(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
【0014】
図1および
図2は本発明の実施形態1を示したものであり、
図1はレンズ装置の構成を示す一部断面を含む斜視図、
図2はレンズ装置における副案内軸および変位抑制部の近傍の構成を光軸O方向から示す正面図である。
【0015】
図1に示すように、レンズ装置は、レンズLと、レンズ保持枠1と、主案内軸(メインロッド)2と、副案内軸(サブロッド)3と、駆動用カム筒4と、を備えている。ここに、レンズLの光軸はOであり、主案内軸2および副案内軸3は、レンズ保持枠1を光軸O方向に案内するために、光軸Oと平行となるように設けられた棒状の軸部材である。なお、以下では、
図1における矢印Aの方向が示す側を光軸O後方側、その反対方向が示す側を光軸O前方側ということにする。
【0016】
レンズ保持枠1は、レンズLを内嵌して保持するレンズ枠1aを備えている。
【0017】
このレンズ枠1aの外周面から一腕部1bが延出されており、この一腕部1bの先端部には光軸O方向に延出する摺動案内軸受たるスリーブ1cが設けられている。そして、このスリーブ1cの挿通孔1dに主案内軸2が摺動可能に嵌合(ガタつきなく挿通)されている。また、一腕部1bの先端からカムフォロア1eが突設されており、駆動用カム筒4に設けられたカム溝4aに係合している。
【0018】
さらに、他腕部1fが、一腕部1bとで光軸Oを挟むようにレンズ枠1aの外周面から外方に延出されている。この他腕部1fの先端部には嵌合長孔1gが穿設され、この嵌合長孔1gに副案内軸3が挿通される。ここに、嵌合長孔1gは、主案内軸2を中心軸とした回転方向(
図2の上下方向)には副案内軸3との隙間がほぼ0、主案内軸2を中心軸とした副案内軸3へ向かう径方向には適宜の幅δの隙間が生じるように構成された長孔である。このような構成により、カムフォロア1eと係合するカム溝4aが設けられた駆動用カム筒4がレンズ保持枠1を光軸O方向に進退させるために、光軸O周りに回転しても、レンズ保持枠1が主案内軸2を中心軸として回転するのを規制することができる。従って、副案内軸3は、主案内軸2と平行に設けられ、レンズ保持枠1の嵌合部である嵌合長孔1gと当接(嵌合)して、主案内軸2周りにレンズ保持枠1が揺動(回転)するのを規制する揺動規制軸である。さらに、嵌合長孔1gは、副案内軸3とは
図2の上下端のみで接触し、その他の部分では隙間(
図2の中央水平部分では上述したように幅δの隙間)があって接触していないために、接触摩擦を軽減することができ、光軸O方向へのレンズ保持枠1の進退を妨げることがない。
【0019】
他腕部1fの先端には、主案内軸2を中心軸とした副案内軸3へ向かう径方向の外径側において副案内軸3に沿うように光軸Oの方向に延びた変位抑制部1hが設けられている。ここに、変位抑制部1hは、
図1に示す例においては、他腕部1fの先端から光軸Oに沿った後方側および前方側に延びて設けられている。また、この変位抑制部1hには、副案内軸3に対向する側に断面コの字状の溝1kが設けられている。そして、レンズ装置に何らの力が加わっていない自然状態のときには、この溝1kの底面と副案内軸3との間には、上述した嵌合長孔1gと副案内軸3との隙間とほぼ同様の例えば幅δの隙間が生じるように構成されている(
図2参照)。従って、変位抑制部1hは、光軸O方向へのレンズ保持枠1の進退を妨げることがない。
【0020】
この変位抑制部1hは、レンズ装置が例えば落下して床面に衝突する等によってレンズ保持枠1に光軸O方向の力(例えば、落下運動していたレンズ保持枠1およびレンズLの慣性力)が加わったときに、他腕部1fが光軸O方向へ変位するのを抑制するものとなっている。すなわち、レンズ保持枠1に光軸O方向の力が加わると、主案内軸2との嵌合部位である一腕部1bのスリーブ1c付近を固定端として、レンズ枠1aおよび他腕部1fが光軸O方向へ変位しようとする。そこで、この他腕部1fの光軸O方向への変位を副案内軸3との係合によって抑制するのが変位抑制部1hである。
図1に示した例においては、他腕部1fが光軸Oの後方側へ変位しようとするのを抑制するのが他腕部1fの先端から矢印A方向へ延びた変位抑制部1hの部分、他腕部1fが光軸Oの前方側へ変位しようとするのを抑制するのが他腕部1fの先端から矢印Aの反対方向へ延びた変位抑制部1hの部分となっている。
【0021】
なお、自然状態のときに溝1kの底面と副案内軸3との間に幅δの隙間が生じるようにしているために、他腕部1fの光軸O方向への変位を防止することができるのは他腕部1fが光軸O方向へ幾らか変位した後となる。このような理由からここでは「変位抑制部」と呼んでいるが、この隙間をほぼ0にすれば、レンズ枠1aが主案内軸2の軸中心と副案内軸3の軸中心とを含む平面方向(平面内)に変位するのを直ちに規制することができるために、「変位規制部」と呼んでも構わない。
【0022】
また、変位抑制部1hの溝1kが副案内軸3に接触し始めるまでの他腕部1fの光軸O方向への変位量は、変位抑制部1hが設けられていない場合に嵌合長孔1gが副案内軸3に接触し始めるまでの他腕部1fの光軸O方向への変位量よりも小さく、かつ、変位抑制部1hの長さが長い程、より小さくなる(同様に、幅δが小さければより小さくなる)。従って、レンズ保持枠1等に破損や変形が生じないような他腕部1fの変位量に収まるように、幅δの大きさや、変位抑制部1hの光軸O方向の長さを設計すると良い。
【0023】
そして、他腕部1fの光軸O方向への揺動は、前方向と後方向との一方ではなく両方を抑制することが望ましいために、変位抑制部1hを、嵌合長孔1gを挟んだ光軸Oの前方側および後方側の両方に延びるように設けると良い。
【0024】
なお、
図1に示した例においては、変位抑制部1hを、主案内軸2を中心軸とした副案内軸3へ向かう径方向の外径側に設けたが、これに代えて、またはこれに加えて、径方向の内径側において副案内軸3に沿うように光軸Oの方向に延びて設けても構わない。あるいは、変位抑制部1hを、上述した嵌合長孔1gと連通する挿通孔であって、該嵌合長孔1gと同様の長孔形状の挿通孔を備えるスリーブ状となるように設けても構わない。このとき、他腕部1fの光軸Oの前方向および後方向への揺動の抑制は、嵌合長孔1gからの、上述した径方向の外径側における光軸Oの前後方向へ延びた形状、該径方向の内径側における光軸Oの前後方向へ延びた形状、該径方向の外径側および内径側における光軸Oの前方向または後方向の何れか一方へ延びた形状、があれば達成することができる。
【0025】
このような実施形態1によれば、レンズ装置の落下等によりレンズ保持枠1に光軸O方向の力が加わると、主案内軸2と一腕部1bのスリーブ1cとの嵌合部を固定端とした片持ち梁として、レンズ枠1a、他腕部1f及び変位抑制部1hが光軸前方に変位することになる。そうすると、固定端近傍の一腕部1bには曲げモーメントが発生し、応力が生じ、変位抑制部1hが無ければ割れ発生の可能性が起こる。しかし、このとき変位抑制部1hの断面コの字状の溝1kの内面で変位抑制部1hの先端が副案内軸3の外周面に当接し、変位抑制部1hが撓むことになる。この当接や撓みが落下による衝撃エネルギーを外部に放出したり撓みによる歪みエネルギーとなったりして破損のためのエネルギーへの遷移を防止することになる。
また、変位抑制部1hがあることによって、レンズ装置の落下等による固定端近傍の一腕部1bの破損可能性だけでなく、副案内軸3と嵌合している嵌合長孔1gの破損可能性も同時に、かつ同様に防いでいる。
【0026】
このような実施形態1によれば、レンズ装置の落下等によりレンズ保持枠1に光軸O方向の力が加わったときでも、他腕部1fが光軸O方向へ変位するのを抑制することができ、ひいてはレンズ枠1aが光軸O方向へ変位するのを抑制することができる。その結果、一腕部1bと主案内軸2との嵌合部位であるスリーブ1c付近に過剰な力が加わるのを防止することができ、レンズ保持枠1の耐衝撃性能を向上して、破損や変形を防ぐことができる。
【0027】
しかも、他腕部1fの先端部に副案内軸3に沿って延びる変位抑制部1hを設けるという簡単な構成であるために、構成をさほど複雑にすることもなく、重量の増加も微小な程度に止めることができる。
【0028】
また、溝1kを断面コの字状とした場合や、変位抑制部1hをスリーブ状となるように設けた場合などには、一腕部1bと他腕部1fとを結ぶ軸周り(光軸Oに垂直な軸周り)にレンズ保持枠1が捩れるのを防止することも可能となる。
[実施形態2]
【0029】
図3および
図4は本発明の実施形態2を示したものであり、
図3はレンズ装置の構成を光軸O方向に分解して示す斜視図、
図4はレンズ装置における副案内軸および変位抑制部の近傍の構成を光軸O方向から示す正面図である。
【0030】
この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0031】
図3に示すように、レンズ装置のレンズは、第1群レンズL1と、第2群レンズL2と、を含む複数のレンズにより構成されている。そして、レンズ装置は、退避レンズ枠11と、退避用揺動軸12と、副案内軸13と、移動枠14と、案内軸15と、駆動スクリュー軸16と、付勢部材17と、モータ18と、第1ギアボックス19と、第2ギアボックス20と、固定板21と、を備えている。
【0032】
固定板21には、退避用揺動軸12と副案内軸13と案内軸15とが、該固定板21の主面に垂直となるように固定されている。さらに、固定板21には、回転中心軸が該固定板21の主面に垂直となるように、かつ回動可能となるように、駆動スクリュー軸16が取り付けられている。従って、退避用揺動軸12と副案内軸13と案内軸15と駆動スクリュー軸16とは、軸方向が平行であって、かつ後述するように、第1群レンズL1の光軸O(この光軸Oは、後述する使用状態における第2群レンズL2の光軸でもある)と平行となるように構成されている。なお、以下では、
図3における矢印Bの方向が示す側を光軸O後方側、その反対方向が示す側を光軸O前方側ということにする。
【0033】
退避レンズ枠11は、レンズ保持枠であって、第2のレンズである第2群レンズL2を内嵌して保持するレンズ枠11aを備えている。
【0034】
このレンズ枠11aの外周面から一腕部11bが延出されており、この一腕部11bの先端部には略円筒形状をなすカム筒11cが設けられている。このカム筒11cの周面には、後述するカムフォロア14eの当接を光軸O前方側から受けるための螺旋状の退避カム11eが形成されている。また、このカム筒11cの軸中心には挿通孔11dが穿設されていて、挿通孔11dに軸部材である退避用揺動軸12が挿通される。この退避用揺動軸12は、退避レンズ枠11が第1群レンズL1の光軸O内および光軸O外に揺動可能となるように該退避レンズ枠11を軸支するものである。
【0035】
さらに、他腕部11fが、レンズ枠11aの外周面から、一腕部11bとで光軸Oを挟むように外方に延出されている。この他腕部11fには引張ばね等で構成される付勢部材17の一端側が取り付けられている。この付勢部材17の他端側は、固定板21に固設されたばね掛け21aに取り付けられている。従って、退避レンズ枠11は、退避用揺動軸12を中心として
図3の時計回り方向に付勢されている。そして、退避レンズ枠11は、退避カム11eによる退避が行われていないときには、上述した時計回り方向の回転が、他腕部11fと副案内軸13との当接により係止されている。こうして、副案内軸13は、退避用揺動軸12と平行に設けられ、退避レンズ枠11の嵌合部である他腕部11fと当接して、退避用揺動軸12周りに退避レンズ枠11が揺動するのを規制する揺動規制軸である。
【0036】
他腕部11fの先端には、退避用揺動軸12を中心軸とした副案内軸13へ向かう径方向の外径側において副案内軸13に沿うように光軸Oの方向に延びた長板状をなす変位抑制部11hが設けられている。ここに、変位抑制部11hは、
図3に示す例においては、他腕部11fの先端から光軸Oに沿った前方側(矢印Bの反対方向)に延びて設けられている。
【0037】
この変位抑制部11hの副案内軸13に対向する側の面11kは、レンズ装置に何らの力が加わっていない自然状態のときには、副案内軸13との間に、例えば幅Δαの隙間が生じるように構成されている(
図4参照)。従って、変位抑制部11hは、自然状態のときには、副案内軸13とは直接接触していない。
【0038】
そして、変位抑制部11hは、レンズ装置が後述するように使用状態から収納状態へ移行する際に、退避レンズ枠11の退避動作を妨げることのない形状となっている。すなわち、変位抑制部11hは、該変位抑制部11hの先端部11gがカムフォロア14eと退避カム11eとの当接を妨げることがない光軸O方向の長さとなっている。さらに、変位抑制部11hは、
図4に示すように、退避用揺動軸12を中心軸として回動しても、副案内軸13と抵触することがないような板面の角度に設定されている。
【0039】
この変位抑制部11hも、上述した実施形態1の変位抑制部1hと同様に、レンズ装置が例えば落下して床面に衝突する等によって退避レンズ枠11に光軸O方向の力(例えば、落下運動していた退避レンズ枠11および第2群レンズL2の慣性力)が加わったときに、他腕部11fが光軸O方向へ変位するのを抑制するものとなっている。ここに、
図3に示した例においては、変位抑制部11hは、他腕部11fが光軸Oの前方側へ変位しようとするのを抑制するものとなっている。一方、他腕部11fが光軸Oの後方側へ変位しようとするのは、
図3の構成においては、固定板21により抑制することが可能となっている。
【0040】
また、移動枠14は、第1のレンズである第1群レンズL1を内嵌して保持するレンズ枠14aを備えている。
【0041】
このレンズ枠14aの外周面から突設された側板部14bには、移動枠14を光軸O方向へ案内する案内軸15を挿通するための挿通孔14cと、駆動スクリュー軸16と螺合して挿通するための駆動スクリュー軸螺合孔14dとが設けられていて、これら挿通孔14cおよび駆動スクリュー軸螺合孔14dは、各孔の中心軸が第1群レンズL1の光軸Oと平行となるように形成されている。さらに、側板部14bの下端面からは、上述した退避カム11eに係合するためのカムフォロア14eが突設されている。
【0042】
また、腕部14fが、レンズ枠14aの外周面から、側板部14bとで光軸Oを挟むように延出されている。この腕部14fの先端部には、嵌合長孔14gが、孔の中心軸が第1群レンズL1の光軸Oと平行となるように穿設されていて、この嵌合長孔14gに副案内軸13が挿通される。この副案内軸13は、上述した案内軸15と共に移動枠14を光軸O方向に案内するものである。移動枠14は、駆動スクリュー軸16の回動によって光軸O方向へ進退されるために、案内軸15周りの回動力を幾らか受ける可能性がある。従って、この嵌合長孔14gは、上述した実施形態1の嵌合長孔1gと同様に、揺動規制軸である副案内軸13との当接により、移動枠14の光軸O方向への移動を妨げることなく、案内軸15を中心軸とした移動枠14の回転を規制するものである。
【0043】
固定板21の光軸O前方側の主面(以下、固定板21の前面という)には、正負の両方向に回動可能な駆動源であるモータ18が配設されている。このモータ18の駆動力は、同様に固定板21の前面に配設された第1ギアボックス19へ伝達される。この第1ギアボックス19の駆動力は、固定板21の光軸O後方側の主面(以下、固定板21の後面という)に配設された第2ギアボックス20へさらに伝達される。この第2ギアボックス20の出力端には上述した駆動スクリュー軸16が取り付けられており、固定板21を貫通して前面側へ突出している。
【0044】
このような構成により、モータ18の駆動軸が回動すると、その駆動力が第1ギアボックス19および第2ギアボックス20により減速して伝達され、駆動スクリュー軸16が回動する。そして、モータ18の一方向への回動により移動枠14が光軸Oに沿って前方側へ進行し、モータ18の他方向への回動により移動枠14が光軸Oに沿って後方側へ後退する。
【0045】
レンズ装置が光学系として機能している使用状態のときには、移動枠14のカムフォロア14eは退避カム11eとは当接していない。一方、レンズ装置が収納状態となるときには、移動枠14が光軸O後方側へ後退することにより、カムフォロア14eと退避カム11eとの当接が開始される。すると、カムフォロア14eから光軸O後方側への押圧力を受けた退避カム11eは、受けた押圧力を、カム筒11cを退避用揺動軸12周りに
図3の反時計方向へ回動させる力へ変換する。この回動力により、退避レンズ枠11は、付勢部材17の付勢力に抗して退避用揺動軸12周りに回動し、第1群レンズL1の光軸外に退避する。その後、退避レンズ枠11の退避が完了した段階では、移動枠14が固定板21に近接した位置まで退避することができ、レンズ装置の光軸O方向長さを短縮した状態で収納することが可能となる。また、収納状態から使用状態へ移行は、この逆の手順で行われる。
【0046】
なお、上述では退避用揺動軸12や副案内軸13などが取り付けられている部材を固定板21としたが、固定であるに限るものではなく、光軸O方向、あるいはそれ以外の方向に移動可能な移動板であっても構わない。
【0047】
このような実施形態2によれば、実施形態1で説明した理屈により同様に、レンズ装置の落下等により退避レンズ枠11に光軸O方向の力が加わったときでも、他腕部11fが光軸O方向へ変位するのを抑制することができ、ひいてはレンズ枠11aが光軸O方向へ変位するのを抑制することができる。その結果、一腕部11bと退避用揺動軸12との嵌合部位であるカム筒11c付近に過剰な力が加わるのを防止することができ、退避レンズ枠11の耐衝撃性能を向上して、破損や変形を防ぐことができる。
【0048】
しかも、他腕部11fの先端部に副案内軸13に沿って延びる変位抑制部11hを設けるという簡単な構成であるために、構成をさほど複雑にすることもなく、重量の増加も微小な程度に止めることができる。
【0049】
なお、移動枠14についても上述した実施形態1のレンズ保持枠1に準じた構成を採用して、耐衝撃性を向上するようにしても構わないことは言うまでもない。
【0050】
また、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0051】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
【0052】
(1) レンズを有するレンズ装置において、
上記レンズの光軸と平行に設けられた棒状の案内軸(軸部材)と、
上記案内軸と平行に設けられた棒状の副案内軸(揺動規制軸)と、
上記案内軸と嵌合し、上記案内軸を挿通させて上記案内軸と摺動する摺動案内軸受と、レンズを保持するレンズ枠と、上記レンズ枠が上記案内軸周りに回転するのを規制するために上記副案内軸と嵌合する嵌合部と、該嵌合部から上記副案内軸の軸方向に延びて、上記レンズ枠が、上記案内軸の軸中心と上記副案内軸の軸中心とを含む平面方向(平面内)に変位するのを規制(抑制)する変位規制(抑制)部と、を有し、上記光軸方向に移動するレンズ保持枠と、
を具備したことを特徴とするレンズ装置。