特許第5811987号(P5811987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5811987
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月11日
(54)【発明の名称】情報処理端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20130101AFI20151022BHJP
【FI】
   G06F3/048 656A
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-231734(P2012-231734)
(22)【出願日】2012年10月19日
(65)【公開番号】特開2014-85701(P2014-85701A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 洋介
【審査官】 海江田 章裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−135705(JP,A)
【文献】 特開2007−304333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションを実行するアプリケーション実行手段(21)と、
前記アプリケーション実行手段が実行する前記アプリケーションに所定の機能を提供するサブアプリケーションを、前記アプリケーション実行手段からの実行要求に応じて実行するサブアプリケーション実行手段(22)と、
前記サブアプリケーション実行手段が前記サブアプリケーションを実行している間は、当該サブアプリケーションが実行中であることを示す実行画面に代えて、当該サブアプリケーションが実行中であることを隠す隠し画面を表示する隠し画面表示手段(23)と、
を備え
前記アプリケーション実行手段は、前記アプリケーションとして、目的地を選択する目的地選択アプリケーションを実行し、
前記サブアプリケーション実行手段は、前記サブアプリケーションとして、前記目的地選択アプリケーションによって選択された前記目的地の位置情報を外部のナビゲーション装置に提供する位置情報提供アプリケーションを実行する情報処理端末。
【請求項2】
前記隠し画面表示手段は、前記隠し画面として、
透明な画面、単一色の画面、所定の柄の画面、前記アプリケーション実行手段が指定する画面のうち何れか1つを表示する請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記サブアプリケーション実行手段が前記アプリケーション実行手段から前記実行要求を受けると、前記アプリケーション実行手段が実行している前記アプリケーションが予め設定された認証アプリケーションであるか否かを判定する認証手段(24)を備え、
前記隠し画面表示手段は、前記アプリケーション実行手段が実行している前記アプリケーションが前記認証アプリケーションである場合に前記隠し画面を表示する請求項1または2に記載の情報処理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、複数のアプリケーションを相互に連携して動作させる技術が開示されている。この技術によれば、例えば、あるアプリケーションを実行している場合に、そのアプリケーションが備えていない機能を提供する他のアプリケーションを実行することで、本来備わっていない機能を間接的に取り込むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−197885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的には、あるアプリケーション(以下、「メインアプリ」と称する)を実行している場合に他のアプリケーション(以下、「サブアプリ」と称する)を実行すると、情報処理端末に表示される画面は、メインアプリの実行画面からサブアプリの実行画面に遷移する。そして、その後、サブアプリの動作が完了すると、情報処理端末に表示される画面は、再びメインアプリの実行画面に遷移する。このように表示画面が遷移する構成では、メインアプリが一旦停止してサブアプリが動作していること、つまり、メインアプリとは別のサブアプリが動作していることがユーザに認識されてしまい、メインアプリにサブアプリの機能が直接的に組み込まれているように見せることができない。
【0005】
一方で、メインアプリにサブアプリの機能を例えばモジュールとして直接的に組み込んでしまえば、サブアプリの機能はあくまでもメインアプリの実行中において当該メインアプリの一機能として提供される。そのため、サブアプリの機能が提供される場合に、メインアプリとは別のサブアプリが動作しているとユーザが認識してしまうおそれを少なくすることができる。しかしながら、この場合、メインアプリにサブアプリの機能を組み込む工程が必要となり、このような工程がアプリケーションの開発者にとって負担となる。そのため、メインアプリにサブアプリの機能を直接的に組み込むのではなく、上記したようにメインアプリが本来備えていない機能をメインアプリとは別のサブアプリを実行することで提供する技術において、メインアプリにサブアプリの機能が直接的に組み込まれているように見せることができる技術が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、メインアプリケーションが本来備えていない機能をメインアプリケーションとは別のサブアプリケーションを実行することで提供する技術において、そのサブアプリケーションが動作していることを認識されないようにすることができ、メインアプリケーションにサブアプリケーションの機能が直接的に組み込まれているように見せることができる情報処理端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理端末によれば、アプリケーション実行手段は、あるアプリケーションをメインアプリケーションとして実行する。サブアプリケーション実行手段は、アプリケーション実行手段が実行するメインアプリケーションに所定の機能を提供するサブアプリケーションを、アプリケーション実行手段からの実行要求に応じて実行する。そして、隠し画面表示手段は、サブアプリケーション実行手段がサブアプリケーションを実行している間は、当該サブアプリケーションが実行中であることを示す実行画面に代えて、当該サブアプリケーションが実行中であることを隠す隠し画面を表示する。そして、前記アプリケーション実行手段は、前記アプリケーションとして、目的地を選択する目的地選択アプリケーションを実行する。また、前記サブアプリケーション実行手段は、前記サブアプリケーションとして、前記目的地選択アプリケーションによって選択された前記目的地の位置情報を外部のナビゲーション装置に提供する位置情報提供アプリケーションを実行する。

【0008】
これにより、メインアプリケーションが本来備えていない機能をメインアプリケーションとは別のサブアプリケーションを実行することで提供する場合に、隠し画面を表示することにより、そのサブアプリケーションが動作していることを認識されないようにすることができる。そして、メインアプリケーションが本来備えていない機能を提供しつつ、その機能を提供するサブアプリケーションが実行中であることを隠すことができるから、その機能をあたかもメインアプリケーションが備える一機能として提供することができ、メインアプリケーションにサブアプリケーションの機能が直接的に組み込まれているように見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る情報処理端末の構成を概略的に示す機能ブロック図
図2】情報処理端末の動作内容の一例を示すフローチャート
図3】メインアプリケーションの実行画面の一例を示す図
図4】サブアプリケーションの実行画面の一例を示す図
図5】(a)〜(d)はそれぞれ隠し画面の一例を示す図
図6】第2実施形態に係る図1相当図
図7】認証用データの一例を示す図
図8図2相当図
図9】変形例に係る図1相当図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、情報処理端末の複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態で実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
図1に示すように、情報処理端末10は、例えば携帯通信端末で構成され、制御部11、操作入力部12、表示出力部13、記憶部14、通信部15などを備える。
制御部11は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されており、情報処理端末10の動作全般を制御する。また、この制御部11は、CPUにおいて制御プログラムを実行することにより、メインアプリケーション実行処理部21(以下、「メイン実行処理部21」と称する)、サブアプリケーション実行処理部22(以下、「サブ実行処理部22」と称する)、隠し画面表示処理部23をソフトウェアによって仮想的に実現する。なお、これらメイン実行処理部21、サブ実行処理部22、隠し画面表示処理部23は、例えば制御部11と一体の集積回路としてハードウェア的に実現してもよい。
【0011】
操作入力部12は、表示出力部13の画面上に設けられるタッチパネルスイッチ、及び、表示出力部13の周囲に設けられているメカニカルスイッチなど各種のスイッチ類を含む。操作入力部12は、ユーザによる各種のスイッチの操作に応じて操作検知信号を制御部11に出力する。制御部11は、操作入力部12から入力された操作検知信号を解析してユーザの操作内容を特定する。そして、制御部11は、特定した操作内容に基づいて各種の処理、例えばユーザによって指定されたアプリケーションの実行処理などを行う。
【0012】
表示出力部13は、例えば液晶表示器や有機EL表示器で構成されており、制御部11から入力される表示指令信号に基づいて各種の情報を表示する。この表示出力部13の画面には、周知の感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式あるいはそれらを組み合わせた方式で構成されるタッチパネルスイッチが設けられる。この表示出力部13には、例えば各種のアプリケーションの実行画面、詳しくは後述する隠し画面などが表示される。
【0013】
記憶部14は、例えばハードディスクドライブやメモリカードなどの不揮発性の記憶媒体で構成されており、各種のコンピュータプログラム、各種のアプリケーションを実行するためのアプリケーションプログラム、各プログラムで使用されるデータ、各種の画面表示用のデータ、地図データなどを記憶している。なお、各種のアプリケーション(アプリケーションプログラム)には、そのアプリケーションを識別するための識別情報が付与されている。また、地図データには、少なくとも、目的地として設定される店舗、施設、地名、観光地などの位置を示す位置情報(座標情報)などが含まれる。
【0014】
通信部15は、例えば車両の経路案内を実行する図示しない外部のナビゲーション装置との間に無線の通信回線を確立し、その通信回線を通じてナビゲーション装置との間で各種の通信を行う。なお、通信部15が通信可能に接続される外部の装置は、ナビゲーション装置に限られず、例えば、情報処理端末10とは別の情報処理端末であってもよい。
【0015】
メイン実行処理部21は、アプリケーション実行手段に相当するものであり、制御部11からの実行要求に基づいて、実行を要求されたアプリケーションをメインアプリケーションとして実行する。このメイン実行処理部21によって実行されるメインアプリケーションとしては、例えば、詳しくは後述する目的地選択アプリケーションなどが考えられる。なお、目的地選択アプリケーションは、例えば車両の経路案内の目的地として設定する地点を選択するためのアプリケーションである。
【0016】
サブ実行処理部22は、サブアプリケーション実行手段に相当するものであり、メイン実行処理部21が実行するメインアプリケーションに所定の機能を提供するサブアプリケーションを、メイン実行処理部21からの実行要求に応じて実行する。サブアプリケーションが実行されることにより、メインアプリケーションには当該メインアプリケーションが本来備えていない機能が付加されるようになる。このサブ実行処理部22によって実行されるサブアプリケーションとしては、例えば、詳しくは後述する位置情報提供アプリケーションなどが考えられる。なお、位置情報提供アプリケーションは、所定の機能として、目的地選択アプリケーションによって選択された目的地の位置情報(座標情報)を地図データから抽出し、その抽出した位置情報を通信部15を介してナビゲーション装置に提供する機能を実現する。
【0017】
隠し画面表示処理部23は、隠し画面表示手段に相当するものであり、サブ実行処理部22がサブアプリケーションを実行している間は、当該サブアプリケーションが実行中であることを示す実行画面に代えて、当該サブアプリケーションが実行中であることを隠すための隠し画面を表示する。
【0018】
次に、情報処理端末10の動作について説明する。例えば、情報処理端末10において、メインアプリケーションA(以下、「メインアプリA」と称する)を実行している場合に、そのメインアプリAが本来備えていない機能を当該メインアプリAとは別のサブアプリケーションX(以下、「サブアプリX」と称する)を実行することで提供する場合には、図2に示すように、メイン実行処理部21は、サブ実行処理部22にサブアプリXの実行を要求する(ステップA1)。これにより、メイン実行処理部21はサブアプリXを呼び出す。このとき、メイン実行処理部21は、その時点で実行しているメインアプリAの識別情報をサブ実行処理部22に出力する。なお、メイン実行処理部21は、サブアプリXの実行要求を完了すると、メインアプリAの実行を一旦停止する(ステップA2)。
【0019】
一方、サブ実行処理部22は、メイン実行処理部21からの実行要求に応じてサブアプリXの実行を開始する(ステップA3)。サブ実行処理部22は、サブアプリXを実行することにより、当該サブアプリXが備える所定の機能を提供する(ステップA4)。また、サブ実行処理部22は、サブアプリXの実行を開始すると、サブアプリXを実行中であることを示すサブアプリ実行中信号を隠し画面表示処理部23に出力する。隠し画面表示処理部23は、サブアプリ実行中信号を受信すると、表示出力部13への隠し画面の表示を開始する(ステップA5)。
【0020】
サブ実行処理部22は、所定の機能の提供を完了すると、サブアプリXの実行を停止する(ステップA6)。そして、サブ実行処理部22は、サブアプリXの実行を停止すると、サブアプリXを停止したことを示すサブアプリ実行停止信号を隠し画面表示処理部23に出力する。隠し画面表示処理部23は、サブアプリ実行停止信号を受信すると、表示出力部13への隠し画面の表示を停止する(ステップA7)。
【0021】
また、サブ実行処理部22は、サブアプリXの実行を停止すると、メイン実行処理部21から出力された識別情報に基づいて、呼び出し元のメインアプリケーション、この場合、メインアプリAを特定する(ステップA8)。そして、サブ実行処理部22は、その特定したメインアプリAの実行をメイン実行処理部21に要求する(ステップA9)。これにより、サブ実行処理部22は、一旦停止されたメインアプリAを呼び出す。そして、メイン実行処理部21は、一旦停止したメインアプリAの実行を再開する(ステップA10)。
【0022】
次に、情報処理端末10において、メインアプリAとして目的地選択アプリケーションを実行し、サブアプリXとして位置情報提供アプリケーションを実行する場合について具体的に説明する。
即ち、情報処理端末10は、メイン実行処理部21が目的地選択アプリケーションA(以下、「目的地選択アプリA」と称する)を実行している場合には、図3に示すように、当該目的地選択アプリAの実行画面GAを表示出力部13に表示する。この実行画面GAには、目的地の候補Pa,Pb,Pc,・・・が表示されるとともに、これら目的地の候補を選択するための選択ボタンBa,Bb,Bc,・・・が各候補に対応付けて表示される。なお、選択ボタンは、ユーザがタッチ操作可能なタッチボタンとして表示されている。
【0023】
そして、ユーザによって何れかの選択ボタンが操作されると、サブ実行処理部22は、メイン実行処理部21からの実行要求に応じて位置情報提供アプリX(以下、「位置情報提供アプリX」と称する)の実行を開始する。このとき、メイン実行処理部21は、選択された候補を特定する目的地候補特定情報をサブ実行処理部22に出力する。そして、サブ実行処理部22は、メイン実行処理部21から出力された目的地候補特定情報に基づいて選択された候補を特定し、特定した候補の位置情報を地図データから抽出する。そして、サブ実行処理部22は、抽出した位置情報をナビゲーション装置に提供する。
【0024】
情報処理端末10は、サブ実行処理部22によって位置情報提供アプリXの実行が開始されると、本来であれば、例えば図4に示す実行画面GX、即ち位置情報提供アプリXが実行中であることを示す実行画面を表示出力部13に表示する。しかし、この場合、情報処理端末10は、隠し画面表示処理部23によって、この実行画面GXに代えて、位置情報提供アプリXが実行中であることを隠すための隠し画面を表示出力部13に表示する。
ここで、隠し画面表示処理部23によって表示される隠し画面の例について図5を参照しながら説明する。なお、この場合、隠し画面表示処理部23は、図5に例示する隠し画面GHa〜GHdのうち何れか1つを表示する。
【0025】
図5(a)に示す隠し画面GHaは、全面が透明な画面、いわゆるダミー画面である。この隠し画面GHaが表示された状態では、隠し画面GHaを通して目的地選択アプリAの実行画面GAを視認することは可能であるが操作することはできない。なお、隠し画面GHaは、全面が透明な画面ではなく、一部が透明で残部が不透明な画面であってもよい。
【0026】
図5(b)に示す隠し画面GHbは、全面が単一色の画面である。この隠し画面GHbが表示された状態では、隠し画面GHbを通して実行画面GAを視認することができず操作することもできない。なお、隠し画面GHbは、全面が単一色の画面ではなく、一部が単一色で残部が例えば透明の画面であってもよい。また、単一色としては、例えば黒や白などが考えられるが、その他の色であってもよい。
【0027】
図5(c)に示す隠し画面GHcは、全面が所定の柄の画面である。この隠し画面GHcが表示された状態では、隠し画面GHcを通して実行画面GAを視認することができず操作することもできない。なお、隠し画面GHcは、全面が所定の柄の画面ではなく、一部が所定の柄で残部が例えば透明の画面であってもよい。また、所定の柄としては、例えばストライプ模様などが考えられるが、その他の柄であってもよい。
【0028】
図5(d)に示す隠し画面GHdは、メイン実行処理部21が指定する画面である。この場合、メイン実行処理部21は、実行するメインアプリケーションの種類に応じて、指定する画面を選択する。メイン実行処理部21による画面の指定処理は、例えばメイン実行処理部21が位置情報提供アプリXの実行を要求するときに隠し画面表示処理部23に対して行われる。隠し画面表示処理部23は、メイン実行処理部21が指定する画面を表示するためのデータを記憶部14から抽出し、その抽出した画面表示用のデータに基づいて指定画面を表示する。
【0029】
この隠し画面GHdが表示された状態では、隠し画面GHdを通して実行画面GAを視認することができず操作することもできない。なお、隠し画面GHdは、全面が指定画面ではなく、一部が指定画面で残部が例えば透明の画面であってもよい。また、指定画面としては、例えば、メイン実行処理部21が実行するメインアプリケーションを示すシンボルマークを含む画面、そのメインアプリケーションにより選択可能な目的地のジャンルを示すシンボルマークを含む画面など種々の画面を指定することができる。また、指定画面は、メインアプリケーションと関連性を有しないシンボルなどを含んでいてもよい。
【0030】
以上に説明したように本実施形態の情報処理端末10によれば、メインアプリケーションが本来備えていない機能をメインアプリケーションとは別のサブアプリケーションを実行することで提供する場合に、隠し画面を表示することにより、そのサブアプリケーションが動作していることを認識されないようにすることができる。そして、メインアプリケーションが本来備えていない機能を提供しつつ、その機能を提供するサブアプリケーションが実行中であることを隠すことができるから、その機能をあたかもメインアプリケーションが備える一機能として提供することができ、メインアプリケーションにサブアプリケーションの機能が直接的に組み込まれているように見せることができる。
【0031】
また、メイン実行処理部21がメインアプリケーションとして目的地選択アプリAを実行し、サブ実行処理部22がサブアプリケーションとして位置情報提供アプリXを実行する場合を例示した。しかし、メイン実行処理部21が実行するメインアプリケーションおよびサブ実行処理部22が実行するサブアプリケーションは、これらに限られるものではなく、種々のアプリケーションを実行することができる。この場合、メインアプリケーションとサブアプリケーションとは、例えば目的地選択アプリAと位置情報提供アプリXのように「位置」という概念を介して相互に関連したアプリケーションに限られるものではなく、相互に何ら関連性を有しないアプリケーションであってもよい。
【0032】
また、隠し画面表示処理部23は、隠し画面として、透明な画面、単一色の画面、所定の柄の画面、メイン実行処理部21が指定する指定画面のうち何れか1つを表示する場合を例示した。しかし、隠し画面表示処理部23が表示する隠し画面としては、これらに限られるものではなく、サブアプリケーションが実行中であることを隠すことができる画面であれば、種々の画面を採用することができる。
【0033】
なお、メインアプリケーションが呼び出すサブアプリケーションは、予めデータテーブルなどに設定しておいてもよいし、呼び出し時に適宜選択するように構成してもよい。また、メインアプリケーションが呼び出すサブアプリケーションは、そのメインアプリケーション以外のアプリケーションからも呼び出し可能に設定してもよい。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6に示すように、情報処理端末10は、制御部11によって制御プログラムを実行することにより、さらに認証処理部24をソフトウェアによって仮想的に実現する。なお、この認証処理部24は、例えば制御部11と一体の集積回路としてハードウェア的に実現してもよい。
この認証処理部24は、サブ実行処理部22がメイン実行処理部21からサブアプリケーションの実行要求を受けると、詳しくは後述するように、メイン実行処理部21が実行しているメインアプリケーションが予め設定された認証アプリケーションであるか否かを判定する。
【0035】
なお、記憶部14に格納されているアプリケーション(アプリケーションプログラム)には、それぞれ識別情報が付与されているとともに、そのアプリケーションを実行するために必要なパスワードが設定されている。メイン実行処理部21は、あるアプリケーションをメインアプリケーションとして実行する場合には、表示出力部13に表示される図示しないパスワード入力部に正当なパスワード(そのアプリケーションに設定されているパスワード)が入力されたことを条件に、そのアプリケーションの実行を開始するように設定されている。
また、記憶部14には、例えば図7に示す認証用データNDが格納されている。この認証用データNDには、各アプリケーションに付与されている認証情報および各アプリケーションに設定されているパスワードが相互に対応付けられて格納されている。
【0036】
次に、情報処理端末10の動作について説明する。即ち、図8に示すように、メイン実行処理部21は、サブ実行処理部22にサブアプリXの実行を要求するときに(ステップA1)、その時点で実行しているメインアプリAの識別情報と、そのメインアプリAを実行する際に入力されたパスワードとをサブ実行処理部22に出力する。一方、サブ実行処理部22は、メイン実行処理部21からの実行要求に応じて認証要求を実行する(ステップB1)。この認証要求では、サブ実行処理部22は、メイン実行処理部21から受け取った識別情報およびパスワードを認証処理部24に出力する。
【0037】
認証処理部24は、サブ実行処理部22からの認証要求に応じて認証処理を実行する(ステップB2)。この認証処理では、認証処理部24は、サブ実行処理部22、換言すればメイン実行処理部21から出力された識別情報およびパスワードの組が、認証用データNDに格納されている何れかの識別情報およびパスワードの組と一致するか否かを判定する。
【0038】
そして、認証処理部24は、認証処理を完了すると、その結果を示す認証結果情報をサブ実行処理部22に出力する(ステップB3)。ここで、認証処理部24は、認証処理において識別情報およびパスワードの組が何れかの組と一致すると判定した場合には、メイン実行処理部21が実行しているメインアプリケーションが予め設定された認証アプリケーションであると判断し、認証結果情報に許可信号を添付する。一方、認証処理部24は、認証処理において識別情報およびパスワードの組が何れの組とも一致しないと判定した場合には、メイン実行処理部21が実行しているメインアプリケーションが予め設定された認証アプリケーションでないと判断し、認証結果情報に不許可信号を添付する。
【0039】
サブ実行処理部22は、認証処理部24から認証結果情報が出力されると、その認証結果情報に許可信号が添付されているか否かを確認する(ステップB4)。認証結果情報に許可信号が添付されている場合(ステップB4:YES)には、サブ実行処理部22は、サブアプリXの実行を開始する(ステップA3)。サブ実行処理部22は、サブアプリXの実行を開始するとサブアプリ実行中信号を隠し画面表示処理部23に出力し、この信号を受けて隠し画面表示処理部23は隠し画面を表示する。即ち、この場合、隠し画面表示処理部23は、メイン実行処理部21が実行しているアプリケーションが予め設定された認証アプリケーションであることを条件に、サブアプリXの実行中に隠し画面を表示する。
【0040】
一方、認証結果情報に許可信号が添付されていない場合、即ち不許可信号が添付されている場合(ステップB4:NO)には、サブ実行処理部22は、サブアプリXを実行することなく、この処理を終了する。なお、サブ実行処理部22は、認証結果情報に許可信号が添付されていない場合には、隠し画面表示処理部23によって隠し画面を表示することなくサブアプリXを実行するように設定してもよい。即ち、サブ実行処理部22は、例えばサブアプリXの実行を開始した際にサブアプリ実行中信号を隠し画面表示処理部23に出力しないように設定することで、隠し画面を表示することなくサブアプリXを実行するように構成してもよい。この場合、表示出力部13には、実行画面GXが表示される。
【0041】
以上に説明したように本実施形態の情報処理端末10によれば、メイン実行処理部21が実行しているアプリケーションが予め設定された認証アプリケーションである場合に限って、サブアプリXの実行中に隠し画面が表示される。換言すれば、メイン実行処理部21が実行しているアプリケーションが認証アプリケーションでない場合には、サブアプリXの実行中に当該サブアプリXの実行画面が表示されるようになる。これにより、認証アプリケーションについてはサブアプリXの機能が組み込まれているように見せることができ、認証アプリケーション以外のアプリケーションについてはサブアプリXの機能が組み込まれていないように見せることができる。
【0042】
なお、図9に示すように、認証処理部24は、情報処理端末10ではなく、当該情報処理端末10と通信可能な外部のサーバ31に設けてもよい。この場合、認証用データNDもサーバ31の記憶部32に格納するとよい。これにより、認証用データNDをサーバ31において一元的に管理することができ、さらに認証処理もサーバ31において一元的に実行することができる。また、例えば認証アプリケーションを変更する場合には、サーバ31において認証用データNDを更新すればよく、複数の情報処理端末に格納されている認証用データNDをそれぞれ更新する必要がない。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。また、各実施形態を組み合わせて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0043】
図面中、10は情報処理端末、21はメインアプリケーション実行処理部(アプリケーション実行手段)、22はサブアプリケーション実行処理部(サブアプリケーション実行手段)、23は隠し画面表示処理部(隠し画面表示手段)、24は認証処理部(認証手段)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9