特許第5812087号(P5812087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5812087
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月11日
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/18 20060101AFI20151022BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20151022BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20151022BHJP
【FI】
   H01M2/18 Z
   H01M2/34 B
   H01M2/34 A
   H01M10/04 Z
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-269568(P2013-269568)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-125904(P2015-125904A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2014年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
(72)【発明者】
【氏名】奥田 元章
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−155001(JP,A)
【文献】 特開平08−064199(JP,A)
【文献】 特開2013−191355(JP,A)
【文献】 特開2013−242995(JP,A)
【文献】 特開2012−028008(JP,A)
【文献】 特開2011−198663(JP,A)
【文献】 特開2012−099252(JP,A)
【文献】 特開2013−251119(JP,A)
【文献】 特開2012−151099(JP,A)
【文献】 特開2013−161632(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/027296(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/14
H01M 2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極電極、負極電極、及び前記正極電極と前記負極電極とを互いに絶縁するセパレータが積層された電極組立体と、
前記電極組立体が収容されたケースと、
前記ケースから突出した状態で設けられた電極端子と、
前記電極端子と前記電極組立体の双方に電気的に接続された導電部材と、
前記ケースと前記電極端子との間を絶縁する端子絶縁部材と、
前記ケースと前記電極組立体との間を絶縁する絶縁フィルムと、を備え、
前記端子絶縁部材は、板状の接続部と当該接続部の側部から垂下する壁部と当該壁部から前記接続部に対して平行に延びて当該接続部に対向する板状の板部とを有し、
前記接続部は前記電極端子が挿通される切欠部を有し、
前記電極端子は、前記端子絶縁部材における前記接続部と前記板部との間に配置されるとともに前記導電部材に接続される端子台を有し、
前記端子台は、前記電極組立体の積層方向において前記端子絶縁部材で覆われていない部分を有し、
前記絶縁フィルムは、前記端子台において前記端子絶縁部材で覆われていない前記部分であってかつ前記ケースに面する部分と前記ケースとの間に介在されている蓄電装置。
【請求項2】
前記電極端子は、電流遮断機構を有する請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記蓄電装置は、二次電池である請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁フィルムで覆った電極組立体をケースに収容した蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、原動機となる電動機への供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が搭載されている。この種の二次電池は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
図5に示すように、特許文献1の二次電池(単位電池50)は、電極群を収納するケース51と、ケース51を密閉するキャッププレート52と、を備えている。キャッププレート52には、端子53が突出するように設置されている。端子53の下部には、キャッププレート52の内面に端子53を支持するフランジ部54が形成されている。端子53は、ケース51に収納されている電極群に電気的に接続されている。また、キャッププレート52及び端子53の間には、キャッププレート52及び端子53を絶縁させるガスケット55が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−219027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二次電池は、端子を通じて電極群と電気を授受する。しかしながら、何らかの要因により耐電圧を越える高い電圧が印加されると、導体間(例えばケース51と端子53)に放電現象が起こり導通し、絶縁破壊を起こす可能性がある。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、絶縁破壊を防止し得る蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する蓄電装置は、正極電極、負極電極、及び前記正極電極と前記負極電極とを互いに絶縁するセパレータが積層された電極組立体と、前記電極組立体が収容されたケースと、前記ケースから突出した状態で設けられた電極端子と、前記電極端子と前記電極組立体の双方に電気的に接続された導電部材と、前記ケースと前記電極端子との間を絶縁する端子絶縁部材と、前記ケースと前記電極組立体との間を絶縁する絶縁フィルムと、を備え、前記端子絶縁部材は、板状の接続部と当該接続部の側部から垂下する壁部と当該壁部から前記接続部に対して平行に延びて当該接続部に対向する板状の板部とを有し、前記接続部は前記電極端子が挿通される切欠部を有し、前記電極端子は、前記端子絶縁部材における前記接続部と前記板部との間に配置されるとともに前記導電部材に接続される端子台を有し、前記端子台は、前記電極組立体の積層方向において前記端子絶縁部材で覆われていない部分を有し、前記絶縁フィルムは、前記端子台において前記端子絶縁部材で覆われていない前記部分であってかつ前記ケースに面する部分と前記ケースとの間に介在されている。
【0008】
この構成によれば、電極端子における端子台の端子絶縁部材で覆われていない部分であってかつケースに面する部分とケースとの間には電極組立体を覆う絶縁フィルムが介在されている。これにより、絶縁フィルムが、耐電圧を超える高い電圧が印加された場合に前記部分とケースとの間の導通経路を阻害する要因となる。したがって、絶縁破壊を防止し得る。
【0009】
上記蓄電装置において、前記電極端子は電流遮断機構を有する。
この構成によれば、二次電池が電流遮断機構を有する場合であっても、電流遮断機構において端子絶縁部材で覆われていない部分とケースとの間にも絶縁フィルムが介在される。したがって、絶縁破壊を防止し得る。
【0010】
上記蓄電装置において、前記蓄電装置の好適な例としては、二次電池を挙げることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、絶縁破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】二次電池の分解斜視図。
図2】正極電極、負極電極及びセパレータを示す斜視図。
図3】絶縁フィルムで覆った電極組立体を示す斜視図。
図4】端子周辺を示す断面図。
図5】背景技術の蓄電装置における端子周辺を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、蓄電装置を具体化した一実施形態を図1図4にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、ケース11と、そのケース11に収容される電極組立体12と、を備えている。ケース11には、電極組立体12とともに電解液も収容されている。ケース11は、有底四角筒状のケース本体13と、ケース本体13に電極組立体12を挿入するための開口部14を塞ぐ矩形平板状の蓋体15と、を有する。ケース本体13と蓋体15は、何れも金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)である。本実施形態の二次電池10は、その外観が角型である角型電池である。また、本実施形態の二次電池10は、リチウムイオン電池である。
【0014】
図2に示すように、電極組立体12は、正極電極16、負極電極17、及び正極電極16と負極電極17とを互いに絶縁するセパレータ18を有する。電極組立体12は、複数の正極電極16と複数の負極電極17とを交互に積層するとともに、両電極の間にセパレータ18を介在した積層構造である。本実施形態の電極組立体12は、正極電極16と、負極電極17と、セパレータ18とを積層することにより、図1に示すように、直方体状に構成されている。直方体状の電極組立体12は、ケース11に収容した場合に蓋体15の内面(電極組立体12側の面)に面する上面12aと、上面12aと対向しかつケース本体13の底壁の内面に面する下面12bと、上面12a及び下面12bに連設される側面12c,12d,12e,12fと、を有する。側面12c,12dは、電極組立体12をケース11に収容した場合に電極組立体12の積層方向Tで対向するケース本体13の側壁の内面に面する。側面12e,12fは、電極組立体12をケース11に収容した場合に電極組立体12の積層方向Tに直交する方向で対向するケース本体13の側壁の内面に面する。
【0015】
図2に示すように、正極電極16は、正極金属箔(本実施形態ではアルミニウム箔)19と、その両面に正極活物質層20を有する。正極電極16の一端としての縁部16aには、正極金属箔19からなる正極集電タブ21が突出するように設けられている。正極集電タブ21は、正極活物質が塗布されていない正極未塗工部を構成する。正極集電タブ21は、電極組立体12を構成する各正極電極16において同じ形状であり、同じ位置にある。
【0016】
図2に示すように、負極電極17は、負極金属箔(本実施形態では銅箔)22と、その両面に負極活物質層23を有する。負極電極17の一端としての縁部17aには、負極金属箔22からなる負極集電タブ24が突出するように設けられている。負極集電タブ24は、負極活物質が塗布されていない負極未塗工部を構成する。負極集電タブ24は、電極組立体12を構成する各負極電極17において同じ形状であり、同じ位置にある。また、負極集電タブ24は、正極電極16と負極電極17を積層する場合に正極集電タブ21とは積層方向Tにおいて重ならない位置にある。
【0017】
電極組立体12を構成する各正極電極16は、それぞれの正極集電タブ21が積層方向Tに沿って列状に配置されるように積層される。同様に、電極組立体12を構成する各負極電極17は、それぞれの負極集電タブ24が、正極集電タブ21と重ならないように積層方向Tに沿って列状に配置されるように積層される。各正極集電タブ21は、図1に示すように、電極組立体12における積層方向Tの一端から他端までの範囲に集められて正極集電タブ群25を構成している。また、各負極集電タブ24も同様に、図1に示すように、電極組立体12における積層方向Tの一端から他端までの範囲に集められて負極集電タブ群26を構成している。
【0018】
正極集電タブ群25には、矩形板状の正極導電部材27が接合されている。正極導電部材27には、電極組立体12と電気を授受する正極端子29が接合されている。これにより、正極導電部材27は、正極端子29と正極集電タブ群25とを電気的に接続する。一方、負極集電タブ群26には、矩形板状の負極導電部材28が接合されている。負極導電部材28には、電極組立体12と電気を授受する負極端子30が接合されている。これにより、負極導電部材28は、負極端子30と負極未塗工部をなす負極集電タブ群26とを電気的に接続する。
【0019】
正極端子29は、一部がケース11外に露出する正極端子部31と、正極端子部31の雄ねじ部31aが螺合される雌ねじ部32aを有する正極端子台32と、電流遮断機構33と、を含む。電流遮断機構33は、二次電池10の内圧で変形する金属板を有する。電流遮断機構33の金属板は、正極端子台32と正極導電部材27のそれぞれに接合されている。これにより、電流遮断機構33は、二次電池10の内圧が設定圧力よりも高くなると、金属板の変形によって正極導電部材27から分離することにより、電流を遮断する。また、負極端子30は、一部がケース11外に露出する負極端子部34と、負極端子部34の雄ねじ部34aが螺合される雌ねじ部35aを有する負極端子台35と、を含む。
【0020】
正極端子29は、蓋体15に所定の間隔をあけて並設された一対の貫通孔36に絶縁リング37を介在させた状態で雄ねじ部31aを挿通させるとともに、雌ねじ部32aに螺合させることによって正極端子部31と正極端子台32が一体化されている。正極端子29は、正極導電部材27を介して電極組立体12と電気的に接続されている。同様に、負極端子30は、貫通孔36に絶縁リング37を介在させた状態で雄ねじ部34aを挿通させるとともに、雌ねじ部35aに螺合させることによって負極端子部34と負極端子台35が一体化されている。負極端子30は、負極導電部材28を介して電極組立体12と電気的に接続されている。絶縁リング37は、正極端子29及び負極端子30のそれぞれをケース11から絶縁する。
【0021】
正極端子部31と正極端子台32を接続した正極端子29、及び負極端子部34と負極端子台35を接続した負極端子30は、それぞれが蓋体15から突出した状態で設けられる。また、電極組立体12は、正極端子29及び負極端子30がそれぞれ電気的に接続されることにより、蓋体15に対して固定される。蓋体15と電極組立体12は、正極端子部31と正極端子台32の接続、及び負極端子部34と負極端子台35の接続により、一体化されている。
【0022】
正極端子29と負極端子30のそれぞれにおいてケース11に収容される部分には、ケース11と絶縁するための端子絶縁部材38が取り付けられる。端子絶縁部材38は、正極端子台32と負極端子台35のそれぞれに取り付けられる。端子絶縁部材38は、樹脂製である。
【0023】
端子絶縁部材38は、四角板状の接続部40を有する。接続部40は、一側部に開口するU字状の切欠部41を有する。切欠部41の両側には、正極端子台32の雌ねじ部32a及び負極端子台35の雌ねじ部35aを挟んで支持する一対の挟持片部42を有する。また、接続部40には、切欠部41の開口側とは反対側の一側部から垂下する壁部43を有する。壁部43には、接続部40と平行に延びる四角板状の板部44を有する。板部44は、接続部40との間で正極導電部材27と正極端子台32、又は負極導電部材28と負極端子台35を挟み込むことが可能な間隔をあけて位置している。
【0024】
端子絶縁部材38は、切欠部41に正極端子台32の雌ねじ部32aを挿通させて一対の挟持片部42で挟み込むとともに、接続部40と板部44とで正極導電部材27及び正極端子台32を挟み込むように取り付けられる。また、端子絶縁部材38は、切欠部41に負極端子台35の雌ねじ部35aを挿通させて一対の挟持片部42で挟み込むとともに、接続部40と板部44とで負極導電部材28及び負極端子台35を挟み込むように取り付けられる。
【0025】
図1及び図3に示すように、この実施形態の電極組立体12は、その外面の一部が絶縁フィルム45で覆われた状態でケース本体13に収容される。絶縁フィルム45は、ケース本体13に収容される前においてその全体が平面視略四角状であり、電極組立体12において正極集電タブ群25及び負極集電タブ群26を設けた上面12aを除く、下面12b及び各側面12c〜12fの5面を覆うことが可能な大きさである。絶縁フィルム45は、電極組立体12をケース本体13に収容した場合に、電極組立体12の下面12b及び各側面12c〜12fが面するケース本体13の壁面との間に介在し、電極組立体12とケース本体13を絶縁する。また、絶縁フィルム45において電極組立体12の側面12c,12dを覆う部分は、延長部46を有する。延長部46は、電極組立体12の側面12c,12dの幅方向Wに直交する高さ方向Hに沿って延長されている。
【0026】
図4に示すように、延長部46は、電極組立体12を絶縁フィルム45で覆った状態において電極組立体12の側面12c,12dよりも電極組立体12の高さ方向Hに突出するように延長されている。正極端子29においてケース11内に位置する部分の一部には、端子絶縁部材38によって覆われていない部分がある。この実施形態では、図4に示すように、正極端子台32の一部と電流遮断機構33の一部とが、端子絶縁部材38で覆われていない部分となる。同様に、図示しないが、負極端子30においてケース11内に位置する部分の一部には、端子絶縁部材38によって覆われていない部分がある。この実施形態では、負極端子台35の一部が、端子絶縁部材38で覆われていない部分となる。そして、上記した端子絶縁部材38で覆われていない部分は、ケース11内において電極端子(正極端子29と負極端子30)が露出した部分となる。この露出した部分は、ケース11の内面に面する部分となる。このため、この実施形態において絶縁フィルム45の延長部46は、上記した端子絶縁部材38で覆われていない電極端子の部分であってかつケース11に面する部分と、ケース11の内面との間に介在されるように延長されている。
【0027】
以下、本実施形態の作用を説明する。
ケース11内において電極端子が露出している場合、その露出した部分は、耐電圧を越える高い電圧が印加されたときにケース11の内面と導通経路を形成してしまう。このため、電極端子の露出した部分とケース11の内面との間に絶縁フィルム45を介在させることにより、その絶縁フィルム45が導通経路を阻害する要因となる。つまり、導通経路は、絶縁フィルム45を迂回することで経路長が長くなる。
【0028】
また、この実施形態の二次電池10のように電流遮断機構33を有する場合は、電流遮断機構33の作動に伴って電極端子(実施形態の場合は正極端子29)に高い電圧が印加される場合がある。このような場合であっても、電流遮断機構33とケース11の内面との間に絶縁フィルム45を介在させることにより、その絶縁フィルム45が導通経路を阻害する要因となる。
【0029】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)電極端子(正極端子29と負極端子30)において端子絶縁部材38で覆われていない部分であってケース11に面する部分とケース11との間に絶縁フィルム45を介在させることにより、絶縁破壊を防止できる。
【0030】
(2)また、二次電池10が電流遮断機構33を有する場合であっても、上記のように絶縁フィルム45を介在させることにより、絶縁破壊を防止できる。
(3)絶縁フィルム45に延長部46を設け、電極端子において端子絶縁部材38で覆われていない部分とケース11との間に介在させるので、簡単な構成で、絶縁破壊を防止できる。その結果、二次電池10の製造コストの増加を抑制できる。
【0031】
(4)端子絶縁部材38を取り付けた際に電極端子が覆われていない部分が形成されたとしても、その部分を絶縁フィルム45によってケース11と直接面しないようにすることができる。このため、端子絶縁部材38を簡素な構成としても、絶縁破壊を防止できる。つまり、電極端子の全てを覆うように端子絶縁部材38を構成しなくても良いので、設計の自由度が増すとともに、二次電池10の製造コストの増加を抑制できる。
【0032】
(5)絶縁破壊を防止する構造として、従前から二次電池10の構成部品として存在する絶縁フィルム45を用いることで、新たな部品を追加することなく、部品点数を増加させない。このため、二次電池10の構成が複雑化することを抑制できる。
【0033】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 正極端子29は、正極端子台32が正極導電部材27に直接接合される構成でも良い。この構造の場合は、電流遮断機構33が存在していない。
【0034】
○ 電流遮断機構33は、負極端子30に設けても良い。
○ 電流遮断機構33は、二次電池10の内圧が設定圧力よりも高くなることによって正極導電部材27から分離し、電流を遮断する構造であれば、その具体的な構造は任意に変更することができる。
【0035】
○ ケース11と正極端子29の絶縁構造、及びケース11と負極端子30の絶縁構造を変更しても良い。つまり、上記絶縁構造を構成する端子絶縁部材38の形状を変更しても良い。このとき、採用した絶縁構造によって電極組立体12の側面12e,12fに面するケース11の内面側に電極端子が露出する場合は、その露出する部分とケース11の内面との間に絶縁フィルム45を介在させれば良い。
【0036】
○ 正極集電タブ群25や負極集電タブ群26を折り曲げ構造としなくても良い。
○ 実施形態のような積層型の二次電池10に限らず、帯状の正極電極と帯状の負極電極を捲回して層状に積層した捲回型の二次電池に適用しても良い。
【0037】
○ 実施形態において、正極電極16、及び負極電極17の形状を変更しても良い。例えば、正面視正方形に形成しても良い。
○ 実施形態の二次電池10は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であっても良い。要は、正極活物質層と負極活物質層との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであれば良い。
【0038】
○ 実施形態の二次電池10は、車両として自動車に搭載しても良いし、産業用車両に搭載しても良い。また、定置用の蓄電装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0039】
10…二次電池、11…ケース、12…電極組立体、27…正極導電部材、28…負極導電部材、29…正極端子、30…負極端子、33…電流遮断機構、38…端子絶縁部材、45…絶縁フィルム。
図1
図2
図3
図4
図5