【0118】
好ましい化合物の例としては、
3−オキソ−3−((3R)−3−{[3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)プロパンニトリル;
3−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
4−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン;
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−クロロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−フルオロ−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(5−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−クロロ−3−(5−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−クロロ−3−(5−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−6−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
およびそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、または立体異性体、重水素化誘導体および互変異性体が挙げられる。
【0119】
一態様において、本発明の特に注目される化合物には、
3−オキソ−3−((3R)−3−{[3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)プロパンニトリル;
3−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
4−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン;
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−クロロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−(ジフルオロメチル)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−5−メチルピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−8−(2−メトキシエトキシ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−8−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−フルオロ−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
(S)−5−フルオロ−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
およびそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、または立体異性体、重水素化誘導体および互変異性体が含まれる。
【0120】
この態様における好ましい化合物の例としては、
3−オキソ−3−((3R)−3−{[3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)プロパンニトリル;
3−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
4−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン;
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−クロロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン;
およびそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、または立体異性体、重水素化誘導体および互変異性体が挙げられる。
【0121】
本発明の一態様に従い、下位の一般式(I−a)の化合物は、スキーム1に記載の合成経路に従い製造され得る:
【化8】
【0122】
下位式(I−a)の化合物は、式(VI)のメトキシ誘導体から、還流温度で、アセトニトリルのような好適な溶媒中、塩化トリメチルシリル/ヨウ化ナトリウムのような好適な反応材と反応させて得られ得る。式(VI)の化合物は、80℃ないし還流温度の範囲の温度で、トルエンのような溶媒中、トリス(ジベンジリデンアセトン(dibencylidenoacetone))ジパラジウム(0)のような好適な触媒を用いて、2’−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−N,N−ジメチルビフェニル−2−アミンのようなリガンド、および例えばナトリウム tert−ブトキシドのような塩基の存在下、式(IV)のクロロイミダゾピリダジンを式(V)のアミンと反応させて製造され得る。
【0123】
式(III)のヘテロアリール中間体(式中、R
10は、ボロン酸またはトリブチル錫のようなトリアルキル錫残渣である)を、好適な触媒を用いて、パラジウム触媒カップリング条件下で、式(II)のジハロ誘導体と反応させて、式(IV)の化合物を得ることができる。
【0124】
特定の場合において、下位式(III−a)の化合物(式中、R
10は、ボロン酸(R
10=B(OH)
2)である)を、鈴木−宮浦反応条件(Miyaura, N. ;Suzuki, A. Chem. Rev. 1995, 95, 2457)下で、式(II)のジハロ誘導体と反応させて、式(IV)の化合物を得ることができる。かかる反応は、80℃ないし還流温度の範囲の温度で、マイクロ波照射の使用の有無下、炭酸セシウムのような塩基の存在下、1,4−ジオキサンのような溶媒中、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンの複合体(1:1)のような好適なパラジウム触媒により触媒され得る。
【0125】
別の特定の場合において、下位式(III−b)の化合物(式中、R
10は、トリアルキル錫部分を示し、R
11は、n−ブチル基のようなC
1−C
6アルキル基を示す(R
10=Sn(R
11)
3))を、80−130℃の範囲の温度で、マイクロ波照射の使用の有無下、N,N’−ジメチルホルムアミドのような溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)およびヨウ化銅(I)のような好適な触媒の存在下、式(II)のジハロ誘導体と反応させて、式(IV)の化合物を得ることができる。
【0126】
別の合成経路において、式(VI)の化合物は、鈴木−宮浦反応条件下で、式(VII)のブロモ誘導体と式(III−a)のボロン酸とを反応させて製造され得る。かかる反応は、80℃ないし還流温度の範囲の温度で、マイクロ波照射の使用の有無下、炭酸セシウムのような塩基の存在下、1,4−ジオキサンのような溶媒中、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンの複合体(1:1)のような好適なパラジウム触媒により触媒され得る。
【0127】
密封管中、100ないし180℃の範囲の温度で、ジメチルスルホキシドのような溶媒中、フッ化セシウムのような塩基の存在下、式(II)の化合物を式(V)のアミンで処理して、式(VII)のブロモ誘導体を得る。
【0128】
式(II)のハロゲン化イミダゾピリダジン中間体を、スキーム2に記載の合成経路に従い製造することができる:
【化9】
【0129】
密封管中、100℃で、エタノールのような溶媒中、式(VIII)のジクロロピリダジンを水性アンモニアと反応させて、式(IX)のアミノ誘導体を得る。
60ないし130℃の範囲の温度で、n−ブタノールのような好適な溶媒中、式(IX)のアミノピリダジンを2−クロロ−または2−ブロモ−アセトアルデヒドのような好適なアルキル化剤で処理して、式(X)のイミダゾピリダジンを得る。式(X)の化合物を、環境温度で、酢酸のような溶媒中、臭素のような臭素化剤で処理して、式(II)のジハロ誘導体に変換させることができる。
【0130】
式(III−a)および(III−b)のヘテロアリール中間体を、スキーム3に記載の合成経路に従い製造することができる:
【化10】
【0131】
特定の場合において、環境温度ないし100℃の範囲の温度で、酢酸のような好適な溶媒中、酢酸ナトリウムのような好適な塩基の存在下、式(XI)のメトキシ誘導体を臭素のような臭素化剤と反応させて、式(XII)のブロモ誘導体を得る。式(XII)の化合物は、−100℃にて、テトラヒドロフランのような好適な溶媒中、n−ブチルリチウムのような適当なアルキルリチウム試薬と反応させて、対応するオルガノリチウム中間体を一次形成させ、次いでホウ酸トリイソプロピルのような適当なトリアルキルボラートを添加し、そして塩酸水で処理することによる中間体ボロン酸エステルの加水分解により、式(III−a)のボロン酸に変換され得る。
【0132】
別の特定の場合において、式(XII)のメトキシ誘導体は、−78℃ないし0℃の範囲の温度で、ジエチルエーテルのような好適な溶媒中、リチウム 2,2,6,6−テトラメチルピペリジドと反応させて対応するオルガノリチウム中間体を一次形成させ、次いでクロロトリブチルスタンナンのような適当なクロロトリアルキルスタンナンを添加することにより、式(III−b)のヘテロアリールスタンナンに変換され得る。
【0133】
本発明の別の態様において、下位の一般式(I−b)の化合物を、スキーム4に記載の合成経路に従い製造することができる:
【化11】
【0134】
式(XIII)のピリジンを、環境温度ないし90℃の範囲の温度にて、アセトニトリルのような溶媒中、トリエチルアミンのような塩基の存在下、式(XIV)のヘテロ芳香族性アミンと反応させて、式(XV)の化合物を得ることができる。
【0135】
マイクロ波照射の使用の有無下、80℃にて、n−ブタノールのような溶媒中、ジイソプロピルエチルアミンのような好適な塩基の存在下、式(XV)の化合物を式(V)のアミンで処理して、式(XVI)の化合物を得る。
【0136】
次に、式(XVI)の化合物は、環境温度にて、エタノールまたは酢酸エチルのような溶媒中、パラジウム炭素またはラネー
(登録商標)−ニッケルのような好適な触媒を用いて大気圧下で水素ガスを用いて還元することにより、式(XVII)のアミンに変換され得る。
【0137】
式(XVII)のアミンを、85℃にて、エタノールのような溶媒中、酢酸ホルムアミジンのような好適な試薬と反応させて、式(XVIII)のイミダゾピリジンを得る。
【0138】
式(XVIII)の化合物を、環境温度ないし還流温度の範囲の温度にて、アセトニトリルのような溶媒中、塩化トリメチルシリルおよびヨウ化ナトリウムの混合物のような好適な試薬で処理するか、または100℃にて、臭化水素水溶液で処理して、式(I−b)の化合物を得る。
【0139】
定義されたR基が上記の工程の条件下で化学反応に影響されやすいか、または該工程と互換性がないとき、常套の保護基が標準的方法に従って使用され得る。例えば、T. W. Greene and P. G. M. Wuts in 'Protective Groups in Organic Synthesis', 3rd Edition, John Wiley & Sons (1999)を参照のこと。脱保護は、下位式(I−a)または(I−b)の化合物の合成における最終工程に行われ得る。
【0140】
用語「アミノ保護基」は、アミノ窒素での望まれない反応を避けるために好適な保護基を意味する。代表的なアミノ保護基としては、ホルミル;アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基;tert−ブトキシカルボニル(Boc)のようなアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)のようなアリールメトキシカルボニル基;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)、および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチルのようなアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)のようなシリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
用語「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシ基での望まれない反応を避けるために好適な保護基を意味する。代表的なヒドロキシ保護基としては、メチル、エチルおよびtert−ブチルのようなアルキル基;アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基;ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)のようなアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)のようなシリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
特定の場合において、下位の一般式(I−a)または(I−b)の化合物(式中、基R
3、R
5またはR
6は、一部に、tert−ブトキシカルボニル(BOC)またはベンジルオキシカルボニル(CBZ)のような好適な保護基を有する官能基化されたアミン部分を含む)は、標準的条件下(Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis)で、該アミン部分を脱保護され得る。次いで、対応する遊離アミンを、標準的条件下でさらに官能基化すること、例えばアルキル化、アミド化、スルホンアミド化(sulfonamidation)またはアリール化することができる。
【実施例】
【0143】
実施例
本発明の化合物の合成およびそれに使用するための中間体の合成を、以下の実施例(1−21)(製造例1−25を含む)により示し、それらは、当業者に、本発明を十分に明確に、かつ完全に説明するために提供されるが、本明細書の上記の一部に記載の通り、その対象とする本質的な面に限定されることを意図するものではない。
【0144】
製造例1
3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
a)6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
臭化水素酸(48%水溶液、1.8mL、15.47mmol)を、2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(11.6mL、77.11mmol)の水溶液(18mL)に環境温度にて添加し、得られた混合物を110℃で加熱した。45分後、反応混合物を冷却し、ジエチルエーテルを添加した。有機層を分け、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、無色油状物を得て、それを6−クロロピリダジン−3−アミン(5.0g、38.60mmol)のn−ブタノール懸濁液(8mL)中に0℃にて添加した。得られた混合物を130℃で一晩加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルと水の混合物中に溶解し、有機層を分けた。水層を塩基性pHが達成されるまで固体の炭酸水素ナトリウムで処理し、酢酸エチルで数回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルで処理し、濾過し、真空下で乾燥させて、表題化合物をベージュ色固体として得た(4.8g、85%)。
LRMS(m/z):154(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 7.08 (d, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.88−7.99 (m, 2H).
【0145】
b)3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
臭素(3.8mL、74.19mmol)を、6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例1a、4.8g、31.06mmol)の氷酢酸溶液(80mL)に滴下し、得られた混合物を環境温度で20分間撹拌した。形成した沈殿を濾過により集め、ジエチルエーテルで数回洗浄し、真空下で乾燥させた。得られた固体を酢酸エチルと炭酸カリウム飽和水溶液の間に分配させた。有機層を分け、炭酸カリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、溶媒を減圧下で除去した。次いで、粗物質をペンタンで処理し、濾過し、得られた固体を真空下で乾燥させて、表題化合物を淡黄色固体として得た(6.6g、92%)。
LRMS(m/z):232(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3):7.13 (d, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.92 (d, 1H).
【0146】
製造例2
6−クロロ−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
シュレンクバイアル中、3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例1b、6.0g、25.81mmol)、(2−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸(3.3g、21.58mmol)、炭酸セシウム(30mLの2M水溶液、60mmol)および1,4−ジオキサン(250mL)の混合物を、アルゴンを用いる3サイクルの排出−充填を行った。次いで、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンとの複合体(1:1)(1.8g、2.16mmol)添加し、得られた混合物を再び3サイクルの排出−充填に付し、その後、100℃で2時間加熱した。その後、反応物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで処理し、形成した固体を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物を黄色固体として得た(3.5g、62%)。
LRMS(m/z):261(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 4.07 (s, 3H), 7.02−7.16 (m, 2H), 7.99 (d, 1H), 8.22 (dd, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.59 (dd, 1H).
【0147】
製造例3
3−((3R)−3−{[3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリル
a)Tert−ブチル(3R)−3−{[3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート
シュレンクバイアル中、6−クロロ−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例2、0.15g、0.58mmol)、tert−ブチル(3R)−3−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(0.23g、1.15mmol)、2’−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−N,N−ジメチルビフェニル−2−アミン(0.03g、0.09mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド(0.08g、0.81mmol)およびトルエン(4mL)の混合物を、アルゴンを用いる3サイクルの排出−充填を行った。次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.04g、0.04mmol)を添加し、得られた混合物をさらに3サイクルの排出−充填に付し、その後、100℃で2時間加熱した。その後、反応物を冷却し、セライト(登録商標)を通して酢酸エチルおよびジクロロメタンで溶出しながら濾過し、濾液を蒸発乾固させた。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチルないし100%酢酸エチル)により精製して、表題化合物を固体として得た(0.105g、42%)。
LRMS(m/z):425(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.18−1.51 (m, 10H), 1.67−1.86 (m, 2H), 1.86−2.03 (m, 1H), 3.33−3.52 (m, 3H), 3.81−3.98 (m, 1H), 4.06 (s, 3H), 4.33−4.58 (m, 1H), 6.45 (d, 1H), 6.95−7.09 (m, 1H), 7.72 (d, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.10−8.17 (m, 1H), 8.73 (d, 1H).
【0148】
b)3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R)−ピペリジン−3−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
tert−ブチル(3R)−3−{[3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]−アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート(製造例3a、0.1g、0.24mmol)およびメタノール中の塩化水素(1.25N溶液、4mL)の混合物を、環境温度で5時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で注意深く希釈し、ジクロロメタン(x3)で抽出した。有機層を、Phase Separator
(登録商標)膜を通して溶出しながら乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を黄色固体として得た(0.08g、98%).
LRMS(m/z):325(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.25 (br.s., 1H), 1.78−2.00 (m, 3H), 2.72−3.07 (m, 4H), 3.10−3.28 (m, 1H), 4.05 (s, 3H), 5.14−5.43 (m, 1H), 6.55 (d, 1H), 7.00 (d, 1H), 7.70 (d, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.13 (d, 1H), 8.68 (d, 1H).
【0149】
c)3−((3R)−3−{[3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ}−ピペリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリル
3−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−3−オキソプロパンニトリル(BE875054(A1)に記載の通りに製造、75mg、0.23mmol)を、3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R)−ピペリジン−3−イル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例3b、63mg、0.35mmol)のジクロロメタン(4mL)中の撹拌溶液に添加し、混合物を環境温度で18時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(100%酢酸エチルないし3:2酢酸エチル/エタノール)により精製して、表題化合物を固体として得た(58mg、64%)。
LRMS(m/z):392(M+1)
+.
【0150】
製造例4
3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例3に記載の実験方法に従い、6−クロロ−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例2)および[(1S)−1−フェニルエチル]アミンから得られ、次いでフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル〜100%酢酸エチル〜7:3 酢酸エチル/エタノール)により精製して、褐色油状物として得た(34%)。
LRMS(m/z):346(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.58 (d, 3H), 4.03 (s, 3H), 4.76 (d, 1H), 4.84−5.00 (m, 1H), 6.52 (d, 1H), 6.85 (dd, 1H), 7.32−7.42 (m, 5H), 7.70 (d, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.09 (dd, 1H), 8.14 (d, 1H), 8.16 (d, 1H).
【0151】
製造例5
N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例3に記載の実験方法に従い、6−クロロ−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例2)および(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造)から得られ、次いでフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル〜100%酢酸エチル〜7:3 酢酸エチル/エタノール)により精製して淡黄色固体(31%)として得た。
LRMS(m/z):365(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.59 (d, 3H), 4.04 (s, 3H), 4.98−5.11 (m, 1H), 5.40 (d, 1H), 6.56 (d, 1H), 6.97 (dd, 1H), 7.27−7.39 (m, 2H), 7.71 (d, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.14 (dd, 1H), 8.39−8.46 (m, 2H).
【0152】
製造例6
N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例3aに記載の実験方法に従い、6−クロロ−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例2)および(R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン(WO2009/058298A1に記載の方法に従い製造)から得られ、次いでフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル〜100%酢酸エチル〜3:2 酢酸エチル/エタノール)により精製して固体として得た(12%)。
LRMS(m/z):365(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.59 (d, 3H), 4.04 (s, 3H), 4.98−5.11 (m, 1H), 5.40 (d, 1H), 6.56 (d, 1H), 6.97 (dd, 1H), 7.27−7.39 (m, 2H), 7.71 (d, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.14 (dd, 1H), 8.39−8.46 (m, 2H).
製造例7
N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例3aに記載の実験方法に従い、6−クロロ−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例2)および(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造)から得られ、次いでフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル〜100%酢酸エチル〜3:2 酢酸エチル/エタノール)により精製して固体として得た(14%)。
LRMS(m/z):366(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.64 (d, 3H), 4.05 (s, 3H), 5.17−5.33 (m, 1H), 5.47 (d, 1H), 6.60 (d, 1H), 6.99−7.08 (m, 1H), 7.73 (d, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.11−8.19 (m, 1H), 8.55 (s, 2H), 8.61 (d, 1H).
【0153】
製造例8
3−メトキシ−4−(トリブチルスタンニル)ピリダジン
a)3−メトキシピリダジン
パラジウム炭素(10%、0.1g)およびギ酸アンモニウム(2.1g、33.3mmol)を、3−クロロ−6−メトキシピリダジン(2.5g、26.43mmol)のメタノール(10mL)の撹拌溶液に添加し、得られた混合物を50℃で1時間撹拌した。反応物を冷却し、窒素雰囲気下で、メタノールで溶出しながらセライト(登録商標)を通して濾過し、濾液を蒸発乾固させた。粗生成物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を淡黄色油状物として得た(1.55g、86%)。
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 4.16 (s, 3H), 7.00 (dd, 1H), 7.38 (dd, 1H), 8.82−8.87 (m, 1H).
【0154】
b) 3−メトキシ−4−(トリブチルスタンニル)ピリダジン
n−ブチルリチウム(ヘキサン中、2.5M溶液、7.1mL、17.75mmol)を、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(3mL、17,75mmol)の乾燥ジエチルエーテル(16mL)溶液に、−30℃にてアルゴン雰囲気下で、ゆっくり添加した(0.2mL/分)。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、その後、−78℃まで冷却し、3−メトキシピリダジン(製造例8a、0.85g、7.72mmol)の乾燥ジエチルエーテル(4mL)溶液をゆっくり添加した(0.03mL/分)。反応混合物をこの温度にてさらに10分撹拌し、その後、トリブチルクロロスタンナン(2.5mL、9.22mmol)を添加した。−78℃にて45分間撹拌後、ジエチルエーテルと塩化アンモニウム飽和水溶液(15mL/15mL)との混合液を添加し、温度を環境温度まで温めた。その後、さらなるジエチルエーテル(300mL)を混合物に添加し、有機層を分け、塩化アンモニウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(100%ヘキサンないし1:1 ヘキサン/ジエチルエーテル)により精製して、表題化合物を淡黄色油状物として得た(0.31g、10%)。
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 0.88 (t, 9H), 1.03−1.19 (m, 6H), 1.23−1.40 (m, 6H), 1.43−1.61 (m, 6H), 4.09 (s, 3H), 7.44 (d, 1H), 8.69 (d, 1H).
【0155】
製造例9
3−(3−メトキシピリダジン−4−イル)−N−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
a)6−クロロ−3−(3−メトキシピリダジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
シュレンクバイアル中、3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例1b、182mg、0.78mmol)、3−メトキシ−4−(トリブチルスタンニル)ピリダジン(製造例8b、313mg、0.78mmol)、ヨウ化銅(I)(15mg、0.08mmol)および乾燥N,N’−ジメチルホルムアミド(4mL)の混合物を、アルゴンを用いる3サイクルの排出−充填を行った。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(91mg、0.08mmol)を添加し、得られた混合物をさらに3サイクルの排出−充填に付し、その後、100℃で20時間撹した。反応物を冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチルないし100%酢酸エチル)により精製して、表題化合物をベージュ色固体として得た(131mg、64%)。
LRMS(m/z):262(M+1)
+.
【0156】
b)3−(3−メトキシピリダジン−4−イル)−N−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例3に記載の実験方法に従い、6−クロロ−3−(3−メトキシピリダジン−4−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例9a)および[(1S)−1−フェニルエチル]アミンから得て、次いでフラッシュクロマトグラフィー(100%ジクロロメタンないし97:3 ジクロロメタン/メタノール)により精製して固体として得た(21%)。
LRMS(m/z):347(M+1)
+.
【0157】
製造例10
(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸
n−ブチルリチウム(ヘキサン中、1.6M溶液、20mL、32mmol)を、−100℃にてアルゴン雰囲気下、3−ブロモ−5−フルオロ−2−メトキシピリジン(6.0g、29.12mmol)およびほう酸トリイソプロピル(8.4mL、36.62mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(70mL)溶液にゆっくり添加した(0.4mL/分)。反応混合物を−100℃で2時間撹拌し、その後、温度を一晩かけてゆっくり環境温度まで温め、その後、0℃まで冷却した。塩酸水溶液(1N溶液、120mL)を混合物にゆっくり添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液(水中、32%)を、pHが約6になるまで添加し、得られた混合物をジエチルエーテル(x3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を白色固体として得た(3.28g、66%)。
LRMS(m/z):172(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 4.04 (s, 3H), 6.00 (s, 2H), 7.88 (dd, 1H), 8.09 (d, 1H).
【0158】
製造例11
6−クロロ−3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
製造例2に記載の実験方法に従い、(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸(製造例10)および3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例1b)から黄色固体として得た(55%)。
LRMS(m/z):279(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 4.07 (s, 3H), 7.15 (d, 1H), 7.95−8.06 (m, 2H), 8.47 (s, 1H), 8.64 (d, 1H).
【0159】
製造例12
3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例3aに記載の実験方法に従い、6−クロロ−3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例11)および(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造)から得られ、次いでフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル〜100%酢酸エチル〜7:3 酢酸エチル/エタノール)により精製して淡橙色固体として得た(20%)。
LRMS(m/z):383(M+1)
+。
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.60 (br. s., 3H), 4.05 (s, 3H), 4.99−5.26 (m, 1H), 5.38−5.65 (m, 1H), 6.47−6.77 (m, 1H), 7.30−7.54 (m, 3H), 7.64−7.83 (m, 1H), 7.87−8.09 (m, 1H), 8.31−8.51 (m, 1H), 8.51−8.72 (m, 1H).
【0160】
製造例13
(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸
a)3−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシピリジン
臭素(1.5mL、29.28mmol)の氷酢酸(7mL)溶液を、5−クロロ−2−メトキシピリジン(2.1g、14.63mmol)および酢酸ナトリウム(1.2g、14.63mmol)の氷酢酸(7mL)中の混合物にゆっくり添加し、得られた混合物を80℃にて6時間撹拌した。反応物を環境温度まで冷却し、その後、ジエチルエーテルおよび水を添加した。有機層を分け、1N水酸化ナトリウム水溶液および4%重亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(100%ヘキサン)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(2.1g、64%)。
1H-NMR δ (300 MHz, CDCl
3):3.99 (s, 3H), 7.81 (d, 1H), 8.05 (d, 1H).
【0161】
b)(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸
製造例10に記載の実験方法に従い、3−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシピリジン(製造例13a)およびホウ酸トリイソプロピルから白色固体として得た(72%)。
LRMS(m/z):188(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 4.03 (s, 3H), 5.94 (s, 2H), 8.08 (d, 1H), 8.19 (d, 1H).
【0162】
製造例14
6−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン
製造例2に記載の実験方法に従い、(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸(製造例13b)および3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例1b)から黄色固体として得た(40%)。
LRMS(m/z):295(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, DMSO−d
6):3.99 (s, 3H), 7.51 (d, 1H), 8.31 (d, 1H), 8.33 (d, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.63 (d, 1H).
【0163】
製造例15
3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例3aに記載の実験方法に従い、6−クロロ−3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例14)および(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造)から得て、次いでフラッシュクロマトグラフィー(97:3 ジクロロメタン/メタノール)により精製して褐色固体として得た(30%)。
LRMS(m/z):399(M+1)
+。
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.63 (d, 3H), 4.06 (s, 3H), 5.03−5.29 (m, 1H), 5.75 (d, 1H), 6.60 (d, 1H), 7.32−7.49 (m, 2H), 7.71 (d, 1H), 8.07 (br. s., 1H), 8.16 (s, 1H), 8.41 (br. s., 1H), 8.93 (br. s., 1H).
【0164】
製造例16
3−ブロモ−6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
a)6−クロロ−5−メチルピリダジン−3−アミン(+6−クロロ−4−メチルピリダジン−3−アミン)
アンモニア(32%水溶液、54mL)を、密封管中、3,6−ジクロロ−4−メチルピリダジン(5.0g、30.67mmol)のエタノール溶液(25mL)に添加した。得られた混合物を、100℃で70時間撹拌し、冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(3:2 ヘキサン/酢酸エチルないし100%酢酸エチル)により精製して、表題化合物(3.8g、57%)を2種の異性体の混合物として得て、それをさらに精製することなく次工程に用いた。
LRMS(m/z):144(M+1)
+.
【0165】
b)6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
製造例1aに記載の実験方法に従い、6−クロロ−4−メチルピリダジン−3−アミンと6−クロロ−5−メチルピリダジン−3−アミン(製造例16a)の混合物から得て、次いで、フラッシュクロマトグラフィー(100%ヘキサンないし7:3 ヘキサン/酢酸エチル)により精製してベージュ色固体として得た(41%)。
LRMS(m/z):168(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 2.46 (s, 3H), 7.72 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.87 (s, 1H).
【0166】
c)3−ブロモ−6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
製造例1bに記載の実験方法に従い、6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例16b)からベージュ色固体として得た(100%)。
LRMS(m/z):246(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CD
3OD): 2.55 (s, 3H), 7.91 (s, 1H), 8.06 (br. s., 1H).
【0167】
製造例17
6−クロロ−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
製造例2に記載の実験方法に従い、(2−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸および3−ブロモ−6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例16c)から緑色固体として得た(76%)。
LRMS(m/z):275(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz CDCl
3): 2.50 (s, 3H), 4.08 (s, 3H), 7.09 (dd, 1H), 7.85 (s, 1H), 8.20 (d, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.62 (d, 1H).
【0168】
製造例18
N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチルイミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例3aに記載の実験方法に従い、6−クロロ−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチル イミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例17)および(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造)から得て、その後、フラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル〜100%酢酸エチル〜7:3 酢酸エチル/エタノール)により精製してベージュ色固体として得た(25%)。
LRMS(m/z):379(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.62 (d, 3H), 2.35 (s, 3H), 4.05 (s, 3H), 5.05−5.17 (m, 1H), 5.48 (d, 1H), 6.98 (dd, 1H), 7.24−7.39 (m, 2H), 7.55 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 8.13 (d, 1H), 8.43 (d, 1H), 8.49 (dd, 1H).
【0169】
製造例19
6−クロロ−3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
製造例2に記載の実験方法に従い、(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸(製造例10)および3−ブロモ−6−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例16c)からベージュ色固体として得た(56%)。
LRMS(m/z):293(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 2.51 (s, 3H), 4.07 (s, 3H), 7.87 (s, 1H), 8.00 (d, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.66 (dd, 1H).
【0170】
製造例20
3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−7−メチル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例3aに記載の実験方法に従い、6−クロロ−3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(製造例19)および(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造)から得て、次いで、フラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン/酢酸エチル〜100%酢酸エチル〜7:3 酢酸エチル/エタノール)により精製してベージュ色固体として得た(27%)。
LRMS(m/z):397(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.65 (d, 3H), 2.37 (s, 3H), 4.06 (s, 3H), 5.10−5.25 (m, 1H), 5.62 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.93 (d, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.69 (dd, 1H).
【0171】
製造例21
3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
a)3−ブロモ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
3−ブロモ−6−クロロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン (製造例1b、0.2g、0.86mmol)、(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造、0.24g、1.72mmol)、フッ化セシウム(1.31g、8.60mmol)およびジメチルスルホキシド(5mL)の混合物を、密封管中、180℃にて2時間加熱した。反応物を冷却し、酢酸エチルで溶出しながらセライト(登録商標)を通して濾過し、濾液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中、40−70%アセトン)により精製して、表題化合物を褐色泡状物として得た(0.11g、64%)。
1H−NMR δ (250 MHz, CDCl
3): 1.67 (d, 3H), 5.29−5.41 (m, 1H), 5.68 (d, 1H), 6.57 (d, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 8.58 (s, 2H).
【0172】
b)3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン
製造例2に記載の実験方法に従い、3−ブロモ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例21a)および(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸(製造例10)から得て、その後、フラッシュクロマトグラフィー(40−60% アセトン/ヘキサン)により精製して黄色固体として得た(54%)。
1H−NMR δ (250 MHz, CDCl
3): 1.66 (d, 3H), 4.02 (s, 3H), 5.18−5.32 (m, 1H), 5.50 (d, 1H), 6.62 (d, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.93 (d, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.54 (d, 1H), 8.57 (s, 2H).
【0173】
製造例22
N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−アミン
a)6−クロロ−N−(2−メトキシピリジン−3−イル)−3−ニトロピリジン−2−アミン
トリエチルアミン(6.5mL、46.6mmol)を、2−メトキシピリジン−3−アミン(1.0g、8.1mmol)および2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(1.62g、8.4mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に添加し、得られた混合物を環境温度にて5日間撹拌し、その後、50℃にて24時間撹拌した。形成した沈殿を濾取し、アセトニトリルで洗浄し、真空下で乾燥させた。その後、固体をテトラヒドロフランで処理し、濾過し、さらなるテトラヒドロフランで洗浄し、合わせた濾液および洗浄液を減圧下で濃縮乾固させて、表題化合物を橙色固体として得た(0.32g、11%)。
LRMS(m/z):281、283(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 4.11 (s, 3H), 6.86 (d, 1H), 6.99 (dd, 4.94 Hz, 1H), 7.93 (d, 1H), 8.51 (d, 1H), 8.80 (d, 1H), 10.79 (br. s, 1H).
【0174】
b)N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−N
2−(2−メトキシピリジン−3−イル)−3−ニトロピリジン−2,6−ジアミン
ジイソプロピルエチルアミン(0.49mL、2.81mmol)を、6−クロロ−N−(2−メトキシピリジン−3−イル)−3−ニトロピリジン−2−アミン(製造例22a、0.26g、0.69mmol)および塩酸(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造、0.13g、0.74mmol)のブタノール溶液(5mL)に添加し、得られた混合物を80℃にて一晩撹拌した。その後、反応物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、塩水で洗浄した(x3)。有機層を分け、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン100%ないし1:1 ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(253mg、94%)。
LRMS(m/z):385(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.60 (s, 3H), 4.08 (s, 3H), 5.26 (br. s., 1H), 6.03 (d, 1H), 6.38 (d, 1H), 6.91 (dd, 1H), 7.39 (t, 1H), 7.89 (d, 1H), 8.28 (d, 1H), 8.45 (d, 1H), 8.62 (br. s., 1H), 11.22 (br. s., 1H).
【0175】
c)N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−N
2−(2−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2,3,6−トリアミン
N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−N
2−(2−メトキシピリジン−3−イル)−3−ニトロピリジン−2,6−ジアミン(製造例22b、131mg、0.34mmol)を、パラジウム炭素(10%、18mg)のエタノール懸濁液(5mL)に添加し、反応混合物を水素雰囲気下で環境温度にて撹拌した。7時間後、さらなるパラジウム炭素を添加し(18mg)、反応混合物を環境温度にて水素雰囲気下でさらに15時間撹拌した。その後、混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、濾過ケーキをエタノールで洗浄した(5x10mL)。合わせた濾液および表題化合物をエタノール溶液として含む洗浄液を、さらに精製することなく次工程に用いた。
【0176】
d)N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−アミン
酢酸ホルムアミジン(141mg、1.35mmol)を、N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−N
2−(2−メトキシピリジン−3−イル)ピリジン−2,3,6−トリアミンのエタノール溶液(製造例22c)に添加し、得られた混合物を85℃にて5時間加熱した。反応物を冷却し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、塩水(2x100mL)および水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン/酢酸エチルないし100%酢酸エチル)により精製して、表題化合物を緑色固体として得た(104mg、84%、2工程)。
【0177】
製造例23
5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−アミン
a)5−クロロ−2−メトキシ−3−ニトロピリジン
ナトリウムメトキシド(0.84g、16.6mmol)のメタノール溶液(4mL)を、2,5−ジクロロ−3−ニトロピリジン(1.00g、5.2mmol)のメタノール溶液(10mL)に滴下し、混合物を撹拌し、還流温度まで加熱した。7時間後、混合物を冷却し、水で希釈し、沈殿を濾過し、水で洗浄し、表題化合物を白色固体として得た(0.95g、97%)。
1H NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 4.11 (s, 3H), 8.23 (s, 1H), 8.32 (s, 1H).
【0178】
b)5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−アミン
臭化亜鉛(226mg、1mmol)および白金炭素(5%、491mg、2.52mmol)を、5−クロロ−2−メトキシ−3−ニトロピリジン(製造例23a、950mg、5.04mmol)の酢酸エチル溶液(15mL)に添加し、反応混合物を、水素雰囲気で、環境温度にて5時間撹拌した。その後、混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、濾過ケーキをメタノールで洗浄した。合わせた濾液および洗浄液を濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(820mg、100%)。
LRMS(m/z):159(M+1)
+.
1H NMR δ (300 MHz, CDCl
3):3.97 (s, 3H), 6.98 (s, 1H), 7.50 (s, 1H).
【0179】
製造例24
3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−アミン
a)6−クロロ−N−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−3−ニトロピリジン−2−アミン
トリエチルアミン(2.7mL)および触媒量の4−ジアミノピリミジンを、2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(639mg、3.31mmol)および5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−アミン(製造例23、501mg、3.16mmol)のアセトニトリル溶液(20mL)に添加し、得られた混合物を90℃にて一晩撹拌した。その後、固体が沈殿するまで、溶媒を減圧下で除去した。固体を濾取し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥させた。その後、固体をジクロロメタンで処理し、濾過し、さらなるジクロロメタンで洗浄し、合わせた濾液および洗浄液を減圧下で濃縮乾固させて、表題化合物を橙色固体として得た(390mg、30%)。
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 4.08 (s, 3H), 6.89 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 8.50 (d, 1H), 8.86 (d, 1H), 10.74 (bs, 1H).
【0180】
b)N
2−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−ニトロピリジン−2,6−ジアミン
製造例22bに記載の実験方法に従い、6−クロロ−N−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−3−ニトロピリジン−2−アミン(製造例24a)および(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造)から黄色固体として得た(61%)。反応物を、マイクロ波照射下、80℃にて3時間加熱した。後処理後、得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(1:9 酢酸エチル/ヘキサンないし100%酢酸エチル)により精製した。
LRMS(m/z):419(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.64 (d, 3H), 4.08 (s, 3H), 5.37 (bs, 1H), 6.08 (d, 1H), 7.33−7.47 (m, 2H), 7.83 (d, 1H), 8.28 (d, 1H), 8.44 (d, 1H), 9.02 (d, 1H), 11.30 (bs, 1H).
【0181】
c)N
2−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]ピリジン−2,3,6−トリアミン
N
2−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−ニトロピリジン−2,6−ジアミン(製造例24b、160mg、0.38mmol)の酢酸エチル溶液(11mL)を、80バール圧力下、H−Cube
(登録商標)Continous−flow 水素化反応器およびラネー
(登録商標)−ニッケル触媒カートリッジを用いて(流速=0.3mL/分)、水素化した。その後、溶媒を減圧下で濃縮乾固させ、表題化合物を緑色油状物として得て(100mg、64%)、それをさらに精製することなく次合成工程に用いた。
LRMS(m/z):389(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.57 (d, 3H), 4.02 (s, 3H), 4.98 (bs, 1H), 5.80 (d, 1H), 6.94 (d, 1H), 7.26−7.43 (m, 2H), 7.55 (bs, 1H), 7.61 (d, 1H), 8.41 (d, 1H), 8.81 (d, 1H).
【0182】
d)3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−アミン
製造例22dに記載の実験方法に従い、N
2−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]ピリジン−2,3,6−トリアミン(製造例24c)および酢酸ホルムアミジンから得て、次いでフラッシュクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン/酢酸エチルないし100%酢酸エチル)により精製して油状物を得た(76%)。
LRMS(m/z):399(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.54 (d, 3H), 3.98 (s, 3H), 4.98−5.14 (m, 1H), 5.48 (d, 1H), 6.43 (d, 1H), 7.29−7.39 (m, 2H), 7.78 (d, 1H), 8.11−8.13 (m, 2H), 8.14 (s, 1H), 8.39 (s, 1H).
【0183】
製造例25
3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−6−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−アミン
a)6−クロロ−N−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−5−メチル−3−ニトロピリジン−2−アミン
水素化ナトリウム(鉱油中、60%分散液、0.23g、5.80mmol)を、5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−アミン(製造例23b、1.15g、7.25mmol)のテトラヒドロフラン(11mL)の撹拌溶液に添加し、得られた混合物を環境温度にて30分間撹拌した。次いで、2,6−ジクロロ−3−メチル−5−ニトロピリジン(WO2010/094645(A1)に記載の方法に従い製造、1.0g、4.83mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を添加し、反応混合物を還流温度で一晩加熱し、次いで、環境温度で3日間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて、得られた残渣をメタノールで処理し、濾過し、さらなるメタノールで洗浄し、乾燥させて、表題化合物を橙色固体として得た(1.18g、74%)。
1H−NMR δ (250 MHz, CDCl
3): 2.38 (s, 3H), 4.09 (s, 3H), 7.81 (d, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.87 (d, 1H), 10.61 (br.s., 1H).
【0184】
b)N
6−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N
2−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−メチル−5−ニトロピリジン−2,6−ジアミン
製造例22bに記載の実験方法に従い、6−クロロ−N−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−5−メチル−3−ニトロピリジン−2−アミン(製造例25a)および(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン(WO2006/82392A1に記載の方法に従い製造)から橙色固体として得た(88%)。
1H−NMR δ (250 MHz, CDCl
3): 1.65 (d, 3H), 2.20 (s, 3H), 4.07 (s, 3H), 5.41 (m, 1H), 6.97 (d, 1H), 7.40 (m, 2H), 7.80 (d, 1H), 8.11 (br.s., 1H), 8.45 (d, 1H), 9.07 (d, 1H), 11.25 (br. S., 1H).
【0185】
c)N
2−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−5−メチルピリジン−2,3,6−トリアミン
ラネー
(登録商標)−ニッケル(0.7g)を、N
6−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N
2−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−メチル−5−ニトロピリジン−2,6−ジアミン(製造例25b、0.67g、1.56mmol)のエタノール溶液(15mL)に添加し、得られた混合物を、水素雰囲気下、環境温度にて2時間、撹拌した。その後、混合物をセライト
(登録商標)を通して濾過し、濾過ケーキをメタノール(30mL)で洗浄した。合わせた濾液および表題化合物をメタノール溶液として含む洗浄液を、減圧下で半量まで濃縮して、それをさらに精製することなく次合成工程に用いた。
【0186】
d)3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−6−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−アミン
製造例22dに記載の実験方法に従い、N
2−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N
6−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−5−メチルピリジン−2,3,6−トリアミン(製造例25c)および酢酸ホルムアミジンから得て、次いでフラッシュクロマトグラフィー(20−40% アセトン/ヘキサン)により精製して緑色油状物として得た(33%、2工程)。
1H−NMR δ (250 MHz, CDCl
3): 1.57 (d, 3H), 2.30 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 5.26 (m, 1H), 5.39 (d, 1H), 7.33 (m, 2H), 7.69 (s, 1H), 8.16 (m, 3H), 8.39 (br.s., 1H).
【0187】
実施例1
3−オキソ−3−((3R)−3−{[3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)プロパンニトリル
3−((3R)−3−{[3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル]アミノ}ピペリジン−1−イル)−3−オキソプロパンニトリル(製造例3c、58mg、0.15mmol)、クロロ(トリメチル)シラン(0.06mL、0.44mmol)およびヨウ化ナトリウム(67mg、0.45mmol)のアセトニトリル(1.5mL)中の混合物を、80℃にて50分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水で処理した。得られた沈殿を濾過し、さらなる水およびジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、固体を得て、それを逆相クロマトグラフィー(100%水ないし1:1 水/(アセトニトリル/メタノール 1:1))により精製して、表題化合物を固体として得た(20mg、35%)。
LRMS(m/z):378(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CD
3COD): 1.45−1.72 (m, 2H), 1.73−1.88 (m, 1H), 2.04 (dd, 1H), 2.63−2.78 (m, 1H), 3.21 (s, 2H), 3.53−3.90 (m, 3H), 4.60−4.71 (m, 1H), 6.47 (t, 1H), 6.54−6.72 (m, 2H), 7.23−7.42 (m, 1H), 7.53−7.64 (m, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.57 (d, 1H), 9.01 (d, 1H).
【0188】
実施例2
3−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例4)から得て、次いで逆相クロマトグラフィー(100%水ないし2:3 水/(アセトニトリル/メタノール 1:1))により精製して、褐色固体として得た(56%)。
LRMS(m/z):332(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CD
3OD): 1.55 (d, 3H), 3.53−3.67 (m, 1H), 3.73 (d, 1 H), 6.30−6.45 (m, 1H), 6.86 (d, 1H), 7.12−7.26 (m, 1H), 7.29−7.48 (m, 5H), 7.65 (d, 1H), 8.30 (br. s., 1H), 8.38 (d, 1H).
【0189】
実施例3
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例5)から得て、次いで逆相クロマトグラフィー(100%水ないし2:3 水/(アセトニトリル/メタノール 1:1))により精製して、黄色固体として得た(64%)。
LRMS(m/z):351(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, DMSO−d
6): 1.51 (d, 3H), 4.91 (t, 1H), 6.17−6.33 (m, 1H), 6.86 (d, 1H), 7.31 (d, 1H), 7.43−7.54 (m, 1H), 7.65 (t, 1H), 7.71−7.86 (m, 2H), 8.34−8.43 (m, 2H), 8.57 (br. s., 1H).
【0190】
実施例4
3−(6−{[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例6)から得て、次いで逆相クロマトグラフィー(100%水ないし3:2 水/(アセトニトリル/メタノール 1:1))により精製して、黄色固体として得た(42%)。
LRMS(m/z):351(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CD
3OD): 1.59 (d, 3H), 4.97 (q, 1H), 6.43 (t, 1H), 6.89 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.52 (d, 2H), 7.70 (d, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.42−8.50 (m, 2H).
【0191】
実施例5
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例7)から得て、次いで逆相クロマトグラフィー(100%水ないし3:2 水/(アセトニトリル/メタノール 1:1))により精製して、褐色固体として得た(56%)。
LRMS(m/z):352(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CD
3OD): 1.64 (d, 3H), 5.08−5.23 (m, 1H), 6.47−6.61 (m, 1H), 6.93 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.71 (d, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.65−8.77 (m, 3H).
【0192】
実施例6
4−(6−{[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリダジン−3(2H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、3−(3−メトキシピリダジン−4−イル)−N−[(1S)−1−フェニルエチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例9b)から得て、次いで逆相クロマトグラフィー(100%水ないし2:3 水/(アセトニトリル/メタノール 1:1))により精製して、黄色固体として得た(26%)。
LRMS(m/z):333(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CD
3OD): 1.58 (d, 3H), 3.27−3.33 (m, 1H), 6.96 (d, 1H), 7.22 (t, 1H), 7.37 (t, 2H), 7.42−7.50 (m, 2H), 7.72 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.20 (d, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.55−8.60 (m, 1H).
【0193】
実施例7
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例12)から黄色固体として得た(95%)。
LRMS(m/z):369(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, DMSO−d
6): 1.58 (d, 3H), 4.85−5.12 (m, 1H), 6.96 (d, 1H), 7.52 (br. s., 2H), 7.60−7.74 (m, 1H), 7.88 (d, 2H), 8.40−8.71 (m, 3H), 11.88 (br. s., 1H).
【0194】
実施例8
5−クロロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]イミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例15)から褐色固体として得た(57%)。
LRMS(m/z):385(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, DMSO−d
6): 1.57 (d, 3H), 4.93−5.12 (m, 1H), 7.10 (d, 1H), 7.51 (dd, 1H), 7.61−7.74 (m, 2H), 7.93 (d, 1H), 8.07 (d, 1H), 8.52 (d, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.75 (d, 1H), 12.33 (br. s., 1H).
【0195】
実施例9
3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−7−メチルイミダゾ−[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例18)からベージュ色固体として得た(51%)。
LRMS(m/z):365(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, DMSO−d
6): 1.63 (d, 3H), 2.43 (s, 3H), 4.93−5.18 (m, 1H), 6.29 (t, 1H), 6.87 (d, 1H), 7.33 (d, 1H), 7.50−7.61 (m, 1H), 7.62−7.71 (m, 1H), 7.74 (s, 1H), 8.38−8.49 (m, 2H), 8.61 (br. s., 1H), 11.84 (br. s., 1H).
【0196】
実施例10
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−7−メチル−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例20)から固体として得た(99%)。
LRMS(m/z):382(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, DMSO−d
6): 1.61 (d, 3H), 2.39 (s, 3H), 4.97−5.15 (m, 1H), 6.89 (d, 1H), 7.41−7.55 (m, 2H), 7.55−7.67 (m, 1H), 7.74 (s, 1H), 8.36−8.61 (m, 2H).
【0197】
実施例11
5−フルオロ−3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、3−(5−フルオロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン(製造例21b)から得て、次いで分取薄層クロマトグラフィー(1:9 メタノール/ジクロロメタン)により精製して黄色固体として得た(14%)。
1H−NMR δ (250 MHz, DMSO−d
6): 1.57 (d, 3H), 4.97−5.13 (m, 1H), 6.91 (d, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.81 (d, 1H), 7.89 (d, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.60 (dd, 1H), 8.78 (s, 2H), 11.87 (br. s, 1H).
【0198】
実施例12
3−(5−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3−(2−メトキシピリジン−3−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−アミン(製造例22d)から得て、次いで逆相クロマトグラフィー(メタノールないし95:5 水/メタノール)により精製して桃色固体として得た(48%)。
LRMS(m/z):351(M+1)
+.
1H−NMR δ (250 MHz, DMSO−d
6): 1.45 (d, 3H), 4.86−4.99 (m, 1H), 6.31 (t, 1H), 6.59 (d, 1H), 7.28−7.47 (m, 3H), 7.54−7.65 (m, 1H), 7.66−7.77 (m, 2H), 8.44 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 12.25 (br.s., 1H).
【0199】
実施例13
5−クロロ−3−(5−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−アミン(製造例24d、69mg、0.17mmol)の臭化水素水溶液(48%、0.6mL)の懸濁液を、100℃にて3時間加熱した。環境温度まで冷却後、水を減圧下で除去し、残渣をアセトニトリルで処理した。固体を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥させて、表題化合物を臭化水素塩として得た(80mg)。その後、固体、撹拌した飽和炭酸カリウム水溶液(10mL)に添加し、得られた懸濁液を2時間撹拌した。酢酸エチル(15mL)を添加し、水層を分け、酢酸エチルで洗浄した(2x15mL)。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させて、表題化合物を桃色固体として得た(44mg、66%)。
LRMS(m/z):385(M+1)
+.
1H−NMR δ (300 MHz, CDCl
3): 1.53 (d, 3H), 5.03 (d, 1H), 6.61 (d, 1H), 7.42−7.48 (m, 2H), 7.69 (s, 2H), 7.71 (bs, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.46 (s, 1H).
【0200】
実施例14
5−クロロ−3−(5−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−6−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例1に記載の実験方法に従い、3−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−3−イル)−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−6−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−アミン(製造例25d)からベージュ色固体として得た(62%)。
LRMS(m/z):399(M+1)
+.
1H−NMR δ (400 MHz, DMSO−d
6): 1.55 (d, 3H), 2.26 (s, 3H), 5.20 (m, 1H), 6.04 (br.s., 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.49 (m, 2H), 7.63 (s, 1H), 8.15 (m, 1H), 8.40 (d, 1H), 8.51 (s, 1H), 12.11 (br.s., 1H).
【0201】
上記の方法と同様の方法に従い、以下の化合物を得た。
実施例15
(S)−5−(ジフルオロメチル)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例16
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)−5−メチルピリジン−2(1H)−オン
実施例17
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−8−(2−メトキシエトキシ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例18
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)−8−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例19
(S)−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例20
(S)−5−フルオロ−3−(6−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチルアミノ)−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン
実施例21
(S)−5−(6−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミノ)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリミジン−4(3H)−オン
【0202】
薬理学的活性
インビトロJAKキナーゼアッセイ
下記のアッセイを用いて、本発明の化合物のJAK1、JAK2およびJAK3を阻害する能力をスクリーニングした。
ヒトJAK1(aa 850−1154)、JAK2(aa 826−1132)、JAK3(aa 795−1124)およびTyk2(aa 871−1187)の触媒ドメインは、バキュロウイルス発現系を用いてN末端GST融合タンパク質として発現され、Carna Biosciencesから購入した。
酵素活性を、ビオチニル化ペプチドであるポリ(GT)−ビオチン(CisBio)を基質として用いてアッセイした。反応中のペプチド濃度は、JAK1について60nM、JAK2について20nM、JAK3について140nM、そしてTyk2について50nMであった。リン酸化の程度を、TR−FRET(時間分解蛍光エネルギー転移)により検出した。
【0203】
化合物のIC
50値を、8mM MOPS(pH7.0)、10mM MgCl
2、0.05% β−メルカプトエタノール、0.45mg/ml BSA中に酵素、ATPおよびペプチドを含む反応混合物中の各キナーゼについて測定した。反応物中のATP濃度は、JAK1について3μM、JAK2について0.2μM、JAK3について0.6μM、そしてTyk2について1.8μMであった。酵素反応は、室温で30分間行った。次いで、反応を、0.115μg/mLの抗ホスホTyr(PT66)−クリプテート(CisBio)およびSA−B比を一定に保つために可変濃度のSA−XL665(CisBio)を含む、20μLのクエンチ検出緩衝液(50mM HEPES、0.5M KF、EDTA 0.25M、0.1%(w/v)BSA、pH7.5)を用いて停止させた。3時間インキュベートし、蛍光共鳴エネルギー移動を読み出すために設定したVictor 2V スペクトロフルオロメーター(PerkinElmer)で読み出した。
【0204】
上記で用いた略語のいくつかは以下の意味を有する:
AA:アミノ酸
GST:グルタチオン−S−トランスフェラーゼ
MOPS:3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸
BSA:ウシ血清アルブミン
ATP:アデノシン酸リン酸
EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸
HEPES:4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸。
【0205】
表1は、本発明で記載される任意の例示的化合物についてのIC
50値を示す。表1において、“A”は、0.1μM(100nM)未満のIC
50値を示し、“B”は、0.1μM(100nM)ないし1μM(1000nM)の範囲のIC
50値を示し、“C”は、1μM(1000nM)超のIC
50値を示す。
【表1】
【0206】
式(I)の化合物が、JAK1、JAK2およびJAK3キナーゼの強力な阻害剤であることは、表1から見出され得る。本発明者らの実験結果は、式(I)の化合物が、各JAKキナーゼの阻害について(上記の通りに測定)1μM未満のIC
50値を有するJAK1、JAK2およびJAK3キナーゼの阻害剤であることを示唆する。本発明の好ましいイミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体およびイミダゾ[4,5−b]ピリジン誘導体は、各JAKキナーゼの阻害について0.8μM未満のIC
50値、好ましくは0.5μM未満のIC
50値、より好ましくは0.2μM未満のIC
50値を有する。
【0207】
本発明はまた、ヒト身体または動物の治療的処置における使用のための本明細書に記載の本発明の化合物に関する。医薬としての使用を意図される本発明の化合物は、結晶製品またはアモルファス製品として、またはそれらの混合物として投与され得る。それらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、スプレー乾燥、または蒸発乾燥のような方法により、例えば、固体プラグ、粉末、またはフィルムとして得られ得る。マイクロ波または放射線−周波乾燥は、この目的に関して用いられ得る。
【0208】
組合せ剤
本発明のイミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体およびイミダゾ[4,5−b]ピリジン誘導体はまた、ヤヌスキナーゼの阻害により改善される可能性のある病状または疾患の処置において、他の有効化合物と併用され得る。
【0209】
本発明の組合せ剤は、所望により、脊髄増殖性障害(例えば、真性赤血球増加症、本態性血小板血症または骨髄線維症)、白血病、リンパ性悪性腫瘍および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択される病状または疾患の処置に有用であることが知られている1種以上の付加的活性剤、例えば(a)ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤、例えば、メトトレキサートまたはCH−1504;(b)ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)阻害剤、例えばレフルノミド、テリフルノミドまたは国際特許出願番号WO2008/077639およびWO2009/021696に記載の化合物;(c)免疫調節剤、例えば、酢酸グラチラマー(Copaxone)、ラキニモドまたはイミキモド;(d)DNA合成および修復の阻害剤、例えば、ミトキサントロンまたはクラドリビン;(e)免疫抑制剤、例えばイムラン(アザチオプリン)またはプリントール(6−メルカプトプリンまたは6−MP);(f)抗α4インテグリン抗体、例えばナタリズマブ(Tysabri);(g)α4インテグリンアンタゴニスト、例えば、R−1295、TBC−4746、CDP−323、ELND−002、フィラテグラストおよびTMC−2003;(h)コルチコイドおよびグルココルチコイド、例えば、プレドニゾンまたはメチルプレドニゾロン、フルチカゾン、モメタゾン、ブデソニド、シクレソニドまたはベータ−メタゾン;(i)フマル酸エステル、例えばBG−12;(j)抗腫瘍壊死因子α(抗TNFα)抗体、例えばインフリキシマブ、アダリムマブまたはセルトリズマブペゴール;(k)可溶性抗腫瘍壊死因子α(TNFα)受容体、例えばエタネルセプト;(l)抗CD20(リンパ球タンパク質)モノクローナル抗体、例えばリツキシマブ、オクレリズマブ、オファツムマブまたはTRU−015;(m)抗CD52(リンパ球タンパク質)、例えば、アレムツズマブ;(n)抗CD25(リンパ球タンパク質)、例えば、ダクリズマブ;(o)抗CD88(リンパ球タンパク質)、例えば、エクリズマブまたはペキシリズマブ;(p)抗インターロイキン6受容体(IL−6R)、例えばトシリズマブ;(q)抗インターロイキン12受容体(IL−12R)/インターロイキン23受容体(IL−23R)、例えばウステキヌマブ;(r)カルシニューリン阻害剤、例えば、シクロスポリンAまたはタクロリムス;(s)イノシン−モノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)阻害剤、例えば、ミコフェノール酸モフェチル、リバビリン、ミゾリビンまたはミコフェノール酸;(t)カンナビノイド受容体アゴニスト、例えば、サティベックス;(u)ケモカインCCR1アンタゴニスト、例えば、MLN−3897またはPS−031291;(v)ケモカインCCR2アンタゴニスト、例えば、INCB−8696;(w)壊死因子−κB(NF−κBまたはNFKB)活性化阻害剤、例えば、スルファサラジン、イグラチモドまたはMLN−0415;(x)アデノシンA
2Aアゴニスト、例えばATL−313、ATL−146e、CGS−21680、リガデノソンまたはUK−432,097;(y)スフィンゴシン−1(S1P)ホスフェート受容体アゴニスト、例えばフィンゴリモド、BAF−312またはACT128800;(z)スフィンゴシン−1(S1P)リアーゼ阻害剤、例えばLX2931;(aa)脾臓チロシンキナーゼ(Syk)阻害剤、例えばR−112;(bb)タンパク質キナーゼ阻害剤(PKC)阻害剤、例えばNVP−AEB071;(cc)抗コリン作動性薬剤、例えばチオトロピウムまたはアクリジニウム;(dd)βアドレナリンアゴニスト、例えばフォルモテロール、インダカテロールまたはアベジテロール(abediterol)(LAS100977);(ee)二官能性ムスカリンアンタゴニスト−β2アゴニスト活性(MABA)を有する化合物;(ff)ヒスタミン1(H1)受容体アンタゴニスト、例えばアゼラスチンまたはエバスチン;(gg)TH
2細胞上で発現される化学誘引物質受容体相同性分子(CRTH2)阻害剤、例えば、OC−459、AZD−1981、ACT−129968、QAV−680;(hh)ビタミンD誘導体様カルシポトリオール(Daivonex);(ii)抗炎症剤、例えば非ステロイド性抗炎症性薬剤(NSAID)または選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、例えばアセクロフェナク、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、アプリコキシブ、セレコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、パレコキシブナトリウム、ロフェコキシブ、セレコキシブ−1またはバルデコキシブ;(jj)抗アレルギー剤;(kk)抗ウイルス剤;(ll)ホスホジエステラーゼ(PDE)III阻害剤;(mm)ホスホジエステラーゼ(PDE)IV阻害剤、例えばロフルミラストまたはGRC−4039;(nn)二重ホスホジエステラーゼ(PDE)III/IV阻害剤;(oo)キサンチン誘導体、例えばテオフィリンまたはテオブロミン;(pp)p38マイトージェン活性化タンパク質キナーゼ(p38MAPK)阻害剤、例えばARRY−797;(qq)マイトージェン活性化細胞外シグナル制御キナーゼキナーゼ(MEK)阻害剤,例えばARRY−142886またはARRY−438162;(rr)ホスホイノシチド 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤;(ss)インターフェロンβ1a、例えばアボネックス(Biogen Idec)、CinnoVex(CinnaGen)およびRebif(EMD Serono)、ならびにインターフェロンβ1b、例えばベタフェロン(Schering)およびBetaseron(Berlex)を含む、インターフェロン類;ならびに(tt)インターフェロンα、例えばスミフェロンMPを含んでいてよい。
【0210】
本発明のJAK阻害剤と組み合わされ得る好適なコルチコイドおよびグルココルチコイド類の特定の例は、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、デキサメサゾンシペシル酸エステル、ナフロコート(naflocort)、デフラザコート、ハロプレドンアセテート、ブデソニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、ピバリン酸クロコルトロン、メチルプレドニゾロンアセポナート、パルミチン酸デキサメサゾン、チプレダン(tipredane)、ヒドロコルチゾンアセポン酸エステル、プレドニカルベート(prednicarbate)、アルクロメタゾン(alclometasone)ジプロピオネート、ハロメタゾン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、リメキソロン、プレドニゾロンファルネシレート、シクレソニド、プロピオン酸ブチキソコート、RPR−106541、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、ハロベタソールプロピオネート、エタボン酸ロテプレドノール、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、フルニソリド、プレドニゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、トリアムシノロン、17−吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸プレドニゾロンナトリウムおよびヒドロコルチゾンプロブテート(probutate)である。
【0211】
本発明のJAK阻害剤と組み合わされ得る好適なSykキナーゼ阻害剤の特定の例は、フォスタマチニブ(Rigel)、R−348(Rigel)、R−343(Rigel)、R−112(Rigel)、ピシアタンノール、2−(2−アミノエチルアミノ)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ]ピリミジン−5−カルボキサミド、R−091(Rigel)、6−[5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ]−2,2−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン ベンゼンスルホン酸(RigelからのR−406)、1−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン−1−オン、N−[4−[6−(シクロブチルアミノ)−9H−プリン−2−イルアミノ]フェニル]−N−メチルアセトアミド(NovartisからのQAB−205)、2−[7−(3,4−ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−5−イルアミノ]ピリジン−3−カルボキサミドである。
【0212】
本発明のJAK阻害剤と組み合わされ得る好適なコルチコイドおよびグルココルチコイド類の特定の例は、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、デキサメサゾンシペシル酸エステル、ナフロコート(naflocort)、デフラザコート、ハロプレドンアセテート、ブデソニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、ピバリン酸クロコルトロン、メチルプレドニゾロンアセポナート、パルミチン酸デキサメサゾン、チプレダン(tipredane)、ヒドロコルチゾンアセポン酸エステル、プレドニカルベート(prednicarbate)、アルクロメタゾン(alclometasone)ジプロピオネート、ハロメタゾン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、リメキソロン、プレドニゾロンファルネシレート、シクレソニド、プロピオン酸ブチキソコート、RPR−106541、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、ハロベタソールプロピオネート、エタボン酸ロテプレドノール、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、フルニソリド、プレドニゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、トリアムシノロン、17−吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸プレドニゾロンナトリウムおよびヒドロコルチゾンプロブテート(probutate)である。
【0213】
本発明のJAK阻害剤と組み合わされ得る好適なSykキナーゼ阻害剤の特定の例は、フォスタマチニブ(Rigel)、R−348(Rigel)、R−343(Rigel)、R−112(Rigel)、ピシアタンノール、2−(2−アミノエチルアミノ)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニルアミノ]ピリミジン−5−カルボキサミド、R−091(Rigel)、6−[5−フルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ]−2,2−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン ベンゼンスルホン酸(RigelからのR−406)、1−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エタン−1−オン、N−[4−[6−(シクロブチルアミノ)−9H−プリン−2−イルアミノ]フェニル]−N−メチルアセトアミド(NovartisからのQAB−205)、2−[7−(3,4−ジメトキシフェニル)イミダゾ[1,2−c]ピリミジン−5−イルアミノ]ピリジン−3−カルボキサミドジヒドロクロライド(BayerからのBAY−61−3606)およびAVE−0950(Sanofi−Aventis)である。
【0214】
本発明のJAK阻害剤と組み合わされ得る好適なM3アンタゴニスト(抗コリン剤)の特定の例は、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩、トロスピウム塩、ザミフェナシン、レバトロパート、エスパトロペート、臭化ダロトロピウム、CI−923、NPC−14695、BEA−2108、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩(特に、アクリジニウム塩、より好ましくは臭化アクリジニウム)、1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−カルボン酸エンド−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル エステル塩(DAU−5884)、3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1−シクロブチル−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−オン(NPC−14695)、N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロ−1(R)−シクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミド(J−104135)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−[4(S)−メチルヘキシル]ピペリジン−4−イル]−2−フェニルアセトアミド(J−106366)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−(4−メチル−3−ペンテニル)−4−ピペリジニル]−2−フェニルアセトアミド(J−104129)、1−[4−(2−アミノエチル)ピペリジン−1−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロシクロペント−1(R)−イル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタン−1−オン(Banyu−280634)、N−[N−[2−[N−[1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−3(R)−イルメチル]カルバモイル]エチル]カルバモイルメチル]−3,3,3−トリフェニルプロピオンアミド(Banyu CPTP)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸 4−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−2−ブチニルエステル(Ranbaxy 364057)、3(R)−[4,4−ビス(4−フルオロフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル]−1−メチル−1−[2−オキソ−2−(3−チエニル)エチル]ピロリジニウム アイオダイド、N−[1−(3−ヒドロキシベンジル)−1−メチルピペリジニウム−3(S)−イル]−N−[N−[4−(イソプロポキシカルボニル)フェニル]カルバモイル]−L−チロシンアミド トリフルオロアセテート、UCB−101333、Merck’s OrM3、7−エンド−(2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルアセトキシ)−9,9−ジメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.0(2,4)]ノナン塩、3(R)−[4,4−ビス(4−フルオロフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル]−1−メチル−1−(2−フェニルエチル)ピロリジニウム アイオダイド、トランス−4−[2−[ヒドロキシ−2,2−(ジチエン−2−イル)アセトキシ]−1−メチル−1−(2−フェノキシエチル)ピペリジニウム ブロマイド(Novartis (412682))、7−(2,2−ジフェニルプロピオニルオキシ)−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.0*2,4*]ノナン塩、7−ヒドロキシ−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.0*2,4*]ノナン 9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボン酸エステル塩であり、それらの全ては、所望によりそれらのラセミ体形態、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態および混合物、ならびに所望によりそれらの薬理学的に適合性の酸付加塩形態である。該塩のうち、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびメタンスルホン酸塩が好ましい。
【0215】
本発明のJAK阻害剤と組み合わされ得る好適なベータアドレナリンアゴニスト(β2−アゴニスト)の特定の例は、硫酸テルブタリン、フマル酸エフォルモテロール、フマル酸フォルモテロール、バンブテロール、イブテロール(ibuterol)、塩酸イソプレナリン、ドペキサミン、メタプロテレノール(metaprotenerol)、ツロブテロール、塩酸プロカテロール、塩酸シベナデット(sibenadet)、塩酸マブテロール、硫酸アルブテロール、硫酸サルブタモール、サルメファモール、キシナホ酸サルメテロール、塩酸カルモテロール、塩酸(R)−アルブテロール、塩酸レバルブテロール;塩酸レボサルブタモール;塩酸(−)−サルブタモール、フォルモテロール、酒石酸(R,R)−フォルモテロール;酒石酸アルフォルモテロール、スルフォンテロール(sulfonterol)、硫酸ベドラドリン、インダカテロール、トランチンテロール塩酸塩、ミルベテロール塩酸塩、オロダテロール、フェノテロール塩酸塩、リモテロール(rimoterol)塩酸塩、リプロテロール塩酸塩、ビランテロール、ブロキサテロール(broxaterol)、ピルブテロール塩酸塩、ビトルテロールメシル酸塩、クレンブテロール塩酸塩、AZD−3199、GSK−159802;GSK−597901、GSK−678007、GSK−961081;4−[2−[3−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−1,1−ジメチルプロピルアミノ]−1−ヒドロキシエチル]−2−(4−メトキシベンジルアミノ)フェノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−ジメトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、KUL−1248、HOKU−81、SM−110444、RP−58802B、LAS 100977、ならびに国際特許出願WO2007/124898、WO2006/122788A1、WO2008/046598、WO2008095720、WO2009/068177およびWO2010/072354に記載の化合物である。
【0216】
本発明のJAK阻害剤と組み合わされ得る好適なホスホジエステラーゼIV(PDE IV)阻害剤の特定の例は、二マレイン酸ベナフェントリン、エタゾレート、デンブフィリン、ロリプラム、シパムフィリン(cipamfylline)、ザルダベリン(Zardaverine)、アロフィリン、フィラミナスト(filaminast)、チペルカスト(tipelukast)、トフィミラスト(tofimilast)、ピクラミラスト、トラフェントリン、メソプラム(mesopram)、塩酸ドロタベリン、リリミラスト(Lirimilast)、ロフルミラスト、シロミラスト、オグレミラスト、アプレミラスト、テトミラスト、フィラミナスト(filaminast)、(R)−(+)−4−[2−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−フェニルエチル]ピリジン(CDP−840)、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−2−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソアセトアミド(GSK−842470)、9−(2−フルオロベンジル)−N6−メチル−2−(トリフルオロメチル)アデニン(NCS−613)、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−8−メトキシキノリン−5−カルボキサミド(D−4418)、3−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシベンジル]−6−(エチルアミノ)−8−イソプロピル−3H−プリン塩酸塩(V−11294A)、6−[3−(N,N−ジメチルカルバモイル)フェニルスルホニル]−4−(3−メトキシフェニルアミノ)−8−メチルキノリン−3−カルボキサミド塩酸塩(GSK−256066)、4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン−1−イル]−1−(2−メトキシエチル)ピリジン−2(1H)−オン(T−440)、(−)−トランス−2−[3’−[3−(N−シクロプロピルカルバモイル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1−イル]−3−フルオロビフェニル−4−イル]シクロプロパンカルボン酸、MK−0873、CDC−801、UK−500001、BLX−914、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール、5(S)−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−3(S)−(3−メチルベンジル)ピペリジン−2−オン(IPL−455903)、ONO−6126(Eur Respir J 2003, 22(Suppl. 45): Abst 2557)、ならびに国際特許出願WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693、WO2005/123692およびWO2010/069504にて特許請求される化合物である。
【0217】
本発明のJAK阻害剤と組み合わされ得る好適なホスホイノシチド 3−キナーゼ(PI3K)阻害剤の例は、2−メチル−2−[4−[3−メチル−2−オキソ−8−(3−キノリニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]フェニル]プロパンニトリル(NovartisからのBEZ−235)、CAL−101(Calistoga Pharmaceuticals)およびN−エチル−N’−[3−(3,4,5−トリメトキシフェニルアミノ)ピリド[2,3−b]ピラジン−6−イル]チオウレア(Aeterna ZentarisからのAEZS−126)である。
【0218】
本明細書に記載の式(I)の化合物およびそれらの組合せ剤は、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患、および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患の処置に用いられ得る;ここで、JAK阻害剤の使用は、例えばリウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬に有益な効果を有することが期待される。
【0219】
該組合せ製品における有効化合物は、同一の医薬組成物で、または同じか、もしくは異なる経路により、別個、同時、併用もしくは逐次投与を意図した異なる組成物で、共に投与され得る。
【0220】
全ての有効物質は同時にもしくは極く近い時間に投与されることが意図されている。あるいは、1個もしくは2個の有効物質を朝に、そしてその他(複数を含む)を同日のその後に投与することができる。または、別の計画では、1個もしくは2個の有効物質を1日2回、そして他のもの(複数を含む)を1日2回行われる投与のうちの投与の1回と同時に、または別個に、1日1回投与することができる。好ましくは、少なくとも2個の、より好ましくは全ての活性物質が、同時に共に投与され得る。好ましくは、少なくとも2個の、より好ましくは全ての活性物質を、混合剤として投与し得る。
【0221】
本発明はまた、ヤヌスキナーゼ(JAK)の阻害により改善される可能性のある病状または疾患、特に、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患、および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患、例えば骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患、および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;ならびに免疫仲介疾患および炎症性疾患から選択される病状または疾患、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択される病状または疾患の処置における使用のための1個以上の他の治療剤と共に本発明の化合物を含む組合せ製品に関する。
【0222】
本発明はまた、これらの疾患の処置のための製剤または医薬を製造するために、本発明の化合物を1個以上の他の治療剤と組み合わせて使用することを包含する。
【0223】
本発明はまた、ヤヌスキナーゼ(JAK)の阻害により改善される可能性のある病状または疾患の処置法を提供し、特に該病状または疾患は、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患、および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患から選択され、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択され;治療的有効量の本発明の化合物を1個以上の他の治療剤と共に含む組合せ剤を投与することを含む方法を提供する。
【0224】
本発明の組合せ剤における有効化合物は、処置される障害の性質に応じた何れかの好適な経路、例えば、経口的(シロップ、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、制御放出製剤、速溶性製剤等として);局所的(クリーム、軟膏、ローション、鼻腔スプレーまたはエアゾール等として);注射(皮下、皮内、筋肉内、静脈内等)または吸入(乾燥粉末、溶液、分散物等として)により投与することができる。
【0225】
組合せ剤中の有効化合物、すなわち、本発明のイミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体およびイミダゾ[4,5−b]ピリジン誘導体と他の任意の有効化合物は、同じ医薬組成物として共に、または同一もしくは異なる経路による別個、同時、併用もしくは逐次投与を意図した異なる組成物として投与することができる。
【0226】
本発明の1つの態様は、本発明のイミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体およびイミダゾ[4,5−b]ピリジン誘導体を、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患、および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患、例えば骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患、および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬の処置に有用な別の有効化合物と組み合わせて、同時、併用、別個または逐次使用するための指示書と共に含む複数部分のキットからなる。
【0227】
本発明の別の態様は、本発明のイミダゾ[1,2−b]ピリダジン誘導体およびイミダゾ[4,5−b]ピリジン誘導体と、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患、および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬の処置に有用な別の有効化合物とを含むパッケージからなる。
【0228】
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む。
【0229】
本明細書で用いる用語「医薬組成物」は、本明細書に記載の1種以上の化合物、またはその生理学的/薬学的に許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、立体異性体、重水素化誘導体もしくはそのプロドラッグと、生理学的/薬学的に許容される担体および賦形剤のような他の化学成分との混合物を意味する。医薬組成物の目的は、生物への該化合物の投与を容易にするためである。
【0230】
本明細書で用いる用語「生理学的/薬学的に許容される希釈剤または担体」は、生物に対して重大な刺激的炎症を引き起こさず、かつ投与された化合物の生物学的活性および特性を無効にしない、担体または希釈剤を意味する。
【0231】
本発明はさらに、ヤヌスキナーゼ(JAK)の阻害により改善される可能性のある病状または疾患、例えば上記のような病状または疾患の処置に使用するための、本発明の化合物ならびに薬学的に許容される希釈剤または担体を1個以上の他の治療剤と共に含む医薬組成物を提供する。
【0232】
本発明はまた、ヤヌスキナーゼ(JAK)の阻害により改善される可能性のある病状または疾患、特に骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患から選択される病状または疾患、より具体的には、骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患、および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;ならびに免疫仲介疾患から選択される病状または疾患、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択される病状または疾患の処置における使用のための医薬組成物を提供する。本発明はまた、これらの疾患の処置のための医薬の製造を目的とする、本発明の医薬組成物の使用を包含する。
【0233】
本発明はまた、ヤヌスキナーゼ(JAK)の阻害により改善される可能性のある病状または疾患、特に骨髄増殖性疾患、白血病、リンパ系悪性疾患および固形腫瘍;骨髄および臓器移植拒絶;免疫仲介疾患および炎症性疾患から選択される病状または疾患、より具体的には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患、ドライアイ、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アトピー性皮膚炎および乾癬から選択される病状または疾患の処置法であって、本発明の医薬組成物の治療的有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0234】
本発明はまた、有効成分として、少なくとも式(I)のヘテロアリールイミダゾロンまたはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される添加剤、例えば担体または希釈剤と共に含む医薬組成物を提供する。有効成分は、製剤の性質によって変わり、組成物の0.001重量%ないし99重量%、好ましくは0.01重量%ないし90重量%含まれ、さらなる希釈が、適用前にされてもされなくてもよい。好ましくは該組成物は、経口、吸入、局所、経鼻、経直腸、経皮的または注射可能な投与に好適な形態で製造される。
【0235】
本発明の化合物の送達に好適な医薬組成物およびそれらの製造方法は、当業者に容易に理解され得る。かかる組成物およびそれらの製造方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, Pa., 2001に見出され得る。
【0236】
本発明の組成物を形成する、有効化合物またはかかる化合物の塩類と混合される薬学的に許容される添加剤は、それ自体周知であり、実際に使用される添加剤は、とりわけ組成物の投与方法によって変わる。例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類ならびに種々のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油およびポリエチレングリコールのような賦形剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0237】
本発明の化合物の製造に好適なさらなる担体は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, Pa., 2001に見出され得る。
【0238】
i)他の投与形態
本発明の化合物は、経口投与され得る(経口投与;経口で(latin))。経口投与は、嚥下を伴うため、化合物は胃から吸収され、門脈循環を介して肝臓に送達され(肝臓での初回通過代謝)、最後に消化(GI)管に入る。
【0239】
経口投与のための組成物は、錠剤、持続性(retard)錠剤、舌下錠、カプセル剤、吸入エアロゾル剤、吸入溶液、乾燥粉末吸入剤、または混合物、エリキシル剤、シロップ剤もしくは懸濁液(全て、本発明の化合物を含む。)のような液体調製物の形態であり得る;かかる調製物は、当技術分野で公知の方法により製造され得る。有効成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして存在し得る。
【0240】
組成物が錠剤形態であるとき、固体製剤を製造するために通常用いられる何れかの薬学的担体を用いてもよい。このような担体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、アラビアガム、ステアリン酸、デンプン、ラクトースおよびスクロースが挙げられる。
【0241】
錠剤は、所望により1個以上の副成分と共に圧縮または成型(moulding)することにより製造され得る。圧縮錠剤は、粉末または顆粒のような易流動性の有効成分を、所望により結合剤、滑剤(lubricant)、不活性希釈剤、滑性物質(lubricating)、界面活性剤または分散剤と混合し、適当な機械で圧縮することにより製造することができる。
【0242】
成形錠剤(moulded tablet)は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することにより製造することができる。これらの錠剤は、所望によりコーティングされるか、または割線を入れられてもよく、その中の有効成分の徐放または制御放出を提供するように製剤化され得る。
【0243】
錠剤投与形態に関して、薬剤は、用量によって変わるが、投与量形態の1重量%ないし80重量%の投与量形態で製造され、より典型的には、5重量%ないし60重量%で製造される。薬剤に加えて、錠剤は、一般的に、崩壊剤を含む。崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル−置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、プレゼラチン化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般的に、崩壊剤は、投与量形態の1重量%ないし25重量%、好ましくは5重量%ないし20重量%で包含され得る。
【0244】
結合剤は、錠剤への凝集品質を上げるために一般的に用いられる。好適な結合剤としては、微結晶セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、プレゼラチン化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤はまた、希釈剤、例えばラクトース(一水和物、スプレー乾燥させた一水和物、無水など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプンおよび二塩基性リン酸カルシウム二水和物を含み得る。錠剤はまた、要すれば、界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80、および流動促進剤、例えば二酸化ケイ素およびタルクを含んでいてよい。存在するとき、界面活性剤は、典型的に、錠剤の0.2重量%ないし5重量%であり、流動促進剤は、典型的に、錠剤の0.2重量%ないし1重量%である。
【0245】
錠剤はまた、一般的に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物のような滑剤を含む。滑剤は、一般的に、錠剤の0.25重量%ないし10重量%、好ましくは0.5重量%ないし3重量%の量で存在する。他の常用成分としては、抗酸化剤、着色剤、香味剤、防腐剤および味遮蔽剤が挙げられる。
【0246】
例示的錠剤は、約80重量%までの薬剤、約10重量%ないし約90重量%の結合剤、約0重量%ないし約85重量%の希釈剤、約2重量%ないし約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%ないし約10重量%の滑剤を含む。錠剤混合物は、直接圧縮されるか、またはローラー圧縮されて錠剤を形成し得る。錠剤混合物または該混合物の一部は、湿式−、乾式−、または溶融−造粒されるか、溶融凝固されるか、または押出しされ、その後、打錠され得る。最終製剤は、1層またはそれ以上の層を含み得るか、またはコートされるか、もしくはコートされないでよく;または、カプセル化され得る。
【0247】
錠剤製剤は、H. Lieberman and L. Lachmanらの、“Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol. 1”, Marcel Dekker, N.Y., 1980.に詳しく記載されている。
【0248】
組成物がカプセル形態であるとき、何れかの常用のカプセル化技術が好適であり、例えば、硬ゼラチンカプセル中に上記の担体を用いる方法が好適である。組成物が軟ゼラチンカプセル形態であるとき、分散液または懸濁液の製造に常用される何れかの薬学的担体、例えば、水性ゴム、セルロース、ケイ酸塩またはオイルが考慮され得て、それらは軟ゼラチンカプセル中に挿入され得る。
【0249】
経口投与用固体製剤は、即時放出および/または制御放出されるように製剤され得る。制御放出製剤としては、遅延−、持続−、間欠−、制御−、標的化およびプログラムされた放出が挙げられる。
【0250】
好適な制御放出製剤は、米国特許番号第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散体および浸透性かつコーティングされた粒子のような他の好適な放出技術の詳細は、Verma et al, Pharmaceutical Technology On−line, 25(2), 1-14 (2001)に見出され得る。制御放出を達成するためのチューインガムの使用は、WO00/35298に記載されている。これらの文献の開示内容は、それらの全体を参照により本明細書中に包含させる。
【0251】
液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。かかる製剤は、軟または硬カプセル中に充填剤として使用され得て、典型的に、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または好適なオイル、および1種またはそれ以上の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。溶液は、可溶性塩または有効化合物の他の誘導体と、例えばスクロースとの水溶液であり、シロップを形成し得る。懸濁液は、本発明の不溶性有効化合物またはその薬学的に許容される塩と水、ならびに懸濁化剤または香味剤を含み得る。液体製剤はまた、固体の再構築により、例えば、サシェ剤から製造され得る。
【0252】
ii)口腔粘膜投与
本発明の化合物はまた、口腔粘膜を介して投与され得る。口腔粘膜の空洞内での、薬剤の送達は、3つのカテゴリーに分類される:(a)口床粘膜を介する薬剤の送達系である舌下送達、(b)頬の粘膜(頬粘膜)を介する薬剤投与である、口腔送達および(c)口腔への薬剤送達である、局所送達。
【0253】
口腔粘膜を介して投与される医薬製品は、膜付着性の、速やかに溶解する錠剤および固体ロゼンジ製剤を用いて設計され得て、それは、1種またはそれ以上の粘膜付着性(生体付着性)ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイソブチレンまたはポリイソプレン);および、口腔粘膜透過増強剤(ブタノール、酪酸、プロプラノロール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその他等)と共に製剤される。
【0254】
iii)吸入投与
本発明の化合物はまた、典型的に、乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末形態(単独で、混合物として、例えば、ラクトースを含む乾燥混合物、または混合された成分粒子として、例えば、ホスファチジルコリンのようなリン脂質と混合された成分粒子のいずれか)、または1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンのような好適な噴射剤の使用の有無での、加圧式コンテナ、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは、霧状ミストを生じるための電気流体力学を用いる噴霧器)、またはネブライザーからのエアロゾルスプレーとして、吸入により投与され得る。鼻腔内使用のために、粉末は、生体付着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含み得る。
【0255】
吸入による肺への局所送達のための乾燥粉末組成物は、吸入器または吹き入れ器(insufflator)に用いるための、例えばゼラチン製のカプセルおよびカートリッジ、または例えばラミネートアルミ箔のようなブリスターで提供され得る。製剤は、一般的に、本発明の化合物と、ラクトースまたはデンプンのような好適な粉末基剤(担体物質)の吸入用粉末混合物を含有する。ラクトースの使用が好ましい。各カプセルまたはカートリッジは一般に、0.001〜50mg、より好ましくは0.01〜5mgの有効成分または当量のその薬学的に許容される塩を含有し得る。あるいは、有効成分は添加剤を用いずに提供され得る。
【0256】
製剤の包装は、単回用量もしくは複数回用量の送達のために適当であり得る。複数回用量の送達の場合には、製剤を予め定量するか、または使用時に定量することができる。故に、乾燥粉末吸入器は、3群:(a)単回用量、(b)複数回単位用量、および(c)複数回用量デバイスに分類される。
【0257】
第一のタイプの吸入器については、単回用量は、大抵は硬ゼラチンカプセルである小さい容器中に製造業者により計り入れられている。カプセルは、別の箱もしくは容器から取り出され、吸入器の受容部位(receptacle area)に挿入されなければならない。次に、カプセルを開封するか、ピンまたは切刃で孔を開けて、吸入の際の遠心力を用いてこれらの孔を通してカプセルから粉剤を飛散させるか、または排出させるために、吸気流がカプセルを通ることを可能にしなければならない。吸入後に、空のカプセルを吸入器から再び除去しなければならない。多くの場合、カプセルを挿入しかつ除去するために吸入器の分解が必要であり、このことは、ある種の患者にとって困難であり、かつ負担となり得る操作である。
【0258】
吸入粉末用の硬ゼラチンカプセルの使用に関する他の欠点は、(a)環境雰囲気からの湿気の取り込みに対する予防が不十分であること、(b)カプセルが前もって極度の相対湿度に暴露されていた後での開封もしくは穿孔に関係する問題(破砕もしくは凹み(indenture)が起る)、および(c)カプセル破片の吸入の可能性である。さらに、多くのカプセル吸入器について、不十分な放出が報告されている(例えば、Nielsen et al, 1997)。
【0259】
カプセル吸入器の中には、WO92/03175に記載の通り、それから個々のカプセルを受入チャンバー(receiving chamber)(その中で穿孔および排出が起こる)へ移動することができる貯蔵庫を有しているものもある。他のカプセル吸入器は、用量放出のための空気路と直線上に並び得るカプセルチャンバーを有する回転式貯蔵庫を有する(例えば、WO91/02558およびGB2242134)。それらには、ディスクまたはストリップ上に供される限定された数の単位用量を有するブリスター吸入器と共に複数回単位用量型の吸入器が含まれる。
【0260】
ブリスター吸入器は、カプセル吸入器と比較して、優れた薬剤の湿気防止を提供する。粉末剤の利用は、カバーならびにブリスター箔を穿孔すること、またはカバー箔を剥離することにより可能である。帯状ブリスター(blister strip)をディスクの代わりに用いるとき、用量の数を増すことができるが、空のブリスター帯(strip)を交換することは患者にとって不便である。故に、このような装置は、帯(strip)の輸送およびブリスターポケットの開口に利用する仕組みを含む用量システムと共に、使い捨てとされる。
【0261】
複数回用量吸入器は、予め測定された量の粉末製剤を装填していない。それらは、比較的大きい容器および患者によって用いられるべき用量測定方式(principle)で構成される。該容器は、容積置換(volumetric displacement)により大量の粉末から個々に小分けされる複数回用量を含有する。回転膜(例えば、EP0069715)もしくはディスク(例えば、GB2041763;EP0424790;DE4239402およびEP0674533)、回転可能シリンダー(例えば、EP0166294;GB2165159およびWO92/09322)および回転可能錐台(例えば、WO92/00771)を含む様々な用量測定方式を有し、それらは全て、容器からの粉末で充填されるべき空洞を有している。他の複数回用量デバイスは、一定量の粉末を容器から送達チャンバーもしくは空気路(air conduit)に移動させるための局所または周辺のくぼみを持つ測定用スライド(例えば、US5201308およびWO97/00703)または測定用プランジャー(例えば、EP0505321、WO92/04068およびWO92/04928)、または以下の特許出願:WO97/000703、WO03/000325、WO03/061742およびWO2006/008027に記載の、Genuair(登録商標)(以前は、Novolizer SD2FLとして公知)のような測定用スライドを有している。
【0262】
再現性のある用量測定は、複数回用量吸入デバイスにとって主要な問題の一つである。 粉末製剤は、投与量を測定するカップもしくは空洞の充填が多くは重力の影響下にあるため、良好でかつ安定な流動特性を示さなければならない。
【0263】
再充填された単回用量および複数の単位用量吸入器については、用量測定精度および再現性は、製造業者により保証され得る。他方、複数回用量吸入器は、遥かに多数の用量を含有することができる一方で、投与量を充填するための操作数は概して少なくなる。
【0264】
複数回用量デバイス中の吸気性気流は、用量を測定する空洞をしばしば真っすぐに横切り、そして複数回用量吸入器の大量かつ厳格な用量測定システムは、この吸気性気流によりかき混ぜられないため、粉末塊は空洞から単に飛沫同伴されて、放出中に解凝集がほとんど得られない。
【0265】
そのため、別の崩壊手段が必要となる。しかしながら、実際には、それらは必ずしも吸入器設計の一部でなくてもよい。複数回用量デバイス中の用量が多数であるため、空気路の内壁上の粉剤付着および解凝集手段は最小でなければならず、そして/またはこれらの部分の定期的な洗浄が、デバイス内の残存用量に影響することなく、可能でなければならない。ある複数回用量吸入器は、処方された用量が使用された後、取り替えられ得る使い捨ての薬物容器を有する(例えば、WO97/000703)。使い捨ての薬物容器を有するそのような半永久的な複数回用量吸入器のために、薬物の蓄積を防止する要求がなお更に厳格となる。
【0266】
乾燥粉剤吸入器による利用とは別に、本発明の組成物を、噴射ガスを介して、もしくはいわゆる噴霧器により操作するエアロゾルで投与することができ、それを介して薬理学的に有効な物質の溶液を、吸入可能な粒子の霧が生じるように、高圧下で噴霧することができる。これら噴霧器の利点は、噴射ガスを完全に使用しなくてよくなることである。かかる噴霧器は、Respimat(登録商標)であり、例えば、PCT特許出願WO91/14468および国際特許出願WO97/12687に記載されており、参照によりその記載内容は本明細書に包含される。
【0267】
吸入による肺への局所送達用の噴霧組成物は、例えば、水性の液剤もしくは懸濁剤として、または適当な液化噴射剤を使用して、定量用量吸入器のような、加圧パックから送達されるエアロゾルとして製剤され得る。吸入に適するエアロゾル組成物は、懸濁剤もしくは液剤のいずれかであり、一般に、有効成分(複数を含む)およびフルオロカーボンもしくは水素含有のクロロフルオロカーボンまたはそれらの混合液、特にヒドロフルオロアルカン、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、とりわけ1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはそれらの混合液のような、適当な噴射剤を含有する。二酸化炭素または他の適当なガスもまた、噴射剤として使用され得る。
【0268】
エアロゾル組成物は、添加剤不含有か、または所望により界面活性剤(例えば、オレイン酸もしくはレシチン)および共溶媒(例えば、エタノール)のような当分野で周知の更なる製剤用添加剤を含有していてよい。加圧式製剤は、一般的に、バルブ(例えば、定量バルブ)で閉じられて、マウスピースを備えたアクチュエーター中に取り付けたキャニスター(例えば、アルミニウムキャニスター)の中に保持され得る。
【0269】
吸入による投与用医薬品は、制御された粒子サイズを有することが望ましい。気管支系内に吸入するための最適な粒子サイズは、通常1〜10μ、好ましくは2〜5μである。20μ以上のサイズを有する粒子は、吸入されるときに末梢気道に到達するには一般的には大き過ぎる。これらの粒子サイズを達成するために、製造される活性成分の粒子を、通常の手段により、例えば、微粉化法により、サイズを縮小することができる。望ましい画分を、空気分類(air classification)もしくは篩過により分離し得る。好ましくは、粒子は結晶であり得る。
【0270】
微粒子化粉末により高い投与量再現性を達成することは、それらの乏しい流動性と極端な凝集傾向のために困難である。乾燥粉末組成物の効率を改善するために、粒子は吸入器中にある間は大きくあるべきであるが、呼吸気道に放出されるときには小さくあるべきでる。従って、ラクトースまたはグルコースなどの添加物が一般に使用される。添加剤の粒子径は通常、本発明内の吸入すべき医薬よりもかなり大きい。添加剤がラクトースであるとき、典型的には粉末ラクトース、好ましくは、結晶性アルファラクトース一水和物として存在し得る。
【0271】
加圧エアロゾル組成物は、バルブ、特に定量バルブを備えたキャニスター中に一般的に充填され得る。キャニスターは、W096/32150に記載の通り、所望により、例えばフルオロカーボン高分子であるプラスチック材料でコーティングされ得る。キャニスターは、口腔送達用に適した作動装置中に組み込まれ得る。
【0272】
iv)鼻粘膜投与
本発明の化合物はまた、鼻粘膜を介して投与され得る。
鼻粘膜投与のための典型的な組成物は、一般的に、定量噴霧スプレーポンプにより利用され、所望により経鼻ポンプにより投与可能な緩衝剤、抗菌剤、張力調節剤および粘度調節剤のような常用の添加剤と組み合わせた、水のような不活性ビヒクル中の溶液または懸濁液の形態である。
【0273】
v)非経腸投与
本発明の化合物はまた、血液中、筋肉内、または内臓内に直接投与され得る。非経腸投与に好適な手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下投与が挙げられる。非経腸投与に好適な装置としては、注射針・注射器(極微針を含む)、無針注射器および注入技術が挙げられる。
【0274】
非経腸製剤は、典型的に、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくは、3ないし9のpH)のような添加剤を含み得る水溶液であるが、ある適用に関して、それらは、より好適には、滅菌発熱性物質除去水のような滅菌ビヒクルと併用して用いられる、滅菌非水性溶液または乾燥形態として剤形化され得る
【0275】
例えば、凍結乾燥による滅菌条件下での非経腸製剤の製造は、当業者に周知の標準的製薬技術を用いて容易に達成され得る。非経腸溶液の製造に用いる本発明の化合物の溶解性は、溶解性増強剤の挿入のような、好適な製剤技術の使用により増大され得る。
【0276】
非経腸投与のための製剤は、即時放出および/または制御放出されるように製剤され得る。制御放出製剤としては、遅延−、持続−、間欠−、制御−、標的化およびプログラムされた放出が挙げられる。故に、本発明の化合物は、有効化合物の制御放出を提供する埋め込みデポー剤として投与するために、固体、半固体、またはチキソトロピー性(thixotropic)の液体といて剤形化され得る。かかる製剤の例としては、薬剤−コーティングすてんとおよびPGLAマイクロスフェアが挙げられる。
【0277】
vi)局所投与
本発明の化合物はまた、皮膚または粘膜へ局所的に、すなわち、皮膚または経皮投与され得る。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散布剤、被覆剤(dressing)、泡状物、フィルム、皮膚パッチ、ウエハー、インプラント、スポンジ、繊維、包帯およびマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームもまた使用可能である。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。浸透促進剤が挿入され得る;例えば、J Pharm Sci, 88 (10), 955−958 by Finnin and Morgan (October 1999)を参照のこと。局所投与の他の手段としては、エレクトロポレーション法、イオン導入法、浸透法、超音波導入法および極微針注射または無針注射による送達が挙げられる。
【0278】
局所投与のための製剤は、即時放出および/または制御放出されるように製剤され得る。制御放出製剤としては、遅延−、持続−、間欠−、制御−、標的化およびプログラムされた放出が挙げられる。
【0279】
vii)直腸/膣内投与
本発明の化合物は、坐剤、ペッサリーまたは浣腸剤の形態で、直腸または膣内に投与され得る。カカオバターは、既存の坐薬ベースであるが、種々の代替物が好適に使用され得る。直腸/膣内投与のための製剤は、即時放出および/または制御放出されるように製剤され得る。制御放出製剤としては、遅延−、持続−、間欠−、制御−、標的化およびプログラムされた放出が挙げられる。
【0280】
viii)点眼投与
本発明の化合物はまた、典型的に、等張性のpH調整した滅菌生理食塩水の微粉化懸濁液または溶液の液滴の形態で、眼または耳に直接投与され得る。点眼および耳への投与に適する他の製剤としては、軟膏、生分解性の(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性の(例えば、シリコン)インプラント、ウェハー、レンズおよび微粒子系または小胞系、例えばNiosome(ニオゾーム)またはリポソームが挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース性ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ゼラチンゴムのようなポリマーは、塩化ベンザルコニウムのような防腐剤と共に挿入され得る。かかる製剤はまた、イオン導入法によって送達され得る。
【0281】
点眼/耳投与のための製剤は、即時放出および/または制御放出されるように製剤され得る。制御放出製剤としては、遅延−、持続−、間欠−、制御−、標的化およびプログラムされた放出が挙げられる。
【0282】
ix)他の技術
本発明の化合物は、それらの溶解性、溶解速度、味の遮蔽、バイオアベイラビリティおよび/または上記の投与方法の何れかにおける使用のための安定性の改善のために、シクロデキストリンおよびその好適な誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーのような可溶性高分子物質と組み合わされ得る。
【0283】
投与する有効化合物の量は、処置される対象、障害または病状の重症度、投与速度、化合物の性質および担当医の判断によって変わる。しかしながら、有効投与量は、典型的に、1日当たり、0.01−3000mg、より好ましくは0.5−1000mgの有効成分または当量のその薬学的に許容される塩の範囲である。1日投与量は、1日1回またはそれ以上の処置、好ましくは1ないし4回の処置により投与され得る。
【0284】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、経口、吸入または局所投与に好適な形態で、特に好ましくは経口または吸入投与に好適な形態で製造される。
【0285】
医薬製剤は、便宜的に単位投与量形態で存在してよく、薬剤分野で周知の何れかの方法により製造され得る。
【0286】
好ましくは、該組成物は、患者が単回用量を投与することができる、例えば錠剤、カプセル剤または一定量エアロゾル用量のような単位投与量形態である。
【0287】
治療効果を達成するのに必要とされる各有効成分の量は、当然のことながら、特定の有効成分、投与経路、処置される対象および処置されている特定の障害もしくは疾患によって異なる。
【0288】
以下の製剤形態を製剤例として挙げる。
製剤例1(経口投与のためのカプセル剤)
それぞれ100mgの3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン(有効成分)を含有する50,000カプセルを以下の製剤方法に従って製造した。
【表2】
【0289】
方法
上記の成分を60メッシュの篩を通し、適当なミキサーにかけ、50,000個のゼラチンカプセルに充填した。
【0290】
製剤例2(経口投与のための錠剤)
それぞれ50mgの3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オン(有効成分)を含有する50,000錠剤を以下の製剤方法に従って製造した。
【表3】
【0291】
方法
全ての粉末を孔径0.6mmの篩に通した後、適当なミキサーで20分間混合し、9mmディスクと平面傾斜パンチ(flat beveled punchs)を用いて300mg錠剤に打錠した。
【0292】
製剤例3(経口用懸濁液)
【表4】
【0293】
製剤例4(経口投与のための硬ゼラチンカプセル)
【表5】
【0294】
製剤例5(吸入のためのゼラチンカートリッジ)
【表6】
【0295】
製剤例6(DPIによる吸入用製剤)
【表7】
【0296】
製剤例7(MDI用製剤)
【表8】
【0297】
製剤例3−7において、有効化合物は、3−(6−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−7−メチルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−3−イル)ピリジン−2(1H)−オンである。
【0298】
本明細書に記載の化合物、組合せ剤または医薬組成物の本質的な面を改変、変更、変化または修飾しない変更は、本発明の範囲内に包含される。