(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、冷媒流路切換ユニットは、一般的に狭小な天井裏等の空間に配設されるため、コンパクトに構成されることが求められる。一方で、特許文献1のように複数の冷媒流路切換ユニットを備える場合には、施工の便宜上、
図1に示すように、複数の冷媒流路切換ユニットを集約した流路切換集合ユニットとして構成することが望まれる。
図1においては、4つの冷媒流路切換ユニット2が集約されて流路切換集合ユニット1が構成されている。
【0004】
しかし、従来の流路切換集合ユニットでは、集約する冷媒流路切換ユニットの数に応じて流路切換集合ユニットのサイズが大きくなり、コンパクト化を実現することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、コンパクト性に優れる流路切換集合ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る流路切換集合ユニットは、冷媒回路を形成する熱源ユニットと複数の利用ユニットとの間に配設されて、冷媒の流れを切り換え、複数の第1冷媒配管と、複数の第2冷媒配管と、
複数の第1冷媒配管及び複数の第2冷媒配管を収容するケーシングと、を備える。第1冷媒配管は、切換弁を配設される。第1冷媒配管は、熱源ユニットから延びる高低圧ガス連絡管及び吸入ガス連絡管に接続される。第2冷媒配管は、一端が熱源ユニットから延びる液連絡管に接続されるとともに他端が利用ユニットへ延びる液管に接続される。
複数の第1冷媒配管と、複数の第2冷媒配管と、は集合体として一体に構成される。第1冷媒配管は、
集合体において、隣の第1冷媒配管と所定の間隔をおいて略平行に延びる。第2冷媒配管は、
集合体において、隣の第2冷媒配管と所定の間隔をおいて略平行に延びる。第1冷媒配管と、第2冷媒配管と、は
集合体において交互に配設される。
【0007】
本発明の第1観点に係る流路切換集合ユニットでは、高低圧ガス連絡管及び吸入ガス連絡管に接続される複数の第1冷媒配管と、一端が液連絡管に接続されるとともに他端が液管に接続される
複数の第2冷媒配管と、を備え
る。また、複数の第1冷媒配管と、複数の第2冷媒配管と、は集合体として一体に構成され、集合体において、第1冷媒配管が隣の第1冷媒配管と所定の間隔をおいて略平行に延び、第2冷媒配管が隣の第2冷媒配管と所定の間隔をおいて略平行に延び、第1冷媒配管と第2冷媒配管とが交互に配設される。これにより、流路切換集合ユニットのコンパクト性が向上する。
【0008】
すなわち、隣の第1冷媒配管と所定の間隔をおいて略平行に延びる第1冷媒配管と、隣の第2冷媒配管と所定の間隔をおいて略平行に延びる第2冷媒配管と、が交互に配設されることで、複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管が所定のクリアランスを保ちながら整然と並ぶ。その結果、ユニット内の空き領域が削減し、複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管をコンパクトに集約することが可能となる。したがって、流路切換集合ユニットをコンパクトに構成することが可能となり、コンパクト性が向上する。
【0009】
なお、「略平行に延びる」とは、完全に平行に延びる場合のみならず、平行線に対して多少傾斜して延びる場合を包含する意味である。具体的には、隣の冷媒配管と平行に延びる直線に対する傾斜角度が10度未満である場合には、冷媒配管は隣の冷媒配管と「略平行に延びる」と解釈する。
【0010】
本発明の第2観点に係る流路切換集合ユニットは、第1観点に係る流路切換集合ユニットユニットであって、第1冷媒配管と、第2冷媒配管と、が水平方向に交互に並ぶように配設される。
【0011】
本発明の第2観点に係る流路切換集合ユニットでは、第1冷媒配管と、第2冷媒配管と、が水平方向に交互に並ぶように配設される。これにより、鉛直方向の長さが第1冷媒配管及び第2冷媒配管の数に応じて増加することが抑制される。その結果、流路切換集合ユニットは、鉛直方向の長さがコンパクトに構成される。よって、天井裏等、鉛直方向の長さが小さい狭小空間においても設置されやすくなり、施工性が向上する。
【0012】
本発明の第3観点に係る流路切換集合ユニットは、第1観点又は第2観点に係る流路切換集合ユニットであって、第1冷媒配管は、不純物を除去するための冷媒配管用フィルタを有する。第1冷媒配管と第2冷媒配管との間隔は、冷媒配管用フィルタの幅よりも小さい。
【0013】
本発明の第3観点に係る流路切換集合ユニットでは、第1冷媒配管と第2冷媒配管との間隔は、冷媒配管用フィルタの幅よりも小さい。これにより、複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管をさらにコンパクトに集約することが可能となる。
【0014】
本発明の第4観点に係る流路切換集合ユニットは、第1観点から第3観点のいずれかに係る流路切換集合ユニットであって、切換弁は、第1切換弁と、第2切換弁とを含む。第1切換弁及び第2切換弁は、平面視において第1冷媒配管が延びる直線上に配設される。
【0015】
本発明の第4観点に係る流路切換集合ユニットでは、第1冷媒配管に配設される第1切換弁及び第2切換弁は、平面視において第1冷媒配管が延びる直線上に配設される。これにより、第1冷媒配管に複数の切換弁を配設する際、各切換弁が平面視において第1冷媒配管が延びる直線上から外れる場合よりも隣り合う第1冷媒配管間の間隔を小さくすることが可能となる。その結果、複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管をさらにコンパクトに集約することが可能となる。
【0016】
なお、第1切換弁及び第2切換弁のそれぞれに、平面視において第1冷媒配管と重畳している部分が含まれていれば、「第1切換弁及び第2切換弁は、平面視において第1冷媒配管が延びる直線上に配設される」と解釈する。
【0017】
本発明の第5観点に係る流路切換集合ユニットは、第1観点から第4観点のいずれかに係る流路切換集合ユニットであって、第2冷媒配管は、過冷却熱交換部を一端と他端との間に配設される。過冷却熱交換部は、第2冷媒配管内を通過する冷媒を冷却する。過冷却熱交換部は、第2冷媒配管内を通過する冷媒と、他の冷媒配管内を通過する冷媒と、が熱交換する構造を有する。他の冷媒配管は、その内部を通過する冷媒の流量を調整するための第3切換弁を有する。過冷却熱交換部は、第1冷媒配管と略平行に延びる。
【0018】
本発明の第5観点に係る流路切換集合ユニットでは、第2冷媒配管の一端と他端との間に配設される過冷却熱交換部は、第2冷媒配管内を通過する冷媒と、第3切換弁を有する他の冷媒配管内を通過する冷媒と、が熱交換する構造を有し、第1冷媒配管と略平行に延びる。これにより、流路切換集合ユニットのコンパクト性が向上するとともに利用ユニットの性能低下が抑制される。
【0019】
すなわち、第2冷媒配管に過冷却熱交換部を設けることにより、一の利用ユニットが暖房運転を行い他の利用ユニットが冷房運転を行っているような状況において、一の利用ユニットで凝縮又は放熱した冷媒
を過冷却することが可能となり、他の利用ユニットの冷房能力の低下が抑制される。また、過冷却熱交換部が第1冷媒配管と略平行に延びることにより、係る過冷却熱交換部を第2冷媒配管に配設した場合にも複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管をコンパクトに集約することが可能となる。よって、流路切換集合ユニットのコンパクト性が向上するとともに利用ユニットの性能低下が抑制される。
【0020】
本発明の第6観点に係る流路切換集合ユニットは、第1観点から第5観点のいずれかに係る流路切換集合ユニットであって、第1ヘッダ、第2ヘッダ及び第3ヘッダをさらに備える。第1ヘッダ、第2ヘッダ及び第3ヘッダは、略平行に延びる。第1冷媒配管は、第1ヘッダ及び第2ヘッダと略垂直に接続される。第1冷媒配管は、第1ヘッダを介して高低圧ガス連絡管と接続される。第1冷媒配管は、第2ヘッダを介して吸入ガス連絡管と接続される。第2冷媒配管は、第3ヘッダと略垂直に接続される。第2冷媒配管は、第3ヘッダを介して液連絡管と接続される。
【0021】
本発明の第6観点に係る流路切換集合ユニットでは、第1冷媒配管は第1ヘッダを介して高低圧ガス連絡管と接続されるとともに第2ヘッダを介して吸入ガス連絡管と接続され、第2冷媒配管は第3ヘッダを介して液連絡管と接続される。また、第1冷媒配管は第1ヘッダ及び第2ヘッダと略垂直に接続され、第2冷媒配管は第3ヘッダと略垂直に接続される。
【0022】
このように第1冷媒配管又は第2冷媒配管がヘッダを介して高低圧ガス連絡管、吸入ガス連絡管又は液連絡管と接続されることにより、各冷媒配管を高低圧ガス連絡管、吸入ガス連絡管又は液連絡管に簡易に接続することが可能となり、組立性が向上する。また、第1冷媒配管が第1ヘッダ及び第2ヘッダと略垂直に接続され、第2冷媒配管が第3ヘッダと略垂直に接続されることで、第1冷媒配管又は第2冷媒配管がヘッダを介して高低圧ガス連絡管、吸入ガス連絡管又は液連絡管と接続される場合にも、複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管を整然と並べてコンパクトに集約することが可能となる。よって、流路切換集合ユニットのコンパクト性及び組立性が向上する。
【0023】
なお、「略垂直に接続され」とは、完全に垂直に接続される場合のみならず、垂線に対して若干傾斜して接続される場合も包含する意味である。具体的には、ヘッダに接続される冷媒配管と、ヘッダに対する垂線との傾斜角度が10度未満である場合には、当該冷媒配管はヘッダと「略垂直に接続され」ていると解釈する。
【0024】
本発明の第7観点に係る流路切換集合ユニットは、第6観点に係る流路切換集合ユニットであって、第4ヘッダと、接続配管と、バイパス管と、をさらに備える。第4ヘッダは、第1ヘッダ、第2ヘッダ及び第3ヘッダと略平行に延びる。接続配管は、第2ヘッダと第4ヘッダを接続して、第2ヘッダ内の冷媒を第4ヘッダに送る。接続配管は、第1部と、第2部と、を含む。第1部は、第4ヘッダが延びる方向に対して交差する方向に延びる。第2部は、第4ヘッダが延びる方向に対して略平行に延びて第1部に接続される。第1部は、第2部との接続部分において第4ヘッダが延びる方向に対して略平行に延びる。バイパス管は、第4ヘッダ内の冷媒を第2冷媒配管にバイパスする。バイパス管は、第4ヘッダに略垂直に接続される。
【0025】
本発明の第7観点に係る流路切換集合ユニットでは、第4ヘッダを備えることにより、第2ヘッダ内の冷媒を第2冷媒配管にバイパスする際、配管の接続態様が煩雑となることを抑制でき、組立性が向上する。
【0026】
また、第4ヘッダは第1ヘッダ、第2ヘッダ及び第3ヘッダと略平行に延び、第2ヘッダと第4ヘッダとを接続する接続配管は第4ヘッダが延びる方向に対して略平行な方向に延びて互いに接続される第1部および第2部を含み、第4ヘッダ内の冷媒を第2冷媒配管にバイパスするバイパス管は第4ヘッダに略垂直に接続される。これにより、第4ヘッダを備えた場合でも、複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管を整然と並べてコンパクトに集約することが可能となる。よって、流路切換集合ユニットのコンパクト性及び組立性が向上する。
【0027】
本発明の第8観点に係る流路切換集合ユニットの製造方法は、第7観点に係る流路切換集合ユニットの製造方法であって、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を備える。第1工程では、第1アセンブリを作る。第1アセンブリは、第1ヘッダ又は第2ヘッダと、複数の第1冷媒配管と、が接続されることで作られる。第2工程では、第2アセンブリを作る。第2アセンブリは、第3ヘッダ又は第4ヘッダと、複数の第2冷媒配管と、が接続されることで作られる。第3工程では、第1アセンブリと第2アセンブリとを組み合わせる。
【0028】
本発明の第8観点に係る流路切換集合ユニットの製造方法では、第1ヘッダ又は第2ヘッダと複数の第1冷媒配管とが接続された第1アセンブリを作る第1工程と、第3ヘッダ又は第4ヘッダと複数の第2冷媒配管とが接続された第2アセンブリを作る第2工程と、第1アセンブリと第2アセンブリとを組み合わせる第3工程と、を備える。これにより、コンパクト性に優れる流路切換集合ユニットを、簡単かつ効率的に製造することが可能となる。
【0029】
すなわち、従来、流路切換集合ユニットを製造する際には、組み合わせる冷媒流路切換ユニットの数に応じて組立時の手間及び工数がかかっていた。これに対し、第8観点に係る流路切換集合ユニットの製造方法では、組み合わせる冷媒流路切換ユニットの数に応じて組立時の手間及び工数が増加することが抑制される。よって、コンパクト性に優れる流路切換集合ユニットを、簡単かつ効率的に製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の第1観点に係る流路切換集合ユニットでは、複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管をコンパクトに集約することが可能となり、流路切換集合ユニットのコンパクト性が向上する。
【0031】
本発明の第2観点に係る流路切換集合ユニットでは、施工性が向上する。
【0032】
本発明の第3観点に係る流路切換集合ユニットでは、複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管をさらにコンパクトに集約することが可能となる。
【0033】
本発明の第4観点に係る流路切換集合ユニットでは、第1冷媒配管に複数の弁を配設する場合にも、複数の第1冷媒配管及び第2冷媒配管をコンパクトに集約することが可能となる。
【0034】
本発明の第5観点に係る流路切換集合ユニットでは、流路切換集合ユニットのコンパクト性が向上するとともに利用ユニットの性能低下が抑制される。
【0035】
本発明の第6観点及び第7観点に係る流路切換集合ユニットでは、流路切換集合ユニットのコンパクト性及び組立性が向上する。
【0036】
本発明の第8観点に係る流路切換集合ユニットの製造方法では、コンパクト性に優れる流路切換集合ユニットを、簡単かつ効率的に製造することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る中間ユニット130を備える空調システム100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、以下の実施形態において、上、下、左、右、前(正面)及び後(背面)といった方向は、
図5から
図15及び
図17から
図23に示す方向を意味する。
【0039】
(1)空調システム100
図2は、空調システム100の全体構成図である。空調システム100は、ビルや工場等に設置されて対象空間の空気調和を実現する。空調システム100は、冷媒配管方式の空調システムであって、蒸気圧縮方式の冷凍サイクル運転を行うことにより、対象空間の冷房や暖房などを行う。
【0040】
空調システム100は、主として、熱源ユニットとしての1台の室外ユニット110と、利用ユニットとしての複数の室内ユニット120と、各室内ユニット120への冷媒の流れを切り換える中間ユニット130(特許請求の範囲記載の「流路切換集合ユニット」に相当)と、室外ユニット110と中間ユニット130とを接続する液連絡管11、吸入ガス連絡管12及び高低圧ガス連絡管13と、中間ユニット130と室内ユニット120とを接続する液管LP及びガス管GPと、を備えている。
【0041】
空調システム100では、冷媒回路内に封入された冷媒が、圧縮され、冷却又は凝縮され、減圧され、加熱又は蒸発された後に、再び圧縮される、という冷凍サイクル運転が行われるようになっている。なお、空調システム100は、室内ユニット120毎に冷房運転及び暖房運転を自由に選択可能ないわゆる冷暖フリータイプである。
【0042】
以下、空調システム100の詳細について説明する。
【0043】
(2)空調システム100の詳細
(2−1)室外ユニット110
図3は、室外ユニット110内の冷媒回路図である。室外ユニット110は、例えば建物の屋上やベランダ等の屋外や、地下に設置される。室外ユニット110内には、各種の機器が配設され、これらの機器が冷媒配管を介して接続されることで、熱源側冷媒回路RC1が構成されている。熱源側冷媒回路RC1は、液連絡管11、吸入ガス連絡管12及び高低圧ガス連絡管13を介して、中間ユニット130内のガス冷媒回路RC3(後述)及び液冷媒回路RC4(後述)と接続されている。
【0044】
熱源側冷媒回路RC1は、主として、ガス側第1閉鎖弁21と、ガス側第2閉鎖弁22と、液側閉鎖弁23と、アキュームレータ24と、圧縮機25と、第1流路切換弁26と、第2流路切換弁27と、第3流路切換弁28と、室外熱交換器30と、第1室外膨張弁34と、第2室外膨張弁35とが、複数の冷媒配管を介して接続されることで構成されている。また、室外ユニット110内には、室外ファン33や図示しない室外ユニット制御部等が配設されている。
【0045】
以下、室外ユニット110内に配設される機器について説明する。
【0046】
(2−1−1)ガス側第1閉鎖弁21、ガス側第2閉鎖弁22、液側閉鎖弁23
ガス側第1閉鎖弁21、ガス側第2閉鎖弁22及び液側閉鎖弁23は、冷媒の充填やポンプダウン等の際に開閉される手動の弁である。ガス側第1閉鎖弁21は、一端が吸入ガス連絡管12に接続され、他端がアキュームレータ24まで延びる冷媒配管に接続されている。ガス側第2閉鎖弁22は、一端が高低圧ガス連絡管13に接続され、他端が第2流路切換弁27まで延びる冷媒配管に接続されている。液側閉鎖弁23は、一端が液連絡管11に接続され、他端が第1室外膨張弁34又は第2室外膨張弁35まで延びる冷媒配管に接続されている。
【0047】
(2−1−2)アキュームレータ24
アキュームレータ24は、圧縮機25に吸入される低圧冷媒を一時的に貯留し気液分離するための容器である。アキュームレータ24の内部では、気液二相状態の冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離される。アキュームレータ24は、ガス側第1閉鎖弁21と圧縮機25との間に配置されている。アキュームレータ24の冷媒流入口には、ガス側第1閉鎖弁21から延びる冷媒配管が接続されている。アキュームレータ24の冷媒流出口には、圧縮機25まで延びる吸入配管251が接続されている。
【0048】
(2−1−3)圧縮機25
圧縮機25は、圧縮機用モータを内蔵する密閉式の構造を有しており、例えばスクロール方式やロータリ方式などの容積式の圧縮機である。なお、圧縮機25は、本実施形態において1台のみであるが、これに限定されず、2台以上の圧縮機25が並列に接続されていてもよい。圧縮機25の吸入口(図示省略)には、吸入配管251が接続されている。圧縮機25は、吸入口を介して吸入した低圧冷媒を圧縮した後、吐出口(図示省略)を介して吐出する。圧縮機25の吐出口には、吐出配管252が接続されている。
【0049】
(2−1−4)第1流路切換弁26、第2流路切換弁27、第3流路切換弁28
第1流路切換弁26、第2流路切換弁27及び第3流路切換弁28(以下、これらをまとめて流路切換弁SVと称する)は、四路切換弁であり、状況に応じて冷媒の流れを切り換えている(
図3の実線及び破線を参照)。流路切換弁SVの冷媒流入口には、吐出配管252又は吐出配管252から延びる分岐管が接続されている。また、流路切換弁SVは、運転時において、一の冷媒流路における冷媒の流れが遮断されるように構成されており、事実上、三方弁として機能している。
【0050】
(2−1−5)室外熱交換器30、室外ファン33
室外熱交換器30は、クロスフィン型式やマイクロチャネル型式の熱交換器である。室外熱交換器30は、第1熱交換部31と、第2熱交換部32とを含んでいる。第1熱交換部31は室外熱交換器30の上部に設けられており、第2熱交換部32は第1熱交換部31よりも下部に設けられている。
【0051】
第1熱交換部31は、第3流路切換弁28に接続される冷媒配管が一端に接続され、第1室外膨張弁34まで延びる冷媒配管が他端に接続されている。第2熱交換部32は、第1流路切換弁26に接続される冷媒配管が一端に接続され、第2室外膨張弁35まで延びる冷媒配管が他端に接続されている。第1熱交換部31及び第2熱交換部32を通過する冷媒は、室外ファン33が生成する空気流と熱交換する。
【0052】
室外ファン33は、例えばプロペラファンであり、室外ファン用モータ(図示省略)に連動して駆動する。室外ファン33が駆動すると、室外ユニット110内に流入し室外熱交換器30を通過して室外ユニット110外へ流出する空気流が生成される。
【0053】
(2−1−6)第1室外膨張弁34、第2室外膨張弁35
第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は、例えば開度調整が可能な電動弁である。第1室外膨張弁34は、第1熱交換部31から延びる冷媒配管が一端に接続され、液側閉鎖弁23まで延びる冷媒配管が他端に接続されている。第2室外膨張弁35は、第2熱交換部32から延びる冷媒配管が一端に接続され、液側閉鎖弁23まで延びる冷媒配管が他端に接続されている。第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は、状況に応じて開度が調整され、内部を通過する冷媒をその開度に応じて減圧している。
【0054】
(2−1−7)室外ユニット制御部
室外ユニット制御部は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。室外ユニット制御部は、通信線(図示省略)を介して、室内ユニット制御部(後述)及び中間ユニット制御部132(後述)と信号の送受信を行う。室外ユニット制御部は、受信した信号等に応じて、圧縮機25及び室外ファン33の発停や回転数を制御するとともに、各種の弁の開閉や開度調整を制御している。
【0055】
(2−2)室内ユニット120
図4は、室内ユニット120及び中間ユニット130内の冷媒回路図である。室内ユニット120は、天井裏等に設置されるいわゆる天井埋込み形若しくは天井吊下げ型、又は室内の内壁等に設置される壁掛け型である。本実施形態の空調システム100では、複数の室内ユニット120を備えており、具体的には16台の室内ユニット120aから120pが配設されている。
【0056】
各室内ユニット120内では、利用側冷媒回路RC2が構成されている。利用側冷媒回路RC2においては、室内膨張弁51と、室内熱交換器52とが配設されており、これらが冷媒配管によって接続されている。また、各室内ユニット120内には、室内ファン53及び室内ユニット制御部(図示省略)が配設されている。
【0057】
室内膨張弁51は、開度調整が可能な電動弁である。室内膨張弁51は、その一端が液管LPに接続され、他端が室内熱交換器52まで延びる冷媒配管に接続されている。室内膨張弁51は、その開度に応じて、通過する冷媒を減圧する。
【0058】
室内熱交換器52は、例えば、クロスフィン型式やマイクロチャネル型式の熱交換器であり、伝熱管(図示省略)を有している。室内熱交換器52は、一端に室内膨張弁51から延びる冷媒配管が接続され、他端にガス管GPが接続されている。室内熱交換器52
に流入した冷媒は、伝熱管を通過する際、室内ファン53が生成する空気流と熱交換する。
【0059】
室内ファン53は、例えばクロスフローファンやシロッコファンである。室内ファン53は、室内ファン用モータ(図示省略)に連動して駆動する。室内ファン53が駆動すると、室内空間から室内ユニット120内部に流入して室内熱交換器52を通過してから室内空間へ流出する空気流が生成される。
【0060】
室内ユニット制御部は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。室内ユニット制御部は、リモートコントローラ(図示省略)を介して、ユーザの指示を入力され、当該指示に応じて、室内ファン53や室内膨張弁51を駆動させる。また、室内ユニット制御部は、通信線(図示省略)を介して室外ユニット制御部及び中間ユニット制御部132(後述)と接続されており、相互に信号の送受信を行っている。
【0061】
(2−3)中間ユニット130
以下、中間ユニット130について説明する。なお、中間ユニット130の製造方法については、後述の「(5)中間ユニット130の製造方法」において説明する。
【0062】
図5は、中間ユニット130の斜視図である。
図6は、中間ユニット130の右側面図である。
図7は、中間ユニット130の上面図である。
図8は、中間ユニット130の正面図である。
図9は、中間ユニット130の背面図である。
図10は、BSユニット集合体60の斜視図である。
【0063】
中間ユニット130は、室外ユニット110と各室内ユニット120との間に配設され、室外ユニット110及び各室内ユニット120へ流入する冷媒の流れを切り換えている。中間ユニット130は、金属製のケーシング131を有している。
【0064】
ケーシング131は、略直方体状を呈しており、その底部においてドレンパンを着脱可能に配設されている(図示省略)。ケーシング131内には、主として、BSユニット集合体60と、中間ユニット制御部132と、が収容されている。
【0065】
(2−3−1)BSユニット集合体60
BSユニット集合体60は、
図10に示すように、複数の冷媒配管や電動弁等が組み合わさって構成されている。BSユニット集合体60は、概念的には、
図11に示すようなBSユニット70を複数集めて一体としたものである。本実施形態において、BSユニット集合体60は、複数のヘッダ(第1ヘッダ55、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58)と、室内ユニット120の数と同数のBSユニット70(具体的にはBSユニット70a〜70p)と、を含んでいる(
図4等参照)。
【0066】
(2−3−1−1)第1ヘッダ55、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57、第4ヘッダ58
第1ヘッダ55は、高低圧ガス連絡管13と接続されて連通している。第1ヘッダ55は、高低圧ガス連絡管13との接続部分の近傍において、通過する冷媒に含まれる異物を除去する第1ヘッダ用フィルタ55aを含んでいる。第1ヘッダ55は、後述する第1ユニット71の第7配管P7と略垂直に接続されている。
【0067】
第2ヘッダ56は、吸入ガス連絡管12と接続されて連通している。第2ヘッダ56は、吸入ガス連絡管12との接続部分の近傍において、通過する冷媒に含まれる異物を除去する第2ヘッダ用フィルタ56aを含んでいる。また、第2ヘッダ56は、後述する第1ユニット71の第5配管P5と略垂直に接続されている。また、第2ヘッダ56は、第4ヘッダ58の第2接続部581(後述)と接続される第1接続部561(特許請求の範囲記載の「第1部」に相当)を左右に有しており、当該第1接続部561を介して第4ヘッダ58と連通している。
【0068】
第3ヘッダ57は、液連絡管11と接続されて連通している。第3ヘッダ57は、後述する液連絡ユニット73の第1配管P1と略垂直に接続されている。
【0069】
第4ヘッダ58は、後述するバイパスユニット74の第8配管P8に略垂直に接続されている。また、第4ヘッダ58は、第2ヘッダ56の第1接続部561と接続される第2接続部581(特許請求の範囲記載の「第2部」に相当)を左右に有しており、当該第2接続部581を介して第4ヘッダ58と連通している。
【0070】
第1ヘッダ55、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58は、左右方向(水平方向)に沿って延びている。第1ヘッダ55、第2ヘッダ56及び第3ヘッダ57は、ケーシング131の左側面に形成された貫通孔を介して外部に露出している。また、各ヘッダの高さ関係については、上方から下方に向かって、第1ヘッダ55、第4ヘッダ58、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57の順に並んでいる(
図6参照)。また、各ヘッダの前後関係については、背面側から正面側に向かって、第4ヘッダ58、第1ヘッダ55、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57の順に並んでいる(
図6参照)。
【0071】
なお、第1ヘッダ55と、第2ヘッダ56と、第3ヘッダ57と、第4ヘッダ58とは、略平行に延びている。すなわち、各ヘッダは、隣にあるヘッダと平行に延びる直線との傾斜角度が10度未満となるような姿勢で配設されている。
【0072】
第2ヘッダ56の第1接続部561は、第2ヘッダ56から前後方向(すなわち第4ヘッダ58が延びる方向に交差する方向)に沿って延びた後、湾曲して左右方向(すなわち第4ヘッダ58が延びる方向に平行な方向)に延びて、第2接続部581と接続されている(
図6及び
図22を参照)。換言すると、第1接続部561は、第2接続部581との接続部分において第4ヘッダ58が延びる方向に対して略平行に延びている。
【0073】
また、第1接続部561は、第2ヘッダ56から上方へ緩やかに延びてから湾曲して下方へ延びている(
図6参照)。このように第1接続部561が第2ヘッダ56から一旦上方へと延びているのは、空調システム100の停止時等において、第2ヘッダ56に存在する冷媒や冷媒に相溶した冷凍機油が、第1接続部561へ流入することを抑制するトラップを形成するためである。
【0074】
第4ヘッダ58の第2接続部581は、第4ヘッダ58から上下方向(鉛直方向)に沿って延びた後、湾曲して左右方向(すなわち第4ヘッダ58が延びる方向に平行な方向)に延びて、第1接続部561と接続されている(
図6及び
図22を参照)。
【0075】
(2−3−1−2)BSユニット70
各BSユニット70は、室内ユニット120のいずれかに対応しており、例えば、BSユニット70aは室内ユニット120aに対応し、BSユニット70bは室内ユニット120bに対応し、BSユニット70pは室内ユニット120pに対応する。BSユニット70の詳細については、後述の「(3)BSユニット70の詳細」において説明する。
【0076】
(2−3−2)中間ユニット制御部132
中間ユニット制御部132は、CPUやメモリ等で構成されるマイクロコンピュータである。中間ユニット制御部132は、通信線を介して室内ユニット制御部又は室外ユニット制御部からの信号を受信し、当該信号に応じて、後述する第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び第3電動弁Ev3の開閉を制御している。
【0077】
(3)BSユニット70の詳細
以下、BSユニット70の詳細について説明する。
図11は、
図10のB部分に示されるBSユニット70の拡大図である。BSユニット70は、主として、
図12に示すような第1ユニット71と、
図13に示すような第2ユニット72と、によって構成される。
【0078】
(3−1)第1ユニット71
図12は、第1ユニット71の斜視図である。第1ユニット71は、BSユニット70内においてガス冷媒回路RC3を構成するユニットである。
【0079】
第1ユニット71は、第1ヘッダ55を介して高低圧ガス連絡管13と接続され、第2ヘッダ56を介して吸入ガス連絡管12と接続され、ガス管GPを介して利用側冷媒回路RC2と接続されている。つまり、第1ユニット71は、高低圧ガス連絡管13又は吸入ガス連絡管12と、利用側冷媒回路RC2と、の間において、主としてガス冷媒を連絡する冷媒配管ユニットである。観点を変えると、第1ユニット71を、吸入ガス連絡管12又は高低圧ガス連絡管13と、利用側冷媒回路RC2と、の間を接続する一つの冷媒配管として捉えることも可能である(すなわち、第1ユニット71は、特許請求の範囲記載の「第1冷媒配管」に相当する)。
【0080】
第1ユニット71は、主として、第1電動弁Ev1と、第2電動弁Ev2と、第1フィルタFl1と、冷媒配管としての第3配管P3、第4配管P4、第5配管P5、第6配管P6及び第7配管P7と、を含んでいる。
【0081】
(3−1−1)第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2
第1電動弁Ev1(特許請求の範囲記載の「第1切換弁」に相当)は、例えば開度調整が可能な電動弁であり、開度に応じて冷媒を通過させたり遮断したりすることで冷媒の流れを切り換える。
【0082】
第2電動弁Ev2(特許請求の範囲記載の「第2切換弁」に相当)は、例えば開度調整が可能な電動弁である。より詳細には、第2電動弁Ev2は、最小開度の時であっても冷媒が流れる微小流路(図示省略)がその内部において形成されており、開度が最小の時でも全閉とはならない。
【0083】
第1電動弁Ev1及び第2電動弁Ev2は、
図12に示すように、略円柱状の形状を呈しており、上下方向(鉛直方向)が長手方向となるような姿勢で配設されている(第1電動弁Ev1及び第2電動弁Ev2の駆動部については
図12では省略)。具体的には、第1電動弁Ev1は、一端が第4配管P4に接続され、他端が第5配管P5に接続されている。また、第2電動弁Ev2は、一端が第6配管P6に接続され、他端が第7配管P7に接続されている。
【0084】
(3−1−2)第1フィルタFl1
第1フィルタFl1(特許請求の範囲記載の「冷媒配管用フィルタ」に相当)は、通過する冷媒に含まれる異物を除去する役割を担っている。第1フィルタFl1は、
図12に示すように、略円柱状の形状を呈しており、前後方向(水平方向)が長手方向となるような姿勢で配設されている。具体的に、第1フィルタFl1は、一端が第3配管P3に接続され、他端が第4配管P4に接続されている。
【0085】
(3−1−3)第1ユニット71内の冷媒配管
第3配管P3は、一端がガス管GPに接続され、他端が第1フィルタFl1に接続されている。具体的に、第3配管P3は、他端(すなわち第1フィルタFl1との接続部分)から後方(水平方向)に延びている(
図11及び
図12参照)。なお、第3配管P3の一端は、ケーシング131の背面から外部に露出している(
図6及び
図7を参照)。
【0086】
第4配管P4は、一端が第1フィルタFl1に接続され、他端が第1電動弁Ev1に接続されている。具体的に、第4配管P4は、一端(第1フィルタFl1との接続部分)から前方(水平方向)に延びて他端が第1電動弁Ev1に接続されている(
図11及び
図12参照)。
【0087】
第5配管P5は、一端が第2ヘッダ56に接続され、他端が第1電動弁Ev1に接続されている。具体的に、第5配管P5は、一端(すなわち第2ヘッダ56との接続部分)から上方へ緩やかに延びてから湾曲して下方へ延びた後、湾曲して前方(水平方向)へ延び、それからさらに湾曲して上方(鉛直方向)へ延びて他端が第1電動弁Ev1に接続されている(
図6、
図11及び
図12参照)。このように第5配管P5が第2ヘッダ56との接続部分から一旦上方へと延びているのは、空調システム100の停止時等において、第2ヘッダ56に存在する冷媒や冷媒に相溶した冷凍機油が、第5配管P5へ流入することを抑制するトラップを形成するためである。なお、第5配管P5は、第2ヘッダ56に対して略垂直に接続されている。すなわち、第5配管P5の一端と、第2ヘッダ56に対する垂線との傾斜角度は、10度未満である。
【0088】
第6配管P6は、一端が第4配管P4に接続され、他端が第2電動弁Ev2に接続されている。具体的に、第6配管P6は、一端(すなわち第4配管P4との接続部分)から上方(鉛直方向)に延びて他端が第2電動弁Ev2に接続されている(
図11及び
図12参照)。
【0089】
第7配管P7は、一端が第2電動弁Ev2に接続され、他端が第1ヘッダ55に接続されている。具体的に、第7配管P7は、一端(すなわち第2電動弁Ev2との接続部分)から後方(水平方向)に延び、他端が第1ヘッダ55に接続されている(
図11及び
図12参照)。なお、第7配管P7は、第1ヘッダ55に対して略垂直に接続されている。すなわち、第7配管P7の他端と、第1ヘッダ55に対する垂線との傾斜角度は、10度未満である。
【0090】
(3−2)第2ユニット72
図13は、第2ユニット72の斜視図である。第2ユニット72は、さらに、液連絡ユニット73と、バイパスユニット74と、に分かれる。
【0091】
(3−2−1)液連絡ユニット73
液連絡ユニット73は、BSユニット70内において液冷媒回路RC4を構成するユニットである。
【0092】
液連絡ユニット73は、第3ヘッダ57を介して液連絡管11と接続され、液管LPを介して利用側冷媒回路RC2と接続されている。つまり、液連絡ユニット73は、液連絡管11と、利用側冷媒回路RC2と、の間において、主として液冷媒を連絡する冷媒配管ユニットである。観点を変えると、液連絡ユニット73を、液連絡管11と、利用側冷媒回路RC2と、の間を接続する一つの冷媒配管として捉えることも可能である(すなわち、液連絡ユニット73は、特許請求の範囲記載の「第2冷媒配管」に相当する)。
【0093】
液連絡ユニット73は、主として、過冷却熱交換部59と、冷媒配管としての第1配管P1及び第2配管P2と、を含んでいる。
【0094】
(3−2−1−1)過冷却熱交換部59
過冷却熱交換部59は、例えば二重管型熱交換器である。過冷却熱交換部59は、略筒状の形状を呈しており、その内部において第1流路591及び第2流路592を形成されている。より詳細には、過冷却熱交換部59は、第1流路591を流れる冷媒と、第2流路592を流れる冷媒と、が熱交換しうる構造を有している。具体的に、第1流路591は、一端が第1配管P1に接続され、他端が第2配管P2に接続されている。第2流路592は、一端が第8配管P8に接続され、他端が第9配管P9に接続されている。
【0095】
過冷却熱交換部59は、前後方向(水平方向)に沿って延びるような姿勢で配設されている。なお、BSユニット集合体60において、過冷却熱交換部59は、第3配管P3及び第4配管P4等と略平行に延びている。すなわち、過冷却熱交換部59は、隣に配設される第3配管P3又は第4配管P4等と平行に延びる直線に対する傾斜角度が10度未満となるような態様で配設されている。
【0096】
(3−2−1−2)液連絡ユニット73内の冷媒配管
第1配管P1は、一端が第3ヘッダ57に接続され、他端が過冷却熱交換部59の第1流路591に接続されている。具体的に、第1配管P1は、一端(すなわち第3ヘッダ57との接続部分)から上方(鉛直方向)に延びて、他端が過冷却熱交換部59に接続されている(
図11及び
図13参照)。なお、第1配管P1は、第3ヘッダ57に対して略垂直に接続されている。すなわち、第1配管P1の一端と、第3ヘッダ57に対する垂線との傾斜角度は、10度未満である。
【0097】
第2配管P2は、一端が過冷却熱交換部59の第1流路591に接続され、他端が液管LPに接続されている。具体的に、第2配管P2は、一端(すなわち過冷却熱交換部59との接続部分)から後方(水平方向)に延びた後、湾曲して上方(鉛直方向)に延び、それからさらに湾曲して後方(水平方向)に延びている(
図11及び
図13参照)。なお、第2配管P2の他端は、ケーシング131の背面から外部に露出している(
図5から
図7を参照)。
【0098】
(3−2−2)バイパスユニット74
バイパスユニット74は、第4ヘッダ58から液連絡ユニット73に冷媒をバイパスするユニットである。具体的に、バイパスユニット74は、一端が第4ヘッダ58に接続され、他端が液連絡ユニット73の第1配管P1に接続されている。
【0099】
より詳細には、バイパスユニット74は、第1ユニット71の第5配管P5を通過し第2ヘッダ56を介して第4ヘッダ58に流入したガス冷媒を、液連絡ユニット73の第1配管P1にバイパスする冷媒配管ユニットである。観点を変えると、バイパスユニット74を、第4ヘッダ58内の冷媒を、液連絡ユニット73にバイパスする一つのバイパス管として捉えることも可能である(すなわち、バイパスユニット74は、特許請求の範囲記載の「バイパス管」に相当する)。
【0100】
バイパスユニット74は、主として、第3電動弁Ev3(特許請求の範囲記載の「第3切換弁」に相当)と、第2フィルタFl2と、冷媒配管としての第8配管P8、第9配管P9、第10配管P10及び第11配管P11と、を含んでいる。
【0101】
(3−2−2−1)第3電動弁Ev3
第3電動弁Ev3は、例えば開度調整が可能な電動弁である。第3電動弁Ev3は、開度に応じて、冷媒の流量を調整することが可能であり、また、冷媒を通過させたり遮断したりすることで冷媒の流れを切り換えられる。第3電動弁Ev3は、
図13に示すように、略円柱状の形状を呈しており、上下方向(鉛直方向)が長手方向となるような姿勢で配設されている(第3電動弁Ev3の駆動部については
図13では省略)。具体的には、第3電動弁Ev3は、一端が第9配管P9に接続され、他端が第10配管P10に接続されている。
【0102】
(3−2−2−2)第2フィルタFl2
第2フィルタFl2は、通過する冷媒に含まれる異物を除去する役割を担っている。第2フィルタFl2は、
図13に示すように、円柱状の形状を呈しており、上下方向(鉛直方向)が長手方向となるような姿勢で配設されている。具体的に、第2フィルタFl2は、一端が第10配管P10に接続され、他端が第11配管P11に接続されている。
【0103】
(3−2−2−3)バイパスユニット74内の冷媒配管
第8配管P8は、一端が第4ヘッダ58に接続され、他端が過冷却熱交換部59の第2流路592に接続されている。具体的に、第8配管P8は、一端(すなわち第4ヘッダ58との接続部分)から上方(鉛直方向)に延びた後、湾曲して前方(水平方向)に延び、過冷却熱交換部59に接続されている(
図11及び
図13参照)。なお、第8配管P8は、第4ヘッダ58に対して略垂直に接続されている。すなわち、第8配管P8の一端と、第4ヘッダ58に対する垂線との傾斜角度は、10度未満である。
【0104】
第9配管P9は、一端が過冷却熱交換部59の第2流路592に接続され、他端が第3電動弁Ev3に接続されている。具体的に、第9配管P9は、一端(すなわち過冷却熱交換部59との接続部分)から上方(鉛直方向)に延びて、他端が第3電動弁Ev3に接続されている(
図11及び
図13参照)。
【0105】
第10配管P10は、一端が第3電動弁Ev3に接続され、他端が第2フィルタFl2に接続されている。具体的に、第10配管P10は、第3電動弁Ev3との接続部分から下方(鉛直方向)に延びて、他端が第2フィルタFl2に接続されている(
図11及び
図13参照)。
【0106】
第11配管P11は、一端が第2フィルタFl2に接続され、他端が第1配管P1に接続されている。具体的に、第11配管P11は、一端(すなわち第2フィルタFl2との接続部分)から下方(鉛直方向)に延びた後、湾曲して後方(水平方向)に延び、他端が第1配管P1に接続されている(
図11及び
図13参照)。
【0107】
(4)空調システム100運転中における冷媒の流れ
以下、空調システム100運転中における冷媒の流れについて、室内ユニット120a及び120bが運転中である場合を例にとって、状況別に説明する。
【0108】
なお、以下の説明においては、説明を簡略化するために、他の室内ユニット120(120c〜120p)は停止状態にあるものとする。このことから、室内ユニット120a及び120bを除く室内ユニット120の室内膨張弁51は全閉状態にあるものとし、BSユニット70a及び70bを除くBSユニット70(70c〜70p)内の第1電動弁Ev1及び第3電動弁Ev3は全閉状態にあるものとする。また、BSユニット70c〜70p内の第2電動弁Ev2は最小開度とされている。
【0109】
(4−1)室内ユニット120a及び120bの双方が冷房運転を行う時
係る状況下では、BSユニット70a及び70bにおいて、第1電動弁Ev1は全開とされ、第2電動弁Ev2は最小開度とされる。また、室内ユニット120a及び120bの各室内膨張弁51は適切な開度で開けられ、第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は全開とされる。
【0110】
当該状態で圧縮機25が駆動すると、圧縮機25により圧縮された高圧のガス冷媒は、吐出配管252、第1流路切換弁26及び第3流路切換弁28等を経て、室外熱交換器30に流入して凝縮する。室外熱交換器30において凝縮した冷媒は、液側閉鎖弁23等を通過して液連絡管11に流入する。液連絡管11に流入した冷媒は、やがて中間ユニット130の第3ヘッダ57に到達して、BSユニット70a又は70b(第2ユニット72a又は72b)の第1配管P1へ流入する。
【0111】
第1配管P1へ流入した冷媒は、第2配管P2や液管LP等を経て、室内ユニット120a又は120bに到達し、室内膨張弁51に流入して減圧される。減圧された冷媒は、各室内熱交換器52に流入して蒸発する。蒸発した冷媒は、ガス管GPを経て、BSユニット70a又は70b(第1ユニット71a又は71b)の第3配管P3に流入する。
【0112】
第3配管P3に流入した冷媒は、第4配管P4及び第5配管P5等を流れて第2ヘッダ56に到達する。第2ヘッダ56に到達した冷媒は、吸入ガス連絡管12を経て、室外ユニット110に流入し、圧縮機25へ吸入される。
【0113】
(4−2)室内ユニット120a及び120bの双方が暖房運転を行う時
係る状況下では、BSユニット70a及び70bにおいて、第1電動弁Ev1は全閉とされ、第2電動弁Ev2は全開とされる。また、室内ユニット120a及び120bの室内膨張弁51は全開とされ、第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は適切な開度で開けられる。
【0114】
当該状態で圧縮機25が駆動すると、圧縮機25により圧縮された高圧のガス冷媒は、吐出配管252及び第2流路切換弁27等を経て、高低圧ガス連絡管13に流入する。高低圧ガス連絡管13に流入した冷媒は、やがて中間ユニット130の第1ヘッダ55に到達する。第1ヘッダ55に到達した冷媒は、BSユニット70a又は70b(第1ユニット71a又は71b)の第7配管P7に流入し、第6配管P6、第4配管P4及び第3配管P3等を流れて、ガス管GPに流入する。
【0115】
ガス管GPに流入した冷媒は、室内ユニット120a又は120bに到達し、各室内熱交換器52に流入して凝縮する。凝縮した冷媒は、液管LPを経て、BSユニット70a又は70b(第2ユニット72a又は72b)の第2配管P2に流入する。
【0116】
第2配管P2に流入した冷媒は、第1配管P1等を経て、第3ヘッダ57に到達する。第3ヘッダ57に到達した冷媒は、液連絡管11を経て室外ユニット110に流入する。
【0117】
室外ユニット110に流入した冷媒は、第1室外膨張弁34又は第2室外膨張弁35において減圧される。減圧された冷媒は、室外熱交換器30に流入して、室外熱交換器30を通過する際に蒸発する。蒸発した冷媒は、第1流路切換弁26又は第3流路切換弁28等を経て、圧縮機25に吸入される。
【0118】
(4−3)室内ユニット120a及び120bのいずれか一方が冷房運転を行うとともに他方が暖房運転を行う時
係る状況下では、BSユニット70a及び70bのうち冷房運転を行っている室内ユニット120(以下、「一方の室内ユニット120」と記載)に対応するBSユニット70(以下、「一方のBSユニット70」と記載)においては、第1電動弁Ev1が全開とされるとともに第2電動弁Ev2が最小開度とされ、第3電動弁Ev3が適切な開度で開けられる。また、一方の室内ユニット120の室内膨張弁51が適切な開度で開けられる。これに対し、BSユニット70a及び70bのうち暖房運転を行っている室内ユニット120(以下、「他方の室内ユニット120」と記載)に対応するBSユニット70(以下、「他方のBSユニット70」と記載)においては、第1電動弁Ev1が全閉とされるともに、第2電動弁Ev2が全開とされる。また、他方の室内ユニット120の室内膨張弁51が全開とされる。また、第1室外膨張弁34及び第2室外膨張弁35は適切な開度で開けられる。
【0119】
当該状態で圧縮機25が駆動すると、圧縮機25により圧縮された高圧のガス冷媒は、吐出配管252及び第2流路切換弁27等を経て、高低圧ガス連絡管13に流入する。高低圧ガス連絡管13に流入した冷媒は、やがて中間ユニット130の第1ヘッダ55に到達する。第1ヘッダ55に到達した冷媒は、他方のBSユニット70内の第1ユニット71に流入し、第7配管P7、第6配管P6、第4配管P4及び第3配管P3等を流れて、ガス管GPに流入する。
【0120】
ガス管GPに流入した冷媒は、他方の室内ユニット120に到達し、室内熱交換器52に流入して凝縮する。凝縮した冷媒は、液管LPを経て、他方のBSユニット70内の液連絡ユニット73の第2配管P2に流入する。第2配管P2に流入した冷媒は、第1配管P1等を経て、第3ヘッダ57に到達する。
【0121】
第3ヘッダ57に到達した冷媒は、一方のBSユニット70内の液連絡ユニット73に到達して、第1配管P1に流入する。第1配管P1に流入した冷媒は、過冷却熱交換部59の第1流路591を通過し、第2配管P2及び液管LPを経て、一方の室内ユニット120に到達する。
【0122】
一方の室内ユニット120に到達した冷媒は、室内膨張弁51に流入して減圧される。減圧された冷媒は、室内熱交換器52に流入して蒸発する。蒸発した冷媒は、ガス管GPを経て、一方のBSユニット70の第1ユニット71に到達して、第3配管P3に流入する。第3配管P3に流入した冷媒は、第4配管P4及び第5配管P5等を流れて第2ヘッダ56に到達する。
【0123】
第2ヘッダ56に到達した冷媒の一部は、吸入ガス連絡管12を経て、室外ユニット110に流入し、圧縮機25へ吸入される。一方、第2ヘッダ56に到達した冷媒のその他は、第1接続部561及び第2接続部581を介して第4ヘッダ58に流入する。すなわち、第1接続部561及び第2接続部581は、第2ヘッダ56と第4ヘッダ58とを接続して、第2ヘッダ56内の冷媒を第4ヘッダ58に送る「接続配管」に相当する。
【0124】
第4ヘッダ58に流入した冷媒は、一方のBSユニット70内のバイパスユニット74に到達して第8配管P8に流入する。第8配管P8に流入した冷媒は、過冷却熱交換部59の第2流路592に流入する。第2流路592に流入した冷媒は、第2流路592を通過する際、第1流路591を通過する冷媒と熱交換を行い、第1流路591を通過する冷媒を冷却する。これにより、第1流路591を流れる冷媒は、過冷却がついた状態となる。
【0125】
第2流路592を通過した冷媒は、第9配管P9、第10配管P10及び第11配管P11等を経て、第1配管P1内を流れる冷媒に合流する。
【0126】
(5)中間ユニット130の製造方法
以下、中間ユニット130の製造方法について説明する。
【0127】
中間ユニット130は、主として、別々に作られたケーシング131と、中間ユニット制御部132と、BSユニット集合体60と、が生産ラインにおいて組み合わされることで製造される。具体的には、板金加工等により製造したケーシング131の底面上に、BSユニット集合体60を設置して、ネジ等で適宜固定する。その後、中間ユニット制御部132を収容し、第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び第3電動弁Ev3と配線接続等を行う。最後に、ドレンパン等を配設したうえでケーシング131の天面や前面部分をネジ等で固定する。
【0128】
ここからBSユニット集合体60の組立方法について詳述する。
図14は、第1アセンブリ80の斜視図である。
図15は、第2アセンブリ90の斜視図である。
図16は、BSユニット集合体60の分解図である。
図17から
図21は、BSユニット集合体60を組み上げる手順を表した模式図である。
図22は、第1アセンブリ80と第2アセンブリ90の合体後の底面図である。
図23は、
図7のA部分に示される第1ユニット71及び第2ユニット72の拡大図である。
【0129】
BSユニット集合体60は、主として、第1工程、第2工程及び第3工程からなる3つの工程で組み上げられる。
【0130】
(5−1)第1工程
第1工程は、第2ヘッダ56に複数の第1ユニット71が接続された第1アセンブリ80を作る工程である。
【0131】
第1工程においては、まず、各冷媒配管と、第1電動弁Ev1及び第2電動弁Ev2と、第1フィルタFl1と、をろう付けや溶接又はフレア接続等(以下、ろう付け等と記載)により接合して第1ユニット71を複数製造する。
【0132】
次に、製造された複数の第1ユニット71を、ろう付け等により第2ヘッダ56に接合して、第1アセンブリ80を製造する。なお、本実施形態において第1アセンブリ80は、16組の第1ユニット71(71a〜71p)を含んでいる(
図14参照)。
【0133】
具体的に、第1ユニット71は、
図14に示すような態様で第2ヘッダ56に接合される。すなわち、後方から正面に向かって、第3配管P3、第1フィルタFl1、第7配管P7、第5配管P5、第4配管P4、第2電動弁Ev2、第6配管P6、第1電動弁Ev1の順に並ぶように、第1ユニット71は第2ヘッダ56に接合される。また、上方から下方に向かって、第2電動弁Ev2、第7配管P7、第6配管P6、第1電動弁Ev1、第3配管P3、第1フィルタFl1、第4配管P4、第5配管P5、の順に並ぶように第1ユニット71は第2ヘッダ56に接合される。
【0134】
このような第1アセンブリ80において、各第1ユニット71(71a〜71p)は、
図14に示すように、間隔をおいて左右方向(水平方向)に整然と並んでいる。各第1ユニット71間においては、所定のクリアランスとして第1距離d1(特許請求の範囲記載の「所定の間隔」に相当)が確保されている(
図23を参照)。
【0135】
また、各第1ユニット71は、
図7や
図23に示すように、平面視において前後方向に略平行に延びている。すなわち、各第1ユニット71は、平面視において、隣の第1ユニット71と平行に延びる直線に対する傾斜角度が10度未満である。
【0136】
(5−2)第2工程
第2工程は、第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58に複数の第2ユニット72(すなわち複数の液連絡ユニット73及びバイパスユニット74)が接続された第2アセンブリ90を作る工程である。
【0137】
第2工程においては、まず、各冷媒配管と、過冷却熱交換部59と、第3電動弁Ev3と、第2フィルタFl2と、をろう付け等により接合して第2ユニット72を複数製造する。
【0138】
次に、製造された複数の第2ユニット72(すなわち液連絡ユニット73及びバイパスユニット74)を、ろう付け等により、第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58に接合して、第2アセンブリ90を製造する。なお、本実施形態において第2アセンブリ90は、16組の第2ユニット72(72a〜72p)を含んでいる(
図15参照)。
【0139】
具体的に、第2ユニット72は、
図15に示すような態様で第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58に接合される。すなわち、後方から正面に向かって、第2配管P2、第8配管P8、過冷却熱交換部59、第9配管P9及び第1配管P1、第11配管P11、第2フィルタFl2及び第3電動弁Ev3、第10配管P10の順に並ぶように、第2ユニット72は第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58に接合される。また、上方から下方に向かって、第2配管P2、第3電動弁Ev3、第9配管P9、第10配管P10、第2フィルタFl2、過冷却熱交換部59、第8配管P8、第1配管P1、第11配管P11の順に並ぶように第2ユニット72は第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58に接合される。
【0140】
このような第2アセンブリ90において、第2ユニット72(72a〜72p)は、
図15に示すように、間隔をおいて左右方向(水平方向)に整然と並んでいる。各第2ユニット72間においては、所定のクリアランスとして第1距離d1(特許請求の範囲記載の「所定の間隔」に相当)が確保されている(
図23を参照)。
【0141】
なお、各第1距離d1は略一定であり、ここでいう略一定には、各第1距離d1が正確に同一である場合のみならず各第1距離d1間に若干の誤差がある場合も含まれる。例えば、各第1距離d1間の誤差の値が、第1距離d1に対して3分の1の範囲内であれば、各第1距離d1は略一定と解釈する。
【0142】
また、各第2ユニット72は、
図7や
図23に示すように、平面視において前後方向に略平行に延びている。すなわち、各第2ユニット72は、平面視において、隣の第2ユニット72と平行に延びる直線に対する傾斜角度が10度未満である。
【0143】
(5−3)第3工程
第3工程は、第1工程で製造した第1アセンブリ80と、第2工程で製造した第2アセンブリ90と、組み合わせて合体することでBSユニット集合体60を製造する工程である。
【0144】
第3工程において、第1アセンブリ80及び第2アセンブリ90は、概念的には、
図16に示すような態様で固定される。すなわち、第1アセンブリ80に第2アセンブリ90を組み込んで第1接続部561と第2接続部581とを接合することで、BSユニット集合体60が組み上げられる。具体的には、第2アセンブリ90は、
図17から
図21に示すような方法で第1アセンブリ80に組み込まれる。
【0145】
まず、第1アセンブリ80を治具等で固定する。そして、
図17に示すように、第3ヘッダ57が最上になるように第2アセンブリ90を背面側に起こした状態とする。
【0146】
次に、
図18に示すように、第2アセンブリ90を起こした状態のまま、第1アセンブリ80に近づける。
【0147】
それから、
図19及び
図20に示すように、第3ヘッダ57が最下になるまで第2アセンブリ90を正面側に倒していく。この時、第2アセンブリ90の一番右側にある第2ユニット72aと、その左隣の第2ユニット72bとの間に、第1アセンブリ80の一番右側にある第1ユニット71aが介在するように、第2アセンブリ90を倒していく。
【0148】
係る態様で倒していくと、やがて
図21に示すように第3ヘッダ57が第2ヘッダ56よりも下方に位置する。そして、この状態において、第1接続部561と第2接続部581とを接合する。
【0149】
最後に、第3ヘッダ57と第2ヘッダ56とを固定具601で固定してから、第1ヘッダ55を各第1ユニット71の第7配管P7に接合する。
【0150】
このように組み上げられたBSユニット集合体60においては、隣の第1ユニット71と第1距離d1をあけて略平行に延びる第1ユニット71と、隣の第2ユニット72と第1距離d1をあけて略平行に延びる第2ユニット72とが、クリアランスを確保しながら整然と水平方向に交互に並んでいる(
図10及び
図23等参照)。
【0151】
より詳細には、係る状態において、第1ユニット71及び第2ユニット72間のクリアランスである第2距離d2は、第1フィルタFl1の幅w2よりも小さくなっている。なお、各第2距離d2は略一定であり、ここでいう略一定には、各第2距離d2が正確に同一である場合のみならず各第2距離d2間に若干の誤差ある場合も含まれる。例えば、各第2距離d2間の誤差の値が、第2距離d2に対して3分の1の範囲内であれば、各第2距離d2は略一定と解釈する。
【0152】
また、第2ユニット72(液連絡ユニット73)に含まれる過冷却熱交換部59は、前後方向に延びている。換言すると、過冷却熱交換部59は、同じく前後方向に沿って延びる第1ユニット71と略平行に延びている。すなわち、過冷却熱交換部59は、平面視において、隣の第1ユニット71と平行に延びる直線に対する傾斜角度が10度未満である。
【0153】
また、第1電動弁Ev1及び第2電動弁Ev2は、
図23において、第1ユニット71が延びる前後方向に直線的に並んでいる。より詳細には、第1電動弁Ev1及び第2電動弁Ev2は、第1電動弁Ev1が正面側に位置し、第2電動弁Ev2が背面側に位置し、平面視においてそれぞれが第1ユニット71と重畳している。すなわち、第1電動弁Ev1及び第2電動弁Ev2は、平面視において第1ユニット71が延びる直線上に配設されている。
【0154】
また、
図22や
図23等に示すように、第1ユニット71は第1ヘッダ55及び第2ヘッダ56と略垂直に接続されており、第2ユニット72は第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58と略垂直に接続されている。すなわち、第1ヘッダ55に接続される第1ユニット71の第7配管P7と、第1ヘッダ55に対する垂線と、の傾斜角度は10度未満である。また、第2ヘッダ56に接続される第1ユニット71の第5配管P5と、第2ヘッダ56に対する垂線と、の傾斜角度は10度未満である。また、第3ヘッダ57に接続される第2ユニット72(液連絡ユニット73)の第1配管P1と、第3ヘッダ57に対する垂線と、の傾斜角度は10度未満である。また、第4ヘッダ58に接続される第2ユニット72(バイパスユニット74)の第8配管P8と、第4ヘッダ58に対する垂線と、の傾斜角度は10度未満である。
【0155】
また、
図22に示すように、第1ヘッダ55、第2ヘッダ56、第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58は、略平行に左右方向に延びている。すなわち、各ヘッダは、他のヘッダと平行に延びる直線に対する傾斜角度が10度未満である。
【0156】
また、
図22において、第1接続部561は、前後方向に延びている。すなわち、第1接続部561は、第4ヘッダ58が延びる方向(左右方向)に対して交差する方向に延びている。また、第2接続部581は、左右方向に延びている。すなわち、第2接続部581は、第4ヘッダ58が延びる方向(左右方向)に対して略平行に延びている。
【0157】
(6)特徴
(6−1)
上記実施形態では、中間ユニット130のBSユニット集合体60は、高低圧ガス連絡管13及び吸入ガス連絡管12に接続される複数の第1ユニット71と、一端が液連絡管11に接続されるとともに他端が液管LPに接続される液連絡ユニット73を含む第2ユニット72と、を備える。また、中間ユニット130のBSユニット集合体60は、第1ユニット71が隣の第1ユニット71と第1距離d1をおいて略平行に延び、第2ユニット72(液連絡ユニット73)が隣の第2ユニット72(液連絡ユニット73)と第1距離d1をおいて略平行に延び、第1ユニット71と第2ユニット72(液連絡ユニット73)とが交互に配設されている。これにより、複数の第1ユニット71及び第2ユニット72(液連絡ユニット73)が、所定のクリアランスを確保しながら整然と並んでいる。その結果、複数の第1ユニット71及び第2ユニット72(液連絡ユニット73)がコンパクトに集約されて、中間ユニット130がコンパクトに構成されている。
【0158】
(6−2)
上記実施形態では、第1ユニット71と、第2ユニット72(液連絡ユニット73)とが、水平方向に交互に並ぶように配設されている。これにより、BSユニット集合体60は、左右方向(水平方向)に長い構造体となっており、上下方向(鉛直方向)の長さが第1ユニット71及び第2ユニット72の数に応じて増加することが抑制されている。その結果、中間ユニット130は鉛直方向の長さがコンパクトに構成されており、天井裏等、鉛直方向の長さが小さい狭小空間においても設置されやすいようになっている。
【0159】
(6−3)
上記実施形態では、第1ユニット71は不純物を除去するための第1フィルタFl1を有しており、第1ユニット71と第2ユニット72(液連絡ユニット73)との間隔である第2距離d2は第1フィルタFl1の幅w2よりも小さくなっている。その結果、複数の第1ユニット71及び第2ユニット72(液連絡ユニット73)がコンパクトに集約されている。
【0160】
(6−4)
上記実施形態では、第1ユニット71に配設される第1電動弁Ev1及び第2電動弁Ev2は、平面視において第1ユニット71が延びる直線上に配設されている。これにより、各電動弁が平面視において第1ユニット71が延びる直線上から外れる場合よりも第1距離d1を小さくできており、その結果、第2距離d2を小さくでき、複数の第1ユニット71及び第2ユニット72(液連絡ユニット73)がコンパクトに集約されている。
【0161】
(6−5)
上記実施形態では、第2ユニット72(液連絡ユニット73)に配設される過冷却熱交換部59は、液連絡ユニット73内を通過する冷媒と、第3電動弁Ev3を有するバイパスユニット74を通過する冷媒と、が熱交換を行う構造を有し、第1ユニット71と略平行に延びている。このように第2ユニット72(液連絡ユニット73)に過冷却熱交換部59を設けることにより、例えば室内ユニット120aが暖房運転を行い室内ユニット120bが冷房運転を行っているような状況において、室内ユニット120aで凝縮又は放熱した冷媒を
BSユニット70において過冷却することが可能となり、室内ユニット120bの冷房能力の低下が抑制されている。また、過冷却熱交換部59が第1ユニット71と略平行に延びていることにより、複数の第1ユニット71及び第2ユニット72(液連絡ユニット73)がコンパクトに集約されている。
【0162】
(6−6)
上記実施形態では、第1ユニット71は第1ヘッダ55を介して高低圧ガス連絡管13と接続されるとともに第2ヘッダ56を介して吸入ガス連絡管12と接続されている。また、第2ユニット72(液連絡ユニット73)は第3ヘッダ57を介して液連絡管11と接続されている。また、第1ユニット71は第1ヘッダ55及び第2ヘッダ56と略垂直に接続されており、第2ユニット72(液連絡ユニット73)は第3ヘッダ57と略垂直に接続されている。このように第1ユニット71又は第2ユニット72(液連絡ユニット73)がヘッダを介して高低圧ガス連絡管13、吸入ガス連絡管12又は液連絡管11と接続されるように構成されていることにより、第1ユニット71及び第2ユニット72(液連絡ユニット73)を高低圧ガス連絡管13、吸入ガス連絡管12又は液連絡管11に簡易に接続できるようになっている。また、第1ユニット71及び第2ユニット72(液連絡ユニット73)がヘッダと略垂直に接続されていることで、複数の第1ユニット71及び第2ユニット72(液連絡ユニット73)が整然と並びコンパクトに集約されている。
【0163】
(6−7)
上記実施形態では、第4ヘッダ58を備えており、第2ヘッダ56内の冷媒を液連絡ユニット73にバイパスする際、配管の接続態様が煩雑となることが抑制されている。また、第4ヘッダ58は第1ヘッダ55、第2ヘッダ56及び第3ヘッダ57と略平行に延び、第1接続部561及び第2接続部581は第4ヘッダ58が延びる方向に対して略平行な方向に延びて互いに接続され、バイパスユニット74の第8配管P8は第4ヘッダ58に略垂直に接続されている。これにより、複数の第1ユニット71及び第2ユニット72(液連絡ユニット73)が整然と並びコンパクトに集約されている。
【0164】
(6−8)
上記実施形態では、中間ユニット130は、BSユニット集合体60の製造過程において、第2ヘッダ56と複数の第1ユニット71とが接続された第1アセンブリ80を作る第1工程と、第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58と複数の第2ユニット72(液連絡ユニット73)とが接続された第2アセンブリ90を作る第2工程と、第1アセンブリ80と第2アセンブリ90とを組み合わせてBSユニット集合体60を作る第3工程と、を含んでいる。これにより、コンパクト性に優れる中間ユニット130を少ない工程で簡単かつ効率的に製造することが可能となっている。
【0165】
(7)変形例
(7−1)変形例A
上記実施形態では、空調システム100は、室外ユニット110を1つ備えるものであったが、これに限定されず、室外ユニット110は複数あってもよい。また、空調システム100は、室内ユニット120を16台有していたが、これに限定されず、室内ユニット120は何台あってもよい。
【0166】
(7−2)変形例B
上記実施形態では、中間ユニット130(BSユニット集合体60)は、16組のBSユニット70を有していたが、これに限定されず、BSユニット70をいくつ有していてもよい。例えば、中間ユニット130(BSユニット集合体60)に配設されるBSユニット70の数は4組、6組若しくは8組であってもよく、又は24組であってもよい。
【0167】
(7−3)変形例C
上記実施形態では、中間ユニット130(BSユニット集合体60)において、第1ユニット71と第2ユニット72(液連絡ユニット73)とが水平方向に交互に並んでいたが、これに限定されず、例えば、第1ユニット71と第2ユニット72(液連絡ユニット73)とは鉛直方向に交互に並ぶように配設されてもよい。
【0168】
(7−4)変形例D
上記実施形態では、第2ユニット72は、液連絡ユニット73とバイパスユニット74とを含んでいたが、例えば、バイパスユニット74を省略して、第2ユニット72を液連絡ユニット73のみで構成してもよい。係る場合には、液連絡ユニット73において、過冷却熱交換部59が省略され、第2配管P2と
第1配管P1とが接続される。
【0169】
(7−5)変形例E
上記実施形態では、バイパスユニット74の第8配管P8は、第4ヘッダ58に接続されていたが、これに限定されず、第8配管P8を第2ヘッダ56に接続してもよい。係る場合、第4ヘッダ58については省略され、バイパスユニット74は、第2ヘッダ56内の冷媒を直接液連絡ユニット73にバイパスする。
【0170】
(7−6)変形例F
上記実施形態では、第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2及び第3電動弁Ev3として、電動弁が採用された。しかし、第1電動弁Ev1、第2電動弁Ev2又は第3電動弁Ev3は、必ずしも電動弁である必要はなく、例えば電磁弁であってもよい。
【0171】
(7−7)変形例G
上記実施形態では、第2電動弁Ev2は、その内部において微小流路が形成されて最小開度の時にも全閉とはならないタイプのものが採用された。しかし、これに限定されず、第2電動弁Ev2は、内部に微小流路を形成されていないタイプのものを採用し、キャピラリーチューブ等のバイパス管を第2電動弁Ev2に接続してもよい。
【0172】
(7−8)変形例H
上記実施形態では、第1工程において、複数の第1ユニット71を第2ヘッダ56に接合して第1アセンブリ80を製造していたが、これに限定されず、複数の第1ユニット71を第1ヘッダ55に接合して第1アセンブリ80を製造してもよい。係る場合、第2ヘッダ56については、第3工程において接合される。
【0173】
また、第2工程において、複数の第2ユニット72(液連絡ユニット73)を第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58に接合して第2アセンブリ90を製造していたが、これに限定されず、複数の第2ユニット72(液連絡ユニット73)を第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58のうち一方に接合して第2アセンブリ90を製造してもよい。係る場合、第3ヘッダ57及び第4ヘッダ58のうち他方については、第3工程において接合される。
【0174】
また、第3工程において、固定した第1アセンブリ80に第2アセンブリ90を組み合わせていたが、これに限定されず、固定した第2アセンブリ90に第1アセンブリ80を組み合わせてBSユニット集合体60を製造してもよい。