特許第5810546号(P5810546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5810546
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月11日
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20151022BHJP
【FI】
   A63F7/02 330
【請求項の数】1
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2011-30518(P2011-30518)
(22)【出願日】2011年2月16日
(65)【公開番号】特開2012-165941(P2012-165941A)
(43)【公開日】2012年9月6日
【審査請求日】2014年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100148301
【弁理士】
【氏名又は名称】竹原 尚彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男
(72)【発明者】
【氏名】岡村 鉉
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智治
(72)【発明者】
【氏名】馬場 光章
【審査官】 森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−191724(JP,A)
【文献】 特開2007−240218(JP,A)
【文献】 特開平09−253285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場内の遊技機を撮像可能に監視カメラを配置して、各遊技機の画像をモニタに表示する監視システムにおいて、
前記監視カメラと各遊技機の配置関係を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、
前記位置情報に基づいて、前記監視カメラによって設定対象の前記遊技機を撮像せずに前記遊技機に対する前記監視カメラのパラメータを演算するパラメータ演算手段と、
該パラメータ演算手段で演算されたパラメータを遊技機の確認に使用する監視カメラのカメラ情報として設定するカメラ情報設定手段と
を有することを特徴とする監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多数の遊技機が設置された遊技場における監視カメラを用いた監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機を多数設置した遊技場においては、監視カメラを天井等に設置して遊技機に対する不正行為を監視するようにしている。
監視カメラは通常は広角視野で複数の遊技機をカバーする範囲を撮像しているが、遊技機に設置されたセンサにより不正行為の可能性のある異常状態が検出されると、当該異常状態の遊技機方向に首振りさせるとともに、ズームアップすることにより、当該遊技機部分を監視モニタに拡大表示することができる。
さらには、個別の遊技機ごとに当該遊技機に監視カメラの撮像方向(光軸)を指向させるためのパン角度(水平方向)、チルト角度(上下方向)と、さらにズーム倍率のパラメータとを予め設定して、自動的に作動させるようにしている。
【0003】
ここで、特定の遊技機を撮像可能な監視カメラが1台のみである場合には当該遊技機における不正対象部位の撮像に死角が生じるおそれがある。そこで、例えば特開2006−95159号公報に開示されるように、各遊技機がそれぞれ複数の監視カメラの視野範囲内に位置するように監視カメラの配置が設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−95159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この結果、遊技場内には多数の監視カメラが設置されることになるので、異常状態が発生したときに遊技機ごとにどの監視カメラを使用するべきかあらかじめ設定しておく必要がある。
この監視カメラの設定においては、従来、手動操作によるコントローラからの制御によって、対象の遊技機が監視モニタに所定の拡大画像として表示されるように監視カメラを駆動した上で、各監視カメラの画像を比較して選択し、さらにはそのときのパン角度、チルト角度およびズーム倍率を当該監視カメラにおける対象遊技機に対するパラメータとしてプリセットする。
しかしながら、多数の遊技機が設置された遊技場では、このような設定作業を各監視カメラと遊技機の組み合わせごとに繰り返すことになるので、監視カメラの選択やパラメータ設定には、多大な手間と時間を要するという問題があった。
【0006】
したがって本発明は、上記の問題等に鑑み、遊技機ごとの監視カメラの設定が簡便に、短時間で可能な監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため本発明の監視システムは、遊技場内の遊技機を撮像可能に監視カメラを配置して、各遊技機の画像をモニタに表示する監視システムにおいて、監視カメラと各遊技機の配置関係を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、位置情報に基づいて、監視カメラによって設定対象の遊技機を撮像せずに遊技機に対する監視カメラのパラメータを演算するパラメータ演算手段と、該パラメータ演算手段で演算されたパラメータを遊技機の確認に使用する監視カメラのカメラ情報として設定するカメラ情報設定手段とを有するものとした。




【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技機をモニタに表示する監視カメラのパラメータが自動的に演算されて設定されるので、遊技機にかかる異常発生時に上記設定されたパラメータで迅速に当該遊技機の画像が得られる。
パラメータは遊技機の配置を示す位置情報に基づいて演算されるので、少ない手間と時間で実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態にかかる監視システムの構成図である。
図2】識別媒体を示す図である。
図3】カメラ情報設定モードにおける制御の第1の実施例を示すメインフローチャートである。
図4】識別媒体検索と監視カメラのパラメータ調整処理の詳細を示すフローチャートである。
図5】識別媒体検索と監視カメラのパラメータ調整処理の詳細を示すフローチャートである。
図6】メインカメラおよびサブカメラの選択とプリセット情報設定の詳細を示すフローチャートである。
図7】カメラ情報設定モードにおける制御の第2の実施例を示すメインフローチャートである。
図8】カメラ情報設定モードにおける制御の第2の実施例を示すメインフローチャートである。
図9】パラメータの演算処理を示すフローチャートである。
図10】パチンコ台の配置地図例を示す図である。
図11】パラメータ演算過程におけるデータを示す説明図である。
図12】カメラ情報設定モードにおける制御の第3の実施例を示すフローチャートである。
図13】カメラ情報設定モードにおける制御の第3の実施例を示すフローチャートである。
図14】パチンコ台の配置地図の変形例を示す図である。
図15】パラメータ演算過程におけるデータを示す説明図である。
図16】変形例におけるパラメータの演算結果例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を遊技場としてパチンコ店に適用した実施の形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、パチンコ台Pを1列に並べた島Sを通路を挟んで互いに対向させてボックスWを形成し、ボックスを複数配置したパチンコ店における第1の実施例の監視システムを示す図である。
島Sの長さ(パチンコ台Pの数)やボックスWの組数は任意に設定されるが、ここではそれぞれ8機のパチンコ台Pを並べた島S1、S2、・・、S6により、3組のボックスW1、W2、W3が形成されているものとする。
各パチンコ台Pには台番号Xが設定してあり、ここでは島S1の一端側から連続番号をとり、順次隣接の島S2、S3.・・へ続くようになっている。図1には、説明の便宜のため、パチンコ台Pに1から48の台番号が付してある。
以下、特定の台番号のパチンコ台を指すときにはPXと表示するものとし、ここではXは1〜48の値をとることになる。
【0012】
各ボックスWの長手方向(パチンコ台列方向)外側には、通路の延長線上の天井に監視カメラCが設置されている。監視カメラCはそれぞれパン、チルトにより撮像方向の移動が可能で、ズームも可能である。
監視カメラCにはカメラ番号Kが設定してあり、特定の監視カメラを指すときにはCKと表示し、Kは1〜6の値をとる。すなわち、図1ではC1〜C6として示されている。
監視カメラCは広角視野へズームダウンした状態では、少なくとも対応するボックスWにおける通路両側の島Sのすべてのパチンコ台Pを撮像視野内に包含可能になっている。
すなわち、ボックスW1に対応する監視カメラC1、C4はそれぞれ台番号X=1〜16のパチンコ台PXを撮像可能、ボックスW2に対応する監視カメラC2、C5はそれぞれ台番号X=17〜32のパチンコ台PXを撮像可能、そしてボックスW3に対応する監視カメラC3、C6はそれぞれ台番号X=33〜48のパチンコ台PXを撮像可能である。
さらに、各監視カメラC1〜C6はパチンコ台Pよりも高い天井に位置しているから、対応するボックスW以外のボックスのパチンコ台Pも撮像方向を移動させることにより一部撮像可能となる。
【0013】
各監視カメラCはそれぞれ監視制御装置50に接続され、監視制御装置50からの制御信号により駆動制御されるとともに、撮像信号を監視制御装置50へ出力する。
監視制御装置50は内部に不図示のCPUやメインメモリ52、作業メモリ54を備えるとともに、入力操作部としてテンキーなどのキーボード56、設定スイッチ58、ジョグレバー60およびマウス62を備え、表示部としてのモニタ65を接続している。
監視制御装置50には各パチンコ台Pに付設された不図示の異常センサから不正行為がなされた場合などの異常信号が入力されるようになっている。
【0014】
メインメモリ52には監視プログラムと、各監視カメラCとパチンコ台Pの組み合わせごとにおける前述したパラメータが格納されており、監視プログラムにより平常時は各ボックスWのパチンコ台P全般の撮像画像をモニタ65に同時にあるいは巡回的に表示し、異常信号が入力したときには、対応する監視カメラCを上記のパラメータに基づいてパン、チルトおよびズーム制御して当該異常信号にかかるパチンコ台Pをモニタ65に拡大表示させる。
ここまでの監視カメラCの制御は従来のものと同様である。
【0015】
本実施の形態の監視制御装置50は、上記したパチンコ台Pの状態を監視するための監視表示モードのほかに、監視カメラ制御のためのカメラ情報設定モードを有する。
モードの切り換えは、モニタ65の表示画面内に設定されたメニューからマウス62の操作で選択するか、キーボード56からの入力によって行う。
カメラ情報設定モードでは、メインメモリ52に格納された画像処理プログラムを用いて、各パチンコ台Pについて自動的に監視カメラCのパラメータが決定される。以下、第1の実施例におけるカメラ情報設定モードでの監視制御装置50による制御について説明する。
【0016】
カメラ情報設定に際しては、個別のパチンコ台Pについて複数の監視カメラCを順次制御して行われる。対象のパチンコ台PXの前には、図2に示すように、当該パチンコ台PXを画像内で特定するための識別媒体70が配置される。識別媒体70は例えば直径20cmの球体で、ベース72から延びる脚74の上端に設けられ、ベース72を対象パチンコ台PXの椅子Q上に載置する。ここでは、球体がパチンコ台PXの遊技面の真正面に近接して、不正行為がよくなされる部位に近い高さとなるように設定するのが好ましい。
また、識別媒体(球体)70は画像内で周辺から識別容易なように、表面をパチンコ台に多用される色とできるだけ異なる例えば緑色など識別しやすい色とする。
なお、説明を簡便にするため画像内の識別媒体も同一符号70で表す。
【0017】
図3はカメラ情報設定モードの監視制御装置50における制御のメインフローを示すフローチャートである。
識別媒体70はパチンコ台Pの台番号Xの順に配置されるものとし、カメラ情報設定モードの開始時は台番号X=1のパチンコ台に識別媒体70を配置する。
まずステップ100において、パチンコ台の台番号Xを0に初期設定し、続いてステップ101で台番号Xの値をインクリメントしてカメラ情報設定対象のパチンコ台PX(初回はX=1)を特定する。
ステップ102において、各監視カメラCの撮像画像から対象のパチンコ台PXに配置した識別媒体70を画像処理により検索し、当該識別媒体(の画像)70の画面上の表示が所定の状態となるようにフィードバック制御により各監視カメラCのパラメータ(パン角度、チルト角度およびズーム倍率)を調整する。
【0018】
ステップ103では、各監視カメラCの撮像画像を縮小してモニタ65に一括表示する。
そして、ステップ104において、モニタ65に表示された中から異常発生時の確認用として適切な画像を撮像している監視カメラをメインカメラCMおよびサブカメラCSとして選択させ、そのパラメータをプリセットのカメラ情報として設定する。
これにより、1台のパチンコ台PXについてのカメラ情報設定が完了する。
このあとステップ105において、次のパチンコ台についてさらに監視カメラCのカメラ情報設定を継続するか終了するかを尋ねるメッセージをモニタ65に表示するとともに、ステップ106で「継続」または「終了」の指示が入力されたかどうかをチェックする。継続または終了の指示入力は例えばモニタ65に表示されたボタンをマウス操作で選択するなどにより行える。
【0019】
「終了」が入力された場合は、カメラ情報設定モードが終了し、監視制御装置50は監視表示モードに戻る。
プリセット情報未設定のパチンコ台Pが残っていてカメラ情報設定を継続する場合は、順次に次のパチンコ台PXに識別媒体70を移動配置した上、「継続」を入力する。
「継続」が入力されると、ステップ101へ戻ってステップ104までの処理が繰り返される。これにより、残っているパチンコ台Pがなくなるまで、カメラ情報設定を継続することにより、パチンコ店内の各パチンコ台Pを対象とする監視カメラCのプリセット情報が設定されることになる。
【0020】
図4図5はメインフローにおけるステップ102の詳細を示すフローチャートである。
ステップ200において、カメラ番号Kを0に、撮像不可フラグを0に初期設定し、ステップ201でカメラ番号Kの値をインクリメントしてパラメータ設定対象の監視カメラCK(初回フローではK=1)を選択する。
ステップ202では、選択された監視カメラCKからの撮像画像を取り込んで、画像処理の対象とする。画像はモニタ65に表示される。
【0021】
ステップ203において、撮像画像の画像フレーム(画面)内に識別媒体(の画像)70が含まれているかどうかをチェックする。
識別媒体70はパチンコ台周辺とは異なる形状の球体で、しかも周囲と識別容易な色彩としてあるので、現在のズーム倍率における撮像視野内に識別媒体70が存在すれば、当該識別媒体は容易に抽出される。
画面内に識別媒体70が含まれている場合はステップ209へ進み、画面内に識別媒体70が含まれていない場合はステップ204へ進む。
【0022】
ステップ204では、監視カメラCKを広角視野方向へズームダウンさせ、続いてステップ205において画面内に識別媒体70が含まれているかどうかをチェックする。
画面内に識別媒体70が含まれている場合はステップ209へ進み、画面内に識別媒体70が含まれていない場合はステップ206へ進む。
ステップ206では、監視カメラCKをそれぞれ所定角度単位でパンおよびチルトさせて撮像方向を移動させ、続いてステップ207において画面内に識別媒体70が含まれているかどうかをチェックする。パンおよびチルトの順序、所定角度はあらかじめ設定してある。
パンおよびチルトを行っても画面内に識別媒体70が現れない場合はステップ208へ進む。
ステップ208では、識別媒体70が撮像できなかったことを示す撮像不可フラグを立てて、その後ステップ213へ進む。
画面内に識別媒体70が現れたときは、その時点でパンおよびチルトを停止させてステップ209へ進む。
【0023】
次のステップ209から212ではパラメータの自動調整を行う。
まずステップ209において、識別媒体70の重心が画像フレーム(画面)の中央にあるかどうかをチェックする。
識別媒体70の重心が画面中央にある場合はステップ211へ進む。
識別媒体70の重心が画面中央にない場合はステップ210へ進み、重心が画面中央に位置するように監視カメラCKをパンおよびチルトさせて撮像方向を移動させ、その後ステップ211へ進む。
【0024】
ステップ211では、識別媒体70の画面におけるサイズが所定値であるかどうかをチェックする。ここでの所定値は、パチンコ台Pにおける不正行為部位を確認容易な拡大画像に対応するサイズとし、直径20cmの球体の場合例えば画面高さの1/10に設定するのが好ましい。
識別媒体70のサイズが所定値である場合はステップ213へ進み、識別媒体70のサイズが所定値でない場合はステップ212へ進む。
【0025】
ステップ212では、識別媒体70のサイズが所定値になるように監視カメラCKをズームアップまたはズームダウンさせ、その後ステップ213へ進む。
ステップ213では、画面中央に識別媒体70が所定値のサイズで撮像されるよう調整された監視カメラCKの現在のパラメータ、すなわちパン角度α、チルト角度βおよびズーム倍率γを識別媒体70の検索結果としてカメラ番号Kとセットで作業メモリ54に一時記憶させる。
また、先のステップ208で撮像不可フラグが立てられている場合には、その情報も「パン角度、チルト角度およびズーム倍率」に代わるパラメータとしてカメラ番号Kとセットで一時記憶させる。
このあと、ステップ214において撮像不可フラグを0に再リセットする。
【0026】
ステップ215において、識別媒体70の検索を行っていない監視カメラCが残っていないかどうかをチェックする。
ここでは、図1に示したパチンコ店構成の場合、カメラ番号がK=6に達していないかどうかで判定すればよい。
識別媒体70の検索を行っていない監視カメラCが残っている場合はステップ201へ戻り、次のカメラ番号の監視カメラCK(2回目フローではK=2)を選択して上述のステップ202から214の処理を繰り返す。
すべての監視カメラCについて識別媒体70の検索が完了すると、ステップ215からステップ103へ進む。
【0027】
なお、メインフローにおけるステップ103の撮像画像一括表示に際しては、作業メモリ54をチェックして撮像不可フラグが立っている監視カメラCについては、撮像画像の代わりに「撮像不可」などのメッセージを当該監視カメラに対応する表示領域に表示する。
【0028】
図6はメインフローにおけるステップ104の詳細を示すフローチャートである。
ステップ300では、一括表示された監視カメラCK(K=1〜6)の撮像画像に併せて、モニタ65にメインカメラとサブカメラの選択指示を表示する。
操作者は、モニタ65に一括表示されている撮像画像を比較して、対象のパチンコ台PXに対して不正行為の疑いがある際に当該パチンコ台PXを拡大表示して状況を把握するのに最も適すると判断した撮像画像の監視カメラをメインカメラCMに選択し、次に適すると見られる監視カメラをサブカメラCSとして選択して、キーボード56からそれぞれのカメラ番号K(M)、K(S)を入力する。
ステップ301において、メインカメラCMとサブカメラCSに選択したカメラ番号K(M)、K(S)が入力されたかどうかをチェックし、カメラ番号が入力されるとステップ302へ進む。
【0029】
ステップ302において、入力されたカメラ番号K(M)、K(S)をモニタ65に表示して、確認を求める。
この際、カメラ番号K(M)、K(S)をキーとして、作業メモリ54に一時記憶された現在のパン角度α、チルト角度βおよびズーム倍率γを読み出し、メインカメラCMおよびサブカメラCSの各パラメータ情報として同時にモニタ65に表示することができる。
ステップ303では、確認操作として設定スイッチ58が押された(オン)かどうかをチェックし、設定スイッチ58が押されると、ステップ304においてメインカメラCMおよびサブカメラCSとそれらの上記現在の各パラメータを台番号PXとセットでプリセットのカメラ情報としてメインメモリ52に格納する。
これにより、識別媒体70を配置することにより特定されたパチンコ台PXのためのメインカメラCMおよびサブカメラCSとそのパラメータとを含むカメラ情報設定が完了する。
【0030】
監視表示モードでは、いずれかのパチンコ台PXから異常信号が入力したときに、当該パチンコ台PXに対するカメラ情報(メインカメラCMおよびサブカメラCSとそれぞれの設定パラメータ)をメインメモリ52から読み出して、そのパラメータに基づいて自動的にまずメインカメラCMをパン、チルトおよびズームさせて、当該パチンコ台PXの画像をモニタ65に拡大表示させる。そして、マウス62などを用いた選択操作により、サブカメラCSを設定パラメータに基づいてパン、チルトおよびズームさせた同パチンコ台PXの拡大画像に切り換えることができる。
【0031】
また、監視制御装置50はジョグレバー60を備えているので、メインカメラCMおよびサブカメラCSのいずれにおいても、必要に応じてジョグレバー60を操作することにより、設定パラメータに基づいて自動的に駆動された姿勢を基点として、当該監視カメラの撮像方向あるいはズーム倍率を任意に調整し把握したい部位の状況を詳細に確認することができる。
またメインカメラCMとサブカメラCSによる両撮像画像は、並列にモニタ65の画面に表示させてもよく、あるいは一定時間間隔で交互に切り換え表示するようにしてもよい。
並列に表示する場合にはメインカメラCMの撮像画像をサブカメラCSの撮像画像よりも大サイズとすることもできる。
【0032】
本実施例のカメラ情報設定モードは以上のように構成され、監視カメラCの撮像画像からパチンコ台PXの椅子上に配置した識別媒体70を画像処理により検索し、検索した識別媒体を画面内に含む複数の監視カメラCの撮像画像をモニタ65に表示して異常発生時のパチンコ台確認に適した監視カメラをメインカメラCMおよびサブカメラCSとして操作者に選択させるようにし、当該選択された監視カメラをカメラ情報としてプリセットするものとしたので、モニタ65に表示させる画像の識別媒体検索が自動で行われるため設定作業が容易である。
そして、監視制御装置50に異常信号が入力したときには、当該異常信号にかかるパチンコ台PXに対してプリセットされたメインカメラCMとサブカメラCSが確認用として直ちに選択される。
【0033】
また、監視カメラCの選択は優先順位をつけてメインカメラCMとサブカメラCSを選択させるので、パチンコ台PXの異常発生時に先ずメインカメラCMの撮像画像をモニタ65に表示し、必要に応じてサブカメラCSの撮像画像に表示を切り換えることができ、あるいは同時に表示する場合にもメインカメラCMの画面をサブカメラCSの画面よりも大きく表示することもできる。
【0034】
識別媒体70は、球体としているので撮像方向にかかわらず撮像画像内では把握しやすい円形輪郭をなし、しかもパチンコ台Pとは異なる色としているので、画像処理による検索が容易で、撮像画像内で識別媒体が確実に抽出される。
識別媒体70の検索においては、監視カメラCをパン、チルト、あるいはズームさせて行うので、識別媒体70が監視カメラCの撮像可能範囲に入っている場合には現在の画面で隠れていても確実に抽出される。
検索で抽出された識別媒体70は画面の中央位置に所定のサイズで表示されるように監視カメラCのパラメータが自動調整されるので、手作業で設定する場合より手間と時間が顕著に短縮されるとともに、適切なカメラを選択する際の比較が容易である。
【0035】
上記の識別媒体70の検索、および監視カメラCのパラメータ調整はパチンコ台Pのそれぞれに対して個別に行われるので、カメラ情報設定モードにおける各パチンコ台Pごとの確認に適切な監視カメラCを選択する場合においても、また監視モードにおける異常信号入力時のパチンコ台確認においても、質の高い表示画像が得られる。
【0036】
監視カメラCの選択に際しては、各監視カメラの撮像画像をモニタ65の同一画面に一括表示するので、画像の比較が容易である。
また、一括表示する際、撮像画像内に識別媒体70が検索されなかった監視カメラについては、その旨のメッセージを撮像画像の代わりに表示するので、監視カメラCの選択がより容易となる。
【0037】
なお、カメラ情報設定モードにおける第1の実施例では、ステップ101で台番号Xを1から順番に昇順で設定していくものとし、したがって識別媒体70も島Sの一端のパチンコ台Pから順番に隣接のパチンコ台へ移動させていくことを前提としたが、カメラ情報を設定するパチンコ台Pの順序はこれに限定されず、最大値のパチンコ台の台番号X=48から降順で設定してもよい。さらに、例えば順不同で任意のパチンコ台Pを選択する場合には、台番号Xを昇順や降順で設定する代わりに、ステップ101において操作者に台番号Xを入力させるようにしてもよい。
また台番号Xの設定や入力は、制御の初頭である必要はなく、ステップ304でメインカメラCMおよびサブカメラCSとそのパラメータを含むカメラ情報を台番号Xとセットでメインメモリ52に格納するまでであれば、任意の段階で行うことができる。
さらには、識別媒体を2次元コードが印刷されたシール片とし、当該シール片を遊技機の天井部に貼り付けて識別媒体としてもよい。その場合、2次元コードに台番号等の固有情報が含まれるようにすることにより、監視カメラで読み取るだけで台番号も自動に取得できるので、順次台番号Xに該当する遊技機の所定部位が画面の中央位置に所定のサイズで表示されるように監視カメラCのパラメータを自動調整することができる。
【実施例2】
【0038】
つぎに、第2の実施例について説明する。
第2の実施例はとくにカメラ情報設定モードにおける制御が異なり、パチンコ台Pの配置や使用する識別媒体70は第1の実施例におけるものと同じである。
これは、パチンコ台Pの複数台にわたるパラメータ設定をより簡便にしたものである。
先の第1の実施例では、ステップ102の識別媒体検索を一群のボックスWのパチンコ台Pのすべてについて行ったが、第2の実施例では、各島Sにおいて当該島をなすパチンコ台列のそれぞれ両端をパチンコ台A、Bとするとき、これらパチンコ台AとBのみについて識別媒体検索を実行する。
ここで、島両端のパチンコ台A、Bとは、図1のパチンコ店構成では、島S1では台番号XA=1とXB=8、島S2では台番号XA=9とXB=16、島S3では台番号XA=17とXB=24の各パチンコ台を指す。
そして、パチンコ台A、Bに対する監視カメラCのパラメータを調整する一方、パチンコ台AとBに挟まれた中間のパチンコ台Pに対するパラメータについては、パチンコ台A、Bにかかる調整されたパラメータを基準にして演算により求めるようにした。
【0039】
図7図8は、この第2の実施例によるカメラ情報設定制御のメインフローを示すフローチャートである。
まず島Sの一端に位置するパチンコ台Aに第1の実施例と同様に識別媒体70を配置してから、カメラ情報設定モードに入る。
ステップ400において、パチンコ台Aの台番号XAと当該島Sのパチンコ台Pの総台数Mの入力をモニタ65で要求する。例えば第1の島S1であればXA=1であり、第2の島S2であればXA=9を入力することになり、台数Mはいずれも8である。
そして、ステップ401で台番号XAと台数Mが入力されたかどうかをチェックして、これらの情報が入力されると、ステップ402へ進む。
【0040】
ステップ402では、撮像画像からパチンコ台Aに配置した識別媒体70を画像処理により検索し、当該識別媒体70の画面上の表示が所定の状態となるようにフィードバック制御により各監視カメラCのパラメータ(パン角度、チルト角度およびズーム倍率)を調整する。
このあとステップ403において、パチンコ台B(第1の島S1であればXB=8)に配置した識別媒体70の検索指示を要求し、ステップ404で識別媒体検索の指示が入力されたかどうかをチェックする。
【0041】
操作者がパチンコ台Bに識別媒体70を移動配置したあと、指示が入力されるとステップ405に進んで、パチンコ台Bに配置された識別媒体70を画像処理により各監視カメラCで検索し、当該識別媒体70の画面上の表示が所定の状態となるように各監視カメラCのパラメータを調整する。
上記のステップ402および405での識別媒体検索の詳細は第1の実施例におけるステップ200から208の処理と同じ、パラメータの調整はステップ209から212の処理と同じである。
【0042】
このあと、ステップ406において、各監視カメラCごとにパチンコ台AとBの調整されたパラメータの差分に基づいて、パチンコ台AとBの間に挟まれた中間の各パチンコ台Pに対するパラメータを演算により求める。
次に、ステップ407においてパチンコ台PXの台番号Xとして島Sの一端のパチンコ台Aの台番号XAを設定する。そして、ステップ408において、パチンコ台PXについてのそれぞれ調整されたパラメータによる各監視カメラCの撮像画像を縮小してモニタ65に一括表示する。
【0043】
ステップ409では、モニタ65に表示された撮像画像を比較して、メインカメラCMおよびサブカメラCSを選択させ、そのパラメータとセットでカメラ情報として設定する。
ステップ409の詳細は第1の実施例におけるステップ300から304の処理と同じである。
このあと、ステップ410において、パチンコ台PXの台番号Xが島Sの他端のパチンコ台Bの台番号XBに達しているかどうかをチェックする。台番号XBは、ステップ401で入力された台番号XAと台数Mとから算出できる。
【0044】
台番号XがXBに達していない場合はステップ411に進んで、台番号Xをインクリメントした上でステップ408へ戻る。これを繰り返すことにより島S内の各パチンコ台PXの撮像画像が順次に表示され、各パチンコ台に対するメインカメラCMとサブカメラCSの選択とプリセット情報の設定が可能となる。
台番号XAとXBに挟まれる台番号Xのパチンコ台PXについては、ステップ408において表示される撮像画像は各監視カメラCKをステップ406で演算により求めたパラメータに制御したものである。
ステップ410のチェックで台番号XがXBに達すると、1つの島Sについてのプリセット情報の設定が完了する。このあとはステップ412へ進む。
【0045】
ステップ412では、次の島Sのパチンコ台Pについてさらに監視カメラCのカメラ情報設定を継続するか終了するかを尋ねるメッセージをモニタ65に表示するとともに、ステップ413で継続または終了の指示が入力されたかどうかをチェックする。
「終了」が入力された場合は、カメラ情報設定モードが終了し、監視制御装置50は監視表示モードに戻る。
プリセット情報未設定の島Sが残っていてカメラ情報設定を継続する場合は、次の島Sの一端に位置するパチンコ台A(ステップ410におけるXBが8であれば、島S2の台番号XA=9)に識別媒体70を移動配置した上、「継続」を入力する。
「継続」が入力されると、ステップ400へ戻って上述の処理が繰り返される。これにより、残っているパチンコ台Pがなくなるまで、各島Sについてカメラ情報設定を継続することにより、パチンコ店内の各パチンコ台Pを対象とする監視カメラCのプリセット情報が設定されることになる。
【0046】
つぎに、ステップ406のパラメータ演算の詳細について説明する。
1つの監視カメラCKについて、パチンコ台Aに対するプリセットされたパラメータを、パン角度αA、チルト角度βA、ズーム倍率γAとし、パチンコ台Bに対するプリセットされたパラメータを、パン角度αB、チルト角度βB、ズーム倍率γBとする。
島Sのパチンコ台の総数がMのとき、両端のパチンコ台AとBの間は各パチンコ台によって(M−1)分割されている。
そこで、パチンコ台AとBに挟まれたパチンコ台Pのパラメータについては、パチンコ台AとBのパラメータ値の間を比例分割したものとする。
【0047】
すなわち、両端間の差分を分割したパラメータ単位は、パン角度については(αB−αA)/(M−1)、チルト角度は(βB−βA)/(M−1)、ズーム倍率は(γB−γA)/(M−1)である。
したがって、パチンコ台Aに隣接する(すなわち一端から2番目の)パチンコ台に対するパン角度はαA+(αB−αA)/(M−1)、チルト角度はβA+(βB−βA)/(M−1)、ズーム倍率はγA+(γB−γA)/(M−1)となる。
さらに3番目のパチンコ台に対しては、パン角度はαA+2(αB−αA)/(M−1)、チルト角度はβA+2(βB−βA)/(M−1)、ズーム倍率はγA+2(γB−γA)/(M−1)となる。
【0048】
図9は、以上を基にしたパチンコ台AとBに挟まれたパチンコ台Pに対するパラメータ演算の処理を示すフローチャートである。
ステップ500において初期設定としてカメラ番号Kを0とし、パチンコ台の台番号XをXAとする。
そして、ステップ501でカメラ番号Kをインクリメントし、ステップ502において、パラメータにパチンコ台A(台番号XA)の値を設定する。
パン角度 α=αA
チルト角度 β=βA
ズーム倍率 γ=γA
【0049】
ステップ503において、台番号Xをインクリメントする。したがって初回のフローではX=XA+1、すなわち一端から2番目のパチンコ台が対象となる。
ステップ504では、
パン角度 α=α+(αB−αA)/(M−1)
チルト角度 β=β+(βB−βA)/(M−1)
ズーム倍率 γ=γ+(γB−γA)/(M−1)
によりパラメータの演算を行う。
ステップ505において、この演算されたパラメータをカメラ番号Kおよび台番号Xとセットで作業メモリ54に一時記憶する。
【0050】
このあと、ステップ506で、台番号XがXB−1に達しているかどうかをチェックする。XB−1=XA+M−2である。
台番号XがXB−1に達していない間は、ステップステップ503へ戻る。これにより、対象が順次隣接のパチンコ台PXに移り、パラメータは前述の差分を分割したパラメータ単位ずつ付加されて変化することになる。
ステップ506のチェックで台番号XがXB−1に達すると、ステップ507において、パチンコ台AとBに挟まれたパチンコ台PXに対するパラメータ演算を行っていない監視カメラCが残っているかどうかをチェックする。
【0051】
演算を行っていない監視カメラCが残っている場合は、ステップ501へ戻ってカメラ番号Kをインクリメントし、次の監視カメラについて上述のフローを繰り返す。
残る監視カメラCがなくなるとパラメータの演算処理は完了する。
島Sの両端のパチンコ台A、Bおよびその間に挟まれたパチンコ台Pのすべてに対して、それぞれカメラ番号Kとセットでパラメータが作業メモリ54に記憶されるから、ステップ407や411で設定されたパチンコ台PXに対する各監視カメラCKのパラメータを作業メモリ54から読み出すことにより、ステップ408の撮像画像一括表示が実行される。
【0052】
本実施例のカメラ情報設定モードにおいても、先ずは監視カメラCKの撮像画像からパチンコ台PXの椅子上に配置した識別媒体70を画像処理により自動で検索し、その結果を利用して複数の監視カメラCの撮像画像をモニタ65に表示して、異常発生時のパチンコ台確認に適した監視カメラをメインカメラCMおよびサブカメラCSとして操作者に選択させるようにし、当該選択された監視カメラをカメラ情報としてプリセットするものとしたので、第1の実施例と同様に、設定作業が容易である。
【0053】
識別媒体70は、球体とし、さらにパチンコ台Pとは異なる色としているので、画像処理による検索が容易で、撮像画像内で識別媒体が確実に抽出される。
1列に並んだ島Sの両端のパチンコ台A、Bにかかる識別媒体70の検索においては、監視カメラCをパン、チルト、あるいはズームさせて行うので、識別媒体70が監視カメラCの撮像可能範囲に入っている場合には現在の画面で隠れていても確実に抽出される。
検索で抽出された識別媒体70は画面の中央位置に所定のサイズで表示されるように監視カメラCのパラメータが自動調整されるので、手作業で設定する場合より手間と時間が顕著に短縮されるとともに、適切なカメラを選択する際の比較が容易である。
【0054】
そして、監視カメラの選択に際しては、各監視カメラCの撮像画像をモニタ65の同一画面に一括表示するので、画像の比較が容易である。
また、一括表示する際、撮像画像内に識別媒体70が検索されなかった監視カメラについては、その旨のメッセージを撮像画像の代わりに表示するので、監視カメラの選択がより容易となる。
【0055】
一方、本実施例ではとくに、島Sの両端のパチンコ台A、Bに挟まれた中間のパチンコ台Pに対する監視カメラCのパラメータは、両端のパチンコ台A、Bに対して調整された監視カメラCのパラメータに基づく演算で求めるものとしたので、識別媒体70の検索から適切な監視カメラの選択まで短時間で処理される。
中間のパチンコ台Pに対するパラメータ演算は、島S両端のパチンコ台A、Bに対するパラメータの値の間を島Sのパチンコ台の台数Mに従った比例分割によるものとしたので、単純な演算処理により演算負荷が小さくて済むという利点を有する。
中間のパチンコ台Pに対するパラメータの演算処理としては、比例分割のほかにも、例えばズームの度合いに基づいて監視カメラから識別媒体の距離を把握し、その距離と角度に基づいてパチンコ台A、Bの間に位置するパチンコ台についてパラメータを演算するようにしてもよい。
なお、パチンコ台A、Bに対する監視カメラのパラメータ設定は識別媒体を用いて行ったが、手作業で監視カメラを動かしてパチンコ台A、Bに対するパラメータを設定してもよい。
【0056】
なお、第1、第2の実施例を含む実施の形態では、監視カメラCが6台であるからモニタ65に全監視カメラCの撮像画像を表示できるが、監視カメラCの台数がさらに多数となり一括表示では個々の撮像画像が小さくなり過ぎて後述する比較が困難となる場合には、同時に表示する撮像画像数を抑えて画面を切り換えるようにしてもよい。
もっとも、現在対象としているパチンコ台PXが属するボックスWから遠く離れたボックスに対応する監視カメラCからは対象パチンコ台PXを撮像することが実質困難となるから、監視カメラCの設置状況に応じて、検索対象とすべき監視カメラCの数はその撮像画像をモニタ65に一括表示可能な範囲に絞ることができる。
また、識別媒体は撮像画像内での輪郭形状が変わらない点で球体が最も好ましいが、必要に応じて立方体等の別の形状としてもよい。
【実施例3】
【0057】
つぎに、第3の実施例を説明する。これはあらかじめ準備されたパチンコ台配置の地図情報を基に監視カメラのカメラ情報を設定するようにしたものである。この実施例では、識別媒体を用いずに、演算により対象のパチンコ台を画面内で所定のサイズで所定位置に位置させるように監視カメラのパラメータを設定する。
カメラ情報設定モードにおける制御のほかは第1の実施例の構成と同じである。
図10の(a)は第3の実施例におけるパチンコ台Pおよび監視カメラCの配置を示す地図例である。(b)はパチンコ台Pの正面図である。
この地図ではパチンコ台および監視カメラの平面配置がx−y座標上に示されている。監視カメラCはx−y座標の原点に位置してはいないが、監視カメラCとパチンコ台Pの各位置が読み取れる。
【0058】
監視カメラCとパチンコ台P間の距離は、
x=x(i)−x(C)
y=y(i)−y(C)
で求められる。
ただし、iは台番号Xに対応し、x(i)は上記座標におけるパチンコ台PXの遊技盤中央Jのx方向位置、y(i)はそのy方向位置であり、x(C)およびy(C)は監視カメラのx方向位置およびy方向位置である。
この計算はカメラ情報設定モードにおいて監視制御装置50において行わせてもよく、あるいは入力用データとしてあらかじめ準備しておいてもよい。
地図情報には、後述するような、天井に設置された監視カメラCのフロア100からの高さH、遊技盤のサイズ(直径)Dや高さBも含まれている。なお、パチンコ台の仕様はほぼ統一されているので、DやBは地図情報から外してあらかじめメインメモリ52に格納してあってもよい。
【0059】
図11の(a)には、島Sを形成するパチンコ台Pの並びを横方向にして、監視カメラCとパチンコ台Pの遊技盤中央J間の横方向距離x、監視カメラCと遊技盤10前面間の縦方向距離yを示している。
ここでは、台番号Xのパチンコ台PXに対するパン角度αを、パチンコ台の並びと平行のx方向からの値とする。
監視カメラCからパチンコ台の遊技盤中央Jまでの平面距離fは、
f=(x+y1/2
となる。
パン角度αは、
α=cos(x/f)=cos(x/(x+y1/2
で表される。
上下方向においては、図11の(b)に示すように、パチンコ台PXの遊技盤中央Jのフロア100からの高さをBとすれば、監視カメラCから遊技盤中央Jまでの高さ方向距離hは、
h=H−Bで求められる。
そして、チルト角度βは、
β=tan(h/f)
となる。
【0060】
つぎに、モニタ65に表示される遊技盤10が画面の上下サイズの1/3の大きさとなるように監視カメラCのズーム倍率を求める。
円形の遊技盤10の直径をD(図10の(b)も参照)、監視カメラCの上下方向撮像画角をズーム倍率0%(広角端)でU(°)、ズーム倍率100%(望遠端)でV(°)とする。
監視カメラCからパチンコ台PXの遊技盤中央Jまでの実距離mは、
m=(f+h1/2=(x+y+h1/2
監視カメラCのズーム倍率γ(%)のときの上下方向撮像画角δは、
δ=V+(U−V)(100−γ)/100
となる。
【0061】
撮像画角δの実距離mにおける上下方向サイズGは、
G=2(m・tan(δ/2))
一方、監視カメラCから見下ろした遊技盤10の上下サイズは
D’=D・cosβ
である。
そして、D’=G/3とするから、
tan(δ/2)=G/(2m)=3D’/(2m)=3D・cosβ/(2m)
したがって、
δ=2tan(3D・cosβ/(2m))
=V+(U−V)(100−γ)/100
これから、
γ=100−100(2tan(3D・cosβ/(2m))−V)/(U−V)
となる。
【0062】
以上の演算により、パチンコ台配置の地図情報から監視カメラCのパチンコ台PXに対するパラメータとしてパン角度α、チルト角度βおよびズーム倍率γを求めることができる。
例として、監視カメラCのズーム範囲が、ズーム倍率0%(広角端)で例えば上下方向撮像画角90°、ズーム倍率100%(望遠端)で3°として、x=3m、y=2m、H=3.5m、B=1.2m、D=0.5mの場合には、
h=H−B=3.5−1.2=2.3(m)
f=(x+y1/2=(3+21/2=3.6(m)
m=(x+y+h1/2=(3+2+2.31/2=4.3(m)
α=cos(x/(x+y1/2)=cos(0.832)=34(°)
β=tan(h/f)=tan(2.3/3.6)=tan(0.639)
=33(°)
γ=100−100(2tan(3D・cosβ/(2m))−V)/(U−V)
=100−100(2tan(3×0.5×0.839/(2×4.3))−3)
/(90−3)
=85(%)
が得られる。
【0063】
x=8mの場合には、
f=(8+21/2=8.2(m)
m=(8+2+2.31/2=8.6(m)
α=cos(x/(x+y1/2)=cos(0.970)=14(°)
β=tan(h/f)=tan(2.3/8.2)=tan(0.280)
=16(°)
γ=100−100(2tan(3D・cosβ/(2m))−V)/(U−V)
=100−100(2tan(3×0.5×0.961/(2×8.6))−3)
/(90−3)
=92(%)
が得られる。
【0064】
地図として図10には1つの島Sと1つの監視カメラCの配置を示したが、1つの監視カメラCが対応する島Sあるいは島を向かい合わせたボックスWが複数ある場合や、1つの島SやボックスWに対して複数の監視カメラCが設置される場合には、それらを網羅すべく監視カメラCごとに対応する各パチンコ台Pの配置(位置)データを用いて上記の演算を繰り返せばよいが、限定した範囲に絞ってパラメータを求めるのが現実的である。
【0065】
図12図13は本実施例におけるカメラ情報設定モードにおける監視制御装置50による制御を示すフローチャートである。
第1および第2の実施例と同様のモード切り換えによりカメラ情報設定モードに入ると、先ずステップ600において、監視カメラCの仕様入力をモニタ65で要求する。
操作者はズーム倍率と撮像画角にかかる仕様データをキーボード56から入力する。
ステップ601で監視カメラCの仕様データが入力されたかどうかをチェックして、データが入力されると、ステップ602へ進む。
ステップ602において、監視カメラCのカメラ番号Kと、当該監視カメラCKとの配置関係にかかる地図情報の入力を同様にモニタ65で要求する。
操作者は地図情報としてx、y、H、B、D等のデータをキーボード56から入力する。H、B、Dなど固定的なデータはあらかじめ設定されていてもよく、その場合には、地図情報としては各パチンコ台Pのx、yのデータ入力だけで済む。
入力データは作業メモリ54に格納される。
【0066】
ステップ603でカメラ番号Kと地図情報が入力されたかどうかをチェックして、これらの情報が入力されると、ステップ604へ進んでパチンコ台PXの台番号をX=1とする。
そしてステップ605において、上述した演算によりパチンコ台PXに対するパラメータα、β、γを求めて、作業メモリ54に格納する。
ステップ606において、パラメータ演算を行っていないパチンコ台PXが残っているかどうかをチェックし、残っている場合はステップ607へ進み、残っていない場合はステップ608へ進む。
ステップ607ではパチンコ台PXの台番号Xをインクリメントして、ステップ605へ戻る。
【0067】
ステップ605を繰り返してすべてのパチンコ台PXに対するパラメータの演算が完了すると、ステップ606からステップ608へ進んで、モニタ65に「次の監視カメラについてパラメータを演算しますか?」のメッセージとともに「YES」および「NO」のボタンを表示して、選択入力を要求する。
ステップ609では、選択入力が行われたかどうかをチェックする。
「YES」が選択されたときは、ステップ602へ戻って、ステップ607までの処理を繰り返す。
「NO」が選択されたときは、ステップ610でパチンコ台PXの台番号をX=1にして、ステップ611へ進む。
【0068】
ステップ611では、パチンコ台PXについてそれぞれ各監視カメラCの演算されたパラメータに基づく撮像画像を縮小してモニタ65に一括表示する。
そして、ステップ612において、モニタ65に表示された中から異常発生時の確認用として適切な画像を撮像している監視カメラをメインカメラCMおよびサブカメラCSとして選択させ、そのパラメータをプリセットのカメラ情報として設定し、メインメモリ52に格納する。
これにより、1台のパチンコ台PXについてのカメラ情報設定が完了する。
次のステップ613において、メインカメラCMおよびサブカメラCSの選択を行っていないパチンコ台PXが残っているかどうかをチェックする。
選択未処理のパチンコ台PXが残っている場合には、ステップ614でパチンコ台PXの台番号Xをインクリメントしてステップ611へ戻り、残っていなければ本制御処理を終了する。
【0069】
第3の実施例は以上のように構成され、パチンコ台配置の地図情報に基づいて演算により監視カメラCのパチンコ台Pに対するパラメータを求めるので、識別媒体70をパチンコ台Pの前に配置するなどの作業が不要となる点で、とくにパラメータのプリセットが簡便となる。
【0070】
なお、ステップ609のチェックで「YES」が選択されたとき、複数の監視カメラCの仕様が同一であることを前提に、ステップ602へ戻るものとしたが、監視カメラCごとに仕様が異なる場合にはステップ602の代わりにステップ600へ戻るようにすればよい。
また、本実施例では地図情報における平面配置がx−y座標上で各パチンコ台Pの位置(x(i),y(i))が読み取れる地図として与えられるものとしたが、地図情報として監視カメラCに対する島Sの方向および一端のパチンコ台PAの位置と、台数のみが与えられた場合には、パチンコ台Pの幅をtとして一端のパチンコ台PAの位置に順次tを加算する演算を監視制御装置50に行わせればよい。
地図情報としてはさらに、平面配置のみでなく、遊技盤中央Jや監視カメラCの高さを含めたx−y−zの3次元座標で与えられてもよい。
【0071】
次に、第3の実施例における変形例として、他のパチンコ台配置を示す地図例を図14に示す。
円弧状の囲い壁20に沿って内側に5台のパチンコ台Pが並べられて島S1’、S2’が形成され、2つの島を通路30を挟んで互いに対向させて平面形が円をなすボックスW’を形成している。これにより、1つのボックスW’は全部で10台のパチンコ台Pを備えることになる。パチンコ店内にはこのようなボックスW’を複数設けてある。
各島S1’、S2’におけるパチンコ台Pは等間隔に配置され、両端のパチンコ台P1およびP5、P6およびP10は通路30の出入口端に位置させてある。
【0072】
各パチンコ台Pには台番号Xが設定してあり、島S1’の一端側から連続番号をとり、隣接の島S2’へ続くようになっている。図14には、説明の便宜のため、パチンコ台Pに1から10の台番号が付してある。
ここでは、監視カメラCはボックスW’の中央天井に設置され、当該ボックスW’のパチンコ台Pのみを撮像対象とするものとする。
地図情報として、パチンコ台P1、P5の角度位置Φ1、Φ5、パチンコ台P6、P10の角度位置Φ6、Φ10、監視カメラCから遊技盤10前面までの平面距離(半径)fが示され、監視カメラCのフロア100からの高さHが与えられている。ただし、角度位置は図14において監視カメラCを通り、通路30に沿った直線からの値とする。
【0073】
図15に示すパチンコ台Pの角度間隔θは、島S1’のパチンコ台の台数をMとして、
θ=|Φ1−Φ5|/(M−1)
島S2’では
θ=|Φ6−Φ10|/(M−1)
パン角度αは島S1’における台番号Xのパチンコ台PXに対して、
α(S1’)=Φ1+θ・(X−1)
島S2’においては
α(S2’)=Φ6+θ・(X−6)
で表される。
パチンコ台Pの遊技盤中央Qのフロア100からの高さをBとすれば、監視カメラCから遊技盤中央Qまでの高さ方向距離hは、
h=H−B
そして、チルト角度βは、
β=tan(h/f)
となる。
【0074】
監視カメラCからパチンコ台Pの遊技盤中央Qまでの実距離mは、
m=(f+h1/2
これらの関係は図11の(b)に示したものと同一である。
モニタ65に表示される遊技盤10を画面の上下サイズの1/3の大きさとするため、実施例と同様に、
γ=100−100(2tan(3Dcosβ/2m)−V)/(U−V)
が求められる。ただし、Dは遊技盤10の直径、Uはズーム倍率0%時の監視カメラCの上下方向撮像画角、Vはズーム倍率100%時の上下方向撮像画角である。
【0075】
例示として、H=4m、B=1.2m、D=0.5m、Θ1=30°、Θ5=150°、Θ6=−150°、Θ10=−30°、f=4mの場合には、
島S1’のパチンコ台P2に対しては、
θ=|30−150|/(5−1)=30(°)
h=4−1.2=2.8(m)
m=(4+2.81/2=4.9(m)
α=30+30×(2−1)=60(°)
β=tan(2.8/4)=35(°)
監視カメラCのズーム倍率0%で撮像画角90°、ズーム倍率100%で3°として、
γ=100−100(2tan(3×0.5cos35°/(2×4.9)−3)
/(90−3)
=87(%)
島S2’のパチンコ台P8に対しては、
θ=|−150−(−30)|/(5−1)=30(°)
α=−150+30×(8−6)=−90(°)
【0076】
島S1’とS2’は平面上監視カメラCに関して対称であり、またパチンコ台の台番号Xによって変化するのはパン角度αのみである。したがってこの変形例ではチルト角度βおよびズーム倍率γはそれぞれすべて同一値となる。これにより、パチンコ台P1〜P10に対する演算結果は図16に示されるものとなる。
【0077】
以上のようなボックスW’が複数ある場合には、図12のフローチャートのステップ600〜609が実行され、ボックスW’ごとにステップ602〜607が繰り返されることになる。
なお、この変形例ではパチンコ台Pの配置が監視カメラCに関して対称となっているため、演算が簡単なものとなったが、1つのボックスW’に対して複数の監視カメラCを設置するなどして対称性がない場合には、各パチンコ台Pのx−y座標を求めて実施例の演算を用いればよく、メインカメラ、サブカメラの選択も行うことができる。
【0078】
実施の形態は遊技場に設置された遊技機としてパチンコ台Pに対する監視システムに適用した例を示したが、パチンコ台Pは特定のパチンコ台に限定されず、例えば、特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ台や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ台、他の役物を備えたパチンコ台、アレンジボール機、雀球等、弾球式の遊技機を設置した遊技場において実施するようにしてもよい。あるいはスロットマシンを設置した遊技場が対象でもよい。
また、弾球式でない遊技機、例えば、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部および取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ台とスロットマシンとが融合された遊技機として実施するようにしてもよい。
【0079】
以下、上述した実施の形態から抽出される発明の特長を、必要に応じて効果等とともに示す。
(1)遊技場内の遊技機を撮像可能に複数の監視カメラを配置して、各遊技機の画像を得る監視システムにおいて、
前記監視カメラの撮像画像から遊技機に対して一定の位置関係に配置した識別媒体を画像処理により検索する識別媒体検索手段と、
該識別媒体検索手段により検索された前記識別媒体を画面内に含む各監視カメラの撮像画像をモニタに表示して、複数の中から所定の監視カメラを選択させる選択手段と、
選択された前記所定の監視カメラを前記識別媒体で特定された遊技機の確認に使用するカメラとしてプリセットするカメラ情報設定手段とを有することを特徴とする監視システム。
1つの遊技機を撮像可能な複数の監視カメラから当該遊技機に対して適切なカメラがあらかじめ設定されるので、遊技機にかかる異常発生時に上記設定された監視カメラで迅速に当該遊技機の画像が得られる。そして、選択のためモニタに表示させる画像の識別媒体検索が自動で行われるので、設定が容易である。
【0080】
(2)前記識別媒体検索手段は、前記監視カメラのパラメータを変化させて前記識別媒体を検索することを特徴とする(1)に記載の監視システム。
パン、チルト、あるいはズーム倍率などを制御することにより現在の画面から隠れている識別媒体も確実に抽出される。
(3)前記識別媒体検索手段により検索された前記識別媒体を画面内で所定のサイズで所定位置に位置させるように前記監視カメラのパラメータを調整するパラメータ調整手段を有し、
前記カメラ情報設定手段は前記パラメータ調整手段で調整されたパラメータを前記選択された所定の監視カメラとセットのカメラ情報として設定することを特徴とする(1)または(2)に記載の監視システム。
統一した画面構成で遊技機をモニタに表示するように監視カメラのパラメータが自動的に調整されてプリセットされるので、手作業で設定する場合より手間と時間が顕著に短縮される。そして、適切なカメラを選択する際の比較も容易である。
【0081】
(4)前記識別媒体検索手段は各遊技機に対して前記識別媒体を検索し、
前記パラメータ調整手段は前記遊技機のそれぞれについて前記監視カメラのパラメータを調整することを特徴とする(3)に記載の監視システム。
識別媒体が統一された態様で表示されるように監視カメラのパラメータが各遊技機に対して個別に調整されるから、カメラ選択においても、異常状態の遊技機確認においても質の高い表示画像が得られる。
【0082】
(5)前記遊技機が1列に並んだ島について、
前記識別媒体検索手段は前記島の一端および他端の遊技機に対して前記識別媒体を検索し、
前記パラメータ調整手段は前記島の一端および他端の遊技機に対して前記監視カメラのパラメータを調整するものとし、
さらに、前記パラメータ調整手段により調整されたパラメータに基づいて、前記島の一端および他端の遊技機に挟まれる遊技機に対する前記監視カメラのパラメータを演算する中間パラメータ演算手段を有して、
前記島の一端および他端の遊技機に挟まれる遊技機に対しては、
前記選択手段は、監視カメラのそれぞれ前記中間パラメータ演算手段で演算されたパラメータによる撮像画像をモニタに表示し、
前記カメラ情報設定手段は前記演算されたパラメータを前記選択された所定の監視カメラとセットのカメラ情報として設定することを特徴とする(3)に記載の監視システム。
監視カメラのパラメータ調整が島両端の遊技機だけに対して行われ、他の遊技機に対しては演算でパラメータが決定されるので、識別媒体の検索から適切な監視カメラの選択まで短時間で処理される。
【0083】
(6)前記中間パラメータ演算手段は、前記島の一端および他端の遊技機に対するパラメータの値の間を当該島の遊技機の台数に従って比例分割して、前記一端および他端の遊技機に挟まれる遊技機に対するパラメータを算出することを特徴とする(5)に記載の監視システム。
単純な演算処理のため、演算負荷が小さくて済む。
【0084】
(7)前記選択手段は、各監視カメラの前記撮像画像を前記モニタに一括表示することを特徴とする(1)から(6)のいずれか1に記載の監視システム。
各監視カメラの撮像画像が一括表示されるので、同一画面での画像の比較により、異常発生時の遊技機の確認に適切な監視カメラの選択が容易である。
(8)前記撮像画像の一括表示において、撮像画像内に前記識別媒体が検索されなかった監視カメラについては、その旨のメッセージを撮像画像の代わりに表示することを特徴とする(7)に記載の監視システム。
識別媒体が検索されなかったことは当該識別媒体が配置された遊技機も有意義には撮像されなかったことであり、メッセージの表示により比較の対象から外すことができるので、監視カメラの選択がより容易となる。
【0085】
(9)前記選択手段は、複数の監視カメラの中から所定の優先順位をつけてメインカメラとサブカメラを選択させることを特徴とする(1)から(8)のいずれか1に記載の監視システム。
遊技機の異常発生時に先ずメインカメラの撮像画像をモニタに表示し、必要に応じてサブカメラの撮像画像に表示を切り換えることができる。あるいは同時に表示する場合にもメインカメラの画面をサブカメラの画面よりも大きく表示することができる。
【0086】
(10)遊技機に対して配置する前記識別媒体が球体であることを特徴とする(1)から(9)のいずれか1に記載の監視システム。
所定サイズの球体を遊技機正面の椅子などに載置することにより、画像処理による検索が容易で、撮像画像内で識別媒体が確実に抽出される。
(11)前記識別媒体の外表面色が遊技機と異なる色であることを特徴とする(1)から(10)のいずれか1に記載の監視システム。
識別媒体の色が背景の遊技機と異なることにより、撮像画像内での検索がとくに容易となる。
【0087】
(12)遊技場内の遊技機を撮像可能に監視カメラを配置して、各遊技機の画像をモニタに表示する監視システムにおいて、
前記監視カメラと各遊技機の配置関係を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、
前記位置情報に基づいて、遊技機に対する監視カメラのパラメータを演算するパラメータ演算手段と、
該パラメータ演算手段で演算されたパラメータを遊技機の確認に使用する監視カメラのカメラ情報として設定するカメラ情報設定手段とを有することを特徴とする監視システム。
遊技機をモニタに表示する監視カメラのパラメータが自動的に演算されて設定されるので、遊技機にかかる異常発生時に上記パラメータで迅速に当該遊技機の画像が得られる。
パラメータは遊技機の配置を示す位置情報に基づいて演算されるので、少ない手間と時間で実現される。
【0088】
(13)前記地図情報における前記監視カメラと遊技機の平面配置がx−y座標で与えられることを特徴とする(12)に記載の監視システム。
(14)前記遊技機の平面配置が監視カメラを中心とする円弧上であり、
前記地図情報における前記遊技機の平面配置が前記監視カメラからの半径と角度位置で与えられることを特徴とする(12)に記載の監視システム。
(15)前記パラメータは遊技機の遊技盤を画面内で所定のサイズで所定位置に位置させるものであることを特徴とする(12)から(14)のいずれか1に記載の監視システム。
【0089】
(16)前記(1)から(15)のいずれかにおいて、遊技場に設置される遊技機がパチンコ台であることを特徴とする監視システム。なかでも、パチンコ台の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0090】
(17)前記(1)から(15)のいずれかにおいて、遊技場に設置される遊技機がスロットマシンであることを特徴とする監視システム。なかでも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0091】
(18)前記(1)から(15)のいずれかにおいて、遊技場に設置される遊技機がパチンコ台とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする監視システム。なかでも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0092】
実施の形態ではパチンコ台が発明における遊技機に該当する。
カメラ情報設定モードにかかる第1の実施例においては、フローチャートに示したステップ200から207の処理機能が発明における識別媒体検索手段を構成し、ステップ209から212の処理機能がパラメータ調整手段を構成している。
そして、ステップ103およびステップ300〜303の処理機能が選択手段を構成し、ステップ304の処理機能がカメラ情報設定手段を構成している。
【0093】
また第2の実施例においては、島両端のパチンコ台A、Bについてステップ402および405で引用する第1の実施例におけるステップ200〜207の処理機能が発明における識別媒体検索手段を構成し、同じくステップ402および405で引用するステップ209から212の処理機能がパラメータ調整手段を構成している。
パチンコ台A、Bに挟まれたパチンコ台についてのステップ500〜507の処理機能が中間パラメータ演算手段を構成している。
そして、ステップ408およびステップ409で引用する第1の実施例におけるステップ300〜303の処理機能が選択手段を構成し、同じくステップ304の処理機能がカメラ情報設定手段を構成している。
【0094】
第3の実施例においては、地図情報が発明における位置情報に該当し、作業メモリ54が位置情報記憶手段に該当する。また、ステップ604〜607の処理機能がパラメータ演算手段を構成し、ステップ608〜614の処理機能がカメラ情報設定手段を構成している。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、監視カメラを用いた遊技場の監視システムにおいて、監視カメラのプリセットに適用してとくに有用である。
【符号の説明】
【0096】
10 遊技盤
20 囲い壁
30 通路
50 監視制御装置
52 メインメモリ
54 作業メモリ
56 キーボード
58 設定スイッチ
60 ジョグレバー
62 マウス
65 モニタ
70 識別媒体
100 フロア
C1、C2、C3、C4、C5、C6 監視カメラ
J 遊技盤中央
P、PX パチンコ台
Q 椅子
S1、S1’、S2、S2’、S3、S4、S5、S6 島
W1、W2、W3、W’ ボックス
図1
図2
図3
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