(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記関連付け手段は、前記移動操作を前記第一画像制御に関連付けたことを条件として、前記閾値距離を長くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の操作デバイス。
前記認可操作判定手段は、前記閾値距離よりも前記操作部に近接する領域への前記操作体の移動を、前記認可操作として記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の操作デバイス。
前記関連付け手段は、前記操作体距離につき、前記閾値距離としての第一閾値距離(Dth1)を超え且つ前記第一閾値距離よりも長い第二閾値距離(Dth2)未満である場合に、前記操作体による操作を前記第二画像制御に関連付け、
前記認可操作判定手段(33,S262〜S266)は、前記第二閾値距離よりも前記操作部に近接する領域に、予め規定された時間、前記操作体を継続して位置させる操作を、前記認可操作として記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の操作デバイス。
前記認可操作判定手段(33,S364)は、前記操作部に沿った前記操作体の移動を、前記認可操作として記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の操作デバイス。
前記認可操作判定手段は、前記操作部から離間する方向に沿った前記操作体の移動を、前記認可操作として記憶することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の操作デバイス。
前記操作体によってなされる特定の操作を禁止操作として予め記憶し、前記操作部に対して前記禁止操作がなされたか否かを判定する禁止操作判定手段(33,S464)、をさらに備え、
前記モード切替手段(33,S465)は、前記許可モードである場合に、前記禁止操作がなされたと前記禁止操作判定手段によって判定されたことを条件として、当該許可モードから前記禁止モードへと切り替えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の操作デバイス。
前記禁止操作判定手段は、前記閾値距離よりも前記操作部に近接する領域への前記操作体の移動を、前記禁止操作として記憶することを特徴とする請求項8に記載の操作デバイス。
前記第二画像部の描画される第二画像レイヤ(L2)及び前記第一画像部の描画される第一画像レイヤ(L1)を含む複数の描画レイヤを重畳させてなる表示画像(60,260,360)が前記表示部に表示され、当該表示画像に含まれる前記画像部を操るための操作が前記操作部に対してなされる操作デバイスであって、
前記関連付け手段は、
前記操作体距離が前記閾値距離未満である場合に、前記第一画像レイヤを操作の対象となる前記描画レイヤとして選択することにより、前記移動操作を前記第一画像制御に関連付け、
前記操作体距離が前記閾値距離を超える場合に、前記第二画像レイヤを操作の対象となる前記描画レイヤとして選択することにより、前記移動操作を前記第二画像制御に関連付けることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の操作デバイス。
前記検出手段は、前記操作部と前記操作体との間に蓄えられる静電容量に基づいて前記移動操作を検出する静電容量方式であって、前記操作部から前記操作体までの前記操作体距離を前記静電容量に基づいて取得することにより、前記取得手段を兼ねることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の操作デバイス。
操作体(F)による操作部(32)への入力に基づく信号を、表示部(52)の表示を制御する表示制御手段(53)に取得させることにより、前記表示部に表示される画像部
(61)の前記操作体による操作を可能にする操作デバイスであって、
前記操作部に対する前記操作体の相対位置を、三次元方向の入力位置座標として検出する検出手段(31,33)と、
前記検出手段によって検出される前記入力位置座標のうち、前記操作部及び前記操作体間の距離に対応するz軸方向の座標を示す値が、予め規定された閾値(Hth1)を超えているか否かに基づいて、前記表示制御手段にて制御の対象とされる前記画像部を切り替えさせる画像部切替手段(33)と、
前記操作体の移動に伴い変化する前記入力位置座標について、その変化の前後における二点のz軸方向の座標を示す値が前記閾値を跨いで変化したことに基づいて、前記入力位置座標を示す前記信号を前記表示制御手段に取得させるか否かを決定する取得決定手段(33)と、
前記取得決定手段によって前記信号の取得を許可する許可決定がなされるまで前記表示制御手段による前記信号の取得を中断させ、前記許可決定がなされたことに基づいて前記表示制御手段に前記信号の取得を開始させる取得制御手段(33)と、
を備えることを特徴とする操作デバイス。
操作体(F)による操作部(32)への入力に基づく信号を、表示部(52)の表示を制御する表示制御手段(53)に取得させることにより、前記表示部に表示される画像部(61)の前記操作体による操作を可能にする操作デバイスであって、
前記操作部に対する前記操作体の相対位置を、三次元方向の入力位置座標として検出する検出手段(31,33)と、
前記検出手段によって検出される前記入力位置座標のうち、前記操作部及び前記操作体間の距離に対応するz軸方向の座標を示す値が、予め規定された閾値(Hth1)を超えているか否かに基づいて、前記表示制御手段にて制御の対象とされる前記画像部を切り替えさせる画像部切替手段(33)と、
前記操作体の移動に伴い変化する前記入力位置座標について、その変化の前後における二点のz軸方向の座標を示す値が前記閾値を跨いで変化したことに基づいて、前記入力位置座標を示す前記信号を前記表示制御手段に出力するか否かを決定する出力決定手段(33)と、
前記出力決定手段によって前記信号の出力を許可する許可決定がなされるまで前記表示制御手段への前記信号の出力を中断し、前記許可決定がなされたことに基づいて前記表示制御手段への前記信号の出力を開始する出力制御手段(33)と、
を備えることを特徴とする操作デバイス。
操作体(F)による操作部(32)への入力に基づく信号を、表示部(52)の表示を制御する表示制御手段(53)に取得させることにより、前記表示部に表示される画像部
(61)の前記操作体による操作を可能にする操作デバイスであって、
前記操作部に対する前記操作体の相対位置を、三次元方向の入力位置座標として検出する検出手段(31,33)と、
前記検出手段によって検出される前記入力位置座標のうち、前記操作部及び前記操作体間の距離に対応するz軸方向の座標を示す値が、予め規定された閾値(Hth1)を超えているか否かに基づいて、前記表示制御手段にて制御の対象とされる前記画像部を切り替えさせる画像部切替手段(33)と、
前記操作体の移動に伴い変化する前記入力位置座標について、その変化の前後における二点のz軸方向の座標を示す値が前記閾値を跨いで変化したことに基づいて、前記入力位置座標に基づく前記画像部の制御を前記表示制御手段に実施させるか否かを決定する実施決定手段(33)と、
前記実施決定手段によって前記画像部の制御を許可する許可決定がなされるまで前記表示制御手段による前記画像部の制御を中断させ、前記許可決定がなされたことに基づいて前記信号に対応する前記画像部の制御を前記表示制御手段に開始させる実施制御手段(33)と、
を備えることを特徴とする操作デバイス。
表示部(52)に送出される表示画像(60)を描画する表示制御手段(53)に接続され、操作体(F)による操作部(32)への入力によって、前記表示画像に含まれる画像部(61)の操作が可能な操作デバイスであって、
前記操作部への前記操作体の接触状態及び近接状態を検出する検出手段(31,33)と、
前記検出手段によって前記接触状態が検出された場合には、当該接触状態に対応する第一画像部が含まれる前記表示画像を前記表示制御手段から前記表示部に送出させ、前記検出手段によって前記近接状態が検出された場合には、当該近接状態に対応した第二画像部を含む前記表示画像を前記表示制御手段から前記表示部に送出させる送出制御手段(33)と、
前記検出手段によって検出される前記操作体が前記近接状態から前記接触状態に向かう状態遷移の途上である場合に、前記表示画像への前記第二画像部の描画を前記表示制御手段に禁止させる描画制御手段(33)と、
を備えることを特徴とする操作デバイス。
前記描画制御手段は、前記接触状態において、前記操作部の前記表面上におけるx軸方向の座標及びy軸方向の座標の少なくとも一方が検出されたことに基づいて、前記表示画像への前記第一画像部の描画を前記表示制御手段に開始させることを特徴とする請求項20に記載の操作デバイス。
前記操作部は、前記表示部から離れて位置し、前記表示部に表示される前記画像部を遠隔操作するための前記操作体による操作を検出することを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の操作デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0029】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による遠隔操作デバイス100は、
図1に示されるように、車両に搭載され、ナビゲーション装置50等と共に表示システム10を構成している。遠隔操作デバイス100は、
図1に示されるようにタッチセンサ31を有しており、
図5に示すように、そのタッチセンサ31の表面は操作者の手指(以下指という)が操作されるタッチ面32とされている。そして、このタッチ面32に隣接してプッシュスイッチ35が配置されている。
【0030】
遠隔操作デバイス100は、
図2に示されるように、車両のセンターコンソールにてパームレスト39と隣接する位置に設置され、操作者の手の届き易い範囲に操作面32を露出させている。ナビゲーション装置50は、操作者から目視されるよう表示画面52を露出させ且つ表示画面52を運転席に向けた姿勢にて、車両のインスツルメントパネル内に設置されている。表示システム10は、種々の表示画像60を表示画面52に切り替えて表示する。
【0031】
図3に示される表示画像60は、表示画面52に表示される複数の表示画像のうちの一つであり、操作者によって設定された目的地までの経路を示すナビゲーション画像を表している。表示画像60には、所定の機能が関連付けられた複数のアイコン63、アイコン63を選択するためのポインタ62、及び車両周辺の道路の形態を示すマップ64等の複数の画像部61が含まれている。加えて表示画像60には、ポインタ62が重畳されたアイコン63を強調するフォーカス66も含まれている。表示画面52上にてポインタ62及びフォーカス66の表示される位置は、操作面32における操作者の現在の指操作位置に対応している。尚、ポインタ62の表示を省略して、操作者の手の指の位置に合わせて、フォーカス66をポインタ62の変わりに表示する構成としてもよい。
【0032】
以上の表示画像60は、
図4に示されるように、マップ64の描画されるマップレイヤL2、アイコン63等の描画されるオブジェクトレイヤL3、及びポインタ62の描画されるポインタレイヤL1を含む複数の描画レイヤを重畳させて構成されている。各レイヤL1〜L3の大きさは、表示画面52の大きさに合わせて構成されている。
【0033】
次に、遠隔操作デバイス100及びナビゲーション装置50の各構成を詳しく説明する。
図1に示すように、遠隔操作デバイス100は、Controller Area Network(CAN)バス90、及び外部のバッテリ95等と接続されている。CANバス90は、車両に搭載された複数の車載装置を相互に接続してなる車内通信ネットワークにおいて、各車載装置間でのデータの伝送に用いられる伝送路である。遠隔操作デバイス100は、CANバス90を通じて、離れて位置するナビゲーション装置50と通信可能である。
【0034】
遠隔操作デバイス100は、電源インターフェース21,22、通信制御部23、通信インターフェース24、タッチセンサ31、プッシュスイッチ35、及び操作制御部33等によって構成されている。各電源インターフェース21,22は、バッテリ95から供給される電力を安定化して、操作制御部33に供給する。一方の電源インターフェース21には、バッテリ95から常に電力が供給されている。他方の電源インターフェース22には、車両のアクセサリ(ACC)電源がオン状態とされたことに基づいてスイッチ93が通電状態となることにより、バッテリ95から電力が供給される。
【0035】
通信制御部23及び通信インターフェース24は、操作制御部33によって処理された情報をCANバス90に出力すると共に、他の車載装置からCANバス90に出力された情報を取得するための構成である。通信制御部23及び通信インターフェース24は、送信用の信号線TX及び受信用の信号線RXによって互いに接続されている。
【0036】
図1,2,5に示すように、タッチセンサ31は、静電容量式のものであって、矩形の平板状に形成された上述の操作面32に対する指Fによる操作を検出する。タッチセンサ31は、x軸方向に沿って延びる電極とy軸方向に沿って延びる電極とが格子状に配列されることにより、形成されている。これら電極は、操作制御部33と接続されている。タッチセンサ31は、操作面32を形成する絶縁材よりなる絶縁シートによって覆われている。
【0037】
後述するように、操作面32のx座標、y座標、あるいはz座標方向の操作者の指Fの操作により、表示画面52に表示される画像部61(
図3参照)を移動させることができるように設定されている。プッシュスイッチ35は、操作面32を挟んでパームレスト39とは反対側に配置されている。操作者の指Fにてプッシュスイッチ35を押圧操作することにより、表示画面52に表示されるアイコン63(
図3参照)を選択することができるように設定されている。
【0038】
図1に示す操作制御部33は、各種の演算処理を行うプロセッサ、演算処理の作業領域として機能するRAM、及び演算処理に用いられるプログラム等が格納されたフラッシュメモリ等によって構成されている。加えて、操作制御部33は、各電源インターフェース21,22、通信制御部23、タッチセンサ31、及びプッシュスイッチ35等と接続されている。
【0039】
図1,2,5に示すように、操作制御部33は、所定のプログラムを実行することによってタッチセンサ31の各電極の電位を計測することにより、当該センサ31の計測値としての感度値を取得する。操作者の指Fが操作面32に近接又は接触する場合には、絶縁シートを挟んで電極と指Fとの間に電荷が蓄えられる。操作制御部33は、操作面32に近接又は接触している指Fの相対的な操作位置(以下、「相対位置」という)を示すx座標及びy座標、さらに操作面32から指Fまでの距離(以下、「操作体距離d」という,
図6A参照)に相当するz座標を、各電極に蓄えられた電荷量に応じて値の変わる感度値に基づく算出処理によって検出する。尚、本実施形態における感度値は、操作体距離dが短くなるにしたがって減少し、操作体距離dが長くなるに従って増加する。
【0040】
また操作制御部33は、操作者が指Fによって行うプッシュスイッチ35への押圧操作を検知する。そして操作制御部33は、指Fの位置を示す座標及びプッシュスイッチ35への押圧操作の有無を、通信制御部23及び通信インターフェース24を通じて、CANバス90に出力する。
【0041】
図1,2に示すナビゲーション装置50は、遠隔操作デバイス100等と通信可能なようCANバス90と接続されており、表示制御部53及び液晶ディスプレイ51を有している。表示制御部53は、各種の演算処理を行うプロセッサ、演算処理の作業領域として機能するRAM、画像の描画処理を行うグラフィックプロセッサ、描画処理の作業領域として機能するグラフィックRAM等によって構成されている。加えて表示制御部53は、演算処理及び描画処理に用いられるデータを格納するフラッシュメモリ、CANバス90と接続される通信インターフェース、及び描画した画像データを液晶ディスプレイ51に出力する映像出力インターフェースを有している。表示制御部53は、CANバス90から取得する情報に基づいて、表示画面52に表示する表示画像60を描画する。そして表示制御部53は、描画した表示画像60の画像データを、映像出力インターフェースを通じて液晶ディスプレイ51に逐次出力する。
【0042】
液晶ディスプレイ51は、表示画面52に配列された複数の画素を制御することにより、カラー表示を実現するドットマトリクス方式の表示器である。液晶ディスプレイ51は、表示制御部53から逐次取得する画像データを表示画面52に連続的に形成することにより、映像を表示する。
【0043】
以上の表示システム10では、
図6Bに示すように、操作体距離d(
図6A参照)が予め規定された第一閾値距離Dth1未満である場合、xy平面に沿って指Fを移動させる操作は、ポインタ62を移動させるポインタ制御に関連付けられる。一方で、
図6Cに示すように、操作体距離dが第一閾値距離Dth1を超え且つ第一閾値距離Dth1よりも長い第二閾値距離Dth2未満である場合、xy平面に沿って指Fを移動させる操作は、マップ64を移動させるマップ制御に関連付けられる。
【0044】
上述の関連付けにおいて切り替えに用いられる第一閾値距離Dth1は、例えば0.5〜1cm程度に設定され、第二閾値距離Dth2は、例えば2〜3cm程度に設定される。
【0045】
第一実施形態では、これら閾値距離に基づいて、次の(1)〜(3)の定義をする。
【0046】
(1)操作面32から第一閾値距離Dth1までの間に含まれる空間を接触操作領域とし、当該接触操作領域に指Fが位置する操作状態を「接触操作中」と称し、第一閾値距離Dth1未満にて入力されるポインタ62を操るための操作を「接触操作」と定義する。要するに、指Fがタッチセンサ31の操作面32に直接に接触している状態に加えて操作面32から第一閾値距離Dth1(例えば0.5〜1cm程度)まで浮いている状態も「接触操作」と定義する。
【0047】
(2)第一閾値距離Dth1から第二閾値距離Dth2までの間に含まれる空間を空中操作領域と称し、当該空中操作領域に指Fが位置する操作状態を「空中操作中」と定義する。第一閾値距離Dth1を超え且つ第二閾値距離Dth2未満(空中操作領域を含む)にて入力されるマップ64を操るための操作を「空中操作」と定義する。
【0048】
(3)第二閾値距離Dth2よりも操作面32から離間した空間を非近接領域とし、当該非近接領域に指Fが位置する操作状態を「非近接中」と定義する。
【0049】
尚、表示システム10では、指Fの操作と関連付けられる画像部62,64の頻繁な変更を回避するために、第一閾値距離Dth1及び第二閾値距離Dth2のそれぞれには、ヒステリシスが設けられている。詳記すると、
図6Bに示すように接触操作領域内における指Fの移動操作、即ち接触操作をポインタ制御に関連付けると、操作制御部33(
図1参照)は、第一閾値距離Dth1を、それまでの距離(以下、「上限側第一閾値距離Dth1U」という)から、下限側第一閾値距離Dth1Dへと延長する。さらに操作制御部33は、
図6Cに示すように、空中操作領域における指Fによる移動操作、即ち空中操作をマップ制御に関連付けると、第二閾値距離Dth2を、それまでの距離(以下、「上限側第二閾値距離Dth2U」という)から、下限側第二閾値距離Dth2Dへと延長する。
【0050】
また操作制御部33(
図1参照)は、指Fによる操作とマップ制御との関連付けを禁止する禁止モードと、当該関連付けを許可する許可モードとを切り替えることができる。操作認可が禁止モードとされている場合には、
図6Aに示すように、空中操作領域にある指Fが当該領域内を移動したとしても、表示画像60に含まれる各画像部62〜64は、実質的に移動しない。そして、本実施形態における操作制御部33(
図1参照)には、第一閾値距離Dth1よりも操作面32に指Fを近接させる操作が、禁止モードから許可モードへ切り替えるための認可操作として予め記憶されている。故に、
図6Bに示すように、非近接領域から接触操作領域内に指Fを移動させる操作により、操作認可は、禁止モードから許可モードへと切り替わる。換言すると、一旦タッチセンサ31の操作面32に指を接触させると禁止モードから許可モードへと切り替わる。
【0051】
ここまで説明した表示システム10において、操作者が任意のアイコン63を選択するまでの一連のアイコン選択操作を、
図7に基づいて順に説明する。
【0052】
図7Aは、操作面32に向けて指Fを接近させる動作を操作者が開始させた状態を示している。
図7Aに示すように、アイコン選択操作を開始しようとする操作者は、例えばACC電源のオン状態への切り替え操作及び運転操作等のために操作面32から遠方に位置させていた指Fを、まず操作面32に向けて移動させる。
図7Aに示す状態では、操作面32から指Fまでの操作体距離dは、上限側第二閾値距離Dth2Uを超えている。このように、指Fが非近接領域に位置した状態では、表示画面52のマップ64及びポインタ62につき、指Fの移動と関連した移動は、生じない。
【0053】
図7Bは、操作体距離dが上限側第二閾値距離Dth2U未満となるように、
図7Aの非近接領域から空中操作領域に指Fを移動させた状態を示している。
図7Bに示す状態において、操作認可は、禁止モードとされたままである。故に、操作体距離dが上限側第一閾値距離Dth1Uを超え且つ下限側第二閾値距離Dth2D未満であったとしても、指Fを移動させる空中操作とマップ制御との関連付けは、なされない。そのため、操作者は、操作面32に沿って指Fを移動させたとしても、表示画面52のマップ64を移動させることできない。換言すれば、操作者の意図しない指Fの移動があったとしても、マップ64の移動は生じない。
【0054】
図7Cは、操作体距離d(
図7B参照)が上限側第一閾値距離Dth1U未満となるように、
図7Bの空中操作領域から接触操作領域に指Fを移動させた状態を示している。
図7Cに示す状態では、操作体距離dが下限側第一閾値距離Dth1D未満であることに基づいて、指Fを移動させる接触操作は、ポインタ制御と関連付けられる。そのため、操作者は、xy平面に沿って指Fを移動させる接触操作により、ポインタ62を遠隔操作することができる。そして、操作者は、任意のアイコン63にポインタ62を重畳させてプッシュスイッチ35(
図5参照)の押圧操作を行うことにより、当該アイコン63を選択することができる。加えて、上限側第一閾値距離Dth1Uよりも操作面32に指Fを近接させる操作は、上述したように、禁止モードから許可モードへと切り替わるトリガとなる認可操作として、操作制御部33(
図1参照)に記憶されている。故に、
図7Cに示す状態とされることにより、操作認可が行われたことになるため、禁止モードから許可モードへと切り替えられる。
【0055】
図7Dは、操作体距離dが下限側第一閾値距離Dth1Dを超えるように、
図7Cの接触操作領域から空中操作領域に指Fを移動させた状態を示している。
図7Dに示す状態では、操作認可は、許可モードへと切り替えられている。故に、操作体距離dが上限側第一閾値距離Dth1Uを超え且つ下限側第二閾値距離Dth2D未満であることに基づいて、指Fを移動させる空中操作が受け付けられ、このそのため、操作者は、xy平面に沿って指Fを移動させる空中操作により、マップ64を遠隔操作して、任意のアイコン63をポインタ62によって選択容易な位置まで移動させることができる。空中操作は、マップ制御と関連付けられる。
【0056】
以上の操作により、任意のアイコン63を含むマップ64を遠隔操作した操作者は、
図7Dから
図7Cの如く、空中操作領域から接触操作領域に指Fを移動させる。これにより、指Fを移動させる接触操作がポインタ制御と関連付けられるので、操作者は、ポインタ62を遠隔操作によって任意のアイコン63に重畳させ、当該アイコン63を選択することができる。
【0057】
図7C及び
図7Dに示すアイコン63の選択操作が終了すると、操作者は、
図7Aの如く、操作体距離dが下限側第二閾値距離Dth2Dを超える位置まで指Fを離間させる。これにより、操作認可が許可モードから禁止モードへと切り替えられることで、遠隔操作デバイス100は、次回以降の操作者によるアイコン選択操作を待機する状態となる。
【0058】
以上説明したアイコン選択操作を実現するために、操作制御部33によって実施される各処理を、
図8〜
図13に基づいて順に説明する。
図8に示されるメイン処理は、車両のACC電源がオン状態とされることにより、操作制御部33(
図1参照)によって開始される。
【0059】
S101では、フラッシュメモリ等の初期化処理を実施し、S102に進む。S102では、操作認可を禁止モードに設定し、S103に進む。S103では、車両のACC電源がオン状態であるか否かを判定する。S103にて、ACC電源がオン状態でないと判定した場合、S108に進む。そして、S108にて、出力を停止させるための終了前処理を実施した後、メイン処理を終了する。
【0060】
一方で、S103にてACC電源がオン状態であると判定した場合には、S104に進む。S104では、詳細を後述するタッチセンサ入力処理を実施することにより、指Fによる操作面32への操作状態が、「接触操作中」,「空中操作中」,及び「非近接中」のいずれであるかを更新及び取得し、S105に進む。加えてS104において、操作状態が「接触操作中」又は「空中操作中」である場合、操作面32に対する指Fの相対位置を示す座標情報を取得する。S105では、プッシュスイッチ入力処理を実施することにより、指Fによるプッシュスイッチ35への操作の有無を更新及び取得し、S106に進む。
【0061】
S106では、詳細を後述する操作レイヤ判定処理を実施することにより、操作の対象となる描画レイヤ(以下、「選択レイヤ」という)が各レイヤL1〜L3のいずれであるかを更新及び取得し、S107に進む。この選択レイヤは、指Fによる操作を関連付ける画像部61を含むレイヤである。
【0062】
S107では、通信制御処理により、S104〜S106にて取得した情報を示す信号をCANバス90に出力し、S103に戻る。このS107にて出力される情報には、指Fの相対位置を示す座標情報、プッシュスイッチ35への操作の有無を示す情報、選択レイヤを示す情報等が含まれている。そして、ACC電源のオン状態が継続されるうちは、S104〜S107の処理を繰り返す。
【0063】
表示制御部53は、繰り返されるS107にて操作制御部33から出力される各情報を示す信号をCANバス90から取得する。詳記すると、表示制御部53は、選択レイヤを示すレイヤ指定信号に基づいて、操作の対象となる画像部61を決定する。そして表示制御部53は、指Fの相対位置、即ち三次元方向の入力位置座標を示す座標信号に応じて、操作の対象とした画像部61を描画する位置を変更する。
【0064】
次に、S104にて実施されるタッチセンサ入力処理の詳細を、
図9〜11に基づいて詳細に説明する。
【0065】
図9に示すS121では、タッチセンサ31の各電極にて検出される感度値を取得する取得処理を実施し、S122に進む。S122では、S121にて取得される感度値から、操作面32に対する指Fの相対位置を示すx座標,y座標,及びz座標の計算処理を実施し、指Fによる操作が接触操作及び空中操作に該当するか否かを判断するために、S123に進む。
【0066】
以上のS122にて実施される計算処理の詳細を、
図10に基づいて説明する。
図10に示す感度値は、操作面32と指Fとの間に蓄えられる静電容量が増加するに従って、大きくなる値である。故に、感度値が最大となるx軸方向及びy軸方向の座標は、操作面32に対する指Fの相対位置を示す座標となる。加えて、最大となる感度値は、操作体距離d、ひいてはz軸方向の座標に対応する(
図6C参照)。
【0067】
また、操作制御部33(
図1参照)には、
図11に示すテーブルのように、上限側及び下限側の第一閾値距離Dth1U,Dth1Dにそれぞれ対応する上限側及び下限側の感度閾値Hth1U,Hth1Dが、予め記憶されている。さらに操作制御部33には、上限側及び下限側の第二閾値距離Dth2U,Dth2Dにそれぞれ対応する上限側及び下限側の感度閾値Hth2U,Hth2Dが、予め記憶されている。
図9のS123以降の処理において、操作制御部33は、S122にて取得された最大の感度値を、各感度閾値Hth1U〜Hth2Dと比較する処理を行う。
【0068】
S123では、前回までのタッチセンサ入力処理による操作状態が接触操作中でなく、且つS121にて取得した感度値の最大が上限側第一感度閾値Hth1U以上であるか否かを判定する。S123にて肯定判定をした場合、S124に進み、操作状態を接触操作中に更新して、タッチセンサ入力処理を終了する。以上の処理により、指Fが上限側第一閾値距離Dth1Uを跨いで操作面32に近接した場合には、操作状態は、接触操作中へと更新される。
【0069】
S123にて否定判定をした場合のS125では、以下の二つの条件のいずれかに該当するか否かを判定する。一つ目の条件は、前回までのタッチセンサ入力処理による操作状態が非近接中であり、且つS121にて取得した感度値の最大が上限側第二感度閾値Hth2U以上であるか否かというものである。二つ目の条件は、前回までのタッチセンサ入力処理による操作状態が接触操作中であり、且つS121にて取得した感度値が下限側第一感度閾値Hth1D以下であって下限側第二感度閾値Hth2D以上であるかというものである。これら二つの条件のいずれか一方に該当した場合には、S126に進み、操作状態を空中操作中に更新して、タッチセンサ入力処理を終了する。以上の処理により、指Fが下限側第一閾値距離Dth1Dを跨いで操作面32から離間した場合(
図7D参照)、又は指Fが上限側第二閾値距離Dth2Uを跨いで操作面32に近接した場合に、操作状態は、空中操作中へと更新される。
【0070】
S125にて否定判定をした場合のS127では、前回までのタッチセンサ入力処理による操作状態が非近接中ではなく、且つS121にて取得した感度値の最大が、下限側第二感度閾値Hth2D以下であるか否かを判定する。S127にて肯定判定をした場合には、S128に進み、操作状態を非近接中に更新して、タッチセンサ入力処理を終了する。以上の処理により、下限側第二閾値距離Dth2Dを跨いで指Fが操作面32から離間した場合に、操作状態は、非近接中へと更新される。
【0071】
S127にて否定判定をした場合、即ち、S123,S125,及びS127の条件のいずれにも該当しなかった場合には、前回までのタッチセンサ入力処理による操作状態を維持したまま、当該入力処理を終了する。
【0072】
次に、S106(
図8参照)にて実施される操作レイヤ判定処理の詳細を、
図12に基づいて詳細に説明する。
【0073】
S141では、タッチセンサ入力処理(
図9参照)により更新され最新の操作状態を取得し、S142に進む。S142では、詳細を後述する操作認可判定処理によって更新及び取得される操作認可についての情報を取得し、S143に進む。S143では、S142にて取得した操作認可が許可モードであるか否かを判定する。S143にて、操作認可が禁止モードであると判定した場合には、S148に進み、選択レイヤを「なし」とする更新を実施して、操作レイヤ判定処理を終了する。
【0074】
S143にて肯定判定をした場合のS144では、S141にて取得した操作状態が接触操作中であるか否かを判定する。S144にて肯定判定をした場合には、S145に進み、接触操作にポインタ制御が関連付けられるよう、ポインタレイヤL1を選択レイヤとして選択及び更新して、操作レイヤ判定処理を終了する。一方で、S144にて否定判定をした場合には、S146に進む。
【0075】
S146では、S141にて取得した操作状態が空中操作中であるか否かを判定する。S146にて肯定判定をした場合には、S147に進み、空中操作にマップ制御が関連付けられるよう、マップレイヤL2を選択レイヤとして選択及び更新して、操作レイヤ判定処理を終了する。一方で、S146にて否定判定をした場合には、S148に進み、選択レイヤを「なし」とする更新を実施して、操作レイヤ判定処理を終了する。
【0076】
次に、上述のS142にて実施される操作認可判定処理の詳細を、
図13に基づいて詳細に説明する。
【0077】
S161では、タッチセンサ入力処理(
図9参照)により更新された最新の操作状態(
図9のS124、S126、S128参照)を取得し、S162に進む。S162では、S161にて取得した操作状態につき、上述の認可操作、即ち非近接中から接触操作中への変化があったか否かを判定する。S162にて肯定判定をした場合には、S163に進む。S163では、禁止モードから許可モードへと操作認可を切り替えて、操作認可判定処理を終了する。
【0078】
S162にて否定判定をした場合のS164では、前回までの操作認可判定処理による操作認可が許可モードであり、且つS161にて取得した操作状態が非近接中であるか否かを判定する。S164にて肯定判定をした場合には、S165に進む。S165では、許可モードから禁止モードへと操作認可を切り替えて、操作認可判定処理を終了する。以上のS164及びS165の処理により、接触操作領域及び空中操作領域のいずれか一方から非近接領域への指Fの移動に基づいて、操作認可は、禁止モードに戻される。一方で、S164にて否定判定をした場合には、前回までの操作認可判定処理よる操作認可を維持したまま、当該判定処理を終了する。
【0079】
ここまで説明した第一実施形態によれば、指Fによる認可操作が操作面32に対しなされるまで、操作制御部33における操作認可は、禁止モードとされている。こうして指Fによる空中操作とマップ制御との関連付けが中断されることにより、ポインタ制御を行う際に、第一閾値距離Dth1未満となるまで指Fを操作面32に近接させる途上で操作者の意図に反してマップ制御に関連付けられるという事態は生じ難くなる。
【0080】
一方で、接触操作領域まで指Fを操作面32に近接させる操作が操作面32に対しなされることで、操作認可は、禁止モードから許可モードへと切り替わる。こうして指Fによる空中操作とマップ制御との関連付けが開始されることにより、操作者は、操作面32に対する指Fによる操作を継続したまま、ポインタ62及びマップ64の所望する一方を選択したうえで、この選択した一方を操ることができる。
【0081】
以上により、所望の画像部61を移動させる操作の煩雑化が回避されると共に、操作者の意図しない画像部61の移動も低減可能となる。したがって、表示画面52に表示される画像部61の操作につき、操作性に優れる遠隔操作デバイス100の提供が、実現される。
【0082】
加えて第一実施形態におけるタッチセンサ31は、操作面32から離間した状態の指Fの位置を検出可能である。故に、タッチセンサ31によって検出される感度値から、操作制御部33は、操作体距離dを取得することができる。こうして、タッチセンサ31及び操作制御部33の協働によって操作体距離dを取得することにより、操作性に優れる遠隔操作デバイス100の構成につき、複雑化は回避可能となる。
【0083】
また第一実施形態によれば、第一閾値距離Dth1及び第二閾値距離Dth2には、共にヒステリシスが設けられている。故に、操作の対象となる画像部61につき、操作者の意図しない変更は、低減され得る。以上により、所望の画像部61を移動させる操作についての遠隔操作デバイス100の操作性は、さらに向上可能となる。
【0084】
さらに第一実施形態によれば、接触操作領域まで指Fを操作面32に近接させる操作が認可操作として記憶されているので、第一閾値距離Dth1未満となるまで指Fを操作面32に近接させるまでは禁止モードが継続される。故に、
図6Bの如くポインタ制御を行うために指Fを操作面32に接触させる移動の途上に
図6Cの如く指Fを近接させる状態が存在しても、操作者の意図に反してマップ制御(
図6C参照)に関連付けられる事態は、生じ難くなる。したがって、遠隔操作デバイス100は、優れた操作性を確実に獲得可能となる。
【0085】
また加えて第一実施形態の表示画像60は、複数の描画レイヤL1〜L3を重畳させることにより、形成されている。故に、指Fが接触操作領域にある場合に、ポインタレイヤL1を選択レイヤとすることにより、指Fによる接触操作は、ポインタ制御に確実に関連付けられ得る。一方で、指Fが空中操作領域にある場合に、マップレイヤL2を選択レイヤとすることにより、指Fによる空中操作は、マップ64制御に確実に関連付けられ得る。以上のように、複数の描画レイヤL1〜L3のうちから操作の対象となる一つを選択レイヤとすることにより、操作対象となる画像部61を操作体距離dに応じて変更させる作動の確実性が、向上可能となる。
【0086】
尚、第一実施形態において、タッチセンサ31及び操作制御部33が「検出手段」及び「取得手段」に相当し、操作制御部33が「操作判断手段」,「関連付け手段」,「認可操作判定手段」,及び「モード切替手段」に相当し、操作面32が「操作部」に相当し、表示画面52が「表示部」に相当し、ポインタ62が「第一画像部」及び「ポインタ部」に相当し、アイコン63が「選択画像部分」に相当し、マップ64が「第二画像部」及び「非ポインタ部」に相当し、ポインタレイヤL1が「第一画像レイヤ」に相当し、マップレイヤL2が「第二画像レイヤ」に相当し、ポインタ制御が「第一画像制御」に相当し、マップ制御が「第二画像制御」に相当し、遠隔操作デバイス100が「操作デバイス」に相当し、感度値が「計測値」に相当し、操作者の指Fが「操作体」に相当する例を示したが、もちろん本発明はこれに限定されるものではない。
【0087】
(第二実施形態)
図14〜19に示される本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態による表示システム210では、
図14に示すように、操作体距離dに応じて表示画像260が変化する。詳記すると、
図14Aの如く操作体距離dが第一閾値距離Dth1未満である場合には、車両に搭載された空調機器を調整するための空調メニュー等の後述するサブメニューのうちの一つの詳細画面が表示画像260として表示画面52に表示される。空調メニューには、アイコン63、このアイコン63を選択するための矩形枠状のフォーカス262、及びこれらアイコン63及びフォーカス262の背景となる背景部264等が含まれている。そして、接触操作領域内にてxy平面に沿って指Fを移動させる接触操作は、フォーカス262を移動させるフォーカス制御に関連付けられる。
【0088】
一方、
図14Bの如く操作体距離dが第一閾値距離Dth1を超え且つ第二閾値距離Dth2未満である場合には、メインメニュー画像が表示画像260として表示画面52に表示される。メインメニュー画像には、上述の空調メニュー、車両セッティングメニュー、電話メニュー、オーディオメニュー(
図15A参照)等の複数のサブメニュー265が含まれている。そして、空中操作領域内にてxy平面に沿って指Fを移動させる空中操作は、各サブメニュー265を移動させるサブメニュー制御に関連付けられる。
【0089】
また第二実施形態による遠隔操作デバイス200では、車両が走行状態にある場合に、空中操作領域が拡大される。具体的には、走行中における各第一閾値距離Dth1U,Dth1D(
図14Bの実線矢印を参照)は、停車中における各第一閾値距離Dth1U,Dth1D(
図14Bの破線矢印を参照)よりも短くされる。一方で、走行中における各第二閾値距離Dth2U,Dth2D(
図14Bの実線矢印を参照)は、停車中における各第二閾値距離Dth2U,Dth2D(
図14Bの破線矢印を参照)よりも長くされる。
【0090】
さらに第二実施形態の認可操作は、第一実施形態の認可操作と異なっており、空中操作領域及び接触操作領域のいずれかに、予め規定された時間(例えば0.5〜2秒程度 以下、「許可待ち時間」という)指Fを継続して位置させる操作である。故に、
図14の如く、非近接領域から接触操作領域内又は空中操作領域内に指Fを移動させた後、許可待ち時間が経過することで、xy平面に沿って指Fを移動させる空中操作により、
図14Bの如くサブメニュー265が移動するようになる。
【0091】
以上の構成において、操作者が任意のアイコン63を選択するまでの一連のアイコン選択操作を、
図15に基づいて順に説明する。
【0092】
図15Aは、操作面32に向けて指Fを接近させる動作を操作者が開始させた状態を示している。
図15Aに示す状態では、操作面32から指Fまでの操作体距離dは、上限側第二閾値距離Dth2Uを超えている。このように、指Fが非近接領域に位置した状態では、表示画面52のサブメニュー265及びフォーカス262につき、指Fの移動と関連した移動は、生じない。
【0093】
図15Bは、操作体距離dが上限側第二閾値距離Dth2U未満となるように、非近接領域から空中操作領域に指Fを移動させた状態を示している。
図15Bに示す状態において、操作認可は、禁止モードとされたままである。故に、操作体距離dが上限側第一閾値距離Dth1Uを超え且つ下限側第二閾値距離Dth2D未満であったとしても、指Fを移動させる空中操作とサブメニュー制御との関連付けは、なされない。そのため、操作者の意図しない指Fの移動があったとしても、表示画面52による表示は変化しない。
【0094】
ここで第二実施形態では、空中操作領域及び接触操作領域のいずれかに、指Fを継続して位置させる操作が、認可操作として操作制御部33(
図1参照)に記憶されている。故に、
図15Bの如く、許可待ち時間以上、空中操作領域に指Fを位置させる操作により、操作認可は、禁止モードから許可モードへと切り替えられる。こうして、指Fを移動させる空中操作がサブメニュー制御と関連付けられることにより、表示画面52の表示は、複数のサブメニュー265を一体的に移動(以下、「スクロール」という)させることが可能なメインメニュー画像に切り替えられる。故に、操作者は、
図15Cの如く、x方向に沿って指Fを移動させる空中操作によって複数のサブメニュー265を遠隔操作することにより、任意のアイコン63を含むサブメニュー265を、表示画面52の中央に移動させることができる。ここでは、
図15BのAudioメニュー画像が
図15CのようにClimateメニュー画像(空調メニュー画像)に切替えられる。
【0095】
図15Dは、操作体距離d(
図15C参照)が上限側第一閾値距離Dth1U未満となるように、空中操作領域から接触操作領域に指Fを移動させた状態を示している。
図15Dに示す状態では、操作体距離dが下限側第一閾値距離Dth1D未満であることに基づいて、指Fを移動させる操作と関連付けられる制御が、サブメニュー制御からフォーカス制御へと切り替えられている。これにより、表示画面52の中央に表示されていた特定のサブメニュー265(例えば空調メニュー)が、当該画面52の全体に表示される。操作者は、xy平面に沿って指Fを移動させる接触操作により、フォーカス262を遠隔操作することができる。こうして操作者は、任意のアイコン63にフォーカス262を重畳させてプッシュスイッチ35(
図5参照)の押圧操作を行うことにより、当該アイコン63を選択することができる。
【0096】
図15C,15Dに示す操作を終了させた操作者は、
図15Aの如く、操作体距離dが下限側第二閾値距離Dth2Dを超える位置まで指Fを離間させる。これにより、操作認可は、許可モードから禁止モードへと切り替えられる。そして、遠隔操作デバイス200は、次回以降の操作者によるアイコン選択操作を待機する状態となる。
【0097】
以上説明したアイコン選択操作を実現するために、操作制御部33(
図1参照)によって実施される各処理を、
図16〜19に基づいて順に説明する。尚、第二実施形態におけるメイン処理は、第一実施形態のメイン処理(
図8参照)と実質的に同一である。まず
図16,17に基づいて、第二実施形態によるタッチセンサ入力処理を、詳細に説明する。
【0098】
図16に示すS221及びS222は、第一実施形態のS121及びS122(
図9参照)と実質的に同一である。S223では、車両の走行状態を取得する取得処理を実施し、S224に進む。具体的にS223では、メータ制御部56(
図1参照)によってCANバス90(
図1参照)に出力される車両の走行速度を取得する。
【0099】
S224では、S223にて取得した走行速度に基づいて、車両が走行状態にあるか否かを判定する。S223にて取得した走行速度が10km/hを超えていたことに基づき、S224にて車両が走行状態にあると判定した場合には、S225に進む。S225では、
図17に示す閾値テーブルの「走行中」に該当する各感度閾値Hth1U〜Hth2Dに切り替えて、
図16のS227に進む。一方で、S223にて取得した走行速度が10km/h以下であることに基づき、S224にて車両が走行状態にないと判定した場合には、S226に進む。S226では、
図17に示す閾値テーブルの「停車中」に該当する各感度閾値Hth1U〜Hth2Dに切り替えて、
図16のS227に進む。そして、第一実施形態のS123〜S128(
図9参照)と実質的に同一のS227〜S232を、実施する。
【0100】
以上のS225及びS226にて操作制御部33(
図1参照)に読み込まれる
図17の感度閾値では、走行中における各第一感度閾値Hth1U,Hth1Dは、停車中における各第一感度閾値Hth1U,Hth1Dよりも大きくされている。故に、
図14Bに示す如く、走行中の各第一閾値距離Dth1U,Dth1Dは、停車中の各第一閾値距離Dth1U,Dth1Dよりも短くなる。一方、
図17に示す走行中の各第二感度閾値Hth2U,Hth2Dは、停車中の各第二感度閾値Hth2U,Hth2Dよりも小さくされている。故に、
図14Bに示す如く、走行中の各第二閾値距離Dth2U,Dth2Dは、停車中の各第二閾値距離Dth2U,Dth2Dよりも長くなる。これらにより、走行中における空中操作領域の拡大が実現されている。
【0101】
次に、第二実施形態による操作レイヤ判定処理の詳細を、
図18に基づいて説明する。
図18のS241〜S244,S246,S248は、第一実施形態のS141〜S144,S146,S148(
図12参照)と実質的に同一である。S245では、フォーカス262の描画されるフォーカスレイヤを選択レイヤとして選択及び更新して、操作レイヤ判定処理を終了する。S247では、各サブメニュー265の描画されるサブメニューレイヤを選択レイヤとして選択及び更新して、操作レイヤ判定処理を終了する。
【0102】
次に、上述のS242にて実施される操作認可判定処理の詳細を、
図19に基づいて説明する。
【0103】
S261では、タッチセンサ入力処理(
図16参照)により更新された最新の操作状態を取得し、S262に進む。S262では、S261にて取得した操作状態につき、非近接中から、空中操作中又は接触操作中に変化したか否かを判定する。S262にて肯定判定をした場合には、S263に進み、許可待ち時間を計測するための許可タイマをクリアすることにより、当該タイマの値をゼロに戻す。そして、S264にて、操作許可を禁止モードに設定して、操作認可判定処理を終了する。
【0104】
S262にて否定判定をした場合のS265では、許可タイマのカウントアップにより、当該タイマの値を増やし、S266に進む。S266では、許可タイマの値が許可待ち時間を超えており、且つ操作状態が非近接中でないか否かを判定する。S266にて肯定判定をした場合のS267では、操作認可を許可モードに切り替えて、操作認可判定処理を終了する。一方、S266にて否定判定をした場合のS268では、操作許可を禁止モードに切り替えて、操作認可判定処理を終了する。
【0105】
以上の操作認可判定処理により、空中操作領域又は接触操作領域に、許可待ち時間以上、指を継続して位置させる操作により、操作認可が禁止モードから許可モードへと切り替えらえることを、以下に説明する。
【0106】
非近接領域から空中操作領域(又は接触操作領域)に指Fが移動すると(
図15B等参照)、S262にて肯定判定がなされる。そして、S264によって操作認可は、禁止モードに設定される。空中操作領域(又は接触操作領域)に指Fを位置させた状態が継続されると、S262の否定判定及びS265による許可タイマのカウントアップが繰り返し行われる。許可タイマのカウントが許可待ち時間を超えるまでは、S266の否定判定が継続されるため、操作認可は、禁止モードにて維持される。さらに空中操作領域(又は接触操作領域)に指Fを位置させた状態が継続されると、許可タイマのカウントは、許可待ち時間を超える。これにより、S266にて肯定判定がなされるため、操作認可は、許可モードへと切り替えられる。
【0107】
ここまで説明した第二実施形態によれば、第一実施形態と同様に、指Fによる空中操作とサブメニュー制御との関連付けが中断される。故に、指Fを操作面32に近接させる単なる移動が操作者の意図に反してサブメニュー制御に関連付けられる事態は、生じ難くなる。したがって、第二実施形態による遠隔操作デバイス200も、優れた操作性を獲得できる。
【0108】
加えて第二実施形態によれば、許可待ち時間を適切に設定することで、指Fが空中操作領域を単に通過しているうちは、禁止モードが維持され得る。故に、フォーカス制御を行うために指Fを操作面32に近接させる移動が、操作者の意図に反してサブメニュー制御に関連付けられてしまう事態は、さらに生じ難くなる。
【0109】
また第二実施形態では、走行に伴う振動等に起因して、一定の操作体距離dを維持し難い走行中には、各第一閾値距離Dth1U,Dth1Dの短縮と各第二閾値距離Dth2U,Dth2Dの延長により、空中操作領域が拡大される。故に、走行中における車両の振動によって指Fがぶれたとしても、操作者は、空中操作中の指Fを空中操作領域内に維持し得る。以上により、空中操作領域内で指Fを移動させる操作が容易になり得るので、サブメニュー制御についての操作性は、さらに向上可能となる。
【0110】
尚、第二実施形態において、操作制御部33が「走行状態判定手段」にさらに相当し、フォーカス262が「第一画像部」及び「ポインタ部」に相当し、サブメニュー265が「第二画像部」「非ポインタ部」に相当し、フォーカスレイヤが「第一画像レイヤ」に相当し、サブメニューレイヤが「第二画像レイヤ」に相当し、フォーカス制御が「第一画像制御」に相当し、サブメニュー制御が「第二画像制御」に相当し、遠隔操作デバイス200が「操作デバイス」に相当する例を示したが、もちろん本発明はこれに限定されるものではない。
【0111】
(第三実施形態)
図20〜24に示される本発明の第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。
図20Aに示す表示画像360は、第三実施形態の表示システム310によって表示される複数の表示画像のうちの一つであって、車両に搭載されたオーディオ機器を操作するためのオーディオメニューの画像である。
図20Cに示すように、表示画像360には、音声データが関連付けられたトラックアイコン363、このトラックアイコン363を選択するためのポインタ62、及びトラックアイコン363を強調するフォーカス366が含まれている。
【0112】
図20Cの如く操作体距離dが第一閾値距離Dth1未満である場合には、xy平面に沿って指Fを移動させる接触操作は、ポインタ62を操るポインタ制御に関連付けられる。一方で、
図20Bの如く操作体距離dが第一閾値距離Dth1を超え且つ第二閾値距離Dth2未満である場合には、y軸方向に沿って指Fを移動させる空中操作は、複数のトラックアイコン363をスクロールさせるアイコン制御に関連付けられる。
【0113】
また第三実施形態による遠隔操作デバイス300では、
図21,22に示されるように、第一,第二閾値距離Dth1,Dth2に設けられていた不感帯が省略されている。加えて、
図20Aの如く空中操作領域及び接触操作領域のいずれかにて、操作面32に沿って指Fを移動させる操作が、認可操作として操作制御部33(
図1参照)に記憶されている。尚、こうした指Fをxy平面に沿わせる操作以外にも、例えば操作面32と直交するz軸方向に沿って指Fを移動させる操作も、認可操作として当然に採用可能である。
【0114】
以上の構成において、操作者が任意のトラックアイコン363を選択するまでの一連のアイコン選択操作を順に説明する。
【0115】
図20Aは、操作体距離dが第二閾値距離Dth2未満となるように、非近接領域から空中操作領域に指Fを移動させた状態を示している。
図20Aに示す状態において、操作認可は、禁止モードとされたままである。故に、指Fを移動させる空中操作とサブメニュー制御との関連付けは、なされない。ここで第三実施形態では、操作面32に沿って指Fを移動させる操作が認可操作として記憶されているので、
図20Bの如く、空中操作領域にてxy平面に沿って指Fを位置させる操作により、操作認可は、禁止モードから許可モードへと切り替えられる。こうして、指Fを移動させる空中操作がアイコン制御と関連付けられることにより、操作者は、y方向に沿って指Fを移動させる空中操作によってトラックアイコン363を遠隔操作によってスクロールすることにより、任意のトラックアイコン363を表示画面52の中央に移動させることができる。
【0116】
図20Cは、操作体距離dが第一閾値距離Dth1未満となるように、空中操作領域から接触操作領域に指Fを移動させた状態を示している。
図20Cに示す状態では、指Fを移動させる操作と関連付けられる制御が、アイコン制御からポインタ制御へと切り替えられている。これにより操作者は、xy平面に沿って指Fを移動させる接触操作により、ポインタ62及びフォーカス366を遠隔操作することができる。こうして操作者は、空中操作によって表示画面52の中央に移動させた任意のトラックアイコン363にポインタ62等を重畳させてプッシュスイッチ35(
図5参照)の押圧操作を行うことにより、当該トラックアイコン363を選択することができる。
【0117】
図20B,20Cに示す操作を終了させた操作者は、操作体距離dが第二閾値距離Dth2を超える位置まで指Fを離間させる。これにより、操作認可は、許可モードから禁止モードへと切り替えられる。そして、遠隔操作デバイス300は、次回以降の操作者によるアイコン選択操作を待機する状態となる。
【0118】
以上説明したアイコン選択操作を実現するために、操作制御部33(
図1参照)によって実施される各処理を、
図21〜24に基づいて順に説明する。尚、第三実施形態におけるメイン処理は、第一実施形態のメイン処理(
図8参照)と実質的に同一である。一方で、以下に詳細を説明するタッチセンサ入力処理では、第一,第二閾値距離Dth1,Dth1における不感帯の省略に伴い、ポインタ制御及びアイコン制御の切り替えに係わるヒステリシスも省略されている。
【0119】
図23に示すS321及びS322は、第一実施形態のS121及びS122(
図9参照)と実質的に同一である。S323では、前回までのタッチセンサ入力処理による操作状態が接触操作中でなく、且つS321にて取得した感度値の最大が、第一感度閾値Hth1以上であるか否かを判定する。S323にて肯定判定をした場合には、S324に進み、操作状態を接触操作中に更新して、タッチセンサ入力処理を終了する。
【0120】
S323にて否定判定をした場合のS325では、前回までのタッチセンサ入力処理による操作状態が空中操作中ではなく、且つS321にて取得した感度値の最大が第二感度閾値Hth2以上、第一感度閾値Hth1未満であるか否かを判定する。S325にて肯定判定をした場合には、S326に進み、操作状態を空中操作中に更新して、タッチセンサ入力処理を終了する。一方で、S325にて否定判定をした場合には、S327に進む。
【0121】
S327では、前回までのタッチセンサ入力処理による操作状態が非近接中ではなく、且つS321にて取得した感度値の最大が第二感度閾値Hth2未満であるか否かを判定する。S327にて肯定判定をした場合には、S328に進み、操作状態を非近接中に更新して、タッチセンサ入力処理を終了する。一方で、S327にて否定判定をした場合には、前回までのタッチセンサ入力処理による操作状態を維持したまま、当該入力処理を終了する。
【0122】
第三実施形態における操作レイヤ判定処理は、S147(
図12参照)に相当する処理を除き、第一実施形態による操作レイヤ判定処理と実質的に同一である。第三実施形態のS147(
図12参照)に相当する処理では、トラックアイコン363の描画されるオブジェクトレイヤが、選択レイヤとして選択及び更新される。
【0123】
次に、操作レイヤ判定処理のS142にて実施される操作認可判定処理の詳細を、
図24に基づいて説明する。
【0124】
S361では、タッチセンサ入力処理(
図23参照)により更新された最新の操作状態を取得し、S362に進む。S362では、タッチセンサ入力処理のS322(
図23参照)にて算出される指Fの相対位置を示す座標を取得し、S363に進む。S363では、前回の操作認可判定処理にて取得された座標と、今回のS363にて取得された座標の差分から、指Fの移動量を算出し、S364に進む。
【0125】
S364では、S361にて取得した操作状態が非近接中ではなく、且つS363にて算出するある所定時間内(例えば1秒間)のタッチセンサと平行な方向の移動量の累積が、予め設定された移動閾値(例えば、5〜10センチメートル)を超えているか否かを判定する。このようにある所定時間内の移動体の移動量の累積を算出すると、指をタッチパネルで素早く往復させる、所謂フリック操作を検出することができる。S364にて肯定判定をした場合には、S365に進み、操作認可を許可モードに切り替える。
【0126】
S364にて否定判定をした場合のS366では、前回までの操作認可判定処理による操作認可が許可モードであり、且つS361にて取得した操作状態が非近接中であるか否かを判定する。S366にて肯定判定をした場合には、S367に進み、操作認可を禁止モードに切り替える。一方で、S366にて否定判定をした場合には、前回までの操作認可判定処理よる操作認可を維持したまま、当該判定処理を終了する。
【0127】
ここまで説明した第三実施形態によれば、第一実施形態と同様に、指Fを操作面32に近接させる単なる移動が操作者の意図に反してサブメニュー制御に関連付けられる事態は、生じ難くなる。したがって、第三実施形態による遠隔操作デバイス300も、優れた操作性を獲得できる。
【0128】
加えて第三実施形態のように、xy平面及びz軸方向のいずれかに沿って指Fを移動させる操作が、認可操作とされていてもよい。尚、第三実施形態において、トラックアイコン363が「第二画像部」,「選択画像部分」,及び「非ポインタ部」に相当し、オブジェクトレイヤが「第二画像レイヤ」に相当し、アイコン制御が「第二画像制御」に相当し、遠隔操作デバイス300が「操作デバイス」に相当する例を示したが、もちろん本発明はこれに限定されるものではない。
【0129】
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第四実施形態による操作制御部33(
図1参照)は、認可操作と実施的に同一の操作であって、
図6Bの如く指Fを第一閾値距離Dth1よりも操作面32に近接させる操作を、禁止操作として記憶している。操作制御部33は、許可モードである場合に、禁止操作がなされたことを条件として、当該許可モードから禁止モードへと、操作認可を切り替える。以下、第四実施形態にて操作制御部33により実施される操作認可判定処理を、
図25に基づいて詳細に説明する。
【0130】
S461では、タッチセンサ入力処理(
図9参照)により更新された最新の操作状態を取得し、S462に進む。S462では、前回までの操作認可判定処理により設定された操作認可が禁止モードであり、且つS461にて取得した操作状態が非近接中から接触操作中に変化したか否かを判定する。S462にて肯定判定をした場合には、S463に進む。S463では、操作状態が非近接中から接触操作中に遷移したので、禁止モードから許可モードへと操作認可を切り替えて、操作認可判定処理を終了する。この結果、前述したように、
図6Bの接触操作から
図6Cの空中操作が許可される。
【0131】
これに対して、S462にて否定判定をした場合のS464では、前回までの操作認可判定処理による操作認可が許可モードであり、且つS461にて取得した操作状態が非近接中から接触操作中に変化したか否かを判定する。つまり、S464は、空中操作が許可されている許可モードにおいて、
図7A〜
図7Cの如く非近接領域から空中操作領域を通過して接触操作領域へと指Fを移動させる操作が操作者によってなされたか否かを判定する処理である。
【0132】
そして、
図25に示すS464にて肯定判定をした場合には、S465に進む。S465では、許可モードから禁止モードへと操作認可を切り替えて、操作認可判定処理を終了する。一方、S464にて否定判定をした場合には、前回までの操作認可判定処理よる操作認可を維持したまま、当該判定処理を終了する。
【0133】
ここまで説明した第四実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏することにより、遠隔操作デバイスは、優れた操作性を獲得できる。加えて第四実施形態によれば、禁止操作によって許可モードから禁止モードへと切り替えられることで、
図6Cの如く、指Fによる操作とマップ制御との関連付けは、中断される。故に、
図6Bの如くポインタ制御を実施するために指Fを操作面32に接触させる途中に
図6Cの如く指Fを空中領域に位置させる状態が存在しても
図6Cのマップ制御関連付けられる事態は、生じ難くなる。また、
図6Bの如く指Fを操作面32に接触させて指Fによるポインタ制御を終了した後に、指Fを操作面32から離間させる際の移動につき
図6Cの空中操作領域に指Fが進入しても、操作者の意図に反してマップ制御に関連付けられる事態は、生じ難くなる。
【0134】
以上のように、ポインタ制御を開始する際に加えて当該操作を終了する際においても、操作者の意図に反したマップ64の移動が低減可能となることで、遠隔操作デバイスの操作性は一層向上する。尚、第四実施形態において、操作制御部33が「禁止操作判定手段」に、さらに相当する。
【0135】
(第五実施形態)
本発明の第五実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第五実施形態による操作制御部33(
図1参照)には、
図2に示す近接センサ538が接続されている。近接センサ538は、操作者の掌と対面するようにパームレスト39の周縁部分に配置されている。近接センサ538は、予め規定された近接距離よりも近接センサ538に操作者の掌が近接することにより、オフ状態からオン状態となる。操作制御部33は、近接センサ538がオン状態となる位置まで掌を当該センサ538に近接させる操作を、認可操作として記憶している。近接センサ538がオン状態である場合には、操作制御部33は、空中操作の受付けの許可を行う許可モードとする。一方で、近接センサ538がオン状態である場合には、操作制御部33は、空中操作の受付を禁止する禁止モードとする。以下、近接センサ538への操作により操作認可の切り替えが可能な形態において、当該制御部33によって実施される操作認可判定処理を、
図26に基づいて詳細に説明する。
【0136】
S561では、近接センサ538のオン及びオフ状態を取得しS562に進む。S562では、S561にて取得した近接センサ538の状態につき、オフ状態からオン状態への変化があったか否かを判定する。S562にて肯定判定をした場合には、S563に進む。S563では、禁止モードから許可モードへと操作認可を切り替えて、操作認可判定処理を終了する。
【0137】
S562にて否定判定をした場合のS564では、前回までの操作認可判定処理による操作認可が許可モードであり、且つS561にて取得した近接センサ538の状態につきオン状態からオフ状態への変化があったか否かを判定する。S564にて肯定判定をした場合には、S565に進む。S565では、許可モードから禁止モードへと操作認可を切り替えて、操作認可判定処理を終了する。一方で、S564にて否定判定をした場合には、前回までの操作認可判定処理よる操作認可を維持したまま、当該判定処理を終了する。
【0138】
ここまで説明した第五実施形態でも、近接センサ538への認可操作が操作面32に対しなされるまで、操作制御部33における操作認可は、禁止モードとされ続ける。こうして指Fによる空中操作の受付けが中断されることにより、指Fを操作面32に近接させる移動が操作者の意図に反してマップ制御に関連付けられる事態は、生じ難くなる。
【0139】
一方で、近接センサ538への認可操作がなされることで、操作認可は、禁止モードから許可モードへと切り替わる。こうして空中操作の受付けが開始されることにより、操作者は、操作面32に対する指Fによる操作を継続したまま、空中操作及び接触操作にそれぞれ関連付けられた画像部のうちで所望する一方を選択したうえで、この選択した一方を操ることができる。以上のように、第一実施形態と同様の効果を奏する第五実施形態による操作デバイスも、優れた操作性を獲得できる。
【0140】
(第六実施形態)
本発明の第六実施形態は、第四実施形態の変形例である。第六実施形態による操作制御部33(
図1参照)には、切替スイッチ(図示しない)が接続されている。切替スイッチは、
図20Aのような操作面32を操作する指Fと異なる指にて操作が可能なように、当該操作面32に隣接して配置されている。切替スイッチは、操作者による押圧操作によってオン状態とオフ状態とを切り替える。そして、操作制御部33は、切替スイッチをオン状態にする押圧操作を認可操作として記憶している。以下、切替スイッチへの操作により操作認可の切り替えが可能な形態において、当該制御部33によって実施される操作認可判定処理を、
図27に基づいて詳細に説明する。
【0141】
S661では、切替スイッチのオン及びオフ状態を取得しS662に進む。S662では、前回までの操作認可判定処理により設定された操作認可が禁止モードであり、且つS661にて取得した切替スイッチの状態がオフ状態からオン状態に変化したか否かを判定する。S662にて肯定判定をした場合には、S663に進み、禁止モードから許可モードへと操作認可を切り替えて、操作認可判定処理を終了する。
【0142】
S662にて否定判定をした場合のS664では、前回までの操作認可判定処理による操作認可が許可モードであり、且つS661にて取得した切替スイッチの状態がオン状態からオフ状態に変化したか否かを判定する。S664にて肯定判定をした場合には、S665に進む。S665では、許可モードから禁止モードへと操作認可を切り替えて、操作認可判定処理を終了する。一方で、S664にて否定判定をした場合には、前回までの操作認可判定処理よる操作認可を維持したまま、当該判定処理を終了する。
【0143】
ここまで説明したように、切替スイッチへの操作を認可操作とする第六実施形態でも、第四実施形態と同様の効果を奏するので、遠隔操作デバイスは、優れた操作性を獲得できる。尚、切替スイッチは機械式の構造あるいは抵抗膜式タッチパネルであってもよい。
【0144】
(第七実施形態)
本発明の第七実施形態について
図28から
図34を用いて説明する。
図28は車両のセンターコンソール707を示した斜視図である。センターコンソール707にはタッチディスプレイパネル708が設けられている。
図29は
図28のセンターコンソール707の断面図である。
図28,29に示す本実施形態におけるタッチディスプレイパネル708は、表示部をなすLCD709に操作部をなすタッチセンサ710が貼り付けられている。LCD709とタッチセンサ710は、センターコンソール707の意匠パネル711の開口部711aにはめ込まれている。
【0145】
タッチセンサ710は酸化インジウムなどからなる透明電極によって構成されている。よって、車両の乗員はタッチセンサ710の背面にあるLCD709の表示画像をタッチセンサ710越しに確認しながら、手などの操作体Fをタッチセンサ710に近接させて入力を行う。
【0146】
タッチセンサ710とLCD709はともに制御部712に接続されており、タッチセンサ710への入力は制御部712を介して、LCD709に表示された画像部の表示態様を変化させる。より具体的には、制御部712は、タッチセンサ710に近接する指などの操作体Fの移動を検出する。また、制御部712は、タッチセンサ710から操作体Fまでの距離d(
図32等参照)に応じて増減する距離計測値をタッチセンサ710から取得する。尚、LCD709には、
図30に示すように複数の画像が重なるように表示されている。
【0147】
図31は本実施形態における制御部712で実行する判定内容を示したフローチャートである。制御部712は、ステップS700において、制御部712に接続されたタッチセンサ710及びその他の機器から各種情報を読み込み、ステップS701において後述する禁止モードと許可モードの何れかとなる条件が揃っているかどうかを判定する。そして、いずれか一方の条件が揃っていれば、当該モードに設定してステップS702へと進む。
【0148】
上記ステップS701において、制御部712は、操作体によってなされた操作が所定の認可操作を服務ものであるかを判定し、所定の認可操作を含むものであると判定された場合に禁止モードを解除して、許可モードとする。ここで禁止モードとなる条件、許可モードとなる条件(認可操作)は、上述した第一〜第六実施形態に記載された条件の中から適宜選択して採用するとよい。
【0149】
ステップS702において、操作部(本実施形態ではタッチセンサ710)から操作体Fまでの距離dが第一閾値距離Dth1未満か否かを判定する(
図34参照)。操作部から操作体Fまでの距離が第一閾値距離Dth1未満であると判定した場合には、ステップ703へ進み、操作体Fの移動に基づいて複数の画像部のうちの第一画像部の表示態様を変化させる。具体的に本実施形態では、
図34に示す指Fがタッチセンサ710から第一閾値距離Dth1(所定距離)以内に位置し、接触または接触しそうになっている場合は、
図30に示すカーソル画像713を指Fの移動に基づいて上下左右に移動させるようにしている。尚、本実施形態における操作部をなすタッチセンサ710は、操作体Fがタッチセンサ710の表面に接触し、更にタッチセンサ710の表面を押圧した場合の圧力も感知できるように構成されている。加えて、操作体Fによってタッチセンサ710の表面が押し込まれた場合は、その時点でカーソル画像713が重畳していたポイントにおいて何らかの決定入力操作があったもの判定する。また、押圧可能でなくても、例えばダブルタップによって決定入力操作を行うようにしても良い。また、上記第一〜第六実施形態のように、決定入力操作のためにタッチディスプレイパネルとは別体としてプッシュスイッチ等をセンターコンソール707に設けるようにしてもよい。
【0150】
また、
図31に示すステップS702において操作部から操作体Fまでの距離が第一閾値距離Dth1以上であると判定した場合、ステップS704へと進み、更に、操作部から操作体Fまでの距離が第二閾値距離Dth2未満か否かを判定する。操作部から操作体Fまでの距離が第二閾値距離Dth2未満であると判定した場合には、ステップ705へ進み、上記S701において許可モードを判定していたか否かを再度判定する。そして許可モードであった場合には、ステップS706へと進み、複数の画像部のうち、上記第一画像部とは異なる第二画像部の表示態様を変化させる。具体的に本実施形態において、
図33に示すように、指がタッチセンサ710から所定の範囲(第二閾値距離Dth2よりも近く、第一閾値距離Dth1よりも離れている状態)に位置している。この場合は、上記カーソル画像713が重畳されたマップ画像714を指の動きに基づいて上下左右にスライドさせて、LCD709に表示される範囲を変更させるようにしている。ステップS705で禁止モードであると判定された場合は、操作体Fによる入力によって第二画像の表示態様が変化させることなく、ステップS700に戻って処理を繰り返す。また、ステップS704において、
図32に示すように、指がタッチセンサ710から所定の範囲よりも外(操作体Fとタッチセンサ710とが第二閾値距離Dth2よりも離れている状態)に位置していると判定されたとする。この場合でも、操作体Fによる入力によって第二画像の表示態様が変化させることなく、ステップS700に戻って処理を繰り返す。
【0151】
尚、上記禁止モードを、操作部から操作体Fまでの距離が第一閾値距離Dth1を超えている場合には操作体Fによる入力をLCD709に表示された画像部の表示態様に反映しない第1モードと呼ぶこともできる。そして、上記許可モードを、操作部から操作体Fまでの距離が第一閾値距離Dth1を超えている場合であっても操作体Fによる入力を画像部の表示態様に反映する第2モードと呼ぶこともできる。
【0152】
また、制御部12で判定に用いられるパラメータとしての各閾値距離Dth1,Dth2とは関わりなく、操作部から操作体Fがz方向に所定距離はなれているか否かに基づいて、表示態様の切り替えの仕方を変えることに依拠して、上記禁止モードと許可モードを定義することもできる。具体的には、上記禁止モードを、操作部から操作体Fまでの距離dが所定距離を超えている場合と超えていない場合とでLCD709に表示される画像部の表示態様の切り替えに変化をつけない第1モードと呼ぶことができる。そして、上記許可モードを、操作部から操作体Fまでの距離が所定距離を超えている場合と超えていない場合とで画像部の表示態様の切り替えに変化をつける第2モードと呼ぶこともできる。
【0153】
更に、上記のように第1モード、第2モードを定義した場合、制御部712を、許容操作の有無を判定して禁止モードと許可モードとを切り替える切替部であると呼ぶこともできる。
【0154】
尚、上記第七実施形態において、LCD709に表示させる画像部としてカーソル画像713とマップ画像714を例に挙げたが、もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、上記第二実施形態にて説明したような複数のサブメニューの詳細画面と、該サブメニュー内の設定ボタンなどの画像の表示態様を操作部と操作体との距離に応じて変更するようにしてもよい。
【0155】
また、上述した実施形態では、操作部として静電容量式のタッチセンサを用いるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、空中操作および接触操作が検出可能であれば、様々な操作部を採用することができる。例えば、操作者の手を赤外線カメラや可視光カメラによって撮影し、撮影された画像から操作パネル上における操作者の手の形、操作パネルと操作者の手との間の距離を推測するようにしても良い。
【0156】
尚、上記実施形態のように、タッチセンサへの入力によって認可操作を実行できるようにすると、別途認可操作ボタンなどを配置した場合と比べて操作者は認可操作を実行した後、途切れることなく空中操作を実行することができるため、利便性が高くなる。
【0157】
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0158】
上記実施形態では、静電容量方式のタッチセンサ31と操作制御部33との協働によって、「検出手段」に加えて「取得手段」の機能が果たされていた。このように、静電容量方式のタッチセンサ31は、操作面32に沿ったx,y軸方向だけでなく、操作面32と実質的に直交するz軸方向にも指Fの動きを検出できる。故に、空中操作中における操作面32への指Fの近接状態と、接触操作中における操作面32への指Fの接触状態とを判別するための構成として、上述のタッチセンサ31は、好適なのである。
【0159】
上記実施形態では、操作面32に対する指Fの相対位置を示す値として、操作体距離d及びz座標が用いらえていた。こうした操作面32及び指F間の距離を示す操作体距離d及びz座標は、実質的に等価な値であり、タッチセンサ31によって検出される感度値と相関を有する値である。
【0160】
一方で、「取得手段」の構成は、こうしたタッチセンサ31の表面上における三次元方向の入力位置座標を検出可能な静電容量方式のタッチセンサには限定されず、適宜変更されてよい。例えば、操作面近傍を撮影するカメラを操作制御部に接続することで、画像解析によって操作体距離(又はz座標)を取得する「取得手段」が構成されていてもよい。又は、赤外線によって操作体距離の計測が可能な赤外線センサを操作制御部に接続することで、「取得手段」が構成されていてもよい。さらに、赤外線センサ及び操作制御部が協働で、「取得手段」に加えて指Fによる操作を検出する「検出手段」を兼ねていてもよい。またさらに、指Fによって印加される圧力を検知することで、指Fによる操作を検出する感圧方式のタッチセンサが、「検出手段」として用いられていてもよい。
【0161】
また、指Fがタッチセンサ31の操作面32に直接に接触している状態に加えて操作面32から第一閾値距離Dth1(例えば0.5〜1cm程度)まで浮いている状態も「接触操作」と定義したが、指Fがタッチセンサ31の操作面32に直接に接触している状態のみを「接触操作」と定義してもよいことは勿論である。
【0162】
上記第一〜第三実施形態にて示した各表示画像60,260,360は、それぞれ表示画像の一例であって、適宜変更されてよい。また上記実施形態では、ポインタ62及びフォーカス262が「ポインタ部」に相当し、マップ64,サブメニュー265,及びトラックアイコン363等が「非ポインタ部」に相当していた。しかし、「ポインタ部」及び「非ポインタ部」に相当する画像部は、適宜変更されてよい。特に、「ポインタ部」に相当する画像部は、現在の操作位置に対応した表示画面上の位置を示す機能を発揮可能であれば、ポインタ及びフォーカス等に限定されない。
【0163】
例えば、表示画面上に表示される複数の「選択画像部分」のうちで操作位置に対応する位置に在る一つの表示態様を変化させることにより、「ポインタ部」の機能が果たされていてもよい。具体的には、上記第三実施形態のように複数のトラックアイコンが表示される形態であれば、「非ポインタ部」に相当するトラックアイコンが、「ポインタ部」に相当していてもよい。詳しく説明すると、表示画面上にて現在の操作位置に対応する一つのトラックアイコンが、例えば誘目性の高い表示色への変更及び拡大等により、表示態様を変化させる。これにより、複数のトラックアイコンは、現在の操作位置に対応した表示画面上の位置を示す機能を発揮することができる。尚、表示態様の変化の方法としては、例えば、表示画面上での上下及び左右への振動及び点滅等が挙げられる。さらに、表示画面上にて現在の操作位置に対応する一つを除いた他のトラックアイコンが、誘目性の低い表示色に変更されることにより、現在の操作位置が示されてもよい。
【0164】
上記第二実施形態では、の走行速度が10km/hを超えたか否かに基づいて、が走行状態にあるか否かが判定されていた。しかし、走行状態を判定するための閾値となる速度閾値は、適宜変更されてよい。例えば、速度閾値は、5km/hや0km/h等であってもよい。さらに、速度閾値は、10km/hよりも速い走行速度に設定されていてもよい。加えて、「走行中」と「停車中」との頻繁な変更を抑制するために、ヒステリシスが速度閾値に設けられていてもよい。
【0165】
上記第六実施形態では切替スイッチのオンオフ状態に基づいて、操作認可の禁止、許可を切替えているが、例えばタッチセンサ31の側方などに、静電容量方式の他のタッチセンサを配置し、この他のタッチセンサに指で直接触れるか或いはz軸方向にて指をかざすことにより前述の操作認可の禁止、許可を行うようにしてもよい。
【0166】
上記実施形態では、種々の「認可操作」を例示したが、「認可操作」は、上述の操作に限定されない。例えば、接触操作領域内及び空中操作領域内のいずれかにて複数の指Fを移動させる操作が、認可操作とされていてもよい。又は、接触操作領域及び空中操作領域内にて特定の図形を描く操作が、認可操作とされていてもよい。さらに、複数の操作が認可操作として記憶されていてもよい。また、これらの「認可操作」に対応する指Fをカメラにて撮像し、このカメラ画像により前述の操作認可の禁止、許可を行うようにしてもよい。
【0167】
上記実施形態では、液晶ディスプレイ51が、特許請求の範囲に記載の「表示画面」を形成していた。しかし、プラズマディスプレパネルを用いた表示器及び有機ELを用いた表示器等が「表示画面」を形成していてもよい。さらに、例えばウィンドウシールド及びインスツルメントパネルの上面に設けたコンバイナ等を「表示画面」とし、プロジェクタ等の投影手段によって、これらウィンドウシールド及びコンバイナ等に画像を投影する表示装置が表示システムに含まれていてもよい。
【0168】
上記実施形態では、認可操作がなされたか否かを判定する処理及び許可モードと禁止モードとを切り替える処理は、操作制御部33によって実施されていた。加えて操作制御部33は、指Fの移動に伴う入力位置座標の変化につき、その変化の前後における二点のz軸座標が第一感度閾値Hth1を超えているか否かに基づき、制御対象とされる画像部を表示制御部53に切り替えさせる機能を果たしていた。換言すれば、操作制御部33は、接触操作が検出された場合には第一画像部を含む表示画像を、空中操作が検出された場合には第二画像部を含む表示画像を、それぞれ表示制御部53から液晶ディスプレイ51に送出させる機能を果たしていた。こうした「認可操作判定手段」、「モード切替手段」、「画像部切替手段」、及び「送出制御手段」等の機能を果たす操作制御部33は、一つのマイコン等によって構成されていてもよく、又は複数の回路又は装置を適宜組み合わせることによって構成されていてもよい。同様に、「表示制御手段」の機能を果たす表示制御部53も、一つのマイコン等によって構成されていてもよく、又は複数の回路又は装置を適宜組み合わせることによって構成されていてもよい。
【0169】
上記実施形態では、操作認可が禁止モードである場合に、選択レイヤを「なし」とすることにより、指Fによる空中操作によってポインタ等が移動しないようにされていた。しかし、禁止モードにおいて、指による操作によってポインタ等の画像部の表示態様が変化させないようにする方法は、上記の実施形態に限定されない。
【0170】
例えば上記実施形態の変形例1では、操作制御部33は、「取得決定手段」として、入力位置座標のz軸方向の感度値が第一感度閾値Hth1を跨いで変化したことに基づいて、表示制御部53に座標信号を取得させるか否かを決定してもよい。こうした形態では、操作制御部33は、「取得制御手段」として、許可モードにて座標信号の取得が許可されるまで表示制御部53による座標信号の取得を中断させ、許可決定をしたことに基づいて表示制御部53に座標信号の取得を開始させる。
【0171】
また上記実施形態の変形例2では、操作制御部33は、「出力決定手段」として、入力位置座標のz軸方向の感度値が第一感度閾値Hth1を跨いで変化したことに基づいて、表示制御部53に座標信号を出力するか否かを決定してもよい。こうした形態では、操作制御部33は、「出力制御手段」として、許可モードにて座標信号の出力が許可されるまで表示制御部53への座標信号の出力を中断し、許可決定をしたことに基づいて表示制御部53への座標信号の出力を開始する。
【0172】
さらに上記実施形態の変形例3では、操作制御部33は、「実施決定手段」として、入力位置座標のz軸方向の感度値が第一感度閾値Hth1を跨いで変化したことに基づいて、表示制御部53にマップ制御等を実施させるか否かを決定してもよい。こうした形態では、操作制御部33は、「実施制御手段」として、許可モードにてマップ制御等の実施が許可されるまで表示制御部53によるマップ制御等の実施を中断させ、許可決定をしたことに基づいて表示制御部53にマップ制御等を開始させる。
【0173】
さらに加えて、上記実施形態の変形例4では、操作制御部33は、「描画制御手段」として、指Fが空中操作領域から接触操作領域に向かう状態遷移の途上である場合には、空中操作に関連付けられる画像部の描画を表示制御部53に禁止させる制御を実施してもよい。以上の制御により、空中操作に関連付けられる画像部が表示画面52から消失するので、当該画像部についての操作者の意図しない移動は、生じ得ない。
【0174】
上記実施形態では、車両に搭載される表示システムに用いられる遠隔操作デバイスに、本発明を適用した例を説明した。しかし、本発明は、表示画面と一体的に構成される、所謂タッチパネル方式の操作デバイスにも、適用可能である。さらに、車両用に限らず、各種輸送用機器及び各種情報端末等に用いられる表示システム全般に、本発明を適用された操作デバイスは、使用可能である。