(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一方面が印字面で他方面が粘着層を有する貼付面である台紙レスラベルロールを用いた従来の台紙レスラベル貼付装置は、台紙レスラベルロールからラベル用紙を引き出し、オートカッター(切断手段)で所定長さの枚葉状の台紙レスラベルを切断した後、その台紙レスラベルを発行口前方に設けた保持手段で保持し、該保持手段に保持された台紙レスラベルを貼付手段で受け取って対象物(包装物)の外面に貼付している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、台紙レスラベルロールからラベル用紙32を引き出し、オートカッター31(固定刃と上下動する可動刃で構成されたカッター装置が一般的)で所定長さの枚葉状の台紙レスラベルを切断形成した時、カッター(可動刃)の切断衝撃及び切り離し時の反動(可動刃の切断動作によって反ったラベル端部が元に戻ろうとする跳ね返り)等によって、切断された台紙レスラベルがラベル発行方向(送出方向)へ飛翔し(
図9(a)参照)、前記保持手段の所定位置(適切な位置)に保持することができない場合が有り、その結果、貼付手段による対象物へのラベル貼付は前記ずれた状態、或いは傾いた状態のまま貼付されることになり、ラベルの貼付位置が設定位置に対し不揃いになるという問題がある。
【0004】
また、前記台紙レスラベルロールのラベル用紙32における印字面とは反対側の貼付面には粘着層が形成されている為、オートカッター31でラベル用紙を切断した場合、前記粘着層の糊がカッターに付着する等の影響によって、切断された台紙レスラベルがある箇所を支点としてスキュー(水平旋回)し(
図9(b)参照)、その結果、切断された台紙レスラベルは保持手段上にスキューした状態で保持され、対象物へのラベル貼付位置が設定位置に対しズレ、不揃いになるという問題がある。
【0005】
また、前記台紙レスラベルのサイズは、通常サイズ(縦40mm×横60mm)のラベル(前記縦はラベル送出方向)より縦横サイズが小さなラベルを使用する場合もあり、このような時には、切断された台紙レスラベルの送出方向と直交する該台紙レスラベルの幅方向両端部側を保持する保持手段の保持位置を前記縦横サイズが小さなラベルの横サイズに合わせて位置調整する必要がある。しかしながら、前記保持手段の保持位置の調整を怠ってしまうと、切断発行された台紙レスラベルが保持されない場合があり、貼付手段は受け取るラベルが保持手段に保持されていないために台紙レスラベルを対象物に貼付できないという問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、台紙レスラベル用紙から所定長さの枚葉状の台紙レスラベルに切断した
時の影響を受けることなく、貼付手段が切断後の台紙レスラベルを正しい姿勢で保持でき、対象物に正しい向きと位置に台紙レスラベルを貼付することができるラベル貼付装置
、包装装置及びラベル貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために本発明のラベル貼付装置は、一方面
が粘着層を有する貼付面である台紙レスラベルロールからラベル用紙を
送出し所定
長の枚葉状のラベルに切断し発行するラベル発行部と、該ラベル発行部から発行された台紙レスラベルを対象物に貼付する貼付手段とを備えたラベル貼付装置において、前記ラベル発行部は
、前記送出された台紙レスラベル用紙の送出方向上流側端部を切断する切断手段と、
前記切断手段で切断された枚葉状の台紙レスラベルを保持する保持手段と、前記貼付手段が、前記保持手段直上の受取位置に位置したことを検出する検出手段と、前記切断手段の動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、
前記検出手段の検出結果に基づいて前記切断手段を、前記貼付手段が前記ラベル発行部から送出される台紙レスラベルを受け取るタイミングで動作するよう制御することを特徴とする
。
前記切断手段としては、例えば、可動刃と固定刃からなる今日一般的に採用されているオートカッターが挙げられる。
前記貼付手段としては、例えば、空気の吸引力でラベルを吸着保持する吸着部を備え、該吸着部を対象物に押し付けて台紙レスラベルを貼付する押し付け方式、或いは、台紙レスラベルをベルト等で移送し、貼付ローラで対象物に貼付する撫で貼り方式等、何れでもよい。
【0009】
上記手段によれば、貼付手段が、ラベル発行部から送出される台紙レスラベルを受け取り可能なタイミングで、切断手段が台紙レスラベル用紙から所定長さの枚葉状の台紙レスラベルを切断するので、カッターの切断衝撃、及び台紙レスラベルの切離し時の反動、又はラベル貼付面の糊の影響や、ラベル保持手段の保持位置によって、切断された台紙レスラベルが発行方向(送出方向)へ飛翔する或いは水平旋回するなど、保持手段上の所定の位置に台紙レスラベルを保持することができないという問題はなくなる。従って、貼付手段が台紙レスラベルを正しい向きと姿勢に保持して貼付対象物の所定位置に正しい向きで貼付することができる。
また、上記手段によれば、貼付手段(吸着部)が受取位置から保持手段に保持された台紙レスラベルを吸着する為に下降する時間と、切断送出される台紙レスラベルのラベル長に基づいて切断手段の作動タイミングを決定するので、切断送出される台紙レスラベルのラベル長に関係なく、台紙レスラベルを貼付手段の吸着部の正しい位置に吸着保持でき、対象物の所定の位置に正しい向きで台紙レスラベルを貼付することができる。
【0010】
また、前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記切断手段を、前記貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルに近接したタイミング、または、前記貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルを吸着するタイミング、或いは、前記貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルを吸着した後のタイミング、の何れかのタイミングを選択して制御する。つまり、これらのタイミングの中から、1つを選択して設定し、その設定したタイミングで切断手段が作動されるようにする。また、前記設定したタイミングは、切断形成される枚葉状の台紙レスラベルのラベル長(送出方向の長さ)などによって調整し得るようにしてもよい。
前記吸着部が送出された台紙レスラベルに近接したタイミングとは、該吸着部が台紙レスラベルに当接する直前、即ち、吸着部が台紙レスラベルと離間(非接触)しているが、該吸着部の吸引力が台紙レスラベルに作用する範囲内の距離を意味し、言い換えると、台紙レスラベル用紙の切断が終わった少し後に吸着部が切断された台紙レスラベルを吸着するタイミングである。
また、貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルを吸着するタイミングとは、台紙レスラベル用紙の切断と、吸着部による切断された台紙レスラベルの吸着が略同時に行われるタイミングである。
【0011】
上記手段によれば、貼付手段(吸着部)が、切断送出された台紙レスラベルに到着するタイミング、或いは、貼付手段の吸着部が台紙レスラベルを吸着したタイミングで、切断手段が台紙レスラベル用紙を切断するので、切断された台紙レスラベルは切断完了時点又は切断完了直後には吸着部に吸着され、カッターの切断衝撃、及び切離し時の反動によって該台紙レスラベルが飛翔するのが阻止される。
【発明の効果】
【0014】
本発明のラベル貼付装置は、台紙レスラベル用紙を切断手段で所定長さの枚葉状の台紙レスラベルに切断する時、該切断手段の作動を、貼付手段がラベル発行部から送出される台紙レスラベルを受け取るタイミングで動作するよう制御したことで、台紙レスラベルを切断した時の影響を受けることなく、貼付手段が切断後の台紙レスラベルを正しい姿勢で保持でき、対象物に正しい向きと位置に台紙レスラベルを貼付することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のラベル貼付方法は、ラベル用紙として、一方面が印字面で他方面が粘着層を有する貼付面である台紙レスラベルロールを用い、該台紙レスラベルロールからラベル用紙を引き出して所定長さの枚葉状のラベルに切断し、その切断された台紙レスラベルを、貼付手段で対象物に貼付するラベル貼付方法において、前記台紙レスラベルロールからラベル用紙を引き出し、所定長さの枚葉状のラベルを切断形成する切断手段の動作を、前記貼付手段の保持部が前記送出された台紙レスラベルに近接したタイミング、または、前記貼付手段の保持部が前記送出された台紙レスラベルを保持するタイミング、或いは、前記貼付手段の保持部が前記送出された台紙レスラベルを保持した後のタイミング、の何れかのタイミングで行うようにする。具体的には、前記3種の作動タイミングの中から1つを選択して制御手段に設定し、その設定したタイミングで切断手段が動作するようにする。
【0017】
前記貼付手段は、ラベル発行口に送出されたラベルを貼付手段の吸着部で吸着保持し、該吸着部を対象物に押し付けてラベルを貼付する押し付け方式、或いは、ラベル発行口から送出されたラベルを移送手段(例えば、ベルトコンベア)で移送し、該移送手段の下流側に配置した撫で貼りローラで前記ラベルを対象物に貼付する撫で貼り方式等、何れの方式でもよい。
【0018】
従って、前記貼付手段が、例えば吸着部を有した貼付手段である場合、台紙レスラベルを切断形成する切断手段の作動タイミングは、前記吸着部が、ラベル発行部から送出される台紙レスラベルを吸着可能なタイミングで動作するよう制御する。
前記ラベル発行部から送出される台紙レスラベルを吸着可能なタイミングとしては、
(1)前記貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルに近接したタイミング
(2)前記貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルを吸着するタイミング
(3)前記貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルを吸着した後のタイミング
が挙げられる。
そして、前記切断手段の作動タイミングの設定は、使用する台紙レスラベル用紙のこしの強さ、切断発行する台紙レスラベルのラベル長等を考慮して選択設定される。
【0019】
前記(1)の吸着部が送出された台紙レスラベルに近接したタイミングとは、言い換えると、台紙レスラベル用紙から所定長さの台紙レスラベルが切断された少し後に、近接した吸着部によって前記切断された台紙レスラベルが吸着されるタイミングである。
また、前記(2)の吸着部が前記送出された台紙レスラベルを吸着するタイミングとは、台紙レスラベル用紙から所定長さの台紙レスラベルの切断と、吸着部による前記切断された台紙レスラベルの吸着とが略同時に行われるタイミングである。
また、前記(3)の吸着部が前記送出された台紙レスラベルを吸着した後のタイミングとは、送出された台紙レスラベル用紙が吸着部によって吸着された後に前記台紙レスラベル用紙の切断が行われるタイミングである。
【0020】
前記(1)〜(3)の何れかのタイミングが設定されることで、貼付手段(吸着部)が、切断送出された台紙レスラベルに到着するタイミング、或いは、貼付手段の吸着部が台紙レスラベルを吸着したタイミングで、切断手段が台紙レスラベル用紙を切断するので、切断された台紙レスラベルは切断完了時点又は切断完了直後には吸着部に吸着され、カッターの切断衝撃、及び切離し時の反動によって該台紙レスラベルが飛翔するのが阻止される。従って、貼付手段は切断後の台紙レスラベルを正しい姿勢で保持でき、対象物に正しい向きと位置に台紙レスラベルを貼付することができる。
【0021】
次に、前記ラベル貼付方法を実施するラベル貼付装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、台紙レスラベル発行部と該台紙レスラベル発行部から発行された台紙レスラベルを対象物に貼付する貼付手段を備えたラベル貼付装置を、ストレッチ包装機に組み付けた状態を示す正面図で、図中、Aはストレッチ包装機で、商品Wが搬入されると、その商品Wをストレッチフィルムで自動的に包装を行い、排出路に包装済みの商品Wを排出する。そして、そのストレッチ包装機Aで包装を完了した商品Wが排出される排出路の近傍に、ラベル発行部(プリンタ)B1とラベル貼付手段B2を備えたラベル貼付装置Bが配置され、包装済みの商品Wに台紙レスラベルLを貼付し得るようになっている。
前記ストレッチ包装機Aは、商品Wを搬入コンベアで包装部の直下に配置されたエレベータまで搬送し、該商品をエレベータの上昇によって包装部に張架されたフィルムに対し下方より突き上げて該商品の上面をフィルムで覆い、更に前記フィルムの周縁を折り込み板及び折り込みローラ等で該商品の底部に折り込み、その折り込まれたフィルムの重合部分をヒートシールして包装を完了する今日周知の突き上げ方式の包装機構を備えた包装機で、本発明のラベル貼付とは直接関係ないため、詳細な説明は省略する。以下、ラベル貼付装置について図面に基づき説明する。
【0022】
ラベル発行部(プリンタ)B1は、ラベル用紙として一方面が印字面で他方面が粘着層を有する貼付面である長尺帯状の台紙レスラベル用紙1’がロール巻きされた台紙レスラベルロール1を用いる台紙レスラベル発行部で、
図2に示すように、ケース2内にロール装填部3が設けられ、そのロール装填部3にセットされる台紙レスラベルロール1のラベル用紙の繰り出し方向前方位置に、ラベル用紙の送出手段4と印字部5と、印字された台紙レスラベル用紙を所定長さに切断する切断手段6が配置されている。そして、前記ロール装填部3には台紙レスラベルロール1が回転可能に支持される。
【0023】
台紙レスラベルロール1からラベル用紙1’を送出する送出手段4は、ケース2の周壁に開設したラベル送出口7の上流側近傍に配置した上下一対のローラからなる下流側の用紙送出手段4bと、その用紙送出手段4bより上流側に所定間隔をおいて配置した印字部5を兼ねた上流側の用紙送出手段4aとからなる。
【0024】
印字部5を兼ねた上流側の用紙送出手段4aは、ラベル用紙1’の下方(貼付面側)に位置するプラテンローラ5aと、ラベル用紙1’の上方(印字面側)に位置するサーマルヘッド5bとで構成され、前記プラテンローラ5aと下流側の用紙送出手段4bにおける下側のローラはモータによって駆動回転するように構成されている。そして、ラベル用紙1’の上方に位置するサーマルヘッド5bと下流側の用紙送出手段4bにおける上側のローラはそれぞれラベル用紙1’を下側のローラ(プラテンローラ5a)とで挾着するように下方に付勢され、それにより前記ラベル用紙1’を安定して送出し得るように構成されている。
【0025】
また、前記印字部5のプラテンローラ5aと下流側の用紙送出手段4bにおける下側のローラは、それぞれの表面に剥離剤がコーティングされており、ラベル用紙1’の印字面とは反対側面に塗着されている粘着剤が付着しないようにしてあり、それによってラベル用紙1’の送出が円滑に行われるようになっている。尚、ラベル用紙1’の粘着層が前記ローラに付着しにくくする構成は上記構成に限らず、前記ローラ自体又はローラの最外周部分を易剥離性の部材で構成してもよい。
【0026】
前記印字部5で商品情報が印字され、ラベル送出口7に向けて送出されるラベル用紙1’を所定長さの枚葉状に切断する切断手段6は、
図3に示すように、ラベル送出口7より水平状に送出されるラベル用紙1’を挟むように配置した上下一対の可動刃6aと固定刃6bとで構成されている。
ラベル用紙1’の印字面側(上方)に配置される可動刃6aは刃部が正面視逆V字形に形成され、ラベル用紙1’の貼付面側(下方)に配置される固定刃6bは刃部が同一幅に形成された帯刃で形成され、前記可動刃6aが前記固定刃6bに対して進退することによってラベル用紙1’が剪断作用によって切断されるようになっている。
前記可動刃6aはモータ8によって進退動作するように構成されている。尚、可動刃6aの刃部が正面視逆V字形に形成されていることで、ラベル用紙1’の切断は該ラベル用紙1’の幅方向両側から中央方向に向かって進行し、最後に中央部が切断されて台紙レスラベルLが切離されるため、全幅が一挙に切断される切断方式に比べて切離される台紙レスラベルLが飛翔、スキューするのを軽減できる。
【0027】
そして、前記切断手段6の下流側には該切断手段6で切断形成された枚葉状の台紙レスラベルLを、貼付手段B2の吸着部が吸着するまで待機保持する保持手段9が設けられている。
前記保持手段9は、前記切断手段6で切断され発行送出される台紙レスラベルLを略水平状に保持するラベル保持体(レシーバ)10と、発行送出される台紙レスラベルLを前記ラベル保持体10の下面に当接させる空気吹出し部11とで構成されている。
【0028】
前記ラベル保持体(レシーバ)10は、前記切断手段6で切断送出される台紙レスラベルLの送出方向に沿って突出し、且つ、該台紙レスラベルLの送出方向と交叉するラベル幅方向に間隔をおいて対向配置される一対の平行枠10a,10bで構成され、その一対の平行枠10a,10bは台紙レスラベルLの幅寸法に応じて該平行枠10a,10bの間隔を広狭調節し得るよう移動可能に取り付けられている。
【0029】
前記一対の平行枠10a,10bの下面に、発行送出される台紙レスラベルLの貼付面とは反対側の面(印字面)を当接させる空気吹出し部11は、発行送出される台紙レスラベルLの貼付面(下面)に対して下方から空気を吹き付けて該台紙レスラベルLを上方に押し上げ、前記一対の平行枠10a,10bに当接させるもので、例えば、小型の送風ファンで構成されている。
【0030】
前記空気吹出し部11は、ラベル発行部B1のケース2における底板2’の突出部上面に載置固定され、ラベル発行部B1を貼付手段B2による自動貼付の状態(
図1参照)から反時計回り方向に90度水平回動し、該ラベル発行部B1から発行される台紙レスラベルLの送出方向をストレッチ包装機Aの包装済み商品の排出方向と同方向となる手貼り状態に切替えた場合でも、発行される台紙レスラベルLが前記ラベル保持体10の下面に確実に当接保持されるようになっている。そして、空気吹出し部11を構成する送風ファンは、前記一対の保持枠10a,10bの間の略中央に配置され、送出される台紙レスラベルLの略中央部分に吹出し空気が当たり、該台紙レスラベルLを略鉛直上方に押し上げるようになっている。
また、前記空気吹出し部11の近傍には、前記ラベル保持体10に台紙レスラベルLが存在するか否かを検知するセンサ12が配置され、このセンサ12の検知信号で台紙レスラベルLの発行が制御されるようになっている。
尚、空気吹出し部11は、送風ファンを底板2’上に載置して構成する形態に限らず、吐出空気の発生源を該当箇所以外の場所に配置し、その発生源にホース等を接続して構成してもよい。
【0031】
ラベル貼付手段(アプリケータ)B2は、前記ラベル保持体10に保持された台紙レスラベルLを吸着保持する吸着部13と、その吸着部13を初期位置からラベル保持体10の略真上位置へ、更にラベル保持体10の位置から台紙レスラベルLを貼付する包装済み商品Wの位置まで移動させる移動機構(図示省略)とを備えた今日周知の構造のものである。そして、台紙レスラベルLを吸着保持する吸着部13は、吸引ファンの回転によってラベル吸着面に負圧による吸引力が生じるように構成されており、前記吸引ファンは前記保持手段9を構成する空気吹出し部11のファンと同様のタイミングでON/OFFするようになっている。
また、前記吸着部13が保持手段9のラベル保持体10に保持された台紙レスラベルLを吸着保持する為にラベル保持体10の直上位置に移動されるが、該吸着部13がラベル保持体19の直上位置に位置するか否かはセンサ30で検知される。
【0032】
図6は、図示したストレッチ包装機Aにラベル発行部B1とラベル貼付手段B2が装備された装置の電気的構成を示すブロック図で、ラベル発行部(プリンタ)B1を制御するプリンタ制御部Cと、包装機構制御部Dとを備えている。
プリンタ制御部Cは、主としてラベル発行部B1関係の制御を行うもので、ROM15に記憶されている所定の制御プログラムに従って動作すると共に各部を制御するCPU14と、各種設定などを一時記憶するRAM16と、表示操作部17、計量部18、印字部20、台紙レスラベル用紙1’を所定長さの台紙レスラベルLに切断するカッター部(切断手段)21を備えている。そして、各部はバス14’に接続され、交信用のインターフェース回路(INF)19を介してストレッチ包装機Aに接続され、包装済みの商品Wがラベル貼付場所へ位置したことの信号を受信して台紙レスラベルLの発行動作を行う。
また、前記ROM15には前記切断手段6の動作タイミングが記憶設定され、台紙レスラベルLの種類(ラベル長の長短、ラベルの紙厚(こしの強弱)等)に応じて最適な動作タイミングを選択設定する。
【0033】
包装機構制御部Dは、主としてストレッチ包装機Aの機構部の制御を行うもので、CPU22によって制御され、そのCPU22にはバス22’を介して交信用のインターフェース回路(INF)23、ROM24、RAM25、操作部26、および機構駆動部27が接続されている。
前記機構駆動部27は、包装を実行する場合に包装機の各機構部を駆動する為の回路で、具体的には商品を搬入するコンベアを駆動するモータ、エレベータを駆動するモータ、フィルムフィード機構のモータ、プッシャを駆動するプッシャモータ、ラベル貼付手段(アプリケータ)B2の吸着部13を移動させる駆動部28、商品検出センサ29、ラベル発行部の向きを変更する回転台回転用モータ、回転台スライド用モータ等が接続されている。尚、商品検出センサ29は、ラベル貼付のための信号を発生するもので、商品がラベル貼付場所へ位置した場合、その旨をCPU22へ出力する。また、包装機構制御部Dのラベル貼付手段B2の吸着部13を移動させる駆動部28、商品検出センサ29以外の各部は、本発明に直接関係しないため、説明は省略する。
【0034】
前記ROM15に記憶設定される切断手段6の動作タイミングは前記した、
(1)前記貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルに近接したタイミング
(2)前記貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルを吸着するタイミング
(3)前記貼付手段の吸着部が前記送出された台紙レスラベルを吸着した後のタイミング
が挙げられる。
そして、前記(1)〜(3)のタイミングと台紙レスラベルLの種類との関係は次のようになる。
1.(1)のタイミングは、通常サイズ(40mm×60mm)のラベルで、切断手段(カッター)の切断衝撃、及び台紙レスラベルの切離し時の反動の影響が少ない場合に好適であり、ラベルの貼付サイクルを速める必要があるときに有効である。
2.(2)のタイミングは、通常サイズ(40mm×60mm)のラベルより送出方向の長さが短いラベルに好適で、短いラベルの場合、保持手段9の空気吹出し部11の風圧で送出されるラベルの姿勢が変化する、或いは、ラベル保持手段9の位置調整によっては切断後の台紙レスラベルが保持されない可能性があるが、その姿勢が変化する前に吸着できる。また、台紙レスラベルの紙厚が薄い(腰が弱い)場合も同様に、切断後のラベルが保持手段9の空気吹出し部11の風圧で送出されるラベルの姿勢が変化する可能性があるため、その姿勢が変化する前に吸着できるので好適である。
3.(3)のタイミングは、ラベルの紙厚が厚い場合には、切断後のラベルが暴れてしまう可能性が高いが、台紙レスラベル用紙を貼付手段(吸着部)が吸着保持(台紙レスラベル用紙を動かないように固定保持)した状態で切断手段(カッター)が枚葉状のラベルに切断するので、カッターの切断衝撃、及び台紙レスラベルの切離し時の反動の影響を抑える(軽減させる)ので好適である。更に、ラベルサイズが小さい場合には前記現象が顕著に現れるため、通常サイズ(40mm×60mm)のラベルより送出方向の長さが短いラベルにも好適である。また、前記短いラベルの場合において、ラベル保持手段9の保持位置の調整がなされていなかったとしても、台紙レスラベル用紙を貼付手段(吸着部)が吸着保持した状態で切断手段(カッター)が枚葉状のラベルに切断するので、切断後の台紙レスラベルをラベル保持手段9が保持できない場合であったとしても、前記短いラベルが台紙レスラベル用紙から切り離される前に貼付手段が先に台紙レスラベル用紙の状態で切り離される前の短いラベル部分を吸着し、その後、切断手段(カッター)により枚葉状の台紙レスラベルに切断されるので、台紙レスラベルが保持されていないがために貼付手段が対象物にラベルを貼付できないという問題を完全に解消することができる。
【0035】
次に、前記したラベル貼付装置Bの動作について
図7のフローチャートに基づいて説明する。尚、ストレッチ包装機Aに商品Wを搬入し、フィルムで包装する包装動作は本発明に直接関係しないため、包装動作については説明を省略する。
ストレッチ包装機Aで包装する商品Wについてラベル発行の指示(ST1)があると、切断手段の動作タイミング(受取タイミング)の設定の有無が判断され(ST2)、動作タイミングの設定が有る場合は設定に基づく分岐(ST3)に進み、動作タイミングの設定がない場合は従来通りの動作(ST4→ST5→ST6→ST7→ST8)が行われて包装済みの商品Wに台紙レスラベルLが貼付される。
【0036】
一方、動作タイミングの設定が有る場合は、その選択設定された動作タイミングに基づいて台紙レスラベル用紙の切断、台紙レスラベルの貼付が行われる。以下、設定された各動作タイミングについて説明する。
[設定1](タイミング(3))が設定されている場合
先ず、保持手段9のラベル保持体(レシーバ)10に台紙レスラベルLが存在しないかがセンサ12で判断され(ST9)、台紙レスラベルLが存在する場合(NO)は台紙レスラベルLが存在しないことが検出されるまで検出動作が繰り返し行われ、台紙レスラベルLが存在しない場合(YES)は、送出手段4と印字部5の作動で台紙レスラベル用紙への印字及び送出が行なわれ(ST10)、ラベル送出口7から送出された台紙レスラベル用紙1’が貼付手段B2の吸着部13で吸着されたかが判断される(ST11)。吸着部13で吸着されていない場合(NO)は吸着が確認されるまで判断動作が繰り返し行われ、台紙レスラベル用紙1’が吸着部13で吸着されている場合(YES)は切断手段6が駆動されて台紙レスラベル用紙1’が切断され、台紙レスラベルLが形成される(ST12)。そして、台紙レスラベルLを吸着した吸着部13は包装済み商品Wの真上位置まで水平移動され、垂直下方に降下して商品に台紙レスラベルLが貼付される(ST13)(
図8(b)参照)。
【0037】
[設定2](タイミング(1))が設定されている場合
ラベル貼付手段(アプリケータ)B2の吸着部13が保持手段9のラベル保持体(レシーバ)10直上に位置するかがセンサ30で判断され(ST14)、吸着部13がラベル保持体(レシーバ)10直上に位置しない場合(NO)は、該吸着部13がラベル保持体(レシーバ)10直上に位置することが検知されるまで判断動作が繰り返し行われ、吸着部13がラベル保持体(レシーバ)10直上に位置していることが検知された場合(YES)は送出手段4と印字部5の作動で台紙レスラベル用紙1’への印字及び送出が行なわれ(ST15)、切断手段6が駆動されて台紙レスラベル用紙1’が切断され、台紙レスラベルLが形成される(ST16)。そして、切断送出された台紙レスラベルLは保持手段9でラベル保持体10に保持されるが、切断完了後直ぐに吸着部13が下降して前記台紙レスラベルLを吸着し(ST17)、その後、台紙レスラベルLを吸着した吸着部13は包装済み商品Wの真上位置まで水平移動され、垂直下方に降下して商品に台紙レスラベルLが貼付される(ST13)(
図8(a)参照)。
【0038】
[設定3](タイミング(2))が設定されている場合
ラベル貼付手段(アプリケータ)B2の吸着部13が保持手段9のラベル保持体(レシーバ)10直上に位置するかが判断され(ST18)、吸着部13がラベル保持体(レシーバ)10直上に位置しない場合(NO)は、該吸着部13がラベル保持体(レシーバ)10直上に位置することが検知されるまで判断動作が繰り返し行われ、吸着部13がラベル保持体(レシーバ)10直上に位置していることが検知された場合(YES)は送出手段4と印字部5の作動で台紙レスラベル用紙1’への印字及び送出が行なわれ(ST19)、切断手段6が駆動されて台紙レスラベル用紙1’の切断が開始され(ST20)、台紙レスラベル用紙1’の切断が完了したかが判断される(ST21)。切断が完了していない場合(NO)は、切断完了が確認されるまで判断動作が繰り返し行われ、台紙レスラベル用紙1’の切断が完了した場合(YES)は、前記切断完了と略同時にラベル貼付手段B2の吸着部13が下降して、台紙レスラベルLを吸着する(ST22)。その後、台紙レスラベルLを吸着した吸着部13は包装済み商品Wの真上位置まで水平移動され、垂直下方に降下して商品に台紙レスラベルLが貼付される(ST13)(
図8(c)参照)。
そして、ラベル貼付の一工程が終了した後は、次のラベル貼付の指示があるか判断され(ST23)、次のラベル貼付の指示がある場合(YES)は前記ST1に戻って前記動作を繰り返し、次のラベル貼付の指示がない場合(NO)はラベル貼付動作を終了する。
【0039】
本発明のラベル貼付装置は前記構成により、商品に貼付する台紙レスラベルの種類(ラベル長、ラベルの紙厚等)に応じて、台紙レスラベル用紙を切断する切断手段の動作タイミングを選択設定することで、台紙レスラベル用紙の紙厚(腰の強弱)やラベルサイズ(送出方向の長さ)に左右されることなく、切断手段による切断時の衝撃、及び台紙レスラベルの切離し時の反動、又は台紙レスラベル用紙の貼付面の糊の影響等によって、台紙レスラベル用紙から切断された台紙レスラベルが、ラベル送出方向へ飛翔する、或いはスキューするのを防止でき、それにより切断送出される台紙レスラベルを保持手段のラベル保持体の適切な位置に保持することができる。従って、吸着部は台紙レスラベルを正しい向きで吸着でき、商品の所定の位置に正しく貼付することができる。
【0040】
本発明は図示した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)実施の形態では、切断手段として可動刃がラベル用紙の上側に配置された例を示したがこれに限定されず、可動刃がラベル用紙の下側に配置された切断手段でもよい。
(2)実施の形態では、貼付手段として吸着部による押し付け方式を示したが、これに限定されず、例えば、撫で貼り方式の貼付手段でもよいものである。
(3)実施の形態では、保持手段(レシーバ)としてラベル保持体と空気吹出し部とで構成された例を示したがこれに限らず、例えば、ラベル送出口から送出される台紙レスラベルの貼付面を受け部材で支える一般的な保持手段でもよい。その場合、受け部材は貼付面の糊が付着しないように易剥離処理を施すようにする。また、ラベル送出口から送出される台紙レスラベルの送出方向上流側端部の貼付面をローラ状(或いは棒状)の易剥離処理が施された細長いラベル受け部材とし、このラベル受け部材でラベル端部を貼着保持する保持手段(レシーバ)としてもよく、このような構成とすることで保持手段(レシーバ)を簡単な構造とすることができるので経済的である。この場合、切断手段の動作タイミングとしては、(2)、或いは(3)の切断タイミングが好ましい。
(4)実施の形態では、ラベル保持手段(レシーバ)を備えたラベル貼付装置の例を示したがこれに限らず、ラベル保持手段(レシーバ)を備えないラベル貼付装置であっても良い。この場合、送出されたラベルを貼付手段の吸着部が直接吸着する((2)、或いは(3)の切断タイミング)方式であってもよい。
(5)実施の形態で[設定2](タイミング(1))において、ST14(センサ30の判断)の後に、ST15(印字部5の作動で台紙レスラベル用紙1’への印字及び送出)の順となっているがこれに限らず、ST15(印字部5の作動で台紙レスラベル用紙1’への印字及び送出)の処理の後に、ST14(センサ30の判断)の処理を行ない、ST16の処理(切断手段6が駆動されて台紙レスラベル用紙1’を切断)をし、台紙レスラベルLを形成する方式としてもよい。即ち、ST14とST15の動作順を逆にしてもよい。
(6)実施の形態では、ラベル貼付装置を組み付けた包装装置の例を示したがこれに限らず、ベルトコンベアで搬送される商品を検出し、検出したタイミングに基づいてラベル貼付部と印字部(切断手段含む)とが一体となったプリンタで、搬送される商品の表面にラベルを貼付する装置であってもよい。この場合の貼付手段としては、アプリケータ(ロボットアーム)の先端部に設けられた吸着部にラベルを吸着させて貼付する方式、あるいは、ラベル貼付部の先端に設けた複数の間欠穴により発行されたラベルを吸着(空気を吸引(バキューム)して吸着)させ、前記検出手段が搬送されてくる商品を検出したタイミングに基づいて、前記吸着したラベルを空気の噴出(ブロー)により、搬送される商品の表面にラベルを貼付する何れの貼付方式であってもよい。