(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入力される動画像の各動画像フレームにそれぞれ対応する、不要な動画像フレームであるか否かを判定するために用いられる要不要判定データを生成する要不要判定データ生成手段と、
前記入力される動画像を符号化するとともに、符号化後の動画像の各動画像フレームをそれぞれ複数のデータに分割しつつ、それらデータにそれぞれ識別情報を付与して記録手段に記録する画像符号化手段と、
前記要不要判定データに基づいて、前記要不要判定データに対応する動画像フレームが不要な動画像フレームであるか否かを判定する要不要判定手段と、
前記記録手段に記録される識別情報と、その識別情報に対応する前記記録手段の記録位置におけるデータの状態を示す情報とが対応付けられた前記記録手段内のテーブルにおいて、前記要不要判定手段により不要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する前記記録手段の記録位置におけるデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換える動画像ファイル管理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態の画像処理装置を示す図である。
【0012】
図1の画像処理装置100は、要不要判定データ生成部103と、画像符号化部104と、メタデータ生成部105と、記録部106と、要不要判定部107と、動画像ファイル管理部108と、制御処理部109とを備える。なお、制御処理部109は、画像処理装置100内の各部の動作を制御するものとする。
【0013】
要不要判定データ生成部103は、外部(例えば、撮像装置や外部記録部など)から画像処理装置100に入力される動画像ファイルの各動画像フレームにそれぞれ対応する、不要な動画像フレームであるか否かを判定するために用いられる要不要判定データを生成する。
【0014】
画像符号化部104は、外部から画像処理装置100に入力される動画像を符号化するとともに、符号化後の動画像の各動画像フレームをそれぞれ複数のデータに分割しつつ、それらデータにそれぞれ識別情報を付与して記録部106に記録する。例えば、画像符号化部104は、
図2に示すように、入力される動画像に対してMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)形式の符号化を行うとともに、符号化後の動画像の各動画像フレームをそれぞれ複数のTS(Transport Stream)パケットに分割しつつ、それらTSパケットにそれぞれ「識別情報PID(Packet IDentification)」(K、K+1、・・・)を付与して記録部106に記録する。
【0015】
また、
図1に示す記録部106は、画像処理装置100に内蔵の記録部(例えば、ハードディスク、RAM(Random Access Memory))でも画像処理装置100に着脱可能な外部記録部(例えば、CD−R(Rewritable Compact Disc)、DVD−R(Rewritble Digital Versatile Disc)等の媒体、メモリカード、又はUSBメモリなど)でもよく、例えば、不揮発性メモリ、又はフラッシュメモリなどにより構成される。
【0016】
また、記録部106は、画像符号化部104において各データにそれぞれ付与された識別情報と、記録部106内の記録位置を示す情報との対応関係を示す識別情報/記録位置テーブルを備える。例えば、記録部106は、
図3Aに示すように、識別情報PIDと、記録部106内のクラスタの位置を示すクラスタ番号との対応関係を示す識別情報/記録位置テーブルとしてのディレクトリを備える。
【0017】
また、記録部106は、記録部106内の記録位置を示す情報と、各記録位置におけるデータの状態を示す情報(例えば、他の記録位置にデータが続く際のその記録位置を示す情報、データがこの記録位置で終わることを示す情報、又はこの記録位置にデータが無いことを示す情報)との対応関係を示す記録位置/データ状態情報テーブルを備える。例えば、記録部106は、
図3Bに示すように、記録部106内のクラスタの位置を示すクラスタ番号と、各クラスタ番号におけるデータの状態を示す情報(例えば、他のクラスタにデータが続く際のそのクラスタの位置を示すクラスタ番号、データがこのクラスタで終わることを示す情報:「FFFF」、又はこのクラスタにデータが無いことを示す情報:「0000」)との対応関係を示す記録位置/データ状態情報テーブルとしてのFAT(File Allocation Table)を備える。
【0018】
メタデータ生成部105は、符号化後の動画像フレームの分割後の各データにそれぞれ付与された識別情報のうちの1つの識別情報と、その動画像フレームに対応する要不要判定データとを統合してメタデータを生成する。例えば、メタデータ生成部105は、
図2に示すように、符号化後の動画像フレームf1の分割後の各TSパケットのうちの先頭のTSパケットの識別情報PID=Kと、動画像フレームf1に対応する要不要判定データとを統合して動画像フレームf1に対応するメタデータを生成する。また、メタデータ生成部105は、符号化後の動画像フレームf2の分割後の各TSパケットのうちの先頭のTSパケットの識別情報PID=K+n+1と、動画像フレームf2に対応する要不要判定データとを統合して動画像フレームf2に対応するメタデータを生成する。なお、要不要判定データと統合される識別情報PIDは、符号化後の動画像フレームの分割後の各TSパケットのうちの先頭のTSパケットの識別情報PIDに限定されない。
【0019】
要不要判定部107は、メタデータにおける要不要判定データに基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが不要な動画像フレームであるか否かを判定する。
【0020】
動画像ファイル管理部108は、記録部106内の識別情報/記録位置テーブルを用いて、要不要判定部107により不要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する記録部106内の記録位置を特定する。また、動画像ファイル管理部108は、記録部106内の記録位置/データ状態情報テーブルを用いて、特定した記録位置に対応するデータの状態を示す情報を特定し、その特定したデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換える。
【0021】
例えば、
図2に示す動画像フレームf2が不要と判定された場合、動画像ファイル管理部108は、
図3Aに示すディレクトリを用いて、動画像フレームf2の識別情報PID=K+n+1に対応する記録部106内のクラスタの位置を示すクラスタ番号として「0003」を特定する。次に、動画像ファイル管理部108は、
図3Bに示すFATを用いて、特定したクラスタ番号「0003」におけるデータの状態を示す情報「0004」を「0000」に書き換えるとともに、さらに他のクラスタにも動画像フレームf2が記録される際のそのクラスタの位置を示すクラスタ番号「0004」におけるデータの状態を示す情報「FFFF」を「0000」に書き換える。
【0022】
なお、記録部106は、記録部106に記録される全ての識別情報と、それら識別情報にそれぞれ対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報とが対応付けられたテーブルを備えていてもよい。また、この場合、動画像ファイル管理部108は、このテーブルを用いて、要不要判定部107により不要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換えるように構成してもよい。
【0023】
本発明の実施形態の画像処理装置100は、編集作業や再生作業の前段階において、動画像の各動画像フレームのうち、不要な動画像フレームと判定された動画像フレームに対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換える構成であるため、その動画像の編集時や再生時において、動画像を記録部106から読み出す際、不要な動画像フレーム以外が読み出される。このように、編集作業や再生作業の前段階において不要な動画像フレームを動画像ファイルから実質的に削除しておくことができるため、編集作業時や再生作業時において、動画像ファイルを編集用プログラムや再生用プログラムにロードする時間を短縮することができ、編集作業や再生作業の効率低下を抑えることができる。
【0024】
また、本発明の実施形態の画像処理装置100は、記録部106から不要な動画像フレーム以外を読み出すために、記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報を書き換えるだけであるため、データ処理量を少なくすることができ、画像処理装置100にかかる負荷を抑えることができる。
【0025】
また、本発明の実施形態の画像処理装置100は、不要な動画像フレームに対応する記録部106内の記録位置を特定するために、符号化後の動画像フレームの分割後の各データに付与される識別情報を使用しているため、データ処理量を少なくすることができ、画像処理装置100にかかる負荷を抑えることができる。
【0026】
なお、要不要判定部107は、連続する複数の不要な動画像フレームのうち、先頭の動画像フレームであることを示す先頭情報Kiと、末尾の動画像フレームであることを示す末尾情報Kjとを動画像ファイル管理部108に送るように構成してもよい。すなわち、識別情報PID上に不要判定された動画像の先頭である事を示すフラグと、末尾で有ることを示すフラグを記述する様にしても良い。この場合、動画像ファイル管理部108は、先頭情報Ki及び末尾情報Kjにそれぞれ対応する、記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換えるとともに、先頭情報Ki及び末尾情報Kjにそれぞれ対応する各動画像フレームの間の動画像フレームに対応する、記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換える。また、動画像ファイル管理部108は、不要な動画像フレームの先頭であることを示すフラグおよび不要な動画像フレームの末尾で有ることを示すフラグの双方が揃ったときに、不要な動画像フレームの先頭と不要な動画像フレームの末尾との間にある動画像フレームの識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換えるようにしても良い。
また、上記記録部106のデータの書き換えのタイミングに関しては不要判定の先頭である事を示すフラグと、末尾で有ることを示すフラグの対が受信されたところでデータの書き換えを行うようにしても良い。
【0027】
また、画像符号化部104において、入力される動画像に対して、MPEG形式の符号化が行われる場合、例えば、
図4に示すように、SH(Sequence Header)及びGOP(Group Of Picture)の圧縮単位(例えば、Iフレーム(Intra Picture)、B1フレーム〜B3フレーム(Bidirectionally Predictive Picture)、Pフレーム(Predictive Picture))で符号化が行われる。このような場合、動画像ファイル管理部108は、先頭の不要動画像フレームが含まれるGOPから末尾の不要動画像フレームが含まれるGOPまでの範囲に対応する、記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報を全てデータが無い旨の情報に書き換える。
図4の例では、先頭の不要動画像フレームB1が含まれるGOPに対応するクラスタ番号「0002」から末尾の不要動画像フレームB2’が含まれるGOPに対応するクラスタ番号「0014」までの範囲に対応する、記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報を全て「0000」に書き換える。
【0028】
また、記録部106は、FATと同じ内容の復帰用テーブルを備えていてもよい。この場合、動画像ファイル管理部108は、その復帰用テーブルを用いて、復帰対象であるデータの識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報を、元の情報に戻すことができる。これにより、不要な動画像フレームであると判定されて、その動画像フレームの識別情報に対応する記録部106内の記録位置におけるデータの状態を示す情報が、データが無い旨の情報に書き換えられた後でも、その動画像フレームを読み出し可能な状態に戻すことができる。
【0029】
図5Aは、
図1に示す画像処理装置100の実施例1である撮像装置500を示す図である。なお、
図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0030】
図5Aに示す撮像装置500は、撮像部101と、画像処理部102と、要不要判定データ生成部103と、画像符号化部104と、メタデータ生成部105と、記録部106と、要不要判定部107と、動画像ファイル管理部108と、制御処理部109とを備える。
【0031】
撮像部101は、例えば、レンズによってCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子に結像される被写体像をその撮像素子において電気信号に変換し静止画像フレーム又は複数の動画像フレームからなる動画像を得る。
【0032】
画像処理部102は、撮像部101により得られる静止画像又は動画像の各動画像フレームに対して、シャープネス補正、コントラスト補正、輝度・色差信号生成、及びホワイトバランス補正などの各種画像処理を行う。
【0033】
画像符号化部104は、画像処理後の静止画像フレームに対してJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などの符号化を行う。また、画像符号化部104は、画像処理後の動画像に対してMPEG形式などの符号化を行う。
【0034】
図5Aに示す撮像装置500の特徴とする点は、要不要判定データ生成部103として被写体検出処理部501を備え、その被写体検出処理部501により、画像処理後の動画像の各動画像フレームにおいて、それぞれ、要不要判定データとしての「被写体の位置」及び「被写体のサイズ」が検出され、メタデータ生成部105において、検出された「被写体の位置」及び「被写体のサイズ」と、識別情報PIDとが統合されてメタデータとして要不要判定部107へ出力される点である。
【0035】
図6は、
図5Aに示す撮像装置500における要不要判定部107の動作の一例を示すフローチャートである。
【0036】
まず、要不要判定部107は、撮像部101により動画像フレームが取得され始めて、メタデータ生成部105からメタデータが出力され始めると、そのメタデータに示される「被写体の位置」及び「被写体のサイズ」を入力する(S11)。なお、被写体検出処理部501は、画像処理後の動画像フレーム内において被写体を検出した後、その検出した被写体を囲む矩形範囲を被写体エリアとし、その被写体エリアの左上の画素位置(x0,y0)を「被写体の位置」とする。また、被写体検出処理部501は、「被写体のサイズ」として被写体エリアの横方向の画素数をWとするとともに被写体エリアの縦方向の画素数をHとする。また、被写体検出処理部501は、動画像フレームから被写体が検出されない場合、x0を0よりも小さい値にする。また、動画像フレームの左上の画素位置を(1,1)とする。
【0037】
次に、要不要判定部107は、x0が0よりも小さいか否か、すなわち、被写体が検出されていないか否かを判断する(S12)。
【0038】
被写体が検出されていると判断した場合(S12がNo)、要不要判定部107は、Wが閾値Thr_Wよりも小さいか否か又はHが閾値Thr_Hよりも小さいか否か、すなわち、被写体が所定サイズよりも小さいか否かを判断する(S13)。なお、閾値Thr_Wや閾値Thr_Hは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0039】
被写体が所定サイズよりも大きいと判断した場合(S13がNo)、要不要判定部107は、x0+W/2が閾値Thr_L_xよりも小さいか否か、すなわち、被写体エリアが動画像フレームの左端より外側に外れているか否かを判断する(S14)。なお、閾値Thr_L_xは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0040】
被写体エリアが動画像フレームの左端より外側に外れていないと判断した場合(S14がNo)、要不要判定部107は、x0+W/2が閾値Thr_R_xよりも大きいか否か、すなわち、被写体エリアの右端が動画像フレームの右端より外側に外れているか否かを判断する(S15)。なお、閾値Thr_R_xは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0041】
被写体エリアの右端が動画像フレームの右端より外側に外れていないと判断した場合(S15がNo)、要不要判定部107は、y0+H/2が閾値Thr_U_yよりも大きいか否か、すなわち、被写体エリアの上端が動画像フレームの上端より外側に外れているか否かを判断する(S16)。なお、閾値Thr_U_yは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0042】
被写体エリアの上端が動画像フレームの上端より外側に外れていないと判断した場合(S16がNo)、要不要判定部107は、y0+H/2が閾値Thr_D_yよりも小さいか否か、すなわち、被写体エリアの下端が動画像フレームの下端より外側に外れているか否かを判断する(S17)。なお、閾値Thr_U_yは、ユーザなどにより予め設定されていてもよい。
【0043】
被写体エリアの下端が動画像フレームの下端より外側に外れていないと判断した場合(S17がNo)、要不要判定部107は、その動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレームであると判断して、要不要判定フラグFLG_n=1を設定し(S18)、その要不要判定フラグFLG_n=1を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S19)。
【0044】
次に、要不要判定部107は、今回取得した動画像フレームの要不要判定フラグFLG_nと前回取得した動画像フレームの要不要判定フラグFLG_n−1とを上記記憶部から読み出し(S20)、それら要不要判定フラグFLG_nと要不要判定フラグFLG_n−1との乗算結果がゼロよりも小さいか否か、すなわち、前回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであるか否かを判断する(S21)。
【0045】
前回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであると判断した場合(S21がYes)、要不要判定部107は、不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであることを示す末尾情報Kjと前回取得した動画像フレームに対応する識別情報PIDとを統合して(S22)、動画像ファイル管理部108に出力する(S23)。例えば、
図7に示すように、識別情報PID=7〜12の複数の動画像フレームが取得された場合において、識別情報PID=7に対応する要不要判定フラグFLG_nが「−1」で、かつ、識別情報PID=8に対応する要不要判定フラグFLG_n−1が「1」のとき、要不要判定部107は、末尾情報Kjと識別情報PID=7とを統合して動画像ファイル管理部108に出力する。
【0046】
次に、要不要判定部107は、ユーザから動画撮影終了指示などを受け取り動画撮影が終了したと判断すると(S24がYes)、不要な動画像フレームの判定処理を終了し、まだ動画撮影が終了していないと判断すると(S24がNo)、S11に戻り、次に取得される動画像フレームに対応するメタデータを入力する。
【0047】
一方、前回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームでないと判断した場合、すなわち、今回取得された動画像フレームも編集時や再生時に必要な動画像フレームであり必要な動画像フレームを連続して取得していると判断した場合(S21がNo)、要不要判定部107は、S22及びS23を実行せずに、動画撮影が終了したか否かを判断する(S24)。
【0048】
また、要不要判定部107は、「被写体が検出されていない(S12がYes)」、「被写体が所定サイズよりも小さい(S13がYes)」、「被写体エリアが動画像フレームの左端より外側に外れている(S14がYes)」、「被写体エリアが動画像フレームの右端より外側に外れている(S15がYes)」、「被写体エリアが動画像フレームの上端より外側に外れている(S16がYes)」、及び「被写体エリアが動画像フレームの下端より外側に外れている(S17がYes)」の少なくとも1つを判断すると、その動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームであると判断して、要不要判定フラグFLG_n=−1を設定し(S25)、その要不要判定フラグFLG_n=−1を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S26)。
【0049】
次に、要不要判定部107は、今回取得した動画像フレームの要不要判定フラグFLG_nと前回取得した動画像フレームの要不要判定フラグFLG_n−1とを上記記憶部から読み出し(S27)、それら要不要判定フラグFLG_nと要不要判定フラグFLG_n−1との乗算結果がゼロよりも小さいか否か、すなわち、今回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであるか否かを判断する(S28)。
【0050】
今回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであると判断した場合(S28がYes)、要不要判定部107は、不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであることを示す先頭情報Kiと今回取得した動画像フレームに対応する識別情報PIDとを統合して(S29)、動画像ファイル管理部108に出力し(S30)、動画撮影が終了したか否かを判断する(S24)。例えば、
図7に示すように、識別情報PID=7〜12の複数の動画像フレームが取得された場合において、識別情報PID=12に対応する要不要判定フラグFLG_nが「−1」で、かつ、識別情報PID=11に対応する要不要判定フラグFLG_n−1が「1」のとき、要不要判定部107は、先頭情報Kiと識別情報PID=12とを統合して動画像ファイル管理部108に出力する。
【0051】
一方、今回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームでないと判断した場合、すなわち、前回取得された動画像フレームも編集時や再生時に不要な動画像フレームであり不要な動画像フレームを連続して取得していると判断した場合(S28がNo)、要不要判定部107は、S29及びS30を実行せずに、動画撮影が終了したか否かを判断する(S24)。
【0052】
そして、動画像ファイル管理部108は、要不要判定部107から先頭情報Ki及び末尾情報Kjが出力されると、先頭情報Kiとともに出力された識別情報PIDから先頭情報Kjとともに出力された識別情報PIDまでの間の全ての識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をそれぞれデータが無い旨の情報に書き換える。
【0053】
図5Aに示す撮像装置500は、被写体の位置やサイズに応じて、動画像フレームの要不要が判定されるため、スポーツやレースの観戦時など被写体が激しく動く場合において取得される動画像のデータ量の削減に有効である。
【0054】
なお、
図6に示す要不要判定部107の動作例では、メタデータに記述されている構図指標は被写体の位置やサイズに基づいており、動画像フレームの要不要判定を行う構成であるが、
図8に示すように、同じような構図の動画像フレームを連続して取得されるとき、それらの動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームと判定するように構成してもよい。例えば、要不要判定部107は、
図8に示す識別情報PID=7に対応する動画像フレームの構図と、識別情報PID=8、9に対応する動画像フレームの構図との差異が所定値以下であると判断されるとき、識別情報PID=9に対応する動画像フレームに対して先頭情報Kiを設定する。また、構図の差異が所定値以下のフレームが所定数以上連続する場合に、読出し制御部112は、連続するフレームの後部に相当する識別情報の動画像フレームに対して先頭情報Kiを設定する。
なお、上記フレーム間の差異の測定方法としては、
図8に示した、構図指標すなわち被写体の位置サイズの検出の差異の他に、画像の統計量に基づきフレーム間の差異を求めとも良い。フレーム間のレベル差の差分の合計値が所定値以下の場合、比較するフレームのヒストグラムの変化量の合計値が所定値以下の場合を不要とする等を使っても良い。フレーム間の差分を用いる場合、例えば、
図5Bに示すように、被写体検出処理部501の代わりにフレーム間差分を積分する差分演算部5011を備える。また、ヒストグラムを用いる場合には、例えば、
図5Cに示すように、被写体検出処理部501の代わりにヒストグラムを算出しフレーム間のヒストグラムの差分またはその積分を計算するヒストグラム差分演算部5012を備える。
【0055】
図9は、
図1に示す画像処理装置100の実施例2である撮像装置900を示す図である。なお、
図5に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0056】
図9に示す撮像装置900の特徴とする点は、要不要判定データ生成部103としてフォーカス情報処理部901を備え、そのフォーカス情報処理部901により、画像処理後の動画像の各動画像フレームに対して、それぞれ、要不要判定データとしての「フォーカス情報」が設定され、メタデータ生成部105により、「フォーカス情報」と識別情報PIDとが統合されてメタデータとして要不要判定部107へ出力される点である。
【0057】
図10は、
図9に示す撮像装置900における要不要判定部107の動作の一例を示すフローチャートである。
【0058】
まず、要不要判定部107は、撮像部101により動画像フレームが取得され始めて、メタデータ生成部105からメタデータが出力され始めると、そのメタデータに示される「フォーカス情報」を入力する(S31)。なお、フォーカス情報処理部901は、撮像部101が動画像フレームを取得する度に、その動画像フレームに対応するコントラスト評価値C0を画像処理部102から得るとともに、フォーカスレンズのレンズ位置L0を撮像部101から得てメタデータ生成部105へ出力する。また、コントラスト評価値C0が0よりも小さいとき、フォーカスができていない、すなわち、フォーカスレンズの焦点が合っていないものとする。
【0059】
次に、要不要判定部107は、C0が0以上である、すなわち、フォーカスレンズの焦点が合っていると判断した場合(S32がNo)、今回取得された動画像フレームに対応するレンズ位置L0_nを要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S33)。
【0060】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームに対応するレンズ位置L0_nと前回取得された動画像フレームに対応するレンズ位置L0_n−1とを上記記憶部から読み出し(S34)、それらレンズ位置L0_nとレンズ位置L0_n−1との差分の絶対値が閾値Thr_Lよりも大きいか否か、すなわち、フォーカスが安定していないか否かを判断する(S35)。
【0061】
フォーカスが安定していると判断した場合(S35がNo)、要不要判定部107は、その動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレームであると判断して、要不要判定フラグFLG_n=1を設定し(S36)、その要不要判定フラグFLG_n=1を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S37)。
【0062】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_nと前回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_n−1とを上記記憶部から読み出し(S38)、それら要不要判定フラグFLG_nと要不要判定フラグFLG_n−1との乗算結果がゼロよりも小さいか否か、すなわち、前回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであるか否かを判断する(S39)。
【0063】
前回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであると判断した場合(S39がYes)、要不要判定部107は、不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであることを示す末尾情報Kjと前回取得された動画像フレームに対応する識別情報PIDとを統合して(S40)、動画像ファイル管理部108に出力する(S41)。
【0064】
次に、要不要判定部107は、ユーザからの動画撮影終了指示などを受け取り動画撮影が終了したと判断すると(S42がYes)、不要な動画像フレームの判定処理を終了し、まだ動画撮影が終了していないと判断すると(S42がNo)、S31に戻り、次に取得される動画像フレームに対応するメタデータを入力する。
【0065】
一方、前回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームでないと判断した場合、すなわち、今回取得された動画像フレームも編集時や再生時に必要な動画像フレームであり必要な動画像フレームを連続して取得していると判断した場合(S39がNo)、要不要判定部107は、S40及びS41を実行せずに、動画撮影が終了したか否かを判断する(S42)。
【0066】
また、要不要判定部107は、フォーカスができていないと判断した場合(S32がYes)又はフォーカスが安定していないと判断した場合(S35がYes)、そのときの動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームであると判断して、要不要判定フラグFLG_n=−1を設定し(S43)、その要不要判定フラグFLG_n=−1を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S44)。
【0067】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_nと前回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_n−1とを上記記憶部から読み出し(S45)、それら要不要判定フラグFLG_nと要不要判定フラグFLG_n−1との乗算結果がゼロよりも小さいか否か、すなわち、今回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであるか否かを判断する(S46)。
【0068】
今回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであると判断した場合(S46がYes)、要不要判定部107は、不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであることを示す先頭情報Kiと今回取得した動画像フレームに対応する識別情報PIDとを統合して(S47)、動画像ファイル管理部108に出力し(S48)、動画撮影が終了したか否かを判断する(S42)。
【0069】
一方、今回取得した動画像フレームが編集時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームでないと判断した場合、すなわち、前回取得された動画像フレームも編集時に不要な動画像フレームであり不要な動画像フレームを連続して取得していると判断した場合(S46がNo)、要不要判定部107は、S47及びS48を実行せずに、動画撮影が終了したか否かを判断する(S42)。
【0070】
そして、動画像ファイル管理部108は、要不要判定部107から先頭情報Ki及び末尾情報Kjが出力されると、先頭情報Kiとともに出力された識別情報PIDから先頭情報Kjとともに出力された識別情報PIDまでの間の全ての識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をそれぞれデータが無い旨の情報に書き換える。
【0071】
図9に示す撮像装置900では、フォーカスができていないか否か又はフォーカスが安定していないか否かに応じて、動画像フレームの要不要が判断されるため、例えば、被写体だけでなく撮影者も移動している場合において取得される動画像ファイルのデータ量の削減に有効である。
【0072】
図11は、
図1に示す画像処理装置100の実施例3である撮像装置1100を示す図である。なお、
図5に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0073】
図11に示す撮像装置1100の特徴とする点は、要不要判定データ生成部103としてズーム情報処理部1101を備え、そのズーム情報処理部1101により、画像処理後の動画像の各動画像フレームに対して、それぞれ、要不要判定データとしての「ズーム情報」が設定され、メタデータ生成部105により、「ズーム情報」と識別情報PIDとが統合されてメタデータとして要不要判定部107へ出力される点である。
【0074】
図12は、
図11に示す撮像装置1100における要不要判定部107の動作の一例を示すフローチャートである。
【0075】
まず、要不要判定部107は、撮像部101により動画像フレームが取得され始めて、メタデータ生成部105からメタデータが出力され始めると、そのメタデータに示される「ズーム情報」を入力する(S51)。なお、ズーム情報処理部1101は、撮像部101が動画像フレームを取得する度に、その動画像フレームに対応するズーム情報Z0(例えば、ズームレンズのレンズ位置やレンズ移動量など)を撮像部101から得てメタデータ生成部105へ出力する。
【0076】
次に、要不要判定部107は、入力されるズーム情報Z0を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S52)。
【0077】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームに対応するズーム情報Z0_nと前回取得された動画像フレームに対応するズーム情報Z0_n−1とを上記記憶部から読み出し(S53)、それらズーム情報Z0_nとズーム情報Z0_n−1との差分の絶対値が閾値Thr_Zよりも大きいか否か、すなわち、ズームレンズのレンズ位置が安定していないか否かを判断する(S54)。
【0078】
ズームレンズのレンズ位置が安定していると判断した場合(S54がNo)、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレームであると判断して、要不要判定フラグFLG_n=1を設定し(S55)、その要不要判定フラグFLG_n=1を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S56)。
【0079】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_nと前回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_n−1とを上記記憶部から読み出し(S57)、それら要不要判定フラグFLG_nと要不要判定フラグFLG_n−1との乗算結果がゼロよりも小さいか否か、すなわち、前回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであるか否かを判断する(S58)。
【0080】
前回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであると判断した場合(S58がYes)、要不要判定部107は、不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであることを示す末尾情報Kjと前回取得された動画像フレームに対応する識別情報PIDとを統合して(S59)、動画像ファイル管理部108に出力する(S60)。
【0081】
次に、要不要判定部107は、ユーザからの動画撮影終了指示などを受け取り動画撮影が終了したと判断すると(S61がYes)、不要な動画像フレームの判定処理を終了し、まだ動画撮影が終了していないと判断すると(S61がNo)、S51に戻り、次に取得される動画像フレームに対応するメタデータを入力する。
【0082】
一方、前回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームでないと判断した場合、すなわち、今回取得された動画像フレームも編集時や再生時に必要な動画像フレームであり必要な動画像フレームを連続して取得していると判断した場合(S58がNo)、要不要判定部107は、S59及びS60を実行せずに、動画撮影が終了したか否かを判断する(S61)。
【0083】
また、要不要判定部107は、ズームレンズのレンズ位置が安定していないと判断した場合(S54がYes)、今回取得された動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームであると判断して、要不要判定フラグFLG_n=−1を設定し(S62)、その要不要判定フラグFLG_n=−1を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S63)。
【0084】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_nと前回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_n−1とを上記記憶部から読み出し(S64)、それら要不要判定フラグFLG_nと要不要判定フラグFLG_n−1との乗算結果がゼロよりも小さいか否か、すなわち、今回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであるか否かを判断する(S65)。
【0085】
今回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであると判断した場合(S65がYes)、要不要判定部107は、不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであることを示す先頭情報Kiと今回取得した動画像フレームに対応する識別情報PIDとを統合して(S66)、動画像ファイル管理部108に出力し(S67)、動画撮影が終了したか否かを判断する(S61)。
【0086】
一方、今回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームでないと判断した場合、すなわち、前回取得された動画像フレームも編集時や再生時に不要な動画像フレームであり不要な動画像フレームを連続して取得していると判断した場合(S65がNo)、要不要判定部107は、S66及びS67を実行せずに、動画撮影が終了したか否かを判断する(S61)。
【0087】
そして、動画像ファイル管理部108は、要不要判定部107から先頭情報Ki及び末尾情報Kjが出力されると、先頭情報Kiとともに出力された識別情報PIDから先頭情報Kjとともに出力された識別情報PIDまでの間の全ての識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をそれぞれデータが無い旨の情報に書き換える。
【0088】
図11に示す撮像装置1100では、ズームレンズのレンズ位置が安定していないか否かに応じて、動画像フレームの要不要が判断されるため、例えば、被写体が撮影者に対して前後方向に移動している場合において取得される動画像ファイルのデータ量の削減に有効である。
【0089】
なお、不要な動画像フレームの要不要判定処理に使用される情報は、上述した実施例1〜3のように、被写体の位置やサイズ、フォーカス情報、又はズーム情報に限定されない。例えば、画像処理後の各動画像フレームの輝度階調のヒストグラムを使用してもよい。
【0090】
また、上述した被写体の位置やサイズ、フォーカス情報、ズーム情報、及び輝度階調のヒストグラムのうち、2つ以上の情報を組み合わせて、不要な動画像フレームの要不要判定処理に使用してもよい。
【0091】
図13は、
図1に示す画像処理装置100の実施例4である撮像装置1300を示す図である。なお、
図5に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0092】
図13に示す撮像装置1300の特徴とする点は、要不要判定データ生成部103として無線アンテナ1301及び受信信号強度検出部1302を備え、受信信号強度検出部1302により、画像処理後の動画像の各動画像フレームに対して、それぞれ、要不要判定データとしての受信信号強度情報(RSSI:Received Signal Strength Indication)R0が検出され、メタデータ生成部105により、受信信号強度情報R0と識別情報PIDとが統合されてメタデータとして要不要判定部107へ出力される点である。なお、無線アンテナ1301は、被写体に備えられる送信機から送信される信号や撮像装置1300から送信され被写体に反射した信号を受信するものとする。
【0093】
図14は、
図13に示す撮像装置1300における要不要判定部107の動作の一例を示すフローチャートである。
【0094】
まず、要不要判定部107は、撮像部101により動画像フレームが取得され始めて、メタデータ生成部105からメタデータが出力され始めると、そのメタデータに示される「受信信号強度情報」を入力する(S71)。なお、受信信号強度検出部1302は、撮像部101が動画像フレームを取得する度に、その動画像フレームに対応させて、無線アンテナ1301により受信される受信信号のレベルを受信信号強度情報R0としてメタデータ生成部105へ出力する。
【0095】
次に、要不要判定部107は、入力される受信信号強度情報R0が閾値Thr_Rよりも大きいか否か、すなわち、撮像装置1300に対して被写体が遠い位置にあるか否かを判断する(S72)。
【0096】
被写体が遠い位置にないと判断した場合(S72がNo)、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームを編集時や再生時に必要な動画像フレームであると判断して、要不要判定フラグFLG_n=1を設定し(S73)、その要不要判定フラグFLG_n=1を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S74)。
【0097】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_nと前回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_n−1とを上記記憶部から読み出し(S75)、それら要不要判定フラグFLG_nと要不要判定フラグFLG_n−1との乗算結果がゼロよりも小さいか否か、すなわち、前回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであるか否かを判断する(S76)。
【0098】
前回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであると判断した場合(S76がYes)、要不要判定部107は、不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームであることを示す末尾情報Kjと前回取得された動画像フレームに対応する識別情報PIDとを統合して(S77)、動画像ファイル管理部108に出力する(S78)。例えば、
図15に示すように、識別情報PID=15〜22の複数の動画像フレームが取得された場合において、識別情報PID=22に対応する要不要判定フラグFLG_nが「1」で、かつ、識別情報PID=21に対応する要不要判定フラグFLG_n−1が「−1」のとき、要不要判定部107は、末尾情報Kjと識別情報PID=21とを統合して動画像ファイル管理部108に出力する。
【0099】
次に、要不要判定部107は、ユーザからの動画撮影終了指示などを受け取り動画撮影が終了したと判断すると(S79がYes)、不要な動画像フレームの判定処理を終了し、まだ動画撮影が終了していないと判断すると(S79がNo)、S71に戻り、次に取得される動画像フレームに対応するメタデータを入力する。
【0100】
一方、前回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの末尾の動画像フレームでないと判断した場合、すなわち、今回取得された動画像フレームも編集時や再生時に必要な動画像フレームであり必要な動画像フレームを連続して取得していると判断した場合(S76がNo)、要不要判定部107は、S77及びS78を実行せずに、動画撮影が終了したか否かを判断する(S79)。
【0101】
また、要不要判定部107は、被写体が遠い位置にあると判断した場合(S72がYes)、今回取得された動画像フレームを編集時や再生時に不要な動画像フレームであると判断して、要不要判定フラグFLG_n=−1を設定し(S80)、その要不要判定フラグFLG_n=−1を要不要判定部107の内部又は外部にある記憶部に保持する(S81)。
【0102】
次に、要不要判定部107は、今回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_nと前回取得された動画像フレームの要不要判定フラグFLG_n−1とを上記記憶部から読み出し(S82)、それら要不要判定フラグFLG_nと要不要判定フラグFLG_n−1との乗算結果がゼロよりも小さいか否か、すなわち、今回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであるか否かを判断する(S83)。
【0103】
今回取得された動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであると判断した場合(S84がYes)、要不要判定部107は、不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームであることを示す先頭情報Kiと今回取得した動画像フレームに対応する識別情報PIDとを統合して(S84)、動画像ファイル管理部108に出力し(S85)、動画撮影が終了したか否かを判断する(S79)。例えば、
図15に示すように、識別情報PID=15〜22の複数の動画像フレームが取得された場合において、識別情報PID=16に対応する要不要判定フラグFLG_nが「−1」で、かつ、識別情報PID=15に対応する要不要判定フラグFLG_n−1が「1」のとき、要不要判定部107は、先頭情報Kiと識別情報PID=16とを統合して動画像ファイル管理部108に出力する。
【0104】
一方、今回取得した動画像フレームが編集時や再生時に不要な1以上の動画像フレームのうちの先頭の動画像フレームでないと判断した場合、すなわち、前回取得された動画像フレームも編集時や再生時に不要な動画像フレームであり不要な動画像フレームを続けて取得していると判断した場合(S83がNo)、要不要判定部107は、S84及びS85を実行せずに、動画撮影が終了したか否かを判断する(S79)。
【0105】
そして、動画像ファイル管理部108は、要不要判定部107から先頭情報Ki及び末尾情報Kjが出力されると、先頭情報Kiとともに出力された識別情報PIDから先頭情報Kjとともに出力された識別情報PIDまでの間の全ての識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をそれぞれデータが無い旨の情報に書き換える。
【0106】
図13に示す撮像装置1300では、受信信号強度情報R0に応じて、動画像フレームの要不要が判定されるため、例えば、撮像装置1300に対して被写体が前後に移動している場合において取得される動画像ファイルのデータ量の削減に有効である。
【0107】
なお、上述の撮像装置1300では、要不要判定部107において、受信信号強度情報R0が閾値Thr_Rよりも大きいか否かに基づいて、動画像フレームの要不要判定処理を行う構成であるが、受信信号強度検出部1302において、受信信号強度情報R0が閾値Thr_Rよりも大きいか否かに基づいて、動画像フレームの要不要判定処理を行うように構成してもよい。このように構成する場合、メタデータ生成部105において、不要な動画像フレームであることを示すフラグと、その動画像フレームに対応する識別情報とが統合されてメタデータが生成される。また、動画像ファイル管理部108は、そのメタデータにおける識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をそれぞれデータが無い旨の情報に書き換える。また、要不要判定部107を省略することができる。
【0108】
図16は、
図1に示す画像処理装置100の実施例5である撮像装置1600を示す図である。なお、
図5に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0109】
図16に示す撮像装置1600の特徴とする点は、要不要判定データ生成部103の代わりに、縮小画像生成部1601を備え、その縮小画像生成部1601により、画像処理後の動画像の各動画像フレームがそれぞれ縮小され、それら縮小画像と識別情報PIDとが統合されてメタデータとして要不要判定データ生成部103へ出力される点である。
【0110】
図16に示す要不要判定データ生成部103は、入力されるメタデータにおける縮小画像に基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが不要な動画像フレームであるか否かを判定するために用いられる要不要判定データを生成する。
図16に示す要不要判定データ生成部103で生成される要不要判定データとしては、例えば、上述した被写体の位置やサイズ又は輝度階調のヒストグラムなどとする。
【0111】
なお、
図16に示す要不要判定部107や動画像ファイル管理部108の動作は、上述した実施例1〜4における要不要判定部107や動画像ファイル管理部108の動作と同様とする。また、
図16に示す要不要判定データ生成部103は、要不要判定部107の内部に設けられてもよい。
【0112】
このように、
図16に示す撮像装置1600は、要不要判定データを生成する際、縮小画像を用いるため、要不要判定データを生成する際に撮像装置1600にかかる負荷を抑えることができる。
【0113】
図17は、本発明の実施形態の画像処理システムを示す図である。なお、
図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0114】
図17に示す画像処理システムは、画像処理装置100と、サーバ1700とを有し、画像処理装置100とサーバ1700とが互いにネットワーク1701を介してデータを送受信する。
【0115】
図17に示す画像処理装置100において、
図1に示す画像処理装置100と異なる点は、不要な動画像フレームの判定処理を画像処理装置100の外部のサーバ1700で行わせている点である。
【0116】
すなわち、
図17に示す画像処理装置100の送信部1702は、メタデータ生成部105で生成されるメタデータをサーバ1700へ送信する。
【0117】
また、
図17に示すサーバ1700の要不要判定部1703は、受信部1704で受信されるメタデータにおける要不要判定データに基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが不要な動画像フレームであるか否かを判定し、その判定結果を送信部1705により画像処理装置100へ送信する。
【0118】
そして、
図17に示す画像処理装置100の動画像ファイル管理部108は、記録部106内の識別情報/記録位置テーブルを用いて、受信部1706で受信される判定結果により、不要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する記録部106内の記録位置を特定する。また、動画像ファイル管理部108は、記録部106内の記録位置/データ状態情報テーブルを用いて、特定した記録位置に対応するデータの状態を示す情報を特定し、その特定したデータの状態を示す情報を、データが無い旨の情報に書き換える。
【0119】
なお、
図17に示す記録部106は、記録部106に記録される全ての識別情報と、それら識別情報にそれぞれ対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報とが対応付けられたテーブルを備えていてもよい。また、この場合、
図17に示す動画像ファイル管理部108は、このテーブルを用いて、サーバ1700から送信される、不要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換えるように構成してもよい。
【0120】
また、
図17に示す画像処理装置100は、上述した実施例1〜5の何れかの撮像装置に置き換えることができる。
【0121】
このように、
図17に示す画像処理システムは、動画像フレームの要不要判定処理を画像処理装置100の外部のサーバ1700側で行う構成であるため、画像処理装置100にかかる負荷を抑えることができる。
【0122】
図18は、本発明の他の実施形態の画像処理システムを示す図である。なお、
図17に示す画像処理システムの構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0123】
図18に示す画像処理システムにおいて、
図17に示す画像処理システムと異なる点は、要不要判定データ生成部103の代わりに、
図16に示す縮小画像生成部1601が画像処理装置100に備えられているとともに、サーバ1700に要不要判定データ生成部1800が備えられている点である。
【0124】
すなわち、画像処理装置100の縮小画像生成部1601により、画像処理後の動画像の各動画像フレームそれぞれの縮小画像が生成され、メタデータ生成部105により縮小画像と識別情報PIDとが統合されてメタデータとしてネットワーク1701を介して画像処理装置100からサーバ1700へ送信される。
【0125】
また、サーバ1700の要不要判定データ生成部1800により、受信されるメタデータにおける縮小画像に基づいて、そのメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが不要な動画像フレームであるか否かを判定するために用いられる要不要判定データが生成される。なお、要不要判定データ生成部1800で生成される要不要判定データは、例えば、上述した被写体の位置やサイズ又は輝度階調のヒストグラムなどとする。
【0126】
また、サーバ1700の要不要判定部1703は、要不要判定データ生成部1800で生成された要不要判定データに基づいて、受信されるメタデータにおける識別情報に対応する動画像フレームが編集時に不要な動画像フレームであるか否かを判定し、その判定結果を送信部1705により画像処理装置100へ送信する。
【0127】
そして、画像処理装置100の動画像ファイル管理部108は、記録部106内の識別情報/記録位置テーブルを用いて、受信部1706で受信される、不要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する記録部106内の記録位置を特定する。また、動画像ファイル管理部108は、記録部106内の記録位置/データ状態情報テーブルを用いて、特定した記録位置に対応するデータの状態を示す情報を特定し、その特定したデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換える。
【0128】
なお、
図18に示す記録部106は、記録部106に記録される全ての識別情報と、それら識別情報にそれぞれ対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報とが対応付けられたテーブルを備えていてもよい。また、この場合、
図18に示す動画像ファイル管理部108は、このテーブルを用いて、サーバ1700から送信される、不要な動画像フレームと判定された動画像フレームの識別情報に対応する記録部106の記録位置におけるデータの状態を示す情報をデータが無い旨の情報に書き換えるように構成してもよい。
【0129】
このように、
図18に示す画像処理システムは、要不要判定データ生成部1800をサーバ1700に備えているため、画像処理装置100にかかる負荷を抑えることができる。また、
図18に示す画像処理システムは、要不要判定データを生成する際、縮小画像を用いるため、要不要判定データを生成する際にサーバ1700にかかる負荷を抑えることができる。
【0130】
図19は、本発明のさらに他の実施形態の画像処理システムを示す図である。なお、
図1に示す画像処理装置100の構成や
図17に示す画像処理システムの構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0131】
図19に示す画像処理システムにおいて、
図17に示す画像処理システムと異なる点は、画像処理装置100が要不要判定部107、負荷状態測定部1900、及び分配切替部1901をさらに備えている点である。
この負荷状態測定部1900は、画像処理装置100に負荷をかけて良い状態であるか否かを判断するための情報を検出する検出部の一例である。なお、特許請求の範囲における検出手段は、例えば、負荷状態測定部1900とする。
【0132】
負荷状態測定部1900は、画像処理装置100のリソース(例えば、CPUやメモリなど)の負荷状態を測定する。
【0133】
分配切替部1901は、負荷状態測定部1900で測定される負荷状態に応じて、メタデータ生成部105で生成されるメタデータの送り先として、サーバ1700の要不要判定部1703及び画像処理装置100の要不要判定部107のどちらか一方に切り替える。例えば、分配切替部1901は、画像処理装置100のリソースにかかっている負荷が高い場合、メタデータをサーバ1700の要不要判定部1703へ送り、画像処理装置100のリソースにかかっている負荷が高くない場合、メタデータを画像処理装置100の要不要判定部107に送る。
【0134】
このように、
図19に示す画像処理システムは、画像処理装置100のリソースにかかる負荷が高い場合、動画像フレームの要不要判定処理を行う際に画像処理装置100のリソースを十分に利用することができないと判断して、動画像フレームの要不要判定処理を画像処理装置100の外部のサーバ1700で行わせる構成であるため、動画像フレームの要不要判定処理の効率を向上させることができる。
【0135】
図20は、本発明のさらに他の実施形態の画像処理システムを示す図である。なお、
図17に示す画像処理システムの構成と同じ構成には同じ符号を付しその構成の説明を省略する。
【0136】
図20に示す画像処理システムにおいて、
図17に示す画像処理システムと異なる点は、画像処理装置100が要不要判定部107、電源モード検知部2000、及び分配切替部2001をさらに備えている点である。
この電源モード検知部2000は、画像処理装置100に負荷をかけて良い状態であるか否かを判断するための情報を検出する検出部の一例である。なお、特許請求の範囲における検出手段は、例えば、電源モード検知部2000とする。
【0137】
電源モード検知部2000は、画像処理装置100の電源モード(例えば、画像処理装置100の各部の全てに電力が供給される起動モードや画像処理装置100の各部の一部に電力が供給される節電(待機)モード)を検知する。
【0138】
分配切替部2001は、電源モード検知部2000で検知される電源モードに応じて、メタデータ生成部105で生成されるメタデータの送り先を、サーバ1700の要不要判定部1703及び画像処理装置100の要不要判定部107のどちらか一方に切り替える。例えば、分配切替部2001は、画像処理装置100の電源モードが「節電(待機)モード」である場合、メタデータをサーバ1700の要不要判定部1703へ送り、画像処理装置100の電源モードが「起動モード」である場合、メタデータを画像処理装置100の要不要判定部107に送る。
【0139】
このように、
図20に示す画像処理システムは、画像処理装置100の電源モードが「節電(待機)モード」である場合、動画像フレームの要不要判定処理を行う際に画像処理装置100のリソースを十分に利用することができないと判断して、動画像フレームの要不要判定処理を画像処理装置100の外部のサーバ1700で行わせる構成であるため、動画像フレームの要不要判定処理の効率を向上させることができる。