【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、アミノアダマンタンカルバメート誘導体の効率的な製造法として、式(IV):
【化3】
で示される化合物と式(V):
【化4】
で示されるベンジルアミン誘導体を、還元剤の存在下で反応させ、得られたアンチ体とシン体の混合物を酸付加塩にすることで、結晶化によりアンチ体を高純度で精製できることを見出した。すなわち、酸付加塩にすることで、アンチ体とシン体の溶媒に対する溶解度の差や、結晶性(結晶化のしやすさ)の差が生じ、優先的にアンチ体の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物を析出させることができることを見出した。また、得られたアンチ体を脱ベンジル化することでアミノアダマンタンカルバメート誘導体のアンチ体を高純度で製造できることを見出した。
また、本発明者は、式(III):
【化5】
で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物が、式(VIII)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の合成中間体として有用であることを見出した。本中間体を用いることにより、効率的に式(VIII)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物を製造することができる。
先行技術記載の方法は、式(IX):
【化6】
で示される化合物を製造した後に、アダマンタン骨格上の水酸基の修飾を行うものである。
このルートは、多段階を経て製造された式(IX)で示される化合物を原料としてさらに反応を行う必要があるので、その後の修飾反応の収率や最終目的物までのステップ数によっては、経済的ではない。
また、式(IX)で示される化合物は、溶解性が低く使用できる溶媒に制限がある。式(IX)で示される化合物を溶解させることができる溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)が挙げられるが、アダマンタン骨格上の水酸基の修飾を行うために使用するクロロスルホニルイソシアナート(CSI)がTHFと反応してポリマーを形成してしまうという問題点があることがわかった。
本発明のように先に所望の基を有するアダマンタンアミン誘導体を合成し、その後、式(VII):
【化7】
で示される化合物と反応させることにより、式(VIII)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物を効率よく製造することができることを見出した。
【0007】
本発明者は、以下の発明を完成した。
(1)
式(I):
【化8】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物のシン体とアンチ体の混合物に、溶媒の存在下、酸を添加して、式(II):
【化9】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記と同意義)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物を分離することを特徴とする、式(II)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物の製造方法。
(2)
式(II)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物を結晶化させることを特徴とする、前記(1)記載の製造方法。
(3)
式(II):
【化10】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1)と同意義)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物を脱保護することを特徴とする、式(III):
【化11】
(式中、R
1およびR
2は前記(1)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(4)
酸の存在下で脱保護することを特徴とする、前記(3)記載の製造方法。
(5)
酸が塩酸である、前記(4)記載の製造方法。
(6)
前記(1)または(2)記載の製造方法を包含する、前記(3)記載の式(III)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(7)
酸付加塩が塩酸塩である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)
酸付加塩が安息香酸塩である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(9)
式(II)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物が、安息香酸塩のトルエン和物である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(10)
式(IV):
【化12】
(式中、R
1およびR
2は前記(1)と同意義)で示される化合物を式(V):
【化13】
(式中、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1)と同意義)で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(VI):
【化14】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(11)
式(VI):
【化15】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1)と同意義)で示される化合物を還元することを特徴とする、式(I):
【化16】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(11−1)
式(IV):
【化17】
(式中、R
1およびR
2は前記(1)と同意義)で示される化合物と
式(V):
【化18】
(式中、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1)と同意義)で示される化合物を還元剤の存在下で反応させることを特徴とする、式(I):
【化19】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(12)
酸を添加することを特徴とする、前記(10)、(11)または(11−1)のいずれかに記載の製造方法。
(13)
ヒドリド還元剤を用いて還元する、前記(11)、(11−1)または(12)のいずれかに記載の製造方法。
(14)
トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、テトラヒドロホウ酸リチウム、ピリジンボラン錯体、テトラヒドロフランボラン錯体、硫化ジメチルボラン錯体、2−ピコリンボラン錯体およびナトリウムから選択される1以上の還元剤を用いて還元する、前記(11)、(11−1)または(12)のいずれかに記載の製造方法。
(15)
5−ヒドロキシ−2−アダマンタノンとクロロスルホニルイソシアナートを反応させ、加水分解することを特徴とする、式(IV):
【化20】
(式中、R
1およびR
2は水素である。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(16)
前記(10)、(11)、(11−1)または(12)〜(15)のいずれかに記載の製造方法を包含する、前記(6)記載の製造方法。
(17)
R
3、R
4、R
5およびR
6が水素である、前記(1)〜(11)、(11−1)、(12)〜(14)または(16)のいずれかに記載の製造方法。
(18)
R
1およびR
2が水素である、前記(1)〜(11)、(11−1)または(12)〜(17)のいずれかに記載の製造方法。
(19)
前記(1)〜(11)、(11−1)または(12)〜(18)のいずれかに記載の製造方法を含む方法により、式(III):
【化21】
(式中、R
1およびR
2は前記(1)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物を得、得られた式(III)で示される化合物を式(VII):
【化22】
(式中、R
7は式:−Y−R
11(式中、Yは単結合、−O−または−S−であり、R
11は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニルまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基であり、
R
8およびR
9はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、またはR
8およびR
9はそれらが結合している隣接する炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の環を形成していてもよく、
R
10は式:−C(=O)−NR
12R
13(ここでR
12およびR
13はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロサイクリル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニル、置換もしくは非置換のヘテロアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルスルホニルであるか、またはR
12とR
13はそれらが結合している隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の環を形成していてもよい。)で示される基、または
式:−NR
14R
15(ここでR
14およびR
15はそれぞれ独立して水素、カルボキシ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロサイクリル、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであるか、またはR
14とR
15はそれらが結合している隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の環を形成していてもよい。)で示される基であり、
Xはヒドロキシまたは脱離基である。)で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(VIII):
【化23】
(式中、R
1、R
2、R
7、R
8、R
9およびR
10は前記と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(20)
式(IV):
【化24】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールである。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
(20−1)
R
1およびR
2が水素である、前記(20)に記載の化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
(20−2)
粉末X線回折の2θの値が12.2±0.2、16.8±0.2、17.6±0.2、19.0±0.2、21.7±0.2、24.5±0.2および34.2±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(20−1)記載の化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の結晶。
(21)
式(VI):
【化25】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
(21−1)
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6が水素である、前記(21)に記載の化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
(22)
式(II):
【化26】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
(23)
前記(22)記載の式(II)で示される化合物の塩酸塩またはその塩酸塩の溶媒和物。
(23−1)
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6が水素であり、粉末X線回折の2θの値が9.4±0.2、15.6±0.2、16.5±0.2、18.9±0.2、19.8±0.2、21.1±0.2、24.2±0.2、26.5±0.2および28.6±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(23)記載の化合物の塩酸塩またはその塩酸塩の溶媒和物の結晶。
(24)
前記(22)記載の式(II)で示される化合物の安息香酸塩またはその安息香酸塩のトルエン和物。
(24−1)
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6が水素であり、粉末X線回折の2θの値が8.9±0.2、10.1±0.2、12.3±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、18.0±0.2、19.4±0.2、19.7±0.2、20.3±0.2、26.1±0.2および26.4±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(24)記載の化合物の安息香酸塩またはその安息香酸塩のトルエン和物の結晶。
(25)
式(III):
【化27】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールである。)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物。
(26)
前記(25)記載の式(III)で示される化合物の塩酸塩またはその塩酸塩の二水和物。
(26−1)
R
1およびR
2が水素である、前記(26)記載の化合物の塩酸塩またはその塩酸塩の二水和物。
(26−2)
粉末X線回折の2θの値が11.9±0.2、14.9±0.2、17.6±0.2、18.4±0.2、18.9±0.2、19.8±0.2、20.4±0.2、23.2±0.2、27.3±0.2および30.1±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(26−1)記載の化合物の塩酸塩の結晶。
(26−3)
粉末X線回折の2θの値が14.7±0.2,18.9±0.2,20.9±0.2,25.6±0.2,29.8±0.2および31.6±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(26−1)記載の化合物の塩酸塩の二水和物の結晶。
さらに、本発明者は、以下の発明を完成した。
(1A)
式(I):
【化28】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物のシン体とアンチ体の酸性溶媒中の混合物から、式(II):
【化29】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記と同意義)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物を分離することを特徴とする、式(II)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物の製造方法、
(1A−1)
式(I):
【化30】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物のシン体とアンチ体の混合物に、溶媒の存在下、酸を添加して、式(II):
【化31】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記と同意義)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物を析出させることを特徴とする、式(II)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物の製造方法、
(2A)
結晶化させることを特徴とする、前記(1A)または(1A−1)記載の製造方法、
(3A)
式(II):
【化32】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1A)と同意義)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物を脱保護することを特徴とする、式(III):
【化33】
(式中、R
1およびR
2は前記(1A)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(4A)
酸の存在下で脱保護することを特徴とする、前記(3A)記載の製造方法、
(5A)
酸が塩酸である、前記(4A)記載の製造方法、
(6A)
前記(1A)、(1A−1)または(2A)のいずれかに記載の製造方法を包含する、前記(3A)記載の式(III)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(7A)
酸付加塩が塩酸塩である、前記(1A)、(1A−1)または(2A)〜(6A)のいずれかに記載の製造方法、
(8A)
酸付加塩が安息香酸塩である、前記(1A)、(1A−1)または(2A)〜(6A)のいずれかに記載の製造方法、
(9A)
式(II)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物が、安息香酸塩のトルエン和物である、前記(1A)、(1A−1)または(2A)〜(6A)のいずれかに記載の製造方法、
(10A)
式(IV):
【化34】
(式中、R
1およびR
2は前記(1A)と同意義)で示される化合物を式(V):
【化35】
(式中、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1A)と同意義)で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(VI):
【化36】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1A)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(11A)
式(VI):
【化37】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1A)と同意義)で示される化合物を還元することを特徴とする、式(I):
【化38】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1A)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(12A)
酸を添加することを特徴とする、前記(10A)または(11A)記載の製造方法、
(13A)
ヒドリド還元剤を用いて還元する、前記(11A)または(12A)記載の製造方法、
(14A)
トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、テトラヒドロホウ酸リチウム、ピリジンボラン錯体、テトラヒドロフランボラン錯体、硫化ジメチルボラン錯体、2−ピコリンボラン錯体およびナトリウムから選択される1以上の還元剤を用いて還元する、前記(11A)または(12A)記載の製造方法、
(15A)
5−ヒドロキシ−2−アダマンタノンとクロロスルホニルイソシアナートを反応させ、加水分解することを特徴とする、式(IV):
【化39】
(式中、R
1およびR
2は水素である。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(16A)
前記(10A)〜(15A)のいずれかに記載の製造方法を包含する、前記(6A)記載の製造方法、
(17A)
R
3、R
4、R
5およびR
6が水素である、前記(1A)、(1A−1)、(2A)〜(14A)または(16A)のいずれかに記載の製造方法、
(18A)
R
1およびR
2が水素である、前記(1A)、(1A−1)または(2A)〜(17A)のいずれかに記載の製造方法、
(19A)
前記(1A)、(1A−1)または(2A)〜(18A)のいずれかの製造方法を含む方法により、式(III):
【化40】
(式中、R
1およびR
2は前記(1A)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物を得、得られた式(III)で示される化合物を式(VII):
【化41】
(式中、R
7は式:−Y−R
11(式中、Yは単結合、−O−または−S−であり、R
11は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニルまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基であり、
R
8およびR
9はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、またはR
8およびR
9は隣接する炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の環を形成していてもよく、
R
10は式:−C(=O)−NR
12R
13(ここでR
12およびR
13はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロサイクリル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニル、置換もしくは非置換のヘテロアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルスルホニルであるか、またはR
12とR
13は隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の環を形成していてもよい。)で示される基、または
式:−NR
14R
15(ここでR
14およびR
15はそれぞれ独立して水素、カルボキシ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロサイクリル、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであるか、またはR
14とR
15は隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の環を形成していてもよい。)で示される基であり、
Xはヒドロキシまたは脱離基である。)で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(VIII):
【化42】
(式中、R
1、R
2、R
7、R
8、R
9およびR
10は前記と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(20A)
式(IV):
【化43】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールである。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物、
(20A−1)
R
1およびR
2が水素である、前記(20A)に記載の化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物、
(20A−2)
粉末X線回折の2θの値が12.2±0.2、16.8±0.2、17.6±0.2、19.0±0.2、21.7±0.2、24.5±0.2および34.2±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(20A−1)記載の化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の結晶、
(21A)
式(VI):
【化44】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物、
(21A−1)
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6が水素である、前記(21A)に記載の化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物、
(22A)
式(II):
【化45】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物、
(23A)
前記(22A)記載の式(II)で示される化合物の塩酸塩またはその塩酸塩の溶媒和物、
(23A−1)
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6が水素であり、粉末X線回折の2θの値が9.4±0.2、15.6±0.2、16.5±0.2、18.9±0.2、19.8±0.2、21.1±0.2、24.2±0.2、26.5±0.2および28.6±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(23A)記載の化合物の塩酸塩またはその塩酸塩の溶媒和物の結晶、
(24A)
前記(22A)記載の式(II)で示される化合物の安息香酸塩またはその安息香酸塩のトルエン和物、
(24A−1)
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6が水素であり、粉末X線回折の2θの値が8.9±0.2、10.1±0.2、12.3±0.2、15.2±0.2、16.3±0.2、18.0±0.2、19.4±0.2、19.7±0.2、20.3±0.2、26.1±0.2および26.4±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(24A)記載の化合物の安息香酸塩またはその安息香酸塩のトルエン和物の結晶、
(25A)
式(III):
【化46】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールである)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物、
(25A−1)
R
1およびR
2が水素である、前記(25A)記載の化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物、
(25A−2)
粉末X線回折の2θの値が11.9±0.2、14.9±0.2、17.6±0.2、18.4±0.2、18.9±0.2、19.8±0.2、20.4±0.2、23.2±0.2、27.3±0.2および30.1±0.2度から選択される2つ以上の2θを有する、前記(25A−1)記載の化合物の塩酸塩またはその塩酸塩の溶媒和物の結晶。
(1B)
式(I):
【化47】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニル、置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物のシン体とアンチ体の酸性溶媒中の混合物から、式(II):
【化48】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記と同意義)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物を分離することを特徴とする、式(II)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物の製造方法、
(2B)
結晶化させることを特徴とする、前記(1B)記載の製造方法、
(3B)
式(II):
【化49】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1B)と同意義)で示される化合物の酸付加塩またはその酸付加塩の溶媒和物を脱保護することを特徴とする、式(III):
【化50】
(式中、R
1およびR
2は前記(1B)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(4B)
前記(1B)または(2B)記載の製造方法を包含する、前記(3B)記載の式(III)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(5B)
式(IV):
【化51】
(式中、R
1およびR
2は前記(1B)と同意義)で示される化合物を式(V):
【化52】
(式中、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1B)と同意義)で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(VI):
【化53】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1B)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(6B)
式(VI):
【化54】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1B)と同意義)で示される化合物を還元することを特徴とする、式(I):
【化55】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は前記(1B)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(7B)
酸を添加することを特徴とする、前記(5B)または(6B)記載の製造方法、
(8B)
ヒドリド還元剤を用いて還元する、前記(6B)または(7B)記載の製造方法、
(9B)
トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、テトラヒドロホウ酸リチウム、ピリジンボラン錯体、テトラヒドロフランボラン錯体、硫化ジメチルボラン錯体、2−ピコリンボラン錯体およびナトリウムから選択される1以上の還元剤を用いて還元する、前記(6B)または(7B)記載の製造方法、
(10B)
5−ヒドロキシ−2−アダマンタノンとクロロスルホニルイソシアナートを反応させ、加水分解することを特徴とする、式(IV):
【化56】
(式中、R
1およびR
2は水素である。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(11B)
前記(5B)〜(10B)のいずれかに記載の製造方法を包含する、前記(4B)記載の製造方法、
(12B)
R
3、R
4、R
5およびR
6が水素である、前記(1B)〜(9B)または(11B)のいずれかに記載の製造方法、
(13B)
R
1およびR
2が水素である、前記(1B)〜(12B)のいずれかに記載の製造方法、
(14B)
前記(1B)〜(13B)のいずれかの製造方法を含む方法により、式(III):
【化57】
(式中、R
1およびR
2は前記(1B)と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物を得、得られた式(III)で示される化合物を式(VII):
【化58】
(式中、R
7は式:−Y−R
11(式中、Yは単結合、−O−または−S−であり、R
11は置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニルまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルである。)で示される基であり、
R
8およびR
9はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたはハロゲンであり、またはR
8およびR
9は隣接する炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の環を形成していてもよく、
R
10は式:−C(=O)−NR
12R
13(ここでR
12およびR
13はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロサイクリル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニル、置換もしくは非置換のヘテロアリールスルホニルまたは置換もしくは非置換のヘテロサイクリルスルホニルであるか、またはR
12とR
13は隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の環を形成していてもよい。)で示される基、または
式:−NR
14R
15(ここでR
14およびR
15はそれぞれ独立して水素、カルボキシ、ヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のヘテロサイクリル、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のチオカルバモイル、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニル、置換もしくは非置換のアルキルオキシカルボニルまたは置換もしくは非置換のスルファモイルであるか、またはR
14とR
15は隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の環を形成していてもよい。)で示される基であり、
Xはヒドロキシまたは脱離基である。)で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(VIII):
【化59】
(式中、R
1、R
2、R
7、R
8、R
9およびR
10は前記と同意義)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物の製造方法、
(15B)
式(IV):
【化60】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールである。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物、
(16B)
式(VI):
【化61】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニル、置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物、
(17B)
式(II):
【化62】
(式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
3およびR
4はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換のアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールであり、R
5およびR
6はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシ、ニトロ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルキルオキシ、置換もしくは非置換のアルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニル、置換もしくは非置換のスルファモイルである。)で示される化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
なお、本明細書中、化合物を化合物と反応させることには、化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物を化合物もしくはその塩またはそれらの溶媒和物と反応させることを包含する。