(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1開口の一部を縫い合わせて狭くし、前記第1開口を上部開口と下部開口に分割することにより、「y」形状を有する流路を前記上部開口、下部開口、および第2開口間で形成する、第2縫目をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の布製ガスガイド。
前記膨張スロートは、前記エアバッグクッションが展開状態にあるとき、エアバッグクッションの上部端に近接してほぼ中心に位置する凹部内にあることを特徴とする請求項4に記載のエアバッグモジュール。
前記膨張スロートは、前記エアバッグクッションの上部縁にほぼ平行に向けられ、エアバッグクッションの上部縁に沿って、または上部縁の下方で延びる、請求項4に記載のエアバッグモジュール。
前記インフレータは、前記布製ガスガイドの上部開口を通して挿入されており、前記布製ガスガイドの上部開口と膨張スロートとに軸方向に整列している、請求項6に記載のエアバッグモジュール。
【背景技術】
【0002】
膨張式安全拘束装置、すなわちエアバッグを装備することは、現在では、多くの新しい車両に対する法的必要条件である。エアバッグは一般に、ステアリングホイールのダッシュボードと、車両内の他の位置とに装着される。事故が発生した場合、車両内の加速度計が異常な減速度を測定し、インフレータから急速膨張ガスを放出させる。膨張ガスがエアバッグを満たし、エアバッグが運転者と乗客の前面で急速に膨張し、運転者と乗客をフロントガラス、ダッシュボード、または車両内部の他の表側に衝突する衝撃から保護する。膨張式カーテンとして知られている側面衝撃エアバッグも同様に、横方向の衝撃、すなわち車両の側面に衝突する衝撃から保護する必要性に対応するために開発されてきた。
【0003】
従来の膨張式カーテンは多くの場合、例えば金属製またはプラスチック製の剛性の「ガスガイド」を使用し、インフレータからエアバッグクッションにガスを導入する。ガスガイドは、ガスの流れを導くためのチューブまたは他のガス流路である。ガスガイドは、エアバッグクッションとは分離して製造され、その結果、膨張式カーテンの全体の費用に関連する工具および装置のコストは増加する。剛性のガスガイドはまたエアバッグユニットの重量を増加させる。
【0004】
布製ガスガイドもまた開発されてきた。既知の布製ガスガイドは一般に、材料の折り畳まれた部品であり、この部品は、縁部に沿って縫い合わされて膨張ガスの流路を形成する。
図1A〜2Dは以前より知られている布製ガスガイドを示している。
【0005】
図1Aは、未縫合の、以前より知られている布製ガスガイドのレイアウト図を示している。ガスガイド20は「中間充填(midfill)」ガスガイドと称される。ガスガイド20は側面20aおよび20bを有する。側面20aは折り目22に沿って側面20bの上に折り畳まれる。
図1Bは、布製ガスガイド20の外縁を形成するために用いられる、縫合縫目24を示している。布製ガスガイド20はまた、縫合縫目26と縫目27a、27bおよび27cを含む。縫合縫目27a、27bおよび27cは、破壊する縫い合わせであってもよい。他の実施形態では、縫目は、布製ガスガイド20に挿入される剛性のガスガイド(図示なし)を支持するために使用されてもよい。縫合縫目27a、27b、27cはこの金属ガスガイドを受け入れる。
【0006】
図1Cおよび1Dは、
図1Bの線1C‐1Cに沿った断面切片を示している。
図1Cは、非膨張状態における布製ガスガイド20を示している。
図1Dは、剛性のガスガイドが存在しない場合の仮想の膨張状態における布製ガスガイド20を示している。布製ガスガイド20が展開中にガスで満たされると、側面20aおよび20bは相互に分離するようになり、縫合縫目24は引張り応力下に置かれる。この引張り応力(引き剥がし応力)は矢印23で示されている。縫合縫目24がインフレータの全圧および流れに晒される場合、縫合縫目24は引張り応力下で破損する可能性がある。
【0007】
図2Aは、未縫合のレイアウト図であり、側面40aおよび40bとフラップ40cおよび40dを有する、以前より知られた布製ガスガイド40を示している。ガスガイド40は「端部充填(endfill)」ガスガイドまたは「中心充填(centerfill)」ガスガイドである。側面40aは折り目42に沿って側面40bの上に折り畳まれる。フラップ40cおよび40dは、折り目43aおよび43bに沿って側面40a上に折り畳まれ、2重に折り重ねられた縁部を形成する。
図2Bは布製ガスガイド40の外縁を形成する縫合縫目44を示している。布製ガスガイド40はまた縫合縫目46を含む。
図2Cおよび2Dは、
図2Bの線2C‐2Cに沿った断面切片を示している。
図2Cは非膨張状態における布製ガスガイド40を示している。
図2Dは、剛性のガスガイドが存在しない場合の仮想の膨張状態における布製ガスガイド40を示している。布製ガスガイド40が膨張中にガスで満たされると、側面40aおよび40bは相互に分離するようになり、縫合縫目44は引張り応力下に置かれる。この引張り応力は矢印23で示されている。縫合縫目44がインフレータの全圧および流れに晒される場合、縫合縫目24は引張り応力下で破損する可能性がある。
【0008】
引張り応力23により縫目が破損する可能性があるため、布製ガスガイドには剛性のガスガイドを追加することが多い。この剛性ガスガイドを追加することによりエアバッグシステムのコストは増加する。
【0009】
上記のことから、新しい種類の布製ガスガイドが必要とされる。本明細書では、このような布製ガスガイドが開示され、請求される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】剛性のガスガイドと共に使用する、従来技術の中間充填布製ガスガイドのレイアウト図であり、ガスガイドは未縫合の状態で示されている。
【0016】
【
図1B】
図1Aの中間充填ガスガイドの平面図であり、ガスガイドは縫合された状態で示されている。
【0017】
【
図1C】
図1Bの線1C‐1Cに沿った断面図であり、ガスガイドは非膨張状態で示されている。
【0018】
【
図1D】
図1Cの布製ガスガイドの膨張を示した断面図であり、ガスガイドは膨張状態で示されている。
【0019】
【
図2A】剛性のガスガイドと共に使用する、未縫合の以前より知られた端部充填布製ガスガイドのレイアウト図である。
【0020】
【
図2B】
図2Aの縫合された端部充填布製ガスガイドの平面図である。
【0021】
【
図2C】
図2Bの線2C‐2Cに沿った断面図であり、ガスガイドは非膨張状態で示されている。
【0022】
【
図2D】
図2Bの布製ガスガイドを示した断面図であり、ガスガイドは膨張状態で示されている。
【0023】
【
図3A】本発明の一実施形態による布製ガスガイドのレイアウト図であり、ガスガイドは未縫合状態で示されている。
【0024】
【
図3B】
図3Aの布製ガスガイドの側面斜視図であり、ガスガイドは縫合状態で示されている。
【0025】
【
図3C】
図3Bの線3C‐3Cに沿った断面図であり、ガスガイドは非膨張状態で示されている。
【0026】
【
図3D】
図3Bの布製ガスガイドを示した断面図であり、ガスガイドは膨張状態で示されている。
【0027】
【
図3E】布製ガスガイドの追加の実施形態を示す、
図3Dと類似のガスガイドの断面図である。
【0028】
【
図3F】布製ガスガイドの追加の実施形態を示す、
図3Dと類似のガスガイドの断面図である。
【0029】
【
図4A】本発明の一実施形態による布製ガスガイドのレイアウト図であり、ガスガイドは未縫合状態で示されている。
【0030】
【
図4B】
図4Aの布製ガスガイドの側面図であり、ガスガイドは縫合状態で示されている。
【0031】
【
図4C】
図4Bの線4C‐4Cに沿った断面図であり、ガスガイドは非膨張状態で示されている。
【0032】
【0033】
【0034】
【
図5A】本発明の一実施形態による布製ガスガイドのレイアウト図であり、ガスガイドは未縫合状態で示されている。
【0035】
【
図5B】
図5Aの布製ガスガイドの側面図であり、ガスガイドは縫合状態で示されている。
【0036】
【
図5C】
図5Bの線5C‐5Cに沿った断面図であり、ガスガイドは非膨張状態で示されている。
【0037】
【
図6A】本発明の一実施形態による布製ガスガイドのレイアウト図であり、ガスガイドが未縫合状態で示されている。
【0038】
【
図6B】
図6Aの布製ガスガイドの側面図であり、ガスガイドは縫合状態で示されている。
【0039】
【
図6C】
図6Bの線6C‐6Cに沿った断面図であり、布製ガスガイドの膨張状態を示している。
【0040】
【
図6D】
図6Bの線6D‐6Dに沿った断面図であり、布製ガスガイドの追加の縫合を示している。
【0041】
【
図7A】本発明の一実施形態による布製ガスガイドのレイアウト図であり、ガスガイドは未縫合状態で示されている。
【0042】
【
図7B】
図7Aの布製ガスガイドの斜視図であり、ガスガイドが縫合前に巻かれている。
【0043】
【
図7C】
図7Aの布製ガスガイドの斜視図であり、縫合前の材料の巻きはじめを示している。
【0044】
【
図7D】
図7Aの完全に巻かれた布製ガスガイドの側面斜視図であり、ガスガイドは縫合状態で示されている。
【0045】
【
図8】エアバッグモジュールが布製ガスガイドを含む、本発明の一実施形態によるエアバッグモジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の現在好ましい実施形態は、図面を参照することにより詳細に理解されるであろう。図面では同一部品は全体を通して同一参照符号により示される。本明細書において一般的に説明し、図に示す、本発明の構成要素は、様々な異なる構成に配置し、設計できることは容易に理解されるであろう。図は必ずしも縮尺通りではないこともまた理解されるべきである。したがって、
図3A〜
図8に示される、本発明の実施形態の以下のより詳細な説明は、本発明の特許請求の範囲を限定することを意図しておらず、単に本発明の現在好ましい実施形態を表している。
【0047】
さらに、特定の形態、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてもよい。以下の説明においては、本発明の実施形態の完全な理解を可能にするために、多数の特定の詳細事項が提供される。しかしながら、当業者であれば、本発明は、特定の詳細事項の1つ以上を用いることなく、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実現可能であることは認識されるであろう。他の実例においては、よく知られている構造、材料、または動作は、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるために、詳細に示さないかまたは説明しない。
【0048】
図3Aは、未縫合の布製ガスガイド200の布部材100を示している。一実施形態では、布製ガスガイド200は端部充填ガスガイドとして使用される。他の実施形態では、布製ガスガイド200は中間充填ガスガイドとして使用されうる。さらに他の実施形態では、布製ガスガイド200は逆流ガスガイドとして使用されうる。
【0049】
布部材100は、表側100a、裏側100b、前縁100c、後縁100d、第1縁100e、および第2縁100fを含む。布部材100は、被覆を施された、被覆を施されない、織られた、不織の、人工または天然の布部材、または被膜であってもよい。
【0050】
図3Bでは、布部材100をそれ自体の上に少なくとも1回重ね合わせるように巻き、その際、前縁100cに隣接する表側100aの少なくとも一部を後縁100dに隣接する裏側100bの少なくとも一部と整列するように配置して、重ね合わせ領域101を画定することを示している。第1縫目104は重ね合わせ領域101を通して縫合される。第1縫目104は異なる糸重さの縫い合わせであってもよい。第1縫目104は、ロック縫合、環状縫合、当技術分野で既知の他の種類またはそれら種類の組み合わせといった、様々な縫合の種類であってもよい。第1縫目104は単一列の縫合または複数列の縫合であってもよい。当然、縫合または縫い合わせよりむしろ、接着剤、粘着剤または他の結合方法を採用する、他の実施形態が設計されてもよい。
【0051】
この実施形態では、布部材100は、縫い合わせに先立って平面上に置かれると、略弓形を有する。布部材100をそれ自体の上に重ね合わせて円錐形状とし、第1縁100eにより画定される第1開口103(
図3Bに透視で示されている)と、第2縁100fにより画定される第2開口部105とを含む、スリーブ109を形成する。第1開口103は出口として作用し、第2開口105は入口として作用する。図示された実施形態では、裏側100bはスリーブ109の外側に位置する。布部材100を丸めて、表側100aがスリーブ109の外側に位置するようにすることができることは理解されるべきである。
図3Cおよび3Dは、
図3Bの線3C‐3Cに沿った断面切片である。
図3Cは非膨張状態の布製ガスガイド200を示している。
図3Dは膨張状態の布製ガスガイド200を示している(実際には、インフレータは布製ガスガイド200内に存在する)。ここで説明するように、ガスガイド200が膨張しているとき、第1縫目104は「剪断応力」下にある。詳細には、ガスが膨張すると、布部材を外側に押す。矢印104aで示されるように、この力の成分は、重ね合わせ部分101を外側に押して、重ね合わせ部分を分離させるように作用する。すなわち、表側100aを、第1縫目104において裏側100bから水平方向に分離させるように作用する。同時に、ガスの一部が布部材を外側に押すことにより、矢印104bで示されるように、同じく重ね合わせ部分101を外側に押す。実際にはこのような圧力は、表側100aを裏側100bに押し付ける。すなわち、実際にはこの力は、重ね合わせ部分を形成する2つの層を相互に合わさるように押し付ける。力のこの成分は縫目104を強化する。したがって、この剪断応力は、既知の布製ガスガイドに関して上に説明した引張り応力に比べて、縫目104を破損させる可能性が少ない。言い換えると、実際には縫目104は、より強力になり、不具合の生じる可能性が少なくなる。このように、縫目104はより大きな膨張圧力に耐えることができ、さらに剛性のガスガイドを用いずに使用することもできる。
【0052】
重ね合わせ領域101は十分な幅を有し、第1縫目104の縫合を可能にする。あるいは、重ね合わせ領域101は任意の所望の幅であってもよい。例えば、重ね合わせ領域101は、布部材100は、少なくとも1回、複数回、またはそれら間のいずれかの回数で、布部材100をそれ自体の上に重ね合わせるのに十分な幅を備える。
図3Eは実施形態の断面切片を示しており、この場合、重ね合わせ領域101は、第1縫目104aならびに追加の縫目104bを縫合するのに十分な幅を有する。
図3Eに示される実施形態では、追加の縫目104bはあってもなくてもよい。この実施形態では、布部材100をそれ自体の上に1回重ね合わせることができるが、2回重ね合わせるには不十分である。
【0053】
図3Fは実施形態の断面切片を示しており、この場合、布部材100をそれ自体の上に2回重ね合わせ、その際、前縁100cに隣接する表側100aを後縁100dに隣接する裏側100bと整列するように配置して、2回の重ね合わせ領域111を画定する。第1縫目104は、2回の重ね合わせ領域111を通して縫合される。2回の重ね合わせ領域111を通る第1縫目104は、布製ガスガイド200が膨張すると、剪断応力下に置かれる。
【0054】
図4Aは、布製ガスガイド200の変形形態である、中間充填布製ガスガイド220の一実施形態を示している。
図4Aは、未縫合の布製ガスガイド220の布部材120を示している。布部材120は、表側120a、裏側120b、前縁120c、後縁120d、第1縁120e、および第2縁120fを含む。布製ガスガイド220の折り畳みを説明する便宜上、布部材120は折り目122aにより分割されるパネルAおよびBと、折り目122bによりパネルBから分割されるフラップCとを有するように示されている。しかし、布部材120は布材の連続体であってもよいことは理解されるべきである。布製ガスガイド220の折り畳みに関しては、パネルAの表側120aは折り目122aに沿ってパネルBの表側120aの方向に折り畳まれる。フラップCの表側120aは、折り目122bに沿ってパネルAの裏側120bの上に折り畳まれる。
【0055】
図4Bは、布部材120を折り目122bにおいて部材120の上に1回重ね合わせ、その際、前縁120cに隣接する表側120aを後縁120d(
図4Aに示される)に隣接する裏側120bの一部と整列するように配置して、重ね合わせ領域121を画定することを示している。この実施形態では、重ね合わせ領域121の幅はフラップCの幅により決定される。第1縫目124は重ね合わせ領域121を通して縫い合わされる。第1縫目104の変形形態に関する説明は、第1縫目124にも同様に適用できる。
【0056】
この実施形態では、布部材120をそれ自体の上に重ね合わせて円錐形状とし、第1縁120eにより画定される第1開口123と第2縁120fにより画定される第2開口125とを含む、スリーブ129を形成する。この実施形態では、第1縁120eは、ノッチ120e’とタブ120e”を含む。ノッチ120e’は、スリーブ129が形成された後に互いに整列する。タブ120e”は、スリーブ129が形成された後に互いに整列する。タブ120e”は、布製ガスガイド220内にインフレータを位置決めするのに使用される。第2縫目126はノッチ120e’周りに縫い合わされて、第1開口123を狭くし、第1開口123を上部開口127aと下部開口127bに分割する。第2縫目126は、上部開口127a、下部開口127b、および第2開口125の間で、「y」形状を有する、流路129aを形成する。この実施形態では、上部開口127aは、入口として作用し、第2開口125と下部開口127bは両方が出口として作用する。第2縫目126は4列の縫合を有するように示されている。第2縫目126は任意の列数の縫合を含んでもよく、任意の縫合の種類、任意の糸の材料ならびに重さ、および任意の接着方式を利用してもよい。当然、接着剤、密封剤、シリコン、糸と接着剤の組み合わせなどといった、他の結合または接合方法を用いてもよい。例えば、シリコンまたは他の接着剤を用いて、インフレータを、Y−ソックスまたはI−ソックスあるいは他の種類のソックス(曲げることができるソックスなど)に固定してもよい。このように、用語「縫い合わせ」または「縫合」を使用することにより、すべての種類の結合方法が含まれる。
【0057】
布製ガスガイド220は、任意の所望の長さ「L」であってもよい。同様に、布製ガスガイド220は、任意の所望の幅「W」であってもよい。さらに、角度「θ」は任意の所望の角度であってもよい。同様に、上部開口127a、下部開口127b、および第2開口125の幅は、必要な任意の直径であってもよい。第1縁120eと第2縁120fは、所望の形状の布製ガスガイド220を形成するのに必要な任意の形状を取ることができる、ことは理解されるべきである。
【0058】
図4Cは、
図4Bの線4C‐4Cに沿った断面切片である。
図4Cは、非膨張状態における布製ガスガイド220を示している。膨張すると、第1縫目124は、上述のように剪断応力下に置かれる。言い換えると、膨張するガスの力の一部が、重ね合わせ部分を分離させるように作用する。しかし、力の別の成分は実際には、層を相互に合わさるように押し付け、これにより、重ね合わせ部分の密封を強固にする。その結果、縫目134の全体の強度が強化される(
図1A−2Dの従来技術の縫目と比較して)。
【0059】
図4Dは、中間充填布製ガスガイド220の変形形態を示しており、この形態では第3縫目128を縫い合わせて閉じ、第2開口125をなくしている。第3縫目128は、縫合または接着(または任意の他の固定方法)の任意の列数を含んでもよい。この実施形態では、布製ガスガイド220は、中間充填ではなく逆流ガスガイドである。すなわち、言い換えると、上部開口127aは入口として作用し、下部開口127bは単一の出口とし作用する。
図4Eは、
図4Dと同様の、中間充填布製ガスガイド220の変形形態を示しているが、場合により、上部124aと底部124bの両方に縫合を有する、布部材のより有効な使用を可能にする。当然、この縫合は、本明細書で明らかなように、他の結合方式であってもよい。
【0060】
図5Aは、中間充填布製ガスガイド240であって、中間充填布製ガスガイド220の二重に重ね合わせた変形形態を示している。
図5Aは、未縫製の布製ガスガイド240の布部材140を示している。布部材140は、表側140a、裏側140b、前縁140c、後縁140d、第1縁140e、および第2縁140fを含む。布製ガスガイド240の折り畳みを説明する便宜上、布部材140は、パネルA、B、CおよびDとフラップEを有するように示されている。パネルAおよびBは折り目142aにより分割されている。パネルBおよびCは折り目142bにより分割されている。パネルCおよびDは折り目142cにより分割されている。パネルDとフラップEは折り目142dにより分割されている。しかし、布部材140は任意の種類の適切な布材の連続体あってもよいことは理解されるべきである。
【0061】
布製ガスガイド240の折り畳みに関しては、パネルAの表側140aは折り目142aに沿って、パネルBの表側140aの方向に折り畳まれる。パネルAの裏側140bは、折り目142bに沿って、パネルCの表側140aの方向に折り畳まれる。パネルDの表側140aは、折り目142cに沿って、パネルBの裏側140bの方向に折り畳まれる。フラップEの表側140aは、折り目142dに沿って、パネルCの裏側140bの方向に折り畳まれる。図示された実施形態では、パネルA、B、CおよびDはすべて同寸法である。パネルAおよびBを完全に包み込むために、パネルCおよびDの幅をパネルAおよびBに対して増加させることが必要であることは、容易に理解されるべきである。
【0062】
図5Bは、折り畳まれた布製ガスガイド240を示している。布部材140をそれ自体の上に2回重ね合わせることは、折り畳みの説明に基づいて理解されるべきである。
図5Bは、パネルCと部分的に重なるフラップEを示している。前縁140cに隣接するフラップEの表側140aを、後縁140dに隣接するパネルAの裏側140bの一部と整列するように配置して、2回重ね合わせ領域151を画定することは示されていない(後の
図5Cにおいて明瞭に示されている)。この実施形態では、2回重ね合わせ領域151の幅は、フラップEの幅により決定される。第1縫目144は、2回重ね合わせ領域151を通して縫い合わされる。第1縫目144は、2列の縫合を有するように示されている。第1縫目104の変形形態に関する説明は、第1縫目144にも同様に適用できる。接着剤を縫合の代わりに使用してもよい。
【0063】
この実施形態では、布部材140をそれ自体の上に2回重ね合わせて円錐形状とし、第1縁140eにより画定される第1開口143と第2縁140fにより画定される第2開口145を含む、スリーブ149を形成する。第1縁140eと第2縁140fは、第1開口143が第1開口123と同一であり、第2開口145が第1開口125と同一になるように形成される。第2縫目146は縫い合わされて、第1開口143を狭くし、第1開口143を上部開口147aと下部開口147bに分割する。第2縫目146は、上部開口147a、下部開口147b、および第2開口145間で「y」形状を有する、流路149aを形成する。この実施形態では、上部開口147aは、入口として作用し、第2開口145と下部開口147bは両方が出口として作用する。第2縫目146は4列の縫合を有するように示されている。第2縫目146は、任意の列数の縫合または他の任意の固定/取付け方法を含んでもよい。
【0064】
布製ガスガイド220の形状と寸法の変形形態に関する説明は布製ガスガイド240にも適用できる。さらに、布製ガスガイド240の第2開口145を縫い合わせ閉じることにより無くして、逆流ガスガイドを形成することができる。
【0065】
図5Cは、
図5Bの線5C‐5Cに沿った断面切片である。
図5Cは、膨張状態における布製ガスガイド240を示している。膨張すると、第1縫目144は剪断応力下に置かれる。
図5Cでは、布部材140をそれ自体の上に2回重ね合わせ、その際、前縁140cに隣接するフラップEの表側140aを後縁140dに隣接するパネルAの裏側140bの一部と整列するように配置して、2回重ね合わせ領域151を画定することを示している。この実施形態では、2回重ね合わせ領域151の幅は、フラップEの幅により決定される。第1縫目144は、2回重ね合わせ領域151を通して縫い合わされる。第1縫目144は、単一列の縫合を有するように示されているが、任意の列数が存在してもよい。
【0066】
また、重ね合わせ領域151の存在は、縫目144が、上述のように、従来技術より強力であることを意味する。
【0067】
図6Aは、布製ガスガイド200の変形形態である、端部ガスガイド260を示している。
図6Aは、未縫製の布製ガスガイド260の布部材160を示している。布部材160は、表側160a、裏側160b、前縁160c、後縁160d、第1縁160e、および第2縁160fを含む。布製ガスガイド260の折り畳みを説明する便宜上、布部材160はパネルA、B、CおよびDとフラップEを有するように示されている。パネルAおよびBは折り目162aにより分割されている。パネルBおよびCは折り目162bにより分割されている。パネルCおよびDは折り目162cにより分割されている。パネルDとフラップEは折り目162dにより分割されている。しかし、布部材160は任意の種類の適切な布材の連続体であってもよいことは理解されるべきである。
【0068】
布製ガスガイド260の折り畳みに関しては、パネルAの表側160aは折り目162aに沿って、パネルBの表側160aの方向に折り畳まれる。パネルAの裏側160bは、折り目162bに沿って、パネルCの表側160aの方向に折り畳まれる。パネルDの表側160aは、折り目162cに沿ってパネルBの裏側160bの方向に折り畳まれる。フラップEは、折り目162dに沿ってパネルCの表側160bの方向に折り畳まれる。図示された実施形態では、パネルA、B、CおよびDはすべて同寸法である。パネルAおよびBを完全に包み込むために、パネルCおよびDの幅をパネルAおよびBに比べて増加させる必要があることは容易に理解されるべきである。
【0069】
図6Bは折り畳まれた布製ガスガイド260を示している。この実施形態では、布部材160をそれ自体の上に2回重ね合わせることは、折り畳みの説明に基づいて理解されるべきである。
図6Bは、パネルCと部分的に重なるフラップEを示している。前縁160cに隣接するフラップEの表側160aを後縁160dに隣接するパネルAの裏側160bの一部と整列するように配置して(図示なし)、2回重ね合わせ領域171を画定することは示されていない(後の
図6Cにおいて明瞭に示されている)。この実施形態では、2回重ね合わせ領域171の幅は、フラップEの幅により決定される。第1縫目164は、2回重ね合わせ領域171を通して縫い合わされる。
【0070】
この実施形態では、布部材160をそれ自体の上に2回重ね合わせて円錐形状とし、第1縁160eにより画定される第1開口163と第2縁160fにより画定される第2開口165を含む、スリーブ169を形成する。第1開口163は入口として作用し、第2開口165は出口として作用する。追加の縫目166aおよび166bを用いて、ガスガイドに追加の剪断縫目を追加してもよい。また、縫目166aを用いて、布製ガスガイド260をエアバッグクッションに取り付けてもよい(図示なし)。追加の縫目166aおよび166bは、タック縫合(tack stitch)縫合、すなわち言い換えると、一時的な縫合を利用してもよい。あるいは、追加の縫目166aおよび166bは永久的な縫合または接着であってもよい。
【0071】
図6Cは、
図6Bの線6C‐6Cに沿った断面切片である。
図6Cは膨張状態の布製ガスガイド260を示している。膨張すると、第1縫目164は剪断応力下に置かれる。
図6Cでは、布部材160をそれ自体の上に2回重ね合わせ、その際、前縁160cに隣接するフラップEの表側160aを後縁160dに隣接するパネルAの裏側160bの一部と整列するように配置して、2回重ね合わせ領域171を画定することを示している。この実施形態では、2回重ね合わせ領域171の幅は、フラップEの幅により決定される。第1縫目164は2回重ね合わせ領域171を通して縫い合わされる。第1縫目164は、単一列の縫合を有するように示されている。第1縫目104の変形形態に関する説明は第1縫目164にも同様に適用できる。
【0072】
また、重ね合わせ領域171の存在は、縫目164が、上述のように、従来技術より強力であることを意味する。
【0073】
図6Dは、
図6Bの線6D‐6Dに沿った断面切片である。追加の縫目166aおよび166bは第1開口163と第2開口165を閉鎖しない。追加の縫目166aおよび166bはパネルAおよびCを通して縫い合わされる。追加の縫目166a’および166b’は追加の縫目166aおよび166bに類似している。追加の縫目166a’および166b’はパネルBおよびDを通して縫い合わされる。追加の縫目166a’および166b’はまた、エアバッグクッションに布製ガスガイド260を取り付けるために使用される(図示なし)。また、縫い合わせまたは縫合の代わりに、要求に応じて、接着剤を使用してもよい。bおよびb’縫目は1つの連続的なループに縫い合わせることもできる。また追加の連続的なループ縫目を追加することもできる。
【0074】
布製ガスガイド260は多数の方法で変更されてもよいことは理解されるべきである。例えば、第2開口165に対する第1開口163の直径は変更されてもよい。同様に、第1縁160eに対する前縁160cと後縁160dの長さは変更されてもよい。さらに、第1縁160eと第2縁160fの進路または経路は変更されてもよい。布製ガスガイド260はまた、布部材160をそれ自体の上に1回だけ重ね合わせるように、変更されてもよい。例えば、パネルAおよびBを布部材160から取り除くこともできる。
【0075】
図7Aは、未縫製の布製ガスガイド300の布部材270を示している。一実施形態では、布製ガスガイド300は端部充填ガスガイドとして使用される。布部材270は略長方形である。三角形、ピラミッド形、台形、曲線の縁部を備える台形、溝付きの、先細り形状の台形などいった他の形状を使用してもよい。布部材270が平行四辺形または任意の他の所望の形状を有する、さらなる実施形態が設計されてもよい。当然、側面の縁部は直線である必要はなく、要求に応じて、湾曲形状、不均一形状などにできる。布部材270は、表側270a、裏側270b、前縁270c、後縁270d、第1縁270e、および第2縁270fを含む。布部材270は、後縁270dに隣接する、上部部分A、中間部分Bおよび下部部分Cを有しうる。布部材270は、前縁270cに隣接する、上部部分D、中間部分E、および下部部分Fを有しうる。しかし、布部材270は任意の種類の適切な布材の連続体であってもよいことは理解されるべきである。説明の便宜上、
図7Aもまた、整列縁部Gと対応する整列マーカG’とを示している。整列縁部Gは、上部部分Aと境界を接する第2縁270eの一部である。整列マーカG’は、上部部分Dと中間部分E間の境界である。さらに、部材270はオプションとして歯270iまたは拡張部270hを含むことは留意されるべきである。これらの形状物は部材270の外周に沿って追加される。これらの形状物は、要求に応じて、縁AからGの間または縁270c、縁270d、縁270e、270f、あるいは任意の他の縁または材料の側面を含む、外周に沿ったいずれの位置に加えられてもよい。
【0076】
図7Bは、整列縁部Gが整列マーカG’に向かって巻かれるかまたは丸められる図を示している。
図7Cでは、布部材270をそれ自体の上に少なくとも1回らせん状に重ね合わせてスリーブ270を形成し、その際、上部部分Aと中間部分Bの裏側270bを中間部分Eと下部部分Fの表側270aと整列するように配置して、重ね合わせ領域271を画定する。図示された実施形態では、裏側270bはスリーブ279の外側に来る。布部材270を、表側270aがスリーブ279の外側に来るように巻くことができることは理解されるべきである。
【0077】
図7Dは、スリーブ279の一実施形態を示している。第1縫目274は重ね合わせ領域271を通して縫い合わされる。
図7Dは、膨張状態のガスガイド300を示している。膨張すると、第1縫目274は剪断応力下に置かれる。剪断応力は、膨張ガスにより加えられる圧力のため、表側270aが、第1縫目274において裏側270bから引き離される結果として生じる。
【0078】
一実施形態では、前縁270cは、第1縁270eの長さの6.5倍の長さを有する。重ね合わせ領域271の幅は、第1縁270eの長さの約18.75%である(すなわち長さは幅より大きい)。別の実施形態では、第1縁270eと第2縁270fは、長さがそれぞれ80mm(3.1インチ)である。整列縁Gと整列マーカG’は、長さがそれぞれ15mm(0.6インチ)である(すなわち、重ね合わせ領域271は幅15mmである)。下部部分Dに沿った前縁270cと上部部分Aに沿った後縁270dは、長さがそれぞれ130mm(5.1インチ)である。結果として生じるスリーブ279は長さ約150mm(5.9インチ)、直径約42mm(1.7インチ)、および外周約130mm(5.1インチ)を有する。無論、これらの寸法は単に例として与えられているだけである。他のサイズおよび/または構成も可能である。
【0079】
スリーブ279は任意の長さと直径であってもよい。例えば、前縁270cの長さは、望ましいスリーブの長さを達成するのに必要な任意の長さであってもよい。さらに、第1縁270eの長さは、所望の直径と長さを達成するために選択されてもよい。
【0080】
重ね合わせ領域271を十分広くして、第1縫目274の結合、固定または縫合を可能にしてもよい。図示された実施形態では、重ね合わせ領域271の幅は、重ね合わせ領域271がスリーブ279周りでらせん状になるとき、布部材270をそれ自体の上に1回だけ重ね合わせる幅である。重ね合わせ領域271の幅を広くして、布部材270自体の重ね合わせ部分を増加させてもよい。
【0081】
例えば、他の実施形態では、重ね合わせ領域271の幅が第1縁270eの長さの半分以上になる。このような実施形態では、重ね合わせ領域271がスリーブ279周りでらせん状になるとき、布部材270をそれ自体の上に2回重ね合わせる領域が形成される。この2回重ね合わせ領域(図示なし)は、示された重ね合わせ領域271と同様にスリーブ279周りでにらせん状になる。第1縫目274はこの2回重ね合わせ領域を通して縫い合わされる。
【0082】
別の例では、他の実施形態において、重ね合わせ領域271の幅は、第1縁270eの長さの3/4以上になる。このような実施形態では、重ね合わせ領域271がスリーブ279周りでらせん状になると、布部材270をそれ自体の上に3回に重ね合わせる領域が形成される。この3回重ね合わせ領域(図示なし)は、示された重ね合わせ領域271と同様にスリーブ279周りでらせん状になる。第1縫目274はこの3回重ね合わせ領域を通して縫い合わされる。
【0083】
重ね合わせ領域271の存在は、縫目274が、上述のように、従来技術より強力であることを意味する。また、
図7A〜7Dの実施形態(および本明細書で開示された他の実施形態)は、縫合以外の方法を用いて実現可能であることは留意されるべきである。
【0084】
図8は、エアバッグモジュール400を示している。エアバッグモジュール400はエアバッグクッション410を含む。次に、エアバッグクッション410は、膨張スロート412と本体414を含む。エアバッグモジュール400は布製ガスガイド280(大部分が透視で示されている)を含む。布製ガスガイド280は、布製ガスガイド220または240の変形形態である。エアバッグモジュール400は、布製ガスガイド280に挿入されるインフレータ430(明確にするために透視では示さず)を含む。
【0085】
布製ガスガイド280の少なくとも一部は膨張スロート412内に置かれる。膨張スロート412は、インフレータにより生成されるガスを受け入れるエアバッグクッション410の一部である。スロート412は次に、エアバッグ410の膨張可能領域内にガスを導入する。
【0086】
一実施形態では、布製ガスガイド280の上部開口287aは膨張スロート412を超えて突き出るが、布製ガスガイド280の残りの部分は膨張スロート412と本体414内に位置する。インフレータ430は、布製ガスガイド270の上部開口287a内に挿入される。インフレータ430は、上部開口287aと膨張スロート412とに軸方向に整列している。インフレータ430はまた、エアバッグクッション410の上部縁416に平行である。
【0087】
一実施形態では、膨張スロート412はエアバッグクッション410の任意の外縁に沿って配置される。例えば、膨張スロート412は一般に(すなわち実質的にまたは全体または一部)凹部414a内にある。凹部414aは、エアバッグクッション410が展開状態にあるときは、エアバッグクッション410の上部縁416に沿って中心に配置される。膨張スロート412は一般に(すなわち実質的に)、エアバッグクッション410の上部縁416に平行に向けられる。膨張スロート412は、エアバッグクッション410の上部縁416に沿って、または上部縁416の下方で延びる。別の例では、膨張スロート412はエアバッグクッション410のコーナー417またはコーナー418のいずれかに配置される。
【0088】
一般には、膨張スロート412が外縁に沿った中間に(例えば、凹部414a内に)配置される場合、布製ガスガイド220、240または280などの、中間充填布製ガスガイドが使用される。膨張スロート412が、コーナー417または418といったコーナーに配置される場合、布製ガスガイド260または300などの、端部充填ガスガイドが使用される。しかし、本発明の実施形態はこのような通例に限定されないことは理解されるべきである。スロート412がエアバッグ410の上方に位置する突出部であって、ガスを下向きに(または実質的に下向きに)エアバッグ410内に導入する、他の実施形態が設計されてもよい。
【0089】
エアバッグクッション410は、略長方形および単一の区画を有するように示されている。エアバッグクッション410は、布製ガスガイド200(例えば布製ガスガイド220、240、260および280および他の変形形態)の変形形態と、布製ガスガイド300の変形形態とを利用する、様々な形状、複数の区画、および複数のインフレータを有してもよい。エアバッグクッション410は、2つの布材層を切断して縫い合わせることにより、または2つの布材層を切断し、封止処理した後に縫い合わせることにより、一体の織布を用いて作られる。
【0090】
布製ガスガイド280はエアバッグクッション410に縫い付けられる。タック縫合(図示なし)は、布製ガスガイド280をエアバッグクッション410に縫い付けるのに用いられる。布製ガスガイド280は布部材180に位置決め穴180gを備える。位置決め穴180gは本体414内の突出物または他の固定デバイス(図示なし)と結合するように設計される。位置決め穴180gは、エアバッグクッション410に布製ガスガイド280を縫い付ける前に、膨張スロート412と本体414内で、布製ガスガイド280を位置決めするためのものである。布製ガスガイド280はまた、タブ180e”に位置決め穴180hを備える。位置決め穴180hは、インフレータ430上の突出物または他の固定デバイス(図示なし)と結合するように設計される。位置決め穴180hは、布製ガスガイド280内でインフレータ430を位置決めするためのものである。
【0091】
エアバッグモジュール400はまた、インフレータ430、布製ガスガイド280および膨張スロート412を一緒に固定するための締め付け手段440を含む。一実施形態では、締め付け手段440はリング締め付け具である。エアバッグモジュール400は、また、側面衝撃エアバッグとして知られる、膨張式カーテンである。エアバッグモジュール400は複数のエアバッグクッション410を含んでもよい。エアバッグモジュール400は布製ガスガイド200および300ならびにこれらの変形形態を利用してもよい。
【0092】
まとめると、本発明は、剛性のガスガイドを使用する必要のない、布製ガスガイド200、220、240、260、280および300を提供する点において、当技術分野における重要な進歩を提供する。布製ガスガイド200、220、240、260、280および300は、膨張すると、引張り応力よりむしろ剪断応力下に置かれる縫目を利用する。これは、布製ガスガイド200、220、240、260、280および300が耐えられる圧力を増加し、剛性のガスガイドの必要性をなくする。その結果、エアバッグモジュール400は、従来のエアバッグモジュールより低コストで製造できる。
【0093】
さらに、本発明は、エアバッグクッション410の上部縁416と平行に位置する、膨張スロート412を備えるエアバッグクッション410を含む、エアバッグモジュール400を提供する。したがって、インフレータ430はエアバッグクッション410の上部縁416と平行に取り付けられる。これにより、エアバッグモジュール400を、自動車に直線状に装着することができる。場合によっては、これは、インフレータを斜めに装着するコストと困難性を低減する。
【0094】
さらに、本発明は、膨張スロート412を備えるエアバッグクッション410を含むエアバッグモジュール400を提供する。膨張スロート412は、エアバッグクッション410の上部縁416に沿って、または上部縁の下方で延びる。これは、エアバッグクッション410を縫製するのに必要な布材の量を低減する。従来の中間充填膨張スロートは、エアバッグクッションの上部から突き出る。これは、製布(例えば、一体の織布を含むがこれに限定されない)を利用する場合、大きな布体を使用し、次に膨張スロート周りの余分な材料を切り落とすことを必要とする。これは結果として布材の浪費をもたらす。本発明は、膨張スロート412が、特定の実施形態においては、エアバッグクッション410の本体414の外周を超えて突き出ないため、費用と浪費を低減する。その結果、より小さい布材を利用でき、処分される材料をより少なくできる。場合によっては、布体のサイズが小さいことは、従来のエアバッグクッションと比較して、より大きなエアバッグクッション410を織機のビーム上で織ることができることを意味する。あるいは、より小さいビームを使用して、従来の数のエアバッグクッション410を製織することができる。
【0095】
本発明は、ここで広範に述べ、以後に請求するような、本発明の構造、方法、または他の本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で実現されてもよい。記載した実施形態は、あらゆる点において、制限ではなく例示としてのみ考えるべきである。したがって、本発明の範囲は、上述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲により定義される。特許請求項の均等物の意味と範囲内にあるすべての変更は、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものとする。