【実施例1】
【0020】
[実施例1の構成]
図1ないし
図4は本発明の実施例1を示したもので、
図1および
図2は内燃機関の吸気装置を示した図で、
図3はタンブル制御弁(TCV)を示した図で、
図4はタンブル制御弁(TCV)の軸受け構造を示した図である。
【0021】
本実施例の内燃機関の吸気装置は、内燃機関(エンジン)の各気筒毎の燃焼室および吸気ポートに吸い込まれる吸入空気(吸気)の流量をスロットルバルブの開閉動作により制御する電子スロットル装置と、この電子スロットル装置のスロットルバルブよりも吸気流方向の下流側の吸気通路および吸気ポートを流れる吸気を、吸気通路および吸気ポートの上部(または上部中央)に偏流させてエンジンの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の吸気渦流(旋回流、タンブル流)を発生させる吸気渦流発生装置とを備えている。
【0022】
吸気渦流発生装置は、自動車等の車両のエンジンルームに電子スロットル装置と共に設置されている。この吸気渦流発生装置は、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の旋回流(吸気渦流:以下タンブル流と言う)を発生させる複数の吸気制御弁(タンブル制御弁、TCV)を備えている。
吸気渦流発生装置は、インテークマニホールドの上流側端部を介してスロットルボディまたはサージタンクの出口端に接続する合成樹脂製のケーシング1と、このケーシング1とは別体部品で構成された合成樹脂製のダクト(カートリッジ)2とを備えている。ケーシング1およびカートリッジ2は、エンジンのシリンダヘッド3のインマニ取付面に接続されている。
【0023】
タンブル制御弁は、ケーシング1およびカートリッジ2内に形成される吸気通路を開閉する複数のプレートバルブ4と、このプレートバルブ4の回転軸方向に延伸された金属製のシャフト(ピンロッド)5と、このシャフト5を回転駆動して複数のプレートバルブ4を開閉動作させるアクチュエータとを備えている。
アクチュエータは、ケーシング1の外壁に装着されている。このアクチュエータは、電力の供給を受けて駆動力(トルク)を発生するモータ、およびこのモータの回転を減速してシャフト5に伝達する減速機構等により構成されている。また、アクチュエータは、シャフト5、カップリング6、ストッパレバー7およびバルブギヤ8を介して、複数のプレートバルブ4の開度(TCVのバルブ開度)を一括変更することが可能である。また、アクチュエータは、これらの各構成部品を収容するアクチュエータケース9を備えている。
【0024】
ここで、ケーシング1には、シャフト5の軸線方向の両端部(各ジャーナル)の周囲を周方向に取り囲む円筒状の第1、第2軸受けホルダ(ベアリングホルダ)11、12がそれぞれ一体的に形成されている。これらのベアリングホルダ11、12の内部には、複数のプレートバルブ4の回転軸方向に延びるシャフト軸受け孔(ジャーナル収容孔)13、14が形成されている。これらのシャフト軸受け孔13、14は、シャフト5の軸線方向の両端部をそれぞれ回転自在に収容するシャフト収容孔である。
ベアリングホルダ11は、軸受け(ベアリング)15および軸受け防振ゴム16を介して、シャフト5の軸線方向の一端部を回転可能に支持する第1軸受け部である。
ベアリングホルダ12は、軸受け(ボールベアリング)17およびオイルシール18を介して、シャフト5の軸線方向の他端部を回転可能に支持する第2軸受け部である。
【0025】
ケーシング1の内部には、スロットルボディまたはサージタンクから吸気が流入する複数の吸気通路21が形成されている。
カートリッジ2の内部には、複数の吸気通路21から吸気が流入する複数の吸気通路22が形成されている。
シリンダヘッド3の内部には、複数の吸気通路22から吸気が流入する複数の吸気ポート23が形成されている。
【0026】
ここで、エンジンは、複数の気筒を有する多気筒ガソリンエンジンが採用されている。但し、多気筒ガソリンエンジンに限定されず、多気筒ディーゼルエンジンを本発明に適用しても構わない。
このエンジンは、吸気と燃料との混合気を燃焼室内で燃焼して得られる熱エネルギーにより出力を発生するものである。
エンジンは、複数の気筒(シリンダボア)および複数の燃焼室が気筒配列方向に直列に配置されている。
【0027】
エンジンには、エアクリーナ、電子スロットル装置および吸気渦流発生装置等が搭載されている。
エンジンの各気筒(シリンダ)には、各吸気ポートまたは各燃焼室内に最適なタイミングで燃料を噴射するためのインジェクタ、および燃焼室内の混合気を点火するためのスパークプラグが取り付けられている。また、各気筒のシリンダボア内には、連接棒を介してクランクシャフトに連結されたピストンが摺動自在にそれぞれ支持されている。
【0028】
エンジンは、エンジン本体(シリンダヘッド3、シリンダブロック等)と、エンジンの複数(各気筒毎)の吸気ポート23に接続される吸気管と、エンジンの複数(各気筒毎)の排気ポートに接続される排気管とを備えている。
また、エンジンには、各気筒毎の吸気ポートを開閉する吸気バルブ、および各気筒毎の排気ポートを開閉する排気バルブが取り付けられている。
吸気管の内部には、エンジンの各気筒毎の燃焼室に吸気を供給するための吸気通路が形成されている。
排気管の内部には、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスを排気浄化装置を経由して外部に排出するための排気通路が形成されている。
【0029】
エアクリーナは、インレットダクト(外気導入ダクト)の上流端で開口した外気導入口より空気導入通路に導入される外気(吸気)を濾過するフィルタエレメント(濾過エレメント)を有している。
そして、エアクリーナの出口端は、フィルタエレメントを通過した吸気が流れる吸気通路を形成するインテークパイプ(ゴムホース)を介して、電子スロットル装置のスロットルボディに接続している。スロットルボディの出口端は、インテークマニホールドを介して、エンジンの各気筒毎の燃焼室および吸気ポート23に接続している。
【0030】
電子スロットル装置は、エアクリーナの出口端に接続するスロットルボディと、このスロットルボディの内部に開閉自在に収容されるスロットルバルブ、このスロットルバルブを支持固定するシャフトと、このシャフトを回転駆動してスロットルバルブを開閉動作させるアクチュエータと、スロットルバルブのシャフトの回転角度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサとを備え、スロットルバルブのバルブ開度に相当するスロットル開度に応じて、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に吸い込まれる空気流量を可変制御するシステム(内燃機関の吸気制御装置)である。
【0031】
タンブル制御弁は、各カートリッジ2の内部にスロープ部材24が嵌め込まれている。また、各カートリッジ2の両側壁部には、円筒状に形成された2つの軸受け(ベアリング)25を介して、各プレートバルブ4の回転中心を成す回転中心部の両端部を回転自在に軸支するバルブ軸受け部が形成されている。
なお、複数のバルブユニットの各カートリッジ2は、角環状のガスケット26を介して、ケーシング1のカートリッジ格納室内に弾性支持されている。これにより、温度変化によりケーシング1とシャフト5との間に熱膨張係数の差に基づく、組み付け用の摺動クリアランスのラジアル方向(半径方向)の寸法変化を吸収して、シャフト摺動トルクを低減することで、複数のプレートバルブ4の高応答性を確保することが可能なフローティングガスケット構造が構成される。
【0032】
本実施例のケーシング1の内部には、エンジンの各気筒毎の燃焼室に連通する複数の吸気通路21が形成されている。この吸気通路21は、インテークマニホールドの上流側端部から流出した吸気をカートリッジ2内の吸気通路22を経由してエンジンの各気筒毎の吸気ポート23へ吹き出す独立吸気通路(吹出流路)を構成する。
各カートリッジ2は、各プレートバルブ4を開閉自在に収容している。これらのカートリッジ2の両側壁部の図示下方側には、内部と外部とを連通する一対のシャフト貫通孔27が回転軸方向に貫通している。シャフト貫通孔27の孔壁面には、ベアリング25が圧入固定されている。
【0033】
また、ケーシング1の内部には、断面方形状のカートリッジ格納室28が気筒数に対応した個数形成されている。各カートリッジ格納室28の内部には、カートリッジ2が嵌合保持されている。
また、ケーシング1およびシリンダヘッド3は、吸気通路22および吸気ポート23の重力方向における下方側、つまり吸気通路22および吸気ポート23の重力方向における下面側に、バルブ全閉時にプレートバルブ4が吸気通路22および吸気ポート23内に突き出さないようにプレートバルブ4を収納(格納)するためのバルブ収納凹部29を有している。
【0034】
ここで、複数のタンブル制御弁は、複数のカートリッジ2毎に、ケーシング1の各吸気通路21毎に対応して接続され、且つシリンダヘッド3の各吸気ポート23毎に対応して接続される複数の吸気通路22を有している。すなわち、各カートリッジ2の内部には、断面方形状の吸気通路22がそれぞれ形成されている。これらの吸気通路22は、ケーシング1の各吸気通路21よりも吸気流方向の下流側に配設されて、複数の吸気ポート23を介して、エンジンの各気筒毎の燃焼室に互いに独立して接続されている。
【0035】
ここで、本実施例のタンブル制御弁においては、各カートリッジ2の内部(スロープ収容空間)にブロック状のスロープ部材(スペーサ)24が嵌め込まれている。このスロープ部材24は、エンジンのシリンダヘッド3のインマニ取付面とタンブル制御弁のカートリッジ2の環状端面との間、特にエンジンの各吸気ポート23の重力方向における下面とカートリッジ2の各吸気通路22(バルブ収納凹部29)の重力方向における下面との間に形成される段差29aを解消する内装部品である。
【0036】
複数のプレートバルブ4は、合成樹脂によって一体的に形成されている。これらのプレートバルブ4は、1本のシャフト5に串刺し状態となるように結合(支持固定)された回転型のバルブである。
複数のプレートバルブ4は、各吸気通路22の開口面積が最大となる全開位置から、各吸気通路22の開口面積が最小となる全閉位置に至るまでのバルブ作動範囲にて回転角度(バルブ開度)が変更されることで、ケーシング1およびカートリッジ2に対して相対回転して各吸気通路22を開閉する。つまり、各吸気通路22の通路断面積を絞る。
【0037】
複数のプレートバルブ4は、その回転中心を成すシャフト5が、プレートバルブ4のバルブ中心部よりも、プレートバルブ4の板厚方向に対して垂直なバルブ面方向の片側(図示下方側)に偏った位置に設置されている。したがって、プレートバルブ4は、片持ち式のバルブを構成している。
また、本実施例では、複数のプレートバルブ4のバルブ上端面の一部(中央部)、つまりバルブ軸側に対して反対側のバルブ上端面を切り欠くことで、エンジンの各気筒毎の燃焼室内においてタンブル流を発生させるための長方形状の開口部(切欠き部、スリット)30が形成されている。
なお、複数のプレートバルブ4が全閉位置において停止している状態であっても、各吸気通路22の上部に隙間(プレートバルブ4のバルブ上端と吸気通路上側壁面との間に形成される隙間が形成されるように構成しても良い。
【0038】
ここで、複数のプレートバルブ4は、タンブル実行条件が成立していない場合、アクチュエータ、特にモータのトルクを利用して全開される。
なお、複数のプレートバルブ4の全開位置とは、プレートバルブ4または吸気通路22を全開した全開開度の状態のことである。そして、全開位置は、各プレートバルブ4の作動可能範囲の一方側の限界位置、つまりカップリング6の外周に結合一体化されたストッパレバー7の全開ストッパ部が、全開ストッパ(図示せず)に突き当たってこれ以上のプレートバルブ4の全開作動が規制される全開側規制位置である。
なお、スプリング等の付勢力によって全てのプレートバルブ4が全開位置となるように開弁方向に付勢しても良い。
【0039】
複数のプレートバルブ4は、タンブル実行条件が成立している場合、アクチュエータ、特にモータのトルクを利用して全閉される。
なお、複数のプレートバルブ4の全閉位置とは、プレートバルブ4または吸気通路22を全閉した全閉開度の状態のことである。そして、全閉位置は、各プレートバルブ4の作動可能範囲の他方側の限界位置、つまりストッパレバー7の全閉ストッパ部が全閉ストッパ(図示せず)に突き当たってこれ以上のプレートバルブ4の全閉作動が規制される全閉側規制位置である。
なお、スプリング等の付勢力によって全てのプレートバルブ4が全閉位置となるように開弁方向に付勢しても良い。
【0040】
シャフト5は、ケーシング1の吸気通路21、22内の吸気流方向に対して直交する方向に延びる回転軸であって、複数の吸気通路21、22の配列方向(エンジンの気筒配列方向に対して並列方向)に対して平行な回転軸方向に真っ直ぐ延びるように配設されている。このシャフト5は、その回転軸方向に垂直な断面が多角形状(例えば四角形状)に形成された多角断面シャフト(角形鋼製シャフト)であって、例えば鉄系金属(S45C)等の金属材料によって一体的に形成されている。
【0041】
また、シャフト5は、圧入嵌合によって複数のプレートバルブ4の回転中心部31の内部(貫通孔32)に挿入されている。
シャフト5は、複数のプレートバルブ4を串刺し状態となるように結合することで、全てのプレートバルブ4を連動可能に連結する1本の駆動軸である。このシャフト5は、複数のプレートバルブ4の各貫通孔32の内周に圧入固定されている。これにより、シャフト5は、複数のプレートバルブ4を支持固定することが可能となる。
【0042】
シャフト5は、その回転軸方向の中間部に複数のプレートバルブ4をそれぞれ保持するバルブ保持部33を有し、且つこのバルブ保持部33の回転軸方向の両側にそれぞれ第1、第2端部41、42を有している。
シャフト5の回転軸方向の一端部、つまり第1端部41は、ベアリング15および軸受け防振ゴム16を介して、ケーシング1のベアリングホルダ11に回転自在に支持されている。なお、シャフト5の第1端部41は、断面が円形状となるように切削されている。 シャフト5の回転軸方向の他端部、つまり第2端部42の外周には、カップリング6が取り付けられている。
【0043】
カップリング6は、その回転軸方向に垂直な断面が円筒形状に形成された円筒断面シャフトであって、金属材料によって一体的に形成されている。また、カップリング6は、減速機構のバルブギヤ8およびこのバルブギヤ8を保持固定するストッパレバー7をシャフト5に連結する部品である。
すなわち、カップリング6の外周には、ケーシング1に支持固定された全開ストッパ(全開ストッパスクリュー)または全閉ストッパ(全閉ストッパスクリュー)に選択的に係止されるストッパレバー7が嵌合保持されている。
【0044】
また、カップリング6は、ボールベアリング17およびオイルシール18を介して、ケーシング1のベアリングホルダ12に回転自在に支持されている。
ここで、カップリング6の径小部には、ストッパレバー7をカップリング6の径大部に組み付けるためのナット部材43と螺合する外周ネジ部が形成されている。また、シャフト5の回転軸方向の他端部には、センサ固定レバー44をカップリング6の径小部に組み付けるためのナット部材45と螺合する外周ネジ部が形成されている。
【0045】
アクチュエータは、ケーシング1の外壁に装着されている。このアクチュエータは、電力の供給を受けて駆動力(トルク)を発生するモータと、このモータの回転を減速してシャフト5に伝達する減速機構と、TCVのバルブ開度、つまりプレートバルブ4のシャフト5の回転角度を検出する回転角度検出装置と、これらの各構成部品を収容するアクチュエータケース9とを備えている。
【0046】
モータは、エンジン制御ユニット(電子制御装置:以下ECUと言う)によって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
減速機構は、モータのモータシャフトの外周に圧入固定されたモータギヤ(ピニオンギヤ)、このモータギヤに噛み合って回転する中間ギヤ、およびこの中間ギヤに噛み合うバルブギヤ8を有している。これらの各ギヤは、アクチュエータケース9の内部に回転自在に収容されている。
【0047】
ストッパレバー7の折り曲げ部47の回転方向の一方側(開弁作動方向)には、全開ストッパに係止される全開ストッパ部が設けられている。これにより、ストッパレバー7の全開ストッパ部が全開ストッパに突き当たると、タンブル制御弁のバルブ開度が全開開度の状態(全開位置)となるように規制される。
また、ストッパレバー7の折り曲げ部47の回転方向の他方側(閉弁作動方向)には、全閉ストッパに係止される全閉ストッパ部が設けられている。これにより、ストッパレバー7の全閉ストッパ部が全閉ストッパに突き当たると、タンブル制御弁のバルブ開度が全閉開度の状態(全閉位置)となるように規制される。
【0048】
バルブギヤ8は、合成樹脂によって円弧状に一体的に形成されている。このバルブギヤ8の外周部には、中間ギヤと噛み合う複数の凸状は周方向全体(または一部)に形成されている。また、バルブギヤ8の内周部には、ストッパレバー7がインサート成形されている。
ここで、シャフト5またはバルブギヤ8に、全てのプレートバルブ4を開弁作動方向または閉弁作動方向に付勢するスプリングを組み付けても良い。
【0049】
ここで、タンブル制御弁は、シャフト5を回転駆動することで、プレートバルブ4を開閉動作させるアクチュエータを備えている。このアクチュエータの動力源であるモータは、モータ駆動回路に電気的に接続されている。
モータ駆動回路は、ECUのマイクロコンピュータより与えられる出力信号(例えばPWM信号のデューティ比)に対してモータへの供給電力(モータ駆動電流またはモータ印加電圧)を可変制御する。
【0050】
ここで、アクチュエータ、特にモータは、ECUによって通電制御されるように構成されている。
ECUには、制御処理や演算処理を行うCPU、制御プログラムまたは制御ロジックや各種データを保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。
【0051】
ECUは、エアフロメータ、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、回転角度検出装置(バルブ開度検出装置)、吸気温度センサおよび冷却水温センサ等の各種センサから出力される電気信号(センサ出力信号)が、A/D変換回路によってA/D変換された後に、ECUに内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
【0052】
そして、各種センサからのセンサ出力信号は、マイクロコンピュータのメモリに格納された制御プログラムまたは制御ロジックの制御周期毎に繰り返し読み込まれる。
ここで、クランク角度センサは、エンジンのクランクシャフトの回転角度を電気信号に変換するピックアップコイルよりなり、例えば30°CA(クランク角度)毎にNEパルス信号が出力される。また、マイクロコンピュータは、クランク角度センサより出力されたNEパルス信号の間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(エンジン回転数)を検出(算出)するための回転速度検出手段として機能する。
【0053】
回転角度検出装置は、マグネットロータ51の回転角度を測定してプレートバルブ4の開度(TCVのバルブ開度)を検出するTCV開度センサとして使用される。なお、エアフロメータ、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、TCV開度センサ、吸気温度センサおよび冷却水温センサ等によって、エンジンの運転状況(運転状態)を検出する運転状態検出手段が構成される。
マグネットロータ51は、検出対象物としての複数のプレートバルブ4およびシャフト5の回転に伴って回転するように、シャフト5の第2端部42に嵌合保持されたセンサ固定レバー44に保持固定されている。
【0054】
TCV開度センサは、マグネットロータ51に固定された磁石(マグネット52)より放出される磁束を検出する非接触式の磁気検出素子を有するホールIC53を主体として構成されている。このホールIC53より出力される電気信号(センサ出力信号)は、ホール素子の感磁面を鎖交する磁束密度に対応した電圧信号(アナログ信号)である。なお、ホールIC53の代わりに、ホール素子単体、磁気抵抗素子等の非接触式の磁気検出素子を使用しても良い。
【0055】
次に、本実施例のタンブル制御弁(TCV)のフローティング軸受け構造を
図1ないし
図4に基づいて説明する。ここで、
図4はTCVのフローティング軸受け構造を示した図である。
【0056】
本実施例のケーシング1は、複数の吸気通路21および複数のカートリッジ格納室28を区画形成する複数の隔壁部61を有している。また、ケーシング1には、複数の隔壁部61および全てのカートリッジ格納室28をシャフト5の回転軸方向に貫通する複数の貫通孔62が形成されている。
ケーシング1には、上述したように、シャフト5の各第1、第2端部(ジャーナル、摺動部)41、42を回転方向に摺動自在に軸支する2つのベアリングホルダ11、12が一体的に形成されている。
【0057】
2つのベアリングホルダ11、12は、ケーシング1と同様に、合成樹脂によって形成されている。これらのベアリングホルダ11、12の内部には、断面円形状のシャフト軸受け孔13、14がそれぞれ形成されている。
ベアリングホルダ11の一部は、ケーシング1の右側面より軸線方向の一端側に向かって突出している。
ケーシング1は、ベアリングホルダ11の軸線方向の一端側で開口する開口部(シャフト挿入口)63を有している。このシャフト挿入口63は、ケーシング1の内部、つまりシャフト軸受け孔13、14および複数の貫通孔62を貫通するように、シャフト5を挿入するための開口部である。
【0058】
シャフト軸受け孔13、14は、全ての吸気通路22および全てのカートリッジ格納室28とシャフト挿入口63とを連通し、且つプレートバルブ4の回転軸方向に延びるシャフト収容孔である。
また、ケーシング1は、ベアリングホルダ12の軸線方向の他端面とアクチュエータケース9との間にギヤ収納空間64を形成する円筒状のハウジング65を有している。また、ベアリングホルダ12の軸線方向の他端側で開口する開口部66は、アクチュエータケース9およびハウジング65によって気密的に保持(閉塞)されている。
【0059】
ケーシング1は、ベアリング15および軸受け防振ゴム16よりもシャフト挿入口側(開口周縁部の内周)に、シャフト軸受け孔13の孔壁面より半径方向の内側に向かって突出する突条リブ67を有している。
突条リブ67は、軸受け防振ゴム16を係止する係止部68を有している。この突条リブ67は、シャフト挿入口側から係止部68の先端側に向かって徐々に内径が縮径するテーパ形状の傾斜面69を有している。
ここで、突条リブ67の係止部68の先端(最小内径部)の内径は、後述するベアリング15の側壁部71の外径よりも大きく、また、後述する軸受け防振ゴム16の弾性円筒部75の外径と同一寸法である。
【0060】
本実施例のシャフト5は、複数の吸気通路21、22の配列方向に対して平行な回転軸方向に延びるように配設されている。また、シャフト5の回転軸方向の一端部(第1端部41)は、ベアリング15の内周に対して回転方向に摺動自在に支持されている。また、シャフト5の第1端部41は、ケーシング1の貫通孔62を貫通して、ケーシング1のベアリングホルダ11の内部(シャフト軸受け孔14)に突き出している。また、シャフト5の第1端部41は、ベアリング15の内部に差し込まれている。
なお、シャフト5の第1端部41は、その回転軸方向に垂直な断面が円形状に形成された円形状部(摺動部)となっている。この第1端部41の外周面は、ベアリング15の摺動孔74の内部において回転方向に摺動する摺動面となっている。
【0061】
本実施例のタンブル制御弁の軸受け構造、つまりシャフト5の軸受け構造は、ケーシング1のベアリングホルダ11と、シャフト5の第1端部41を回転方向に摺動自在に支持するベアリング(軸受け)15と、ケーシング1のベアリングホルダ11の内部で、シャフト5の第1端部41およびベアリング15を弾性支持する軸受け防振ゴム16とによって構成されている。
ベアリング15は、例えば銅や鉄等の金属を焼結した焼結部品であって、円筒形状に形成されている。このベアリング15は、シャフト5の第1端部41の外周面(摺動面)と軸受け防振ゴム16の内周面との間に介在する金属製の軸受け部材(ベアリング)である。
【0062】
ベアリング15は、シャフト5の第1端部41の周囲を周方向に覆う円筒状の側壁部71、この側壁部71の軸線方向の一端側を閉塞する円環状の閉塞端(閉鎖部)72、および側壁部71の軸線方向の他端側で開口するシャフト挿入口73を有している。このシャフト挿入口73は、シャフト5の第1端部41が挿入される開口部である。
側壁部71は、シャフト5の第1端部41の周囲を周方向に取り囲むように配設された軸受け筒部である。
ベアリング15の側壁部71の内部には、シャフト5の第1端部41を回転方向に摺動自在に軸支する断面形状の摺動孔74が形成されている。この摺動孔74内には、シャフト5の第1端部41が挿入される。また、摺動孔74は、その外部側の開口端が、ベアリング15の閉塞端72によって閉塞される袋孔状のシャフト収納孔となっている。
そして、シャフト5の第1端部41の外周面(摺動面)とベアリング15の側壁部71の内周面、つまり摺動孔74の孔壁面(摺動面)との間には、シャフト5の第1端部41をベアリング15の内部で円滑に回転させるための摺動クリアランスが形成されている。
【0063】
軸受け防振ゴム16は、ゴム弾性体(例えば低温環境下においてもシール性が損なわれない低温特性、耐熱性、耐油性に優れるフッ素ゴム等)によって円筒状に形成されている。この軸受け防振ゴム16は、ベアリング15の側壁部71の外周をその円周方向に取り囲むように配設されたスリーブ状の弾性円筒部75、この弾性円筒部75の軸線方向の一端側で開口する第1開口部、および弾性円筒部75の軸線方向の他端側で開口する第2開口部を有している。また、軸受け防振ゴム16の内部には、第1開口部と第2開口部とを連通するように、軸線方向に貫通する貫通孔76が形成されている。
【0064】
弾性円筒部75は、ベアリング15の側壁部71の外周を円周方向に取り囲むように配設された円筒部であって、ベアリング15の円筒部の外周面に焼き付け等によって接合固定されている。この弾性円筒部75は、ベアリング15の円筒部の外周面を所定の肉厚で被覆している。
なお、ベアリング15の側壁部71は、弾性円筒部75の貫通孔76の内部に挿入された状態で保持固定されている。
【0065】
軸受け防振ゴム16は、弾性円筒部75の外周から半径方向の外側に(ベアリングホルダ11の内周側に)向かって突出するビード状の第1〜第3弾性突起(環状リブ)77を有している。
複数の第1〜第3環状リブ77は、弾性円筒部75と伴って、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周(シャフト軸受け孔13の孔壁面)とベアリング15の外周との間の環状隙間(または筒状隙間)をシールするシール部を構成している。
複数の第1〜第3環状リブ77は、半球状または多角状の断面を有し、弾性円筒部75の外周を円環状に取り囲むように、弾性円筒部75の円筒部の円周方向に連続して形成された弾性リブである。これらの第1〜第3環状リブ77は、弾性円筒部75の筒方向に所定の間隔を隔てて(等間隔で)多列配置されている。
【0066】
複数の第1〜第3環状リブ77は、弾性変形が可能なため、ベアリング15の外周に軸受け防振ゴム16を取り付けた状態で、シャフト挿入口63からシャフト軸受け孔13内に挿入する際に、ケーシング1のベアリングホルダ11の突条リブ67を乗り越えることができる。このとき、先にシャフト5をシャフト挿入口63からシャフト軸受け孔13内に挿入した後に、シャフト挿入口63からシャフト軸受け孔13内にベアリング15および軸受け防振ゴム16を挿入すると、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周とシャフト5の第1端部41の外周との間の円筒空間(軸受け収容空間)内にベアリング15および軸受け防振ゴム16を組み付けることができる。
【0067】
また、第1〜第3環状リブ77は、その各頂部が、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周面に接触または当接している。すなわち、軸受け防振ゴム16は、シャフト5の第1端部41の外周に嵌め合わされるベアリング15の円筒部の外周面とケーシング1のベアリングホルダ11の内周面との間に圧縮保持された状態で組み込まれている。
これにより、軸受け防振ゴム16の第1〜第3環状リブ77の頂部とケーシング1のベアリングホルダ11の内周部とが、軸受け防振ゴム16の弾性変形に伴うベアリングホルダ11の内周部に対する摩擦力(フリクション)により密着することで、ケーシング1のベアリングホルダ11の最適位置に対する、シャフト5の第1端部41およびベアリング15の円筒部の耐軸受けズレ性を確保している。
【0068】
[実施例1の作用]
次に、本実施例のTCVのバルブ開度の制御方法を
図1ないし
図4に基づいて簡単に説明する。
【0069】
ECUは、エンジンの運転状況、例えばエンジン回転速度(エンジン回転数)とエンジン負荷(アクセル開度またはスロットル開度)とから、燃焼室内のタンブル流を強化する必要のある「タンブル実施領域」であるか、燃焼室内のタンブル流を強化する必要のない「タンブル非実施領域」であるかを判断する。
なお、エンジンの運転状況、例えばエンジン回転速度とエンジン負荷に基づいて要求タンブル比を求めて、要求タンブル比が所定値以上の時にTCVのバルブ(複数のプレートバルブ4)を全閉し、要求タンブル比が所定値未満の時に複数のプレートバルブ4を全開しても良い。
【0070】
ECUが「タンブル実施領域」であると判断すると、アクチュエータの動力源であるモータへの供給電力を制御(例えばモータを通電)する。このとき、モータトルクを利用して複数のプレートバルブ4が閉弁方向に駆動されるため、複数のプレートバルブ4が閉じられる。つまり複数のプレートバルブ4が、全閉姿勢(全閉状態)となるように開閉制御(全閉制御)される。このとき、各吸気通路21、22の流路開口断面積は最小となる。 この場合、インテークマニホールドのうちの上流側端部から下流側端部(ケーシング1の吸気通路21)に流入した吸気流が、吸気通路21から吸気通路22に流入する。
【0071】
そして、吸気通路21から吸気通路22に流入した吸気流が、殆どカートリッジ2の吸気通路壁面とプレートバルブ4のバルブ上端面との間の隙間(開口部30)から吸気ポート23の上層部に導入され、吸気ポート23の上層部の天壁面に沿うように流れる偏流となる。
そして、吸気ポート23の上層部の天壁面に沿って流れる偏流は、シリンダヘッド3の吸気ポート23の吸気弁口(吸気ポート開口部)から燃焼室内に供給される。このとき、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の旋回流(タンブル流)が発生するため、例えばエンジン始動時またはアイドル運転時における燃焼室内での燃焼効率が向上し、燃費やエミッション(例えばHC低減効果)等が改善される。
【0072】
一方、ECUが「タンブル非実施領域」であると判断すると、アクチュエータの動力源であるモータへの供給電力を制御(例えばモータを通電)する。このとき、モータトルクを利用して複数のプレートバルブ4が開弁方向に駆動されるため、複数のプレートバルブ4が開かれる。つまり複数のプレートバルブ4が、吸気通路21、22を開放してバルブ収納凹部29内に収納される収納姿勢(収納状態、全開状態)となるように開閉制御(全開制御)される。このとき、各吸気通路21、22の流路開口断面積は最大となる。
この場合、インテークマニホールドのうちの上流側端部から下流側端部(ケーシング1の吸気通路21)に流入した吸気流は、吸気通路22をストレートに通過して、複数のカートリッジ2の出口部から吸気ポート23内に導入される。
そして、吸気ポート23を通過した吸気流は、吸気ポート開口部から燃焼室内に供給される。このとき、エンジンの各気筒毎の燃焼室内においてタンブル流は発生しない。
【0073】
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の吸気渦流発生装置においては、軸受け防振ゴム16のシール部(弾性円筒部75、第1〜第3環状リブ77)によってケーシング1のベアリングホルダ11の内周(シャフト軸受け孔13の孔壁面)とベアリング15の側壁部(軸受け筒部)71の外周との間の環状隙間(または筒状隙間)がシール(封止、密閉)される。また、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周(シャフト軸受け孔13の孔壁面)に接触または当接または密着する第1〜第3環状リブ77を有する軸受け防振ゴム16によってケーシング1のベアリングホルダ11にベアリング15の側壁部71が固定される。
また、ベアリング15の側壁部71の内部に設けられる摺動孔74は、その一端側が、閉塞端72によって閉塞される袋孔状のシャフト収納孔となっている。
これによって、ベアリング15の側壁部71の軸線方向の一端側を気密的に封止(密閉)することができるので、シャフト5の第1端部41の外周とベアリング15の側壁部71の内周との間の気密性を保持することができる。これにより、シャフト5の第1端部41の外周とベアリング15の側壁部71の内周との間の摺動クリアランスを通って、吸気通路21、22内のエアが外部へ洩れるのを防止することができる。
【0074】
以上のように、軸受け防振ゴム16のシール部(弾性円筒部75、第1〜第3環状リブ77)およびベアリング15の閉塞端72を設けることにより、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周(シャフト軸受け孔13の孔壁面)とベアリング15の側壁部(軸受け筒部)71の外周との間の気密性の保持と、シャフト5の第1端部41の外周とベアリング15の側壁部71の内周との間の摺動クリアランスの気密性の保持とを行うことができるので、キャップ部品を廃止できるので、部品点数を削減することができる。また、キャップ部品の組付け工程を廃止できるので、製造コストを削減することができる。
また、ベアリング15は、内部に摺動孔74が形成された側壁部71、この側壁部71の軸線方向の一端側を閉塞する円環状の閉塞端72、および側壁部71の軸線方向の他端側で開口するシャフト挿入口73を有している。これによって、ベアリング15の側壁部71の軸線方向の一端側を封止できるので、シャフト5の第1端部(摺動部)41の隙間からのエア洩れを防止することができる。
【0075】
また、軸受け防振ゴム16は、内部に貫通孔76が形成された弾性円筒部75、この弾性円筒部75の軸線方向の一端側で開口する第1開口部、および弾性円筒部75の軸線方向の他端側で開口する第2開口部を有している。また、軸受け防振ゴム16は、弾性円筒部75の外周から半径方向の外側に向かって突出する第1〜第3環状リブ77を有している。そして、第1〜第3環状リブ77の頂部(最大外径部)は、シャフト軸受け孔13の孔壁面に接触または当接または密着している。
これによって、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周(シャフト軸受け孔13の孔壁面)と軸受け防振ゴム16の第1〜第3環状リブ77の頂部との間で発生する摩擦力(フリクション)によりケーシング1のベアリングホルダ11に対してベアリング15がスラスト方向にズレ難くなるので、ケーシング1のベアリングホルダ11に対するベアリング15の耐軸受けズレ性を確保することができる。これにより、ケーシング1のベアリングホルダ11に対してベアリング15を固定することができる。
また、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周とベアリング15の外周との間の隙間をシールする第1〜第3環状リブ77を有する軸受け防振ゴム16によって、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周とベアリング15の外周との間の気密性を保持することができる。
【0076】
また、第1〜第3環状リブ77は、軸受け防振ゴム16の弾性円筒部75の外周を周方向に取り囲むように、弾性円筒部75の周方向に連続して形成されている。第1〜第3環状リブ77は、軸受け防振ゴム16の弾性円筒部75の筒方向に所定の間隔を隔てて多列配置されている。
ここで、シャフト5の第1端部41の外周とベアリング15の側壁部71の内周(摺動孔74の孔壁面)とが、グリースまたはオイル等の潤滑剤を介して摺動接触しており、第1〜第3環状リブ77が軸受け防振ゴム16の弾性円筒部75の筒方向に3つ以上所定の間隔を隔てて多列配置されている場合、グリースまたはオイル等の潤滑剤が、多列配置された第1〜第3環状リブ77のうち弾性円筒部75の筒方向の両端部およびその近傍に位置する最外側の第3環状リブ77まで伝ってきても、グリースまたはオイル等の潤滑剤が最外側の第3環状リブ77により塞き止められる。
これによって、グリースまたはオイル等の潤滑剤が、第1、第3環状リブ77間に位置する中間の第2環状リブ77に付着することを防ぐことができるので、中間の第2環状リブ77への付着による中間の第2環状リブ77のフリクションの低下に伴う、ケーシング1のベアリングホルダ11に対するベアリング15の耐軸受けズレ性の低下を防止することができる。
【0077】
また、ケーシング1のベアリングホルダ11の開口端には、シャフト軸受け孔13の孔壁面より半径方向の内側に突出する突条リブ67が設けられている。この突条リブ67は、軸受け防振ゴム16を係止する係止部68を有している。
これによって、突条リブ67の係止部68に軸受け防振ゴム16を係止することができるので、ベアリング15または軸受け防振ゴム16の脱落を防止することができる。
また、突条リブ67は、シャフト挿入口側から係止部68の先端(最小内径部)側に向かって徐々に内径が縮径するテーパ形状の傾斜面69を有している。
これによって、仮にベアリング15および軸受け防振ゴム16を取り付けたシャフト5をシャフト挿入口63からシャフト軸受け孔13の内部に容易に挿入することができる。
【0078】
[変形例]
本実施例では、本発明を、内燃機関(エンジン)の燃焼室内において縦方向の旋回流(タンブル流)を発生させる吸気渦流発生装置に適用しているが、本発明を、内燃機関(エンジン)の燃焼室内において横方向の旋回流(スワール流)を発生させる吸気渦流発生装置に適用しても良い。また、本発明を、内燃機関(エンジン)の燃焼を促進させるためのスキッシュ渦の生成が可能となるように構成しても良い。
【0079】
本実施例では、本発明を、吸気渦流発生装置に適用しているが、本発明を、内燃機関(エンジン)に吸い込まれる吸気の流量を調整する電子スロットル装置や、内燃機関の吸気通路長や吸気通路断面積を変更する可変吸気装置に適用しても良い。
本実施例では、吸気制御弁の弁体であるプレートバルブ4またはロータリバルブを駆動するアクチュエータを、モータおよび減速機構を備えた電動アクチュエータによって構成したが、吸気制御弁の弁体であるバルブを駆動するアクチュエータを、モータのみによって構成しても良い。また、吸気制御弁の弁体であるバルブを駆動するアクチュエータを、電磁式または電動式負圧制御弁を備えた負圧作動式アクチュエータ、あるいは電磁アクチュエータによって構成しても良い。
なお、バルブを開弁作動方向または閉弁作動方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段を設置しても設置しなくても構わない。
【0080】
本実施例では、1個のカートリッジ2の内部に1個のプレートバルブ4を開閉自在に組み込んだタンブル制御弁を、ケーシング1としてのインテークマニホールドの内部にシャフト5の回転軸方向に一定の間隔で複数配置した多連一体型のバルブ開閉装置(吸気通路開閉装置)を採用しているが、ケーシング(その他の吸気ダクトまたはエンジンヘッドカバーまたはシリンダヘッド)の内部にシャフトの回転軸方向に一定の間隔で複数のバルブを直接配置した多連一体型のバルブ開閉装置(吸気通路開閉装置)を採用しても良い。この場合には、カートリッジ2を廃止できる。
【0081】
本実施例では、シャフト5の回転軸方向の一端側に、ベアリング15、軸受け防振ゴム16およびベアリングホルダ11等によって構成されるフローティング軸受け構造を採用しているが、シャフト5の回転軸方向の両端側に、ベアリング15、軸受け防振ゴム16およびベアリングホルダ11等によって構成されるフローティング軸受け構造を採用しても良い。
本実施例では、ベアリング15の円筒部の外周面に焼き付け等によって軸受け防振ゴム16が接合固定されているが、ベアリング15の外周面に接着剤等によって軸受け防振ゴム16が接合固定されていても良い。また、ベアリング15の外周面にかしめ等によって軸受け防振ゴム16が保持固定されていても良い。また、ベアリング15の外周面にバンド等によって軸受け防振ゴム16が保持固定されていても良い。